夏お江戸遠征

24日(土)移動日---------------------------------------------------------------------------

けふから8月アタマまでお江戸へ出張。夏期のツアーで東京1週間以上滞在、てのは3年ぶりくらいだらうか?。全国的な猛暑、と云はれてゐる中での東京、果たしてどーなることやら。

旅の準備はもう手慣れたもの。スーツケース1コに全てをまとめる。21時広島駅発の夜行バスで、ひたすら東へ。久しぶりにJRのバスを使ふ。いつも使うのより¥3000くらい割高なだけあって、毛布やスリッパ、珈琲やお茶なんかのサービスもある。が寝難いのは一緒。夜行バスって寝台式に出来んのかねぇ?。

25日(日)屋形船--------------------------------------------------------------------------

朝7時前に東京駅に到着。定宿吉祥寺に向かふ。日中は昼寝したり。少し買い物したり。

夕方から早速壱本目のライヴ。隅田川を走る屋形船で唄うのだ。これは初体験。楽しみだ。電車を乗り継ぎながら会場へ向かってゐると、なんと浅草橋の改札で昔のバンド仲間M氏(広島在住)と出会う。お互いが『なぜ此処に?』の世界。20代の最初頃、初めて東京にライヴしに来たバンドでドラムを叩いてゐたのが彼だったのだ。最近ぢゃ広島でも滅多に会わぬのに、なんといふ偶然か!?。大いに驚き笑う。向こうもツアー中だとか。頑張ってゐるねぇ。

さてライヴである。友人ミュージシャン角辻順子ちゃんの誕生日を、屋形船を借り切ってのライヴパーティーで祝うやうになって5回目。その華々しい席にお呼び頂いたわけだ。順子ちゃんのダンナは兄弟分バンドBARAKAの平石正樹さん。順子ちゃんとはその縁で、2002年のツアーで出会った。以後、色々な形で交流が続き、結局パーカスのくどうげんた氏と並んで、東京でもっとも共演回数が多い友人となった。彼女のバンドメンバーとも既に顔馴染みで、他所者がこんな親密なライヴに参加させてもらってゐる不思議と幸せと歓びを、強く感じる。

ワシはソロで「こきりこ節」と「夜明けの海ごっこ」を演奏。順子ちゃんのバックは勿論、順子ちゃんの母上の唄にも参加。演ってない時は呑み、喰ひ、語り、とぢつに楽しい宴。約2時間で周回が終わってからも、丘に上がって二次会は続く。初日のライヴとしては、上々の滑り出しである。

順子ちゃん、良い宴をありがとう。そして誕生日おめでとう。

26日(月)三軒茶屋グレープフルーツムーン---------------------------------------------------------------

ライヴ二日目。朋友くどうげんた氏企画するところの「シンジケート地下水脈」。

この日のワシは全てのユニットに参加。ほぼステージ上に出ずっぱりで、さながら「梶山シュウ祭り」(笑)。中ムラサトコneomii&moonbow、八尋関根げんた&シュウ、と、それぞれリスペクトするアーティスト達との共演は、まさにワシにとっての「お祭り」です。

まづはneomii&moonbow。昨年末某イベントで御一緒して一目惚れしたユニットだ。その流れで今年春先にはメンバーの芳晴さん(二胡)下館直樹さん(gu)と共演し、今回晴れてユニットにゲストとして参加できる。正直、ものすげぇ予習しました。その甲斐あって内容はバッチリ。長年一緒に演ってゐたやうに、最高に楽しく演奏できた。終演するのが勿体なかったほど。彼らも同じ気持ちだったら嬉しいのだが。

続いて中ムラサトコさん。ヴォイスパフォーマ−として強力に惹き付けられる彼女のチカラ。実際にナマで見るとそれはもうホンマにスゴかった。足踏みオルガンと声だけ、で、恐らく彼女は万単位の人間でも納得させるだらう。ワシはゲンタさんと共に最後の二曲に参加。こちらはもう張り合うつもりでガンガン行く。緊張感溢れる展開。素晴らしいセッションになった、と思ふ。場内おおウケ。

最後はいちをうワシがリーダーとしての八尋関根ゲン&シュウ。いま現在、ワシの東京コネクションによる唯一の「唄もの」バンド。このメンバーでは2回目のライヴだが、あえて新曲は加えず、全開演ったのと同じナンバーを、より深く解釈してもらった。さすがに細かいキメなど忘れてゐたが(苦笑)、最後の八尋さんとのデュオによるこきりこ節で、まぁなんとか持って行けたのでは?と思ふ。

長年、ファンだったり尊敬してゐたりするアーティスト達と、立続けに共演出来る、と云ふまさに「お祭り」的な壱日だった。それぞれの意外な繋がりなども発覚して、参加してくれた人達にも、楽しいイベントだったのなら、なを嬉しい。企画してくれたゲンタさんに感謝。

27日(火)オフ日-------------------------------------------------------------------------

終日、宿でのんびり。今回、出来る限り自炊してみやう、と思ひ、SEIYUに買い物に。なるべく安い食材を選ぶ。しめぢ、カットキャベツ、もやし、玉葱、納豆、食パン、ツナ缶、コンビーフ・・・。納豆入り焼飯を作り、宿主の久保田涼子にも振舞う。好評。

夜は友人ベーシスト榎本高さんの参加する狩野良昭さんのライヴを観に行く。突然訪ねて行ったワシに大層驚きながらも、喜んでくれる榎本さん。最近「唄う事」に目覚めたさうで、けふも壱曲披露。ワシも大ファンの鈴木亜紀さん「くらげのふたり」を熱唱。素朴だが意外に力強い唄声。やるなぁ・・・。

終演後、他のお客さんも込みで、色々と話し。りょーこのチャリを借りて行ったりしてたのもあって、なにかホンマにこの地に暮らしてゐるかのやうな錯覚も覚える。感慨深い。

28日(水)オフ日-----------------------------------------------------------------------------

けふは唄うたいヒーコちゃんと会って昼飯など。詩人西川たけし氏のところに連れてってくれる。西川氏、その人を観て直感で一筆の詩を書く、といふ路上詩人。ワシにも一筆書いてくれたのだが、その内容に驚く。

あなたが動きながら発見し
自分の心に積み重ねて行く喜びは
多くの人を笑顔に変えて行く宝となる
心のまま 前へ 前へ

一瞬、前もってワシの事を調べてゐたのか?と思ってしまった。ヒーコちゃんによると、かなりの確立でその人の抱えてゐる物事を適中させ、ポジティヴな詩を贈ってくれるらしひ。不思議なちからである。なんで?と訊くと「なんとなく」と答え。いや驚きました。

夕方から、東京では初めて、個人練習にスタヂヲを借りる。さすが東京、電話した時点ですでに18時からの1時間をキープするのが限界。あとは明日の朝まで詰まってゐるのださう。すごいねぇ〜。飛び込みで1時間取れただけでもラッキーなのかもしれぬ。気合い入れて1時間唄い込んでおく。

夜はツナ缶を使っての野菜炒め。あるいは在京の友人の誰かと飲みにでも出かけるか、とか思ってゐたが、まぁ要らぬ出費は避けるか、と思ひ直し、おとなしくしておく。

29日(木)阿佐ヶ谷ネクストサンデー-----------------------------------------------------------

けふはポモドーロ・スパゲティを作る。他人ちの台所は使い難い、といふが、だいぶ馴れた。

さぁけふは今ツアー唯一のソロの演目である。一癖あるソリスト5組を集めた「はグレ企画:一花撩乱」。なんとあの日比谷カタン氏と合いまみえる。カタン氏は、何年か前、全くの思ひ付きでキンモ・ポーヨネンなるアコーディヲン弾きの来日公演を観に来たとき、オープニングアクトを務めておられたのを観た。超絶的なギターと不条理な唄世界に『なんとも凄いパフォーマ−が存在するものだ』との思ひを抱き、その後、やはり他方面からその名を聞き及ぶやうになってゐた。けふは同じソリストとして、同じステージに立つ、のだ。

まぁ日頃の自分を演るだけだ、と日頃の自分を演る。30分で6曲。満場の拍手と歓声が成功を確信させてくれた。多くの友人が応援に駆け付けてくれて、思ひの他良いパフォーマンスが出来た、と思ふ。

他出演もバラエティに富み、超絶変拍子ピアノ弾き語りの女史、リアルタイムサンプルクリエーターDORAMARU氏、など、企画の内容的にも素晴らしいライヴだった。

久々に観たカタン氏のライヴはやっぱり凄かった。ギターの弾き語り、と云ふスタイルで特化しやうとしてゐる友人を何人か知ってゐるが、カタン氏の在る限り、それはちょっとやそっとでは難しからう、と思ふ。初めて話をする事も出来て、嬉しかった。是非またどこかでご一緒出来る機会があることを祈ろう。

良いライヴだった。深夜ラーメンで、ひとり祝杯。

30日(金)吉祥寺シルバーエレファント--------------------------------------------------------------

朝食にしめぢとコンビーフのパスタ。コンビーフが得意でない、と云ふりょーこに構わず。

けふは色々と思ひ出深いシルバーエレファント。どっちかってぇと「プログレ」系のイベントに即興で参戦。どらびでおこと一楽良光氏(Dr)、佐藤真也氏(pf)、AH女史(Vo)、にワシ。なんと初対面の4人が呼び寄せられて完全即興する、といふ無茶な企画。リハで『初めまして』とか云ってるワシらに、他出演者から笑いも起こる。

この中でワシだけが、一楽さん、佐藤さんと別々に共演済み。あとの3人は初顔合わせ。まぁ必然的にワシがまとめ役となって進める形に。お互いの紹介も、何故かワシが間に入ってしてゐる。別にいいんだけど、本来さういふ事は企画者がちゃんと進めてほしいもんだがなぁ。

実際、いざワシらがステージに上がっても、一楽さんのサウンドシステムを走らせる術がなかったり、お世辞にも上手く流れたイベントとは云へなかった気がする。でもまぁ内容的には仲々のモノが出来たのではないか?。サウンドシステムが発動しなかった分だけ、純粋なドラムス・インプロヴァイザーとしての一楽さんも、流石に素晴らしい。

最近、完全即興に割と縁があるワシ。それが東京で、といふのもオモロい。

ちょいと散漫な感はあれど、けふもまぁまぁのライヴ。これで梶山シュウ個人としての演目は終わり。明日からはしーなさんと合流して「しーなとシュウ」の梶山シュウになる。

31日(土)リハ日---------------------------------------------------------------------------

昨日買っておいたコロッケでサンドヰッチを作る。

けふは二胡奏者山平憲嗣氏のお宅兼スタヂヲに出向き、しーシュ+ケンジのリハである。昼の新幹線で上京して来たしーなさんをケンジさんに拾ってもらひ、ワシは東横線で日吉へ向かふ。東京遠征を始めた頃は日吉が基地だった。懐かしいなぁ。

ケンジさん、送っておいた譜面と音源をよく研究してくれてゐて、ほぼ狙い通りのハマりっぷり。素晴らしいのでケンジさんの曲も壱曲やることにす。これは明日が楽しみだ。

遅くならぬうちにおいとま。吉祥寺に帰って、とりあへずしーなさんが無事合流した祝いの晩飯。けふはシルエレでBARAKAがライヴを演ってゐたハズ。もう終わってゐるだらうが挨拶だけでも、と顔を出すと皆さんたいそう喜んでくれた。打ち上げにも誘って頂き、不粋ながらも参加。

1日(日)青山外苑前ジマジン------------------------------------------------------------------

なに喰ったっけ?

けふは青山!。東京初めてのしーシュワンマンライヴ。会場のジマジンは、春のツアーの時オフ日に客として来た。ピアノがあるハコで「しーシュに」と思ひ、軽い気持ちでしーなさんに「オファーしてみたら?」と云った所、あれよあれよと云ふ間にワンマンが決まっちった。さぁどれくらいお客さん来てくれるんでせうかー?

開けてみて吃驚。店内満席の大入り。新旧の在京友人知人ファンの方々が詰め掛けてくれた。

内容的にはさすがに少し堅かったかなぁ、といふ気がせぬでもない。緊張したつもりはないのだが、しーなさんには緊張してゐるやうに見えたらしひ。悪くはない演奏だったハズだが、イメェヂとリアルが結びつかない、そんなかんぢ。それを証拠にベースソロが長い!。惜しい。

最近のワシの特徴でもある間抜けたMCはおおいにウけ、最前列の女性が「(笑い過ぎて)腹が痛い」と云ってるのが聞こえた。

たっぷり2ステージ。ケンジさんの熱演のおかげもあり、なかなか良いライヴを完遂する事が出来た。大勢集まってくれた皆さん、ホンマにありがとう。良いライヴだった、と思ってもらへる事を祈るしかない。まづはしーなさん初日お疲れ様。

2日(月)北千住Knock--------------------------------------------------------------------

しめぢの入ったオムレツ作る。

お江戸千秋楽は北千住。前回の春ツアーの時、惜しまれつつ閉店した北千住ダンデライオン。そこが新たにKnockといふ名で生まれ変わり、今回初出場する。前回と同じく朋友三輪雅也氏の企画。前回はワシのソロをブッキングしてくれた三輪くん。こたびはしーシュで、といふのを受け、自身もパーカスとのデュオで出演。その相方が女性で、よって男女デュオがふた組出演、て事になる。で、「遠くて近きは男女の仲」といふ名のイベント。

三輪くんの相方はひとみさん、といふ女性パーカッショニスト。長門のナオエにタイプが似てるな、と思ってたら、やっぱり友達らしひ。また知人の輪が拡がった。いや〜世間はホンマに狭いね。てゆーかワシらの行動範囲が広いのか?。

店の内装や音響などはダンデライオンのまま。前の時も演りやすかったが、しーシュで演るけふも同じ。昨日と比べたら格段に力の抜けた演奏で、たいへん我ららしい良いライヴが出来た、と思ふ。お店の常連さんを中心とした観客にも、好評。ギター+パーカスにソフトヴォイス、の三輪くん&ひとみさん、ピアノ+ベースに民謡系、のしーシュ、で、イベントとしても良い対比が出た。

せっかく担当楽器がカブらない4人が揃ってるので、なにか共演をしたかったのだが、諸事情により今回は断念。次は是非演りませう、と話になった。毎度ブッキングを受けてくれる三輪くんに感謝。同い年。がんばろーね今後も。

さて全てのライヴが終了。初めてしーなさんと打ち上げ。春のツアーん時に行ったシーシャバァに行き、また煙を燻らせる。しーなさん、前回より吸うのが上手くなってゐる。結局この日は4時ぐらいまで一緒に呑んでゐた。明日は帰るだけなので。

3日(火)オフ/移動日------------------------------------------------------------------------

コンビーフとキャベツのパスタ。

けふは夜のバス出発時刻まではオフ。しーなさんと井の頭公園で落ち合い、散歩しながら昼間ッからビール呑んだりす。帰り支度をしてまたビール。新宿まで出て、最後の東京そばを喰ひながら、またビール。バス搭乗手続きの後、さらにビールを買い込む。よぅ呑んだ壱日。まぁ帰るだけだから。

バスに乗り込む段になって、急に向こうが『楽器は積めぬ』なぞと云ひ出しやがり、焦る。予約をした時点で規約に書いてあった、といふが、そんなモノ読むわけなからう。積めぬのなら乗らぬ、と云へばどーなるのか?、カネは返すのか?、などと怒るワシをしーなさんが上手く執り成し、積めるやうにしてくれた。結局は、壊れた時の保証が云々、といふ話らしい。つまらぬ。

バスは20時に新宿を出発。その後、22時、1時半、4時、6時半、と飛び飛びに休憩。そのたびに起こされるのが鬱陶しい。


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