おや、たれかが来たやうだ

5月11日(日)ーーーーー

雨の日曜日。
旅の師匠・豊田勇造さんがOTISでライヴの日。

OTISは店主 佐伯雅啓さんが奥様であり名シェフでもあったみきさんを亡くされたばかり。お悔やみを伝える機会を失ってゐたのも兼ねて、早めにOTISを訪ねてみた。最愛のパートナーを亡くされて無理もないことだが、佐伯さんだいぶ痩せておられて心配。幸い彼を慕い支えたいと思ふ人は後を断たず、けふもお店には色んな人が訪ねてきては、色々手伝う、といふ光景が見られた。

お話をしてゐるうちに勇造さんも到着。けふは残念ながらライヴを見てゆく時間がなかったが、またの再会を約束してお暇する。勇造さん、今年で77歳。今もまだ旅を続けてゐる。素晴らしい。けふのライヴも盛況であったことだらう。

5月12日(月)ーーーーー

チョイと色々疲れやら作業やらが溜まってゐるので、レッスンひとコマ以外はなにも受けぬやうにして、日中は雑務に集中。大量のカビキラーを買ってきて、浴室の部屋を全塗りしたりもした。

5月13日(火)ーーーーー

早出のバイトから廿日市でのレッスン。そっからしーシュのリハへ、と予定多き壱日。

バイト先では初夏の新メニューも始まる。かういふ「季節メニュー」が一巡してはまた翌年、と云ふサイクルが身体に馴染み、壱年があっと云ふ間に去ってゆくのだ。

レッスンでは中学生の体験レッスンあり。運営から『もっと子供の体験レッスンを受け付けても良いか?』と訊かれたので『いやです』と答える。もぅコドモに教えるのはいい。

そしてしーシュリハ。調子良いリハで、疲れも吹っ飛ぶ。

5月14日(水)ーーーーー

引き続き早出のバイトから。
早上がりでもあったので一旦帰宅して、またチャリで夜レッスンへ。
行き帰りで約1時間を二往復。まぁまぁな還暦前である。

5月15日(木)ーーーーー

こんどのしーシュ「夜市」のテーマが変拍子、てぇ事で、変拍子といやぁこれだらう、とデイヴ・ブルーベックのクァルテッド作品「Time out」なんぞを聴いてゐる。云はずと知れた奇数拍子の名曲「Take five」が入ってるヤツだ。

このアルバム、全体的に奇数拍子と民族音楽へのアプローチが展開されてゐて、他の曲もたいへん面白い。壱曲目から明らかにブルガリア民謡にインスパイアされてゐて(9/8拍子)、そして全編さすがに曲がいい。こうでなきゃ、ね。

あとやっぱりキング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードのPolygondwanaland.かな?。

最近私が最もダメだった某J-POPバンドが『変拍子を盛り込んだ新境地の快作』なんぞと持ち上げられてゐたが、あの程度のものを「超新星」と論う世情が嘆かわしい。あんなのより遥かに古くからポップスにこれを取り入れて、また良きものを作ってゐる先人はゴマンとゐる。お前らが知らんだけだ。

5月16日(金)下関市:さけとおんがくーーーー

しーシュレコ発週末遠征。
初日 下関は「さけとおんがく」。朋友、心優しきモヒカンSSWストライダーが去年オープンしたお店。

けふはこの遠征中唯一のワンマン、といふ事で、椅子に座ってぢっくり&たっぷりお届けした。あんまり広報が行き届かなんだのだが、にしては多くのお客さんが遊びにきてくれた。新作からのラインナップもいっぱいお届けでき、多分けふはお客さん全員新作を買ってってくれたんぢゃないか?。

終演後は同じビルの2F、「さけと〜」の前は下関と云へばココ、「T-Gumbo」にも顔を出し、マスター磯部さんご夫妻に挨拶もできた。お二人とも来訪を喜んでくれ、次はストライダーとここで2マンだな、と。同じビルに入ってる二つのライヴカフェが共同関係を築けてゐる、なんてとても素晴らしい事だと思ふ。磯部さんとストライダーの人柄あってのことだらう。

ありがとうね。

5月17日(土)福岡 遠賀郡水巻 Heaven’s doorーーーー

下関ライヴの後はだいたいストライダーの実家に宿をお世話になるのだが、毎回真夜中過ぎまでの酒宴となり、これが話もよぅ弾んで楽しいので飲みすぎる。しかし私らは次の街へ向けて旅立てば良いだけだが、ストライダーも奥さんのアヤちゃんも、昼間は仕事をしてゐるのだ。シャっとせねばバチが当たる。

と云ふ事で九州へ移動。こないだ・・・ホンマにこないだ来たばかりなので流石に道も憶えておる。けふはいつもの八幡デルソルでも、黒崎ストサワでもない、新しいハコ。朋友・村岡達也がぜひしーシュに、と紹介してくれたヘヴンズ・ドア。

けふはしかし「しーシュ」ではなく、あくまでも「地下太陽」のメンバーとしての・・・。
しーシュが含まれたけふの地下太陽は、ツイン歌にツインギター、ツインベースにパーカッションと鍵盤ハモニカ、といふ異様な編成(笑)。お店のオーナー夫妻がウチをぜひ知りたい、と云ふて下さった事もあり、会場は超満員。ライヴもたいそう盛り上がった。この編成でなんであんなに纏まるんですか?と言ったお客さんもゐて、それこそ我が得たり!といふかんぢ。

しーシュはコマをもらって数曲。本来けふはしーなさんはお客で、と云ふ事だったので、けふのしーシュは鍵盤レス。ベースと鍵ハモの編成でまぁ本領発揮と云ふわけにはいかず、また改めてぜひ、といふ流れに。OAを演ってくれたオーナー夫妻のデュオiMAGE(フリュートとギターのjazzデュオ)もク〜ルで、編成もカブってないから次回はぜひコラボを、といふ流れもいただく。

お店の雰囲気も素晴らしく、また来たいお店が九州に増えて嬉しい。

5月18日(日)山陽小野田市 jazz割烹 大津屋ーーーー

けふは『あと壱日演って帰りたい』といふ我らのわがままを、宇部のHyper dunk コネクションが引き受けてくれた企画。宇部〜小野田の旧知の友たちとわいわい演れる楽しさの最終日。

会場の「大津屋」はなんと創業120年!。もとは割烹としてオープンし、時代の流れの中で食堂になりジャズ喫茶になり、んでこんにちに至る老舗中の老舗。おそらくしーシュが出演したことのある中でも、いちばん古いんではないか?。山口にはもぅひとつ「ポルシェ」といふ老舗ライヴハウスがあるが、かういふ老舗が老舗として存続できうる土壌、のやうなものを感じる。

対バンを引き受けてくれたのは、抱腹絶倒のSSWフジ⭐︎ロック、ク〜ルなjazz ユニットS.S.S.U.、それにお馴染みHyper Dunk。バラエティに富んだ内容で会場もえぇかんぢに盛り上がる。グランド・ピヤノがあるお店なので、しーなさんも実力全開。しーシュも千秋楽に相応しい手応えのあるパフォームができた。

けふはクァルテッドだった S.S.S.U.は本来ギターとサックスの夫婦デュオで、これもまた編成がカブらんので、次回はぜひコラボを、といふ話にもなる。急な希望だったにも関わらず、しっかりとけふの形でイベントを組んでくれたHyper Dunk の面子も含めて、良き仲間たちと交れてホンマに幸せな事である。

ありがとうね。