10月


1週目

1日(土)-----------------------------------------------------------------

WADAバンドのライヴ。
和田さんの希望により、朝リハをしてから、本番まで、といふ流れ。へっぽこギタリストの挑戦の壱日。音を出してない時のこのバンドは、下ネタと無駄話のオンパレードなのだが、空き時間はカラオケ屋を控え室に使ったりして、まぁ仲良くわぃわぃと。

けふのライヴは和田さんの知人による企画で、まぁアマチュア・バンドが集まって・・といふもの。善くも悪くもそのテの企画であり、まぁワシらの方が「異分子」なのだが、さういふ方達が集まって楽しく唄って呑んで、といふイベントには文句を云ふ筋合いはない。ただ、かういふ人達って、演ってる時以上には、その後親密になれない、と云ふ特徴があり、もっと横のつながりを密にして行けば良いのに、とも思ふ。まぁ、おーきなお世話か。

けふのギターは・・・、まぁ60点かねぇ。思った以上にハウってゐたな。まだまだ精進、やね。と、アマチュアのやうな事を云ふわたくし。あ、さぅさぅ。出演者のなかに、「流川タンポポ団」のたぬきさんとひとみ姐さんが居り、『またしーシュで三原に来てね』と云って頂いた。

皆で朝メシを一緒に喰ふところから始まり、打ち上げが終わるまでの壱日。まるまるWADAバンド・デイであった。

2日(日)----------------------------------------------------------------

60年ぶりくらいにリコと一緒に演る、ののリハに入る。

ワシはふぇーすブックに籍がないので知らんかったのだが、もぅ「ヒトコブ・リコズ」として宣伝が上がってるらしひ。リコとは「リコズトリオ」へのゲスト参加や、ギターのシバちゃんとの「フタコブ・リコズ」などで、ひと昔前はよく演ってゐた。だが純然たるデュオは、2010年に、何故か宮崎は都城市で壱度だけ演って以来。まぁ、広島ではしーなさん以外で唯一、ワシを「適確に」使ってくれる音楽家、として貴重な存在である。

リハもそのやうに。「二人では演れさうにない曲」ばかりセレクトしてくれよる(笑)。ワシとしても、このテの音楽を演奏すること自体が久しぶりで、出来るンかいな?といふかんぢ。それでなくても此所ん処ギターしか練習してへんし・・。まぁオモロく演れたら良いな。

夜はこれまた久しぶりに、近所の鉄板焼屋に。同席した客の中に、明らかに『ヤバい/イってる』系の女性が居り、電話に向かってヒステリックに喚き散らしてゐる。ん〜〜、飲食業をやる、といふ事は、このテのトラブルに遭遇す、といふ事もある訳だ・・・。大将、ご苦労様です。

3日(月)-----------------------------------------------------------------

今度オリエンタルホテルで、WADAバンドの保本そのえと演るののリハに入る。こないだパイグと演ったやうな、ワシが完全にギタリストとして演る、といふスタイルで行こうと思ってゐたが、初めてのデュオ相手なので、唄も入れることにし、結局半々くらいで演る事にした。

ギタリストとして成長する為には、やはりギタリストとしてステージに立つしかない、と思ふ。ので、へっぽこだらうが何だらうが、とにかく機会を見つけてはギターを持ってステージに上がる。今後もそのやうなユニットを組んでみやう。まぁ究極云へばバックはトラックを使っても良いんだけどね。初期のゴンチチみたいにね。でも、独りであれ演ってたら、ホンマに「ただの孤独なおっさん」になってしまふので、出来ればまぁ誰かと・・・。

で、フと思ひ出したのだが、ワシの「ソロ初め」って15歳のときだったな、と。あの時だって、誰かとチーム組んで演る、といふテがない訳でもなかった。のに、ワシはソロで体育館のステージに立った。究極の緊張と限りない力の拡大の感覚。あれから35年・・・。

少しは成長してゐるのかいなワシは・・・。

4日(火)-----------------------------------------------------------------

ヒトコブ・リコズの本番。

これまた700年ぶりくらいに出演する、ジャズバァ「カミン」である。サックスの藤井政美に誘ってもらってゐた「武者修行シリーズ(ワシが慣れぬジャズに奮闘す、と云ふ企画)を演らなくなって以来、御無沙汰してゐたが、改装して一段とオサレなかんぢになってゐる。店長のスギくんとも久しぶり。

リコがチカラ入れて宣伝してくれたお陰で、開演時間には結構満員の店内。意外にもリコ本人がリキみまくっており(笑)、初っ端からやらかしてしまってゐたが、徐々に力が抜けて行き、予想を上回る好勝負(?)となった。ワシもこのテのを演るのが久しぶりで、どーかぃな?と思ひながら演りはじめたが、意外なほど演奏に没頭できた。久々にえへくたを5ツも繋いだりして、変態技も楽しんだ。

終わってみると大好評で、ワシ自身が意外だった。ふ?ん。リコも楽しんでくれたやうで、『また是非』と云ってもらへ、役割が果たせた感あってひと安心。ソロのCDでも持ってくれば売れただらうに忘れて来ており、しかしかろうじて20日のしーシュのフライヤだけは配った。

だが、チャリで家に帰ってみると、結構くたくたに疲れた事が発覚。やはりけふのはそれなりにチカラが入ってゐたのだらう。あぁいふ現場もタマには良いね。

5日(水)-----------------------------------------------------------------

ブラヂルの至宝:カエターノ・ヴェローゾの来日公演を大阪まで観に行く。

女房が大ファンであり、アルバムのほとんどを持ってゐるが、ワシはそれほどフォローしてゐる訳ではない。しかしその活動といまだ現役のバイタリティには常々注目はしてゐた。久々の来日。御歳74歳で、今後ナマのステージが見れるかどーか、は正直怪しいところ・・・。しかも今回はバンドを従えぬギター弾き語り、と聞いては、こはやはり見るべきだらう、と女房に同行する事にした。

奇しくも台風が日本に接近中であり、行程が危ぶまれたが、なんとかバスで大阪へ。会場はNHKホール。1500キャパくらいで、音の良さが評判の会場だけに期待は高まる。ワシらが会場に着いた時にはすでにロビィはファンで溢れており、なん人かの知人の顔も見かけた。
んで、ライヴ。

ま〜〜〜素晴らしいライヴだった。ホンマに最初から最後まで、ギターと唄、それだけ。MCもほとんどなく、凄まじい拍手の合間を縫うやうに、次々と唄い、奏でて行く。本編で21曲、+アンコールで5曲、全26曲をほぼ休みなしで、しかも壱滴の水も呑まずに歌い上げる74歳!。もぅ会場はスタンディング・オヴェーションの嵐で、けふほど「ポルトガル語が分かったら!」と思へた日はない。本場ブラヂルでのライヴのやうに、全員が一緒に唄えたら!。

終演後、その夜のうちに大阪を出るバスで、翌朝の広島を目指す弾丸ツアーだったが、大阪まで来る価値の十二分にある、素晴らしいコンサートだった。

6日(木)-----------------------------------------------------------------

早朝、広島に着。夜行バスの旅には馴れた気でゐたが、けふのバスは眠り難かったな。ガラガラだったけど・・。

昼くらいまで寝て、しーシュのリハに行く。明後日からの山口県ツアーを控えての、最終チェック。FMの収録も、居酒屋椎修もなくなった今、日常的にしーなさんと会う機会が激減し、ツアーやライヴで久しぶりに顔を合わす、といふ事も珍しくない。あまり良い事ではないが、まぁ仕方ない。

さういや昨日、大阪のNHKホールで、関目音楽倶楽部のTちゃんに会った。彼は筋金入りカエターノファンなので、絶対来てるやろな、と思ってゐたが、ワシが来てゐる事は想定外だったやうで、声をかけると「をォ!!」と大声を上げてゐた。つぃったーやらにも、続々と昨日のライヴを賞賛する声が上がってきてゐる。

あれはツイさっき大阪であった事なのだよな、と、やや眠気の取れぬ頭で考へるワシであった。

7日(金)-----------------------------------------------------------------

この頃、朝起きてスグに走ったり運動したりせず、朝飯を喰ひ、練習や机仕事をある程度こなした昼過ぎに、おもむろに走ったりしてゐる。レッスンにせよライヴにせよ夕方からなので、その前に日課の運動をこなせる、てのは悪くない。寝起きで、身体がまだ目覚めてないうちに運動を始める、より良いやうな気がしてゐる。

けふは「週変わりのオリエンタルホテル」。けふは「唄のシュウ」ではなく、ゲストに保本そのえ(pf)を迎え、ギター・で・シュウ。『ピヤノとギター、ときどき唄』といふスタンスで30分を2ステージ。こないだリハを演った時は攻め倦ねてゐた感のあるそのえサンだったが、けふは思ひ切りよく弾いてくれておる。慣れぬギターソロも、良いかんぢにサポートしてもらへた。正直、ギタリストとして初めて、ちゃんと仕事が出来た気がする。

高校生の終わりの頃、「アクースティックのギタリスト」として活動して行く自分を夢想したものだった。人前でギターを弾き、それで幾許かのお金をもらふ。さういふ人生があるものならば、そこに行きたい、と思った。

若き日のエーちゃんは、明確に『スーパースター』を目指した。若き日のワシは、『音楽で喰って行く事』だけを夢見た。けふのワシのやうに、バァで演奏してギャラをもらふ未来、を、確かにイメェヂしたのだ。そは、いちをう叶ってゐる。

もっと大それた夢を思ひ描くべきだったのだらうかねぇ?。


2週目

8日(土)しーシュ週末遠征:防府市 印度洋-----------------------------------------------------------------

徳山(現 周南市)に数年住んでゐたにも関わらず、それにその後の宇部、山口、萩などとの深い付き合いにも関わらず、初めて降り立つ防府市。バイクに乗ってゐた頃、通過した事くらいはある、といふ街だ。その街で、初しーシュ。

あいにくの雨模様にて、会場入り〜機材搬入までがけっこう四苦八苦だったが、入ってみると顔馴染みの若い衆----企画してくれた宇部の小田よぅねんら華麗衆周辺の人脈らでいっぱいの会場に、リラックスできる。しーシュとしては、久しぶりの「ライヴハウス」でのライヴ、になりますね。対バンも男女混合ユニットばかりで、楽屋も和やか。

他の出演者がえらい気を使こうてくれ、みな20〜30分程度で切り上げ、あっと云ふ間にトリのしーシュの出番。ではウチも、と得意の怒濤演奏にて、9曲を40分でコンプリート。「もっと演れ」との声にアンコールをふたつ。全11曲を1時間で演り切り、ウチららしいライヴを完遂できた。完全終演も22時。お客さんも安心して帰れる!。全出演者がコンパクトにまとめ、結局たいへん上手く凝縮された、良いイベントとなった。イベントはかうでなきゃ。

出演者同士の奇縁も発覚し、楽しい打ち上げ。莫迦話しばかりでなく、ちゃんと前向きな展望や、コーラスワークやリズムにつひての真面目な音楽の話し、たれも説教臭い事を垂れるでもなく、最後まで楽しく呑み喰ひ喋った。こんな打ち上げなら大歓迎やね。楽しかった。ただ、近年珍しく12人中9人がヘヴィ・スモーカーで、居酒屋の個室は燻製室状態(笑)。目がシバシバする。

9日(日)しーシュ週末遠征:萩市 陽だまりガーデン----------------------------------------------------------------

雨あがり、萩市を目指す。

萩と云へば陽だまりガーデン。あの好ましいログハウスを、やはり年に壱度は訪ねておかんとね。ワシは2月に萩に来て、オーナーの山縣さんと会ってゐるが、しーなさんはホンマに久しぶり。けふは自分らで機材持ち込みやので、のんびり話しながら作業を進めるも楽しい。そのセッティングが、だいぶ早く適確になった我ら。

奇しくも萩の市内は、「着物ヲーク」といふイベントが開催中。町中の至る所に、ちゃんと着物を着た若者らが散策しており、えぇかんぢ。ワシらは空き時間に、なんやえぇかんぢの川辺に、車停めて昼寝したりもした。

さてライヴ。割と顔馴染みのお客さんだったが、けふはいつに増してレスポンスが遅い。ウケてない訳ではないが、曲がジャン、と終わって(終わらんのも多いが)拍手が来るまでの「間」が、えらく長いのだ。これは面喰らった。ので、昨日とはうって変わって、けふはシツコイぐらいMCを入れ、いっぱい説明しながら曲を演った。これはこれで好評だったやうで、「いつもは割と息も付けぬかんぢなので」と云はれてん"〜〜〜〜〜、と思ふ。

まぁCDはよぅ売れたし、ほぼ全部のお客さんが残って打ち上げに参加してくれたので、ホンマに好評だったのだらう。ライヴは場所が変わると国が変わるくらい、差がある。

10日(月)しーシュ週末遠征:長門市 パタ屋-----------------------------------------------------------------

長門へ。去年は11月にやはり萩→長門の行程でツアーしており、このルートもお馴染みになったな、と。

けふはなにやら広島から、パーカスの「てっちゃん」こと小川哲弘が来てくれる事になっており、「カホン持って来るんやろか?」「来るなら叩いてもらふかね」とか考へながら、パタ屋を目指す。したらワシらが着いてナンボもせぬうちに、てっちゃんが登場。ひとりで車転がして来たらしく、まぁ、さういふ遠出や野外活動が好きな男らしく、手慣れたかんぢだ。

当然、一緒に演ってもらふかんぢにして、リハなど。けふはホンマに宣伝などが出遅れてしまひ、4〜5人でも仕方ないか、と思ってゐたのだが、ライヴ時間にはけっこうなお客さん入りでホっとす。「年に一度の楽しみよ〜」と云ふて下さる方もゐて、あぁやはり来ねばならぬな、と思ふ。心して演るべし。

けふは、短かめの前半30分→しーシュそれぞれソロ2曲づつ→てっちゃん入りでアクースティックトリオで4曲→カヴァーを3曲→オリジナル3曲→アンコール、と云ふ流れで演った。てっちゃんはもぅすっかりしーシュのナンバーに慣れ、こらぁもぅさらにレパートリィを増やすしかないね、と(笑)。パタ屋と来ればパーカスのナオエで、けふは彼女も久しぶりに顔を出してくれてゐた。終演後、てっちゃんとパーカス談義を交わしてゐた模様。

最近、パタ屋にはNPOが入っており、そこの若い娘さんらがあれこれ手伝ってゐるらしひ。けふもスタッフはスタッフで、さういふ盛り上がりを見せさうな雰囲気だったので、ワシらは撤収。泊まってく事にしたてっちゃんも交えて、部屋飲みの打ち上げ。これも楽しい。

11日(火)-----------------------------------------------------------------

起きたら、てっちゃんがスタッフの女性らと語り合ってゐた。ここに、芸北の正直村界隈の連中も呼び、パーティのやうなライヴイベントを組もう、と盛り上がる。前にワシらが主催で演った「パタ屋感謝祭」のやうなやつだ。ぜひ実現させやう。楽しみ〜。

さて、けふは愚かにも仕事を入れてしまってゐるので、帰らねば。夕方前に帰り、またすぐレッスンに出発。レッスン後は、つぃにこの週末でクローズする、我らがフライングキッズの最後のライヴ---佐藤弘之五十嵐進、のライヴを観に行く。ワシも壱曲参加してギターを弾いた。

あ"〜〜、ホンマに閉店か・・・、と思ふ。

しかし、居抜きで譲り受ける次のオーナーも、なにかイベントをしたい、と考へておられるやうで、さういふ事ならば、生声ライヴなどが出来ない訳でもない。上手く引き継いで頂ければ良い、と切に願ふ。

12日(水)-----------------------------------------------------------------

レッスンしかない日。ちょっとのんびりさせてもらをふ。

午前中ギターをちょっと練習し、午後からちょっと走り、夕方にかけて映画を壱本観て、ちょっとだけレッスンしに行き、ちょっと酒呑んで寝る。

13日(木)-----------------------------------------------------------------

今月2本目のオリエンタルホテル。だが、先月末と重ねると3週連続で出演してゐる。自分が厭きぬやうに、先週は保本そのえに手伝ってもらったが、けふはまたソロに。

演目を改定もしてみる。最近のここのお客さんは、いかにもな「スタンダード」より、フォークや歌謡曲に反応する傾向があり、英語の唄にこだわる必要性もあまり感じなくなった。ので、英語の唄に日本語の歌詞を乗っけるアレで、けふはかの「イエスタデイ・ワンスモア」と「イマジン」を増便。我ながら仲々良いのが出来たと思ふ。前に書いた『シェルブールの雨傘』の訳詞はしーなさんにも好評で、彼女もレパートリィにしてくれてゐる。この辺もさうなれば良いな、と思ふ。

朝晩がだいぶ涼しくなり、夜のチャリでの帰路が寒い。

あ、さぅさぅ。なんかゴダンのフォトコンテストで、ワシの写真が優秀賞をとったさうな。こは「ゴダンのギターを抱えてる写真をアップするとナニか良い事があるらしひ」といふ事で、よく内容を知らずに応募してゐたのだが、どーやら受賞したやうだ。最優秀賞はどーやらギターがもらへるやうだが、優秀賞はTシャーツ。すこしうれしい。

14日(金)-----------------------------------------------------------------

けふ急遽、ぱんぱかトリオで動画を録る事になり、ひっさしぶりに「縦べぇ」を準備。なんと前回のぱんぱか納涼大作戦ライヴ以降、ケースからも出してない。それでなくても此所ん処ギターの練習しかしてへんしナー。ケースに入れるからイカンのだろな・・・。

泥縄、の感は否めぬが、昼までかけて指練習などし、感覚を思ひ出しておく。

レッスンのち、スタヂヲに入り、まづはウェブラヂヲ「旅のしゃべラジ」の収録を。縦べぇ云々もアレだが、ぱんぱかトリオが集まる事自体が、8月の名古屋ぶり、といふ(笑)。収録はいつものやうにグダグダと。この番組(?)も、開始当初こそ評判になったが、回を重ねるにつれ視聴数が落ちてゐる。ん〜〜〜〜。マンネリ化してはいかん、とも思ふが、マンネリこそこのトリオの真髄、と云へぬでもないので、難しい。

その後、最近カワちゃんが凝ってゐる『唄動画』を録る。カワちゃんがこれを継続してゆくなら、ワシは『収録ごとに違うベースを使ふ』てのを演ってみたいな。初回は「う"ぃを子」を使って、けふは「縦べぇ」。次回やるなら「白子」か「ドゥナ」か・・・?。そんなかんぢで、「あをぞう」まで録って行けたら(ワシは)楽しいのだが・・・。


3週目

15日(土)-----------------------------------------------------------------

休み。フライングキッズ最後の営業日、といふ事で、純粋に「呑み客」として行く。

けふは流石に、なぢみのお客さんが別れを惜しみに来ており、しーなさんがフラと顔を出したり、サトさんやパイグがゐたりした。日頃ここでは呑まないヰスキィなどをロックで呑りながら、誰彼なく色々語り合った。預けてゐたCDや、もぅ要らぬ店置きの音源やDVDなど、頂いて帰る。

居酒屋椎修に使わせてもらふやうになって5年、その前のちょいちょいライヴを演らせてもらふやうになってからは、何年か?。ホンマに色々と楽しい事をやらせて頂きました。ありがとう!。永らくの営業、お疲れ様でした。

それぁえぇんだが、フラキズに行く途中、チャリの操作のナニカを誤ったやうで、久しぶりに派手に転倒してしもた。チャリがコケると意外なほどデカい音がする。通行人が少なからず居たので、軽く会釈して「全然痛くねェよ」な風を装って立ち去ったのだが、痛い。時を追うにつれ、だんだん痛くなってきた。特に左手の小指の側面を、多分アスファルトで削ってしまってゐて、痛てててt・・・。

16日(日)----------------------------------------------------------------

休み。昨日の転倒は、やはり「軽度の全身打撲」だったやうで、腰も痛いしケツも痛い。左の膝や肩も強打してゐるやうで、ヤレヤレ。

幸い休みだし、尼存に注文してゐた『遊星からの物体X』のDVDも届いてゐたので、それらを観て過ごす壱日、とす。

17日(月)-----------------------------------------------------------------

51歳の誕生日を迎えた。

去年は例の「50歳50曲マラソン・ライヴ」を敢行し、多くの人々に祝福&応援され、賑やかな誕生日であったが、今年はなんとこのハレの日にバイトを入れてゐるワシ。さう、最近ちょこちょこやってゐる「趣味のアルバイト」だ。

全身打撲な上に腰痛。おまけに今朝は今朝で、道端を歩いてゐて、縁石に足の親指をブツけ、爪がばっくし割れてしまった。痛いッ。小指も痛いが親指もまた・・・。かつてない満身創痍で51歳のアルバイター、なワシ。

行ってみると、これが今までで一番ヘヴィな運搬作業で、2トン車いっぱいの「絨毯」を積み込む作業。満身創痍の身体にムチ打ち、4時間従事し、たいへんくたびれたが気分爽快!。まぁ、なんてーか、たいへんワシらしい誕生日だった、と云へないでもないでもない・・・。

18日(火)-----------------------------------------------------------------

4時間、中腰で重いものを右左、左右、上下、と運搬して、転倒の後遺症とも相まってけふはさぞや・・・、と思ってゐたがさにあらず。ナニやらバイト前より身体の調子が良い。むしろバイト前患ってゐた腰の痛みも引いてゐる。ヒトの身体と云ふは不思議だ。色々タマタマなんだらうけど・・・。

フォークトリオ「よなかのとうふ」のリハ。このユニットもよぅやくライヴが決まった。

今月末にしーシュのフォト・セッションをやる、ののロケハンの為ひとり市内を彷徨う。2〜3ケ所えぇかんぢの場所を見つけた。今回のセッションでは、これまでになく、なんつーか「頽廃」をイメェヂしたものを撮りたい、と思ってゐる。

そぃからレッスンへ。会場に向かう途中のコンビニで、久しぶりに祈り部のナベちゃんこと渡辺裕平にバッタリ。ワシの姿を認めると車から飛び下りて駆け寄って来てくれた。少なくとも彼にとってのワシが、「偶然会った事を喜んでもらへる存在」である事が嬉しい。元気さうでなにより。

さて、51歳ねぇ・・・。どーしたものか、と考へる。

19日(水)-----------------------------------------------------------------

かのレス・ポール氏は、スタインバーガーが世に出るよりはるか以前、すでに「ヘッドレス・ギター」を開発してゐたさうな。ふぅむ。残ってゐる文献は少ないのだが、その容貌は瓢箪のやうな・・・。やはりスタインがあれほど爆発的にヒットしたのは、あの未来的なフォルムの力も大きいのだらう。そのスタインでさえ、時代の波間に消えてしまって久しい。

しかし、近年発表される新時代ベースの、なんたるカッコ悪さよ。相変わらずもっさりしたボデーと、演奏性ばかり追求したデザインで、ダサい。弦の数ばっかり増えてるしよ・・・。なんか9弦(普通の4弦ベースの下に2本、上に3本追加)、とかってーのもあるらしひよ。Low-F#なんて再現できるんかいな?。Hi-B♭なんてもぅギター弾きゃえぇぢゃん。

しーシュのリハ。ハーモニィのアナライズを含めた、真面目な練習。ちょっと新曲。そぃから明日のライヴの為に、機材を会場に先入りさせる。こたび初めてしーシュで機材(パワード・ミキサー)を購入し、それを使う初めてのライヴとなる。楽しみ。

そぃからやはり明日用の食材(ディナーショウなので)を買い出しに行き、そっからレッスンへ。

20日(木)-----------------------------------------------------------------

しーシュ久しぶりの地元ワンマン企画、タタミ屋PICOの秋まつり。

居酒屋椎修の縮小ヴァージョン、みたいなかんぢで、ライヴに小鉢料理が付く、といふシステム。久しぶりにタンドリーチキン(のやうな)なぞ作ってみたりした。初めて来るお客さんもゐて、昭和初期からここ流川に存在し続けた畳屋の佇まいに、皆さん興味津々。料理も好評である。ライヴは如何に!?。

居酒屋スタイルで、前掛けを着けたまま演奏。マイナー調の曲をできるだけ排し、明るめの曲ばかりで構成。お客で来てくれてゐたてっちゃんや、勿論店主ツンちゃん(水木恒夫)もゲストに呼びぃの、アンコールはやはり生声で演りぃの、と割とバラエティ豊かに、まったりと演れた。遠く横浜や大阪からも訪ねて来てくれたお客さんもゐて、「しーシュ、地元ではどんなもんかいな?」との思ひにも、応えられたんではないか?と思ふ。

けふのトピックは「シュウ麺:作製実演」で、ワシが4人前のシュウ麺(あさりと大葉としめぢを使ったパスタ風の焼そば)を作る鉄板の回りにお客さんが集結。調理のコツなどを説明しながらチョイちょいと作ってゆく様子は大好評で、メモまで取られてゐる人もゐた(笑)。本業は音楽家ですのでね・・・。

終わってみると、なかなか好評なワンマン・ライヴとなったやうだ。ほとんどのお客さんが、終演後も残って打ち上げに参加してくれた。

フライングキッズが閉店したいま、完全に「ライヴハウス難民」のしーシュ。このやうな自主企画が打てるのもPICOだけになってしまったが、ここは本来ツンちゃんの『仕事場』。あまりおぃそれと使わせてもらふ訳にも行かず、やはりもぅひとつふたつ主軸になるハコを開拓して行かねばならん。

ミュージシャン、お店共々に利益を上げて行くライヴ、を企画するといふささやかな事が、こんなにも難しい広島市内。

21日(金)-----------------------------------------------------------------

「乱葛」の朋友 大槻オサムからの誘いで、久々の即興系セッション@アビエルトに出演。

長崎からやって来た 長沢哲(Drums)を、広島からワシと、川口賢哉(尺八)が迎え撃つライヴ。長沢さんは全部で10コのタムをきっちりチューニングし、ドラムで音階を奏でるドラマー。即興系ドラムとは云へ、以前やはりアビエルトで共演したのなか吾空さんとは全く違うタイプ。川口さんは何度かワシのライヴを観てくれてゐるらしひが、ワシは初めてプレイを聴く。このトリオにオサムくんの舞踏が加わる。

長沢さんのプレイは、上述のやうに特殊なセットにて、音だけ聴いてるとまるでスティール・パンかガムランのやうな響き。リズムで攻めて来るタイプではないので、どのやうに絡むか、また絡まないか、を駆け引きしながら・・・。結果的にはイく時は全体を仕切るつもりでイき、局面によっては4〜5分まったく弾かない、といふアプローチとなった。

かういふセッションでいつも思ふのは、ワシは楽しかったけど・・・、といふ感想。けふはまさにさうだったのだが、例えばワシの「ポップ面」しか知らぬ人が、どんなライヴなのか知らずに観に来てくれた場合、これを楽しめるだらうか?といふ不安。ワシはプレイヤーとして、かういふ演奏をも楽しめるキャパを持ち合わせてはゐるが、しーシュでのワシしか知らぬ人に、かういふライヴをお勧めできるか?と問はれれば・・・。

観てる人を楽しませてナンボ、といふ思ひが強くなったのは、ワシが職業としてエンターテイメントを考へるやうになったからだ、と思ふ。昔はそれこそ「聴き手がどー思おうが関係ない」みたいな気でしか演ってなかった。ある意味、それは「強さ」だった。今のワシは「弱気」なのだらうか?。できるだけみんなが楽しめるやうに演ったつもりではあるけれど・・・。

セッション自体はホンマに楽しかった。特に長沢さんのプレイはホンマに素晴らしくて、次の機会があれば、今度は是非「作曲もの」で共演してみたい、と思ふ。


4週目

22日(土)-----------------------------------------------------------------

しーシュのリハ。

なんとこないだのPICO秋まつり、を機に、今後まる3週間しーシュのライヴがない。毎年秋口はこのやうな事態が見受けられるが、今年は居酒屋椎修はないわ、オリエンタルホテルはないわ、でホンマに「ライヴ日照り」である。9月まで快調に飛ばして来たライヴ・ペースが、年末にかけてぐッとダウンする。よろしくないですね。

そこで「独りでもライヴす」といふスタイルにおける将来性、といふのを考へた。

ベースの弾き語りにおいては、自分的には技術アイディア共に行き着いた感がある。これ以上新しい発想が生まれる事は、もぅないだらうし、それを研究する情熱もない。現在持ってゐるアイディアを、これから先もくり返し練り上げて行く、といふ事で充分だらう、と思ふ。

ギターの弾き語りにおいては、まぁもちっとギターが上手くならねばどーにもならん、といふのもあるが、まづ其のスタイルからして「凡庸さ」から抜け出すのが難しい。

そこで、このふたつをミックスす、といふのはどうか、と。

ギターとベースのダブルネックだ!。これを駆使し、ループも使えばより広がりのあるパフォーマンスができるに違いない。過去2回、ダブルネックで失敗してゐるもぅひとりのワシが、『まだ懲りぬのかお前は』と叫ぶ。「否、今回ばかりは!」ともぅひとりが応える。妄想劇場。

23日(日)----------------------------------------------------------------

教鞭を取ってゐる、五日市F楽器店の発表会リハに。

今年はナイ、と聞いてゐたのでその気でゐたのだが、やはりある、とかで、なんかバタバタす。結局ワシの元からは生徒は出せず、ワシが代役として数曲弾くことにす。まぁそれは構わんのだ。会場の規模も小さいし、出演者の数も少ない。今のワシは組織に属さぬインストラクターなので、ホンマは自分の生徒掻き集めて自分で発表会を開けば良いのだが、なかなか・・・ねェ。

あぁ、ベースの生徒に関してはワシがギター弾いて唄い、唄の生徒に関しては「よなかのとうふ」としてバック演奏し、ギターの生徒にはワシがベースで伴奏し、といふ、そんな発表会しても良いかもねぇ。あぁ そは良いねぇ。いつかやらうかね。

ゆんベの妄想の続き。ダブルネックのナニかを探す旅。やはり「上」はベースで「下」がギターだらうか。ベースはフレットレスで、取り回しを考へてミディアムスケールか、ショートスケール。ギター部はエレキよりアコに近く・・・。できればピエゾが良いが、いまの「ごだん」のやうな1ハムでも良いかな、と。ボデーはあまりデカくならねばどんなンでも良いが、やはり見た目にはフルアコ系が良いのか・・・。

したら信州の某個人楽器職人から一点、中古が出てゐた。なかなか良ささうだ。値段にASK、とある。「云ひ値」て事か?。てな訳でメールで問い合わせたところ『80万』との答えが帰って来て、まぁ買えませんね。「60万までなら値下げできます」との事だが、まぁ買えませんね。

24日(月)-----------------------------------------------------------------

しーなさんのマンスリー企画「月刊椎名@ふらんす座」に、レッスンの為 少し遅れて行く。

相変わらずの満員の会場。けふはとりわけセクシーな衣装でキメており、場内からはキャメラのシャッター音が途切れぬ。ハロウィンにちなんで、客席にも仮装して来ておられる方もおられ、それもまた華々しい。

いちをう「今年いっぱい」といふ限定企画で、1月から10回目を数えてゐる。毎回おなじくらいの盛況で、我が相棒ながらその個人人気の高さ、に毎回感心してゐる。特典付きのスタンプカードを作ったり、お菓子を出したり、ことあるごとにお客さんに「一杯オゴる」といふ局面も設けてはゐるが、朗読や即興、ピヤノ以外の楽器へのチャレンヂ、と内容にも手は抜いておらず、日々の彼女の忙しさをよぅ知ってゐるだけに、それもまた我が相棒なれど感心してゐる。

終演後、その辺の事を本人に話してゐたら、ヲルガン座(ヲルガン座はひとつのビルに「廃虚ギャラリー(4F/ギャラリー)ふらんす座(3F/ピヤノホール)ヲルガン座(2F/喫茶&ライヴホール)十日市アパート(1F/レストラン)」と分かれており、この地区の若者文化発信地、のやうになってゐる)で行なわれてゐたライヴのお客として来てゐたらしひカワちゃん春駒のカシラ、鎌倉のチューソンさんが現れ、合流。昨年6月 藤沢で行なわれた「瀬戸内ナイト」の同窓会のやうになり、しばし旧交を暖めあい、楽しく酒を酌み交わしたのであった。

25日(火)-----------------------------------------------------------------

大麻の合法化を謳ってゐた元女優が、大麻所持で逮捕され『あ〜ぁ』なかんぢ。

まぁ合法化を叫ぶくらいだから・・・、てゆーのもあるが、なんでもぅちょっと慎重に出来んのかね?と思ってしまふ。かういふのって「怪談・累ヶ淵(かさねがふち)」みてぇに、もぅ何回もお祓いしてお祓いして、あと1回で成就、て時に心が乱れてお祓いをスルーしちまって、また呪われて元の木阿弥、みたいな・・・。勿体ないよねぇ。

そんなに大麻に関わりたいンなら、こんな国さっさと捨ててアムステルダムに住めば良いのに、と思ふ。今の日本に、犯罪者になってまで大麻の合法化を進めるほどの値打ちは、ないと思ふのですがねェ。

26日(水)-----------------------------------------------------------------

日本を代表する、といふか日本のポップス界の長、といふかまぁ、もぅ日本のベース弾きの頂点に立つ、セッション・ベーシストの神、岡沢章氏が、70年代にソロ名義で唯一出してゐた、「ヴォーカル・アルバム」がCDで再発された、といふ報せ。

ベーシストとしては「神的」な存在なれど、しかしその唄の素晴らしさも、一部の人の間では定評だった。他人のアルバムなどでちょいちょい唄っておられたのは知ってゐたが、個人名義でアルバムが出てゐた、とは!。

最近、ラヂヲでオモロい音楽に触れる機会が多い。「グリム・スパンキー」といふバンドや、「Rei」といふ女性シンガーなど、かなり素晴らしく、最近のモノもなかなか捨てたもんではないな、と思ふ。一方で「音楽配信トップ50」とかで出てゐるモノには、見覚え聞き覚えのある名前はひとつもなく、またその内容も腐った柿のごとく毒々しいシロモノ。10秒も聴いておれぬものばかり。

まぁ、これで良いのだらう。「配信」に音楽を求むる者は所詮流行を追うばかり。良質なものは自らの審美眼で動いて手にする。

27日(木)-----------------------------------------------------------------

我が「アニキ」伸さんこと、BARAKAの依知川伸一さんが、ツアーで広島に来られてゐて、コンサートの後、広島の「地下室の会」メンバーで集まろう、との話しになった。のに、行く。メンバーはワシにパイグ道上いずみ、と山本優一郎の4人。中野チカラさんは残念ながら欠席。いつのまに広島メンバーこんなに増えとったんか?といふかんぢ。

パイグはまだしも、いずみちゃんや優一郎は久しぶりで、再会を喜び、語り合った。東京での同会も顕著にさうなのだが、ベーシスト同士はあまりモメることなく、世の中を渡る。かういふ席でも、なんとなく皆が気を使いあい、ちゃんと話しを聴きあい、しかも誰も説教はしない(笑)。ギタリストやヴォーカリストだと、かうは行かぬだらう。偏見ですが・・・。

良い会だな、と改めて思ふ。楽しかったので、ちょいと飲み過ぎた。帰り道の事をあまり憶えておらん。

28日(金)-----------------------------------------------------------------

今週はホンマに「ゆるい」週だった。そこそこ仕事はやったが、「働いたか?」と問はれると「ん〜〜〜〜〜〜」と・・・。

何なんでせうね?、音楽家、といふモノのモデルケースてのがあるのかどーか知らんけど、ホンマに寝るヒマもないくらい忙しい音楽家、てのも確かにゐて、しかし音楽で飯喰ってるひと全てがそんな訳でもない。空いた時間にバイトしてる人もゐるだらうし、レッスンを中心に活動してゐる人も居ろう。

ワシ 梶山シュウ、といふモノは、音楽家としてどーなのか?とか、思ふ訳ですよ。年間150本のライヴ、てのぁ「成功」してる方なのか「まだまだ」なのか。週に数えるほどしかレッスンせず、ときたま趣味でバイトして、人のライヴや映画はそこそこ見に行って、酒もまぁほぼ毎晩呑んで、練習はわりと毎日やってるけど、ライヴがない時なんぞ、ホンマに廃人より地味な日常だし、此所数年不景気でさうなのか?と云ふとこれがまたさうでもなく、よぅ考へたら25年ぐらいづ〜〜〜〜っとこんな暮らしぶりだし、しかし「喰ふに困った」事は、まだないし・・・。

人と比べる事には意味がないと思ふけど、ワシは「どの辺」にゐるんでせうねぇ?先生。

29日(土)-----------------------------------------------------------------

遠方の友の急な訃報が入り、先方まで出向くべきかどうかギリギリまで悩んだのだが、涙を呑んで弔電だけに留めておく。交通事故ださうだ。遺された人達の心境や、如何ばかりか・・・。御冥福をお祈りします。

その心情を引きずってやや心重いが、来週月曜のフォトセッションに向けて、ひとりロケハンに出かける。こは「廃虚っぽい場所を探してゐる」といふワシの話しに、ぱんぱかトリオのカワちゃんが提案してくれた処。場所の詳しい説明は避けておくが、まぁ島しょ部にあり、舟で行けばおそらく1時間チョイ、だと思ふが、けふは渋滞に捕まる事を覚悟で、陸路で(橋はかかってゐる)往く事にす。

予想通りの渋滞に巻き込まれ、目的地に付いたのは15時くらい。「!」と思ふやうな急な坂と深い森を抜け、到着した其処は、まぁホンマもんの「廃虚」だった。まぁ廃虚を観光資源として使おうとした(してゐる)やうで、随所に手が加えられた形跡はあり、侵入も自由にできる。展望台まで設えてあったりするが、なんせ周囲が深い森で、しかも方位の関係からか、天気の良い日の15時くらいだと云ふのに、既に暗くなりかけてゐる。

そのうえ、人っ子一人おらず、流石のワシもちょいと怖い。

まぁ、此所まで来てオメオメ帰ったんでは漢がスタる、と勇気を振り絞ってあちこち観て廻る。ワシのイメェヂに合いさうな場所を数点確保。念のため、コンパスで方位も確認し、早い時間の光を使えば、良い写真は撮れさうだ。

30日(日)----------------------------------------------------------------

奥泉光の「ビビビ・ビ・バップ」といふハードカヴァーを読んでるのだが、これが進まぬ。

この人の作品、「虫樹音楽集」といふのがドンピシャで、音楽に造詣が深いらしいところを気に入り、その後「鳥類学者のファンタジア」といふ音楽もの(ジャズにまつわるファンタジィだった)も、楽しく読んだ。で、この「〜ビ・バップ」、その「鳥類〜」の続編、てゆーか、未来編てゆーか、と聞いたので、新書を購入。

したらこれがなんとSFで、まぁ確かにジャズにまつわるシーンは出て来るものの、それ以外のSF的世界解説が長いながい・・・。そこを読んでるうちに眠くなり、てゆーのをくり返しており、読み始めて1ヶ月経つのに、まだ2/3も進んでない。何度も「辞めるか」と思ったが、まぁ挫けずに進めてゐる。

さらに云へば最近、本を読み始めてから眠くなるまでのペェスが過剰に早くなっており、「眠くなるまで本を読む」といふ習慣が、「本を読むと眠くなる」といふ悪い条件反射を生み出してゐる。トシかねぇ・・・。

31日(月)-----------------------------------------------------------------

怖い思ひをして行って来たロケハンの成果や如何に。

て事で、毎年恒例のしーシュ・フォトセッションに出動。キャメラマンは勿論「チョッケンさん」こと竹元のほる氏。今回は航路で。フェリー約40分の船旅。したらまぁなんと1時間チョイで、目的地に着いた。お昼ちょっと過ぎ。ワシの予測は当たり、ロケハンの時より曇天にも関わらず、光はたっぷりとあって、明るい。これなら怖くない!(笑)。チョッケンさんも、「此所はスゴいねぇ」と興奮気味。

早速ワシのイメェヂをあれこれ伝え、細かくディレクション。どっちかてーとこれまでのしーシュは、「自然」「緑」「さはやか」なイメェヂで絵を遺して来たが、今回のワシにあったのは、くすんだ色合い、虚無感、と云ふもの。さういふ意味で、廃虚は舞台にふさはしく、わりと今までにないタイプの写真が撮れたのではないか、と。勿論「エロデューサー」としては、いかにしーなさんをエロく美しく撮るか、も入念にディスカッション。

ロケハン時と同じやうに、15時を過ぎたら急に日が陰ってきた。早めに来て正解だった。暗くなった中でも数点撮影し、2000枚近く撮って終了。今回はロケハンが見事に効を奏した撮影となった。怖い思ひをした甲斐があった。今回も良いフォトセッションだった。

行き帰りを航路にすると、全行程1時間チョイで行き来できた。陸路より何倍もアクセスが良い。風情もあるし、この島しょ部へのフェリー、廃れてゐるやうだが、是非残してほしいモノではある。


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