4月

4月1日(水)-------------------------------------------------------

帰広。在来線で6時間の電車旅。今回、ほとんどの行程を、ヤっさんの車に同乗させてもらってゐたので、この・・・誰よりも先に車輌に飛び込み、年寄り子供を踏みにじってでも、座れる席を確保するこの感覚は久しぶりだ。

外は雨模様。雨に打たれる桜を見ながら、ひたすら南下す。

2日(木)-----------------------------------------------------------

通常営業。スタヂヲに篭り、店番&練習&譜面整理。

来週明けソロのステージがあるのに、ツアー中まったくギターに触れてない。指先もすっかり「ベースの指」になってゐて、ギターの弦が痛い痛い。けふはベースの練習はおいといて、ひたすらギターを練習。レパートリィと照らし合わせ、弾くひく。合間にレッスン。

「職を失う」と思ってゐた専門学校。どーやら独りだけ、新入生が確保出来たやうだ。これでまぁ取り合へず、当面の定収入は確保できるかな、と云ふ気はす。

3日(金)-------------------------------------------------------

けふもスタヂヲ番&練習&練習。

けふはベースを90分、ギターを90分、交互に練習。昨日あんだけ弾いたので、さすがにけふは少しはマシなギター。ホンマはこれにさらにピヤノに90分、縦ベーに90分、他にまァクロマティック・ハモニカに60分、を壱日の練習時間に割け、なをかつそれがギャラに直結する、てのが人生の理想ではあります。

まぁそれは冗談として、日替わりでしっかり個別の楽器を練習する、といふ癖をつける方が良いやうな気はしてゐる。


2週目

4日(土)-------------------------------------------------------------------

旅の間に桜が咲き、既に散りかけてゐるので、女房と花見す。

適当な川辺に簡易椅子を置き、適当なコンビニつまみを拡げ、春の日射しを楽しむ。花見、と云ふよりは「風見」といふかんぢ。3時間くらいの間に、ビール2本、カクテル壱本、焼酎お湯割壱杯、と結構な量を呑み、紫外線をたっぷり浴びて、帰宅。

ぢつは今朝はかなり早い時間から、バスの切符を求めて市内までチャリで弐往復してゐて(弐往復になったのは手違い)、夕方から眠い。晩飯も早めに済ませ、隣家の騒音も気にせず、早めに寝る。

5日(日)------------------------------------------------------------------

古いドキュメンタリィの傑作に「コンチキ号漂流記」といふのがある。昔、少年図書なんぢゃら、に「マゼラン世界一周」とか「コロンブス新大陸発見」とかと並んで推賞されており、読んだ。これが「コン・ティキ」といふタイトルで映画化されてゐる、といふのをDVDで見る。

改めてストーリィを追えば、これは自分が仮説した人種の流動説を証明する為だけに、あえて古来の筏で漂流実験航海に旅立った、無謀な若き学者の話だ。6人の海の素人が、数々の苦難を乗り越え、目的地に漂着する、といふストーリィなのだが、まぁよくご無事で・・・としか云ひようがない。既に航海術は開発されてゐたし、それほど危険な海域でもなかったのだらうが、彼らが航海に成功し、目的地に着けたのは、本当に幸運だったのだらう。

他にワシがこの手の話で憶えてゐるのは、アラン・ボンバールといふ医師が、やはり自説を証明する為に漂流実験航海に出た、と云ふもの。彼は「遭難者は自分の恐怖心に負けて死ぬのだ。人間は適切な栄養が補給できれば何日でも生きられる」といふ仮説の元に、ゴムボートでひとり漂流の旅に出る。雨水を呑み、プランクトンを食べ、彼もまた、瀕死になりながら「実験」に成功する。まぁこのヒトの場合は、他人を巻き込まんかっただけマシかな。

んで、まぁ、かういふ極端なヒトが証明した事実が、のちの学説やサバイバルに役立ってゐる、となれば、やはり否定は出来ん。

6日(月)------------------------------------------------------------------

永らく裏のベランダに放置してあった大型ゴミを、遂に破棄すべく旅に出る。まづは安佐南区沼田の粉砕処理施設へ。プリンタ、スキャナー、ステレヲアンプ、ヴィデオデッキ、古いギターケース、などを処理。ゴミの中にTVがあり、これは「リサイクルなんぢゃら」といふモノに値するので、専門の処へ。これが広島市内の真反対側にあり、しかも場所が分かりにくく、結構な長旅となる。

結局、3時間を要し、ミッションは完了。その足でスタヂヲ入りして唄の練習を、と思ってゐたが、くたびれたのでパス。

夜は孤独な営業「吟」@オリエンタルホテル。年度始めの、雨の、月曜日、しかも22時から、と云ふ事で、お客さんが少ない事は予想してゐたが、結局2ステージまるまる、常連Hさん御夫妻の貸しきり、といふライヴになってしもた。これでHさんが居られなんだら、ワシは、2時間誰も居ないラウンヂで唄ってゐた、といふ事になる。Hさん、改めてありがとうざいます。

後になって、ここまで貸しきり状態なら、もっとHさんのリクエストに応えるとか、オリジナルを演ったり、とかすれば良かったな、と。

7日(火)----------------------------------------------------------------

細野晴臣と坂本龍一、といふ名義で行なわれたライヴのDVDが届いたので、観る。

なんとまー地味な・・・(笑)。

オッサンらがぼそぼそ演ってる、と云った脱力感満載の、まるで華のないショウなのだが、さすがに「聴かせる」。全ての曲がおそろしく完成度が高い。そして派手ではないが、やはり「上手い」。途中、ゲストとして高橋幸宏が参加するが、このトライアングルになると、フっと場が明るくなる。これは幸宏さんのキャラなのだらう。だからこそあんなに華がないにも関わらず、YMOは成功したのだ。

他のゲストの働きも見事。中にひとり、青葉市子、といふなんか場違いなかんぢの女性シンガーが登場する。全然知らん人だったが、これがなかなかスゴかった。妙に生気のない声で訥々と歌い上げるかんぢは、森田童子も思はしむる。またこの人、ギターがたいへん上手い。まぁ細野さんや教授がフツーの個性を選ぶはずはなく、そこは間違いない、と云ったところか。ちょいと他の曲もフォローしてみたくなった。

全16曲、MCも含めて、ライヴがほぼ丸ごと記録されてゐるのだが、こんな地味なコンサートを最後まで飽きずに見せれる、と云ふところが、やはりこの人達の奥深さなのだらうな。かういふライヴを演ってみたい、と思ふ。これはおススメのDVDである。

8日(水)-------------------------------------------------------

とあるウェブラヂヲ(かなにか。よく分からぬ)のレヴュー大会、のやうな企画に、しーシュの「亀の庭」が取り上げられてゐる、といふのを聴く。

ちょいと変わった趣向(相当マニアック)のポップスが多数流れる中で、主催者からしーシュが紹介され、「亀の庭」が流れる。しーシュ随一の「切り込み隊長」的ニッチのこの曲をもってしても、居並ぶ個性派ラインナップの中にあっては、恐ろしいほど地味な印象(笑)。なるほど、ウチの限界はここか、と。善くも悪くも「丁寧すぎる」てかんぢなのかな・・。ん〜〜〜〜〜。

ただ、レヴュー参加者のほとんど全員が、楽曲の完成度の高さに言及しており、そこはまぁ自信にはなる。我らが目指すのは、たしかにその部分だ。しかし、地味ならではのインパクト、てのも追求して行かねばならんのだ、とも思った。しーシュ、まだまだ、である。

9日(木)-----------------------------------------------------------

遂に!

しーシュ4thアルバム「11AM 」が完成して、現ブツが送られて来た。堂々の1,000枚!。早よぅ売らんと家がいつまでも段ボールの山、となってしまふ(笑)。今回は紙ジャケにて、ツアーなどに持って行くのに、だいぶ嵩が稼げるし、やはり軽い。よぅし全国津々浦々、売り歩くぞ〜。夢も売るがCDも売るえせニック歌謡デュオ。

ところで、通販ページの更新をしてゐるうちに、なんやPCがおかしげな事になり、どーやっても以前の頁が開けなくなった。ので、やむなく新しい通販頁を作製。最近、なにやら不穏な動きがあり、いょいょこのパソコンもヤバいかな、といふ気はしてゐる。まぁけふの問題は、明らかにソフトのトラブルのやうなので・・・。

にしても、しーシュの作品は好調に売れてゐるが、そのぶんワシのソロ作品が全然ハケなくなった(泣)。「きねつき」に至っては、バンドで売る事を想定してたから、1,000枚作っちまったしなぁ〜。「ゆほびか」も、まだだいぶ在庫があるぞ〜。

10日(金)-------------------------------------------------------

今朝、しーシュのふぇーすぶっくに『Newアルバム解禁』と記事を書いた途端、注文メールが殺到。けふのところはワシの手元にあったやつ全部を一気に発送す。嬉しいねぇ。皆さんのご期待に添える作品であらば良いが・・・。

「古典」を読むべし、といふ思ひから、懐かしの江戸川乱歩『孤島の鬼』を読んでゐる。文体の古さもものかは、ぐいぐい読ませるのはさすが名作。そもそも「江戸川乱歩」と云ふペンネームからして、この人のセンスの秀逸さが伺える。本名は「平井太郎」さんって云ふンださうな(笑)。

・・・ん?、まさか乱歩がナニからもじって付けられたペンネームか、知らぬ人は居らんよね?。

グレコのヴァイオリンベースに、新規の弦を張って遊ぶ。弾けば弾くほどに、コレでしーシュを演っても悪くないンぢゃないか?、といふ気がしてならない。どーかなぁ?ちょいと使ってみやうかな?。まづは今度の呉市はRazzのぱんぱかトリオで・・・。


3週目

11日(土)しーシュレコ発週末遠征:北九州八幡デルソル-------------------------------------------------------------------

ついに届いた現ブツを持っての旅----レコ発ツアーの始まりだ。まづはここ。北九州は八幡デルソル。

ソロ時代からづっとお世話になって来たお店だが、しーシュでワンマン、と云ふ形で演らせて頂くのは初めて。もとはテーさん(村岡達也)絡みで開拓した土地で、これまでのここの出演は、ほとんどテーさんのサポートありき。その助力なき場合の集客は正直楽観できんのであるが、敢えてワンマンで挑む。店主の大庭さん夫妻に暖かくお迎え頂き、まったりと演る事にす。

この地には、ありがたくもワシのソロのファンが多く、けふのラインナップはややワシがメインよりに。新曲は勿論、旧曲もたっぷり取り入れ、カヴァーも入れぇの、で構成。キバらずに座って演ったのも効を奏し、狙い通りたいへんまったりと、親密なライヴを展開する事ができた。音の具合も最高で、久しぶりにストレスを感じずに、唄と演奏に没頭できたかんぢ。お集りの皆さん、ありがとうざいました。

今回、初めて自分らだけの力で敢行したワンマン。確かに「充分」とは行かぬ集客ではあったが、これを新しいスタートとして始めて行こうではないか。

デルソル。また、必ず来ます。

12日(日)しーシュレコ発週末遠征:萩「Sound room Vol5」------------------------------------------------------------------

萩市へ。

まづ、新作「11AM」のジャケ撮影に、庭園を使わせて頂いた「藍場川の家」に寄る。オーナー室田さんに、直接作品を進呈したかったが、あいにくお留守であった。

けふのライヴは、上述の藍場川〜や、「陽だまりガーデン」で知り合ったイベンター柴田人美ちゃんの企画によるもの。ライヴ文化のない萩市で、気軽に音楽が聴けるスペースを供給したい、との思ひから年2で続けられてるイベントなんださうな。会場はレンタルスペースではあるが、キチっとした機材とオペが入り、なるほどちゃんとしたライヴスペースである。それへの、いちをう「ゲスト枠」での参加。

けふは特に「レコ発」色を出さず、普通のやうに淡々と演った。陽だまり〜や藍場川〜で知り合った友達やらも応援に来てくれて、良いかんぢに演奏できた。

完全にアマチュア音楽家の祭典、であり、技術や音楽性のレベル、と云ふより、かういふイベントに対する姿勢のレベルを、もぅちょいと学んだ方が良いよ、と思ふ出演者もゐた。別にゲストだからっつって崇めてほしいとも思はぬが、自分らの出番以外は会場にも居ない、打ち上げも自分らで勝手に・・、ていふのでは、せっかくの人美ちゃんの志が意味なきものとなってしまふ。

打ち上げでは、しーシュを演り始めて10年めにして初めて「ドアーズに似てる」と云はれ、驚く(笑)。

その後、河岸を変え、陽だまりガーデンに突入。来訪を喜んでくれるオーナー山縣さんに新作を進呈。近いうちにまたここで演りたい旨を伝える。

13日(月)------------------------------------------------------------------

ゆんべはちょいと飲み過ぎた。まぁビール→焼酎お湯割→焼酎ロック→ワイン3杯→ポン酒、と行った(らしい。しーなさん曰く)のだから無理もない。濃いかつをだしのうどんを喰って落ち着く。『二日酔いには出汁』である。

雨模様の中、広島へ向かってひた走る。月曜にて、道路が空いてるのがありがたい。

家で少しく寝た後、ツンちゃんがやってゐる「鉄板会」といふ謎の宴会に出席。percussion house PICOを閉めたあと、ツンちゃんがやはり仲間が集まって、気軽にセッションや宴会を楽しめるスペースを持ちたい、との思ひで、自宅の一部を改装して造った、云はば「space PICO」である。しかし、開け放たれた正面は、西日本随一の繁華街「流川」。道行く酔客が皆立ち止まって「なにごとか」と覗いて行くのも、また楽しや。

のべ30人くらいは来たのだらうか?。ライヴのこけら落としは、是非Far east loungeで、との事でおぉいに結構。二日酔いの腹にたらふく詰め込み、深夜バスで帰った。

14日(火)----------------------------------------------------------------

参加してゐる(事になってゐる)某巨大音楽振興会の研修、とやらが大阪であるので、行く。楽器を持たずに、新幹線で、独りが、大阪に行くのは初めて。強制的に参加させられるならば、その側面も楽しまねば負けである、との思ひから、純粋に「旅行」としてこれを楽しむ事にす。

「研修」は大方の予想通り、ほとんど意味の無い伝達事項で時間の無駄遣い。その後、各地のインストラクターが集った場でのディスカッション(のやうなもの)では、古いツアー仲間や懐かしい人とも会えたし、まぁそれなりにオモロくはあった。

夕方には終了。日帰りもできる時間帯だが、なんで大阪に来て日帰りせなならんのか?。朋友にして関西の「アニキ」、泉尚也さんを訪ねて、studio Izumi houseに行く事にす。研修の会場から散歩がてら歩いてゆける距離だったので、その散歩もまた楽しむ。

スタヂヲにおぢゃまし、まだ陽があるうちから呑み始め、なんやかんや喋りながら22時くらいまで。レコーディングやライヴ、ベースや音楽、旅の話まで、話題は尽きない。考へてみたら、泉さんと二人でこんだけ語り合ったのも初めてのこと。正直、今回大阪に来たのは、これの為だ。勿論「11AM」も進呈。

梅田まで帰り、カプセルホテルに泊。前回ここに泊まった時はさうも思はなんだが、えらくボロだったな。こんなかったっけ?。

15日(水)-------------------------------------------------------

まぁまぁ快眠。けふは夜のレッスンまでに帰れば良いので、在来線でのんびり帰るかどーか迷う。だがまぁ、それもあまり意味は無いやうな気がしたので、昼過ぎの新幹線で適当に帰る事にす。その時間までは、中崎町を散歩したり、お好み焼きを喰ったりして、旅気分を味わう。

在来線なら5時間はかかる大阪〜広島間も、新幹線なら1時間半。これほどのスピードで疾走する乗り物が、開設以降50年事故なし。気候による遅れも最低限。車内環境は快適そのもの。確かに値段は高いが、大した乗り物だと思ふ。

な訳で、夕方前には家にゐて、夜は通常にレッスン。生徒が減ってかなわん。昨日の研修で上層部が語ってゐた「効率」など、実際の現場には何処にもない。ここに来てこの現状を観てモノを云へ。

16日(木)-----------------------------------------------------------

ジモに詰める。けふレッスンした3名の生徒は、全員「ギター弾き語り」であった。他にも「弾き語り」の生徒が増えたら、これこそワシのワシたるレッスン、て事になるので、楽器の種類とわず、「弾き語り」の生徒さん募集中。

夜はぱんぱかトリオのリハ。ヴァイオリンベースを使ってみる。この楽器特有の「丸く暖かい」(悪く云へば「輪郭がなくてヌケない」)は、とてもイイかんぢに唄に馴染む。今後ぱんぱかトリオでは、これをメインに使ってゆく事にす。

ところでカワちゃん、風邪らしく、声が嗄れ嗄れ。その嗄れ具合が悪くなく、ちょいとブルースめの曲などにとてもハマる。まぁ本人は不本意だらうが、これはこれでアリではないか。明日が本番なのだが、この声で行きんさいや、などと無責任な事を云ふワシ。

17日(金)-------------------------------------------------------

その、ぱんぱかトリオでプチ遠征@呉razz。題して『ぱんぱか大紀行』。

ワシは今期最初の専門学校をこなし、しーシュのリハを演ってから・・・。けふのライヴではしーシュでの演目もあるのだが、もぅそこもヴァイオリンベース壱本で演ってみることにす。それに合わせたアレンジなどを少し。ふぅむ、上手く行けばオモロい事が出来さうだ。

その後カワちゃんと合流。カワムラ号にて呉を目指す。車の中は他愛無いジョークやシャレ、無駄に可笑しい話の嵐で、まるで若者バンドのツアーのやうだ。おっさんおばさんなのに・・・。

会場のRazzに着き、セッティングしてリハやってると、すぐお客さんが!。おぉもぅそんな時間か、と本番スタート。カワちゃんソロ→ぱんぱかトリオ→しーシュ→ぱんぱか、といふ流れで、約2時間。なかなか良いライヴができた。最近は、カワちゃん+サポートといふかんぢではなくなり、「トリオ」として機能して来てゐる。今たいへん良いかんぢで波に乗ってゐるトリオである。もぅ少しライヴ自体がタッタカ流れるやうになれば、それこそどんな場にも打って出れるぞ、と思ふ。黄金週間にフレンチ・リストランテでワンマン演る事になってゐるが、それも楽しみだ。

ヴァイオリンベースは、カワちゃんの唄には最高にハマる気がした。しーシュの曲でも、ポップなかんぢの唄ものには、やはりたいへんマッチする。なるほど唄ものベースの巨匠であるポール・マッカートニィが使い続けてゐるのもうなづける。しかし、流石に「ガンガン弾く系」の曲には、ちょいと無理がある。そしてやはり・・・フレット付き&細いネックは、たいへん弾きづらい。

でも、まぁ、せっかく持ってンだから、使ってみやう。


4週目

18日(土)-------------------------------------------------------------------

休み。

明日の居酒屋椎修の小鉢料理を壱品造り、自分らの晩飯に餃子を造る。DVD「キリングゲーム」観て、江戸川乱歩の「孤島の鬼」読む。

19日(日)------------------------------------------------------------------

居酒屋椎修:レコ発版。てことで、我らの地元広島でのレコ発ライヴだ。

居酒屋営業にしたのは、ライヴチャーヂを通常の¥2000とかに設定すると、そこにCDの代金¥2000が加わり・・・、さうなるとお客さんは¥5000以上の金額を支払わねばならず、さすればドリンクの注文が減りかねない。店の利潤に貢献しつつ、我らの実入りも確保する為には・・・と熟考した結果。小料理付&ドリンク付きで低めのチャーヂにし、のちにCDを買いやすい設定とした。

地元では久しぶりの、前後編に分けてみっちし曲を詰め込んだライヴは、たいそう盛り上がった。・・・が、肝心の集客があまり伸びなんだ。

本来ならば10周年を記念して、200は入るデカい会場を借りィの、ライヴは勿論食事もありィのドリンクもフリーの、の一大ライヴパーティーを計画してゐたのだが、この現状を見る限り、それを実行せんで良かったな、と(笑)。

まぁワシらなりの、地味で地道な活動を、粛々とこなして行くしかない。強いコネクションも、スポンサーの後ろ楯もないワシらは、逆に強力な「コアな音楽ファン」に支えられて、10年の活動を続ける事が出来たのだ。さういふ意味では、ぢつにワシららしい「地元レコ発」ではあった。

この流れが、夏後半まで断続的に続く。さらさらと流れて行かむ。

20日(月)------------------------------------------------------------------

なにかクサクサするので、もぅ長年クロースにしまってあった、大量の商品券を使って、高いワインやらを買う。

その後、夕方までジモに詰める。その間、通販の発送作業など。問い合わせの電話ナシ。新体制が始まって壱ヶ月が過ぎたジモ。特に動きは無いやうにも見えるが、ワシの生徒は少しづつだが増える傾向にある。引き続き生徒募集中

帰り、歩いて帰らんとすが、途中で雨が降り出しよった。ので、近くにあったJRの新駅「新白島駅」から電車に乗ってみる。『こげな処に駅建ててどーすんの?』と思ってゐたが、意外なほど利用者が多いのに驚く。さう云へば確かに、今いちばん市内中心部に近い駅ではあるな。久々にセクシーなOL制服のおねーさん溢れる電車に乗って、家に帰った。

21日(火)----------------------------------------------------------------

専門学校。今期唯一の午前中授業。朝イチではないので、まぁ助かる。

その後、楽器店レッスン→FM収録→しーシュ企画会議。

22日(水)--------------------------------------------------------------

昨日、親戚の叔父さんの訃報が入り、葬儀に出席。初めて出席する「カソリックの」葬式であった。叔父がクリスチャンだとは知らなかったが、妹さんがシスターであった所以から、昨年に病床洗礼を受けたのださう。

ワシはプロテスタントのクリスチャンで、何度か教会の冠婚葬祭に出席したが、ワシの知ってる教会式と、えらく違うのが新鮮だった。カソリックでは、親族肉親より司祭シスターが優先されるのだな。兄弟姉妹達、といふ本来の意味とはさういふ事か・・・。葬儀を「面白い」と云ふと不謹慎だが、興味深い体験だった。

その後、一旦帰宅して楽器店レッスンへ。会場に着いてから生徒からの欠席連絡に気付き、帰るのもナンだし、この際とばかりに練習。ぱんぱかトリオのリハの為に、縦ベーを積んでゐてよかった。縦ベをみっちし練習す。

その後、ぱんぱかトリオのリハに。縦ベの音はカワちゃんの音楽に最高にハマる。今後、このユニットでは、「ヴァイオリンベース&縦ベー」の組み合わせで行くことにしやう。この3人で買いに行ったモノを、この3人で使う、てのが良い。

23日(木)---------------------------------------------------------------

知人が近辺整理の為に、持ってゐた楽器を大放出するらしひ。ワシに直々の連絡が来て『ギブソンのサンダーバード、要りませんか?』、と。

ギブソンのサンダーバード!。いや〜〜〜要らんなぁ。てゆーかワシには今一番「使い道のない」ギアだと思ふ。聞けば他にも数点、売りに出さんとしてゐるらしひ。結構良いフェンダーのプレシジョンとか、ある。どれも楽器としての完成度は高いのをよく知ってゐる。だが、ワシには使い道は無いねぇ。

これが、アンペグのフレットレスとか、旧アレンビック・ジャパンの、だったりしたら、即答で「ほしい」と云ふのだらうが、ワシは「普通に名器」には興味が無いのでな。悪しからず・・・。

24日(金)----------------------------------------------------------------

専門学校→個人レッスン×3。久々によぅ動き働いた壱日。

夜はウチの近所に新たにオープンした鉄板焼の店に行ってみる。ここいらに住み始めて5年。新規でオープンした飲食店では3番目。もとがショウ・ウィンドゥ系の店だったので、飲食店になった今も、外から丸見えなかんぢなのだが、それがまた良い。なかなか良心的な値段設定でもあるし、「チョイのみ」使いにもできさうだ。ながく続いてほしい店がまたできた。

「今月、エライ稼ぎが少ないな」と思って、よく調べてみると、ライヴの本数が圧倒的に少ないのだった。来週赴く大阪関目と津山を入れても月に7本。これは現場派の職業音楽家としてどーしたものか・・・。イカンね。やはり月に10〜15は行かんと、「音楽で生きてゐる」とは云へない。


5週目

25日(土)-------------------------------------------------------------------

休み。このところ土曜日がづっと空いてゐる。よろしくない。

ひとしきり縦ベーと横ベーの練習したら、チャリで40分くらいの処の本屋に行ってみる。日射し強く風冷たく、と良い気候だが、向かい風がキツい。まぁエェ運動にはなるが・・・。
久しぶりに京極夏彦のハードカヴァーを一冊と、映画DVD一本購入。双方中古なので、これでも千円以内に収まるのはありがたい。

夜は買って帰ったそれらよりむしろ、You tubeにアップされてゐる古いロックのVに見入る。やはりイエスは上手いな、とか、ナイトレンジャーのダサさはどぅよ?、とか、トトの良さはやはり分からんな、とか・・・・。

26日(日)------------------------------------------------------------------

親父の三回忌法要。

もぅ3年か、といふ思ひと、まだ3年か、といふ思ひが等しくある。
その間にも、沢山の人が色々と入れ替わった。これからも入れ替わって行くのだ。ワシもあと半年で50歳。親父がこの歳だった時には、ワシはまだ11歳だった。

さぅさぅ、大学→就職と東京に暮らした姪っ娘が、この春から広島に帰って来てゐる。もぅこっちで仕事見つけて働いてるさうな。「広島はやっぱりのんびりしててイイ」と云ふ。この娘は3歳で父を亡くしてゐるのだな、と思ふ。よくドラマなぞであるやうに、『俺を親父と思へ』などとは云へぬが、彼女の未来に幸多からむ事を。

27日(月)------------------------------------------------------------------

このところ、近所の野良猫の白黒のブチのやつが、ウチのベランダで寝泊まりしてゐるやうだ。朝、ワシが窓を開けると、慌てて飛び出して行く。
別に、穫って喰いぁせんが、と思ふ。

「夜の駱駝」の季節である。

28日(火)----------------------------------------------------------------

専門学校の授業が、学校行事の為に休講、といふ謎の事態。・・・てゆーか、これ毎年あるんだが、毎年謎に思ふのも確か。専門学校は「専門教育の為の場」ではなかったのか?・・・てなかんぢ。

こないだ買った、京極夏彦の「死ねばいいのに」を読む。なんか今のワシに対してえらくタイムリーな内容。ここん処のモヤモヤへの言及のやうな気さえす。たかがフィクションの物語ひとつで、気分が晴れた、などといふはアレだが、実際、結構楽になった。「アタックチャンス〜!」でお馴染みだった故・児玉清氏は、『人生の迷いはすべて読書によって救われた』と語ってゐた。なるほどなぁ、と思ふ。

おかげで、その夜のFMの収録を、テンション上げて行く事ができた。ワシもまた「書」に救われたのかもしれない。

29日(水/祝)--------------------------------------------------------------

さぁ、しーシュ4thアルバム「11AM」、本格的なレコ発ツアーの始まりだ。けふから夏の終わり頃までにかけて、約30個所をまわる、その最初の旅。まづは、日本で一番しーシュを待ってくれてゐる人達、と云っても過言ではない、大阪は関目「我らの家」へ。

毎度のごとく、今回も夕&夜の2回公演で、すでに双方ともソールドアウト、と聞いてゐた。審美眼もなかなか厳しい関目のお客さんに、新作とそのレパートリィが、如何に受け入れてもらへるか、の審判でもある。早朝出発のバスで大阪へ。吟味を重ねたレパートリィで、心して挑む。

月の裏で踊る約束/亀の庭/Dance/みみづく時計/メアンキエリ/夜の駱駝/サイドカーに犬を乗せて/オイデナサイナ/ナガレモノ/シャミーラム/ジェラシィ/くちなわは語った/わたしはモナカ/砂に泣き/歳をとった鰐/星をめぐる旅。このラインナップを基盤に、それぞれのソロなどイレギュラーを加えたりする、19〜20曲構成を2回。

かうしてライヴで演ってみると、「砂に泣き」や「ぎやまん」を含んで佳曲揃いの『3時のあんた』に比ぶれば、新作『11AM』は、壱曲づつの個性、完成度では一歩譲るのかもしれない。だが、組み合わさった時の完成度で云へば、インパクトの強さはかなりのもので、その辺「コンセプトアルバム」を作ったな、と云ふ印象が強い。さういふ意味では、初めてアルバムらしいアルバム、を造った、とも云へやう。

さうさう。夜の部のステージで、唄が始まった途端くらいに、電源が落ち、ピヤノもベースもマイクも死んだ。その瞬間、客席から手拍子が始まり、ワシらは流れを止めずそのまま唄い続け、結局エンディングの4小節で音が復活、といふ、まるでミューズの悪戯のやうな事件が起こった。あの一瞬で、あの場所は「原始の宴」に変化したのだ。凄い瞬間だったな。

ゴンスケさんは『すまんねぇ』と謝るが、逆にお礼を云ひたいくらい、あれは得難い経験であった。

二回公演とも、満場のお客さんがこの上なく満足してくれた事に、安堵。ホンマにありがとうざいました。今回もまた「関目のスター・しーシュ」と呼ばれる事に、何の不満もないワシらであった。

30日(木)---------------------------------------------------------------

レコ発旅二日めは津山へ!。

そもそも、元弟子、「だいふく」の朝井裕二に、岡山でライヴが出来ぬか?と相談を持ちかけ、そこから派生した「だいふく&しーシュ」のカップリングでご縁を頂くやうになった津山、フォーク酒場「たる」に、いょいょしーシュ単体で乗り込む。さうです、けふは「たる」初のしーシュ・ワンマン。

「だいふく」は現在活動休止中で、彼らの集客力に負わぬ部分での単体ライヴとなる。まァだいふくのあかりチャン(唄)とゆうじ(ベース)は来てくれるだらうから、少なくとも二人はお客がゐるだらう、と云ふおかしげな安心をしてゐたが、結局彼ら二人とも直前のアクシデントにより欠席(笑)。だが、お店の宣伝や、OAを務めてくれた「詩音&イッシー」のお陰もあって、結局は満員、といふたいへん幸せな状況でのライヴとなった。

演目は、昨日のラインナップから「艶系」を排し、佳曲勝負で(笑)。「たる」のお客さんは、昨日の関目にも増して、ホンマにぢっくり聞き入るタイプの人達で、終曲後一瞬静寂、といふ場面も多々あり、その一瞬の静寂にはビビりもするのだが、その後の鳴り止まぬ拍手が、成功を確信させてくれる。関目にひき続き、ホンマに良いライヴだった。

マスターの美土路さんは、ブログで毎日宣伝をアップして下さってゐた。それがこの集客に結びついた。それでゐて『次はもっと満員にしたいから、また必ず唄いに来て』と云って下さるマスター。言葉に出来ぬ光栄に、心の限りで感謝を伝えたい。ホンマにありがとうざいました。

けふ一番嬉しかったのは、『生ギターが居ない編成で、ここまで「フォーク」を感じさせるバンドは初めて』といふお客さんからの言葉(笑)。フォークを演ってゐる、といふ意識はないが、さういふ「異質が本質を凌駕する」といふのは、まさに我らが目指すところ。こないだから「ドアーズに似てる」とか「フランク・ザッパぽい」とか云ふ、意外な言葉も頂いてゐる。嬉しい評価を、ありがとう。

5月へ