3月


1週目

1日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

カワちゃん&しーシュ、所謂ぱんぱかトリオのライヴ。リハの結果、アタッチメントは何も要らん事が判明し、ホンマに久しぶりに「ベース壱本だけ」持って出かけるライヴ。こないだのカシラとのデュオに続き、「白子」で演る事にす。パッシヴのプレベ壱本!なんぞ、まるでダック・ダンになった気分(笑)。

さてライヴだが、たいへん良かった。何度か一緒に演って『カワちゃんを聴かせる』といふツボを、もう完全に把握した、といふかんぢ。しーシュの職人的側面爆発、それでゐて終始和やかな気に満ち、ハーモニィも冴え渡り、トリオとしての魅力も充分に発揮できた、素晴らしいライヴだった。カワちゃんのファンからも絶賛を頂き、またワシらも十二分に楽しんで演りました。「白子」も絶好調。ベーシストとしても楽しかったねぇ。カワちゃんありがとう。

今ぢつはこのトリオでツアーに出ぬか、と云ふ話が盛り上がってゐて、実現すればこれも楽しいものになるだらう。カワちゃんは東北に良いコネクションを持ってゐて、しーシュはまだ東北未踏なので、それに同行できたらなぁ、と思ってゐる。

2日(土)週末遠征:東大阪N.B.music studio----------------------------------------------------------

良いライヴの余韻を夢に見るヒマなく(笑)5時起床。しーシュ週末遠征の幕開けだ。昨日から解禁となった青春18切符で始発のJRに飛び乗る。まだ真っ暗。目指すは東大阪瓢箪山。交代で寝たりしながら、東に向けて進むうち夜が明けて来た。広島→福山→岡山→相生→姫路→神戸→大阪→鶴橋→、と7時間で瓢箪山に到着。まぁこんなモンだな。だいぶ慣れたよ。

けふワシらを迎えてくれるのは、東大阪の走るバンジョー奏者、吉崎ひろしさん。HAGE富安さんのレコーディングで知り合い、その技術と人柄に惹かれ、何度かの再会を経て、吉崎さんが定期的に開いてゐるイベントのゲストとしてお招き頂いた。吉崎さん進行によるトークコーナーもあり、公開ラヂヲのやうなかんぢで進行するライヴ。なかなか楽しい。さすがラヂヲのパーソナリティを何年もやっておられた方なので、MCもたいへんスムース。歓談してるだけでこちらの云ひたい事を引き出してくれる話術はお見事。

そしてライヴの方も白眉の出来。特に吉崎さんのバンジョーをフィーチャーした「Dance」は、もぅ『この曲は吉崎さんと演る為に生まれたのだ』と思はしむる素晴らしさ。唄いながら笑いが込み上げて仕方ない、てかんぢ。そして吉崎さんのオリジナルにしーシュが参加した「Storrow Drive」では、しーシュのポテンシャル炸裂!的な面白さ。ホンマに楽しく、素晴らしい空間だった。

そしてこのイベントの何より楽しいのが、終演後の会場で、お客さんも出演者も「持ち寄り」で打ち上げパーティーを行なう事。ワシは常々、打ち上げの壱番好ましいスタイルがこれではないか、と思ってゐる。豪勢な料理や酒などなくても良い。良い場を共に味わった人達が集えば、コンビニ唐揚げでも五ツ星の御馳走になる。残ってくれたファンの方々と談笑。本当に楽しい会だった。

吉崎さん、明日はマラソンを控える身。「走る」バンジョー奏者、の名は誇張でもなんでもなく、吉崎さんはフルマラソンを何度も踏破してゐる正真正銘のアスリート。ので、打ち上げもさっくり切り上げて、解散。レース前のナーヴァスな時にこんな贅沢な時間を割いてくださった吉崎さん、本当にありがとうざいました。

3日(日)週末遠征:奈良ウェンブリィクラウン---------------------------------------------------------

さて、けふはしーシュ未踏の地、奈良へのファースト・コンタクト。昨年アタマに大阪でご一緒した、たいへんオモロいユニット、喜多 寧率いるノレンニゥー・デ・オッシ主催の、『奈良にくぎづけ』といふイベントへ招待して頂いた。

しーなさんと『奈良で演りたいね』とづっと話してゐて、奈良出身の音楽家に会うたびになんとなく打診してゐたのだが、彼らが一様に口を揃えるのが「演る場所がない」といふ事だった。事実、奈良在住のミュージシャンで地元を基盤に活動してゐる人は稀。みな割とフットワーク軽く、大阪や京都で活動し、地元には住むだけ、みたいな人が多かった。

そんな中、奈良を基盤に足元を固め、いつでも自分等の音楽を発信でき、なをかつ他所からのゲストも招ける、といふイベントを続けてゐるのがノレンニゥー・デ・オッシなのだ。会場は英国風パブ、ウェンブリィ・クラウン。パブ音楽が盛んな英国の雰囲気そのままに、音楽家もお客さんも垣根なく楽しむ空間を地元で!といふ、彼らの心意気に感動。誠意には誠意を持って応えるべし。

ライヴはノレン〜30分ウチら30分、といふのを割と間髪おかずふた回し。お客さんは結構いっぱいで、それも「流れの客」と云ふよりは、この「奈良にくぎづけ」を楽しみに来た、といふ人が多い様子。すごい盛り上がる。たいへん満足!のライヴ。これを、今回ので既に19回も続けてゐる彼らの熱意に、ホンマにアタマが下がる。

地元愛激しいノレン〜だが、奈良の地に滞ってゐる訳ではない。ワシらなどより遥かに(海外まで)旅をしてゐる連中なのだ。年はひと回りくらい下の彼らだが、その高い音楽性は勿論、真摯な姿勢にも見習ふべき処いっぱい。素晴らしいミュージシャン達である。おぢさんも頑張らねばね。喜多くん、ありがとう。

にしてもノレンニゥー・デ・オッシの音楽の見事なことよ。三味線をポップスに使ふ、といふ点でも、これほど成功してゐる例を他に知らんのだけど・・・。訊けば喜多くん、ルーツはザ・バンド、なのださう。オフィシァルサイトにある彼のコラムがこれまた最高で、あぁかういふ思考があの音楽を作るのだな、と。

4日(月)------------------------------------------------------------------------------------

帰広。急ぎの仕事があるしーなさんは新幹線でひとッ飛び。ワシは18切符でのんびりと広島を目指す。

大阪辺りで大きな事故があったらしく、ダイヤがぐぢゃぐぢゃに乱れてゐる。2時間遅れ、なんて表示も出てゐて、時刻表が意味を成さない。ので、久々に「来た電車に乗る」といふ行き当たりばっ旅。それでも夕方には広島に着く。この長い行程にももぅ慣れたな。18切符の特権「途中下車」も使って、帰りの旅を楽しんだ。

今回の旅には「カラス」を帯同した。どんどん使い易くなって来てゐる。さうなるとやはりヘッドレスのコンパクトさは、旅には大いにメリットになるなぁ。うぅむ、やはりヘッドレスのオリジナルモデルを作るべきか・・・。ぬ"〜〜〜〜〜〜。

5日(火)------------------------------------------------------------------------------------

最近、古い時代-----ひと昔前のポップスやフォークでベースを弾いてゐた人達、が気になってゐる。その先輩方が現役な場合、今どのやうな音楽を演っておられるのか?、その方々が若い頃はどんな音を出してゐたのか?、とか。さういふ事。

N S P(知ってる?)など、もぅ云ひ逃れのない「どフォーク」ではあるが、ベースはこの音源からも分かるやうに、結構とんがってゐた。まぁしかし、これを「どフォーク」と云ふなら、ワシのかがり火、とかは何ぞや?と・・・(笑)。うん、フォークと呼ばれても構わぬ、といふ気はしてゐる。

思ふに、この時代ら辺のフォークやポップスのベース弾いてた人って、多分に、もとはギター弾きやシンガーだったりする。で、何人か集まった中で『あぁ、ぢゃ俺はベースでもいいよ』的なノリで弾いてる人が多いンぢゃないかな?。だから時として妙に「やんちゃ」なベースだったりして、そこがオモロい。

6日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

「かじやまつり(3/16)」で弾く事になったので、慌ててピヤノの練習をす。唄のレッスンが盛況だった頃は、正直ベースより弾いてる時間が長いくらい(伴奏するので)で、ライヴでもちゃちゃっと弾く事が出来たのだが、最近は・・・・。ピヤノの為の筋力も落ちており、いつもと違う所にチカラが入ったりす。駄目だねぇ。

あれだな・・・。強制的に「月、水=ベース、火、木=ギター、金=ピヤノ」とかって練習日を決めてやった方が良いのかもねぇ。で、土曜日は詩吟を習いにいって・・・(笑)。おぅ!、クロマティック・ハーモニカの練習日がないぢゃんか!。

7日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

トニー・フランクリンのDVDを入手。フレットレスベース弾きのクセに、フレットレスベース弾きからの評判が悪いベース弾き(笑)。そのうえ、内容のつまらん加減がネットで流布されてゐたが、驚くほど値が下がってゐた(¥500)ので、まぁえぇわ、と買ってみた。

ジャケは現在の姿が使われてゐるが、中身はづいぶん若い頃の映像。う〜む、云はれるほど悪いプレイではないと思ふけどねぇ。ただまぁ確かに「弾き姿」があんまりカッコよくはないねぇ・・。左手のフォームとかも滅茶苦茶だし。

まぁこのテの、「有名ミュージシャン」が「教則」と称してやってる(やらされてる)ヴィデオって、昔ッからロクなもんぢゃないね。ワシならこれの20倍は役に立つ教則ヴィデヲを作れるけどねぇ。でも一枚も売れないだらうねぇ。「有名ぢゃないミュージシャン」てなぁさういふコトだよ。

8日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

ぬ"ぅ"〜〜〜〜、今年の花粉はキツい。目がどーにも痒くて堪らぬ。どんな目薬を射しても、ほとんど効果なし。やれんわホンマ。

マーク=アーモンドのデヴー盤をCDで入手。かの名曲「The City」のドラムレス・ヴァージョンが入ってるヤツ。てゆーかアルバム一枚通してドラムレスなんだね、これ。

この「ザ・シティ」、車の運転ができるやうになった頃、この曲の入ったテープを友人がくれて、これを聴きながらリハ帰りの夜の道路を走ったのを思ひ出すのだ。22歳、とかだった。退廃的な唄と、がらんとした夜の幹線道路のマッチングに、『ん〜俺ってオサレ』と思ったものだ。親父の車だったけど。

ところで、今回初めて知ったのだが、マーク=アーモンドって、ワシぁてっきり「マーク・アーモンド」さん、といふ個人なんだと今の今まで思ってゐたんだが、マークさんとアーモンドさんのユニットなんだね。「ホール&オーツ」みたいなもんか。


2週目

9日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

土曜日がまるまるオフになり、素晴らしく晴れ上がってゐた・・・やうだが、そのぶん「花粉」と「黄砂」の飛散が凄まじいやうで、山並が灰色に霞んでゐる。これはアカン、とけふは一切外出をせぬやうに決め、実際そのやうにしてみた。くそ〜〜〜本来ならこれだけ晴れてて気温も高ければ、ちょいとしたピクニクになぞ洒落込めたものを。

しかし真面目な話、この「これ」ってこれから先どーなるのだらう?。大気汚染も砂漠化も深刻な問題で、そは2〜3年でカタがつく事のやうには思へぬ。ましてやあの国だ。日本が高度経済成長期に汚しまくった環境を、その後何年かけてなんとかマトモ(に近いところ)に復元したか、を考えるに、少なくともワシが生きてるうちは、春の情緒を楽しめるやうになるのは無理な気がするねぇ。

こらぁ、人間が「屋外」で暮らせない時代、が来る事も充分考えられるな。やれやれ。

10日(日)------------------------------------------------------------------------------------

けふは「わきた」閉店以来1年半ぶりの「うどんとジャズ」。久しぶりにBobby'sフルメンバー揃ってのライヴだ。サックスの藤井政美と一緒に演るのも久しぶり。

今回の会場は、ドラムスの福永さん経営「うどんのつくし」。福永さんとボビーさんはうどん職人の師弟関係にあたり、「わきた」の暖簾分け、といふ形で「つくし」が開業したのださう。その「つくし」を舞台にしたライヴ。お客さんが来て、うどんが出て、会場を整えて、ライヴ、といふ進行は以前と同じ。開演時間には、狭くない店がいっぱいになった。

進藤センセイがPAを準備してくれてゐたが、けふワシはノーマイクで唄ってみた。これくらいの会場ならワシは生声でイケる自信はある。マイクを通したボビーさんのバリトンと、ノーマイクのワシのハイトーン、でちょうど良いバランスだったのではないかな?。メインはボビーさんだし・・。恒例のワシのソロコーナーも、マサミに手伝ってもらひ、ワシは客席のギリまで出て生声で。まぁこんなモンかな。

アンサンブルはけっこうバラけたが、個人的にはけふはアドリヴがずいぶん調子良かった。ふぅん。なにが効を奏したのだらうか?。

しかしまー、フレットレスを弾けば「ジャコ」、ベース壱本で唄えば「はなわ」、さういふリアクションも、もぅえぇんぢゃないか?といふ気がする。そろそろ「次、いってみよー!」にしませんか?。

11日(月)------------------------------------------------------------------------------------

リハはしご。

まづはカワちゃんと「かじやまつり」のリハ。今回、カワちゃんは唄と簡単な打楽器に専念し、ギターを弾かない。伴奏は全てベースでやる、といふモノ。まぁそのテの事には慣れてゐる。かういふ事に慣れてゐる、といふのは、果たしてベース弾きとして良い事なのかどーか・・・。

昨日マサミにも『シュウを普通にベース弾きとして誘う奴は居らんだらう』と云はれた。まぁそれはそーだが・・・、好むと好まざるとに関わらず、自分はさういふニッチなのだから、心して往くしかない。

続いて椎名さんと諸々のリハ。しーなさんとは、今月末までで10本ほどの現場でタッグを組む(しーシュ含め)。逆算してみると、とてもぢゃないがリハが間に合わん事が判明。壱番近い所のリハから進めて行き、必要に応じて空き時間をツブして行くしかなささうだ。けふも2時間音出しっ放しのリハ。それでもやらねばならんリハの半分くらいしか出来てない。やれやれ。

花粉症が酷く、アキレス腱炎が痛い。天気が良い日にあてどなく散歩するのが大好きな人間(ワシ)にとって、これはシワい二重苦であるなぁ。

12日(火)------------------------------------------------------------------------------------

お江戸のセッションの為の譜面を書き、音源をまとめる。ベースを抱えてパソコンの前に座り、ダウンロードや読み込みの時間に弾く、といふ横着な練習。

レッスンスタヂヲで、なにやら餓鬼向けの企画が催されてゐるらしく、駐車場が満杯。仕方ないので古着屋に行き、¥900でツアー用のGパンを買う。そんな風に時間ツブして帰ってみても、まだ満車。客が帰るのを待つ間、近所のコンビニ駐車場で待機。さうしてたら散歩中の竹内ふみのチャン(ヴィヲロン)に会う。彼女もこの近くでレッスンらしひ。空き時間に散歩す、とは流石ふみのチャン。

家に帰ってよく見ると、けふのGパンが湯煮苦露のものであったことが判明。なんでぇ。古着屋に出てるくらいだから、そこそこ銘のあるGンズと思ったが湯煮苦露かよ。まぁ¥900でシノゴノ云ふな、だな。

13日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

雨&風強し。

けふは「かじやまつり」のザヴザとのデュオリハに。ちゃんと「唄う気」になってゐてよろしい。今ワシの教え子で『そこそこ分別のあるベーシスト』といふ枠から、唯一飛び出せさうなのがザヴザ。この阿呆路線をしばらくは進むが良い。音楽家として先様の注文に応じる事ができる、てのも確かに重要なポイントだが、そこを目指してはイケナイ。さういふ器用さは「副産物」であるべきなのだ。

その後、河岸を変えてピヤノの練習。そしてレッスン。ザヴザリハでいっぱい唄ったからだらうか、壱日終わる頃にはなんか異様にくたびれてゐた。

此所数カ月、スランプ、とまでは云はぬが、作曲が停滞気味。その代わり英語曲の訳詞(替え歌)が調子良い。「Smile」「Waltz for Debby」「No woman no cry」「Tenesee waltz」「Wonderful world」「When a man loves a woman」など。元唄の意味を理解しつつ、「良い日本語」を当てはめる作業は、なかなか楽しい。

14日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

日中、個人リハとピヤノ練習。

あと、ここんところ踏むたびにガチャ!と凄い音がするやうになったループを、ちょっと分解して修理してみる。接触部分のクッション材が劣化して、クッションの役目を果たさなくなってンだな。まぁライヴのたびに相当回数(しかもかなりのイキオイで)踏んづけてる訳で、そのライヴの回数が年間100を越えれば、そらまぁ傷むわな、といふかんぢ。

デカいステージや激しい曲でならまぁ良いのだが、お客さんとの距離が近いやうな小さな会場でバラード、みたいな時に「ガチャ!」と音がするのはちょいといただけない。ガムテを貼ったりして対処してみたが、ん"〜あんまり効果はないか・・・。

夜は孤独な営業「吟」@オリエンタルホテル。毎回、会場入りして最初の壱音を出すまでは微妙に緊張する現場なのだが、演り始めるとふゆふゆとチカラが抜けて行く。流れで入って来た中年ビジネスマンズのガヤを黙らせた時は「よっしゃ」と。

今月は4曲の増設に成功。中でも「Tenesee waltz」の替え歌は割と自信作。常連、Hさん御夫婦にも気に入って頂けたやうで良かった。

15日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

ピヤノ練習。今の処、成功率(壱曲中壱回もミスらない確立)75%てかんぢ(苦笑)。さぁ明日の「かじやまつり」ではどんだけ弾けるんでせうかー?。

この企画を発案した時は、(ワシが)ひとつのステージでギター弾いたりピヤノ弾いたり・・・そんな雑多なイベントにしやうと思ってゐた。が、フタを開けてみると結局「変わったベース弾きのポテンシャル全開」みたいなかんぢ。他人様はやはりワシにさういふニッチを求めておられるのだな。了解。ならば全開!、よぅそろ。

夜は椎名まさ子&執事フライデー@オリエンタルホテル。同会場弐夜連続営業。お客は多いが聴く人少なし、てかんぢ。ものすごいガヤ。正直、ここまで聴かれない現場も久々な気がする。普通、これだけ人が多いと、ガヤはあっても何かしら反応や手応えはあるものだが、けふはそれもほとんどナシ。隣で弾いてるピアノの音が聴こえない。それぐらいうるさかった。

まぁ「ライヴ」として演ってる訳ぢゃないから、それもしゃあないとは思ふ。けどいちをう「生演奏が売りのオサレなラウンジ」なんだからよ。ここは「居酒屋」ぢゃないんだからよ。呑んで騒ぎたいなら、もっとふさはしい店があるだらうに・・・。


3週目

16日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

「かじやまつり」本番。この企画ライヴの宣伝メールを約30人に送信した。けふまでに25人の「欠席」連絡あり。アー・・・・。

まぁ気を取り直して・・・。

この企画、2008年頃までやってた「梶山シュウIn Duet's」-----------仲の良い音楽家、芸術家、パフォーマーをゲストとして招いて一緒になんか演らう、といふもの。の復刻版、てかんぢ。2011年に「日曜市」て名前で復活&定例化させやうとした矢先に東日本大震災があり、まぁそれだけが理由って訳ぢゃないんだけど、結局弐回目をやらんまま1年が経過してしもた。それの「お気軽版」てニッチになれば良いかな、と。

今回のゲストは唄うたいカワちゃん、しーなさん、ZAVZAの3人。カワちゃんしーなさんはまぁ常連と云へるが、そこに新人の、しかもロック畑の、しかも6弦ベース弾きを招く所に意義を見い出してみた(笑)。ワシのソロで先導し、それぞれと3曲づつ絡み、最後は全員でセッション、といふ流れ。全員がそれぞれのソロの中に「立ってマイクのみで唄う」といふ出し物を設け、必然的にバックはワシひとりが・・・といふ。まぁ自分が意図した訳でなく、かういふ運びとなるは楽しい。

な訳で、カワちゃん:「太鼓叩き語り」をベースのみでバッキング/しーなさん:手ブラ唄をピヤノでバッキング/ZAVZA:6弦ベース弾き語りをフレットレスベースでサポート、といふ三種三様のなかなか見難いライヴとなった。それぞれのお客さんにもたいそう好評だった。

ベース弾きとしては結構なポテンシャルを要求されたが、なんとも此所数年で一番肩のチカラが抜けており、たいへん伸びやかに唄い、弾く事が出来た。かういふ純粋な「唄もの」の世界とは縁遠いであらうザヴザが、打ち上げでカワちゃんらと談笑してゐる姿は、まぁ演って良かったかな、と。

演目:

(ソロで)らのえてぃあ/ツアー/夜明けの海ごっこ/よぅそろ/きんぎょ(しーなさんと)京都慕情/You be so nice to come home to/月の舟のワルツ:ピヤノで。
(カワちゃんと)夜来香/記憶の旅/幸せハッピー(ザヴザと)English man in NY/ルパン愛のテーマ/あずさ二号(ソロで)夜の駱駝/かがり火(全員で) No woman no cry(アンコールで)此岸之朱

以上、シメて18曲。参加してくれた3人と、集まってくれたお客さん、ありがとうざいました。

17日(日)------------------------------------------------------------------------------------

干支がワシよりひと回り若い(つまり年男か)、ジャグバンドカッポレのハモニカ吹き「しげたろう」と、同じくカッポレのアコルディヲン弾き「てらにん」の結婚式。にしーシュが「音楽監督」として抜擢され、挙式、披露宴、二次会、に至る全ての音楽を「担当」す。両人ともワシらを「兄貴、姐貴」と慕ってくれており、その門出を音楽で祝ってやる、といふもの。朝早くから式場に潜入して、準備あれこれ。

まぁ正直アテラレっぱなし、てかんぢの壱日だったが(笑)、彼ららしく微笑ましい、じんわり沁み入る良い結婚式だった。おぢさんちょっとウルと来てしまったよ。しげ&てらにん、おめでとう。キミらの行く未来に幸多からむことを。とまさに兄のやうに思ふ。

親父の病状の事で、急を要する事態が生じた時に備えて、此所しばらく酒を絶ってゐたのだが、けふはまぁ祝いの席なので、解禁。で、この晩酌をしない、といふ習慣はどーやら「痩せる」ことに繋がるらしく、ひと月前と比べても着物ががばがば。帯が余って結びにくい。和服はある程度ハラが出てゐた方が似合うからねぇ。まぁしゃーないのでGパンを履いたまま、さらにハラに布を巻いて、着た。

18日(月)------------------------------------------------------------------------------------

夜半から強い雨と風。そんなに古いアパートでもないが、結構あちこちがミシミシ云って気持ち悪い。睡眠不足。さういや以前もこの時期の強風で、真夜中に非常ベルが誤作動を起こし、えれぇ事になった。

日中はDVD。「奇跡」といふ邦画を観る。これが「キセキ」とか表記されてゐたら最悪だが、これはちゃんと「奇跡」。その表題にふさはしく、ほっこりしたぢつに良い映画だった。さしたる事件も、もちろん「奇跡」も、結局は起こらぬまま展開する、それでゐて退屈せぬ見事なストーリィ。主役の少年少女達はまるで「素」のやうに自然で初々しく、脇を固めるベテラン俳優陣の演技はシブく、といふ。

オダギリジョーの駄目親父っぷりが素晴らしい。この人、絶対ダメ人間役の方が合ってるな。

夜はFMでラヂヲの収録に。内容はまだ非公開にて、御免。

19日(火)------------------------------------------------------------------------------------

けふは隣家のキ○ガイなババァが4:00ぐらいから、ナニか家の中をゴトゴトやりやがり、起こされる。コイツほんまにどーにかならんのかね?。非常識すぎる。大家さんや不動産屋からの再三の通告にも、まるで懲りた様子はない。二日続けて睡眠不足。

その寝不足の中、乱葛のライヴ。けふは仕事帰りに駆け付ける形となる。五日市でレッスンし、機材抱えて走り、会場のKobaに入った時には既にお客さんは満員。オープニングアクトのザキくんのギター演奏が始まる所だった。自分のセッティングは演りながら、といふ事にしてザキくんのギターに聴き入る。シムプルだが美しい牧歌的な旋律。久々に聴いたけど、やはり良いなぁ。

さて、ワシら。茜ちゃんオサムくん、にワシ。けふは絵描き&能楽師の丸町年和くんの参加により、さらに異様な世界(笑)。丸町くんの足運びとベースがシンクロした瞬間、客席から「おぉ」とどよめきが起こる。梶山シュウ、能のバックも演れまっせ(笑)。

けふのワシは極力「曲っぽく」演奏し、あわよくば作曲された組曲のやうに演ってみるつもりだったが、途中からやたらコミカルな世界に。それもまたオモロく、演奏中何度もマジで笑ってしもた。まぁね、真剣な顔して演る即興はもぅエェでせう。

な訳で、ラストも何故か場内大爆笑となってエンディング。なんかまとまったので終わりに導いてしまったが、ちょいと短かったかな?。いつもはなんとなく「終わり」を感じたら、そこがだいたい40分〜1時間、てなかんぢなんだけど。昨日の寝不足で体内時計がちょいと狂ってゐるのかもしれんな。

終演後、珍しく河岸を変えて打ち上げ。オサムくん、『そろそろガッつり台本書いた形で乱葛やってみたい』と云ふ。おぉ!そはオモロい。是非やろうぜ、と話す。

20日(水/祝)-----------------------------------------------------------------------------------

休日。明日が18回めの結婚記念日やので、けふをそのやうに過ごす事にす。

昼は市立現代美術館へ行き、夜はしゃぶしゃぶを喰ふ。昔の友人の中に、しゃぶだの焼肉だの喰ひに来たら、ホンマに見事に肉しか喰わぬヤツがゐた。「なんで肉喰ひに来て野菜喰わなアカンねん」といふのが彼の持論。まぁそれも一理ある。ワシはまぁ野菜が好きなのだが、けふは彼の持論に沿って肉をタラフク喰ふ。したら後でハラを壊した。

3月は過去大きな事件が多数おきてゐる。ので、3月になると世間がナニカと騒ぐ。そのたびに自分らが結婚から何年を迎え、その間なにがどのやうに変わって来たか、を思ふ。凄まじい勢いで変わったやうでもあり、なにひとつ変わってないやうでもあり・・・。

21日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

こないだしげ&てらにんの結婚式で音楽を演った時、やはり斯様なシチュエーションでセロ(に見立てたやうなモノ)でも弾ければ、所謂「仕事」にしやすいのかもしれんな、と。例えばピヤノとセロ、ならば、さも式場の雰囲気にも似つかわしいだらうが、これがやはりピアノと「電気ベース」となると・・・、まぁあまり必然性は感じぬよの。あの手の仕事って、多分に「見た目」だからねぇ。

ん"〜〜〜まぁ今から流暢にセロを操れるやうになるのは至難の技だが、せめてあのベニヤのセロを、なんとか「セロ的なもの」として活用せんとす、は前向きな考えのやうにも思ふ。ん"〜〜〜〜〜・・・まづはちゃんと使えるやうにメンテして、習いに行くべきかねぇ。

けふは本来夕刻からレコーディングに入る予定だったが、流れた。

22日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

居酒屋椎修、弥生の巻。

ライヴのテーマはずばり「春」とした。先月の「猫」やらに比ぶれば、エライ探しやすいお題で、あっと云ふ間に曲は揃った。春をお題にした楽曲、は古今東西いっぱいある、て事だな。ワシ的にオモロかったのは、シャドウズのインスト名曲「春がいっぱい」に歌詞をつけ、半分をサッチモの「ワンダフル・ワールド」にアレンジしたやつ。客席から「ほほー」と声が上がる。他には、ワシの「北国の春」としーなさんの「夜桜お七」による『演歌対決』なども・・・。

けふはお客さんもいっぱいで、各種カヴァーは勿論、しーシュの曲においても客席から合唱が上がる、といふぢつに感動的な・・。歌声喫茶のやうだ。「ぎやまん」のサビなどすごい事になり、カエターノ・ヴェローゾやクゥイーンになった気分。最高の気分。みなさんありがとう。

けふは料理の出も素晴らしく、いっぱい仕込んだ材料を使い果たし、ほぼ手ブラで帰れる、と云ふ快挙。

すっかりしーシュのマンスリーとして定着した感のあるこれ。純粋な「ライヴ」として見るには、音楽以外でやらなアカンことがあまりに多くアレだが(笑)、まぁ新しいライヴの形として、ウチららしい事を続けてゐるな、と思ふ。来月のテーマをお客さんから公募したところ、「酒」と決定。次回は4月18日です。

ところで、もう桜が咲き始めてゐる。

例年、ツアー中に全線が北上し、お江戸あたりで開花宣言を知り、帰って来る頃にはすっかり春、といふかんぢなのだが、今年はこの調子では「帰って来る頃には葉桜」の可能性もあるねぇ。いつもはツアー帰りのお疲れさん、を兼ねた花見なのだが、今年は先に花見しときゃよかった、てかんぢ。

23日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

ツアー前の休日。女房を連れて親父の見舞いに。昼に行くと寝てゐる事が多くなった。ひとり部屋にゐて侘びしからうが、まぁ元々ひとりでゐる事が好きな老人なので。

帰りDVD見る。パラノーマルアクティビティ、のなんとVol4(てゆーか「3」が出てたの知らんかったな)。低予算で成功したのに味をシメて次々出しやがるな。もぅ内容的には「あぁ来た来た」とか「次来るな」とかバレバレなかんぢで、初回「1」を観た時ほどのびっくら感は無いね。頸を『コキッ』てやる処もおんなじだし、カメラに向かってバーン!てのもお約束。ツッコミ処もますます増えてアレだが、なんつっても今回は、主演の女の子が超キュート。

しかしまぁVol 1で、『失笑が起こるホラー映画』とか云はれてゐた割には、続編が次々出る事よの。ナンダカンダ云って、皆さんかういふのがお好きなのでせうね。

24日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

ツアー前、最後のリハに勤しむしーシュ。

今回はしーシュとしてのライヴもさる事ながら、お江戸の音楽家たちとのコラボも多く、その辺も楽しみ。ワシが独りでお江戸に行きはじめた頃は、それこそが旅の主題であった。日替わりで色んな人とコラボ(セッションぢゃないよ)して、オモロかったな。まぁリハが大変だったけどね。滞在2週間でリハ5本に本番8本、みたいなかんぢだった。なんかだんだんさういふのに疲れが出るやうになって、一時はツアーもちょいと控えめになっちゃった事もあったな。

今回、じぶこんと一緒に行動する前半は、しーなさんがあまり鍵盤に頼れない、といふ環境。その中で如何に自分らをアッピールできるか、が問われる。まぁイザとなりゃ、しーなさんには完全に「立ち」で「唄」に専念してもらふ手もあるわぃ。そろそろさういふライヴも演るべきときなのだらう。

帰宅して荷造り。春は長めの旅なのでスーツケース。荷造りはもぅ慣れたもんだが、問題は花粉症対策、やな。あと、腰痛ベルトを持って行くべきかどーか・・・。アキレス腱用のサポーターもどーすべか・・・。歳を取ると旅の荷物にも厄介なモンが増えて来るわぃ。

な訳で、行って来ます。


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