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6日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
やすみ。仕事を入れても良かったのだが、まぁ、休む事にした。壱日のんびりと残務処理。自炊と賄い飯のおかげで、ホテルや新幹線を使っても、酷い赤字にはならなかったやうだ。CDも良く売れたやうである。地道に旅を進めるしかないね。
夕方からしーシュ、ではなく椎名まさ子&フライデーのリハ。明日の「ピアノ弾き語る淑女」のための。しーなさんが構成した内容が少し弱い気がしたので、見直しを。フライデーとは云へ、かういふ形のライヴでは、ワシはプロデューサーとしての役割もちゃんと果たさねばならぬ、と思ってゐる。それ自体がなんか独善的なやうな気もして、タマにひとり落ち込む事もあるのだが・・・。
久しぶりに家で料理。女房が作ってくれてゐたカレーの残りを使って濃厚なカレーソースを作る。鶏腿肉とぢゃが芋の乱切りを大蒜で炒め、仕上げにカレーソースで煮込む。名付けて「鶏大蒜ソテーカレーソース煮(そのまんまやんけ)」。
7日(木)-----------------------------------------------------------------------------------
さぁ、亜紀さんだよぅ。
鈴木亜紀、初の広島ライヴだ。
「ピアノ弾き語る淑女 ふたり」といふイベントで、ワシはホスト役として全体をコーディネート。まぁ昨年末の「音楽監督」に次いで「馴れない」仕事として頑張りますよぅ。色々悩んだが、やはり「司会進行」といふ形で存在した方が良からう、と。さらに馴れない仕事・・・。
会場のJUKEで亜紀さんと合流。旅慣れた人らしくフイと現れるのが亜紀さんらしひ。しーなさんとは初対面。ピアノ弾き同士、早速打ち解けて話してゐる。しーなさんと並ぶとほんとにちっちゃいヒト、といふ印象。なんかそのまま飲みに出かけさうな二人をリハに誘う(笑)。
程々にお客さんも集まり、定刻ちょい押しでライヴスタート。ワシの口上から始まり、しーなさんのソロへ。
しーなさんはシックなソロ曲を中心に。余裕のステージはお客さんを良いかんぢにほぐしてくれてゐる。後半ワシが参加して4曲ほど。壱曲だけ唄わせてもろた。なんか音像がボヤけてゐて、すげぇ演り難かったなぁ。しーなさんの唄がちょいとなにか硬い印象があったが、原因はコレか?。なんか客席に届いてる音が想像出来ない、っていふツラさ・・・。大丈夫なのかな?と思ひながら演るのは、割とツラいですな。
休憩挟んで亜紀さんのステージ。広島の地に初めて流れる彼女の唄が、どんな風に受け止められるか、正直不安はあった。自分が「良い」と思ふものの独特さは知ってゐるつもりなので・・・。が、いざステージが始まって彼女のスウィッチが入ると、もう心配御無用。お見それしました、の世界だった。アーやっぱりこの人のファンである、といふは全然間違いではないな、と。
こないだ東京で会った時、急遽亜紀さんの曲でもベース弾く事になったが、曲の指定はなく、けふ初めて譜面を渡された。が!ファンと云ふは強いもの。どの曲が来ても歌えるのだから怖いこたァないよ。結局、本割3曲とアンコールの2曲で一緒に演ったが、長年のユニットのやうに演れた。亜紀さんからも絶賛をもらって嬉しや。
最後は全員でセッション。セッションには彼女の古い仲間であるなにわのてつ、がギターで参加。和やかに大団円。ぃや〜〜〜〜〜ひとまづ成功、と云ふ処に行けて良かった。しーなさんの力が大きいね。今回しーなさんは、ピアノの調製や広報など、裏方でもいっぱい力を貸してくれたのだ。ワシひとりでは出来なんだらうな。ありがとう。
亜紀さんのCDが飛ぶやうに売れてゐて、それも良かった、と。多くの人が「お前がファンだと云ふだけはある」と云ってくれた。うん。今回はそれだけでIt's OKよ。
打ち上げでは、良く呑み、良く喰ふ亜紀さん。色んな事の意外な繋がりが発覚して、またオモロい。中でも、亜紀さんが、ワシが一時期たいへん良く聴き込んだ伝説のプログレバンド「美狂乱」のメンバーだった!って事を聞いた時は・・・!!。
8日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
けふの船便で四国は松山に渡ると云ふ亜紀さんを、見送りがてら港まで送迎す。
雨の中迎えに行って吃驚。彼女本人が入ってしまひさうな巨大なスーツケースがっ!。なんでも松山のライヴは写真展(彼女は写真家としても活躍)も兼ねてゐるらしく、その写真や道具が入ってゐるとのこと。これは大変だ。車で送迎に来て正解だった。
松山港行きフェリーの桟橋まで行き、船が出るまでを見送る。長らく生きてゐるが、船で旅立つ人を見送る、てのは初めての事かもしれんな。亜紀さん、ありがとう。お元気で。
雨にけぶる、ひと気のない港の待ち合い室で、ふたりぢっと船を待ってゐる姿は詩的であっただらうが、遂に最後まで「亜紀ちゃん」とは呼べなかった。ブルーズだなぁ。
・・・しかしあのスーツケース、松山に着いてからは大丈夫だらうか?。
9日(土)-----------------------------------------------------------------------------------
御贔屓酒場MAC主催のチャリティ・ライヴに出演。チャリティライヴに参加する事には、いまだ大いに疑問あれど、単純にライヴを演る事に餓えてゐる音楽家として、参加する事にした。実際、ライヴの会場は、別にチャリティだからといって特別厳粛でもなし。酒も呑めば煙草も吸うし、女性を口説いてゐたり、奥の方でライヴを見もせずに喋ってるのもゐる。
そんな中、狂乱のお祭りダンスバンド「Aka toe jam」の後続にソロで。いぢわるな出演順やなぁ、とか思ひながら何も喋らずに「よぅそろ」から始めた。以後、丘にのぼる時、トゥアタラ、夜明けの海ごっこ、までMCなしでぶっ続ける。驚いた事に、始めるまであれだけぎゃあぎゃあ騒いでゐた客席が、静かに聞き入りはじめてゐる。へ〜〜〜。
最後「らのえてぃあ」のまえに初めてMCを入れる。「救済も復興も崩壊もまだ始まったばかりだ」といふ主旨の事だけ云って、ラスト。25分ぐらいの演奏。意外なほどウケてゐて驚く。見知らぬ御仁に『プロになれば良いのに』と云はれて笑う。プロですがな。それがノーギャラで演るからチャリティでしょう?。
善くも悪くも「チャリティ」と云ふものの本質を考えてしまふ壱日だった。
今後も、このテの企画に誘われれば出るつもりだ。だが、自分からチャリティを企画したり、売り上げを寄付したりはせぬだらう。寄付は「音楽家:梶山シュウ」としてでなく、「遊び人:梶山修」として継続して行なっていく。
10日(日)-----------------------------------------------------------------------------------
恒例Far east loungeの花見。女房が朝早くから起きて弁当をこさえてゐる。弁当と云ふは、何故あんなにも心踊るのだらうか。
晴天に恵まれた広島市基町公園付近。集まりし面子はカシラ一家、しーなさん&娘、ウチら夫婦、クボっち、女子競輪選手ゆ〜チャン、紙漉きヒトコ。本安川沿いの桜は満開で、おそらく見頃の最後の日曜日、といふ事もあっていっぱいの花見客。自粛ムードなど皆無。それで良いンぢゃ。呑もう、喰おう、唄おう。
が、
寒いのだ。風が冷たいのだ。なんだこの寒さは。夕方になる頃には寒さが本気で身に沁み始め、撤収。例によって四川ラーメンでシメやうとしたが、寒いので飲み食いした量を計算し切れず、5分もせぬうちに全部吐いちまった。酔った、といふよりは喰ひ過ぎ。まぁ、いい。弁当は全部美味だったし、途中で取った宅配ピザも温くて美味だった。楽しかった。3対1で楽しかったほうが勝ち。
11日(月)-----------------------------------------------------------------------------------
昨日の花見の席に、カシラが「フトゥヤラ」といふ奇妙な楽器を持って来てゐた。スロバキヤの民族笛「フヤラ」を現代風に改良したらしひモノ。見た目と作りがチャチぃ割には驚くほど高価なので、皆から突っ込まれたカシラは気の毒だったが、楽器としては結構オモロいものだった。ちょっと聴きだと電子系の音にも聞こえる。倍音率を利用した三ツ穴、てぇ事は原理はトラムペットと同じか・・・・。
かういふ楽器を、ネタでも良いから使ってみやう、といふ発想が、管楽器吹きから出ぬものか、と思はぬでもない。例えばフリュートやラッパ吹きの肺活量でこの楽器を使えれば、さぞや素晴らしき面白き事が出来るであらうに・・・。まぁ基本的には、みんな自分の担当楽器を愛してゐるのだから、それは無理か。
考案者であるらしいナディシャナといふ男のバンドが、なかなか良い。ほぉ、ベーシストおかしげな楽器使ってるな。アミン・メッツ。ドイツでは有名な放浪ベーシストらしひ。
12日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
なんとあの「ドロロンえん魔くん」のアニメがリメークされてゐるやうだ。へ〜〜〜っっ!!。なんで今頃?。
えん魔くん、と云へば「雪子姫」。主役であるえん魔の活躍より、雪子姫のHシーンに漫画力の全てが注がれてゐる、と云っても過言ではない。ガッチャマンの白鳥ジュンと並んで、少年時代のワシのヰタ・セクスアリスの象徴だった。「妖怪ヘビ壷」の巻なんぞもうスゲ
ちょいと公式サイトを覗いてみると、深夜枠って事もあって相当にエロいかんぢ。だが、漫画設定よりだいぶコドモコドモしてゐて、エロとは云ってもロリコンアニメのやうだ。ん〜〜〜〜、エロいアニメは嫌いではないが、ワシはロリではないからなぁ・・・。「ヘビ壷」の回があったら見てみたいが・・・。
13日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
最近、マイア・バルーといふ女性アーティストを知り、ちょいとヤラれてゐる。はぁ〜こんな感覚を持った女の子がゐたのかぁ、てかんぢ。父親はあのピエール・バルー。壱部ではもう既に名の知られた存在のやうだ。芸術のサラブレッドらしひ奔放さと、現代人らしひボーダレス感覚が見事に結実してゐて、素晴らしい。かういふ世界観で表現するシンガー、パフォーマーは他にも結構ゐるが、「器用さ」に走ってない処がぢつに良い。あ”〜〜、かういふの聴くと『ここでベース弾きたい!』と思はずにはおれぬな。
なんかビ・ミョ〜〜〜〜〜〜〜に知り合いの知り合いのやうで、いつかさういふ機会があれば良いなぁ、とは思ひ続けてゐやう。
14日(木)-----------------------------------------------------------------------------------
今持ってる中で唯一のフレット付きベース、を、フレットレスに改造しやうかどーか思ふ。もうこの先多分、フツーの仕事はあんまり来ぬだらうしなぁ・・・。
ちなみにこれ、BX-4ていふヘッドレスのちーさくて軽いやつ。02年頃、ツアー用にと思って買った(¥20,000だった)のだが、初期のツアーで壱度使ったっきり。携帯性はバッチシなんだが、やはり当時のワシのスタイルには、音がショボかった。あぁ、さういやあの3ヶ月に及ぶ入院生活の練習用ベースとしても活躍したなぁ。小さいから車椅子に積めたんだ。毎日昼過ぎには屋上まで上がって弾いてたもんだ。考えてみれば世話になったベースだな。
音のショボさも、今のワシにならマッチしさうだし、ちょっと本気で使ってみるかねぇ。
レッスンの後、しーシュのリハ。しーなさん、声が嗄れ嗄れ。なんかこの時期によくなってしまふらしひ。さういや去年もさうだったな。花粉か、黄砂か・・・。しーシュ明日から参連チャンですが、大丈夫かね?。まぁカバーしますけどね。そこは二人とも歌えるデュオの強みだな。
15日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
けふは旅バンド「りぶさん」を迎える。
その前に、専門学校の今期初授業。新一年生を迎える初めての授業で、しかし教材を全部忘れて行ってしまふ、と云ふふざけた非常勤講師がワシ。生徒には正直にその旨伝え、しかし90分3コマレッスンをす。後で聞けば新一年生からは『面白い授業』と評価あり。とりあへず安堵。
その足で会場入り。リハ中のりぶさんに再会す。やぁやぁお久しぶり、とか云ひながら。リハを聴くだけで、やはり彼らの確かな実力と、それに裏付けられたオープンさと陽気さに、自然に笑みがこぼれる。やっぱり良いバンドだな。けふはお客さんいっぱい来てくれたら良いな。
で、開演時には満席、その後もどんどんお客さんがやって来て、最終的には立ち見もぎちぎち、てかんぢのライヴとなった。
良く考えてみたらしーシュは、地元では3ヶ月ぶりのライヴ。それぞれの仕事や数こなしたツアーに鍛えられ、恐らく今一番えぇかんぢになってゐると思ふ。満場のお客さんの盛り上がりにも後押しされ、近年ベストなパフォーマンスだった。昨日やや懸念されたしーなさんの声嗄れも、全然問題なし。新曲「苔の記憶」広島初披露となったが、これも仲々大好評。
後続のりぶさんも、期待通りの素晴らしい演奏。ドラムレスの、しかし充分にグルーヴするリズム。3人ともリードがとれるヴォーカルのハーモニィ。3人がひょいひょいと楽器を持ち替える器用さ。楽しくて仕方ない、てかんぢのジャンプナンバー。逆にシブい声でしっとりと聴かせるバラード。それでゐて、コール&レスポンスを強要したりしない、ステージングの潔さ。全てにおいて、皆に「これが紹介したかったんよ!」と声を大にして云へる見事なライヴを魅せてくれた。
最後はりぶさん+しーシュでしっとりとシメる。大団円。拍手が鳴り止まない。いや〜〜〜〜良いライヴだった。
打ち上げは零時をまわってしまってゐたが、お客も交えて和気あいあいと。思へば彼らとは、松坂のMAXAのイベントで出会ったのだ。お互いに一目で気に入り、しかし会うのはけふが3度目。それぞれが旅を続ける中で、点と線が繋がりあい、けふのライヴに至った、といふかんぢだ。こんな素敵なヤツらと、さういふ関係になれたのはホンマに嬉しい。またの再会と再演、お互いの旅の安全を祈って、固く握手とハグを交わす。
また会おう。それほど遠くない未来に。
Tipのミミが「シュウさん、ここの処えぇ仕事しとるね」と云ってくれた。ははは、ありがとう。さうだな。なんか良いかんぢで世界と関われてゐる、といふ気はするな。
16日(土)-----------------------------------------------------------------------------------
昨日りぶさんとの打ち上げをオヒラキにしたのが2:30頃だった。家に帰ってすぐ寝たが、体内時計により7時には起きてしまふ。貧乏性やな。女房の友達が持って来てくれた超厚切りの食パンで朝昼兼のメシにして、珍しいことに昼寝す。よほど寝不足だったのか2時間も眠りこけてしまった。ひとは『?』と云ふが、ワシにしてはたいへん珍しい事なのである。
夜は椎名さんとオリエンタルホテルの営業。椎名まさ子とフライデーのラウンヂ演奏も、早いものでもう3ヶ月。かういふ仕事は、馴れが出て来る頃がヤバいのだ。けふは店が騒がしかったせいもあるが、なんか譜面に集中出来なんだ。おまけに花粉症の影響か、それとも単にトシのせいか、目が霞んでちーさいコードが読めぬ。少し散漫な演奏をしてしまった。ちょいとイカンな。
毎度思ふが、このビ・ミョ〜なテンションで40分ステージを3回、てのは、想像以上に疲れるのです。けふもクタクタになってしまった。身体はクタクタなのに、頭はなかなかクールダウン出来ず、だからかういふ日は、眠りも浅い。変な夢ばっかり見る。なかでも最低なのは、猫ぐらいの大きさの芋虫が目の前を這ってゐる、てやつ・・・・。
17日(日)-----------------------------------------------------------------------------------
しーシュ3連チャン最終日。恒例の五日市さくら祭りへの参加。昨年ツアーと重なってしまひ、連続出場記録が10回で途切れたが、復活。個人的にはこれで11回めの出場となる。実行委員会の顔ぶれも大幅に変わり、なんかその中で五日市の住民でもないワシが、こんなに出続けて良いのか?とも思ふが・・・。
女性オンリー編成によるビートルズのカヴァーバンドの後続でウチら。自分らが楽しむつもりで、割とアゲアゲ系の曲を中心に30分。フと思ひ付き、久々にしーなさんのポップな名曲「サイドカーに犬を乗せて」を演ってみる。拍手が一段と大きい。やっぱりなぁ。かういふ場ではみんなポップなものを求めてゐるのだね。まぁそれでもしーシュ流えせニックナンバーも、基本的にはウケてゐて良かった。づーっと踊ってくれてる女性がゐたな。
会場に高校時代の友人が来てゐて、30年ぶりの再会。ぢつは前々からここでのワシの演奏は見てゐて、密かに応援してくれてゐたらしひ。サイトも全部チェックしてくれてゐるのださう。とても嬉しい。高校の3年間、毎朝一緒に登校してゐたヤツなのだ。本当に嬉しい。ありがとう。
さて、しばらく会場で他の催し物を見たり、焼そばを喰ったりしてから、一旦解散して市内へ移動。旅するロッカー高田エージアニキの広島ライヴを見に行く。ゲストはなにわのてっちゃんと、カッポレのしげたろう。「アレでも」と思ひ、ベースを持って行ったら、てっちゃんが一緒に演ってくれ、と云ふ。望むところ、と数曲でセッション。するともう流れでエージさんのラインナップにも入る事になり、したらエージさんももう「ツイデだからしーなも入れよ」て事になり、これで高田エージGu&Vo、てっちゃんGu、しげたろうHarp、しーなさんKey、ワシBa、といふ「バンド」が完成。
自分らで大盛り上がりしながら4曲ほどセッションした後には、エージさんから『次から広島はこの編成で行こう!Yeh!』と宣言(笑)。ぢつに楽しいライヴだった。エージさん、ありがとうざいます。
ばぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、専門学校も始まったし、なかなかハードな連チャンだったなぁ。
18日(月)-----------------------------------------------------------------------------------
ウチの近所に、なんかよぅ分からぬが巻寿司などを売ってるらしひ店がオープンしてゐる。いちをう『寿司』と旗が立ってゐるが、ネギなどの野菜も売ってる。狭い店内にフツーの食卓がデンと置いてあり、タマにおばちゃんがそこでうどんを喰ってたりす。なんの店なのだ?これは・・・。
けふ昼過ぎにそこを通りかかったら、『コロッケあります』との貼り紙。コロッケかぁ、と思ひながら一瞬通り過ぎたのだが、引き返して入ってみる。ニコやかなおばちゃんがゐて「ミンチがたっぷりで美味しいよ〜このコロッケ」とのこと。3コで¥330だから決して安くはないが、確かにたいへん美味かった。ふぅん・・・。
でもまだなんの店なのか分からん。
19日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
現在ワシの「欲しいものリスト」の同率壱位に「mp3プレーヤー&レコーダー」「電池駆動のベーアン」「電子パーカッション」がある。この中で、まぁ職業音楽家として、可及的速やかに必要なのは、やはりmp3プレーヤーか、とも思ふ。レッスンにCDを持ち歩く必要もなくなるし・・・。が、ワシってば、意外にかういふモノに対して財布のヒモが固いのだ。せめて今使ってるMDヲークマンが壊れるまでは・・・とか考へてしまふのだな。
だがまぁ、各社色々出揃ひ、そろそろ選び時かとも思ふ。聴けばTVのリモコンのやうなサイズで、4chのレコーディングまで出来るヤツもあるらしひ。ツイデだからムーヴィーも録れるヤツにするか?とか考へてゐるとまたタイミングを逸し、結局また悩み中・・・みたいな。
20日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
昼飯に、うどんのわきたに行く。店主ボビーさんから『ここでソロのライヴを演っちゃどーか?』との話があったので、その打ち合はせも兼ねて。うどんを喰ひながら、日程や料金設定の話。さうか、かういふ処のお客さん相手になら、ベースにこだわらずギターやピアノの弾き語りでも良いのだ、と思ふ。久しぶりに1ライヴ丸まるギターで演る、てのもエェかもしれませんね。
よし。このライヴを「梶山シュウ:song's」とし、5月27日に決定!。
こないだ(月曜日)のコロッケが美味かったので、また行く。おばちゃん、「ミンチがたっぷりで美味しいよ〜」と、こないだと同じ事を云ふ。たいへん感じの良いおばちゃんだが、どーやら客の顔は憶えてないやうだな。
21日(木)-----------------------------------------------------------------------------------
久々に夕方の波留個に行く。
波留個の書店で立ち読み。某低音系雑誌にビル・ラズウェルの特集が組まれてゐる、といふ話を聞いたので。しかし立ち読む限りでは、インタヴーと機材、過去の作品が載せられてゐるに過ぎず、その内容たるや空疎にして冗長。ファンならすでに知ってゐることばかり。大した特集ではなかった。
ラズウェルが、いかにして現在のやうな強大なミュージシャン・ネットワークを築き上げるに至ったか、そのインスピレーションは何処にあったのか、あのベースで(失礼。だが彼は決して名プレーヤーではない)世界の名だたるジャズやフリーの重鎮、民族音楽の巨匠などに、まづどう云うアプローチでコネクトして行ったのか・・・・。ラズウェルに興味がある人が知りたいのは、そこら辺ぢゃないのかね?。
22日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
ここん処づっと見てゐるDVD「バイオハザード」のシリーズ。けふは「VI/アフターライフ」見る。うーむ、なんか大河ドラマのやうな様相すら呈して来たぞ。しかもまだ敵が増えてるし・・・。てゆーか、まだ続きがあんのか?これ。
なんか途中は「マトリックス」みたいな事になって、これって笑うところかいな?。キャラもなんとなく被ってるし・・・。しかし、「弾丸を避ける」て設定になると、もうマトリックスしか浮かばない、てぇのは、あの映画の「勝ち所」やなぁ。
今週は久しぶりに月〜金リハもライヴもなかった。のでこの日誌、自分で読み返しても、壱週間遊んでたやうに見へるが、ちゃんとレッスンはしてましたよ。
23日(土)-----------------------------------------------------------------------------------
呉市は花Clubでのソロ。日中、さる打ち合はせに行く予定だったが、キャンセルったので準備に時間が割けた。
夕方前にのんびり出発。ちょうど壱時間で現地に着。いつもは店の前に顔写真入りのデカいポスタなど貼ってあるが、今回はナシ。粛々と準備す。サウンドシステムが充実し、演りやすい。考へてみたら、PAもない、ただの「空間」だった頃から、ここには出させてもらってるのだな。
定刻にはお客さんが揃う。人数は少ないが、確実にワシのライヴを目的に来てくれた人達ばかり。心して始める。いつもと曲順や構成を変え、ギターの弾き語りや、バックトラックに合わせてのインストなど、色々演ったが、ん〜〜〜〜〜〜〜・・・どーも上ずってゐたなぁ、といふ印象。久々の曲が多かった、からだらうか?。すこし趣向を凝らし過ぎたのかもしれん。
前も思ったのだが、ワシは「狙う」とダメな事が多い。『こんなかんぢに聴いてもらおふ』と思って演ると、大抵コケる。そもそもこちら側の「聴かせ方」をお客に求むるなど不遜な考え。そげなエゴを持ってライヴに望んではイカン、と常々考えてゐたのに、これだ。やはり「狙う」とロクなことにならん。ん・・・反省しきり。まぁしかし、それでもしっかりと聞き入ってくれたファンの方々に、心からありがとう、と。
いつも重点的にソロを演らせてもらってゐるので、毎回同じやうな事を演っては・・・と思ひ、色々趣向を凝らすのだが、それって実際どーなんだらう?。毎回同じやうな事を演ってウケて、それが求められてゐるヒトも多いし・・・。ただ、むかし一度、エラそうな音楽プロデューサーとかに、『変革は演り手の自己満足だ』と云はれ、その時絶対にこのやうなヤツらの気に入る事など演るまい、と思った。そは果たして正解なのか・・・?。
マスターのりょーじさんから「呑んで泊まって行け」と誘って頂いたが、けふはその気分になれず、日付けが変わる頃、花Clubを辞す。夜の湾岸道路は気持ち良いが、必ずかういふ処を飛ばす莫迦がおる。この美しい夜が目に入らんのか糞莫迦が。
24日(日)-----------------------------------------------------------------------------------
けふは世界ピンホール写真デイ、といふ日らしく、女房が朝から出かける用意をしてゐる。世界中のピンホールカメラマンが針穴写真を撮り、ウェブ上にアップしてそれぞれの作品を楽しむ、と云ふ平和なお祭りだ。女房が写真にハマるまで、そげな日がある事すら知らなんだ。撮影に同行しやうかな、とも思ったが、彼女個人の趣味の世界なので遠慮して、けふをそれぞれの日曜日、とす。
ワシは長い散歩。弐時間ぐらい歩き回った。ものすごく風が強い日で、川面に流れとは逆方向の波が立ってゐる。あっちこっちでBBQをしてゐて、あっちこっちからたいへん良いにほひが・・・。
25日(月)-----------------------------------------------------------------------------------
専門学校の行き帰りを徒歩にしてみる。しゃっしゃか歩いて30分ちょい。丁度良い距離。極端に暑い日々が来るまで、月、金はこれで行ってみやう。
ジュリア・ロバーツ主演の「Eat Pray Love」を観る。オモロい。あー、こんな風に旅してみたいな、と思はしむる映画。音楽がすごく良いので、観終わったあとすぐに尼存にサントラを注文。最後に主人公が恋を成就させる相手が、えらく濃ゆい顔の男やな、と思ったら、あの「No Country for Old Men」に出てゐた殺人鬼役のオッサン(ハビエル・バルデム)だった。
『愛の為に調和を失う事は、調和のある生き方の一部なのだよ』といふ印象深い台詞。ちなみに此所で訳されてゐる「調和」といふ言葉、台詞では「balance」と云ってゐる。「愛の為にバランスを失う事は、バランスのとれた生き方のひとつ」と考えたら、なるほど、と思ふ。
26日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
「すっぽん鍋」なるものが届いた。こは女房がナニかの懸賞に応募して、当たったもの。具材と出汁がセットになって発泡スチロールの容器に入ってゐる。いちをう¥6000相当のセットだとか。
如何せんすっぽんなど初めて食す。鍋に移し換えて驚くが、なんとほぼ固体に近いゼラチン状の濃厚なスゥプ!。これらをどのやうに食せば良いか、指南書もある。火を加え、ゼラチン状のスゥプが溶け、液体になり、野菜などを入れ煮立て、食す。色や感覚から想像するより、はるかにあっさりと薄味の出汁。なんとこれがあの匍匐する爬虫類を煮込んだものか、と驚かずにはおれない。肉はとろとろで、その食感は「液体」のやう。スゥプが「固体」で、肉が「液体」といふ不思議。
餅、ぞうすゐ、と進み、固体スゥプの最後の壱滴まで、その上品な野趣の味を堪能した。美味かった。次は是非、店に喰ひに行って、「生き血」から始まるコースで、骨まで喰ひ尽してみたいものだ。
27日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
伝説のカルト図鑑「秘密の動物史」購入。定価が¥3000もするので、発刊当時は流石に躊躇せしも、尼存にて中古¥500で売られしを見つけ、買った。壮大な捏造。かういふのは楽しい。鰐の顎をしたアルマジロ、多足の蛇、翼のあるライオン、手が生えてゐる二枚貝、肉食性の兎、など。かういふのを考え、それらしきものまで作り、それを撮影して・・・といふ明らかにオカシイ情熱。
それを買って読むヒトがゐる、といふこれもまたオカシミ。
28日(木)-----------------------------------------------------------------------------------
東京の宿主久保田涼子が、友人の結婚式のために帰省してゐるので、インド料理を驕ってやる。涼子とは、知り合って10年になる。端から見るとホンマに不思議な関係なのだらうな。まぁ実際不思議な関係だが。「シュウさん、えぇかんぢのおぢさんになって来たね」と云はれる。さうかね?。うん、素直に褒め言葉として受け取っておこう。
某人と話をしてゐて、久しぶりに「なんで東京に住まぬのか?」と訊かれる。まぁ考えぬでもないのだが、ね。でもまぁ、ワシには大した「野望」とか「展望」みてぇなモンがないからねぇ・・・。行ったり来たりの暮らし、てゆーか活動も、大変だけど楽しいものですよ・・・と自然に思ふ。結局ワシ自身が「なにに充足を感ずるか」であって、そこはソレ。金銭で全ての価値を量る事しか出来ぬヒトもゐれば、ボランティアに命をかけるヒトもゐる訳で。
な話を女房と酒飲みながら。
29日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
しーシュ九州初上陸ツアー、てゆーか遠征。スクーターズ・プレゼンツVol3のゲストと云ふ事で、北九州は八幡デルソルに出演。
久しぶりに自分らの運転する車で行く事にしたしーシュ。天気は良く、ドライヴ日和。GWの混雑を予見して、早めに広島を出発す。果たしてものの2時間も行かぬうちに、高速道路が「停滞」しはじめる。うんざりしながら下路に降りて電話で裏道を訊いたりしながら、なんとか予定時刻に会場に着。
けふの出演者はウチらしーシュと、それを含むスクーターズ、に中村敦とナオエによるAN。ワシとしては、この西日本〜北九州コネクションやお客さんに、しーシュを紹介する最初のトライ。どーなるか、と思ってゐたが、開演時間前からお客さんはどんどん詰め掛け、トップの小編成スクーターズが始まる頃には、椅子が足りなくなるやうな事態に。
小スクに続く中村敦とANによる演奏。このたびの色々な世情を受け、ますますロック色強くメッセージを投げかける敦の強烈な唄声。うーむ、適わんなぁ、と思ふ。これの後にワシらかよ、と思ひながら観てると、しかししーなさんは『逆に演りやすい』と。これほどの強烈なメッセージの後、ウチらの脱力感はきっと良いかんぢに場に馴染むだらう、と。なるほどねぇ、さうか。
その言葉通り、けふのワシらはたいへん良いかんぢに演れた。ワシ個人が色んな形で何度も演ってゐる場所だけに、しーシュであってもどちらかと云へばワシがメインを張る形になったが、そこにしーなさんが無理なくハマり、それこそ本当に「脱力」した、良いライヴとなった。お客さんおおウケ。嬉しいな。
その後の、スクーターズのメンバーとしてのしーシュ、も楽しい。テーさん、タマヲ、ナオエの揺るぎないアンサンブルに、ごく自然に絡む事が出来る。
敦やテーさんの唄などを聴いて思ふのは、やはり彼らの持つ「カリスマ性」に比ぶると、我らしーシュはあくまでも「職人」だな、と。その職人性の部分を、大いに楽しめ、また発揮できた壱夜だったと思ふ。ウチらにはウチらならではのやり方がある。改めて、それを知り得た旅になったな、と思った。素晴らしいライヴ、素晴らしい「スクプレ 3」だった。
テーさん、タマヲ、ナオエ、敦、いっぱいのお客さん、ありがとう。
30日(土)-----------------------------------------------------------------------------------
けふは広島に帰るだけ、の壱日。のんびり観光する、といふ程の余裕はないが、まぁ「たこそば」ぐらいは喰はねば。と云ふ事で関門トンネルを渡り、下関駅シーモールは「かめや」に到来。このB級グルメにつひてはもう何度も記述してゐるが、しーなさんは初体験。まぁ単にタコ焼きと焼そばがひとつ皿に乗ってる、てだけのメニュウなんですが・・・。
店は相変わらずの大繁盛で、ひっきりなしにお客が入れ替わるが、割とすぐに席をゲットでき、そのチープな味を楽しんだ。宇部市生まれのしーなさんには、割と馴れ親しんだ「山口県の味」ださうで、大層喜んでくれてゐた。結構な量のたこそばを、あっと云ふ間に「完食」。美味かった。
進まない高速道路より、やや渋滞気味の一般道路の方がマシ、といふ観点から、帰りは全て一般道路で広島を目指す。下関〜周南〜岩国・・・・、運転を交代したり休憩を入れたりしながら、かなりゆったりした行程で、17時過ぎ広島に着。短いが良い旅だった。
西日本一円ぐらいならば、今回のやうに自分らで運転する車で回れるやうになれば良いな、とは思ふ。さすれば簡易PAを積め行きさへすれば、ライヴハウス以外の場所---例えば普通のカフェとか----でも演れるのだ。今年のしーシュは、ますます「場」の制約から離れてみたい、と思ってもゐる。