20日(日)大阪南堀江フィドル倶楽部-------------------------------------------------------------
午前8:00に広島駅を出るバスで大阪へ向かふ。ワシのいつもの貧乏旅にしーなさんを初めて同行させる形だな。シルバーウィーク、とやらで駅は既に人で溢れかえしてゐて、この旅の混雑ぶりを予想せしめる。ウー。
案の定、高速バスは姫路に入る手前ぐらいから動かなくなり、運ちゃんの機転で一般道に降りる。貴重な車窓が見れて、逆にこれはラッキーだった。そんな回り道をしても、ほぼ定刻通りに大阪駅に着。良く出来てゐるな。
けふの会場「フィドル倶楽部」では、関西の大御所ベーシストにして朋友、泉尚也さんが出迎えてくれる。しーシュでの大阪遠征は1年半ぶり、と云ふ事もあり、泉さんも楽しみにしてくれてゐた。
おっさんキャラ(でもカワイイ)の女性ソウルシンガー田中千夏ちゃんと、巨大重戦車ドラマー岡本健太郎とのFaithはお馴染みのメンバー。今回は若手のベース&唄デュオ「奏(かなで)」も加わって、またベーシスト主導型のイベントだ。奏のベース山地恒太くんは泉さん直系のお弟子さん。流麗で色気のあるサウンドスタイルを見事に受け継いだ期待の新人、てとこだな。Voのillyちゃんもこの若さで声音を使い分けたりする曲者。ヌー、やるなオヌシら。
お客さんの入りは上々。奏のアンビエントでポップな世界に会場が包まれ、その後のワシら。対比を出す為にも、『けふはユルく行こう』と演り始めたが、結果的に相当アゲアゲの演奏になっちまった(笑)。最近、力が余ってンのか、始まるとえらいこと荒っぽい演奏になっちまうしーシュである。まぁそれはそれで良いんだけど、疲れるのは自分らだからネ(笑)。
途中、「夜の駱駝」に泉さんが入ってツインベースで。なんともゴーヂャスで色気のある演奏に。
後続のFaithはまたひと皮剥けた出来であった。ワシはこのユニットを知って6年になるが、これまでで一番ロック!!なFaith。重戦車けんたろーの持ち味を充分に生かしたユニットに生まれ変わってゐる。はぁ〜〜〜!ヤラれました。会場は大盛り上がり。ラスト、全員参加のブルースセッションでは、なんかもぅ自分がなに演ってンのか分からんやうな興奮状態にまでなってしもた。素晴らしいライヴ。
打ち上げは全員で焼き鳥。ワシはイリィちゃんとづっと喋ってゐた。ワシの音楽遍歴なぞを訊かれ、可愛い娘と話をするとすぐ調子に乗って昔話なぞしてしまふただのおぢさんに成り下がったワシのトークはさておき、しーなさんはチナっちゃんや山地くんらとの音楽談話に盛り上がってゐた様子。初日、ナイスな大阪での初日は暮れて行くのである。
21日(月)京都観光----------------------------------------------------------------------------
けふはオフ、といふか移動日。最初にこのツアーを企画した時、この日に飛騨高山のライヴを1本入れるつもりだった。それが事情で流れ、ぢゃあ京都で1本、と考えた時には既にハコが取れず、まぁ折角だから京都観光でもすっか、みたいなかんぢで、奇跡的に安宿も取れたので、京都で壱泊。
その計画を話した所、泉さんが案内を買って出てくれ、なんと車まで出して下さった。
この泉さんの御好意のお陰で、我々は京都までの移動と、我々二人では絶対に見る事が出来なかった、貴重な「裏京都」も覗く事が出来た。嵐山や鴨川、寺院や古道など。何を喰っても何を見ても、すぐに満足してしまふ我々は、泉さんから見るとなんとも覇気がないやうに見えたかもしれぬが、ただ3人で車を流してぼんやりしてゐる、といふだけでも、最高に素晴らしいオフだったのである。
我々を京都駅まで送り届け、その後さらに渋滞の中を大阪まで帰って行かれた偉大なる大先輩。毎回、ブッキングをお願いするたびに、快く引き受けてくれる素晴らしい友人。どんな言葉でも感謝し尽くせない。ホンマにありがとうございました。
ところで、京都は「湯豆腐」の本場なのださうな。嵐山周辺の観光地(日曜日の原宿並みの人ごみだったが)のいたる所で「湯豆腐」の看板が。あと、夜は居酒屋で飯を喰ったのだが、どの店にもメニュゥに「しめ鯖」がある。
22日(火)名古屋今池りとるびれっじ--------------------------------------------------------------------------
けふは16時までに名古屋入りすれば良いのだが、早めに行って少しゆっくりしやう、と、ホテルのチェックアウトと共に京都を出発。鈍行列車で名古屋へ。ところが天気がイマイチで、名古屋に着いてからも歩き回る気がせぬ。まぁ仕方ないのでコメダ珈琲店や台湾ラーメンなぞ喰ってヒマをつぶして、会場入りを待つ。
けふの会場はワシにはお馴染み、今池はりとるびれっじ。此所のマスター谷口幸至朗さんと店員のヒロミちゃんが、明日の松阪でのライヴも含め、ブッキングしてくれた。ソロではもう何度も来てゐるが、しーなとシュウでちゃんと演るのは初めてだ。ので、けふのラインナップは敢えてそれぞれのソロ色を強く出した選曲にしてみる。鍵盤を貸してくれる鎌田マミも合流し、リハも終了。ヒロミちゃんが買って来てくれた大須観音名物丸鶏焼きをがっつく。
連休さなか、の雨模様、といふ事でさすがに集客は厳しかったやうだが、それでも結構の人が集まってくれた。朋友てらしましんご君も仲間を引き連れて見に来てくれた。メヂャーでもない、何処のナニカも分からぬ旅芸人のワンマンに、1人でもお客さんが入ってくれる、と云ふのは、本来すごい事なのだ。感謝を込めてワシのソロからスタート。しーなさんが入り、ワシ+しーな、といふ形で前半、後半はしーなとシュウ、といふまぁ文面だけだと訳分からん、てかんぢだが、ワシらには結構大きな意味を持つ構成で演った。
結果として、出来そのものは決して悪くはなかったが、ちょいとバラけてしまった感あり、かなぁ。う〜む、何も考えずにヴァっと演った方が良かったのかもね。だが、お客さんからの貴重な意見などもあり、実り多いライヴではあった。
オモロイのは、昨年夏に広島で御一緒したソボブキこと西尾賢さんも、ちょうど名古屋に遠征中で、しかも目の鼻の先の会場、さらに滞在が同じホテル、といふ楽しい事態が発覚。大体同じ時間くらいに打ち上げを終え、ホテルの風呂で合流(笑)。しーなさん、西尾さんの奥さん、西尾さんの共演者西本さゆりチャンも交えて、ラウンヂでビールで乾杯する。もう2時も過ぎてゐたので、ひそひそ喋ったり笑ったりしながら、まるでキャンプの夜みたいですげぇ楽しい。
さういや、前に東京でホテル泊した時、泉さんも同じホテルに泊まってゐて、やっぱり風呂で遭遇した事もあったなぁ、と思ふ。旅はホンマにオモロい。
23日(水)松阪M'AXA-----------------------------------------------------------------------------
けふはしーシュ+谷口幸至朗 in 松阪。お昼にりとるびれっじの前にて、幸至朗さんヒロミちゃんと合流。幸至朗さんの車で出発。松阪・・・・初めての土地だ。松阪牛。紀伊半島の海側。ぐらいしか知らぬ所。渋滞を懸念して高速道は使わず下道を走る。これが素晴らしいドライヴだった。
我ら山と川と海に囲まれた瀬戸内、西日本育ちの人間には、想像もつかぬ程の平野部の広がり!。何処まで行っても何処まで行っても平野。はぁ〜これが中部地方か。まぁ勿論、紀伊半島は半分が山地で、もう少し山側に行けば、霊峰鈴鹿山脈もある訳だが。名古屋、四日市、鈴鹿、津、そして松阪。4つの市に跨がる生活幹線道路を満喫できた。
さて初めての土地松阪でのハコは幸至朗さんの古い所縁のM'AXA。これがまたえぇかんぢのお店で、内装外観全てスタッフの手作りに寄るらしい。二階にはウチのアパートより広い控え室などもあり、またスタッフさんがみな、素晴らしい対応を見せてくれる。
けふはどーも、谷口幸至朗+しーなとシュウ、といふライヴで、そのオープニングアクトに地元の若手ミュージシャンが出てくれる、といふライヴらしい。このオープニングをやってくれたフライングモンキーズ、といふ二人ユニットがこれまた面白かった。ギターとベースの二人組なのだが、これが誰かが抜けて、の二人ではなく、二人、と云ふ事を主眼に置いたデュオなのださうだ。ウチと通ずる所あり。元気の良いロックで会場をあっためてくれた。
その後、もう1人のOPを経てワシら。
今回、てゆーか此所数回のライヴで一番、力が抜けた良い演奏。お客さんは多くはなかったが、かなり良い反響を得て嬉しい。初めての場所で初めてのお客さん。そこで何が出来るか?しーなさんと良く話す内容だ。「ちゃんと演る」。それが出来たやうな気がする。しーなさんも楽しさうだ。
ワシらのデュオに引き続き、迎え入れる形で幸至朗さんとのトリオに。ワシは7月に一度共演してゐるが、しーなさんは初共演。しかもけふのリハで初めて幸至朗さんの曲を聴いた(笑)。ワシがちゃちゃっと書いたコード譜を見ながら、流石のサポート。『どんな状況にも対応出来るよろず音楽提供デュオ』としての面目も躍如たるライヴ。幸至朗さんの素朴で力強い唄がまたお客さんを強く惹き付け、見事な反応。アンコールではディランの「I Shall Be Released」をこれまた即興で演り。しーシュ秋のツアーは大団円を迎えた。
M'AXAからは12月の店のイベントに出てくれぬか?と出演オファー。おうよ!来ますよ松阪!!。
帰りは、ヒロミちゃんに運転をまかせっきりにして、後部座席でだらしなく寝込むダメデュオに成り下がってしまってゐた(笑)。ヒロミちゃん、幸至朗さん、ありがとう。
24日(木)広島へ!-------------------------------------------------------------------
しーなさんとはゆんべのうちに別れの挨拶を交わしておいた。しーなさんは仕事の為、朝早い新幹線でひとり帰るのださう。ワシは「鉄ちゃん」の名に於いて鈍行列車で広島へ帰還す。
今回、時刻表を持って来てないので、ホテルでシミュレーションが出来ぬ。が、2月のダブルシュウのツアーで名古屋を終えた後、確か11時名古屋発のに乗れば、夜早い時間帯に帰れた事を思ひ出す。とりあへず駅まで行き、キヲスクで時刻表を買ひ、当てずっぽうで11時に来た快速に乗る。電車の中でシミュレーション完了。6回乗り換えで20時に広島に着けるはず。
無いと思ってた立ち食ひ蕎麦屋があったり、乗り換えの為に走らんければならなかったり、思ひ出してみたら2月もさうだった!とか。今回はきっちりメモるぞ。旅慣れるヒトはかうして自分だけのガイドブックを作って行くのだらう。そは愉快な旅だ。
米原から姫路〜相生までは、乗客の入れ替わりもほとんど無いくらいのどかな生活路線。15時半を境に学生が増えて来る。高校がある街、大学がある街、それぞれカラーが違っててオモロい。ボンクラばっかりの学校とか(笑)。
岡山を過ぎた頃、寝てて、フと気が付くと、目の前にタイトミニスカの女の子(しかもカワイイ&美脚)が座ってて、目の前のワシを気にするでもなく脚を組み換えたり、組み換えたり、組み換えたりするので、目のやり場が固まってしまって飽きなんだ。
18時に糸崎を出てからは、外はもう闇の中。景色が見えぬので辛い。輪をかけるやうにこの時間帯はおやぢばかり乗って来るので、全然オモロない。移動に飽きはじめた20時過ぎ、ようやく広島の我が家に到着。女房と飯を喰ひに行き、中華大盛り定食を平らげ、ビールを大ジョッキ一杯。旅の間に届いたメールに返事を出すのに2時間かかった。
さぁ明日からは通常営業。そして、怒濤のライヴ連続ウィークに突入だっ!。
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所感
知らない場所に行って演奏する。
「また来てね」と云はれる。ライヴハウスから、お客さんから、共演者から。
社交辞令の事もある。だが本当にまた行く気でゐたら、また行ける。
そして彼らも「来る」。
本気で「また来いよ」と云ひ、また来てくれる。
そして縁は繋がり、ワシは今や各地に、こんな素晴らしい「友達」を持てるに至った。
これが何処までも続いて行く。
続けて行こう。
友よ。
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