6月


1週目

1日(土)--------------------------------------------------------------------

久しぶりに呉市は花Clubまで、ソロ演りに行く。

此所数回の呉はづっとしーシュで行ってゐるが、今月は我ら見事に「バラ売り」の月なので、その余波を駆ってソロのワンマンを企画した。ギターで演る手も無いではないが、やはり花clubでソロ、と云へばベース弾き語りだらう、てコトで。ベースの弾き語りソロは、3月の「かじやまつり」以来。

生憎の雨の中、まぁ他所の土地のソロのワンマンで、これだけ来てもらへれば・・・といふかんぢの集客。男子率高し。開演時間がワシの告知と店の告知で違ってゐたらしく、しかしお客さんは皆ワシの方の告知を見て来てくれたやうで、店の告知より30分早めに開演。久しぶりのソロ、椅子に座ってゆったりとのんびりと、MCもあまり挿まずにじゃんじゃん演った。

1stで既に1時間。休憩も10分そこそこで切り上げ、すぐに2ndスタート。最後の3曲くらいの時、流れのお客が二人来て、これへのサービスとして、エキストラステージをもぅ1回。4時間、計3回ステージ、全24曲、唄い切りました。考へてみりゃベースだけでよぅやるな、と我ながら思ふけど・・・、どぅでしたかね?。雨の中集まってくれたお客さん、ありがとうざいました。

演目:ツアー/カプチーノ/君が亡くなって壱年が過ぎた/きんぎょ/夜の駱駝/微熱/かがり火/よぅそろ/ストロマトライト(以上1st)。スマイル/Dance/君はたれか/亀甲問答/慈夜/ジェラシー/夜明けの海ごっこ/らのえてぃあ/きみのうた/坂に続く道の途中で(以上2nd)。スターダスト/マイ・ファニー・ヴァレンタイン/振り向いたらトゥアタラ/丘にのぼる時/凛(以上3rd)。シメて24曲!。

喉は全然大丈夫で、まだあと10曲でもイケさうだったけど、最後の方はもぅハラが減って・・(笑)。

流石に演り尽した感の大きい、良いライヴだった。時折フと、あぁさうかぢつは俺はとても変わったスタイルで唄ってるんだな、とか気付いたりするんだけど、なんかまぁお客さんに面白がってもらへるモノは演れてゐるのかな?とは思ふ。ソロも演り続けてみやうかねぇ。

2日(日)--------------------------------------------------------------------

雨の日曜日。

最近、曲が出来てないので、ちょいと創作に没頭せんとす。2時間くらい悩んでみたが、出来たメロディが既存のモノと同じだったのでやめた。このところちょいと「思ひ」で唄を作ろうとしてるフシがあって、だから上手く行かんのかもしれぬな。もっと架空の国の詩人、として唄を作るべき、だな。

イスラエルに、Asaf rabiといふ(なんて読むんだらう?)とても面白いベーシストを見つけた。イスラエルでベースと云へばアヴィシャイ・コーエンだが、このAsafさんは完全に電気ベース。奏法もかなり変わってるな。音的にはウードの音階弾いてるし・・。他の動画ではドラムと二人でロックしてたりもす。ちょいとフォローしてみるかねぇこのヒト。

3日(月)--------------------------------------------------------------------

えらい朝早く目が覚め、そのまま散歩に出たりす。老人のやうだ。ツイデに朝パンを買ひにコンビニに寄る。出勤中の友人にバッタリ会ったりした。みんなこの時間からもぅ働きに出てゐくんだねぇ。いってらっさい。頑張れよ〜。

ワシも!とばかりに、朝飯作り&洗濯。午前中はベースのトレーニングに充て、基礎練とスケール。昨日のAsaf rabiに影響受けてマカーム(アラブのスケール)なども練習。

午後からはスタヂヲ借りて「吟」の練習。ガットギターで2時間唄い込む。プラクティス、の壱日。

4日(火)--------------------------------------------------------------------

懐かしい人とコンタクトが取れる。その人の名は奥田治義。フレットレスやコントラバスを駆使して、唯我独尊のソロ・ベーシストとして名を馳せてゐたが、ここ数十年お目にかかる事がなく、どーしておられるのか知る由もなかった。ふぇーすぶっくなどでワシの名を見かけ、思ひ出して頂いたやうである。

150年ぐらい前に、この奥田さんとワシ、それに中野チカラさんの一派、といふ布陣で「ベース祭り」のやうなライヴをやった事があり、懐かしく思ひ出す。出演者6名中5名がベーシスト(笑)。その中には「着物団」の順三さんもゐたな。各人最新の機材を持ち寄り、なんか『ベース品評会』『技術比べ』のやうな様相を呈してゐた会場で、敢えてヤザワベース壱本による弾き語りをした憶えがある。

近々またなにか一緒に演りませう、といふ事で、企画が動き始めた。こないだの呉のソロであのやうに思った次第だし、斯様にソロでのライヴが決まって行くのも、ある種の「流れ」なのだらう。しばらく漂ってみるか。

5日(水)--------------------------------------------------------------------

しーシュのリハ。

今月、「しーシュ」としての活動は月末の居酒屋と安芸高田への遠征のみ。仕事でのタッグもほとんど無く、見事な「バラ売り」月間である。かういふ時にこそ、新曲にかかれたら良いのだが、それも出来ず。まぁこればかりは仕方ないやね。ライヴで演り慣れてゐるのは勿論、急な展開にも対応できるやう、色々練習しておく。けふも2時間休憩なし、音出しっ放しのリハ。

こないだ行きがかり上、あるバンドの練習に立ち合ったのだが、彼らがまーぁいつまで経っても始めないのには驚いた。各人準備が済んでもだらだら個人練習してたり喋ったり・・・まぁさういふ演り方の人達なんだらうけど、時間ムダにし過ぎぢゃねぇか?とか思ってしもた。ウチらにそんな「余白」はない。2時間演り続けの練習は確かにヘトヘトにはなるけど、それが練習といふものだ。われら生き急ぐ中年デュオ。

そのまま広島FMに入り、Garage songsの収録。ちょこちょこ「評判が良いらしひ」といふ噂を聞くこの番組。こないだ改めて広島FMのホームページを見てみたが、「DJ紹介」のコーナーに、ちゃんとワシが載ってゐる。DJ、ねぇ・・・。DJ・SHU。

6日(木)--------------------------------------------------------------------

F楽器店、秋の大発表会に向けての企画会議。またこの季節がやって来る。約半年かけて進行する壮大なノーギャラ仕事。

昔は、ギャラが無い分は楽しもう、と、他の楽器奏者として生徒に混じって出演したり、コーラスしたりとかしてたのだが、壱部インストラクターにさういふ事をあまり好ましく思はぬヒトもゐて、ある頃からちょいとビミョ〜なかんぢになってしまった。さうやってどんどん仕事がオモロなくなって行くンだよなぁ・・。

夜はザキ&シュウのリハ。これも後壱回のリハで本番-----デヴーだ。ザキ君と「カリフォルニア・ギタートリオ」の話になり、ワシが生で見た、といふと死にさうなくらい羨ましがるザキ(笑)。さういやあのトリオは、技巧よりアンサンブルを聴かせるユニットだったな、と思った。まぁ滅茶苦茶上手いんだけどね。

7日(金)--------------------------------------------------------------------

専門学校3コマ後、「The 着物団」のライヴを見にJUKEへ行く。和装で行けば割引きされる・・・といふより、多分今回も飛び入りさせられるンだらうな、と思ひつつ今年初の浴衣で馳せ参じる。しーなさんと会場前で待ち合わせ、軽く和装ディトだな・・・。

着物団、毎回レパートリィを総入換えしてゐるさうだ。昭和歌謡、といふ限った世界の中とは云へ、なかなか大したチャレンヂ。今回はアニソンなども交えてゐたが、やはりほぼ全曲歌えるのばかりだった。恒例の飛び入りコーナーではいつものやうに客席から呼び出され、順三さんのベースを借りて弾く。思へばこれも最初はホンマにサプライズだったが、今はなんとなくワシ本人も期待してゐる、といふ(笑)。「今回はなにを弾かせてもらへるンかな?」みたいな・・・。

けふはその後さらに仕掛けがあり、しーなさんも呼び出され、着物団をバックにしーシュが「浪花恋しぐれ」をデュエットす、といふ、イキナリといふにはあまりに掟破りな演出(笑)。まぁそこはソレ、「演り過ぎ」てくらい演りましたよ。「よろず屋しーシュ」の名に恥じぬ働きはさせて頂いた。

来年アタマにはまた、この着物団としーシュによるJUKEの年初めのライヴとなる。こちらもえせニック「歌謡」デュオとしては、負けておれぬ。しっかり頑張りますかね。

明日からワシは、名古屋のWet Backのベーシストとして小ツアー。しーなさんは毎年恒例のタイへの遠征。次に「しーなとシュウ」として会ふのは6/28の居酒屋椎修、といふ事にある。デュオなのだ、といふ基軸を持ちつつ、本来はソリストによるタッグ、といふスタンスも、しっかりキープしておく。それこそがしーシュといふチームなのだ。


2週目

8日(土)--------------------------------------------------------------------

名古屋へ。老舗バンドWet Backのレコ発@松阪〜飛騨古川ツアー、に参戦する為。しーなさんは国外行脚中にて、ワシのみベーシストとして参加となった。

新幹線で昼過ぎの名古屋に着。りとるびれっじの開店前のステージを使ってリハ。けふの処はリハのみなので、夕方前にはミッション終了。さーこの後はどーしやうか、て処。とりあへず飯を喰ひ、カプセルホテルを予約し、ちょいとのんびりしたらりとるびれっじへ。けふは大阪のヤスムロコウイチさんのライヴが入ってるやうで、お客として観戦。楽しいライヴだった。

その後しばらく他のお客さん達と呑み、早めに退席。夜の名古屋をフラフラ散歩してから、宿に引き上げる。考へてみたら久しぶりに「ひとり名古屋」なのであった。この孤独感、良いねぇ〜、たまらんねぇ〜。『ぼくはここにゐて、空を流れる雲のやうに、孤独で、自由なのだ(by 村上春樹『海辺のカフカ』より)』。

9日(日)--------------------------------------------------------------------

Wet Back松阪MAXA遠征。朝イチでMAXAのツヨっさん(中山剛)から連絡があり、本日ソールドアウト、ださうな。ほぇ〜!あそこって何人入るンだらう?。

遠征車にはWetBackのメンバー。谷口幸至朗(Vo,Gu)鈴木拓洋(Gu)本多Taco-bow正典(Dr)にワシ。これまた久しぶりの「男だけ」の旅。たぁ云っても皆さんオトナの男(47歳のワシが最年少)なので・・・。約3時間で松阪はMAXAに到着。対バンのヱビスのお三方(中山剛(Vo)河内博(Gu)佐々木光(Gu)敬称略)と御挨拶。皆さん、年始以来、かな?。

サウンドチェックしてリハやって・・・。ステージも楽屋も男だけ、の世界。思へば、ホンマに此所数年、づーっとしーなさんを連れ歩いてゐたのだな、と。夫婦に間違われるのも無理はなからう。『確かにムサいけど、タマにゃかういふのもエェなぁ』と河内さん。まぁ皆さんオトナの男(ここでもワシが最年少)なので。

さてライヴ始まる。「ソールドアウト」の言葉に誇張なく、ホンマに満員のMAXA。弐階席までぎちぎち。先鋒のヱビスは飛ばしまくりで会場大盛り上がり。中部地方に名を馳せる老舗バンドで、ツヨっさんと深い繋がりがあり・・・とは云へ、名古屋から来た我らはまぁ所謂「よそもの」。こんな盛り上がりの後に出てブーイングでも喰らったらどーしやうか、とか云ひながら、割とおっかなびっくりステージへ。

しかし始まってしまへば、そこはソレ。Taco-bowさんと鉄壁のリズム隊を形成し、幸至朗さんと拓洋さんには自由に泳いでもらふ。出発前にフリーボやリック・ダンコのベースを聴き、インスピを得てゐたワシは、今回ホンマにどっしりと弾く事を心掛けてみた。音数も極力減らし、壱音をずっしり鳴らす、て事に腐心してみた。したらまぁ終演後にリズム隊への評価が高いこと!。メンバー紹介時のワシへの拍手のなんと大きかったことか!。さういふ事なんだよなぁ・・・。

終わってみれば、まーぁたいそう盛り上がった、素晴らしいライヴだった。

ア、けふのステージ上では、幸至朗さんからワシに関して、ついに壱度も『広島から来た』とか『しーなとシュウの』とか云ふ言葉が出なんだ(笑)。あぁワシはもぅWet Backのメンバーなのだな、と。長くWetBackを応援してゐる、といふ女性からも『新しいベーシストはGood!』との御墨付きを頂いた。嬉しいねぇ。

だが、帰りの車では食べ過ぎ飲み過ぎに車酔いがプラスされ、道端にボミット。

10日(月)--------------------------------------------------------------------

Wet Back小ツアー2日目にして最終日。けふは幸至朗さんに縁りの深い、飛騨古川への遠征。

昨日の大盛り上がりライヴは、メンバーそれぞれに肉体的ダメージを与えたやうで(笑)、皆さんなかなか疲れてゐる。幸至朗さん『こんなんじゃイカンなぁ、俺もミック(ジャガー)みたいに走ろかなぁ』。最年少のワシも、やや筋肉痛ぽい。こんなんぢゃイカンなぁ。

前回飛騨古川に来たのは冬だった。日本有数の豪雪地帯は、やはりその噂に違わぬ所であったが、初夏の古川はなんとも爽やか。空梅雨で気温も湿度も低く、たいへん過ごし易い。まづはけふの主催、ライヴハウス「リトルビレッジJr」の店主であり、幸至朗さんの親友、カツカツさんこと川端克彦さん宅におぢゃま。気持ちの良い中庭テラスで、早速ビール。

けふのライヴはカツカツさんのバンド「Jug-G」との対バンである。音響その他もJug-Gのメンバーが中心になって進めてくれる。ありがとう。「楽しみにしてました」と云ってくれる古川の人達、そして幸至朗さんとカツカツさんの友情の為にも、良いライヴをやらねばね。

けふはTaco-bowさんジェンベ壱個のみで対応。これが恐ろしいことにドラムでの演奏と、音量、グルーヴ、フィーリングがそれほど違わない、と云ふ・・。ドラムスとパーカスを器用に操るヒトは少なく無いが、双方の演奏でノリが全く変わらない、といふヒトはあまりない。てゆーか見たことが無い。しかもジェンベだけで!。な訳でワシも、リズム隊の相方がドラムからパーカスに変わって、ナニカを変える必要がないのだ。改めてTaco-bowさんの凄さに畏怖す。

昨日に引き続き「深いグルーヴ」を心掛けて弾く。

この二日、『しーなとシュウのシュウ』ではなく、純粋なベーシスト、としてこの老舗ロックバンドに加わった。華のあるしーなさんを欠いた『男臭い』WetBackの中で、その役割を充分に果たせたやうな気がする。名古屋でも松阪でも古川でも、どーやらワシは「WetBackの新ベーシスト」として認めてもらへたやうだ。幸至朗さん『もぅオマエこっちに(引っ越して)来い』と。嬉しいねぇ。

打ち上げも楽しく。店の壁にサインを書き(エントランスの壁が出演したミュージシャンのサインで埋められてゐる)、そしてやはり次はここにしーなさんのサインも加えさせてやらねば、と強く思った。

11日(火)--------------------------------------------------------------------

古川を去る。

昼飯を喰ひに立ち寄ったお店でも、『昨日は楽しかった』などと云はれる。みんな見に来てくれてゐた様子。本当に良い町だなぁ飛騨古川。うん。また来よう。

taco-bowさんの車で名古屋へ。ワシは名古屋駅で降ろしてもらひ、ひとり広島へ。在来線で帰ることも考へたが、まぁ今回は無理に疲れんでも、と新幹線に乗る。

幸至朗さんに「こっちへ引っ越せ」と、まぁ冗談まじりに云はれた事を思ふ。確かに名古屋は大好きな街だし、すでに「広島に居ないヒト」と思はれてゐるフシもある(笑)。それでも、とりあへずワシは広島に「帰る」。旅で交わる仲間達が、広島に行きたい、と思った時には、迎えるヒトにならねばならない。そして我が身は軽く、名古屋だらうが松阪だらうが、いつでも駆け付けやう。

今は、さういふボヘミアンで良い、と思ふ事にしやう。

12日(水)--------------------------------------------------------------------

半日、休む。体力の低下を実感したので、朝はしっかり運動。

夜はレッスン。やはりワシは学校のやうな「多対壱」レッスンより、マンツーマンの方が性に合うなぁ。稼ぎの効率としては悪いんだけど、将来的には、こっちの方に完全シフトしてゆくべきかもしれんなぁ。

夜、しーなさんから「帰国報告」。御無事でなにより。

13日(木)--------------------------------------------------------------------

しーシュ:マキシシングル「小鉢」、マスタリング。

しーなさんは国外行脚のツケで仕事せねばならず、夕方まではワシのみで。エンジニアのカズイは、もぅ気心知れた仲なので、基本的には彼にお任せ。そこにちょちょっとワシのアイディアなぞを盛り込む、といふ形でサクサク進める。曲のポップさに合わせて、音作りもそのやうに。

夕方しーなさんが合流。最終確認してもらひ、マスタリング完了。しーシュの、かつてないほどにポップなアルバムが出来上がるだらう。「小鉢:其の壱」、みなさんよろしくお願いしますね。

ワシはその後、孤独な営業「吟」@オリエンタルホテル。けふは沢山の友人知人ファンの方が見に来てくれたが、「ちょいとキミら場を考えろ」的な大騒ぎをする一団もゐて、これらがうるさいこと甚だしい。自分の弾いてるギターが聴こえぬ程。折角みんな聴きに来てくれてるのになぁ、と思ひ、いつもはキィを下げて大人しく唄う曲も、けふは元キィで、声をしっかり張り上げて唄った。その一団が帰った後、残ったお客さんにお礼を込めて10分延長して「残業」。みなさんありがとうざいました。

ホテルのラウンヂカフェなので、基本的にはどんなお客様もウェルカムなのは確か。ワシもそれくらいは分かる。だが、毎晩生演奏を入れてゐる、といふのが売りのかういふ場に来て、生演奏を全く聴こうともせずに、あれだけの大騒ぎをする神経が、やはり分からぬ。

14日(金)--------------------------------------------------------------------

専門学校3コマ。生徒の半分が休み。シワい仕事だ。

夜、親父の逝去やツアーにまつわるワシのバタバタ期間に、レッスン代行をしてくれたパイグ(木元沢也)に、いろいろ報告を兼ねたお礼として飲みに行く。ライヴの打ち上げや忘年会などで一緒に呑んだ事はあるが、師弟ふたりの呑みは多分初めて。音楽の事や仕事の事や文学の事など、色々話しながら弐軒ハシゴし、結局1:30まで。

日頃は過剰に無口なヤツだが、けふは良く喋った。ヤツもそろそろ30の壁を迎える。やはりワシがその頃に感じてゐたやうな事を感じてゐる、といふ事を聞き、さうだらう、と思ふ。嬉しかったのは、彼がプレイよりもクリエイトの方に喜びを見い出してゐる、といふ事。そのまま行くがよい。

帰り道、街灯のない川沿いの道をチャリで行く。この道を、ツイ3ヶ月前には寒さに震えながら通ったのだ。しずかに季節は移ってゆく。ヒトも移り行くのだ。


3週目

15日(土)--------------------------------------------------------------------

休憩。DVD「アウトレイジ・ビヨンド」観賞。前編に引き続き全編「罵詈雑言の嵐」吹き荒れる快作。関西の勢力が入って来た事で、それがまたさらに・・・。中でも、西田敏行の静かな悪漢ぶりが素晴らしい。これで勉強すれば、生徒を恫喝する時に役に立つかな?とか思ふ(笑)。

が、映画の出来、といふ意味では、ホンマに『全員悪役』に徹底してゐた前作の方に軍配が挙がる。ちょいと今回、主役(ビートたけし)がオトナ過ぎて、「良いヒト」にさえ見えて来るのが・・・。

夜はザキ&シュウのリハだったが、ザキ君がどーしても外せぬ急用でキャンセル。

16日(日)--------------------------------------------------------------------

ドイツのヘフナー、といふ楽器メーカー。ポール・マッカートニィのヴァイオリンベースで有名・・・てゆーか、あれでしかお目にかかれぬ楽器として有名な・・・。まァ、正直、ポールが使ってなかったら、とっくの昔に潰れてゐたんぢゃないか?、といふ・・・・。あのベースの、あのかんぢには、昔から並々ならぬ関心を持っており、これまでに何度も買おうとする寸前までイった事がある。

確かに、妙に惹き付けられる楽器ではあるのだが、「実用性」といふ意味で、果たしてアレは「使える」のか?と。

てゆーのも、アレはまさに「あの」為のベースであり、これまでビートルズのコピーバンド以外で、アレを有効に使ってゐる例をほとんど見た事が無い、といふのが・・・。あれだけ膨大な数のある動画のサイトを探っても・・・である。アレを、例えばヴァネッサの代わりに、しーシュで、あるいはソロで使ったり出来るモンであらうか?。

したらこんなヒトがゐた。このヒト、以前にも日誌で紹介した事があるドイツのRalf gauckていふベース弾き。あん時はなんか化物みたいにデカいアコベを持ってたが、最近はヘフナーの特注モデルでこんなコトを演ってる。ビートルズを演ってる、て事に違いは無いが、その内容はなんとなくワシと同じものを見てゐる、やうな気がす。

またちょっとヘフナー、欲しくなっちまった。

17日(月)--------------------------------------------------------------------

インドのスライドギター奏者、デバシシュ・バタチャルヤの新作を入手。電化したギターで、西側のミュージシャンとコラボしてゐる作品。このテの中では珍しく、完璧に「融合に成功」してゐるアルバムだ。ついに、インド音楽側からのアプローチで、ここまで演れるヒトが現れて来た。

ブルーズギターのボトルネックとインディア・スライドの掛け合いや、フラメンコギターとのラーガのバトルなど、かなりの完成度。して、ここで電気ベースを弾いてるマイナク・ナグ・チョウドリィがまたスゴい。これもまたインドから、かういふラーガ感覚とグルーヴ感を合わせ持ったベース弾きが現れるやうになった。こーなると西側や、ましてや日本のミュージシャンなぞ、なかなか太刀打ち出来ぬやうになるよ〜。

ワシも来たるべきナニカに備え、じょんがらベースに磨きをかけるか(笑)。

18日(火)--------------------------------------------------------------------

専門学校→レッスン→FM収録。シワい壱日。

19日(水)--------------------------------------------------------------------

オリエンタルホテルから、NYカフェ出演者紹介の為のプロフィルが欲しい、と云はれる。サイトにあるとかを適当に使ってくれ、と云ふと「それでは短い」のださうな。他の出演者のプロフィル文と比べると見劣りするので長いやつを、と云はれ、途方に暮れる。どー考へても「楽器を弾きながら唄うヒト」といふ説明で充分で、それ以上語るべきモノの無い自分を思ふ。

で、他のヒトのプロフィルを参考にしてみるが、誰某に師事した、とか何処其処の賞を受けた、とか誰がしと共演した、とか・・・。なるほどさういふ風に書けば良いのか、とも思ふが、師事受賞ともに思ひ当たるフシもなく、また途方に暮れる。共演者の名前だって、全員出せなきゃ失礼にあたるし、全員書けばそれだけで星の数だし・・・。困った。

でもまぁ、つくづくこの梶山シュウといふモノが、ベース(あるいはギター)を弾きながら唄う、といふだけの存在、である事を実感す。もしも明日人生が終わるとして、ナニかを成し遂げたか?と問はれれば、なにも・・・。さういふ中年に過ぎぬのだな、と。

20日(木)--------------------------------------------------------------------

なんか気分がアガらぬ日々が続く。仕事(レッスン)に対してのストレスも必要以上に感じる。ごく近日中に撮られた写真がふぇーすぶっくにアップされてゐたが、笑った顔が歪んでゐる。さういやぁしばらく声出して笑ってないやうな気もす。5月病、ならぬ「6月病」ていふのださうだ。ふぅん・・・。

呉のヤマナカーニャ氏より、『丘にのぼる時』の歌詞が知りたい、とメールあり。既にワシの曲のほとんど演れるんぢゃないの?と思ふが、今度はこれをカヴァーしてくれるらしひ。で、久しぶりに歌詞を書き出してみて、自分で「ホー」と思ふ。

これ、最初に作ったのはオルカ団の黎明期。今でこそシムプルな唄として知られてゐるが、当初はたいへん難解な曲だった。現在唄ってる形は1番の進行のみを抜き出したもの。本来のアレンジでは、2番以降徐々にテンションが加わって行き、最後の4番になると、ぢつに不安を煽るやうな不協和音の進行になる、といふ仕組みだった。歌詞も、かうやって書き出してみると、ナンとも抽象的な終末論で、当時の創作意欲たるや凄まじかった事を思ひ出す。

思へば遠くへ来たもんだ、である。

21日(金)--------------------------------------------------------------------

専門学校→ライヴ。

けふはとあるコネクションからのライヴを、しーシュでバックサポートする日。主役は素人さんながら、音楽と唄を愛する気持ちが滲み出る、微笑ましく感動的なライヴだった。本来、音楽を演る、てのぁかういふ事なんだぁな。

演出上、舞台が暗く、譜面を読むのにたいへん苦労す。老眼に加えて、普通の視力も落ちて来てゐる処へさらに、暗いと見えない、と云ふ三重苦が重なり、こらぁこの先かういふ仕事の時は、ちゃんと考えてないとイカンなぁ、と。


4週目

22日(土)--------------------------------------------------------------------

ギターデュオ「ザキ&シュウ」デヴー戦。ワシが演るユニットにしてはなかなか珍しく、けっこうリハを重ねた結果が、果たしてちゃんと出るでせうか〜?。

対バンの「天晴さん(カワちゃん&しーなさん)」も今回新曲も増設し、といふ話しを聞いてゐた。リハを見ると、なるほど。何より、なんやかんや云ふて二人とも色々「上手に」なってゐて、これはなかなか侮れぬユニットになってきたねぇ。ワシらのリハもまぁえぇかんぢで。楽しいイベントになりさうです。

本番時には会場のフライングキッズが満員。ギタリスト、としてのデヴー戦がこのやうな満場、とはチカラが入る。とは云ふが、ぢつのところ全然緊張もアガリもせず、改めて自分のキモの太さ、といふか図々しさに気付く。なんなんでせうね?これって。

先発の天晴れさんの天晴なステージ(オリジナルが特に良かった)に続き、いよいよザキ&シュウ。ザキくんのオリジナルを中心にカヴァーも入れて7曲。ザっと演ったが、なかなかの評価を得る事が出来てよかった。「また見たい」といふヒトも多く、とりあへずはデヴー戦は成功、といふことで。

だがまぁ、「ギタリスト」としての自分的評価は全然点数をやれるモノではなく、まだまだ修行を積まねば。けふのところは舞台度胸と経験値だけで乗り切った、てかんぢで、それは分かるヒトが見ればすぐにバレる嘘だ。そんな事ではイカン。ザキ&シュウ、まだまだ演ります。今後も御期待下さい。

最後は出演者全員で「All of Me」といふ、これもまた変わった・・・。

終わってみると、良い組み合わせの、良いライヴだった。やはりけふは天晴れさんのオリジナル新曲が印象に残る。ふたりの共作らしひのだが、ぢつに彼ららしい、ほんわかと優しい佳曲だった。「(その)作り手らしい唄を作る」てのは、ぢつはとても大切な事で、ここん処オリジナルを作れてないワシは、ますます頑張らねばならん、と思ふのであった。

カワちゃん、しーなさん、ザキくん、お疲れ様でした。満場のお客さん、ありがとう。

23日(日)--------------------------------------------------------------------

親父の四十九日法要に行く。

日曜日の昼前、静かな田舎の寺に、親族が集う。念仏を唱え、焼香して、法話を聞き、といふ流れの中に、ここの何処にも、もぅ親父は居ないのだな、と云ふ感覚を強く感ずる。ワシは死後の色々をそれほど信じてはおらぬのだが、百歩譲ってよく云はれるやうな「死後の世界」があるとしても、親父はもぅどこか別の世界を旅してゐるやうな気がする。それでこそ親父、だとも思ふ。

ウチの親族はみなカタギで、その中でワシだけが独り「浮いた」存在。だが今回、親父の死から葬儀に至るまでの仕切りを、割とソツなくこなし立ち回った姿は、親族にも意外な思ひを抱かせたやうで、女房共々なかなか株が上がったやうだ(笑)。『やる時ぁやるなぁ』と云はれたが、まぁ、もぅ50前ですしネ・・・。

24日(月)--------------------------------------------------------------------

しーなとシュウ、マキシ・シングル「小鉢:其之壱」を製作する日、に充てる。

ホンマはリハに充ててゐたのだが、この週末の居酒屋と遠征で発表しやう!といふ話になり、取り急ぎさういふ日にした。てゆーのも今回のアルバムは、録音以外の全てを「手作業で」やる、といふもので、出来上がったばかりのマスターをプレスしたり、ジャケやライナーと合わせて「製品」にする、てのも自分ら持ち、なのだ。要するに「工作」の日ね。

しーなさんが印刷し、ワシが切り、しーさんが折り、ワシが包み、みたいな流れ作業でシコシコと「内職」。一枚一枚手書きで絵を入れたり、もす。若い頃、かういふ仕事に憧れた事があり、まぁ苦ではないが、それでも音出してリハするほうが楽(笑)。結局、11時から18時までかけて58枚(2枚は失敗)の「小鉢」が完成。つかれた〜。4曲入り¥1000。予想はつかんが、まぁ売れるんではないだらうか?と。したらまたかういふ「作製日」を作らねばならん、といふ事で。それもまたわろし。

てな訳で、この金曜日の居酒屋椎修と安芸高田への遠征を、レコ発とします。

25日(火)--------------------------------------------------------------------

専門学校3コマ→レッスン2コマ→オリエンタルホテル。

レッスンまでの流れはいつもの火曜日。そのまましーなさんを拾い、会場入りしたらあらまぁお客さんがゼロ。これは珍しい。まぁ雨模様だし平日だし、て事で、それならまぁワシらもそれを踏まえ、新しいレパートリィの練習とか、オリジナルとかを好きに演ったりした。さういふ事をやっても喜んでくれるスタッフなので、助かる。

そのうち団体が入って来てゼロではなくなったが、これがまた音楽を聴かずに騒ぐタイプの方々で「ありゃりゃあ」てなかんぢ。

終わりがけ、ヘッドハンティング、といふか、他の「これ系」の場所からレギュラー出演のスカウトの人が来る。だがここNYカフェは、こちらが空いた日程を提示して、『ここなら出来ます』て処に入れてもらへるから良いのであって、例えば『毎週木曜日には必ず』みたいな場所だと、ウチのやうにツアーや企画の多い身には、ちょいとしんどいですね。

26日(水)--------------------------------------------------------------------

2006年5月のしーシュのライヴ音源が出て来た。結成壱年未満、て頃の。

ライヴがインストで始まったり、長いイムプロヴィゼーションなどがあったりして、今よりだいぶ技巧的&前衛的。惜しむらくは、その辺の「実験的側面」が効を奏してない、てゆーか、はっきり云ってオモロない、てのが・・・(笑)。その後大幅にポップ寄りになったのも必然なんだらうねぇ。

ワシは基本的に、演ってる事が今とあんまり変わってない。ただ、ベースソロなんかでは、指はよぅ動いてゐるな。今はこんな速弾きはできん。しーなさんは声の出し方が今と全然違ってゐて、この頃はまだだいぶオペラチックである。それはそれで悪くないけど・・。

この頃の日記を読むと、まだしーシュよりソロのライヴの方がウケてゐたやうだ。『本当に会場が盛り上がり、唄のひとつひとつがお客に沁み入るのが実感できる「あの」かんぢを、いつかしーシュでも味わいたい』などと書いておる。

それから7年経った訳だ。

27日(木)--------------------------------------------------------------------

ヴァイオリンベース、買っちった。

まぁ前々からなみなみならぬ関心を持ってゐる、みたいな事は云ってたが、ついに。が、本家ドイツのヘフナーは流石に手が出ず(高い)、日本製。1985年頃作られたグレコの、かなり出来の良いコピーのやうだ。見た目はほとんどホンモノと変わらぬ。専用弦しか使えぬ本家と違い、これは通常弦も張れるのがイイ。来た時はラウンドが張ってあったが、すぐフラットに張り替える。

音の方は、本家を弾いた事が無いのでナンとも云へぬが、思った以上に良い。ジャズィなものとかで意外に使えさう。とりあへず椎名&フライデーの時とかに使ってみやうか。

レギュラーサイズの楽器より、フレット1コぶん短い「ショート・スケール」。かうなると感覚的に全然違ってゐて、これはもぅフレットレスと同じやうに、かういふ楽器、といふ捉え方をした方が良いんだらうな。5thチューニング、とかにしても良いな。すでにフレットレスに改造したい衝動がムラムラと沸いてゐる(笑)。

28日(金)--------------------------------------------------------------------

専門学校3コマのあと、けふは居酒屋椎修。その為に早起きしてサバを仕込む。魚のにほひをさせて教鞭を取るベース講師。

けふの居酒屋は、オープン前からお客さんが見え始め、そのペェスが止まらず、結局椅子が足りなくなるほどの超満員。常連さんから一見さんまで多種多様。料理も酒もばんばん出て、まぁ最近は割と毎回さうだけど、本番直前までフライパンと格闘して、手を拭き拭きステージに上がる。前掛けを付けたままライヴ演るのも、もぅ慣れたな。

けふのライヴテーマは「水」。水にまつわる曲はウチのオリジナルにも多くあり、「ハイギョ」「ナガレモノ」「水母の夢」などを。カヴァーは「みずいろの雨」「Water is wide」「思い出がいっぱい(H2O)」「おいしぃ水(替え歌)」。これに本日発売、マキシシングル『小鉢』から「Dance」「サイドカーに犬を乗せて」「ことほぎの唄」。「梅雨の仙人掌」「歳をとった鰐」。

まぁシビアに見れば演奏などかなり荒いんだけど、よく盛り上がった。もっとちゃんと演らなイカンな、とも思ふが、やっぱり演奏だけに集中するライヴとはちょいと違うなー。これはこれでスキルの向上にはなるけど・・・(ならんか)。しかし、ワシらの事をほとんど知らず、けふ初めて見に来てくれた人など、どー思ったかね?けふのライヴって?(苦笑)。

本日発表のCDは、結局来場者ほぼ全ての人が買って帰ってくれた様子。嬉しい。満場のお客さん、どうもありがとうざいました!。明日明後日の安芸高田市プチツアーもこの調子でまいりませう!。

29日(土)安芸高田市吉田町:文化創造センターヤング・イン------------------------------------

しーシュ週末遠征シリーズ。この時期恒例となった、安芸高田市吉田町ヤング・インでのワンマン。新作「小鉢」の配膳ツアー第壱段である。

長門と並び「雨天率」の高かった吉田だが、今回はピーカンと云へぬまでも、まぁ晴時々曇。気持ち良く「にっち」を走らせる。コイツももぅすっかりツアー車になった。安芸高田までの道も慣れたもんだが、今回とくに早く着き過ぎてしまひ、初めて街の中心部で時間をツブす。鄙びた町、と思ってたが中心部はデカいデパートなどもあり、それなりに賑やか。

毎年、かうやって「ワンマン」といふ体制で呼んで頂く好意に、精一杯応えるべく頑張ってゐるつもり。演奏は良かったと思ふのだが、けふはなんか見事なくらいMCがスベったなぁ。なんでやろ?。でも、中程の席にちーさいお子さんを連れた家族がゐて、そのコ(まだ1歳くらい?)が曲に合わせてづーっと身体を揺らしてるのがステージから見えて、嬉しかったねぇ。

大人しめの反応でちょっと不安があったが、音楽がウケてない訳ではなかったやうで、CDもよく売れ、あとで個人的に聞いた感想などは絶賛の嵐、であった。ライヴ的には成功だったのに、きちんと自分でテンションを上げて行けなかった事は、けふの反省。打ち上げでも、スタッフに「MCがオモロなかった」とはっきり云はれてしもた(苦笑)。

他所者のワシらを、かうして招いてくれる安芸吉田町スタッフの方々に、深く感謝。いつものやうに打ち上げは真面目な音楽の話が中心。今回は特にしーなさんが大人気で、なんかおじさんに頼まれて、背中にデカデカとサインを書いてたな(笑)。次回は居酒屋椎修の出張営業で!といふ話も浮上し、前向きに検討するかねぇ。

30日(日)安芸高田市高宮町:ログハウスいなかもん---------------------------

いつもはヤングインのライヴ壱本やって翌日帰る、といふ流れだが、今回はしーなさんのコネクションなどから翌日の高宮でのライヴが決まった。いままでお客で来てくれてゐた方々が、次はライヴを企画してくれる、といふ・・・、かういふ事は云ふまでもないが、たいへん嬉しくありがたい。心してお受けし、よきライヴを目指す。

吉田町から高宮町までのルートを、どーやら選び間違えたらしく、なんやらものすごいワイルド・ロードを走るにっち。緑のトンネル、苔むした岩肌、雑草に覆われはじめた舗装路、土に還りかかってゐる廃屋、得体の知れぬ工場跡・・・。全編、絶対に車同士が離合出来ぬやうな細道だったが、幸いそのルートを走る小1時間のあいだ、1台の車にも、1人の歩行者にも会わなんだ。・・・まぁさういふ道なのだ。でも、すごく面白いルートだった。天気悪くて独りだったらちょいと怖かったらうが(夜は絶対に走りたくないね)、日射しはサンサンだし、鹿もゐたりして、たいへんオモロかった。

あとでその事を云ふと、『どの道で来たン?』と。お客さんのひとりは、35年ここらに暮らして一度くらいしか通った事がない、とか(笑)。

さてライヴ。昨日とカブるお客さんもゐるので、ヤングインとは大幅に変えたラインナップで挑む。けふは上手くチカラも抜け、テンションも維持でき、流れもスムースに行けた。良いライヴ。終演後はCDがバカ売れして大忙し。嬉しい悲鳴。みなさんありがとう。

打ち上げはそのまま会場を宴会用にセッティングして。この打ち上げのスタイルって、ぢつは一番好きかも。用意された心づくしの料理をいただく。カラオケなども準備されてゐて、遠慮がちなお客さんに率先して唄うしーシュ。闇夜に浮かぶログハウスは一大カラオケ大会!。昨日に引き続き、男性にも女性にもしーなさんが大人気。

ぢつに楽しいイベントだった。ここもまた来たいなぁ。高宮のみなさん、ありがとう。


7月