9月


1週目

1日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校。夏休みたった1ヶ月の間に、見事なほど教えた事を忘れくさってやがる。お前らはさなぎか?。壱回溶けてチャラになるんか?と云ふとウケてゐる。ウケのつもりで云ったのではないのだが。しかしマジでお前ら、もっと「勉学」をしに来とる、といふ事を認識せぇよ。

さらにレッスン。しかしここも生徒のほとんどが無断欠席。音楽を演る、楽器を演奏する、といふ事が軽んじられてゐる杞憂、といふより、ワシ自身が駄目インストラクターなのか?と考え込んでしまふ。

その後TIPスタヂヲにて、リョウマ君といふ高校生タップダンサーと軽い打ち合せ。「タップダンスと演ってみたい」といふワシの希望に、ミミが紹介してくれたのだが、これが凄い。即興もイケるし、音楽的センスもある。タップとの共演は初めてではないが、音楽としてタップを操れるダンサーは、正直、これまでの共演者には居なかった。

聞けばリョウマ君も、ちょいと前までは、ただステップを見せびらかすやうなタップだった、と云ふ。此所数年で「音楽的解釈」がぐんと進み、そろそろ本物の演奏家と、と考えてゐたところにワシからのオファーで、彼にとっても渡りに船だった、とか。

曲を作るつもりでゐたのだが、遊んでゐるうちに「これは即興の方がオモロい」と思った。

ア、これは10月11日に演る企画ライヴ「舞」の布石ね。前に日誌で「こんな企画やりたいな〜」と書いたらTIPのミミが乗ってくれて、どうやら実現するやうだ。タップ、コンテンポラリー、ジャズ、の色んなダンサーと、ワシのデュオ・コラボ。この日は、あの関本麻須美ちゃんが帰って来てくれます。

2日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

払い忘れてゐた年貢(保険料税金その他)を支払いに行く。さういや、何年か前の向こうの手違いで発生した追加保険料、『絶対に払わん』姿勢を貫いてゐたが、督促が来なくなったな。ワシは勝った、のだらうか?。

無意識に失礼、なヤツ、といふのがゐて、ワシに向かって「良いベーシストいませんか?」とか「唄を習いたいんだけど良いセンセイ知りませんか?」とか云ふやつ。まぁ本人は無邪気なだけだから、平気でさういふ事を云ふ訳だ。それが社会人としてフツーに働いてたりする。

なんか気がクサクサするので、久しぶりにアタマを綺麗に剃り上げた。

3日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは忙しい。授業→ライヴ→ライヴ、だ。まづは専門学校。2年生ひとコマと1年生ふたコマ。昼飯喰ふ暇がないのでカロリーメイト。

授業を5分早めに切り上げて、しーなさんにピックアップしてもらひ、なんか山奥にある合宿施設のやうな所に行く。なんかよぅ分からん学生の軽音連盟?の集まり?のゲスト?にしーシュが参加。学生による学生の為の学生のイベントのやうで、まぁグダグダなんだが、そこはソレ。演れる事を演るのがプロの仕事。

セッティング含めて30分、アゲ系レパートリィでまとめて5曲。まぁ普通以上にはウケてOK。決して演りやすくはなかったが、手は抜かず、しかもそれなりに楽しんで演奏する事は出来た。学生達と一緒に晩飯を、と誘われてゐたのだが、この雰囲気の中に中年二人が混じる事の違和感を察知し、辞退する事にした。早々に退散してしーなさんとラーメンを喰ふ。

そして次はそれぞれの現場に。しーなさんはホテルのディナーショウ。ワシはKOBAに、吟遊ヴィヲロン弾き谷本仰氏との即興ライヴへ。谷本さんは、電化ヴィヲロンで即興的なソロを演ったりする、小倉在住の異端のミュージシャン。色んな人に以前から名前を聞き、各地で『二人が一緒に演ったら面白さう』と云はれて来た人だ。今回晴れて初共演となったのは、最近交流の深い大槻オサムくんの尽力による。

打ち合せも何にもせずに、まぁ取り合へず演りますか、みたいに始める。これが凄い事になった。

まぁ即興系のライヴを言葉や文字で表現すること自体がオロカなことなのだが、いわゆる、良い即興系のライヴの、しかもかなり成功したタイプの例、といふライヴだった。すべてが素晴らしく絡み合い、また離れ、寄り添い、闘い、和解し、進む。無調のアンビエントがあれば、妙にポップなレゲエもあり、ハ−ドロック的な展開からミニマムへ。さらに轟音のカタストロフィへと。まぁとにかく素晴らしいライヴとなった。

谷本さんもワシも、そいから参謀である大槻くんも、勿論満員のお客さんも大満足、のライヴ。1時間以上演ったのかな?。谷本さんも、早くも再演に大乗り気で、「可能であらばツアーもしやう」と。ここんところ即興で良い事が演れてゐることも嬉しい。ホンマに良いライヴだった。

終演後も、お客さんを交えてのトークは終わらず、花見の後のやうな酒宴が続く。さすがに眠くなったので1時前に席を辞す。まぁなかなか手応えのある壱日でありました。


2週目

4日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

作曲。なかなか難産だった壱曲が、ようやく形になった。歌い手とキィを確認してから清書。よぅしあと壱曲だ。

ツアーが終わったがなにやら忙しく、女房との時間をあまり持てないままでゐる。けふは少し余裕が出来たので、久々に一緒に買い物。つつ井食堂にも行った。まぁ世間的にホンマに忙しく働いてゐる男なんかは、こんなモノどころぢゃないのだらうが・・・・。

夜はマサミとのデュオ。会場のカミンに向けて歩いてゐて、他のハコの前で仲間のミュージシャンに会うのはよくある事だが、けふはその昔一瞬だけ一緒にバンドをやった女性にも会った。和服姿。なんと今は呉服屋さんをしてゐるのだとか。へぇ〜っ!。たしかフラメンコ踊ってなかったっけ?(笑)。

ライヴは、この夏にそれぞれがした長い旅の話などを披露しながら。トークショウのやうで楽しかったが、個人的にはちょいとけふはジャズを持て余した感じ。力不足だなぁ。コード楽器と打楽器の居ないデュオ、はホンマに難しいな。わりと懐かしいお客さんなども来てくれてゐて嬉しかった。

帰りはカミンのマスター杉くんの車に載せてもらった。さすが元ヤン、飛ばす飛ばす(笑)。

5日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

お馴染み「千田わっしょい祭」にFar east loungeで出演の日。出番は12:00から、と聞いてゐたが、朝イチで主催者から連絡があり、暑くてど〜もならぬので、ライヴ時間を前倒しにする、とのこと。よって、来れるならすぐ来い、といふ。ラヂャー!と家を飛び出し、しーなさんを拾って会場へ。

まぁ〜確かにこの炎天下でフリマだのライヴだの演っても、客は来ぬどころか自殺行為ですらあるな、といふかんぢ。それでも、Far east 〜は勿論、飛び入りのジャズ歌手のバックや、ゴンゴマンとバラ子さんにも参加して、けっこう楽しく弾き倒した。ゴンゴマン〜の演奏中、強い風が吹いてステージのテントが吹っ飛ぶ、といふアクシデントが起こった。ともすれば危険な状況だったのだが、誰ひとり演奏を止めなんだ。みんなプロフェッショナルである。

13時には終了。撤収が始まる。申し訳なかったのは、アレでも案内などを見て、定刻に来場してくれたお客さんもゐた事。ありがとうございました。そして、ごめんなさい。

その後、ちょいと悩み多きしーなさんと、デートがてら話し。彼女が思ふ「表現者としての未来への不安」は、例えばワシはよく理解出来る。が、同じ表現者の中にも、そんな事は気にかけもせぬ、といふ人もゐるだらう。ワシとて、端からは『何も迷いがないやうに見える』と云はれた事もある。しかし、迷わぬ訳はなからう。技術的な壁、肉体的な衰え、金銭的な限界、etc・・・。この人生、迷いと不安だらけだ。

が、その苦悩こそが音楽を深くするのだ。と信じたい。そして、それら含めて、最終的な結論としては『しょーがない』といふ所に行き着く。のだ。

6日(月)----------------------------------------------------------------------------------

台風が近付いてゐるらしひ。異常な残暑はそのせいもあるか?。午前中授業の後、東急半図で日記用(プライヴェートの)のノートとロットリングを買う。

久しぶりに時間が出来たので、DVD見る。韓流映画「復讐者に憐れみを」。ん〜〜〜〜〜〜・・・・、なんかよぅ分からんなぁ。これはかういふものだ、と認識すれば良いのだらうか?。同じやうな内容でも、日本映画なら理解出来るのかな?。それは単純に言葉の問題だけなんだらうか?。お隣の国、とは云っても、文化も歴史も全く違う国だからなぁ。ましてや海を隔ててるし・・・・。

御贔屓女優ペ・ドゥナが出てゐて、全裸を晒してSexシーンを熱演。これは良い。

7日(火)----------------------------------------------------------------------------------

昨日、親友の父君の訃報が入った。ので、葬儀に参列してくる。お会いした事はないが、向こうは良く存じてくれてゐたらしひ。母上にも礼を云われてしまった。子供も全員成人してゐるとは云へ、鬼籍に入るにはちょいと早い年齢だ。まだまだ心残りは多かった事だらう。どうか、安らかに。お疲れ様でした。

先日フと思ひ立ち、ルイ・アームストロングのベスト盤を購入。車の中で聴いてゐる。ジャンプナンバーも良いが、やはりバラードが素晴らしいね。このだみ声でバラードを唄う、といふ所に行き着いたのが凄い。で、そのハマり方たるや絶大なる効果。「What's a Wonderful world」が、この声で唄われた唄でなければ、これほど遍く知られてないのでは?とさえ思ふ。

高校1年生の頃、バラードを唄いたいが為に高く澄んだ甘い声、を欲してゐた時に、この曲を聴いた時のカルチャーショックたるや、想像してみたまえ。

8日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

エリオット・シャープが、正統派のブルーズを演ってる、といふので(一部で)話題のHoosegowのアルバムを入手。女性Voとのデュオで、確かに真っ当なブルーズを演ってゐる。ホンマに、最後まで普通にブルーズ。あぁやっぱりこの人ってフツーのギターも弾けるんだ、てのと、まぁそのフツーのギターがなかなか上手い、てのを再認識するかんぢ。

が、まぁ余計なお世話だが、これ果たしてどーいふ人達が買うのだらう?とか思ってしまった。

E#のファン?、ブルーズのファン?、変な音楽のファン?、ワシのやうな好事家?・・・どれも的を外してるやうな気がする。あまりにもフツーだから。どーせなら、例のデタラメなダブルネックベース&ギターで、ブルーズを「解体」して欲しかったやうな気が。

9日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

レッスンの空き時間が膨大。まぁ有効にソロのリハをす。大幅にアレンジを変えたりもしたいのだが、やはり気付けば「いつもの形」になる。無意識に「上手く行った時」のパタンに近付こうとするのは、演奏家としての本能なのだらうか?。ヴォイスやベースでのアドリヴにしたって、なんかいつの間にか、前に演った事を踏襲してしまひ、なをかつそれがパタン化してしまってゐる。いかん。

演るからには、常連の聴き手が、新曲か?と思ふくらいの事をせねば、あまり意味がない。さうなるとどーしても「完成度」といふ点では低くなる。結局はマイナーチェンジによる演り手の自己満足、に終わってしまふパタンも多くさういふのもけっこう見たり聴いたりしてさういふ事をやった人に対して自分がダメ出しをした事もあってソレをぢゃあいざ自分が演るとなるとやはり嗚呼

悩める秋である。

10日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校前期最後の授業。1、2年ともに実技テストを施行す。まだ2オクターヴのメヂャースケールすら憶えとらんのかお前らは。

3コマ授業の後、チャリを30分走らせ、カシラんちへ。再来週から始まるシルクロードへの旅のために、デカめのバックパックを借りる。ついでにしばし歓談。息子のクレハがゐて、ベ−ゴマ遊びに興じる。なんでも来客と必ずひと刺しするのが、彼の流儀なのだとか。7勝3敗でワシの勝ち。父親に似て負けず嫌いである。

明日、久しぶりに呉市の花Clubにてソロのワンマンをやる。いつも呼んで頂いて感謝だが、流石にいつも同じやうな内容ではお客さんにも申し訳ない。ので、明日は色々と趣向を凝らしてみる事にす。いつものベース弾き語りは勿論、ギターの弾き語りや、これも久々、バックトラックを流しながらのベースソロ、とかもやってみる予定。

ところで、一五一会、て楽器。あれちゃんと音楽的に使えるのかね?。


3週目

11日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

呉市でのソロ・ワンマン。お馴染みの花Clubであるが、いつも呼んでもらって感謝。そこにアグラをかいてゐてはイカンので、けふは色々と趣向を凝らしてみる事にす。まづはギターを用意。そいからカリンバも。さらにバックトラックのMDとそれを鳴らすプレーヤー、及びこれらを集中操作するミキサーを準備。久々にこんな大機材でライヴに挑むなぁ。

会場入りして、それらの機材壱式の操作と動作をチェック。まぁいちをう全部使える。が、なんやかんやしてて、結局ライヴ始まるまでラインナップを考える、ことを考えてなかった。あらら、てなかんぢでライヴスタート。久々に「月の路」から始めてみる。お客さんは決して多いとは云へないが、えらいこと真剣に聴き、反応してくれるお客だったので、こちらも集中して演奏出来る。

いつものベース弾き語りに加え、カリンバで「かがり火」を。久々なのでカリンバのチューニングが怪しい。ギターを使って「サグラダファミリア」「花の都ぺシャワール」。うーむベース弾き語りに比ぶれば、格段に楽だなやはり。バックトラックは「静の海に眠れ」の為に用意してゐたが、結局演らなんだ。そいからカヴァー曲「蘇州夜曲」「スターダスト」も、用意してゐたが演らなんだ。演るタイミングを逸した、といふかんぢ。曲順を決めなんだせいだね。

とまぁ、終わってみれば「趣向を凝らした」といふ程の事はあまりないライヴだった。

しかし、けふは「曲の力」で聴かせる事が出来た、といふかんぢで、CDが10枚出る。壱会場で10枚売れる、なんてあんまりないので驚き&嬉しい。なにより「曲が凄い良かった」と告げて帰られるお客さんの多かったこと。たいへん嬉しい。ありがとうございます。

遠くは大阪から来られてゐる方もゐて、終演後はカレーを頂きながら和やかに談笑。マスターのりょーじさんはワシと呑みたがってゐるが、まぁ車で来てゐるので。さうなぁ・・呉は近いっちゃ近いし、遠いっちゃ遠い。花Clubだけでなく、Razzに来る時も、結局は車で来てその日に帰る事になる。一度、帰りを気にせずこちらのファンやお店の人とゆっくり呑みたいもんだな。

12日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

女房の親戚が心臓の手術をして入院してゐるのを見舞いに行く。「弁」の手術だったさうだが、元気に昼飯を喰っておられて一安心。タマタマ人間ドックで異常が見つかったのださうで、やはり「早期発見」は肝要なりや?。

夜は明日のライヴのリハ。リコズトリオ+ワシのツインベース・クァルテット。どっちかってぇとアクースティックなこのバンドに、「電化」と「異端」のテイストを加える、のがワシのニッチ。まぁまた色々と変な事をする。壱小節まるまる、チカラさんとフィルインがユニゾンになったりして、驚き&笑い。以前、大阪で朋友泉尚也さんとデュオを演った時にも、ちょっとしたフィルのタイミングとかがぴたっと合ったりしたな。

なんのかんの云ふても、やはりワシはベーシストなのだな、とも思ふ。

13日(月)----------------------------------------------------------------------------------

んで そのリコズのライヴ。75年製ピアニストの夕べ、と題されたライヴ。要するにまぁ対バンもりこと同い年、て事か。

その対バンは、森下滋トリオ・・・森下滋(Pf)藤井学(Dr)八尋洋一(Ba)といふ布陣。敬愛する八尋アニキと、かつての盟友マナブのリズムセクション。当然バリバリのゴリゴリなピアノトリオだ。対するリコズは全編ツインベース、といふ強引な編成(笑)。昨日のリハもすごいえぇかんぢだったので、特に不安材料はない。八尋アニキはこないだの東京以来、マナブは3年ぶりくらいか。やぁやぁ、とか云ひながらリハなど。

けふのチカラさんは全編ウッドベース。彼に下を支えてもらって、ワシはかなり好き勝手に遊ぶ。1曲の中でウッドと電気、両方のベースソロがあるなんてまぁ贅沢な。バスをカットしてピックで弾いて三線みたいな音出したり、歪ませてスクラッチしたり、ディレイで鼓動を表現したり、とまぁ一通りオカシゲな事を演る。うーむバンドの中でかういふニッチってすごく良いな。お客さんとして来てくれたしーなさん(誕生日!)も『ものすごいオモロいクァルテットだ』と。

森下くんは、もうバリバリ。途中、ピアニスト交代、といふコーナーがあり、リコの曲を八尋&マナブコンビで、森下くんの曲をリコズのバックで、演る、といふ。これがオモロかった。リハや本番の音を聴いて思ふに、森下君はプログレ〜ロック一通り通って来てゐる、と推測。冒頭、ジミヘンのリフを弾いた所すかさず反応して来てくれたので、よっしゃ!てかんぢ。ごりごりのピアノファンク・セッションとなった。

いやしかし八尋アニキ。

東京で一緒に演らせてもらふやうになって、近しい所で見てゐる気になってゐたが、客席で聴くそのベースは、まぁ凄まじいの一言。グルーヴ抜群のベースラインは勿論、必要に応じてアタック、コード、空間、エンターテイメント性まで、音楽全てを網羅する八尋さんのベースは、ワシのもっとも「目指す」スタイルだ。ワシの残りの人生で、このレベルに近付く事すら出来るのかいな、と思ふ。

いや、素晴らしいライヴだった。

打ち上げも楽しく。上記のやうな事を八尋さんに直接伝えると、「俺もお前の音楽を素晴らしいと思ふのだから、それで良いぢゃないか」と云ってくれる。

その八尋さん、3時くらいになって『皆でボゥリングをしたいな』と云ひ出し、冗談かと思ひきや、ホンマにボゥリングになだれ込んだ。深夜のボゥリング!。酔っ払ってゐるので、当然皆スコアは振るわず。マナブなど、途中で寝てゐる(笑)。それでも楽しく1ゲームやり、4時頃お開き。明日は山陰に向かふらしい森下トリオ。気をつけて良い旅を。

しっかしタフだなぁアニキ。

14日(火)----------------------------------------------------------------------------------

4時半ころ帰り着き、寝たのは5時過ぎだったかな?。ちょいと前なら、もう日が射してゐる時間だな。

かうなるとあまり眠れないワシ。しかもコピーせねばならぬ曲があり、起きてやる。が、またこれがくだらん展開ばかりのJ-Popで、眠気でボーとした頭でなんとかやり切る。

いちをう、昨日のライヴで今月の演目は終わり。今週末からのシルクロードへの旅が待つのみ。が、帰って来たらすぐまた専門学校だし、10月も個性的なライヴがいっぱいだ。気を抜いてゐるヒマはないぞ、シュウよ。

15日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュリハ。しーなさんとは色んな場面でタッグを組む事が多く、しーシュ以外での共演もしょっちゅうなのでアレだが、実際にはしーシュのリハってこのところほとんど出来てないね。けふもリハといふよりは、レパートリィの思ひ出しに終始したかんぢ。秋にかけてけっこう本番もあるのだが、大丈夫かね?。

久しぶりに「コピーしてみたい」気になった曲があり、チャレンヂ。ゆったりしたスウィングのビートに4連符(ハネない16ビート)のメロディ、と云ふ変わったリズム。スケールは普通のチャーチ・モードだが、音並びが独特でとても難しい。が、その旋律の美しいことよ!。速弾きだの大技だのをコピーしたいと思った事はないが、自分の中にない旋律に出会うと、そはやはり音を取りたくなるねぇ。

16日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

イラついてゐる人を前にすると、人は無力であるな、と思ふ。

10月11日にやる自分企画「Project 舞」の打ち合わせ兼リハを、Jazz danceの平賀育未ちゃんと演る。この人、ワシはづっと初対面だと思ってゐたのだが、2006年の6月にクレドホールで演ったとあるイベントで、直接ではないが共演してゐた事が発覚。「私は前から知ってましたよ」と云はれてありゃりゃ、といふかんぢである。

育未ちゃんがこの企画に参加してくれる事が決まった時、コレとコレで踊ってほしいな、と思ひつつ『自由に選んでみてね』とランダムに曲を渡した所、ワシの思惑とまったく同じ曲を選んでくれたので嬉しや。楽しみですね。てゆーかあと1ヶ月ぢゃねーか。

17日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

早起きして旅行前の追い込み仕事を仕上げておく。午前中には全ての作業を完了。荷物のパッキングも済ませた。さぁ明日から遥かシルクロードの彼方である。西安から敦煌まで鉄道で28時間、ていふスケヂュールがある。いかに鉄っちゃんと云へどこれは初めての経験。そもそも28時間走って何処にも辿り着かないなんて、日本ではあり得ない話。

アレでも万が一の事があるかも知れぬので、その旨、壱筆書いておく。

てな訳で、行って来ます。反日感情が高まってゐる、と云はれてゐる中での中国行きです。その真相にも巡り合えるでせう。

ぢゃあ。


シルクロード旅行記(いつか書くかもしれませんね)


5週目

25日(土)シルクロードから帰る-----------------------------------------------------------------

雨の西安から飛行機を乗り継ぎ、上海経由で広島空港に帰って来た。

づいぶん長く不在にしてゐた気がするが、壱週間。ツアーの時とそんなに変わらん。てゆーか、ツアーも結構長い不在なのだ。飛行機を降りてすぐケータイの電源を入れ、まづは女房に無事帰国の報告。駅までのリムジンバスに乗り込み、電車に乗り換えて家路へ。

電車は結構空いてゐて、さぅか土曜日か、と思ふ。最寄り駅の前で女房と会う。迎えに来てくれた訳ではないが、帰国祝いの祝杯用ビールを調達に行ってた所、といふので、まぁ同じ意味とする。かくして壱週間ぶりの我が家のリビングで、久しぶりの日本のビールで乾杯。1時間ぐらいは土産話を披露する。女房によると、ここ2〜3日で急激に冷え込みが増し、一気に冬になった、とのこと。

西安〜敦煌の気温差(30度〜10度)を経験してゐるので、それほどには驚かなんだ。

26日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

てめぇの勝手で行って遊んで来た訳だが、旅の疲れを取る壱日とす。

朝飯を喰ひ、女房に土産話の続きを。しばらく「中国では〜」が口癖になる嫌な中年になりさう。TVのニュゥスでは日中の政情的緊張の様子が伝えられてゐる。何も云へる事はないが、どうかまた気軽に訪ねてゆける国どうしであってほしい、と思ふ。大使館に発煙筒を投げ込んだりしても、なにも変わりはせぬ。

ぢつはコピーせねばならぬ曲やら、書かねばならぬ譜面やら、アレンジせねばならぬ物件などあるのだが、けふの所はぐっと堪えて何もしないでおく。夕方、ベースを弾いて手の感覚を思ひ出させておくだけ。

27日(月)----------------------------------------------------------------------------------

なにかの折に女房が「カジャ・グーグー」の話をしてくれた。

もともと80年代洋楽に極端に疎いワシは、このおかしげなバンド名しか聞いた事がなく、その音楽性もなにも知らなんだ。相当な実力派バンドだったが、哀しいかなアイドル扱いされてゐたらしひ。色々検索してみるに、あぁなるほど、あのリマールがゐたバンドか、てゆーかリマールって男だったんだ、とか、思ひながら調べ進む。

調べ進むうち、このバンドのベーシストはなんと、あの1999年ジョン・ポール・ジョーンズの来日公演で、踊りながらスティックを弾いてゐた兄ちゃんだった事が発覚!。ジョンズィが来日する!て事でどんな事を演るのか!?と誰もが期待し、フタを開けてみたらシムプルなトリオ編成で、しかしベースもギターも見事にカバーするスティック奏者、あれは誰だ!?と、思はしめたあの兄ちゃんが、カジャ・グーグーのアイドルベーシストだった、のだ。

ニック・ベッグス。今もベーシスト〜スティック奏者として、元気で現役の活動を続けてゐるやうである。

色んな生き方がある。と思ふ。

28日(火)----------------------------------------------------------------------------------

どうも向こうで風邪をもらって来てしまった様子。ウルムチあたりで「喉が痛いな」と思ひはしたが、空気が乾燥してゐるせいだ、と思ってゐた。まぁ暑かったり寒かったりが、あんだけ激しけりゃ、ねぇ。

朝イチで医者に行き、薬もらう。中国に行ってたことを話すと、センセイが『あんな事になってねぇ・・・、あなたにはトラブルはなかったかね?』と訊く。かういふ訊ねかたをする人はまだ良いんだが、ある人など、ワシに会うなり中国の総体的な批判を始めた。この人にはお土産を渡そうと思ってゐたのだが、やめた。誰を批判しても、なにも始まらない。

午後、しーシュのリハに続けて、久しぶりにCM(のデモ)録りに行く。しーなさんのMCに合わせて、ワシがソウル風のシャウトをする、といふオモロいもの。風邪とリハでちょうど良いかんぢに声が嗄れてゐた。ふたりとも5分ぐらいでOK。「よろず音楽提供デュオ」としての面目躍如たる働き(笑)。まだコンペに出す段階なので、採用されるかどうかは・・・。

29日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

流行ってゐるらしいアニメ「けいおん」の主題歌を、生徒が演りたがってゐるのでアナリ〜ゼ。歌詞の下らなさに驚愕。これの、仕掛人はプロ、といふ図式が、ますますやれやれ、といふ気にさせる。このアニメの影響で、なんか今ベーシストが人気あるんだってよ。阿呆か。

まぁこんなモノが流行って、それを「目標」にするやうなヤツらが、アマチュアとは云へ「楽器弾き」の中から現れてくるうちは、日本の音楽ってダメだらうな。

なんか愛器ヴァネッサの音が、ますます「ベース離れ」して来た気がす。普通ベースって「ブーン」って云ふと思ふのだが、最近のヴァネッサは「ップゥム〜ン」てかんぢで鳴る。こないだも(結構若い人から)「それはなんと云ふ楽器なんですか?」と訊かれた。まぁ良いんですけどね。

30日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

いよいよこの街で、音楽で喰って行くことが難しくなって来た感が強し。イベントに呼ばれない事も増えて来たし、生徒数は激減の一途。考えどこかもしれん。どうしたものか。今さら職を変える、と云っても・・・・。バイトをする事に昔ほどの抵抗はないのだが、それをやってしまふとツアーに出れなくなる、と云ふマイナスが大きい。ん〜どうしたものか。

それでも企画は動く。ベリーダンスのNoriちゃんと「企画:舞」のリハ。本場エヂプト仕込みのダンスが素晴らしい。彼女に限らず、上手いダンサーと一緒に演ってると、見とれてしまって歌詞をよく間違える。マスミちゃんと演った時など、たった壱曲の本番の歌詞を噛んでしまったりもした。毅然と唄わねば。


10月へ