11月26日(土)大阪 関目我らの家-----------------------------------------------------------------
さて、目眩収まらぬまま、今年最後のロング旅に出発。
まづは新規移転となった大阪の「ホーム」我らの家。入ってゐたビル自体が取り壊される事になり、運良く関目駅近隣の空きハコが見つかったかどで、めでたく移転。カウンター&ボックス合わせても15人が限界だった前店よりぐっと広くなり、よ〜するにワシらは2回公演をせずに済む、といふ(笑)。皆さん楽しみに待ってくれてゐたけふが、「新・我らの家」ライヴこけら落としなのださう。
どの程度の音を出して良いものか、まだお店側も探り探りの状態。けふ壱日で「騒音苦情につきライヴ禁止」などとなってしまっては切腹ものだ。ので、けふは出来るだけ音量を抑えて演ってみる事にす。しかし、早くから満員となった店内には、期待の空気が満ちており、ヌ〜ム、といふかんぢ。
結果的に、徐々に音量を上げながら、のライヴとなり、こは大成功となった。
ちょっと前にこの店の常連さんに哀しい別れがあり、その方を偲んで唄った「サイドカーに犬を乗せて」では、場内が涙の嵐。危うくワシらも涙が零れさうだったが、なんとか踏み止まって唄い切った。ワシらとも懇意であり、年に数回ワシらが来る事と、店が新しくなる事を、誰よりも楽しみにしておられた方だった。きっと、この日も会場に来てくれてゐたと思ふ。聴いてくれたかな?。
ツアー初日。良いライヴだった。だが、目眩が収まらず、やむなく頓服を服用す。これが失敗となる。
27日(日)名古屋 りとるびれっじ「居酒屋椎修出張編」----------------------------------------------------------------
この早起きのワシが10時過ぎまで起きれぬ、といふ体たらく。酒だけならまだしも、薬飲んぢゃダメだね。「皆で朝飯を喰おう」と待ってくれてゐた人には、たいへん御迷惑をおかけしやした。
気を取り直し、名古屋へ出発。今回のツアーは6日間6ライヴ、といふ結構ハードな旅。しかもけふの名古屋は「居酒屋椎修・出張編」であり、ライヴの他に料理も作らなアカンのだ。名古屋に着き、会場のりとるびれっじに入ったら、すぐ料理の仕込みへ。合間にサウンドチェックとリハをしながら、しかし、広くシステマティックな厨房は、たいへんスムースに仕事が出来、思った以上に効率良く、事が運べた。
そんなこんなで、開場と同時にドっとお客さんが来場。前回、飛騨古川で施行した居酒屋椎修は、『広島の料理を喰わせるデュオが来てライヴするよ』といふ事でお客さんが集まってくれたが、けふはワシらも馴染みの名古屋。お客さんは『あのしーシュが料理を作って唄う』ことに集まってくれておる。キアイは入る。けふはびれっじの幸至朗さんとヒロミちゃんに、完全にスタッフになってもらひ、ワシらは調理に集中。見事な連繋で大わらわの厨房を駆け抜けた。
上述のやうにけふは、「あの」居酒屋椎修が名古屋に!といふお客さんばかりなので、調理中に何人も厨房を覗きに来る。「おぉホントに作ってる!」とか云ってる(笑)。楽しい。共演のアネモイ(本格的なPPMのカヴァーユニット。上手い!)さんの前フリのお陰で、ミュージシャン前にキッチリ料理人の務めを果たせた。
してライヴ。
そんなだから、もぅのっけから盛り上がっており、ワシらはいつもよりさらにリラックスして演れた。MCが妙にハイテンションだったワシだが、まぁいちをう計算上、といふ事で。なんかシュウが壊れた!とか云はれてゐたが、まぁ・・・ね。楽しいライヴだった。
綿密に計算したとは云へ、きっっちり人数分の料理が出て、余り物一切ナシ!といふのも快挙。材料がまったく無くなった店に、ただ牡蠣ガラがごろごろ光ってゐる、といふ光景はなかなかにシュールだった。
28日(月)大阪 なんばパーカホリック-----------------------------------------------------------------
ふたたび大阪へ。
けふは大阪のアニキ 泉尚也さんとの久しぶりの邂逅。ワシはレッスンの関連での出張ツイデに、泉さんのスタヂヲにフラと遊びに行ったりしたが、しーなさんはホンマに久しぶり。けふ共演してくれる泉さんの新ユニット「鰻谷トリオ(ベース、唄、鍵盤ハモニカ)」もオモロさう。楽しみにしてゐたライヴ。
会場のパーカホリックは、昔ながらの「呑み屋ビル」の壱室にあり、これがごく近くに「ホリック」といふ全く別の店があり、最初ワシらも間違えてそっちに行っちった。お客さんも何人か間違えて行かれた人がゐたやうで。「本物の」パーカホリックには、良く鳴るアップライトのピヤノ(ホンマに良く鳴る!)があり、しーなさんには嬉しいだらう。ワシもピヤノの音量に合わせれば良いので、ベースが楽。
大阪近隣の友人知人多数駆け付けてくれ、けっこうぎっちり埋まってライヴ。鰻谷トリオは、ワシらが思ふ「泉さんの好きなタイプのヴォーカル」をフィーチャーした、といふかんぢの。前に組んでおられたFaith(唄、ベース、パーカスのトリオ)と、通ずる処がある。鍵盤ハモニカの佑介くんが仲々のスゴ腕で、もっとアンサンブルが熟れたら、ちょっと恐るべきトリオになるかもしれない、といふかんぢだった。
ウチらも元気に演奏。初めてのお客さんにも充分アッピールできる、良いライヴだったと思ふ。
けふは、最近結婚して大阪に引っ越して来た、笛吹き怪人こと山田さとしが聴きに来てくれており、終演後は彼の新居におぢゃまする。新婚家庭に押し掛ける中年デュオ。
29日(火)大阪 なんばPLACEBO-----------------------------------------------------------------
旅の4日め。だいぶ疲れて来てゐる。
さとしの家でゆっくりさせてもらひ、けふもなんばへ。
けふは奇縁も奇縁。そもそもけふのライヴは、ちょっと前まで広島のヲルガン座で、「月刊椎名」のコ・プロデューサーとして働いてくれてゐた宮下まさき君の企画してくれたもの。その宮下くんが紹介してくれたのは、けふの会場PLACEBO。偶然にも、なんとこの店のオーナーは、2008年にワシがキキオンのメンバーとしてメキシコに行った時、同じく日本から参加したもぅひとつのバンド「ジャンラ」のギターだった石川晃さん!。してその石川さんは、泉尚也さんが教鞭を取ってゐた専門学校の生徒でもあった!といふ・・・。
メキシコの旅、と云へば「Dance」が生まれた、あのバスの国境越えの旅だ。あのDanceのサビが生まれた瞬間、MDに口を付けながら録音した時、石川さんはワシの前の席に座ってゐたのだ。アレ以来の再会。うをぉ〜!久しぶりィ!と旧交がよみがえる。ホンマに嬉しいなぁ。
その嬉しさの中で進めるライヴ。お客さんはいわゆる「関目組」を中心に、関西の友人知人ファンの方々が集まってくれてゐる。カヴァーも入れながら、全体的にちょいとまったりしすぎたかな、といふ気がせぬでもない。勿論「Dance」は外せず、思ひ出など語りながら唄った。石川さんが、かの曲をどー思ったか、は分からんが・・・。
けふも良いライヴだった。宮下くんに感謝。
けふはしーなさんの使ふ鍵盤を泉さんに借りており、それを返しに行きがてらスタヂヲに御挨拶へ。泉さんお手製のカレー(美味い!)を頂きながら、しばし話し込んだ。ゆんべも思ったが、やはりこの辺り「ディ〜プ大阪」といふかんぢがして、えぇわぁ〜。夜も昼も街が「うねってゐる」かんぢ。訳の分からんパワーが漲ってゐる。リドリー・スコットがこれにインスパイアされて「ブレードランナー」を作ったのもうなづける。
30日(水)姫路 ヌアージ-----------------------------------------------------------------
さて、大阪から姫路へ!。旅の5日め。
けふ我らを迎えてくれるは、うわばみヴィヲロン弾き黒田かなで。彼女がギター&唄の西沢和弥さんと演ってゐる演芸デュオ「チョイチョイスちゃん」とのカップリングライヴで、意外にもしーシュ初ひめぢ、なのである。
会場のヌアージは「本格中華の食べれるジャズ酒場」。マスターは姫路では名の知れたギタリストで、日頃はやはりジャズを中心としたライヴが行なわれてゐるらしひ。まぁ云ってみれば、かなでちゃんも立派にジャズを演れるひとだしね。チョイスちゃんはもぅ全国的にも名の売れてゐるチームで、固定客も多く、けふのライヴも早くから満場。逆にワシらまだ姫路にはまったく知人居らずして、けふの集客はチョイスちゃんに追うところばかり。感謝。
こぢんまりした店なので、目の前30cmにお客さんがゐて、逆に演り易いかんぢ。チョイスちゃんは完全にアンプラグドでライヴ。生音生声でのライヴは、西沢さんのエンターテイメントぶりが光る。ワシと同い年。楽しいライヴだ。
ワシらの演奏では、まぁチョイスちゃんの楽しさには適うべくもないが、暗いなりに熱演。変拍子や超絶技がよくウケてぢみなワシらもよぅ盛り上がった。ぢつは昨日まででほとんどCDが売り切れており、けふの姫路と明日の岡山で完売!を目指してゐたが、けふはよぅウケた割にはほとんど売れず。わからんものだ。
最後チョイスちゃんとの共演も良いかんぢに。かなでとワシらは「唄が好きな演奏家」といふ共通項があり、そこを今後もっと掘り下げて行けたらな、と思ふ。かなでちゃん、西沢さん、ありがとう。
12月1日(木)岡山 ORiON-----------------------------------------------------------------
さぁ、晩秋ツアー残り壱本。岡山へ。
音楽酒場ORiON。ワシが春にソロで来た時、「これにて閉店」と聞いてゐた。が、移転して継続してゐるやうで、それならば行かねばなるまい、と。しーシュでは久しぶりの岡山となる。オーナーのNORiさんを筆頭に、あらゆる人から「今度の店は狭いです」と聞いてゐた。が、なんばの弐ケ所、昨日の姫路、ともに結構な狭さの店だった。ので、今回訪れた新ORiONもたしかに狭いが、まぁこれくらいならば・・・といふかんぢ。
ので、けふは「半なま」しーシュで。「半なま」とは、しーなさんの唄とベースを電化し、ワシの唄とピヤノは生で、といふ変則スタイル。ギターで演る「完なま」とも違う。東京は亀有にKID BOXといふ激狭の店があり、あぁいふところで生で唄ってみたい、と思ってゐたので、ちょうど良い。
結果的に大成功だったやうで、お客さんとの距離が近いぶん、家に来てもらって演ってるやうなかんぢだった。ホンマにアットホーム。昨今、生ギターで演奏してゐるくせに、生音で演れぬ者も多い。ちょいと前に「リアル・アンプラグド・ライヴ」=出演者はホンマに生音と生声のみ、といふライヴの出演者を募集したが、たれも来なかった完全な企画倒れを企画した事があったが、今こそアレだ、と思った。
岡山の友人知人駆け付けてくれ、ツアー最終日、楽しく唄った。お客さんはほぼ全員ベーシストだった(笑)。
打ち上げはポップトリオ「だいふく」のおとーさんこと朝井ゆうじが同行。以前は「飲めない人」の代表だったやうなゆうじだが、最近はワシと一緒によく飲む。今年の5月に津山で復活した「だいふく」だが、残念ながらあれからあまり活動はしてない、と云ふ。勿体ないのでちゃんと活動しなさい、とハッパをかけ、またしーシュとの共演を約束する。津山でも岡山でも、何処でも行くよ。