櫻月の壱「嗚呼、高校三年生」

岩本さん、眞ちゃんと今後のサンサーラについて会議。久々に日曜の夜、街に出ました。

最近、和楽器でロックやポップスに踏み込んで「融合」とか云ってるやつら多いけど、アレは違うよね、といふ話になりました。さうださうだとうなづくワシら。こないだの日記でもちょっと触れたけど、小鼓ひとつで『能』全てを表現しやうとする大倉正之助の方がはるかにクロスオーヴァ−だと思ふ、といふワシの意見にうなづくみんな。

************************

「世界音楽紀行」といふビデオ12巻セットがウチにあります。

まだあんまり稼げてない頃(今もですが)結構高かったんですが、奮発して買いました。それこそ世界中の民族音楽を現地で録画&編集したもの(大体、そこら辺のオッチャンやおばはんが演ったり唄ったりしてるもの)で、「なんぢゃこれは?」といふやうな映像もあり、非常に見応えがあります。ぶ厚い解説書も付いてゐて、もちろん資料としても「使える」。

難を云えば、撮影者(多分現地によって違う)が音楽の事をあまり分かってないやうで、「ここで演奏者の手元を撮れよ!」といふ時に、客席や、演奏者の隣で踊りながらイッてゐる人の顔を映したりしてゐて、少々歯がゆい。それになんか訳の分からん地元の神話かなんかが元なんだらうけど、あまり展開のない踊りを延々30分近く撮ってあるのもかなわん。まぁ現地の人にしてみればそっちの方が大切なんだらうな。

その中にパレスチナの春の映像があって、一面にアーモンドの花が咲き乱れる丘の上で収録してあるシーンがとても美しくて好きです。原っぱの真ん中にヤグールといふ笛(チャルメラみたいな音が出る)を吹くオッサンと唄う青年がゐて、少し離れた所に子供の集団がゐて手拍子を打ってるのを、正面から定点撮影しただけの映像なんだけど、なんか非現実的なまでに穏やかな風景でね。こんな美しい国であんな内戦や紛争が永劫に近いほど続いてゐる事がとても信じられない。

ちなみに、あの欺瞞と傲慢と自由の国アメリカは、中国語で書くと『美国』となります。けっ!。しっかし、どーにかならんのかね?あのアタマの悪い猿の大将は・・・。菓子を喉につまらせた時点で死ぬべきだったよな、どー考えても・・・・。

************************

またインド熱が出てきたやうで、インドもののCDをバカスカ買っております。訳わからんもの多いけど、その中でまぁ正確にはトラディショナルなインド音楽ではないけど、ジョン・マクラフリンのリメンバー・シャクティが秀逸ですな。

やっぱすごいね、このおっさん。前のシャクティ1975年)は『インドにハマりましたぁっ!。僕、けふからインド人になりますッ!』みたいなあからさまなものでしたが(一級品ですけど)、おぢさんとなったジョンさんはもっとナチョールにインドと付き合えるやうになった、といふかんぢですね。当時はシャクティギターとかいふ共鳴弦やヘンなフレットが付いたのを使ってましたが、今回はギターもフツーのやつです(と思ったら、なんか指板がものすげぇエグれてるぞ!)。

この人はとにかくヨーロッパ〜アジア圏の変わったミュージシャンに異常に嗅覚(聴覚?)が鋭くて、ジョナス・エルボーグやカイ・エクハルト。ザキール・フセインやトリロク・グルトゥ。シブいところではドミニク・ディピッツァなど(どーだ!誰も知らんだろーが!)を西側に広く知らしめた感があります。このリメンバ−シャクティでも、インド人のエレクトリックマンドリン奏者を拾って来たやうです。この兄さんがこれまたすっげぇ超絶技巧!。ある意味ジョンおぢさんを凌駕しております。マンドリンってこんな事できんだナ〜。イヤー世の中にはホンマに色んな人がゐるんですねぇ。

アメリカのミュージシャンの『凄さ』ってのは、ある程度底が見えるんですが、ヨーロッパ、一部アジアのミュージシャンは、ホンマに訳分からんね。

いやぁ、ほんたうに旅に出たくなってきました。シタール習いに行こうかなー。仕事なんかぶち辞め


櫻月の弐「リハビリ終了!」

ラビィサリといふグループが広島に来ました。ウードとパーカッション、それに女性ヴォーカルといふスタイルの面白いユニット。だういう経由かは分からんけど、何故かダイヂェストMDが手元にあり、面白さうなので見に行きました。

まづはパーカッションの和田啓さんによる和太鼓のワークショップが行なわれ、一般ピーポーに混じって参加しました。素人ではない事はすぐにバレたやうですが、その時叩いた太鼓のパターンてのが、ワシにはど〜してもウラ打ちに聴こえてしまい(いわゆるリズムにハマルといふやツ)、仕方なく変拍子と認識して叩きました。ワシにはかういうところがあります。あんだけポリリズムだの変拍子だのと演ってますが、ぢつはあんまりよく分かってないんですな。

さて、引き続きライヴ。

まづは和田さんのソロに始まり、ウードの常味裕司さんとのデュオでアラブ古典音楽を何曲か。この時に初めてアラブ音楽のマカームを目の前で聴きました。マカームといふのは西洋音楽で云うところのスケールに該当するけど、厳密には違うもののやうです。ラーガほど概念的ではないけど。第3音と7音(Cメジャースケールで云うとシ。マカームの中では基本の基本となる音階らしい。当然他にも多数あり)がビミョ〜〜〜にフラットするのがイイねぇ。これはフレットのある楽器には出来ないだらう。どーだ。まいったか?。

その後にヴォーカルの松本泰子さんを交えてラビィサリとしてのオリジナル。なんとも気持ちの良い音楽です。

主催者が友人だったことで、ライヴ後にメンバーの方々に紹介してもらへました。聞いてみるとワシとも共演経験のある壷井さんや立岩さん(でらしねツアー参照)近辺の人脈だった。もちろん完全なプロフェッショナルですけどね。セマいといふかなんといふか・・・。全然かんけーないけど、アラブ音楽のリズムのパターンに『セマーイ』といふものがある。

********************************

岩本さんが秘蔵ビデオをいっぱいダビングしてくれて、それを見てゐる。ウ〜。

ここんところワシがハマってる非西洋地域の怪しいミュージシャンがいっぱいです。いやぁオモロイやつが沢山ゐることよ!。ドミニク・ディピッツァはああやって弾くんだ。すんげぇ早弾き!。おぉ!!パコ・デルシアグループ!。動いてるの初めて見た。アーやっぱカルロス・ベナベントはフレットレスなんだ。スゲー、パコと同じくらいストロークしてる。ア〜広島公演みたかったよなぁ。ケタマだ!。かういう編成だったのね。

とまぁ、分からんヒトにはさっぱりわからん、分かるヒトには涎垂モノの映像オンパレード。ウチはミュージシャンなんかやってるクセにオーディオ類はチャチぃものばっかりで、ビデオもほんたう云うとプラヅマでステレオででかいスピーカーでドーンと見たいとこなんだけど、テレビのち〜さいスピーカーからの音だけ(しかもモノラル!)です。もっと云えばコンポすらまともなものは持ってないッス。ついこないだようやくMD買ったくらいですから。まぁマンションですからしゃあないけど、これほどの映像なら、もちっときちんと見たいなぁ。

********************************

アク−スティックフレットレス5弦を入手して、これまでになくベースを弾いてゐますね。居間に置きっぱなしにしていつでも手にできるやうにしてゐる。さうするとフと手がのびるもんなんですな。まぁいかに今までが弾いてなかったかってコトなんだけど。


櫻月の参「結構忙しい」

土曜日の更新の後、アクターズスクールの発表会リハーサルにてAM10:00〜PM6:00までカンヅメ。その後、小林のカシラに急遽誘われてライヴをやりました。ある団体のシークレット企画だったやうで、しかし沢山お客さんが入ってましたな。カシラとのユニットでは久々に1時間近く演ったかな。その場で誘われて他の出演者のバックでテキトーなベースを弾いたりもした。他所から来てゐたシンガーソングライターのおねいさんが、ちょっとセクシーなかんぢで良かったっス。

---------

日曜日は引き続き、アクターズスクールのリハで一日中カンヅメ。ここはリハが長いのよ!。

--------

月曜日は岩本さんとのデュオでライヴ。もう付き合い長くなったけど、二人だけで演るのは初めて。のっけからいきなりシャクティ大会となり、ビートルズの「ノルウェイの森」を20分も演ってしまった。先日買ったアコベがノイズがひどく、テンションが下がる。なんやこれ、ちゃんとメンテしてから売ってンのか?。

------------

火曜日はいよいよオルカ団復活ライヴ。正式にオルカ団を名乗ったライヴは去年の8月。やはりBARAKAと共演した「2002インディペンデントフェロゥズ」のステージから、ぢつに7ヶ月ぶりのライヴです!。メンバー一同楽しみでございました。ワシも一時は『もう自分の脚では立てないかも』とまで思われて(思って)ましたからねぇ。それがまたかうしてBARAKAと一緒に演れるとわ。なんでもBARAKAの3人、今回は違う仕事での広島入りだったらしく、結構お疲れ気味でしたが、相変わらず重厚なのを演ってくれました。ウチもさすがに久しぶりで仲々カンが掴めなんだけど、まぁいいでせう。マミもかをりも強いミュージシャンに成長したなぁ。素晴しい仲間です。BARAKAの皆さんも、MCで「けふはシュウの復活おめでとう!」なんて云ってくれて、感謝の言葉もありません。一緒に出演してくれたGressiveやBlackyにもありがとう。

伸さん(依知川伸一。人脈図参照)の推薦で、彼が東京で副委員長を務めてゐるベーシストの組織「地下室の会」に、入れることになりました。日本中の名うてのプロベーシストたちが名を列ねる巨大な組織です。ヒェー!。大阪以西、西日本では初のメンバーださうです。今後、ワシは地下室の会西日本代表としてベーシストの地位向上や、普及活動の一端を担うことになります。ホンマにええんですか?伸さん。

-------------

翌日はAM4:30に寝たにもかかわらず、9:00に起きて、楽器店の会議に出た。ア〜。細かいことを云う幹部にケンカ売るつもりで云った言葉が展開のきっかけとなり、思いがけず実りある会議となる。ヘー。

--------------

木曜日、何か異様に早く目が覚め、6:00位から起き出してなんかしてる。

--------------

金曜日、オルカのリハーサル。マミとかをり、双方とも曲のメモリーが少なすぎる。忘れるの早すぎるでぇ〜。しゃんと憶えてくれや。その後、小林のカシラとまたライヴ。合コンのバックバンドださうです。カシラとのユニットはいつもステージに上がっても演る曲が決まってないんですな。それでもちゃんと演れるもんだから「コイツら、実はすげぇ練習してる」とか云われてるらしいけど、ホンマにやってないよー。だってこの頃は本番の時以外でカシラに会わねぇもんな。まぁ20年も付き合えば息も合うやろ?。

-------------

このやうに今週から結構淡々と日常の事を綴ってゐくタイプの日誌にしました。


櫻月の四「目が、鼻が・・・!!」

土曜日、先週に引き続きアクターズスクール発表会リハーサル。AM10:00〜PM9:00カンヅメですがな。花粉症がひどく、ひっきりなしにクシャミ&鼻水。づるづる・・・へブし!づづ・・・ヘぶシ!。ディレクターに「センセイ、少し静かにして下さい」と云われる。

-------------------

日曜日、その本番。今回、ワシの担当の物はどれもあんまりよくなかったッス。打上げで久しぶりに焼肉を喰いました。親会社やプロダクションよりも、音響や照明のスタッフの方に知り合いの多いワシ。みなさん、ありがとうございました。打上げ後、仲の良いメンバー(もちろん女性に限る)をひとりづつ送って行ったのだが、こんな夜中に、でかい、黒いゴミ袋を10個近く出してゐる人がゐる。「バラバラ死体でも入ってンとちゃうか?」と云ふ。

-------------------

月曜日、ゆっくり休みました。いつも行ってゐたガソリンスタンドがツブれ、タマに行ってゐたところもセルフになり、オイル交換をしてくれるところを捜す。たまたま入ったところが、結構親切に細かく見てくれました。ここの常連にならう。マンションの駐車場にいっつも見かける白い猫が、しかもふたつゐて、あれは二匹ゐたのか、と初めて知った。

-------------------

朝、資源ゴミを出すべくマンションの5階から下までを何度も往復する。小学生の登校ラッシュ時らしく、階段で何人もの子供とすれ違う。平素、日中は家に居ないので知らなンだが、このマンションてこんなに子供が住んでるんですねぇ。レッスンから帰って冷蔵庫の中になんも入ってない事に気付き、仕方なく野菜庫の底の残ってたぢゃがいもと各種パスタをトマトソースで和えて正体不明の料理を作る。ウマい。音楽と同じで、完成型のイメージさえ掴めてゐれば、かなりおいしい料理が作れるのです。

-------------------

昼頃、する事がなくなり、「さうだ、レッスンの前にフロに入らう!」と思ひ、クアハウスに出かけやうと思ってゐたら、井上美希(人脈図参照)から電話があり、会いに行く。いよいよ広島へ出て来る事にしたさうだが、最後にもう一回、ワシらと一緒では金儲けはできないよ、といふことを説明しておく。メヂャーになりたいのであれば、ワシらなど相手にせずに一足飛びに東京にでも行った方が美希の為でもある。

--------------------

オルカのリハで、この頃少し注意力が散漫になってゐる感のある二人に、説教ではないんだけど、自分達の立場を説明する。ワシらは何故、かういう事をやってゐるのか?。リハとはなにか?。練習とは?。ライヴとは?。音楽とは?。後半はほとんど喋りになってしまったが、まぁタマにはかういうコトも必要だ。昔なら大声張り上げて怒鳴り散らしてたところだが、落ち着いて訥々と説明できるやうになった。リーダーとして成長したな、と自分で自分を誉めてあげた。

---------------------

金曜日は結婚記念日でした。毎年この日は、二人でどっかに行く。去年は動物園&温泉&焼肉だった。けふは水族館&カレー屋&ビール。普段は何時間でも平気で歩くのだが、足はまだ8割方しか回復してないので、継続して歩くのは1時間が限度のやうです。

----------------------

イラクの空爆を放送するニュゥス。その裏でやってる旅番組。朝の連ドラ。「なんでだろ〜?」と呑気にやってる芸人。ふた手に分かれて何の発展性もない議論を垂れ流す討論会。知性のない大国の大統領演説。その大国に媚び諂う小泉総理。掲げられた日の丸。新聞の読者投稿欄を賑わす「戦争反対」と「参戦賛美」。奇跡的に穏やかなニッポン。

ワシはただ、気軽に世界の何処にでも行けて、音楽を演ったり、聴いたりできる世の中であればそれでいいです。


櫻月の伍「交感神経」

今週は月曜日から熱が出て、ほとんど寝たまんまでございした。レッスンに行く時間だけ起きて、といふかんぢの一週間。花粉症で粘膜を傷めるだけ傷めたところに風邪の菌が入ってきたみたい。やれやれ。「また風邪ひいたの?」と云われるとハラが立つ。好きでひくヤツがおるものか!。

----------------------------

椎名林檎女史がTVに久しぶりに登場してゐた。表情がすごく柔らかくなってて、まぁもともと美人だったけど、ますます美しさに磨きがかかったかんぢ。子供を産むと女性は変わるのかねぇ?。

この人が売れ始めた頃、歯魔先や宇田多ヒカルなんかと同じ、新しいトレンドリーダーみたいなもんだと思ってた人は、見事に裏切られたでせうねぇ。もはやフツーの歌謡曲ファンの思惑など及びもつかない次元にまで行っちゃってますね。まぁ2枚目の「勝訴ストリップ」聴いた時には驚きましたからねぇ。まるで、1枚目でファンになった人間を淘汰するかのやうな作品でした。ヒットした曲が二つも入ってるから気付いてない人も多いけどね。

この人は芸術家以外の何者でもありません。歌手ですらないのかもしれませんね。歯魔先や宇田多、一時期似てるなんて云われてた揶異駄なんかとは全然違う次元にゐる人なんです。

さういう意味で、ワシは最近はこの人の「音楽」そのものにはそれほど惹かれてはいませんな。ファンであることには変わりはないけど。

-------------------------------


つぎ