9月


1週目

1日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

昼、唄仲間カワちゃんのライヴを見に行く。カワちゃんの唄、と、ベリーダンス、と落語、のコラボとの事で『どーなるのか』といふ期待があったが、コラボと云ふよりは「ジョイント」ライヴだったな。落語は正直ちょいと微妙だったが、なかなか楽しめたイベントだった。カワちゃんもしょっ中旅に出てゐて、頑張ってゐるね。

そいから今夜のライヴへ。けふは打楽器系タップダンサーPORIくんを迎えて、のしーシュ@PICO。

PORIくんは、ワシらの兄妹分的バンド「ブレーメンの音楽隊」の唄姫ハナちゃんのぢつの兄貴。だのに、全く別口から紹介されて知り合った、といふ不思議な縁。前回ライヴを見て、ちょいとセッションして、なんか通ずる処を感じた、のがそのままライヴで演れた、といふかんぢのライヴとなった。

しーシュはツアー帰り、まだ余韻覚めやらずで、ほぼ完璧。唄も演奏もMCも非の打ち所なし、の出来だった。あるとすれば大ウケの会場、なのに物販用CDを忘れて来たこと、か(苦笑)。

PORIくんには敢えて「ペンギンカフェで逢いませう」といふユルい曲に入ってもらった。比較的ハードなビートを刻むタイプの彼が、スウィングをタップするのが見たかった、といふ。これも大当たり。流石である。クゥオリティ高く楽しい素晴らしいセッションだった。PORI&ワシのデュオコーナーでは、かつて何度かワシと演った高校生タッパーLyomaに贈った曲を演る。会場ヤンヤの喝采。いや〜〜素晴らしいライヴだったねぇ。

久々のよぅ太のPAによるしーシュ@PICOは流石に演りやすく、9月の初日、良いライヴで秋の口火を切るスタートが出来たことを、嬉しく思ふ。PORIくんありがとう。また演らうな。

2日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

ツアー&ライヴ明け、で完全休日。雨が降ればなを良かったが、残念ながら晴天。夕方頃カミナリがごろごろ云ってたけど・・・。

DVD三昧。「トリフィドの日」・・・英国製TVドラマの総集編。ちょいと古くてチャチいのが残念。ヒロインも不美人でイマイチ。

「アナザー・プラネット」・・・SFに見せかけた(?)たいへん観念的な映画。こちらはヒロインがたいへん美しい。ラストがなんかちょいと惜しい。

3日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

映画メンズデーを利用して、話題作「プロメテウス」見に行く。

ん"〜〜〜〜〜〜〜〜〜、期待し過ぎたか・・。これもまぁ大層観念的な映画、と云ふか・・・。トレーラーを見て、壮大なスペクタクルを期待してゐたが、思ってゐたよりだいぶ地味な映画である。やはり日本以外の国ってのぁ、宗教(信仰)といふモノが、人生(ニンゲン活動)において重要なファクターなのだな、とあらためて思った。でも、多分これ次回作、あるな。

夜は津軽三味線ののすけと最終リハ。のすけ君がワシのライフスタイルにえらく興味をもってゐる。ただ深い考えもなく日々茫漠と過ごしてるだけだよ、と云ふ。まぁ「好きなやうに生きてゐる」と云はれれば否定は出来ぬが・・・。さうだね、何故か生きれてゐるね。

今週末も金、土、日、とライヴが続くのに、ベースが全然うまく操れない。昨日休み過ぎたかな。

4日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

今悩んでゐるのは、こんなコトだ。

本格的な「旅仕様」の、コンパクトで『ちゃんと使える』ベースを入手する(作る)か、それとも、もぅ今後どんな局面においてもヴァネッサを帯同することにし、本格的な旅仕様のケースを入手する(作る)か・・・。

ヴァネッサは19年かけて弾き込み、此所まで操れるやうになった楽器。ベースと云ふよりはワシの一部、だな。さう考へるに、今から新しい楽器を入手したとして、あと19年かけて完璧に操れるやうになるのは70歳近く・・・。ぬ〜〜ム・・・。頑丈で軽い専用ケースをオーダーする方が現実的か・・・。

そんなことを思ひながらヴァネッサをケースから出してみると、なんとチャックが擦れて本体に傷が!ぬおぉぉぉぉぉ!。

5日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

夏の疲れが出てゐるのかね。ここん処ナニかダルくてかなわず、何もする気が起きない。眠くなるのは早いが、目が覚めるのも早く、これではまるで老人のやうだ。

小学生の女の子が、おかしげなヤツに拉致されさうになったのを、タクシーの運ちゃんが成敗した、と云ふニュウス。久々に痛快なハナシだが、もしこの人に助けられなかったら、と思ふと、女の子の心情如何ばかりか・・・。ホンマにこれで済んで良かった、と思ふ。

このタクシーの運転手さん、もとボクサーらしひ。ふぅむ・・・。腕に憶えあり、てのは大事なことなのだらうな。

6日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

スペシァル・オールスターズのリハ。しーなさん欠席にて、ワシがキーボード弾きながら唄う。グラハム・ボンドになった気分(笑)。

ぬーむ、やはりロック編成で唄う、となると、しーシュやソロで唄う、のと同じやうにはイカンなァ。声量のピークがまづ違う。中域より低いところで唄う時なぞ、呼気の使用量はハンパではないハズ。ロックヴォーカルのほとんどがハイトーンなのは、このロスを少なくする為だな。この音圧の中で唄うのなら、ハイトーンの方が断然ラクだ。

まァしかし、楽しいね。こんなアレンジで演るのは。

その後しーなさんと合流してしーシュのリハも。こっちは何故かベースが操れぬ。いつもと何が違う、て訳でもないのに、全然いつものやうに弾けない。身体のダルさに伴う精神の減退、がベースにも影響を及ぼしてゐる。イカンなぁ。今月はソロの演目や遠征も多いのにや。どーしちゃったのかね?。

7日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

「三和大介」のコンサートを手伝う仕事。

この三和大介、ワシが20代前半、まだ駆け出しのペーペーだった頃に、店専属のバンドマンとして世話になってたパブの「店長」だった人。演歌歌手を目指して上京し、その後色々あって(らしく)、今広島で、ローカル演歌歌手をやってゐる。今もワシらは親しみを込めて「店長」と呼んでゐる。こたび、久々に招集を受け、そのバックバンドとしてステージを共にする事になったのだ。

集まったミュージシャンはこれまた寄寓にも、何十年ぶりかに一緒に演る、といった人達ばかり。色々な意味で懐かしく、色々な意味でちょいと切ない「営業」だった。リハは本日のみで、ほとんど初見。まぁいっぱいミスってしまったが、久しぶりにバッキングに徹して、結構楽しく演奏できた。演歌もポップスもお構いなしにフレットレスで演ったが、なーんのクレームもコメントも無し。

専門学校でイレギュラーの3コマ授業(10:30〜16:00まで)をやった後、チャリで直行してのライヴ、だったので、流石に疲れた。


2週目

8日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

津軽三味線の河野一志とワシによる「3×4」ライヴ@ブラッスリィ・ヴァンダンジュ。

ブラッスリィてのは仏語で「定食屋」とかいふ意味らしい。店長は友人ケンタ。ワシらにはお馴染み「KOBA」で、2年前までシェフを勤めてゐた男。一念発起して独立したのださう。前々から噂を聞いてゐたが、けふ初めて来れて嬉しい。

ライヴとは云へ、普通のバルなので機材も持ち込み。出演者スタッフあーでもないこーでもない、とやってよぅやくライヴの体裁を作れる。「手作りコンサート」だな。お客さんは完全予約制。店の前宣伝と、一志のお得意さまでほぼ満席。ワシにとっては完全なアウェー感の中で、の壱ヶ月ぶりのソロとなった。月末のお江戸小ツアーの時に演らうと思ってゐるナンバーを中心に・・・。まづまづかなぁ。

続く一志のソロは古典を中心に。えらいこと緊張してゐたやうだが、意外にもお客を笑わせる軽妙なMCに場がナゴむ。しかし津軽三味線の音ってスゴいねぇ。鼓膜に直接響くかんぢ。その後、しばらく休憩の後、いよいよ三味線とベースによるデュオ。『勝負曲』こきりこ節をここに持って来たお陰で、会場大盛り上がり。まぁけふはこれを演る為のライヴだった、と云っても過言ではないので。

緊張気味だった一志も此所に来て開放され、伸び伸びとソロを取る。アンコールも来て、最後は即興でじょんがら節を。ワシのぢょんがらベースが津軽三味線に絡む。会場おぉウケ。うむ、良いライヴだった。

ケン太が腕を存分に振るうメシの数々も、流石に素晴らしい。まかないを何回もお代わりしてしもた。

まぁ、他所で演ってさうで演ってない「三味線とベース」によるデュオ。レギュラー、とは云はぬが、またちょいちょい演ってみたいね。もっと『三味線で聴かせ易いポップス』も発掘してやりたいし、ワシももっと民謡に食い込んでみたい。うむ、また演らう。一志、お疲れさま。

9日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは月イチレギュラー「椎名まさ子と執事フライデー」@オリエンタルホテル。

ここオリエンタルホテル・ニューヨークカフェの従業員一同の仕事ぶりは、いつ見ても感心する効率の良さとチームワーク。皆たいへん仲が良いやうだが、馴れ合いの雰囲気はみじんもなく、ただただ個々の「接客のプロ」としての気概を感じる。優秀なF-1のピットクルーに匹敵する仕事っぷりなのだ。素晴らしい。

「接客業」を名乗る人間は、こことか、松阪のMAXAとかを見ておくべきだな。

さてワシらもプロの仕事。良きBGMをお客さまに・・・。けふはいつにも増して椎名さまの『執事使い』が荒く(笑)、全部のステージで複数曲ベース壱本でのバッキングがあった。まぁ連続本番三日めで、演奏はかなり調子良く、それはそれでチャレンヂャブルでオモロかったけど・・・。しーシュ、とは別に、ワシは『椎名まさ子のバック演奏に関しては世界一』といふ自負を持とう。

10日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

レコーディング@セントルイススタヂヲ。

カズイと演ってるプロジェクト-------若手のシンガーソングライターをユニットとしてバックアップする、といふ-------の第一段として。まだ銭にならん、てゆーか銭になりゃ良いが・・てかんぢの。

仮唄と仮ギターに正規ドラムスが入ってゐるのにベースをかぶせる。ワシ個人的にはポップス・・・特に、レコーディングでベースが無駄にフィーチャーされてゐる、て云ふの(最近多いが)はあんまり好きぢゃないのだが、カズイに云はせると『折角お前に弾かせるンだから暴れさせぬ訳にはいかん』と(笑)。まぁ云はれる通りに演ってみる。全3曲、トータル2時間ぐらいでコンプリート。割とオモロいのが録れたんぢゃないかな?。

他に女の子のVoをバックアップする予定もあるさうだ。かういふのはかういふので楽しいが、それよりやっぱり早くライヴがしたいなぁ。

11日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

椎名まさ子ソロライヴ「乙女座は唱う」@フライングキッズ。

客として見に行ったが、しーなさんから『ベース持って来い』との指令を受け、そのやうに。仕事終えた足で駆け付けたら、もうほぼ満員。半分以上が女性客。相変わらず同性にモテるしーなさん。テーブルにはパンやチーズなどが並んでゐて、たいへん有難い。パクつきながら観賞。

まづは『見てなさい』と云ふ事で、しーなさんのソロから。カヴァーを中心にしたいつものかんぢだが、なんかすごく力が抜けてゐて素晴らしい。此所数回見たしーなさんのソロではベストの内容。友達の唄聴いて鳥肌が立ったのは久しぶりだ。お見事!。ワシの曲とかも演ってくれたりした。

弐部は、友人ミュージシャンが入れ替わりながらしーなさんとセッションす、といふ進行。ワシはまぁ、弾ける曲ではステージに上がりサポートする、といふニッチ。佐藤弘之+しーシュのセッションなんか、我ながらちょいと永久保存モノの素晴らしい出来栄だったよ。たれか動画撮ってないかねぇ。

けふのライヴは、明日誕生日のフラキズまみこさんに対する半分サプライズのやうなモノだったらしく、会場はぢつにほっこりと和んだ雰囲気に包まれてゐた。しーなさんもさうだが、誕生日が近いお客さんもまとめてお祝ひ。ケーキやプレゼントの贈呈などもあり、みなさん良い歳を取ろうね、と云ふかんぢ。実際まァみんな良い歳をとっておられる。若い娘がもてはやされる世情になって久しいが、女性-------ニンゲンの魅力はやはり歳を重ねてから、がホンモンだぁな。皆々さま、更に美しくなられよ。

日付けが変わり、居残ったメンバーで改めてまみこさんの誕生日を祝福。おめでとうざいます。

12日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

愛車「にっち」を点検に出しに行く。何処にも問題なし。ヲイルの交換だけして終了。車は走るほどに傷むものだが、逆に全然乗らぬのもガタが来るのが早いらしい、ワシのやうに週に1〜2回の仕事場への往復と、近隣ツアーのちょっとした遠出ぐらいしか使わぬ、といふのは、かえって車には良いのかもしれぬな。

ちょいと用があり、毬伊奈欲譜といふ臨海複合商業施設に行く。ここは完成した当初(2005年)、賑やかしのイベントに何度か出演した事がある。当時は此所でしか出店してない店も多く、週末ともなれば結構な賑わいで、ワシらのライヴもたいそう盛り上がった記憶がある。が、その時からなんとなく退廃的なにほひは感じてゐた。

久しぶりに訪れたそこは、既に『廃園したか?』と思ふやうな寂びれ具合。空き店舗ばかり目立ち、人影もまばら。まぁ人ごみ嫌いが息抜きに来るにはえぇかんぢ、と云へぬでもないが・・・。これ週末にはちったァ賑わうのだらうか?。

13日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

最近、ちょいとオモロいのが無いとお嘆きのワシに・・・といふ事で、久々にあの変態セロ弾きルファス・カッパドキアの新譜をMP3で購入。Bethany&Rufusの名義で女性Voとのデュオ。バックはほぼセロのみ。時々思ひ出したやうにアコギやパーカスが入って来る。このセロが、もぅ万能。まぁ、低〜中高域までカヴァー出来る広い音域、深みのある音色、5度調弦を生かしたコードワーク、ピチカートのアタック、ボゥの表現力・・・、技術と対応力のあるヤツが操れば、これほど便利な楽器はなからう。

かういふ表現力を、是非電気ベースで開拓したい、のだなワシは。

14日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

「吟」スペシァル・オールスターズリハ@ジモ。

全部で20曲あるうち、メンバーの時間許す限りの曲数を演ってみる。色々アレンジを進めながら、だったので結局2時間半で13曲。あと7曲演る、となると・・・ヌ〜ム、ライヴも2時間ぢゃ納まらんだらうなぁ。平日だし、お客さん来てくれるんやろか?。唱い方はだいぶ身についてきたかんぢ。メンバーからアレンヂの意見が出始めたのが嬉しい。(多分)壱夜限り、と云へども『バンド』と見なされねば、ね。

一旦帰宅、晩飯を喰った後、22:30といふ遅い時間からリコズのリハ。・・・と思ってたら、また例の勘違いで、なんと今回は1週間も早いまちがい。リハは来週だった。なんでかういふミスをしてしまふのだらうかねぇ?。たしかにリハ日の決定までに二転三転あったが、よく見りゃちゃんと書いてあるのにや。思はず近々の予定日程を再確認する週末。


3週目

15日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

朋友なにわのてつこと藤縄哲也と、クラリネット太郎こと山本太郎のデュオ「たろてつ」を見に行く。

てっちゃんに関して云へば、いつもネタ先行のライヴを見てるし、けふもまぁネタぽくない訳ではないのだが、「オールドなジャズブルーズを演らせたらそこそこ一流」といふのをまざまざと見せつけ、その実力を知りはしてゐても、改めて感心する腕前。太郎ちゃんのクラも暖かく柔らかで、このテのジャンルにはぴったり。とぼけたやうな脱力キャラが、てつのゴリ押しキャラと対比でオモロい。

クラの音色が気持ち良くてなんども舟を漕ぐ(笑)。良いライヴだった。

良いライヴの後、新鮮な秋刀魚の差し入れがあり、急遽「居酒屋椎修」の大将として(笑)秋刀魚を焼く。全部で8匹ゐて、通常のグリルだけでは無理なので、フライパンも総動員して次々と焼く。それをつまみに打ち上げ。楽しい「夜会」となった。秋刀魚、美味。食べ過ぎてちょいと胸焼け。

16日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

近藤直司のなか吾空両氏との轟音即興トリオの一員としてのプチ遠征。神戸まで在来線で出かける。約300Km、5時間。11時に出発して16時・・・。もぅこのくらいの距離ならなんともないなぁ。乗り換えがめんどくさいぐらいか・・。

意外なほど暑い神戸は三ノ宮に着。神戸はぢつは意外に縁遠い。2年前に友人がプライヴェートライヴを主催してくれたのを除けば、2007年にやはり即興のユニットで来て以来となる。けふの会場はその時と同じ老舗Big apple。暑さの中、けっこうキツい坂を登って辿り着く。

けふは近藤さん吾空さん、に地元のギタリスト清野拓巳氏が加わる。これがまぁ例によって演りたい放題の即興大放出。自分的にはベーアンが小さかったので、ちょいと不満の残る出来だったが、清野さんのギターが素晴らしく、ただの轟音即興とはひと味違うかんぢに。清野さん、正統派のジャズから即興、ウードによるオリジナルまで幅広く手がける実力派。お客は少ないが緊張感のある良いステージ。

終演後はおのおの勝手に。ワシは適当な中華料理屋でひとり紹興酒で打ち上げ。歩いて10分ぐらいのサウナ&ネカフェに宿を取る。「ネットブース」といふ、パーテーションで仕切られただけのタコ部屋みたいな部屋。布団一枚でいっぱいみたいなかんぢだが、割と快適。

17日(月/祝)-----------------------------------------------------------------------------------

本来また在来線でひとり帰路、のつもりだったが、吾空さんが「(車に)乗ってけ」と云ふてくれたので、甘える。3人で交代しながらのんびり広島を目指す。道すがら色々話し、それぞれの人となりもなんとなく理解す。ワシが普通に運転したところ、吾空さん『怖い、危ない』と連呼。え〜?広島ぢゃ大人しい運転の方なんですけど・・・(笑)。

さてけふは地元広島アビエルト。前回このお二人と出会った場所だ。広島ゲスト(ワシもだが)に、マツザッキン(sax)とKIYO(Dr)。ツインドラムがどーなるか、と思ってゐたがタイプの違うドラマー二人の競演はオモロかったのではないか?。サックス、ドラムが二人づつ、なのでけふのワシはどっちかてーと一歩下がって。まぁ演奏が走りはじめたら、そんなことはすぐに破綻してしまふのだが・・・(笑)。

だいぶ手が分かって来たおふたりなので、そろそろ「混沌に向かわない即興」も演ってみたい気はしてゐる。

けふも正直お客の入りはあと一歩だった。けふ同じくJukeで自主イベントだった姫石ミミのとこなんぞ、100人越えしたさうな。その違いに対しては、まぁさうだらうな、といふ気はす。その中でもウチを選んで来てくれたお客さん、ありがとう。

18日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは即興トリオ最終日。呉市Razzである。近藤さんから『広島近隣であと壱本演れぬか』と打診され、リュウくんに相談してみたところ、快くオッケーしてくれた。

ただ、昨日までのライヴ会場と違い、Razzはライヴを演ってる店とは云へ、普通の呑み屋さん。この轟音トリオがリミットなしで暴れたら・・・・。(リュウ君は『全然構わん』と云ってくれてゐるが)苦情が来て店の営業にも差し障るやうな事になれば、リュウくんに申し訳ない。ので、シツコいくらい吾空さんには『ちょいと場を考えて』と釘を刺しておく。

結果的に、序盤かなり抑えて叩いた(それでも通常のドラマーの倍はパワフル)吾空さんのドラムは、終盤のカタストロフィまでの、流れの良いダイナミクスになり、まぁお二人の思惑とは違うだらうが『ちょいとストレンジでハードなジャズ』といふ印象を与え、けっこういっぱいのお客さんに見事にアッピールした。前半抑えてゐただけに、エンディングでゴーサインを出したあとの吾空さんの暴れっぷりはもう凄まじく、ビルが揺れるほどのパフォーマンス。会場ヤンヤの喝采。

ワシも負けじと応戦したが、もぅ体力負け(笑)。スゴい61歳だ。色々意見はあらうが、やはり伝説のドラマー、だな。

いや〜この三日間、良い刺激になった。この道で再び勝負に出る気はないが、即興の世界に片足でも突っ込める自分を、そこそこ誇りに思おう。このかんぢをポップスのフィールドにどう生かして行くか、がワシのテーマだ。吾空さん、近藤さん、ありがとうざいました。

昨日も来てくれてゐた地元の名士Nさん宅に御招待頂き(近藤、のなか両氏は宿泊)、軽い打ち上げに参加。ワシは1:30頃に辞去。真夜中の湾岸道路を1時間かけて広島へ。

19日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

今週唯一ライヴのない日。レッスンは休みにしてゐるが、リハがふたつ。しーシュとリコズ。

昨日まで「即興」に取り組んでゐて、けふ「作曲」といふ逆側のサイドにゐる、といふ。

なんやかんや演っても、ワシは最終的には「良い曲を書く音楽家」として評価されたい。そこで生じる様々な問題を、やはり深く考へてしまふ。道は遠い。

20日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

オリエンタルホテル、ソロ営業。前回から結構間が空いたので、その間レパートリィの収集に力を入れた。結果、7曲の増設に成功し、ソロのレパートリィ(カヴァー)は40曲になった。云ふまでも無く、準備した曲の全てが「場に合う」かどーかは、演ってみるまで分からん。お客さんのパタンに応じてレパートリィを変化させる事も大事な技術である。ワシらはただのストリート唄うたいではなく、「ギャラで雇われた」音楽家なのだ。

これぐらいの曲数を準備して初めて、このテの仕事が余裕を持って演りきれる、といふことが良く分かった。

またけふは、こないだ『娘婿に似てゐる』、と(笑)声をかけてくれた御家族がまた来訪され、じっくり聴いて下さった。たいへん心強く、最後まで集中して演奏に没頭出来た。新曲も好評。「かういふ場所はよく来るけど、特定の唄を聴きたいと思って来たのは初めてだ」と云ふて下さり、感謝感激。本当にありがとうざいます。

慢心するなかれシュウよ。まだまだ精進。次回は更にレパートリィの増設を(笑)。

21日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校後期授業始業。その後、リコズトリオ@尾道しまなみ交流館。

仕事の話が来た時、『学校があるから無理かな〜』とかいふ話になったが、終業すぐ(授業終了から8分後。ちなみに学校から駅まで徒歩5分)の電車に飛び乗れば、ギリで尾道入りに間に合う、とかでその運びとなり、授業終えてすぐ駅までベース抱えて走るワシ(笑)。予定の電車になんとか間に合い、予定通りに尾道へ。リハには出れんが、そこはまぁなんとかなるやろ。

尾道駅出てすぐのデカい文化施設のロビーコンサート、といふ名目のリコズ。リコズは昨年の10周年コンサート以来の本番。『もぅやらん』とか云ってたけど、まぁまたかうしてこの仲間と一緒に演れるのは楽しい。けふは『ジャズコンサート』といふ事だったやうだが、お構いなしにいつものワシで行く。けふは特にじょんがらベースソロに熱が入り、演りながら『(手から)煙が出るんぢゃないか?』といふやうな熱演をしてしもた。場内大ウケ。まぁこのバンドでのワシのニッチはさういふ処なので、役目を果たせて一安心。

けっこういっぱいのお客さんからも好評だったやうだ。良いコンサートの手伝いができたなら嬉しい。

打ち上げはりこオススメ地元の串揚げ屋さん。美味なるアテでハイボール。さすがにタイトな行軍にて、疲れた。ホンマに今週は水曜日以外ぜんぶライヴだったな。そして明日からはしーシュの山陰遠征だ。望むところ!。頑張りまっしょい。


4週目

22日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュプチ旅@山陰。島根県浜田市は金城町「夢の音村(ねむら)」といふ場所でのライヴ。

これが奇縁、といふか驚くべき偶然で、最初これはしーなさんにお任せで、彼女の友人コネクションでライヴを企画して頂いた。場所につひて二転三転あり、最終的に「音村」に決まった、と。したらこの「音村」、あの河野星児(初代「オルカ団」メンバー。現リコの連れ合い)の御両親が経営管理されてゐる場所、といふ。さういや、りこの曲に『音村狸の祭囃子』て曲がある。そこか!。

愛車にっちに機材を満載して、トコトコ山越えの末、現地に着。主催の佐々木純子さんに出迎えを受け、周囲の大自然にテンション上がる。

けふのライヴは純子さんを筆頭に、しーなさんのお仲間有志が開くセルフコンサート。機材はワシらの持ち込みだが、その他----会場設営、炊事、給仕、運営すべて手作りで行なわれる。一家総出で手伝ってくれた方もゐて、感謝多謝。えぇのを演らんといかんね、としーなさんと決意新たに。

開演時間には会場は満員。OAを純子さん手づから演ってくれる。若手リズムセクションを従えてのピアノジャズ。『私なんかまだまだ〜』と、なんかえらいご謙遜されてゐたが、なかなか大した腕前だった。てゆーか、かなり良いんですけど・・・。

気持ち良くあとを引き継ぎ、しーシュ。得意レパートリィを中心に1時間。チカラも抜け、MCも冴え、良いライヴが出来た。ただ、激しい曲ではPAにリミッターがかかってしまひ、突然マイクがオフってしまふ場面も・・・。ふたりとも生声でしのぐ、といふ荒技。ウチもさういふ場面で慌てないやうにもなった。打ち続くライヴに鍛えられたもんだな、と。

とても良いライヴだった。結構な山奥の施設に足を運んでくれた満場のお客さん、主催の純子さんとその仲間、その御家族、音村の河野夫妻、ありがとうざいました。

終演後は庭に出てバーベQ。深山は冷えるが会話は暖かく。

23日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュプチ旅@山陰。けふは萩「陽だまりガーデン」といふ場所でのライヴ。

浜田をのんびり出発し、アレコレ迷いながら萩市へ。こっから先、長門〜下関〜九州は良く往く道だが、萩は初めてだ。会場の陽だまりガーデンは昨年、しーなさんがタンゴバンドの一員としてツアーした時に立ち寄り、その佇まいを気に入り、オーナーの山縣さんに直々にオファーして実現、といふ・・・。したらついこないだ此所でHAGE富安さんもライヴ演った、とか。またまた不思議な縁。

静かな住宅街の、車の離合も難しい細い路地をくねくね行った先に、陽だまりガーデンあり。ログハウス。昨日の音村もログハウスだった。今回はログハウス・ツアーだったのか。しーなさんが一目で気に入った、といふのも頷けるかんぢの良さ。近所は夏ミカン畑が拡がり、店の裏は猫の集会所。これは良いねぇ。

けふも機材は自分らもち。今回のツアーは実は其処も大いに重要なテーマで、そはすなはち『にっちに積み込め、自分らで操作できる程度の機材で、何処までのライヴが演れるか』といふ。これで自信がつけば、それこそ全国何処にでも行けるやうになる。その最初のチャレンヂ。昨日PAにリミッターがかかってしまったのは、ベースもPAにぶち込んでしまったからだらう、といふ事で、けふはそこを修正。結果としては大成功だった。

けふはワンマンで、それでも事前の宣伝だけで予約いっぱい、ださう。しーなさんを見知った人はゐても、しーシュの音楽は初めて、の萩。さて心して・・・。

昨日よりはこぢんまりした空間で、さらにアットホゥムに盛り上がり、またまた良いライヴ。特にしーなさんは大人気で、終演後も質問攻め。打ち上げでも、歌詞や音楽性に対しての鋭い質問が多く、今年春に行った山口は湯田の紅花舎でも感じた、『お客さんの文化レベルの高さ』を強く感じる。考えてみりゃ、ワシの好きな長門や下関もそんなかんぢだ。うぅむ山口県、恐るべし。さすがに歴史上の人物を多く輩出した土地だけはある・・・か。

昨日に引き続き、良い夜だ。しーなさんはロシア帰りの若手女性ピアニスト(超美形)と語り、ワシは、豪州暮らしから萩に還り、アイリッシュパブを開いてゐる、といふ御婦人らと、グローバリズムにつひて語り合ったり。料理も美味で、ログハウスは暖かく、親密な打ち上げは深夜まで続いた。

24日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは帰るのみ。

昨日、件の美形ピアニストと「ヲトカの飲み競い」をやって激負けしてゐた(笑)、バーテンのIくんらと陽だまりガーデンで珈琲と朝食を御馳走になる。「また来て下さいね」と云はれながら帰路へ。いわゆる「萩往還」を下り、山口〜防府〜と廻り、広島へ。

たった二日だったが、濃密な内容の良いツアーだった。今回ふたつともしーなさんの人脈に負う旅で、ワシにとっては初めての人々と場所だった。演奏の出来は勿論、正直なハナシ「金銭的にも」かなり成功したツアーだった。しーなさんに感謝。ミッション車はワシしか運転できず、『づっと運転させて申し訳ない』としーなさん云ふが、こんな事で良ければ・・・。

ワシももっと頑張らねば、ね。

25日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校〜通常レッスン。この週末から久しぶりにソロでお江戸遠征がある。内容に全然取りかかれてなかったので、慌ててひとりリハ。

しーシュが軌道に乗ってゐるいま、正直な話あんまり「ベースソロ弾き語り」に必要性を感じなくなってゐて、ライヴのどこにモティベーションを置くか、を考える。結果、3日間を全部違うスタイルで演ってみる、といふ課題を自分に託す事にした。

初日下北沢ではループ使用を極限まで減らす「純弾き語り」。二日め調布地下室の会では、曲数も少ないので「バラエティ」。ラスト日野では弐台のループをフルに使ふ「ルーパー」として。まぁ実際演ってみるまでは分からんけどね。

26日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

ソロの練習を。

Youtubeやらで「ベース弾き語り」と検索すると、ぢつに色んなのが出て来る。まぁ、この表現手段が市民権を得たんだなぁ、といふ感慨。面白いのから激ヘタなのまで、色々。総じて楽しい。がしかし、既に10年以上この道で演ってゐて、Youtubeにも多数アップされてゐるワシが、検索に全くヒットしないのは・・・?。けっこう礎(いしづえ)を築いて来た、と思ふんですがねぇ(笑)。

だが、検索結果の中には、全然『弾き語り』ではなくて、ただの「ベース&ヴォーカル」だったりするのもある。さういふ意味では、そこをことさらに特殊な事、とは考えてないワシが全くヒットしないのも、なかなか痛快、といふ気がせぬでもない。

27日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

弦を新調。珍しく、前回の交換から壱ヶ月のスパン。普通は年に2〜3回なのだ。なんでかてーと、まぁやはり「地下室の会」があるからで、今年最後のお江戸に合わせて、の新調。ところがこれがおかしい。2弦だけどーしてもピッチが取れぬのだ。

最初、ついに耳がイカれたか?と思ったが、さうでも無ささう。しーシュのリハが入ってゐたので、しーなさんにも確認してもらったところ、やはり「おかしい」と。いつもやってる「左手の人指し指&小指」でルートと5th(所謂パワーコード)を押さえても5thが明らかに低い。他の弦では大丈夫なのに・・・。

原因として考えられるのは、ブリッヂの不具合だが、これはもぅ20年以上調整要らず。常にベストポジションのハズだ。ナニカで過って動いてしまった形跡も無い。とすれば今朝がた新調した弦に要因があるとしか・・・・・。

ウチに帰り、試しに2弦だけ古いのを張ってみたら、異常ナシ。やはり、おかしいのは弦のやうだ。つぃったーで情報を求めてみたが「不良品(の弦)ではないか?」といふ意見。それ以上の有力な情報は得られなんだ。不良弦かぁ、やはりさうなのかねぇ。

取り合へず本体に原因がなかったやうなのでホっとした。まぁしゃぁないので今回は2弦だけ古いのを張ったので演るしかない。フラットワウンドだからまぁ、そこまでオカシくはなからう。でも、こげな事ってあるんやねぇ〜。

28日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

居酒屋椎修、九の月。おっとその前に専門学校。朝早起きして料理の下準備など。

さて居酒屋。今年の弐月から始めて、はや9回目。準備や仕込みにもだいぶ慣れ、会場入りから開店まで割と余裕を持ってこなせるやうになった。けふも早いうちから良いペェスでお客さんが集まり、料理がじゃんじゃん出る。特にけふは、しーなさんが『居酒屋椎修開店準備中!』と称して、ワシが魚をサバいてゐる写真をフェースブックに掲載。それを見た人が興味を抱いて集まる、と云ふかんぢだった。お客に本職のバーテンダーの方などゐて、たいへん緊張したが、まぁなんとか。

ライヴのテーマは「甘(あま)」として、まぁ『甘い◎▽』とか『Sweet%&』とか、さういふの意外にも、歌詞やタイトルに「アマ」といふ言葉がつけばOKみたいな(笑)。スウィート・メモリーズ/いっそセレナーデ/亜麻色の髪の少女/アマポーラ/アマン/ショコラ/天城越え、とか。

このテーマもウケたが、けふはリクエストもたくさん来て、それに即応するワシらにも場内大ウケ。結局、上記7曲の他に、ペンギンカフェで逢いませう/毬藻あります/ジェラシー/ひつぢは意外と気が荒い/コキリコ節/NewYork State of Mind /As time go by/と大サービス。1時間で計14曲を演奏し、拍手喝采。良いライヴだった。

9回めの開店にしてよぅやく、お客さんに(は)我々がどーいふ事をしたいか、を理解してもらへて来たやうな気がす。ひとえにこれは、しーなさんとワシ、そしてしーシュを応援してくれる人達の、『オモロいと思ふ』価値観が一致してゐるから、に他ならない。満場のお客さん、ありがとうざいました。

けふは、名物「さば・ダ・えせニック」の他にも、「秋刀魚の秋パスタ」なぞを拵えてゐた為、家に帰っても身体が魚臭い。

さぁワシは明日からお江戸だ。


お江戸短期出張

29日(土)ソロお江戸遠征:下北沢Blue moon----------------------------------------------------

久しぶりのひとりお江戸。こたびは滞在が短いのでJR早割を使ふ。往復で¥参萬ちょい。これでもバスや在来線からすれば充分高いが、まぁ仕方ない。

ので、新幹線の旅。4時間弱で東京へ。流石に早いが、まぁ東京駅に着いたところにハイヤーが待ってゐる訳では無く、そっから先色々乗り換えて現場をめざすのは同じ。夕方、下北沢はBlue moonに着。共演のみなさんに軽く挨拶して、サウンドチェック&リハ。先週の日誌にも書いたが、今回Bluemoonでのテーマ「極力純弾き語り」。ので、ループの使用は最小限。まぁかういふ事って、演り手の自己満足、とも思ふんだけどねぇ。

マイクも可能な限りオフ気味にして、ホンマにストリートか家庭で演ってるやうに弾き語ってみた。出来はまぁまぁ。久々に「こきりこ節」を演ってウケた。「らのえてぃあ」を演んなかったのは、ホンマに久しぶりかもしれない。ループの使用制限は・・・・・ん"〜〜〜〜〜〜〜〜、どーだったんでせうか?。『Danceが聴きたかった』と云ふてくれたお客さんもゐて・・・。

つまんない事考えずに、人気のある曲ならばんばん演る方がいいのかもね。

終演後は店長平石正樹さんやお客さんらと小宴会。宿を決めて無かったので、下北沢に壱軒だけあるサウナに泊まる。ここも久しぶりだったんだが、前に泊まった時と比べても、えらいこと「男クサい」んですが・・・(ちなみにこの宿は女人禁制)

30日(日)ソロお江戸遠征:調布市くすのきホール-------------------------------------------------

けふは入りが早い。サウナのチェックアウト後、すぐに電車に乗り、調布へ。

調子市民会館くすのきホールにて行なわれる、Bassment party(地下室の会) 東日本大震災復興支援コンサート。「東日本の為に、日本を代表するミュージシャン達が調布に集結!」といふ見出しで、新聞にも載ったのださう。そんな強豪プロの集団、に混じって、ベース弾き語り。

調布駅に着いた途端に目に入るやうなどデカい建造物。ほぇ〜ホンマにすごいイベントなのだな、と。会場前で前回、初対面で一緒にタクシーに載って帰ったよっしーこと吉田のりお君と再会。元気さうだ。

まぁ人間、慣れれば慣れるもんで、最初にこの地下室の会ライヴに出た時なんざ、昼過ぎくらいから吐きさうなほど緊張してゐたモンだったが、今や淙々たる面子あふれる楽屋にひとりゐても、特になんちゃーない。見知った顔を見つけては「やぁやぁ」と挨拶。大阪から朋友泉尚也さんも現れた。以前、広島ツアーの会場手配を手伝いながらも、本番では会えずじまいだった、元マルコシアス・バンプの佐藤研二さんともよぅやくの邂逅。

まぁ、そんなかんぢに割とのんびりしてはゐたが、そこはホレ。出番が近付けばやはりこれはそれ相応の「試合」。舞台裏で待ってる間にどんどん緊張して来た。ヤバい。ぬぅっ!これを・・・かういふ修羅場を数々乗り越えていまのワシがあるのだ!。ぬぅ!。ぬぅ!。くむぅ!。なんとかヨガで落ち着けてステージへ。

やっぱり一杯ミスっちまったなぁ・・・。くやしぃがまぁ仕方ない。会場の音はほとんど聴こえんかったが、結構ウケてゐたさうで一安心。CDもかなり出たさうだ。よかった。

この日のトピックはやはり、仙台は名取市からやってきた、黒瀬寛幸くん率いるJET Horns!。そもそも今回のライヴは、地下室の会唯一の東北在住メンバーである黒瀬くんを支援したい、といふ思ひから実現に至ったもの。「あの」震災で、楽器も練習場所も、メンバーによっては大切な家族や友人も失い、絶望の中から再出発したビッグバンド、なのだ。瓦礫の中から採取した原木で作られた7弦ベースが唸り、被災でひん曲がったラッパが叫ぶ。そのパフォーマンスには滂沱たる涙が流るるのを禁じ得なかった。

勿論、現在の東京シーンで蠢く、実力派プロフェッショナルたる、他出演者、総勢50名を超えるミュージシャン達の熱演が素晴らしかったのは、云はずもがな。

素晴らしいコンサートだった。

惜しむらくは台風の襲来で、夕方から夜にかけて、関東地方は大荒れの天候。鉄道ダイヤがずたずたに乱れ、帰りの足を心配したお客さんが、電車が動いてゐるうちに帰らざるを得なかった事だ。これは本当に残念だった。実際は、ライヴが終わった頃には天候もやや回復し、多少の乱れはあっても鉄道はちゃんと機能してゐた、のに・・・。


10月1日(月)ソロお江戸遠征:日野市Soul-K---------------------------------------------------------

お江戸最終日。けふはワシにはお馴染み、『ちょっと変わったクゥオリティの高い音楽を捜させたらピカイチ』(笑)のジンボさん企画。

会場は、2009年の春以来の日野市はSoul-K。そん時はしーシュで、だったがソロでは2007年以来。それもやはりジンボさんの企画だった。その時の演目だった「らのえてぃあ」がYoutubeにアップされ、ワシの動画の中ではいまだに最高観覧数をキープしてゐる。

3年ぶりにママさんとも再会。相変わらず可愛らしい方で、ホンマにお懐かしゅうございます。

けふの対バンはこれまた「つはもの」たち。ピアノ+ドラムスによる変拍子&キメ、展開の嵐、にシアトリカルな名ボーカルが乗る「天国」。以前から一方的に見知ってゐた、森川佑護氏率いるストレンジ・ポップ・バンド「Polygon head」。こんな、真の意味での「どプログレ」の強豪に、なんでワシを合わせるかね?ジンボさん(笑)。しかし両バンドともワシを知ってくれてゐて、そこはまぁ長く演り続けて来て良かったな、と。考へてみたら、東京に来はじめて10年になるのだ。

両バンドの名演奏に刺激されつつも、伸び伸びとリキむ事なく40分のソロに集中出来た。けふは「ルーパー」としてのアイデンティティを打ち出し、ループマシンをフル稼動。これもほぼ完璧で、よいソロお江戸のシメを飾る事が出来たやうだ。

けふは町田のてらしましんご&ひでこ邸におぢゃまするので、終演後は早めに会場を失礼す。電車を乗り継ぎ、町田へ。迎えに来てくれてゐたしんごと落ち合い、なんとも風情のある新居へと。彼のブログにたびたび登場する、猫の「靴下さん」に見つめられながらハイボールを傾け、あれこれ語る町田の夜。


10月へ