4月


1日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

キアイの入った雨。陰鬱だし、洗濯もんが乾かぬのはナンだが、猫や子供らが外で騒がぬのは良い。

しーシュの新作「夢で逢いませう」の現ブツが届いた。有難いことに早いうちから予約注文が入って来てゐたが、これでようやく販売ルートに乗せれる。しかし考えてみたら、自分の夏ツアーの段取りに全然取りかかれてない事に気付いた。嗚呼、いかんいかん。ちゃんと自分は自分で動かねば。

けふも生徒が来ず、またづ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと練習(弾き語り)してゐる。まぁホンマに日々かうやって練習して、週三くらいでライヴ演って、で、女房と二人喰へればそれが何より一番良いのだがねぇ・・・・。その女房と、偶然帰りのバスが一緒になった。ので一緒に帰って缶詰めで晩飯。

けふは「置きベース」を使ったので手が痛い(弾きにくいのです)

2日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

いつもの黒いの、とブチの、ではない、新顔の猫がゐたな。最近うるさいのはお前かっ。

DVDで「サムライチャンプルー」といふのを観た。アニメの時代劇。これがかなり斬新でオモロかった。台詞に「バイト」とか「トラブル」とか云ふ言葉が出て来たり、時代考証は無茶苦茶なんだが、そこを逆手に取ってあるのが良い。音楽もヒップホップだったりする。昔、渡哲也が主演で「浮遊雲」がドラマ化された事があって、それも時代劇なのにアルミの洗濯ポールやライターが出て来たり、とそのさり気ない阿呆らしさがオモロかった。時代劇なんてそもそも無茶苦茶な話(私は大好きなんですよ。念のため)なんだから、こんなんでも良いんぢゃないか?と思ふ。

ところでこのサムライチャンプルー、ワシの苦手な連続もの。ワシはかういふのを最後まで見れたタメシがねぇんだな。第壱話から最終話まで揃えた上で、連続で観続けるならまだしも、飛び飛びに続くと飽きちゃうんだな途中で。結局「サラ・コナー・クロニクルズ」も途中で見なくなっちゃったしなぁ。

だから弐時間とかで完結する「映画」が好き、てのもある。

・・・・しかし仕事がない壱週間だったなぁ。


2週目

3日(土)---------------------------------------------------------------------------------

フェイバリットなベーシスト、ジョナス・エルボーグ、がフェイバリットに挙げるベーシスト、コリン・ホッヂキンソン。ワシも最近一番お気に入りの人である。

ベースをギターのやうに弾く、といふ事に、ロックのフィールドから多分一番最初に特化した人なのではないか。バンドやユニットでは、少しねぢれたジャズのやうな事を演ってゐるが、ソロとなると完全にブルースになって、唄までやっちゃうのがオモロい。You tubeにも近年(2009年)の映像があり、この無頓着感が素晴らしい。1981年にほぼ同じ事演ってるVもあった(笑)。

週例のしーシュリハでは、感化されてベースオンリーで演れる曲、を集めて演ってみた。これにワシのソロを入れたら、最悪鍵盤なしでも演れるな。てゆーかライヴせねば。

4日(日)------------------------------------------------------------------------------------

花見。素晴らしい晴天のもとに集まったのは、カシラ、久保ッち、しーなさんと娘、ワシと女房、といふ、まぁ2007年に沖縄に行った「やしがに兄妹」のワイド版のやうな。ソロに特化した人間の集団なので、それぞれがそれぞれの、呑みたいもの、喰ひたいもの、寛ぎやすいアイテムを持参して来るのが楽しい。マイ箸にマイ食器はもちろん、マイ敷物にマイ椅子。「誰かが持ってくるだらう」ではなく「自分のモノは自分で準備する」といふ。集団とはかういふモノでなくては、ね。

絶好の花見日和で、日が暮れるまでのったりと酒と桜とを楽しんだ。

日が落ちてからは一気に気温が下がった。ので、本格派四川料理の「老四川」へ。ここでカシラが酔っ払ってやらかすアレコレが爆笑だった。誰も撃沈する事なく、元気に流れ解散。良い花見だった。

5日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

ひとりリハに入る。ん〜〜〜〜タラシ弾きなら良いかんぢなのだが、シャッと演らうとすると上滑りな気がするな。小賢しい、てゆーか・・・。なんかもっとかるーいかんぢで演れたら良いんだらうな。ん〜〜〜〜真面目にやんない方が良いのかね?。

なかんぢで悩んでるから、ツアーを決めて行くにもちょいと及び腰になってしまってゐる。今年こそ北海道に行きたいんだよなぁ。もう赤字でも失敗でも組んでみるしかないか。初めて名古屋や大阪に乗り込んでった時みたいによ。

6日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

ぬくい壱日。

他人を妬んだり、羨ましがったり、悔しがったり、悪態をついたりしてるヒマがあるなら、自分で動け、と。

うむ。

7日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

生徒と語る。

わりと在籍が長い生徒なのだが、そいつを通して、周りを通り過ぎて行った人間関係の遍歴が見えてくる。登場人物が一新されたドラマのやうだ。時は流るる、とか思ふ。

ドラムのサトシ(石井聡至)が以前こんな事を云った。『良いかんぢに、この人変わらんねぇ、と思へるやうな人は、多分づっと変わり続けてるんですよ。で、ホンマに変わらない、進化しない人ってのは、端から観たら退化して見えるんです』。なかなか鋭いところを考えるヤツだな、と感心した。

ちなみにこの生徒(♀)、入会当時20代前半で、今30代。グループレッスンのチームメイトが変わる事数回。仲間は皆、結婚したり就職したりで離れてって、今はひとりでレッスンしてる。なかなか意欲的にバンド活動もしてゐて、そのメンバーも時代に合わせて変わってゐて、今はひと回り若い世代と組んでゐる。まさに、リニュアルされたドラマのやうに。

本人は自分の変わらなさを嘆いてゐるが、いや・・・・良いんぢゃないか?。

8日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

ひとりの人間が、心ある協力者、真の理解者の助力を糧に躍進して行く人生は、素晴らしいと思ふ。さうしてヒトは、自分1人で生きてゐるのではない事を学び、だからこそ自分1人の「個」を磨こうとする。その「個」のつながりが「和」となり、より広いつながりへと結ばれて行くのだ。

しかし、権威や権力のもとに地場を拡げて行く芸術活動に、なんの意味があらうか?。

「広報」といふものの中に、清潔な疫病のやうにぢわぢわと拡がってゐる「彼の」唄を聴くたびに、よくぞここまで厚顔無恥に権力に依存できるものだ、と思ふ。

彼が地道な普及努力の上に、現在のニッチに至ったのであれば、なんとも思わぬ。しかしワシは「彼」を一般のライヴハウスやカフェで見かけた事は一度もない。無名時代にライヴをやった、と云ふ噂すら、聞いた事がない。

「個」を磨く事もなく、「和」に絡む事もなく、権力の庇護のもとに権威を持ちつつある現在の彼。彼がなにを目指してゐるのか分からん。が、彼を「アーティスト」と呼ぶのだけは勘弁してもらえんものかね。

9日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

ウチはダスキンを愛用してゐる。これの交換訪問員が月イチで我が家を訪れるのだが、これがとても可愛らしい女性なのだ。まぁ恐らくはどこかの若い奥さんか母親なのだらうが、猫みたいなかんぢですげー可愛い。で、この人、いつも金曜日の昼前に来る。金曜日の昼前と云へばワシは専門学校にゐる時間。ので、春と夏の長い休みの間の、ごく幸運なタイミングでしか、この可愛いひとに会えない。ブルーズである。

けふはその幸運な日であった。萌ぇ〜〜〜〜。

高校時代の友人、の弟がCDを欲しがってゐる、といふので、時間もあるし、で宅配に行く。彼の母上にはそれこそ高校時代、飯を喰わせてもらったり、遊び帰りに急に押しかけて行ったり、泊めてもらったり、とたいへんお世話になってゐた。けふはその母上と、なん十年ぶりか、の再会。調べてみたら1981年の秋、に会ったのが最後。写真に写るワシは、完全に少年!。うーむ・・・・。

うむ。


3週目

10日(土)---------------------------------------------------------------------------------

よんどころなき事情により、しーシュのリハをジモでやる。いつもはノーマイクで練習してゐて、それはそれで良いのであるが、けふはマイクを使って練習してみて、けっこうハモとかヤバい事が発覚す。その修正や調整など、近年久しく真面目なリハ。時間貸しのスタヂヲを使ふと、ダラダラやってるヒマがない、てのも良きかな。

しーシュを、完全なる「ツインボーカル」のユニットと捉える事にす。パフィーのやうに『ただ二人で唄う』といふのも良からう。まぁとにかく「えせニック歌謡デュオ」として堂々たる姿を、来週の下北沢、メヂャーに一番近い場所で出せたら、それで良い。

家でカレー。昔はカレーと云へばワシの領域だったが、女房がスパイス使いを極め、ルゥもコンソメも使わぬ究極のスパイスカレーをマスターするに至った。これがたいへんに美味。ので、最近は完全にお任せ。けふのはまた一段と美味い。

11日(日)------------------------------------------------------------------------------------

東京から久保田涼子が凱旋して来て、レコ発ライヴを演る。のを手伝う。企画は涼子の母上。かういふ素人の人が立てた企画だと、ワシらでは思ひつかぬやうな場所で演れたりするからオモロいのだ。けふは川辺のオサレな喫茶店を借り切って。のライヴ。

涼子が東京から連れて来た片平トーマスGen(pf,Vo)とのデュオを基本に、ワシや他のミュージシャンが加わる形で。Genちゃん、かなり良いシンガーのやうだ。必要以上に黒っぽくも、バタ臭くもない。涼子とのハモや絡みもよく決まってゐる。

フィリピンから来てゐるサックスのアーチィ(これまたGood!なプレーヤー)なども交え、全部で2時間ちょいとのステージを手伝った。良いライヴだった。涼子の唄は、彼女が高校生くらいの頃から聴いてゐるが、ちゃんと上手くなって来てゐる。固定したメンバーでバンドなんぞ組めば、もっと伸び伸びと活動出来るんぢゃないか?。頑張ってもらひたいねぇ。

しかしまぁ、東京に出て頑張ってるミュージシャンが、広島に帰って来てライヴやると必ず、と云って良いほど「泣く」んよねぇ(笑)。まぁ東京で頑張る、て本当に大変な事なんだらうな、と。ワシごときの苦労が、万一廿日市に帰ってライヴしても、まぁ「泣いてしまふ」なんてこたぁないだらうなぁ、と。

打ち上げはお好み焼きで。車なのでビールは飲めぬが、ハラッペーニョの乗ったやたらデカいやつを喰らう。日本語勉強中のアーチィの苦労話や、Genちゃんの昔の貧乏話など聞いて笑う。Genちゃん、あまりに貧乏で『ティッシュを喰った事すらある』のださうだ。ヒェ〜!、ワシの「スパゲティの本数を数えて茹でる」なんざまだ生易しいな。

てゆーかそれは喰わん方が良いと思ふぞ(笑)。

12日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校、新学期スタート。けふの処はまだ二年生のみ。新一年生はすごい人数居るらしく、ギター科なんぞ11人ださう。これが全部揃ってギター弾く訳だ。うるせぇだらうなぁ(笑)。かく云ふワシもベース科は4人。全部男ぢゃげな。ムサいだらうなぁ。

DVD「サイドウェイズ」見る。不器用な中年の切なく優しいラヴストーリィ。全編カリフォルニアロケ。すごくオモロいんだけど台詞がちょいとクサいな。監督が向こうの人だからかな?。日本人が日本語でこれ喋るとちょっと・・・・。

菊池凛子が良い。海外ロケに馴れてゐるからだらうか、全出演者中、いちばんフラットで自然な演技だ。「海外に長く住んでゐる日本人の日本語」の演技が見事。ますますファンになりましてん。

挿入歌で「Last Dance」といふのが字幕付きで流れるのだが、まぁ「運命ではない」とか「あきらめない」とか「大切なものはまだ見つかってない」とか、さういふ歌詞。これはこれなりに良い唄で、タマにはかういふの唄いたい、とも思ふのだが、やはりこれを日本語で唄うと、突然嘘臭くなる。何故だらうか?。それはいつからさうなってしまったのか?。

J-Popの功罪、重き事也。

13日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

寡作で有名な漫画家三好銀の新作(てゆーか発掘もの)「いるのにいない日曜日」が届く。これと「海辺へ行く道 夏」と云ふのが同時発行なんださう。なんと17年ぶりの新作だって。すごいねぇ。その間なにやって喰ってたんだらう?とか考えてしまふ。しかし、かうやって新刊が出たら、あっと云ふ間に話題になって『奇才の復活!』なんて云はれるんだから、やはりすごい漫画家なんだらうな。

かく云ふワシも、引っ越しの際に大方の漫画は処分したのだが、この三好銀の前作「三好さんとこの日曜日」だけは、何の迷いもなく処分リストから外し、このたびもかうやって新作をすぐに入手した。思い出したくなる味、といふか・・・。絵が上手い訳でもないし、特別ななにかが描いてある訳でもないんだけどね。

かういふ音楽が作れたら良いな。

14日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校、新一年生お目見え。男ばかりの4人。久々に部屋が狭い。お互いにベースの柄が刺さらぬやうに、と云ふ。さぁどーなることやら。明日から壱週間、早速休講だし。

ある筋からオモロさうなイベントへのお誘ひ。ヴァイオリンを使ったナニカ、でオモロい事がやれぬか?との話で、すぐにこないだMIやんと演った狂喜のデュオを思ひつく。前衛にならない狂喜、て処を突き詰められるのはこの二人しか居るまい。な訳でMIやんにオファー。奇しくMIやんからも、こないだのデュオを観た人からの、某イベントへの参加要請がある、との話し。妙なシンクロ。上手く流れが運ぶと楽しいだろな。

夜の仕事に行く途中、イグアナ用のディロンギ暖房機に、洗濯物をかけたままだった事を思ひ出す。ディロンギだから即火事になるこたぁ無いだらうが、やはり気になるので引き返す。と大渋滞に巻き込まれ、身動き取れず。生徒に連絡して休みにしてもらふ。家に帰るとヒーターの奥でイグアナはすぅすぅと眠っており、洗濯物はよぅ乾いてゐる。

15日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

旅の準備。暑くなったり寒くなったりで、防寒の対策が全く予想がつかぬ。まぁ運次第、と云ふ事にしやう。アレでも、と思ひ、東急反頭のトラベルコーナーを物色。海外用のスーツケースが、なんぢゃら、といふ規格でないとイカンとかで色々売り出されてゐる。

知らぬ人の為に。アメリカ(経由も含む)もしくはそれに属する国、への渡航の際、基本的に預け荷物は空港で「(非立ち合いのもとに)開けて調べられる」のだ。その際、このなんぢゃら、といふ規格の鍵のスーツケースでない場合、「鍵を壊して」開けられてしまふ。キチっとパッキングしても、この段階で引っ掻き回される訳だ。まぁインドのやうに、いつの間にか中のものが無くなってゐる、みたいな事は無いのだらうが、気持ちの良いもんではない。

手持ちの荷物にしても、飲用の液体は全て捨てられ、化粧品や歯磨き練粉は、それ用の透明な袋を買わされる。パソコンなど、電源を入れてまで調べられる。

ワシはメキシコツアーの際、2〜3日用のデイパックに全て詰め込み、機内持ち込みにした。まぁもともとスナフキン並みに軽装の旅なのだが。イミグレもあっと云ふ間にスルー。『長い旅に必要なのは荷物ぢゃなくて、口ずさめるひとつの唄さ』byスナフキン。しかし同じ唄を唄ってて飽きませんかね?師匠。

な訳で、ツアー行って来ます。

おまけ:2008年メキシコツアーの全荷物(笑)


春ツアー2010日記


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