旅する電気ベース弾き語りスト、梶山シュウのつれづれなる日常
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24日(土)----------------------------------------------------------------
クリスマス・イヴである。
結婚して以来、づっとこの日は「鶏を喰ふ」事にしてゐる。ナニかの起案で壱度「丸鶏」を調理したのがきっかけ。最初頃は「食鳥協会」といふ処に発注してゐた。そのうちプロの食材店などで七面鳥の「マル」を入手したり、食が細くなってきてからは、ひな鳥の「マル」をひとり壱羽づつ調理してたりした。去年ぐらいからなんか厭きてきて、しかしまぁ鶏は喰はねば、との思ひから「鶏脚(いわゆる骨付き腿肉)」を焼いて喰ってゐる。
カリっとジューシィに焼くのが、なかなか難しい料理ではあるが、よぅは火加減と味付けだ。ウチは親父が上手だった。一人暮らしを始めた頃、さういへば・・と思ひ、親父に電話して焼き方を教わったりした。まぁ近いものが作れるやうにはなった、と思ふ。
少しだけの勇気で 赦し合い 世を超えて行くのだ メリー・クリスマス。
25日(日)----------------------------------------------------------------
さて、孤独な営業「吟」の特別編、with 岡本アッコ、である。
ホテル自体のスペシァルなので男女デュオで・・・、と云はれて準備した割には、演奏する時間帯がちょいと違うだけで、あとは「まぁいつもどーりお願いします」と云はれたり、なんかよぅ分からんな(笑)。まぁ折角なのでクリスマス的なものを準備して臨んだのだが、1stは、お客さんの方が「ヴュッフェに音楽」といふ事に戸惑ってゐるかんぢで、たいへんビミョ〜だった。
2ndからのお客さんは真逆で、音楽にも大いに反応し楽しんでくれ、3rdステージまで残って聴いて行かれた方も多かった。カフェからヴュッフェに変わり、ワシらも演り倦ねてゐる感は否めぬが、お客さんもさうなのだらう。これってホテル的にどーなんスかねぇ?。
ワシ的には「ギター弾き語り+サックス」てのは新鮮で、見渡してみてもさういやぁそんなにないな、と・・・。「吟」や「独弾」の新しいデュオの可能性として、バリエーションに持ってゐてもオモロい編成かもしれんな・・。
これでWADAバンドのメンバーのうち、保本そのえ、岡本アッコ、と共演が成就。次はジュンゾーさん(ba)かサトシ(dr)か・・・。
26日(月)-----------------------------------------------------------------
大晦日にカウントダウンのライヴを演る特別編成のリハに行く。
リーダーは竹内ふみの(vlin)、ベースに渡辺祐平、パーカスに藤原教芳。とワシ。パーカスのノリさんとは初見。共通の知人は多いやうで、意外な人の名前が出たりした。でまぁこのユニットに合わせて、ワシは何をすれば良いのか?てな事をづっと考へてゐて、遂に「ピッコロベース」を演って見る事にした。
ピッコロベース!。そはなんぞや?と思ふ向きもあらうが、これは通常のベース弦より1オクターブ高い調弦で演奏する楽器で、楽器自体は普通のベースである。まぁ云はば「ギターは弾けんけどベースの技術でギターのやうに演奏したい」人向けの・・。
当然 専用の弦を要する。音域的には完全にギターの低音側とカブるのだが、弦が長いぶんだけ独特のサウンドになる。しかしまぁ音楽的にはギターのニッチにゐるしかないので、正直ギターが弾けるワシにとっては、あまり意味のあるものではなかった。
が、これをフレットレスに張ってみてはどーか?といふ思ひは以前からあり、しかしまぁさういふ局面がなければ、ただのマ○スターベーションだし、とここまでトライする機会はなかったのだが、今回のは良い機会かもしれぬな、と。ので、ジャズベを改造した「ドゥナ」を久しぶりに引っ張り出して来て、この弦を張った。
それでリハ。
まぁまだ使い慣れてないので、本番を演ってみるまで成果のほどは伺い知れぬ。が、ナベちゃんはリハが終わるまで気付かなんだやうで、「けふのシュウさん、えらい高音使うなぁ」と思ってゐたらしひ。まぁその程度の違いなんなら普通に普通のベース弾いた方がえぇのか?とも思ふが、まぁ折角の機会なので、今回はこれで・・。
2016年大晦日、ピッコロベースデヴーです。
27日(火)-----------------------------------------------------------------
しーシュ、地元広島のシメ、タタミ屋PICOの忘年会。
食事を出す音楽家、として既に全国的に認知された感のあるしーシュ。地元でも、もぅ恒例となった年末食事付きしーシュだが、年によって年末にやるかクリスマス前にやるか、が分かれてゐるやうだ。去年はクリスマス会、だったな。古い日誌を読み返すと、全然お客さんが来なかった年もあったやうだね。
さて、けふは事前の告知にあまり反応がなかったのだが、いざ始まってみるとぞろぞろとお客さんが集まり、結局入れぬ人も出たくらいの満場となった。冬場にて、外で聴いてもらふ訳にもゆかず、申し訳なかったです。ライヴも「長めのワンステージ」でシムプルにお届けし、まったりとよぅウケて、良いシメのライヴとなった。終演後もその場で「忘年会」。だんご鍋や焼き鳥、お好み焼きにお雑煮など、楽しんで頂けたなら幸い。
今年も壱年、お世話になりました。
このタタミ屋ライヴ、一歩外は広島随一の歓楽街で、人通りも多く、しかもガラス張りの正面玄関は、通行人が立ち止まって覗いて行く事しきり。ライヴを演る場所としては、ホンマに最高のシチュエーションなのだが、如何せんツンちゃんの「仕事場」であり、「実家」でもあるので、さぅさぅ頻繁に演らせて頂く訳にも行かず・・・。やはり来年もまぁ、我らは地元の「ホーム」となる場所を探し続けて行かなくては・・。
しーなさんとも『此所数年は辛抱の年になるかもね』と認知しあう。
さて、ワシらはあと年末恒例のツアー2ケ所。ワシ個人では大晦日のカウントダウンであと3本、のライヴを残すのみとなった。しはすもおわる。
28日(水)-----------------------------------------------------------------
壱夜明け、昨日使った機材の撤収に行く。
しーなさん、珍しく二日酔いで死んでる。「独りで行くから寝ておれ」と伝えたが、挨拶もあるので行く、と云ふので、二人で行く。ワシはしょっちゅう酷い二日酔いを経験してゐるが、この人がこんなになるのは珍しい。辛いだらうに頑張って撤収を手伝ってくれた。お大事にね。
ワシは今年最後のレッスン。
専門学校の仕事が無くなり、大手の教室も脱会し、私塾のレッスンのみで頑張ったこの壱年。なんとか定期的な収入のサポートにはなってゐる。旅が多く、途切れがちなレッスンにも、生徒は変わらずよぅ付いて来てくれよる。感謝。
最後の生徒が帰った後、スタヂヲを片付け、軽く掃除。ひとつひとつ、片付いて行く。しはすもおわる。
このページにおける日誌も、あと3日で終わる事になる。来年からは外部ブログに移転す。これもまぁ変わらず律儀に(誰に対して?)、週壱で更新し続ける予定なので、心ある読者の方は、今後もよろしくです。ふぇーすブック?、ん〜〜〜〜〜〜やってもいいんだけど、あれってめんどくささうぢゃん?(笑)。
29日(木)年末遠征:神戸西宮RJ&BMEs-----------------------------------------------------------------
しーシュ、恒例の年末遠征。
前回2015年で終わり、と云ふ事だったが、なんと去年の進行中に、主催の徳田建御大から『僕が死ぬまで続けます』宣言が為され(笑)、無事今年も開催された。ワシらも此所数年は、この遠征あっての年末、と云ふかんぢになってゐるので、イベントの継続はなによりも嬉しい。今年も参加できてよかった。
けふは数十年ぶりの復活、を成し遂げたユニットなどもゐて、いつにも増して「地元色」の強いライヴだった。なにせこのイベントは1995年、阪神淡路大震災後の荒れ野に「その場しのぎ」と云ふ名前で出発したバァから発祥したもの。「あの」災害を乗り越えてきた地元のミュージシャンや店主さんは、他所から来るワシらには思ひも付かぬ様々なものを胸に抱えておられるに違いない。そこにかうやって混じれる事に感謝。
けふもワシらは、他のみんなが「唄と喋りで20分3〜4曲」の処を、「喋りナシで20分5曲」で完遂。巻きのしーシュ、の名に恥じぬ働きでイベントを急かした(笑)。終演後いつもなら近隣の安宿か友人宅に転がり込むのだが、けふは大阪は関目に移動。「我らの家」の店仕舞い在庫一掃処分を手伝うつもりで、プチ忘年会。店主ゴンスケさんとギターを弾きっこしたりして深夜まで遊ぶ。
30日(金)年末遠征:京都モダンタイムス-----------------------------------------------------------------
さーしーシュのシメ。昨日の神戸とセットになってゐる京都へ。
けふはこの日に誕生日を迎える、我が友人であり世界的なクロマティック・ハモニカ奏者、あらいなおこにサプライズを仕掛けており、そのアレンジをしーシュが担当した。アカペラを作り、なおちゃん以外のミュージシャンに譜面とサンプル音源をデータで送り、本番壱発勝負でなおちゃんを巻き込み、サプライズは大成功。秘密保持の為、口の固さうな人を選んで抜擢したため、選ばれんかった人からはブーイングも出たが、まぁ喜んでもらへてよかった。
ワシらはけふも「巻きのしーシュ」で。けふは久々に演った「シャミーラム」で、しーなさんのセクシー攻撃が会場を包み込んだ。たいへんウチららしい、良い演奏で今年をシメれたことは嬉しい。けふのワシらは、しーシュ単体以外にも、なおちゃんサプライズ企画、MiyoGOn、富安秀行歌声一座、フィナーレ、に、とよぅ出演した。
主催のオイワさんの手腕により、ピン系をAステージ、バンド系をBステージ、と分けた結果、出演者が多いにも関わらずたいへんスムースに進行した。また演者同士もなんとなく刺激され合って、全体がピリリと引き締まり、アットホームなだけでない、素晴らしいイベントとなった。
終演後は、これまた恒例、なおちゃん宅に押しかけ、けふの出演者観客巻き込んでの大宴会。今年は特に人数が多く、大盛り上がり。布団2枚に3人づつ寝る、と云ふ久々の「超雑魚寝」の夜となった。こもまた楽しき。
31日(土)-----------------------------------------------------------------
大晦日の、京都の、朝。
毎年の恒例だと、この日京都に泊まった面子で、朝飯兼昼飯を喰ひに街をそぞろ歩くのだが、けふは珍しくワシの都合で早々に旅の終わり。広島は安浦といふ処で行なわれるカウントダウン・コンサートに出演する為に皆と別れ、急ぎ京都を辞し、広島へ向かう。帰りの新幹線では半分以上寝ておった。
さて帰宅し、女房と軽く蕎麦なんぞ喰ひ、すぐに車で出発。安浦は遠く、車で1時間半くらいかかる。しかも途中で譜面を忘れて来た事に気付き、引き返す始末。まぁ流石にもぅ年の瀬で、道路があまり混んでなかったのが幸いか。
けふの面子は、皆ワシよりひと回り以上年下で、もぅ8年にわたりこのカウントダウン・コンサートを任されてゐるさう。その割には進行や構成など、結構グダグダで(笑)『まぁシュウさん気軽に演って下さい』とか云はれたりして・・。しかし演り始めてみると、このメンバーでの好き芳題、てのがなかなかオモロくスリリングで、結構楽しんで演奏に没頭できた。
この日の為に用意したピッコロ・フレットレス・ベースも、まぁまぁ役割を果たせてOK。かういふ編成に呼ばれる時は、今後も積極的に使って行かん。ワシがうまくMCを仕切り、見事にカウントダウンを樹立させ、その後アンコールをやって、ライヴは終了。なかなかの好評を頂き、住職から『是非、除夜の鐘も突いてって下さい』と云はれ、数百年ぶりに鐘の音を響かせた。う〜む、いいね。
ライヴハウスやクラブでのカウントダウン・パーティーもなかなかに良いものだが、けふのやうな年越しも悪くない。今から打ち上げに入るメンバーに先に別れを告げ、ワシは深夜の新年の道路を家路へ急いだ。
かくして2017年はやって来た。