2月


1週目

1日(土)--------------------------------------------------------------------

昨日のは質の良いワインだったやうで、痛飲した割にはゲロゲロ、と云ふ程ではないのだが、相当ダメージが残ってゐる。ぬ"〜〜〜飲み過ぎたか・・。

それでもけふはライヴ。お江戸より「妹分」高満洋子&上原ユカリ裕デュオ、を迎えてお送りする「艶会:しーなとよーこのお手合わせ」。しーなさん名義のライヴだが、主催はいちをうしーシュ。ワシはButler(執事)といふ立場で書かれてはゐたが、普通にしーシュとして唄う。ユカリさんに参加してもらったトリオ・だ・しーシュや、洋子ちゃんの曲にワシらが入った職人しーシュなど、盛り沢山で楽しいライヴだった。

洋子ちゃんが珍しくえらいこと緊張してはって(笑)、そのぶん「唄」に対するチカラ具合が増してゐた。ユカリさんとのコンビネーションもバッチリ。このデュオに、あの山内薫さん(ba)を加えたトリオの構想がある、んださうで、そらぁもぅスゴいトリオだらう。

お客さんが、どっちかてーと「椎名筋」だったので、会場には和装の女性がチラホラ。良いですね。男子の和装がもっと一般化すれば良いと思ふが。かく云ふワシは、ここん処また痩せて帯が締めにくい状態。着姿が、なんか「やっこ凧」のやうなかんぢで・・・。似合ってンのかね?これ。まぁ男の和装はハラが出てる方が似合うのぁ分かってるのだが、ハラは出たくない。

打ち上げでは、ユカリさんの30年ぶりに会うお友達、なども参加され、しかもその方はワシを知っておられ、さらに良く聞けば25年くらい前に一度お会いしてゐる事が発覚。『いつもお噂は聞いておりましたが、まさかあの時の・・・』と云はれ、感無量。

こないだ呉のヤマナカーニャ夫妻や、その仲間近辺との奇縁が発覚したときもこんな感慨だった。浮き沈みはあれど、一度も休まずに音楽と走り続けたこの20数年を思ひ、なんとなく悪くない処までは来れてゐるのかな、と・・・。路はやはり続いてゐるのだねぇ。

洋子ちゃん、ユカリさん、お疲れ様でした。今後も良い旅を。

2日(日)--------------------------------------------------------------------

最近、ピリとした譜面仕事の現場から遠ざかってゐて、そのかんぢからステージ上でのミスが増えてゐる気がす。

ので、色んな古い譜面を引っ張りだし、それを初見で弾く練習。「聴いた曲をサっと弾ける」チカラと、「譜面をしっかり追って弾ける」チカラ。そしてその上で「歌える(唄、に限らず)」チカラ。この3ツが磨かれてなければ、『音楽家』とは云へない。武者修行ライヴとか、また演りたいけどねぇ。

夜は女房が外出にて、家で独り晩酌。「鬼平(DVD)」見ながらかつをのタタキでワイン呑ってたら、Garage songsの放送、聞き逃しちったぃ。

3日(月)----------------------------------------------------------------

ハッキリせぬ天気、と思ってちょいと外に出てみて吃驚。すごい霧だ。50m先の建物が見えぬ状況。映画「ミスト」を思ひ出す。

けふはスタヂヲ入りして「吟」のリハ。

これってどーなんだらうね?。職業ベーシストがギターの弾き語りで「仕事」を頂き、色々唄わせてもらってゐるが、ハタから観てこれはホンマに人様に喜んでもらへるやうな事が出来とるのか?と。まぁそれなりに努力は怠らず、かうして週何度かスタヂヲに入ってるし、毎月1〜2づつレパートリィの増設にも成功し、悪くない事は演れてゐるとは思ふが、「血の小便流して」までの努力か?と問はれれば決して・・・。

マイケル・ジャクソンの「This is it」とかから比ぶれば、誰も「努力」なんか出来てない、とも思ふし。

4日(火)--------------------------------------------------------------------

今年初のしーシュの新曲が完成。えせニック、といふよりやや欧州的な・・・。特にインドっぽいとかアラブっぽいとかケルトっぽい、とかではなく、なんとな〜く感ずる「異国情緒」のやうなものを目指したい。詳しく知らないヒトが、その人の思ふ「行った事のない国の風景」を感じてくれたら・・・。

これは永遠のテーマかもね。

5日(水)--------------------------------------------------------------------

朝からナニを騒いでンのかいな?と思ってたが、某氏の「ゴースト問題」。

この某氏の作品、ワシは(ワシ個人は、『展覧会の絵』と『ボレロ』以外の交響曲にまったく魅力を見出せない人間なので(苦笑))興味もないまま未聴なのだが、聴いた人の間では、わりとまっぷたつに評価が割れてゐた。仰々しくその内容を語る人も多かったが、ワシ的には、作品よりも作曲者の背景(聴覚障害者/被爆二世)に話題が集中してゐた、といふ感が否めぬのも、敬遠してた要因のひとつ。まぁ其処こそがこの人の価値だった、と云へばそれまで。

見聞きする限りでは、某氏を擁護できる要素は何処にも見出せないかんぢ。この人のアーティスト生命(そんなものが元からあったかどーか、は謎だが)は残念ながらもぅ完全に断たれてしまったね。ちょいと「ミリ・バニリ」を思ひ出してしまった(知ってる?)。

ただ有識者、とやらが『商業主義に音楽が取り込まれる事が問題』だとか、『商業的成功より、後世に残る感動を生み出す努力をせよ』などと吐いてゐるのには、後ろからカンチョーでもしてやりたい気分。ぢゃあお前が金出して売れん音楽家が後世に残る作品書くまで喰わせてやれ。

6日(木)--------------------------------------------------------------------

けふも仕事は入らず。なんかそんな気になって、色々な「独り遊び」をせんとす。

ホンマは日中、チャリで宮島辺りまで行って来やう、とか思ってたが、なんや壱日じゅう粉雪が降ってゐるので、流石にこれは断念。夕方あたりから独り街へ繰り出す。寒いのであんまり人も歩いてないが、まぁ気にしない。まづ中華料理屋でホルモン炒めとビール×2。

その後オリエンタルホテルに行き、NYカフェにて砂原智也くんのソロステージを見る。これは、此所のレギュラー出演者の中で、男のピンの唄うたい、てのがワシを含めて3人しか居らず、彼らがどんなかんぢで演ってるのかを、いちをう見ておきたい、と思ったので。砂原君、初めて見るが、ギタリストなのでギターが上手いのは当然として、唄も上手い。伸びのあるハイトーンがお見事、である。バァボンをちびちび頂きながら、2ステージ楽しませてもらひました。

その後、フライングキッズに寄り、店主マミコさんとぐだぐだ喋りながら呑んでゐたら、PAのタナベさん来訪。もぅ23時半くらいだったが、今よぅやく仕事を終えられたのださう。お疲れ様です。けふ壱日まるまる遊んでゐたワシには立つ瀬がないね。タナベさんから色々興味深い昔の話を聞き、楽しく呑んでゐると気が付けば0時回ってる。タクシーに乗ったが、あまり手持ちがない事に気付き、¥1000の処で降り、あとは歩いて帰った。

色んな人に会い、楽しく話したが、最終的には「孤独を楽しんだ」感覚の壱日。なんと心地良い。かういふ事をタマにはせんといかんね。

7日(金)--------------------------------------------------------------------

ゆんべ街をあてどなく彷徨ってゐる時、専門学校から連絡が入り『来年の契約書が提出されてない』と。見ると仕事机のワキに打ち捨てられてゐた。ので、慌てて記入、チャリで直々に提出に行く。昨日に引き続き、粉雪の降りしきるたいへん寒い日。

どーも此所数週間、弾き難くなった我が愛器ヴァネッサ。よぅよぅ見ると若干ネックが反ってゐる。此所数十年、調整要らずの楽器だったが、この冬の寒さと湿気のせいか・・・。これでは手を傷めてしまひさうなので、思ひ切ってセルフメンテ。ヴァネッサはネックとボディを乖離させんとネック調整出来ぬので、これまた数十年ぶりに全部の弦を外し(日頃は弦交換も壱本づつ行なひ、ネックに対する張力を極力変えぬやうにしてゐる)、ネックも外す。

ツイデなので、細かいポケットに入った埃なども除去し、まっすぐに直したネックをまた挿げ替える。うむ、弾きやすくなった。これから春先に向けて、また過酷な旅が待ってゐるのでね。

レッスン前、街に出て「花粉症予防用」の眼鏡を買う。一昔前は、いかにもゴーグル、のやうなシロモノであったが、今や普通の眼鏡と見まごうスタイリッシュな。店員のおねーさんに『お似合いですよ〜』と薦められ買っちった。これから春先にかけてワシは、「眼鏡中年」となる。


2週目

8日(土)--------------------------------------------------------------------

しーシュのリハ。今年は可能なかぎり週イチでリハを入れやう、と。まぁなかなか難しからぅが・・・。

明日からのレコーディング、そして水曜のライヴ、での演目をお浚いする他、こないだ完成した今年最初の新曲を。出来た時は「ん〜〜」てかんぢだったが、しーなさんと一緒に音にしてみると「おぉ」と思ふ。うむ、仲々良いかんぢに仕上がりさうだ。割といままでのしーシュにないタイプの曲。タイトルもワシにしては珍しく未定。

レコーディングに使ふので、楽器&機材壱式、スタヂヲに置いて歩いて帰る。日射しはあるしリハ後で身体は温まってるので・・・、と思ってたが、ホンの5分で「寒〜〜〜」となる(笑)。広島はゆんべ湿った雪が降ったが、今夜は各地で吹雪が猛威を奮った様子。関東方面の友たちは大丈夫だらうか?。

9日(日)--------------------------------------------------------------------

しーシュレコーディング。

これは、前回お江戸遠征でBlue moonの正樹さんと話した時、『やはりバンドが「活動」してゐる、と云ふ事は、単にライヴやツアーをこなすだけではなく、コンスタントに「作品」を発表する、といふ事ぢゃないか?』と云はれ、ワシらは強くそれに意気を感じたのだ。忙しいライヴや営業の合間を縫い、時間を無理に作ってでも「作品」を仕上げる、といふ事が大事なのだ、と。自分達のマイルストーンとしても、ね。

で、録音。「Dance」をフィーチャーした『小鉢』シリーズの弐作目、として4曲入りのマキシ・シングル。スタヂヲは例によって旧友カズイのセントルイズ・スタヂヲ。『けふ壱日でイキオイを失わぬうちに全曲録るつもりで行こう!』とカズイにハッパをかけられ、奮起して怒濤の作業。そして宣言通り、10時から20時半までの10時間で4曲録り終えた。

ワシはベースと唄は勿論、今回も各種パーカッションを操る。こないだ上原ユカリさんに『しーシュのアルバムって打楽器ダレが叩いてンの?』と云はれ、「ワシです」と答えると、たいへん上手い、とお誉め頂いた。気を良くしてダラブッカなぞ結構まじめに練習して臨んだ。あとパンディロも、練習した、て程ぢゃないが、ブラヂルのヴィデヲなど見て研究した。仲々の仕事が出来た、と思ってゐる。

しかしまー、流石にクタクタになりました。心地良い疲労。

10日(月)----------------------------------------------------------------

本来ならけふもレコーディングの予定だったが、昨日壱日で録り終えたので、オフとなった。

あぁいふ、録音などをやると良く分かるが、『かういふ風な音を出したい』と思ふベーシストとか居て、ワシにとってその1人が、ルー・リードの右腕として知られる、フェルナンド・ソンダース。フレットレスの独特なタッチで、摩訶不思議なフレーズを唄わせるベース弾きだ。色んなセッションにも参加してるし、なにより自身がメインのシンガーとしての活動も盛んなひとだが、残念ながらルーのバックで弾いてる時以外は、イマいちパッとせぬ。

んが、ルーのバックでぐにゃぐにゃうねるフレットレスは、そのブルースフィーリング溢るるセンスと云ひ、リズムに割り込むタイム感と云ひ、素晴らしい。

20代のはじめ頃、春駒のカシラが『これ聴いてみぃ、スゴいで』と云ふ事でレコード(!)を貸してくれ、見事にハマった。ワシらも当時同じやうな編成で演ってたので、おぉいに参考にもしたな。最近の写真を見ても、まだまだバリバリに活動してゐるやうだ。よく日本にも来てる様子。

若々しいカッコしてるけど、多分結構な爺さんなんだらうな。

11日(火/祝)--------------------------------------------------------------------

ものすごい寒い壱日だが、スタヂヲ入りしてひとりリハ。

帰り、明日のライヴのセッティング表を出しておく為、フライングキッズに寄る。すると、年始に素晴らしいライヴを見せてくれたロージンバックスの皆さんが、当日のライヴヴィデヲを見ながら新年会中、であった。祝日の夕方、メンバーで集まり、ヴィデヲを見ながら、鍋をつつき、酒を呑み、といふ姿は、なんかとても『イイなぁ』と思はせてくれる光景だった。

し、か、し、寒い!。

12日(水)--------------------------------------------------------------------

居酒屋椎修3年目突入企画。て事で拡大版ライヴ。

ゲストには奈良から来てもらったノレンニゥー・デ・オッシ。奈良で彼らの月例イベントに呼んでもらったやうに、ワシらも月例企画でお迎えす。けふはライヴは勿論、食事も無料、として「投げ銭」システムを導入。メシも、流石にアツものを出す余裕は無いが、いちをう昨日から仕込んだ、割と本格的な料理を各種盛り付け、テーブルにセットして、お客さんには自由にツマんでもらふ、といふライヴとした。

結果として「椎修」色が強く出過ぎてしまひ、ノレン〜の二人にはちょいと演り辛い場を提供してしまったかな・・・?と。それでも、彼ら独特の世界観と渾身のパフォーマンスは、お客さんに強い印象を与えた様子。「(しーシュと)世界観が似てるね」と云はれ、ワシらも嬉しい。

前回は出来なかったセッションも実現。彼らの前衛面爆発!のナンバー「狐狸の葬列」と、ウチの「みみづく時計」を4人で演奏。狐狸の〜は最早プログレバンドだった(笑)。彼らとは来月もぅ一度相まみえ、奈良→名古屋→松阪、と一緒に旅を廻る。その時にはそれぞれもぅ壱曲づつくらい増やしてセッションしたいなぁ、と。

内向的になりがちな世界観を如何に外に開いて行くか、と云ふ姿勢を持つノレン〜の二人の気概には、毎度感心させられるばかり。ワシらも頑張らねばね、としーなさんと誓う。まぁ彼らは自分らを「JーPop」と呼び(笑)、実際これがJ-Popとして認知されるやうになれば、日本の音楽もマトモになるんぢゃないか?とは思ふ。

ノレンの喜多くん、とる子ちゃん、ありがとう。また会いませう。

13日(木)--------------------------------------------------------------------

こないだ「ピヤノの弾き語りで仕事せぬか?」といふ相談があり、ヌ"〜〜〜〜〜、と。

たしかに数百年前は演ってたが・・・、あの頃も誉められた演奏ぢゃなかったと思ふ。あれからづいぶんピヤノは遠ざかってるしナー。ヴォーカルのレッスンが減って、ピヤノ弾く機会も減ったし・・・、まぁ演って演れん事はないと思ふが・・・・・・、ヌ"〜〜〜〜〜、みたいな・・・。

てな訳で、まぁでも今後さういふコトもあるか、と、ちょいとピヤノの弾き語りにちゃんと取り組んでみる。オリエンタルなどで3ステージ中、ひとつくらいはピヤノで演ってみるのも良い。まづはさうやって慣れて行けば、またちゃんと仕事も受けれるやうになるかも・・・です。

夜はFMの収録。ワシらもだいぶ慣れて来て、どぅいふトークを展開すれば編集しやすいか、とか考へるやうになった。結果的に、録りがサクサク進むやうになり。時間給にすればだいぶ高いワシら(笑)。トップクラスのスタヂヲ・ミュージシャン、とかそんならしいね。まぁトップクラスが壱曲幾らもらふのか知らんが、4分の曲を壱発で録り終えたら・・・、そらぁ時給にすればたいへんな高給取りだ。

ちなみにワシが駆け出し(24)の頃、ローカル曲のレコーディングが壱曲ツェー万だった。リハ含めて5〜6回、汗だくになって挑んだ。何処の馬の骨かも分からんベース弾きに、あれでも時間給にすれば結構なギャラを頂いた、と思ふ。当時の仕事をくれた事務所に感謝。

14日(金)--------------------------------------------------------------------

お馴染み「ボビーさん」こと脇田翁が「うどんのわきた」を復活させた、のに昼飯を喰ひに行く。ここん処食が細くなり、昼飯を抜く暮らしなのだが、けふは朝飯を控えてわきたに行く。こぢんまりした良い店。前の店舗の半分の大きさ、なのださう。そこそこ流行ってもゐる様子。元気に仕事しておられるが、この店に移転(松山から1人で(!)引っ越して来た)した時、腰を骨折してしまひ、前は背筋がビっと伸びたお爺さんだったのに、流石に今はちょいと腰が曲がって痛々しい。

無理せず、頑張ってくださいよ、ボビーさん。

夜はオリエンタルホテルにて、椎名&フライデー。けふはバレンタイン。ラヴ・バラード特集を依頼されたのだが、割と満員の客層がなんとまー騒がしくて(苦笑)、バラードでは太刀打ちできませんぜ!みたいなかんぢ。それでもお客さんの人数が多いだけに、騒がしいながらも聴いてる人は多く、拍手も大きい。ので、演奏に関しては、割とガンガン弾きまくった。『あなたが弾いてるベースには何故フレットがないのか?』と問われた御仁もゐて、なかなか楽しい。まぁまぁ良い営業だった。

ただ、ここ最近このNYカフェ、音響がたいへんよろしくない事が多く、PAがよくトラブる。しかも、それが改善される傾向が見られず、これはちょっと「音楽を聴かせる」仕事として、どぅなのか?と思ってしまふ。演り手と会場、イーブンな関係として。


3週目

15日(土)--------------------------------------------------------------------

またまた土曜日のオフ。寒い壱日にて、終日篭る。

夜、わかさぎのフライをツマミにしてワイン呑んでたら止まらなくなり、途中で追加を買いに行ってまで、の家呑み。女房と壱本づつ空け、さらに袋ワインの残ってたのまで全部呑む。ダメ家族である。

16日(日)--------------------------------------------------------------------

流石に残るワインのダメージ。

けふは今週末の「Blue live」でのコンサートへ向け、大規模なぱんぱかトリオのリハ。13時から18時まで、ステージ進行も見据えてみっちしリハる。ワシは普通のベースに、アコベ、ウクレレベース、と使い分ける。ライヴでベースを持ち換えるなんざ、300年ぶりくらいかもしれんね。所謂「楽器信奉」がなくなってからは、ほぼすべての現場をヴァネッサだけで演って来たからねぇ。

考へてみれば昔は、一回のライヴに6弦、フレットレス、ダブルネック、シンセやペダルベースまで持ち込み、「コの字」に牙城のやうなシステムで演ってたもんだ。あれはあれでオモロくて良かったけど、まぁ正直、いまヴァネッサ壱本で演れる事がそんなに変わらない・・てのが(笑)。

まぁ、楽器はどーでもえぇ。良き演奏でカワちゃんを支えてこそナンボ。頑張りませう。

17日(月)----------------------------------------------------------------

オリエンタルホテルにて孤独な営業「吟」。

今回、ゴダンのフルアコを使ってみる、部屋で弾いてるぶんにはだいぶマシになって来た。が、やはり本番となると難しい。それに、寒い自宅で弾いてると気付かぬのだが、温い会場で体温が上がると、指のハラも柔らかくなり、そこに鉄弦が食い込むので痛い、のだな。・・・何を素人のやうな事に今さら気付くかね。

今年最初のこのステージで、昭和歌謡ばっかりのラインナップを組んで演った。いちをう「ニューヨーク・カフェ」と名の付くラウンヂなので、それはちょいとどーか?、やはりジャズやら唄った方が良いのか?と思って、スタッフに感想を訊いてみたところ、『全然構わぬ』と云ってもらへた。ので、けふは安心して歌謡曲を唄った。

一度ここでも2〜3人のバックメンバーを従えて、マイクのみで伸び伸び唄ってみたい、といふ気持ちも、少しある(笑)。てゆーか、今年は営業ではない「吟」のライヴで、一昨年の「オールスターズ」ほどの大編成ではない形で、バックバンド+ワシといふ編成も演ってみやうと思っておりますよ。

18日(火)--------------------------------------------------------------------

なにを探してた時か忘れたが、Sauce bossといふミュージシャンを知る。

コックの扮装してギター弾いてる写真に惹かれて動画を見てみると、なんとこの人、ホンマにライヴ演りながら料理作ってる(笑)。ステージ上にテーブルと寸胴、レンヂに食材並べて、間奏の合間にごちゃごちゃとスープ煮込んだり・・・・。なんぢゃ?こりゃあ。アメリカ版居酒屋椎修、ではないか?!(笑)。

本名をBill Wharton、と云ふらしひ。日本語の情報が全くない処を見ると、完全なローカル音楽家だらうと思ふが、動画など見る限りでは仲々の人気者、のやうだ。演る音楽も、かなりプリミティヴなブルーズで、結構カッコいい。へ〜〜〜〜、オモロい人がゐるもんだねぇ。

19日(水)--------------------------------------------------------------------

けふはカワちゃんとしーシュの呉遠征。

RAZZのリュウくんの呼び掛けで決まったライヴ。この金曜日のブルーライヴへの前哨戦、て処だが、けふはこの3人でも「ぱんぱかトリオ」といふ訳ではなく、あくまでもカワちゃんとしーシュの対バン。でもまぁ、ぱんぱかも演るよね、てかんぢの。3人で車にギュー詰めになって呉まで移動も楽しい。

超久しぶりのRAZZである。個人的には一時期、月イチと云っても良いくらいのペースで来てたが・・・。カワちゃんも久しぶりなのださう。リュウくんともほぼ1年ぶりに再会。飯喰ったりしてのんびり開演準備。RAZZもワシが頻繁に来てた頃と客層が変わり、あの頃の常連や仲間はみな家庭を持って集まりにくくなってる、とリュウくん。まぁさういふ流れはかういふ仕事にはつきものよねぇ。時は流るるものだ。

さて、ライヴはカワちゃんのソロから。後半しーシュが加わってトリオ、休憩挿んでしーシュ、ラストはまた3人で、と云ふ流れ。前半のカワちゃんが割とエネルギッシュなノリノリ系で攻めたのを受け、しーシュは全編ユルく演る。演奏の妙よりも、男女の唄とハーモニィを聴かせる、てかんぢで・・・。

結果的に、それぞれの持ち味が上手く引き出された、良いライヴとなった。

お客さんもそこそこ満員。終演後もそれぞれファン相手に話し込む、といふ好ましい図式。呉市はホンマに良い音楽好きが沢山ゐるなぁ。語り合ってゐるうちに、気付けば1時過ぎ。そっから広島市内へ約1時間。2時ちょい過ぎに我が家へ。楽しいプチ遠征だった。この流れを金曜日に繋げやう。これはしっかりとカワちゃんを「飛ばせて」あげなきゃ、ね。

ところで、カワちゃんが運転してくれたのを良い事に、こたび初めて呉で「呑んだ」。今まではRAZZでも花clubでも、自分が運転して来る事がほとんどで、結果的に呉で酒を呑んだ事が一度もない、と云ふ事態。けふ、ライヴ前〜終演後まで、わりとだらだら呑んでるワシを初めて見たリュウくん、『シュウさんこんなに飲める人ぢゃったんぢゃ』と。それもまた楽しかった呉の夜。

20日(木)--------------------------------------------------------------------

春駒のカシラが紹介してくれた新しい身体矯正術(ていふのかな?)「熱鍼法(ねっしんほう)といふのを受けに行く。

特殊な器具を使った、まぁ何だろな?皮膚神経を刺激して自然な治癒力を高める、といふかんぢ?。これが本体は痛くも熱くもないハズなのに、「悪い部分」に接すると『ギャ!』といふくらい痛い&熱い。カシラが施術した感想によると、「ちょっと尖ったものでツンツンと突つかれる程度の刺激」といふ事だったが、それはカシラが健康体だったから、のやうで、腰だの頸だの手首だのだいぶガタが来てゐるワシには『ぐぎゃァ!』てくらい痛い処もあった。

線香の先を当てられたやうな熱さを「感じて」飛び上がるが、実際の器具の温度は余裕で指で持てる程度。しかもそれをとんとん、と突つく程度の接触。だから被験者がどんな熱さを感じても、実際に火傷する事はない訳だよ。なんとまァ不思議な治療だ。

約2時間かけて指→腰→腹→頸→耳、とやって頂いた。「うギャ!」とか「つぇあァ!」とか喚きっぱなしだったやうな気もするが、この程度痛がる人は普通に居られる、とか。けふ明日くらい様子を見て、どんなかんぢが報せてほしい、と云ふハナシ。これはオモロいモノを体験したな、と。

21日(金)--------------------------------------------------------------------

ぱんぱかトリオの大舞台、宇品はBlue liveでの此所数週間の総決算ライヴだ。

スタンディングなら500以上は入る、と云はれる大会場で、この3人でどーいふ事が出来るのか?を追求したライヴ、とも云へる。カワちゃんのアイディアをワシらが受け、あーでもないかうでもない、と色々考へ考へ、けふの本番に至った。リハで全曲演ってしまふ、といふチカラの入りようで、まぁカワちゃん40歳の誕生日を迎え、ここらで彼なりのナニかのマイルストーンを示したかったのだと思ふ。

そこに、バックサポートとして(けふのしーシュは完全にサポート)ハマり、ただただ良い仕事でカワちゃんを盛り上げたい、といふしーシュの意識が見事に実を結んだイベント、だったと思ふ。けふはこれと云って見せ場があった訳でもないしーシュに、終演後かなりの賛辞の言葉があった事実が、それを裏付けてゐた。

広い会場とステージを目一杯使ったカワちゃんのパフォーマンスも最高で、楽器弾きながら会場を練り歩く、なんて48年で初めて経験しましたよ(笑)。多くのお客さんが『楽しかった』と云ってくれたが、演ってる方もたいへん楽しいライヴだった。カワちゃんありがとう。

いや〜良いですよぱんぱかトリオ。次回はなんと、北海道は釧路で、この3人が合流(笑)。

けふはやはり、完全な生音で演った中盤の構成が秀逸だった。壱本のマイクに3人が向かい、あの広い会場であれだけの唄が聴かせられた、といふのは(流石にワシのアコベはそれ用にマイクを追加したが)、なにか新しい指針を見つけたやうな気もす。機会があればまた演ってみたいなぁ。てゆーか、あぁいふ展開になると、やはりウッドベースのひとつくらいは鳴らしたくなるねぇ。ん〜〜〜〜〜。


4週目

22日(土)--------------------------------------------------------------------

パズ・レンチャンティン、といふ女性ベース弾きがたいへん美しい。

バイオからすると既に40歳を迎えてゐるやうであるが、この美貌は素晴らしい。充分に自覚してゐるであらう美脚を惜し気もなく晒し、ボロボロのベースでぐねぐねとオルタナ系の音を奏でるが、はすっぱな感じはせず、あくまでもインテリジェンスな佇まいがよろしい。

メヂャーマイナー問わず、色んなバンドで弾いてゐる。ベースの腕もかなりのモノのやうだね。良く調べると正規教育を受けたマルチプレーヤーで、ソロ活動もしてるさう。カッコいいなぁ。しかし実際に会ったりすると背ェ高いンだらうねぇ(笑)。

23日(日)--------------------------------------------------------------------

三代目春駒&梶山シュウ「フレンチワインと潮騒ソング」(笑)@ブラッスリィ・ヴァンダンジュ、といふイベント。

ここヴァンダンジュの店長、ケンタは古い顔馴染み。もぅ10年以上の付き合いになるかな?。この店では、前に津軽三味線の河野一志ともイベントを組んだ事がある。今回はまったく別ルートから来た話なので、その奇縁に驚く。ケンタにお願いして、昨日のうちにアンプを運び込んでゐた。そらぁフレンチワインと〜、と銘打ったライヴで呑まずに演る訳にはイカンやろ?てな話で・・・。

けふはFar east〜ではなく、ワシとカシラのデュオ。まぁ会場の規模から云っても、ここにパーカスと鍵盤が入る事は無理だらう。こないだJUKEで演ったライヴにはしーなさんとのデュオで出たやうに、カシラなりに会場の規模や指向を鑑みてメンバーを選出してゐるのだらう。けふのカシラはウクレレのみ。ウクレレと電気ベースで30分を3回。よぅ演りました。あ、あの例のヘンテコ楽器「フトゥヤラ」も使ったな(笑)。

例によって打ち合せもリハもなしだったが、ワシらの息は相変わらずピッタリ。鉄壁のコンビネーションで調子良く進行。お客さんも酔っ払うにつれてどんどん盛り上がって来て、楽しいライヴだった。

イベント自体も成功したやうで、満員のお客さんは料理とワインと音楽に大満足、の様子。ケンタのチョイスする料理とワインのマッチングは絶妙で、まーぁワインが進む進む。『ライヴ前中は呑まない』といふカシラを尻目に、演る前、演りながら、休憩、終演後、とごぼごぼ呑み続け、しまいには完璧な酔っ払い状態のわたくし。

寒いからコートの前を閉めたいんだが、手元がよぅ分からずに閉めれぬ、ぐらい酔っ払ってゐた。イカンなぁ〜、もぅ50も近いんだし、こんな酔っ払い方しちゃイカンよホンマ。

24日(月)----------------------------------------------------------------

ゆんべはあまり憶えてないのだが、帰るなり自分の「酔い」を反省してゐたやうで、『イカン』『こんなんぢゃ駄目だ』を連発してゐたさうな。記憶は混濁し、アタマも痛いが、所謂ゲロゲロ状態ではないのが、せめてもの救い。いやぁ〜イカンよ、こんな事では・・・。

て事で(?)けふはしーシュの『小鉢:其之弐』ミックスダウン。プロデュース兼エンヂニアのカズイの手腕によって、楽曲にさらに彩りが加えられ、これはカッコいいぞぅ。小鉢の其之壱、はウチにしてはかなりポップな作品に仕上がったが、今回の「弐」は、さしずめウチらの「ダークサイド」が炸裂する作品、と云へる。さーぁ評価が割れるぞ〜〜(笑)、楽しみ。

「シングル」といふは、ミュージシャンにとってはやはり「アルバム」とはまた違ったニッチを持つ。シングルに合う曲、アルバムに入れた方が良い曲、それらを吟味しセレクトす、といふ作業自体が、ユニットのクリエイティヴィティに深く作用する、と思ふのだ。さういふ意味で、2〜3年に一度のアルバム制作、とその間に挿むシングルの制作、といふは、しーシュを活性化するに、たいへん有意義な作業なのだ。

25日(火)--------------------------------------------------------------------

広島FM、Garage songsの収録。なんと驚くべき事に、この不親切で無愛想な番組が、来年も継続する事になった。スタッフの誰もが「うそぉ!?」て云ふくらい(笑)ちょっと意外な展開。でも、嬉しいなぁ。『こりゃぁ継続記念呑みをせにゃイカンね』と皆で笑う。こんなのほほんとした番組を、さらに壱年続けて行くことが出来るのだ。頑張ろう。

けふはその後、元弟子パイグと、砂原智也&太田和孝のデュオが演ってるライヴをフライングキッズに観に行く。別に誰からも「来てくれ」と云はれた訳ではないのだが、まぁ、ね。

砂原智也&太田和孝は「ボエヌ・デュオ」といふギター&フリュートのデュオ。して、その音楽性は、ジャズよりももっと丁寧で繊細なインスト音楽。これにパイグ独特のゴツい6弦ベースが絡む様は、なかなかオモロかった。インストも良かったが、砂原くんの唄が良い。太田くんは、ひと昔前の「ガリ勉」を思はせる(笑)風貌からは想像つかぬアグレッシヴなフリュートを聴かせる。こんなデュオが広島にゐるのだねぇ。けふはパイグも頑張ってリードヴォーカルを取ってゐた。

砂原くんも太田くんもワシの事を知ってくれてるらしく、えらい丁寧にお礼を述べてくれた。

驚いたのは客層で、満員のフライングキッズに、見知った顔が誰1人居ない、といふ。この世代のこの界隈の彼らとでは、こんなにもフィールドが違うのだな、と実感。それに感心してゐてはイカン。もっと知られるやうに頑張らねば、ね。

26日(水)--------------------------------------------------------------------

先週は月、水、金、日、と壱日おきにライヴをした壱週間でもあったのだね。ちょっとひと段落。気が付けば2月も末で、3月に入れば旅が始まる。春は旅の季節だ。

こないだ中間報告的に聞いたのだが、しーシュ「3時のあんた」は完売間近、なのださうな。まぁチカラ入れて宣伝した、てのもあるけど、意外な結果が嬉しい。「さぼん玉ホリデイ」と「夢で逢いませう」も頑張らねば(笑)。

27日(木)--------------------------------------------------------------------

朝から楽器店の会議。ワシが最も長く通ってゐる教室が、今年の夏に閉鎖が決定した、といふハナシ。けふの会議が持ち上がった時点で、何となく予測はしてゐたが・・・やはり、ね。ここのレッスン、ワシが26歳からだからもう20年以上、あの教室で教えた事になる。ついにサラバ!かぁ。イチマツの寂しさは隠せぬ。まぁ、仕方ないねぇ。

閉鎖、とは云へ、ワシらの仕事までなくなる訳ではなく、レッスン会場を統合した上での再出発、と云ふ事なので、ここはひとつポジティヴに捉えやうではないか。

夜は「ミミさとしーシュ」のリハ。着物団のミミから来た企画で、お寿司屋さんでライヴす、といふ話に壱も弐もなく乗った。こたび初めて実験的にライヴするんださうな。ミミやしーなさんには、古くから馴染みのお店らしひ。へ〜〜・・・。これまでの人生で、寿司屋に馴染みなどあった事がないワシ(笑)。

そろそろ一度くらい、「回転しない寿司屋」に行って(他人の金で)タラフク喰ってみたいものだ、と思ふのであります。

28日(金)--------------------------------------------------------------------

ちょいと買い物ツイデに散歩してたら、急に山に行きたくなり、近場の山に登る。久しぶりだったし、大した準備もしてなかったので、けふの処は途中で引き返したが、それでも結構疲れた(笑)。でもやはり気持ち良いねぇ。またちょくちょく山歩きでもするかねぇ?。ゆっくりやれば膝にも負担は少ないだらうし。

帰ってみると、来年度の専門学校の時間割が届いてゐた。またビミョ〜な・・・。


3月へ