4週目(しーシュ夏ツア−後)


23日(日)-------------------------まだ東京-------------------------------------- 

帰広の日。仕事に行くりょーこを見送り、8:30に新宿を出るバスの時間まではヒマなので、のんびりしてる。するとしばらく前からこっちに出て来てゐるロゥミステルのゆみぷから連絡があり、デートする事に。ゆみぷが興味あるといふのでシーシャを吸いに行く。春に江戸に来た時に行った店は閉まってゐたので、その隣の店へ。店の看板に『隣の真似して水タバコ始めました』と書いてある(笑)。

何の店か分からんやうな奇妙なカフェだったが、シーシャは美味かった。サービスだと云って色々と頼んでない品を出してくれる。帰り際『また来る』といふと、『やってゐたらね』とマスター。東京はオモロイ。

ゆみぷと別れ、夕方からはヒーコちゃんとデート。ヒーコちゃんは5年前だかの江戸ツアーで共演した唄姫。病気療養のため音楽活動も休止、音信も不通になってゐたが、最近ユニットを組んで復活。同時にまたワシとも交流が復興した。牡蠣料理の専門店に連れてってもらひ、御相伴にあづかる。また共演しやうぜ、とかさういふ話しをす。ヒーコちゃん御馳走様でした。*今回リニュアルしたトップの写真はヒーコちゃんの撮影。感謝。

新宿西口から出るバスは満席。19日にネット予約をしたワシが最後の一席だったらしひ。日曜日の夜、東京から広島に帰る人がこんなに居るのか?といふ・・・。隣は英語日本語ペラペラの、えらいフランクな中国人の兄ちゃん。消灯までお互いの旅の話などして、退屈せなんだ。

24日(月)---------------------------------------------------------------------------- 

長旅の疲れからか、バス旅にしては良く眠れる。しかしちょいちょいとサービスエリアに停まり、そのたびに起こされるのは参った。この路線はさういふバスのやうだ。な訳で12:30、3:30、5:30と眠りを分断されはしたが、8:30には広島に着。兄ちゃんと握手をかわし「元気で」と別れる。しかしあの兄ちゃん、広島に何しに来たんだらう?。

一旦家に帰り、シャワーを浴びてから、夏休み明けの専門学校へ。それほど眠くはないが、やはり反復練習なぞしてゐるとうつらうつらしてしまふ。家に帰ってからも、敢えて昼寝はせず、買い物に行ったり散歩したり。さすがに夜は布団に入って5秒でブラックアウト。長い夏の旅が、ひとまづ終わった。

25日(火)---------------------------------------------------------------------------- 

さて旅は終わったが、ワシの日常は慌ただしい。秋にかけて複数の企画が同時進行し、それの下準備にかからねば。まぁ要するにまだ何も手を付けてない、てことだね。

日頃ヂョギングする朝の一瞬を使って、専門学校2学年の試験問題を作成。今、プリンタが壊れてゐるので、やむなく手書きで。手書きの試験問題なぞ、今の学生は見た事ないんと違うか?。1時間半くらいで完成。

で、『ツア−日記期待してます!』とか云ふ声も少なからずあるので、期待に応えんとす。記憶が熱いうちに書いてた方が良いしね。そろそろサイトのリニュアルもしたいし、と思ひ、写真の整理をしてゐたら、なんか訳分からんやうになり、必要なデータが幾つか飛んでってしまった。サーバー内を捜しまわる作業に没頭して、気がつけばレッスンの時間。

さうして割と無益に過ぎて行く夏の終わりのハーモニィ。

26日(水)---------------------------------------------------------------------------- 

ツアー中に共演者の方々から戴いたり、出発前に注文してゐたCDなど多量にあるのだが、聴くヒマがない。けふは専門学校の実技試験に使うバックトラックを作る作業に没頭。自分のオリジナルを地道に録って、それなりのデモ音源を作って・・・のつもりで買ったMTRだが、本来の目的より、生徒の為に使う事が圧倒的に多くなった。これで色々遊んで録って、といふのを趣味にすれば良いのだがね。

もとオルカ団のドラマーかをりが、よんどころなき事情で、本格的に音楽から身を引く事になったのださうな。思へばこの娘は色々と苦労の多い女性であった。無駄に明るい性格と社交性のせいで表には出さなかったが、インストラクターとは云へ、音楽を続けて行く事の困難は相当の物だっただらう。今後は身体をいとってもらひたい。お疲れさま。

27日(木)-----------------------------------------------------------------------------

朝、楽器店の企画会議。秋の大コンサートに向けての。ハ〜、壮大なタダ働きやな。まぁ嫌いぢゃないけどねこのかんぢ。

その後MIやんと昼飯を喰ひに行く、と云ふ珍しき事に。付き合いは長いが、今までなかった2ショット。二人だけで話をした事自体、これまで1回あったかないか、てなかんぢなのだ。へ〜。「釜揚げパスタ」といふ新しい店へ。釜上げぢゃないパスタってあるのか?。

この日曜日の仕事で、唄わねばならぬ曲を採譜。早めにやっとけよ、てなハナシだが、ぢつは用意してゐた曲が先方の意向と合わなんだ為。オールディーズで良いや、と思ってたのだが、「ジャズで」と云はれ、大いに焦る。ジモの資料室に篭り、唄えさうなやつから4曲チョイス。ワシのキィに合わせて移調し、清書。これに4時間かける。

しかし、「All of me」のシムプルな歌詞すら知らんワシなのに、「Star dust」の長く複雑な歌詞は憶えてゐる。好きで憶える、といふはこれほどの物か。さう思ひ、以前に唄った事がある「ゴッドファザー愛のテーマ(イタリア語)」を演ってみると、やはり憶えてゐた。ふぅん。

レッスン後はKOBAへ。来月、Soe'sで投げ銭ライヴをやらせてもらふ打ち合わせ。ここのBOMくんも、来週ヲルガン座で行われるゴトウイズミさんのバースデーライヴに出演するらしひ。さういや昼にMIやんも出るんだと云ってたな。へ〜、なんか今さらながらすげぇ訳分からんでオモロさうなイベントである。

28日(金)-----------------------------------------------------------------------------

そのゴトウイズミさんから朝イチでメール。バースデーライヴの内容につひて。なんと出演順が当日の「くじ引き」で決まるんださうな(笑)。一番最後とかになったらヤだなぁ。「シュウさんがワタシの唄をどんな風に唄うのか、楽しみにしてるお客さんがいっぱいゐます」との事。嗚呼。

今週は、まぁ広島での日常が廻り始めた、てのもあるが、なんかすごく音楽家的な一週間だった。先週まで東京にゐたのが嘘のやうだ。忙しさの質が全く違う。

江戸でシュウちゃんと話した時、彼の考えてゐる音楽のスタンスを聞き、感じ入るものがあった。自分の、職業音楽家であることの誇りと、それに対する少しの窮屈さを思ふ。しかしワシなどは、特に好きでもない音楽に必死に取り組まんといかぬ訳でもなく、割と自由に好き勝手に音楽を演り、それで一応、喰へてゐる。これはラッキーな事に違いない。

やれる所までやるしかない。


5週目

29日(土)------------------------------------------------------------------

ツアー後初のしーシュリハ。9月にはまたまたツアーもあるゆえに、いちをうシャッと音を出しておく。新曲「爪研ぎ唄」が完成。しーなさんとこは、新曲の初リスナーが娘のSちゃんの事が多く、またこの娘がよく唄を憶える。で、彼女に云はせるとこの「爪研ぎ唄」、『変な曲〜〜』なのださうだ(笑)。

リハ後はツアーの打ち上げに。鉄板焼を喰ひながら、いかにこのツアーが自分の腑に落ちるものであったかを、しーなさんが語る。良かったね。でも、まだたった2回めの旅だ。CDもそれほど売れんかった。まだまだだよしーなさん。まだまだ演りませうぞ。

ワシ自身も、まだ未開拓の地域への旅を続けねばならぬ。東京よりも東、東北、北海道、なんちゅーてもまだ静岡や長野でも演ってない。ワシもまだまだです。これを読んでくれてゐる色んな地域の方々、呼んで下さい(笑)。ご相談お受けしますぇ!。

30日(日)---------------------------------------------------------------------------- 

けふはちょいと変わった営業。酒場60(ろくまる)と云ふ店にて、あるマイノリティの方々のパーティーでの演奏。マスターに気に入ってもらひ、毎年メンバーに選ばれてゐる。今年は会場運営全てにおいて『女人禁制』といふ事になり、必然的にワシがヴォーカルも取る事になった。あまり得意ではないジャズのナンバーから、それでもまづまづ唄えさうなのをセレクト。

メンバーは、なかにし隆(pf)、杉野クリステル(sax)、久保田雅行(per)とワシ。心強いメンバーだ。去年まで同じ系列のパーティーを仕切るお店だった「ぶぎうぎ」の常連客は、みな明るくノリの良い人達だったが、今年の「60」のお客さんはやや年齢層が高めで、ぢっくりと音楽を聴いて楽しむ、といふかんぢの。盛り上がり方もジェントル。リクエストも「テイク5」とかシブいのが来る。

不馴れなスタンダードも、なんとか恥をかかぬ程度には唄え、また杉野くんの軽妙なMCもあって、まぁ割と良い仕事が出来たのではないか、と思ふ。ワシはこの手のマイノリティの方々には、まったく偏見はない。むしろこの人達と同世代の男性が酒の席で見せる痴態に比ぶれば、この穏やかな盛り上がりの方がづっと好感が持てる。毎年演奏メンバーに選んでもらへる事も光栄に思ってゐる。まぁ残念ながら、お仲間に加われる気はしないが・・・(笑)。

パーティーの始まりが17時からだったてのもあり、撤収完了が19:30といふ早さ。機材をジモに置いてチャリで帰る。帰りがけラーメン。腹が減ってたので、『つい』替え玉をしてしまふ。家に着く頃になってハラの中でラーメンが膨れ、ぐぇっふ。やめとくべきだった。

31日(月)---------------------------------------------------------------------------- 

朝のロードワークの時、制服の小学生どもがわらわらとゐた。さうか、夏休みが終わったのだ。

けふは午後から、呉市共済病院に入院してゐる花clubマスター良二さんのお見舞いに行く。暴漢に襲われ瀕死の重傷を負った(顎骨折、頭骸骨折、脳挫傷、出血多量)と云ふ事で、しばらく集中治療室にゐたり、かなりヤバい話しだったやうだが、驚異的な回復力で治癒。なんと明日には退院が決まった、といふ。既に立って歩いてゐて、どんなズタボロで寝込んでるのか、と思って行ったワシは肩透かし(笑)。まぁ元気になったのは何よりだが。

まぁまだしばらくは仕事には復帰できぬ、とか。完全復帰の暁には、花Clubでのお祝ライヴを約束して、プリン、ゼリィその他流動食を差し入れて帰る。しかし暴力はホンマにいかん。

帰り、秋の湾岸道路を走らせる妙。天気よし。素晴らしい気分だ。途中「だし道楽」といふうどん屋の看板が目に入り、そこで昼飯。美味なきつねうどんを食す。さらに途中目に着いたスーパーで晩飯の買い物も済ませる。ちょいと暑いが良いドライヴとなった。が、広島市内に入った途端に始まる渋滞。やれやれ。


9月へ