|
|
|
1日（木）-----------------------------------------------------------------------------------
リッキー・リー・ジョーンズのライヴDVDで弾いてゐたベーシスト、ジョーイ・マランバが気になり、色々調べてゐる。NYではなくLAで活動してゐる人の様子。かつてはVo,Ba,Drといふ変則的なトリオを組んでゐたりしたやうだが、現在はリッキーのサポート以外では、「ニンジャ・アカデミー」といふ（笑）ドラムとのデュオで活動してゐる模様。
なんぢゃそりゃ？ってかんぢのネーミングセンスだが、欧米諸国において日本の「ニンジャ」といふキィワードは、今なを特別なものがあるらしく、所謂「クール・ジャパニーズ」もしくは「ミステリー・ジパング」の代表のやうなものらしひ。忍者の格好までして演ってるやうで笑えるのだが、音楽はけっこうハードでコアなロックだ。へ〜〜〜〜。やっぱりヘンなミュージシャンだな。
思ふに西海岸って、昔からちょいと一癖あるミュージシャンが多い気がするな。特にベース弾き。ファズをかけたベースで有名だったフレッド・シャルノーも確かロスのミュージシャンだった。さういや最近、全然名前を見んが、どーしてるんかな？。
しかしまたなんでこんな変なのが、リッキーの目に留まって、なをかつサポートのメンバーに選ばれたりしたんだらうか？。ますます気になるジョーイ・マランバ。
2日（金）-----------------------------------------------------------------------------------
結構朝早くから起き出し、女房が起きて来るまでの時間に確定申告を仕上げる。ハ〜、やれやれよ。
夜は、旅の唄うたいShimeさんのライヴを見に行く。Shimeさんはだいぶ前から一方的に存じ上げてはゐたが、先日名古屋で正式に挨拶を交わし、けふの広島ライヴの事を聞いてゐた。ちょいとハスキーなハイトーンで歌い上げるレパートリィは秀逸。けふはギター壱本、といふシムプルさだっただけに、唄の強さが顕著に示されてゐたな。素晴らしいライヴだった。
ただ、気になったのは、常連客がカヴァー曲ばかりリクエストすること。
Shimeさんは、確かにカヴァーも良いが、オリジナルはその数倍素晴らしい。カヴァーしか演らぬ人ならまだしも、しっかりしたオリジナルとその世界観を持った人に、カヴァー曲をリクエストするなんて、ちょいとミュージシャンに失礼ぢゃないか？と思ってしまふのはワシだけだらうか？。
ちょいと訊いてみたら、Shimeさんって年間のライヴ本数300くらいなんだって！。ヒェ〜〜〜！！。ワシみたいに100本ぐらいで演った気になってちゃダメだなぁ。まだまだ、でございます。
3日（土）-----------------------------------------------------------------------------------
南から古き「友」を迎える。村岡Tei達也と竹内紀。2002年の春、西日本を貧乏ツアーで一緒に回った怪しい中年男達だ。ひな祭りの日に！（笑）。
「参人会」と称し、トリオを組むのではなく、それぞれの「唄」を唄う、といふ・・・。以後も継続して行かうといふ企画。のまづは壱回目。いづれはそれぞれの住んでゐる町を繋いだツアーなども出来るやうになれば良いが、けふはおなじみ広島はPICOにて。紀さんのとぼけたMCが、あの春ツアーを思ひ起こさせる。思へば、あのツアーでワシは『唄旅を続けて行かう』と心に決めたのだった。何事も「決める」といふ事をせぬワシが、あの時だけは、きっぱりと決めた。
まづホスト役としてワシのソロ「ツアー」でライヴ開始。紀さんを紹介し（紀さんは広島初上陸）、後続に譲る。紀さんは相変わらず不条理で虚無的な、しかし優しい唄を聴かせてくれる。彼の「ひまわり」といふ唄は素晴らしい。
紀さんから引き継いで弐番手がワシ。久しぶりのベース弾き語りソロ。正直、最近これにモチベーションを全然上げれぬ自分を感じてゐて、どーにかせねば、といふ気持ち。そこでけふは初の試みとして、「完全な即興で唄う」といふのを演ってみた。これの無謀さは重々承知。曲はどーにかなれども、やはり歌詞を即興で作る、といふは至難の業、なのだ。けふの処はまぁ上手く行ったかどーかは分からんが、今年はこれを課題にしてソロに取り組んでみやうと思ふ。
参番手にテーさん。途中からワシとツンちゃんが参加してトリオ編成に。客で来てゐたしーなさんもピアノで飛び入り。最後は賑々しく盛り上がって終了。お客さんの入りも上々で、まづは参人会初回公演、成功、といふ事で。良いライヴだった。次回は北九州は小倉で！、となったが、ホンマに実現するんかいな。
4日（日）-----------------------------------------------------------------------------------
けふは乱葛：拡大版。
いつもは牧瀬茜、大槻オサム、ワシのトリオ編成の乱葛に、縁りのミュージシャンやパフォーマーを入り混ぜて演ってみやう、といふ企画。会場は、広島でアングラ系、と云へばココ、の、カフェ・テアトロ・アビエルト。参加は正規乱葛の参人に、椎名まさ子（ピアノ）、マツザッキンJ（サックス）、竹内章吾（ノイズギター）、羽鳥智裕（ライヴ生け花）、藤堂信行（ライヴペイント）の総勢8名。
これらが入り乱れ〜の演りまくりぃ〜の、でまさに「乱れ」た「葛」のやうな。
圧巻だったのは、牧瀬茜＆椎名まさ子によるデュオ。「裸になる」といふ、女性にとって極めて極限的な表現を、やはり女性であるしーなさんが「ピアノ」で彩り、支える、といふなかなか無い光景が繰り広げられ、これは見事だった。女性同士ならではの繊細なやり取りや構成力。本人らもたいへん意欲的に前向きに取り組んだやうであった。
そのすぐあとがワシだったので、ここは引けを取ってはならぢ、と。まづ羽鳥氏の異様なライヴ生け花に合わせて、ハモニカで参入。ステージ上を歩き回りながらしばしコミカルにハモニカを吹いたのちベースに移行。以後、オサムくんのコミカルな動きに同調させて、けふは終始わりと「音楽的」に即興を展開してみた。あとでマツザッキンらが、「シュウさんあれはある程度考えてたんですか？」と訊いたが、いぃや。まぁ前半がちょいとシリアスになり過ぎた感があったので、「ややポップに」とは思ってゐたが、他はいつものとーり行き当たりばったり。
終わってみると、大入り満員のお客さん大満足の、素晴らしいイベントとなった。しばらく鳴り止まない拍手。いやホンマに良いライヴだった。
藤堂くんのペンキでステージも演者も色まみれ。ワシはなんとか避けてゐたが、茜さんやしーなさんは裸足の脚でペンキを踏んでえらい事になってゐたな（笑）。あれ壱日弐日で落ちるんだらうか？。
しーなさんには、ワシと絡まない処での完全即興は初めての経験で、「即興処女喪失」などとセクハラな発言もしてしまったが、それは彼女にとってホンマに貴重な体験だったやうで、帰りの車の中でもづーっと興奮してその事を語ってゐた。よかったね。ワシもあのデュオ「茜としーな」は是非また見てみたい、と思ふ。会場を去りぎわに堅くハグを交わしてゐた二人の姿が、強く印象に残ってゐる。
旅は続く。
5日（月）-----------------------------------------------------------------------------------
けふは乱葛：通常版。
乱葛、のトリオとしては初めての「広島外遠征」となる。・・たぁ云ってもお隣の呉市ではあるが・・・。
呉と云へばワシにはお馴染みのRazzと花clubだが、けふの会場ザンパノカフェは、その弐軒の間にあった。よくライヴも演っておられるさうだが、今まで全然気付かなんだな。早いうちから予約が殺到し、けふはほぼソールドアウト状態、なのださう。初めての地で、このテのパフォーマンスがどのやうに受け止められるか、楽しみでもあり・・・。
結果として、お客さんらがづいぶん戸惑ってゐたなぁ、といふ印象。乱葛は、茜さんが「脱ぐ」とは云っても、所謂通常のストリップで見せるフルモンティとは違う訳で、あくまでも身体表現の一環として裸になる、といふもの。「色気」とは正反対のところに位置するパフォーマンスだ。そこにオサムくんのコミカルで怪しい舞踏が絡んでゆく様は、ちょいと初めてのヒトには戸惑いを与えるかもね。
観客の大半が中年以上の男性だった、て処もちょいとアレだったのかも。広島で演る時は、お客さんの半数以上が若い女性だしね。
まぁでも我々は楽しめたし、最初の戸惑いを過ぎてしまへばお客の反応も上々。最後はけっこうな拍手と喝采。けふも良いパフォーマンスが出来た。けふは茜さんのリクエストで、ちょいとフラメンコ風に演ってみたよ。昨日よりもさらに「音楽」っぽいアプローチだった。
終演後、ユニットを演りだして初めて、参人で「打ち上げ」をする。これから先に演ってみたい事、演れる可能性、みたいな事など、飽くる事なく話が続いた。
自分的には、既に「通過した表現法」と考えてゐた「即興」といふモノで、ここん処良い仕事が出来てゐる、といふのが不思議な気はす。
6日（火）-----------------------------------------------------------------------------------
お江戸ツアーの内容などを、あっちのミュージシャン達とネットでアレコレ会議。今回久々にギターを弾く演目もあり、それをどーするか、とか、ナニを演るか、とか。今回2週間滞在でライヴが9本。うちしーシュが5ツ、残りがソロやユニット。ちょいと詰め込み過ぎたかなぁ、といふ気がせぬでもない。まぁしかしShimeさんの年間300に比ぶれば・・・・。
夜はうつせみ商会のリハ。今になって演出が食い込んで来て、役のキャラ作りがいっそう難しくなる。あ〜ぁ大丈夫なのかよこんなのが台詞喋ってよ・・・。
今回ので最後となるうつせみ商会。全3回の公演で書き下ろした曲は、結局9曲。これをコンピしてアルバムでも作っとくかねぇ。ツイでに2010年に演ったTip Hotelの劇中曲もコンピして、「しーなとシュウ：劇作品集」とかでCDーRでも出すかよ。
7日（水）-----------------------------------------------------------------------------------
専門学校の卒業式＆謝恩会に出席。
こないだ新調した黒染め織の着物を着て行く。安くないシロモノだったが裏業で安く買えた。なかなか良い。しーシュのライヴでも使えるだらう。謝恩会では他の科の生徒がわざわざ着物の事を訊ねに来よった。学長はじめ来賓は皆タキシード。正装となるとやはりさうなるのかねぇ。日本人なら袴履けば良いのにや。非常勤講師女性陣の中にひとりだけ着物の方が居られたが、男で和装はワシのみ。まぁ別に良いけどよ。
けふキツかったのは、謝恩会で結構酒呑んだあとにレッスンがあった事。「酒呑んで仕事すな」といふ処だが、まぁ、ね。一旦帰宅してちょいと寝てからレッスンに行った。やってる時は良かったが、終わって帰る頃にアタマが痛くなって来よった。やっぱ無理はせん方が・・・。
8日（木）-----------------------------------------------------------------------------------
今週唯一「イベント」がない日。しかし、せねばならん事はいっぱいあった。
譜面書いたり、譜面まとめたり、譜面チェックしたり、CD焼いたり、譜面書いたり、譜面・・・。
生徒が譜面忘れてレッスンに来やがったので、1レッスン丸々16分音符弾かせたった。
ここん処、やや運動不足なので、レッスン会場まで歩いて行き帰り。片道45分づつ。肩凝りにお灸を据える。
9日（金）-----------------------------------------------------------------------------------
久しぶりの整体。行き帰りの電車で「うつせみ商会」の台詞を暗記。
昼過ぎ、生徒が遊びに来る。自分の子供、ぐらいの年齢の生徒がプライヴェートにウチに遊びに来る、と云ふのは、まぁなかなか良い。けっこうな土産を持って来てくれて、ありがとぅよ。かえって気を使わせたな。
生徒はワシの本棚や仕事部屋の仕様に興味津々。貸してやってた漫画をごっそり持って来たが、新たに貸してやったDVDをごっそり持って帰って行った。まぁまた遊びに来いや。
夜はうつせみ商会の最終リハ・・・のハズだったが、明日もう壱回リハしやう、といふ事になり・・・。
10日（土）-----------------------------------------------------------------------------------
で、うつせみのリハを急遽。この時点でワシは、他の役者のサポートができるくらいには台本を暗記してゐた。ぞ。ちったぁ自慢しても良からう（笑）。げに、まぁ役者としてはこの中で一番素人なので、そのぐらいの準備は当然っちゃ当然か。
ワシとしーなさんはそのままスタヂヲに残り、しーシュのリハ。レコーディングが進行中だし、うつせみでも一緒だし、仕事でもタッグを組んでゐるし、で何か錯覚してゐたが、なんと「しーなとシュウ」としてはほぼ壱ヶ月ぶりの「練習」だった。完成してゐる新曲など演りたいが、それより先にツアー用の練習をせねば、と。さういふリハ。
なんか気付けばづいぶんと忙しい日々を過ごしてゐるねぇ、と話す。この忙しさが全てギャラに結びつくなら素晴らしいのだが、と。まぁそれは云っても詮無いことか（笑）。
11日（日）-----------------------------------------------------------------------------------
そしてうつせみ商会、ファイナル。いつものやうに昼夜弐会公演。ライヴでは演り慣れたJAVEに、久々に出演して、芝居をやる、といふ不思議。人生は分からんものだな。
で、その内容だが、参回目の公演にして、ようやく良いものが演れた、といふかんぢ。演出と演技、音楽と空間が、それぞれ苦手なものを補足し合い、得意な所を伸ばし合いながら、といふかんぢのステージ。かなり出来のイイ舞台だった。ワシの台詞もまぁまぁ及第点はもらへただらう、と思ふ。最終的に台本も楽譜も完全メモリーで演る事が出来た。いっぱいのお客さんも満足、のファイナルでした。
打ち上げで、演出の藤井さんに『あんなんで良かったのか？』と訊ねた所、演技の素人（音楽家）をメインに立てた芝居、と云ふのを演りたかった、のださうで、さういふ意味ではお眼鏡に叶ってゐたらしひ。いちをうワシの台詞でちゃんと笑いも起こったし、まぁ藤井さんの顔に泥を塗らずには済んだやうで一安心。まぁ他の参人の演技に関しては云はずもがな。
考へてみれば、2010年のTip hotel以降、斯様に舞台系の人達と良い関係がキープでき、良いコラボを継続できてゐる。ひとえにミミの企画力に負う所だが、今回でまぁいちをう一区切り、なのかな？。今後も機会あれば良い形で絡めたら嬉しいな。
藤井友紀、吉本武史、姫石美実、椎名まさ子（敬称略）、＆梶山シュウ。
うつせみ商会、これにて、幕！。にございます。ありがとうざいました。
12日（月）-----------------------------------------------------------------------------------
しーシュNewアルバム、ミックスダウン壱日め。ココを持ち上げて、アレを重ねて、ソレを引っ込めて、と云ふ作業。をカズイが進めるのを、見守る（笑）。
カズイ曰く、昨今のミュージシャンは1アルバムを「同じ音像」で纏めるのが普通らしく、それならPCの中で全部できる作業らしひ。しかし、しーシュのやうに、楽曲ごとにサウンドも唄のカラーも違うユニットは、それを生かさぬ手はない、と。時間はかかるが卓でのミックスを進めてくれた。それはまさに我らが望むアルバムの形、であり、そこは完全に信頼してカズイに託す。おかげで素晴らしい音像が実を結びつつある。
けふのワシらは忙しい。夕方に一旦解散し、ワシはギニア帰りのふじたよーこチャンと合流し、金曜日のゆるゆるアフリカノス・ライヴのリハ。半年ぶりのゆるアフ。よりユルく（笑）。今回は此所でも即興にチャレンヂしてみるつもり。ギニアで新調して来た、といふよーこチャンの新しいバラフォンが良い。
そのあと再びしーなさんと合流して、椎名まさ子＆執事フライデーとして、オリエンタルホテル営業を2ステージ。お客さんは少なかったが、耳の肥えた紳士の一団が居られ、「あなた方は日頃はもっとアグレッシヴな事を演っておられるのではないですか？」と訊ねられ、その洞察力に驚く。今夜を境に広島を離れて行かれるやうで、「広島で最後に良い演奏が聴けて良かった」と云って下さった。ありがとうざいます。
これからも、良き音楽が、あなたと共にありますやうに。
13日（火）-----------------------------------------------------------------------------------
ミックスダウン弐日め。引き続き、カズイの作業を見守る。夕刻前には、完成。あとはマスタリングを残すのみ、となった。焼き物師が焼き上がりを待つやうな気分。
けふは夜は通常にレッスンを入れる。その後、生徒が出てゐる、といふライヴを見に行く。したら他の出演者もほとんどが知人、といふイベントだった。アコギにループをかまして演ってる若者もゐる。「ループを使ふ」といふ事がポピュラーになりつつあるね。
姉妹デュオMebiusも出てゐて、客席にゐるワシを見て驚いてゐた。圧巻の歌唱力とグダグダなMC（笑）は相変わらずだが、ひとりひとつづつのピアノ（ダブル・ピアノ！）で演ってみせたり、妹のノリエがギターを弾いてみせたり、と、新たな挑戦、試みも感じられ、良いかんぢになって来たな、と思ふ。ライヴシーンの実力派、として息の長い活動を続けてほしいと切に願ふ。
トリはお馴染みブレーメンの音楽隊だった。これがMebiusの上を行く圧巻のパフォーマンスで、いやぁこれもまた素晴らしいバンドに成長したな、と親心（笑）で思ふ。年末に見た時より、さらに良くなってゐた。HANAちゃんの歌唱力は揺るぎないとして、バンドからも無駄が完全に削ぎ落とされ、見事なアンサンブル。それでゐて「唄＆バックバンド」といふかんぢは無く、「5人のバンド」としての存在感を樹立してゐる。いやぁ良いものを見た。良いライヴだった。
ワシらも頑張らなきゃイカンな。
キャリアに胡座をかいてゐちゃ駄目だ。彼らが驚くやうな事を演って行かなきゃ、ね。
14日（水）-----------------------------------------------------------------------------------
ミックスダウン最終日。マスタリング、である。
このマスタリング、といふ作業に対して、ミュージシャンサイドからは色んな意見があり、『しない方が良い』といふヒトもゐて、それぞれの云ひぶんも分かる。ワシらはカズイを信頼してゐるから、彼がやる、といふならやる。
以前、オルカ団といふバンドを率いてゐた頃、このマスタリングについて云々あった。色々あって色々ムカついたりしたが、その時、マスタリングを批判的に云ってゐたヤツらが、その後、ちゃんとしたレコーディングでちゃんとしたものを「残した」といふ話はどこからも聞かんので、まぁさういふコトよ、と思ふ。
夕刻前には完成。あとはジャケの完成とプレスの発送を待つのみ。しーシュ3rdアルバム「３時のあんた」、これで発表秒読みに入りました。
ワシはその後レッスン。さらにその後、新企画ユニットのリハに。5人編成でワシ以外みな女性、と云ふまたまた周囲からやっかみを買いさうな・・・。ワシが作った訳ぢゃないもーんね。てゆーかこれが仲々たいへんで、ワシはメンバーでもありアドバイザーでもある、といふ・・・。まぁうつせみ商会もレコーディングも一区切りついたんで、これもまたよし、かな。
頑張らしてもらいまひょ。
15日（木）-----------------------------------------------------------------------------------
崩御したMTRを新しいヤツに新調した。テープMTR時代に使いやすさで重宝したTASCAM製。8ch＆CDバーナー付きだが、なんとコンパクト。ちょいと忙しいので、しばらく没頭してイジれる時間は取れさうにないが、箱から出して眺めてゐる。新しい機材、てのはなんでかう美しいのだらうか・・・。
昨日に引き続き新企画ユニットのリハ。けふはジャズものが多かった。
リハにはチャリで背に背負って行ける利点からカラスを使ふ事が多い。これがややサスティンが長過ぎるきらいがあり、ジャズなど演ると「ん”〜〜〜」といふ気分にさせる。弦高を調節したいのだが、この機種はそれが難しく、やらうとすれば根本的なリペアが必要になる。流石にそれは・・・なので、思ひ切って「ネックを反らせ」てみる事にした。明日の本番でこれが吉と出るか凶と出るか・・・・。
16日（金）-----------------------------------------------------------------------------------
けふはタイトだ。
まづしーシュのリハ。ツアー用のあれこれ。ネックを反らせたカラスは、流石にやや弾き難いが、音はぐっと良くなった。リハを壱時間で切り上げ、（株）文華堂に立ち寄り、完成したジャケットを引き取る。これにマスタリング済みの音源データを添え、プレス会社に発注し、いよいよしーシュ3rdアルバム「三時のあんた」が完成するのだ。
そのまま広島FM放送局に入り、ラヂヲの収録。4／1のアルバム発売に合わせての弐週に渡る特集を録る。いつものやうにぼそぼそ喋ってゐたが、ディレクターの人に「喋りがオモロい」と云はれ、春までにもう壱本ラヂヲに出る事になった。へ〜分からんものであるな。
この頃から雨が降り出したが、けふのメインはこれから。カワちゃん＆しーなさんの「天晴さん」と、ワシ＆ふじたよーこチャンの「ゆるゆるアフリカノス」。所謂しーシュの「バラ売り」ユニットによる合同ライヴだ。天晴さん、はナゴみ系だが、ゆるアフはけっこうシビア。その対比もオモロいやうで、開演時間には会場のふらんす座は一杯になった。
例によってワシは最近のテーマ「即興唄」にもチャレンヂ。よーこチャンにバラフォンのパタンを叩いてもらひ、それに合わせてベース弾きながら、思ひつくまま唄った。よく憶えてないが、「夜」と「月」と「風」といふのがキィワードになった結構イイのが唄えた模様。お客で来てくれてたギターのザキ君がえれぇこと感動してくれてゐたな。
あまりシリアスになり過ぎず、会場をあっためて後発の天晴さんに上手く繋ぐ事ができた。あとは客席でのんびり見ながら。最後はアンコールで4人セッション。これがまた「安里屋ユンタ」を4人それぞれが即興で唄う、といふ暴挙（笑）。大いに盛り上がり、楽しいライヴイベントになったやうだ。よかったよかった。
天晴さん、ゆるアフ、双方ともライヴの回数は少ないが、演るたびに良い形に進歩してゐる、と思ふ。あんまり野心はないふた組だが、まぁこれからもぼちぼちと継続して行かうね、と打ち上げで話す。
もぅかなりざーざー降ってゐたが、いつの間にか終電は出てゐて、まぁアレなので歩いて帰る。ベースは守ったが身体はびしゃびしゃ。
17日（土）-----------------------------------------------------------------------------------
いやいやいやいや・・・厳しい激忙週間を抜け、久しぶりに壱日まったく用事のない土曜日！。昨日置いて帰った車を歩いて取りに行った以外はウチにゐる。
トーリ・エイモスのライヴDVDが届いてゐたので見る。本人のピアノと唄、に電気ベース＆ドラムス、といふ編成は、先のリッキー・リー・ジョーンズのライヴと同じ。ので、色々と違いを探るのも楽しい。てゆーかはっきり云って真逆（笑）。まづ、徹底的に無駄を削ぎ落としたリッキーのサウンドに比べ、トーリのそれのなんと華やかなことよ。三台の鍵盤を使い分け、あるいは同時に駆使し、ベースもドラムも曲によっては暴れまくり。
ステージングも、そこらの「オサレなおばちゃん」風なまま、朴訥と唄い語るリッキーに対し、独特のエロい大股開き姿でピアノに向かうのがデフォルトのトーリ。煽情的な唄い回しやマイクパフォーマンス。ライヴの最中に化粧直しも入る。ライティングやサウンドエフェクトも完璧。なにもかもが派手できらびやかな計算されたステージ。
リッキーのライヴの中では、曲中に『ベースがデカい！』とか『まだ早い！』とか『唄いなさい！』とか（メンバーに）云ふシーンがあって（笑）、彼女の場合けっこうリハとかもアバウトなんだらうな、といふ気がした。
どっちも好きだけどね。女性に限らず、良いヴォーカルのバックで、ここまで暴れてみたい、といふ思ひはあるなぁ。
18日（日）-----------------------------------------------------------------------------------
しーシュと、パフォーマンスバンドJAMa-zのカップリングライヴ。
主催のメンダーから『お客が来過ぎるかもしれん』といふ話を、結構前から聞いてゐたので、今回しーシュのライヴ、としてはあまり宣伝をせなんだ。まぁその予想よりは少なかったが、確かに早くから会場は満員となり、しかもほとんど初めてのお客さんばかり、の中で演る、といふ近年珍しいライヴとなった。
ライヴはウチが先攻。和装で演るのも久しぶり。初めてのお客さんにも良いかんぢにアピールできた様子。ただ、客層があまりに若い世代で、見たかんぢそれほど音楽に深い興味と理解がある、といった風でもない人も多く、彼らから見るとワシらは完全に「中年デュオ」であり、果たしてどのやうに映ったのかねぇ、と云ふ気はす。この中の1〜2人でも、次のライヴに脚を運んでくれりゃオンの字なのだがねぇ・・・。
トリのJAMa-zは、パーカスのてぃもしぃ大学卒業記念ライヴの位置付け。既に就職が（幼稚園の先生ださう）決まり、今後これまでのやうに頻繁にはライヴが出来なくなるだらう、といふ思ひの元に熱演。例によってジャグリングのコーナーやらもある。奇妙なバンドだと思ふが、なかなか他にないユニットだ。頻繁に、ではなくなっても長く活動を続けてほしい若者達である。
お疲れでした。良いイベントだったな。
19日（月）-----------------------------------------------------------------------------------
朝イチでT病院まで行き、なかなか痛みと痣の消えない右肘の検査を受ける。勿論交通事故の・・・。
まぁ結果として骨に異常はなく、ただ恐らく「筋断裂」くらいは起こしてゐたのだらう、と。それも既に治りかけてゐて、痛みも痣も、やはり消えるのを「待つ」しかない、といふ診断。まぁ信頼できる医師にさう診てもらへたのなら、それで良い。疑問を感じてゐる医師に、テキトーにレントゲン撮って「あぁ大丈夫」と云はれるのとは訳が違う。
午後からは、ダンスの高橋さいことのリハ。どんな曲でどんな風にするか、を話すのみで、リハといふリハではなかった。ただ、会場のスタヂヲTIPの生声で唄った音響がとても良いので、2時間ぐらい残ってひとりリハす。
が、どーしたのか、それから夜にかけて急速に体調が悪くなって来よった。明らかに花粉症とは違う喉鼻の不快感。マズいなこれは。
20日（火／祝）-----------------------------------------------------------------------------------
祝日。結婚記念日前日、といふ事で女房と色々遊びに行く予定でゐたが、体調はたいへん微妙。昼過ぎまで様子をみる。
なんとか動けさうだったので車を出し、ピクニクのやうな事をせんとす。日光に当たれば多少は改善するだらう、と思ってゐたが、やはりどーにもしんどく、途中で切り上げさせてもらった。すまねぇ。風邪薬飲んで、夕方まで布団敷いて寝てゐた。
夜は多少持ち直し、食事＆飲みに出る。正確には明日が記念日なのだが、一緒に暮らしはじめたのは3月のアタマからだし、まぁそれからとにかく17年が過ぎた訳だ。血の繋がらない他人と、17年共に歩んで来た、のだな。その事実に、これまで同様、静かに驚いてゐる。
21日（水）-----------------------------------------------------------------------------------
症状停滞。けふはオモロさうな英国人にセッションに誘われてゐたのだが、相手に風邪（なのかな？）を伝染しても悪いし、なによりワシもツアーを控えて大事を取らねばならぬので、申し訳ないがキャンセルさせてもらった。英国でパキスタン人とバンドを演ってゐた、とかいふ変わった経歴の、しかもベーシスト、といふのでワシも楽しみにしてゐたのだが・・・。
まぁまた機会があるだらう。
22日（木）-----------------------------------------------------------------------------------
昨日、風邪薬と一緒に梅酒のお湯割を呑み、バブを入れた風呂に浸かり、お灸を据えて早めに寝た。起きた時には倦怠感が見事に収束してゐて、とりあへず悪化はせなんだ模様。まぁまだ油断は出来ぬが、少なくとも快方には向かってゐるやうだ。
考えるまでもなく、土曜日には東京に出発する訳で、お江戸での最終チェックをまだしとらぬ。しーシュが5本、ソロが1本、ユニットが3ツ。このユニットの分の譜面をチェック。今回、自分的に目玉なのは、お江戸最終日の「とときとシュウ」。云ふまでもなくキキオンのVo十時由紀子さんとのデュオだ。
これは前回のお江戸で久しぶりにキキオンを演った時、なにやら表現者として迷ってゐる、のやうな事を云はれ、「なんかワシとデュオでも演りますか？」みたいなかんぢでお誘いして実現と相成る。これまでにもキキオン以外でも共演はあったが、完全なデュオは初めて。たいへん楽しみでもあり・・・・。
23日（金）-----------------------------------------------------------------------------------
居酒屋：椎修、三回目のオープン。が、朝から雨。アー、お客さん来るんかいな？。
昼ぐらいから料理の仕込み（自宅で）。その合間にけふのライヴテーマ「Love song」に適った曲をセレクト＆採譜。男が唄えるラヴソングって少ないな、と実感す。あ、昨今の糞歌手のヤツらが唄ってる糞唄は別として、ね。『良い』ラヴソング、ってホンマにないねぇ・・・。
さて、オープン。けふは『飯だけ喰ひに来た』といふお客さんが数名居られて、それはそれで嬉しい。しっかり料理す。前回、前々回ほどの集客には至らなんだが、「呑み屋」として見たならば理想的な・・・。ワシらも調理しながらお客さんとゆっくり話が出来る、てかんぢ。こないだなんざお客の顔見るヒマもなかったもんねぇ・・。
ライヴもその流れで、たいへんユルく、しかしビシと。ワシは沢田研二の「背中まで45分」をセレクト。曲調もキィも誂えたやうにピッタリで、これは良いレパートリィが増えたわ。女性客から「イヤらしぃ〜」といふ声。イヤらしぃやろ？（笑）。しかしホンマ淫靡な唄やなぁ。陽水。
他の曲も好評。お客が少ない分「飛び入り」コーナーは１人だけの参加だったが、それもまぁまぁ盛り上がった。日頃あまりしーシュのライヴを見ない人、が多く来てくれてたな、といふ印象。御来場ありがとうざいました。
とまぁ、三回目にして良いかんぢに落ち着いた感のある居酒屋椎修。来月は4月20日の開催です。
24日（土）-----------------------------------------------------------------------------------
けふの夜行バスで東京に出発す。それまでは準備したり・・・。毎回、荷物が減っており、今回もスーツケースが隙間だらけ。あまりに空いてゐるので、『なんか要るもんがあったんでは？』といふ気になってしまふ。「あれば便利」は「なくても困らぬ」ものと知りはしたが・・・。
こないだ思ひ出した昔の話。高校時代のガールフレンドに、自分が幼い頃憧れた「職業」につひて語った。『はじめは漁師になりたかった。その次は長距離トラックの運転手。いまはやっぱりミュージシャンだな』と云ったところ、彼女は『全部、家を空ける仕事だね』と・・・。そんな事、云はれるまで考えもせなんだなぁ。その娘が今、週末にはちゃんと家に居てくれる男性と、幸せに暮らしてゐる事を願うしかない。
今回の旅は2週間。帰って来る頃には桜も咲いてゐるだらう。
