新春 音もダチ・キャラバンツアー

7日(水)名古屋アルマジロ-------------------------------------------------------------------

新春ツアーの幕開け。午前6時半。まだ暗い中しーなさんと落ち合い、18切符にて名古屋を目指す。

16時に名古屋に着。会場のアルマジロはワシらにも馴染みの箱。なにせ去年は7回も名古屋に来てゐるワシらであった。入り時間の5分前にアルマジロに着くと、ちょうど同じタイミングでお江戸から朋郎が会場入りしたところだった。今回の旅はこのやうに、終始時間に誠実な面子が織り成すアレコレが楽しく、『小物道』といふテーマすら生む事になった。

新春「音もダチ」キャラバン。初日のけふは座長:富安秀行を筆頭にワシら、お江戸から朋郎とギターの北川涼、奈良からバンジョーの吉崎ひろし、地元名古屋からパーカスの本多Taco bow 、の8名。全体を一つのパッケージとして、それぞれの見せ場、持ち味を活かした、まさに「ショウ」。これがあと何日か行動を共にするのか、と思ふだけで楽しいキャラバン隊である。

お客の入りも上々。良い出し物で初日を飾る事が出来た。

8日(木)美濃加茂ワンダーランド------------------------------------------------------------------

キャラバン2日目。雑魚寝から起きだした面子が、てんでにそれぞれの世界を過ごすのも楽しい。

車数台を連ねて、美濃加茂に移動。かういふ事でもなければ、名前すら知りうる事のなかった土地だらう。けふの会場ワンダーランドは、なんと「本屋さん」。色んな場所でライヴ演ったが、本屋は初めてだなぁ。しかし、少年時代は本屋通いが日課だったワシにとっては、格別の感慨。数々の「本」達にも聴かせる気持ちで、けふは「書にまつわる」曲でラインナップを構成。またこれが本が音を吸うせいか、適度にデッドで良い音なんだな〜。

お客さんは、美濃加茂といふより、近隣の区々からやって来た精鋭、と云ふ印象。昨日の面子にお江戸からウクレレ弾きうたいのりかが合流。

ちなみにここワンダーランドのマスター、てゆーか店主は「シュウ」さん。ワシと同じ漢字を書いて「シュウ」と読むのが本名ださう。読みを変えて「シュウ」と名乗ってゐるワシは、勝ち負けで云ふと負け、だな(笑)。

お客さんもほぼ全員残り、その場で打ち上げ。料理上手のシュウさんが振舞ってくれる絶品料理の数々を貪る我ら。いいなぁこのお店。いつかしーシュでワンマン演りたいなぁ。

9日(金)三ヶ日WATTS-----------------------------------------------------------------

キャラバン3日目。夏のフェスでお馴染み浜松は三ヶ日WATTS。

けふから吉崎さんの車に便乗し、またまた数台連なり、浜松まで。途中で皆でメシ喰ったりしながらのキャラバン移動は、長年孤独な旅に慣れた身からするとことのほか楽しく、なるほど着物団らのツアーが楽しげなはずだわい、と思ふ。適度に男女が共存してる、てのも良いね。

けふから京都の末松よしみつさん(ヴィヲロン他)、名古屋のテルキーこと照喜名俊典(管楽器)が参加。ステージ上の人数は10人となる。流石にこれが全部ステージに乗ると狭い狭い。しーなさんとほぼくっつくやうにして唄う姿は、またしーなファンの反感を買う。

ちょうどワシらの出番頃に、浜名湖上に月がかかり、たいそう幻想的で美しい光景だった(写真参照:しーなさんの上あたりに光ってゐるのが月。よーく見ると湖面に月が写ってゐるのも確認できる)、とか。ワッツは演り慣れた箱であるが、けふはナニか音像が掴めず、結果的に今ツアーで一番演りにくかった会場となってしまった。

10日(土)刈谷サンダンス----------------------------------------------------------------

キャラバン4日目。ハンバーガーの名店、刈谷はサンダンス。

音もダチツアーの中で、けふだけがちょいと毛色が変わり、13時から20時まで、それぞれの出演者が転換を含めて1時間づつの枠を担当する、といふ流れ。メンバーの組み替えや賛助出演も自由で、器用なワシらは、結果的にりか&涼のステージ以外の全ての枠に出演する事になった。それはそれで楽しい。

けふはテルキー不参加。代わりに、キャラバン隊のメンバーではないが、ワシらにも縁りの深いハモニカの今野邦彦が参加。昨日よりもさらに狭いステージ。

けふのワシらはあえてカヴァーを入れてみたり。長時間ライヴが続いてゐるが、お店は通常営業で、流れのお客さんも多い。そこを鑑みたつもりではあったが・・・どーだったのかな?。今のところ、ラインナップの構成は毎日変えて臨んでゐる。

11日(日)復活 唄うたい2015:名古屋ボトムライン------------------------------------------------------------------

けふのワシらはキャラバン隊を離れ、個別ルートで再び名古屋へ。

ここ数年恒例の、ボトムライン「唄うたい」である。昨年のこれで、いちをう「ファイナル」としたハズだったのだが・・・(笑)。今年から「復活」といふタイトルで、最初期の参加メンバーで再始動、と捉えて良いのかな?。出演はワシら、Wet Back、男友達、りぶさん、Five roses blues band、Moony&邦彦、の6組。

まぁ間違いなく盛り上げてくれるであらう面子の中で、ワシらは徹底的に独自路線・・・、あえて暗い、重い、を押し出すラインナップで構成。広いステージの視覚的要素を活かし、しーなさんのセクシー攻撃も手を抜かず、中原中也の朗読まで取り入れ、先攻のFive Roses〜が暖めた客席を、一気に海の底まで引きずり降ろすパフォーマンス。

この狙いは大成功で、我らの30分の出し物は、良いか悪いかさて置き、かなりお客さんの印象に残ったやうだ。恐れずにこの路線を押し進めて行かん。

後続、Wet Backに加わってのステージはもぅロックバンドで。リズムの核をTaco-bowさんとふたりでグっと引き締め、要所要所をしーシュのコーラスで彩る、と云ふニッチ。打ち上げで聞いた、古くからのファンからの意見も絶賛の嵐で、良い仕事が出来たな、といふ印象。

12日(月)松阪MAXA------------------------------------------------------------------

キャラバン隊に復帰して、最終日。昨年末に来たばかりの松阪MAXA。

この面子の中では、いちばん「マクサ慣れ」してゐるワシらである。が、けふの進行では「しーシュ」としての演奏枠は壱曲のみ、と知る。ここでどの曲を選ぶか、が問われる訳だ。佳曲で勝負するか、盛り上げるか、しっとり聴かせるか・・・・・。思案の末、変拍子、キメ、男女ツイン唄、歌詞の世界観・・・、今もっとも「しーシュらしい」と自分らが判断したのは「亀の庭」。冒頭に中原中也をくっつけてスペシァル仕様でお送りしました。

けふは「ホスト」として男友達(高田エージ&中山剛)のおふたりが要所をグっと抑え、下手するとショウケースになりかねないステージを、上手くまとめてくれた。残念ながら去年の「新春音もダチショー」と比べても、集客の寂しさは否めなかったが、ほっこり暖まる良いライヴだったのではなからうか?。ワシら的にも、昨日にまして自分らの特異なニッチを再確認する、良い機会となった。

旅を共にした「音もダチ」とも、けふでまたしばしのお別れ。大勢で移動し、同じメシを喰ひ、同じ屋根の下で眠ったこの数日は、ホンマに楽しかった。きっとまた近いうちに会えるでせう。魂の兄弟姉妹たちよ。この道の何処かで、また、いつか。


とんで
17日(土)歌声一座(富安秀行&しーシュ)広島巡業:神辺ハイダウェイ----------------------------------------------------------------

新春音もダチ キャラバン・ツアーから流れを汲む形で、けふ明日と富安さんが広島にやって来るのをしーシュで迎え撃つ。まづは神辺ハイダウェイ。

その前に、動き始めた10thアニバーサリィ・アルバムの、写真セレクト会議。今回は曲数も多く、ブックレットも3ページにせんとしてゐるので、載せれる写真も多い。まぁ、しーシュの写真に関して云へば、しーなさんが美しく写ってゐれば、ワシはどのやうに写ってても良くて(むしろ変な方が良い)、まぁさういふ方向のセレクトで。

そぃからにっちを転がし、一路神辺まで。

近いやうで遠い神辺はハイダウェイ。ここん処、年始の富安さんチームの他、当地のAKAGIさんのイベントに参加したり、と縁が多くなった。ワシ個人的には20年以上前から来てゐたのだが、自分の音楽を演る今、一番親密になれてゐるのが嬉しい。

けふは富安さん→ワシら→歌声一座、といふ構成で。もぅこのトリオも3年目となり、個々痒いところに手が届く存在にハマれてゐるので、何のストレスもなく唄う事を楽しめる。お馴染みのレパートリィも、大人数の「音もダチ」からシムプルなトリオ編成となり、聴かせ所をグっと推してゆける強さ。けふはしーシュの「Dance」も歌声一座ヴァージョンで演り、この曲が完成以降初めて、ライヴで男声によるハモがフィーチャーされた。イイネ。

お客さんも大満足!の良いライヴだった。今の処ハイダウェイでのライヴはハズレがない。マスターのTOKUさん、ワシのベースがぢつは結構レゲエに影響を受けてゐる事を見抜き、おぉ!と。今まであまりそこに言及された事がなくて、嬉しいワシであった。

ハイダウェイのあとは、いつもTOKUさんの母上のお宅に居候させて頂くのだが、けふは明日の仕込み(あすの歌声一座@広島は居酒屋椎修特別版)があるので、残念ながらワシらは退散。眠い目をこすりながら、深夜の高速道路を広島へ。

18日(日)歌声一座(富安秀行&しーシュ)広島巡業:フライングキッズ------------------------------------------------------------------

早起きして料理を仕込む。けふは居酒屋椎修の新春企画、として富安さんを迎えるので。

けふは店で仕上げる料理をはずし、すべて家で作ってから持って行く。ライヴ直前にフライパンを振る、といふ処からは解放されるので、まぁ気は楽だ。会場入りの前に新しいエプロン(居酒屋椎修としてのステージ衣装)を買いに行ったりもした。富安さんには通常のライヴのテイで過ごして頂き、ワシらが店を仕切る。

開場してみると、富安さんのファンと、いつもの居酒屋のお客さんが混在し、その枠を越えて盛り上がる、と云ふたいへん良いライヴだった。ワシらも新旧取り混ぜたラインナップで構成。フラキズはワシらのホーム、昨日に引き続きまったくストレスの無い状況で演らせてもらへた。二日続けて良い音で演れるのは嬉しい。けふも良いライヴ。

富安さんは、以前にもワシらが料理を出してライヴをする、と云ふ企画に乗って頂いた事があり、ワシらのさういふ姿勢をたいへん誉めてくれてゐた。それの進化系を見て頂く、といふ意味でもけふの企画は良かったやうに思ふ。終演後も、別会場の打ち上げに行かず、ワシが残り物でチャチャっと賄いを作り、皆がそれをつつきながら喋る、と云ふ、まぁ居酒屋椎修にふさはしい打ち上げ。これいいなぁ〜。

これで、1月7日から続いた新年の富安さん絡み一連が終了。今年に入って既に13本のライヴをこなし、その半分を富安さんと一緒に演った。いや〜毎年、良い経験をさせて頂いております座長。今年はワシらをコーラス隊としてフィーチャーするヴォーカルアルバムを企画中、との事で、何処までもお供しまっせ!といふかんぢの我ら。

まだまだ道は続く。前に、前に。上に、ではなく、前に。


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