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1日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
ワシが「フィールドレコーディング」にこだわる理由、てのがあって、そは子供の頃に読んだ音楽雑誌にあった『録音スタヂヲ以外の場所で録られたレコード』の特集を読んでから。たしかポール・マッカートニィ&ウィングスが舟の上で録音した「ロンドン・タウン」を発表した年だった。
もう詳しい事は忘れたが、古城や納屋、地下室、はてはホテルのロビー、と云った変わった場所でレコーディングされた音源とアーティストが紹介されてゐた。それだけでも興味深かったのだが、最後に書かれてゐた「ヘロン」といふグループのアルバム。これがなんと「野原」で録音された、といふ。鳥の鳴き声や葉ずれの音なども入ってゐて・・・のやうな事が書いてあり、子供心にも「へ〜〜〜」と思ったものだ。なにせ野原好き&変わった事好きのガキだったので。
実際、そのヘロンのアルバムは(廃盤。しかしiTunesで買える)、アクースティック楽器を使った牧歌的な音楽で、確かに小鳥の声とか汽車の音とか入っており、ゆるゆるに気持ち良い。下手だけど・・・(笑)。
今となっては、フィールドレコーディングもあまり珍しいものでも無くなった(スタッフ・ベンダ・ビリリ、もさうだ)だらうが、やはり子供の頃に感じたあの憧憬、は今もワシの中にある。いつか本格的に演ってみたいな、と思ってゐる。
2日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
かつて滋賀に存在した「月下美人」といふ女性デュオの音楽を聴く機会があり、これが直下型のストライク。アコギ弾き語り+フレットレスベース、といふ編成だが、唄の独自性の素晴らしさに加え、ベースの石田珠紀女史のプレイの秀逸なこと。久しぶりにネット上の「視聴コーナー」で何度もリピートする、といふのをやってしまった。素晴らしい音楽だ。
この「月下美人」、これまでに3枚ほど作品を出しておられるやうだが、残念なことにもうづいぶん前から活動休止中で、音源も廃盤。嗚呼、残念!。たれか持ってないかなぁ?。復活してほしいなぁ。
3日(木/祝)-----------------------------------------------------------------------------------
ひろしま国際平和マラトン、4年連続9回めの出場。今年はちゃんと調整もできたし、走ってる最中も調子良かった。だが、ゴールしてみると去年よりタイムが落ちてゐた。2年連続で落ちてゐる。あ"〜〜〜これはもぅしょーがないんだらうねぇ・・。40代も中盤になってからの壱年壱年、といふのは、つまりかういふ事なのだらう、と。イチローだって、今年は遂に安打記録がストップしたではないか。
参加人数の膨れ上がりに合わせて、出場者のマナーが年々悪くなってゐる気もする。さういふ事もあって、来年はどーしやうかな・・・?、と初めて考える。
4日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
専門学校の生徒達が「白子」(メイプル指板のプレシジョン・ベース:改)を弾きたい、と云ふので持ってってやる。生徒達は『良い楽器だ』とはしゃいでゐるが、ワシはどーいふ訳かこの楽器を弾くと、確実に手が痛くなる。ので、近い将来、誰かに譲る事も検討してゐる。いや、良い楽器なのだが、ワシの手に合わぬのだ。
さうなると、今度はメイプル指板の「ジャズベース」を試してみぬ事には・・・と思ってたら、新メーカーPLAYTECKになんと¥10,800といふモデルがあった。
その後しーシュのリハだったので、白子を持ってってみる。ピアノとの混じりは悪くないが、やはりあと壱歩、使い勝手が良くない。ワシの弾き方にはやはり2ピックアップのベースがマッチしてゐるのだらう。んで、リハを進めてゐるうちに、やっぱり手が痛くなって来た。これはメイプル指板に原因があるのか?。それとも「プレベのネック」に原因があるのだらうか?。
5日(土)-----------------------------------------------------------------------------------
雨。日中はしーシュ新曲のアレンジ。作曲がスランプなので、かういふ事で貢献するしかないねェ。
ベース教室の生徒に連れられて、「食べて飲める英会話教室」といふ変わったバァへ行く。平日と日中は英会話教室で、週末の夜だけバァになる、らしひ。世界中のビールが取り揃えてある、といふ事で、けふはドイツとインドのを呑んだ。マスターは若い頃にはバックパッカーだったらしく、旅の話で盛り上がる。なかなか楽しい店だが、残念ながら会員制。けふのワシは生徒の紹介だから入れた。
その後、古い友人「タバル男爵」とワシの生徒(上記とは別の)が、何故か一緒にバンドを演ってゐる、といふので観に行く。スタヂヲでレッスン待ちをしてゐる時に、男爵に誘われたのださう。その初回ライヴ。ワシの生徒の中で唯一のアップライトベース弾きだが、慣れぬブルースの中でなかなか頑張っておる。しかし、音楽は悪くないのだが、恐ろしく「見せ所」を作れぬユニットだったな(笑)。
帰り、なんか気分がさういふかんぢだったので、歩いて帰った。1時間。雨も上がり、悪くない夜の散歩である。
6日(日)-----------------------------------------------------------------------------------
けふは「シルクロード旅」の相棒、クボっち宅に遊びに行く。巨猫「ブーちゃん」を肴に(笑)昼間ッからワイン。あの劇的な旅からはや壱年。あの続き・・・「ウルムチから先」のシルクロードへ、近いうちにまた行かねばならんね、と話す。なんだかんだで日が暮れるまでゐて、結局ワイン2本空けちまった。
昨日と云ひけふと云ひ、かういふ土日の過ごし方って、ぢつはワシにしてはたいへん珍しい。楽器にほとんど触れんかったが、良い週末だった。
7日(月)-----------------------------------------------------------------------------------
悪意なくホラを吹くタイプの人間がゐて、まぁいつもの事よ、とは思ふのだが、他人の体験を自分の体験した事のやうに語る、てのぁどーなのかね?。思考回路が、てゆーか色んな事語り過ぎて、もう自分でも訳わかんなくなってンだらうなぁ。・・・まぁ、迷惑被ってる訳ぢゃないから、良いんだけどね、別に。
12月に「Song's(ギターで弾き語るライヴ)」が決まったので、ちょいと練習。いやーしかしヘタクソになってるなぁギター。上の階からの苦情で、家で弾けなくなっちまったからなぁ・・・。もっと気軽に練習したいんだけどねェ。名古屋のてらしましんごのやうに公園で演るか?。
8日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
むかーしのバンドでRenaissanceといふバンドがゐる。これの第壱期に当たる編成の時の音源を入手。この時期、ルイス・セナモといふベーシストが弾いてゐて、これが「クラシカルでファンキー」といふ絶妙なニッチにゐて、素晴らしい。おそらく壱部のプログレファン以外には、ほとんど知られてないベーシストだらうな。
こないだ「ベースラインが印象的な曲Best10」とか云ふのの集計を見たが、そこで云はれてゐる「ベースライン」がぢつは「リフ」であり、そんなのはベースラインとは云はぬ、と思った。他が休んでベースだけになりゃ、誰だって印象に残るだらうよ。
やはりビートルズ「Something」や、バングルズ「Eternal flame」のベースの美しさ。かういふのこそが「ベースライン」だよな。が、まぁ此所に着目するのも、多分ベーシストだけ、なのだな。本当にオイシィ部分は着目されない・・・・。つくづく変な楽器である。
9日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
微妙に体調が悪くなって来た。
そもそも生徒の中に必ず2〜3のKY(?)がゐて、病み上がりで教室に来て、マスクもせずにゲンゲン咳き込みながら『もう治ってますから』とか云ふ。確かにそいつの中ではピークを過ぎておるのだらうが、治りかけの、やや適性力のついたウィルスはまだ生きてゐて、密室に蒔き散らされる。それが他の生徒や講師に伝染ることになる。
『来るな』とも云ひにくいし・・・困ったモンなのである。せめてマスクをしてくれ、頼むから。
10日(木)-----------------------------------------------------------------------------------
体調は悪化の一途。喉の痛みがひどい。練習などしてゐるとすげぇ暑いので、多分熱も出てゐるのだらうが、計って、(熱が)ある、と意識したら、どーんと酷くなるので、気にせずにおく。そのうちクシャミも止まらんやうになって来たが、気のせいにする。
レッスン&しーシュのリハ。喉は痛いが声は出る。これは我々専門職の強み、とゆーか・・・。それが結局喉に良くないのは分かってゐるが、まぁ仕事なので(声を)出さん訳にはいかんので。
夜は咳と頭痛に襲われ、ほとんど眠れず。
11日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
もう立派な「風邪」の様相を呈して来たので、朝イチで近所の医者へ。今夜から女房と小旅行に出る事になってゐるので、せめて薬を携えて行く事にす。てゆーか同じ家でこれだけ一緒に過ごしてゐるので、女房に伝染してしまってないかが・・・。イザ発症してしまふと、体力の有無のぶんだけ、彼女の方が酷くなるパタンが多いのだ。
正しいセンセイとして、レッスンはマスクをして演る。さすがに医師の処方による薬は効き目あらたかで、しんどいながらもなんとか3コマレッスン完遂。帰りの足で女房と合流し、いざ小旅行に出発。
12日(土)-----------------------------------------------------------------------------------
湯治二日め。
今回滞在してゐるのは、石見は美又温泉郷。誇張なしに、温泉以外なにもないちーさな町。考えてみれば、医師の処方した薬を携えての温泉宿&上げ膳据え膳付き、といふはたいへん効果的&理想的な「療養」であって、まさに良いタイミングでの風邪だったな、と。日常ではなかなか集中できぬ読書にも没頭できる。さういふ壱日だった。
夜は、この温泉郷の名物「夜神楽」。レベルの高い本場石見神楽を堪能す。けふのはかなり若い世代の社中で、「恵比須」を舞ったのはなんと小学生。これがまた見事な舞で、恵比須の面がだんだん『素顔なんぢゃないの?』といふ気さえして来た(笑)。満員ぎゅーづめの会場はヤンヤの喝采。素晴らしい。
あと、笛と鳴りもの担当がいかにも今風の茶髪ギャルで、終始タルさうに、しかし見事なリズムと音色を響かせてゐたのが可笑しかった。
13日(日)-----------------------------------------------------------------------------------
弐泊してもまだ「湯治」としては足りぬ気はするが、少なくとも風邪の症状はかなり快方し、旅館の女将と主人に見送られて宿を辞す。良い湯治だった。
さてワシは帰るなりリコズトリオのリハに。今週末のリコズ10thアニヴァーサリィ・コンサートの仕上げリハ。メンバーはりこの自宅兼スタヂヲで、朝からみっちしリハってゐるらしひ。ワシは全部で8曲に参加。ゲストではいちばん出番が多いらしひのだが、あんまりベースは弾かん、といふ(笑)。まぁ『飛び道具』的なニッチ。
皆で差し入れなどを持ち寄って、喰ひながら喋りながら演るリハは、長年孤独な活動をして来た身にとっては、なかなか楽しい。良いコンサートにしたいものだね。
14日(月)-----------------------------------------------------------------------------------
調子づいてフィールドレコーディング第弐段。けふは広島緑化植物公園、といふマイナーなところへ。しーなさんも来れるといふので、ぢゃあしーシュで録らうと云ふ事に。やや曇天なれどそれほど寒くもない良いかんぢ。
目星をつけてゐた場所(以前よく遊びに来てゐた)に機材をセットして、イザ録音。が、なんかしーなさんの様子がおかしい。どぅも森の「気」に当てられてしまったやうだ。初めての事でもなく、この人って草花が好きな割に・・・・好きだからこそ、かな?、さういふモノにかなり敏感なのだ。まぁ森や樹からは、たしかに神聖な「気」を感じはするし、けふも「ナニか」が肌にビシビシ来る。
前に東京ツアーのオフ日に高尾山に登った事があり、あん時も凄かったね。巨大な杉の森にゐる間じゅうづ〜〜〜っと鳥肌が立ってゐた。ワシの場合、あぁいふ場所に居ても気分が悪くなったりはせず、ただひしひしとパワーを感じるだけだが、敏感な人なら、まぁ何か起こっても不思議ではないね。なんつっても彼らは何百年もそこに「ゐる」存在なのだ。そこに畏敬の念は忘れずにゐたい。さうすればちょっとの間、唄を唄うぐらいは許してもらへるだらう。
ので、しーシュの録りは諦めて、ひとり「メッセラ」を唄ったり、即興を弾いたりす。かういふ練習も悪くはないな。
15日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
リコズトリオ10thアニヴァーサリィ、最終リハ。スタヂヲはぎゅーぎゅーだが、本番はこの倍の人数になる。大ステージとは云へ、これだけの楽器群が一度にステージに乗ると、まぁそらたいへんな騒ぎだ。現時点で、もはや入る隙間が無いくらい音が鳴ってゐるが、まぁお祭りだ。楽しんで参らう。
リハ終え、『ぢゃ会場でね〜』とメンバー三々五々解散して行く姿は、なんかとてもイイ。ぢゃ会場でね。
16日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
個人練習でスタヂヲに入ろう、と思ってゐたが、最近読んでゐる「アヴァロンの戦塵」のクライマックスに差し掛かり、そこから一気読みに流れ込んでしまった。読み終えたら夕方。『さう来たか!』といふ展開。久々にオモロいSF小説だったな。
17日(木)-----------------------------------------------------------------------------------
夏のしーシュ短パンツアーでお世話になった、大阪の徳田建さんと、元ソウルフラワーユニオンの河村博司さんの来広@フライングキッズを観に行く。ホストはカワちゃん。
建さんのシブいバリトンは云はずもがな、河村さんの唄が素晴らしい。サポートに廻った時のギターが、これまた秀逸。そのセンスとテクニックでユニオン時代はバンドの要を担ってゐたが、「やはり自分の唄を唄わねば」との思ひから、ソロで演るやうになったらしひ。
思ふに、「さういふ思ひに目覚めた人」と「元々ソロの人」、さらに云へば「ソロを演らない人」、の間には、とてつもない差がある。良い悪いではなく、それぞれの扉が開く瞬間、を一度逃せば、次のチャンスはなかなか廻って来ないのだ。
ホスト役のカワちゃんの唄も相変わらずのナゴみぶりで、良いライヴだった。
18日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
なんと20日間にも渡る「ライヴ日照り」から、ようやくの脱却。リコズトリオ10thアニヴァーサリィ・コンサート、いよいよ本番!。
午前中仕事を壱本演ってから、の会場入り。なんとなーく体調が宜しくないが、まぁ経験上、かういふ日の方が良い仕事ができる事が多いので・・・。ステージ上には立派な雛壇が設営され、ここ数週間のメンバーやスタッフの意気込みを、イイ形にせんとな、と思ふ。
出演者の数も多く、出ハケに神経を使ふ。「始まってしまったらスグ終わるんだらうねぇ」とか皆で云ひながら、あっちゅー間に本番の時間。
ワシは何故かオープニングにソロでヴォイスパフォーマンス(てゆーかオタケビ)の大役を仰せつかっており、久々に緊張の幕開け、であったが、まぁなんとか役目は果たせた模様。けふはこのやうに、ベーシストと云ふよりはパフォーマーとして、全体をかき回した、といふニッチ。チカラさんとのツインベースもばっちしだった。思ったやうに、走り出してしまへば、さっさか流れてエンディングまで一気に。
10年、ひとつの方向性でユニットを継続する、と云ふ事は並み大抵の事ではない。一癖も二癖もある荒くれ男どもを手なづけ、後輩や同門の女子に気を配り、曲を書き、全体をプロデュースする能力には、ホンマに頭が下がる。りこは大したヤツだ。そこに選ばれた事を誇りに思おう。
良いイベントだった。参加させてもらった事に、深く感謝。
19日(土)-----------------------------------------------------------------------------------
北九州へのプチツアー。雨がけっこう降ってゐるので、乗り換えの少ない便を選んで、ちょいと早めに広島を出発。勿論、在来線。
小倉までの鈍行列車旅はもう慣れたもの。宮島、岩国、までは混んでゐても、そっから先はまづ間違いなく車内はガラガラとなり、快適な旅ができる。が、今回はべちゃべちゃ喋る女子大生風のデュオが岩国〜小郡まで後ろに陣取りやがり、こやつらが煩くてかなわぬ。よくまぁこんだけ静まり返った車内で、あぁもフツーの声で喋り合えるもんだ。他の乗客(だいたい一人旅)も明らかに不快に思ってゐる模様。前にバスで京都まで行った時もこの手合いがゐて、あれは流石に注意したのだが、今回は電車だしナー・・・。
な訳で、せっかく海側の席を確保したのだが、他の空いてゐる席に避難。
さうかうしてゐる内に小倉に着。友人のTさんが迎えに来てくれ、腹ごしらへしたり、会場入りの準備したり。けふのホストは、此所数回、広島や小倉で出来の良い即興デュオライヴを成功させてゐる、即興ヴィヲロン奏者谷本仰さん。入り時間の指定がなく、まぁだいたいこのくらいだらう、と思ふ時間に会場の八幡はデル・ソルに入る。少し後に谷本さんもやってきて、久々の再会を喜ぶ。
さて、音楽的なウマが合う、と云ふのか、完全即興なのにユニゾンまで演ってしまふ我らがデュオだが、今回は1会場2デイズにして、初日はそれぞれのソロを、といふ企画。開演時間にはお互いのファンで客席もほぼ埋まり、まづは二人ステージに上って挨拶。その場でジャンケンして出演順を決める(笑)。チョキvsグーでワシの負け、でワシのソロ先行。
約2ヶ月ぶりのソロ。やや上滑り気味だったかな?。なんか「演り慣れてない人のソロ」のやうな・・・。インストを取り入れたりして、いつもと違うかんぢで演ってみたのだが、ちょいと裏目に出てしまった。観に来てくれた友人らは、『それも含めてまた次元が上がった』と云ってくれた。ありがたいね。
演目:月の路/君が亡くなって壱年が過ぎた/振り向いたらトゥアタラ/夜の駱駝/ツアー/水の駅/きんぎょ/月のチャクラ(with 谷本仰)/らのえてぃあ。あ〜、9曲も演ったんだな・・・。
谷本さんのソロは、弐台のヴィヲロンを持ち替え、いろんなフレーズをモティーフに即興を展開してゆくパタン。谷本さんの唄がぢつはすごく良くて、ちょっと期待してゐたのだが、けふは唄はナシだった。が、それを補ってあまりある見事なソロ。お互いの曲に参加したりもして、初日「ソロ&ソロ」、まづは好評にて終了。
ワシの友人たち曰く、谷本さんとワシは『兄弟のやう』で、『陰陽』だとか。どっちが「陰」でどっちが「陽」なのか、を皆で話して笑う。
20日(日)-----------------------------------------------------------------------------------
北九州、八幡デルソル2デイズ二日め。谷本さんは「音楽家」の他に「教会の牧師」といふ顔を持ってゐて、日曜日であるけふは主日礼拝に勤しんでおられるハズ。ワシは会場入りの時間までのんびり小倉散策。昨日はやや蒸し暑い陽気だったが、けふは寒い!。
けふのライヴは昨日と違ひ、我々の本領たる「完全即興」デュオ。最初から最後まで一切の打ち合わせなく、ただそれぞれの音に反応して、次々と世界を構築して行く。
これを演って、ただ無茶苦茶な混沌を作ったり、ただくり返されるノリの良いパタンを生み出したり、と云ふのは、割と良くあるし簡単なのだが、谷本さんとのデュオは「インスタント・コンポージング」に近い即興。多くの場合あとでお客さんから『あれ本当に即興だったの?』と云はれるくらい「楽曲」になる。勿論、時には意図的な崩壊や疾走もあるけど。
けふも1時間づつくらい2ステージ演ったのだが、似たやうな展開がほとんど無かった。変拍子ありぃの、ダンス系ありぃの、唄もの(これが、谷本さんの「もぅ喰えん」といふ台詞をモティーフにした爆笑もの)ありぃの、ドローン系ありぃの、の見事な「音楽的展開」。昨日に引き続き満員のお客さんもノリノリの大満足、なライヴだった。
二日続けて観に来てくれた方も多く、2デイズひとまづは成功、と云へるツアーとなった。ありがとう北九州!。
夜は谷本さんの教会へ。礼拝堂の床に座って焼酎呑みながら、お互いの音楽性や嗜好など語り合う。近いうちにこのデュオでもツアーしたいね、とか話す。実現したら素晴らしい。
礼拝堂のベンチを組み合わせた即席ベッドで就寝。広い礼拝堂にひとり寝る、といふは、考えようによっては怖いシチュエーションではあるが、ワシも不真面目ながらクリスチャンの端くれ。神聖な結界の中で眠らせて頂く、といふ気持ちの方が強く、安心してぐっすり眠れた。
21日(月)-----------------------------------------------------------------------------------
7:00起床。信者さんたちの祝会(食事会。教会では礼拝の後、皆で食事を共にする事が多い)のパンを朝食に頂き、8:40ぐらいの新幹線に乗るために、谷本さんに小倉駅まで送って頂く。ライヴの企画から宿まで、お世話になりました。ありがとうざいます。いつかデュオでツアーしませう谷本さん。
さて帰りを新幹線にしたのは、仕事があるせい。鈍行で5時間かかる路も、新幹線なら50分。あっちゅー間に広島に着き、その足で専門学校へ。ひとコマ授業をやり、昼過ぎて帰宅。旅の衣類を洗濯す。天気が良いので散歩でも、と思ふがえらいこと寒い。
また、旅の間に季節が進んだ。
22日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
専門学校ふたコマ。こないだのリコズのコンサートを観に来てくれてゐた生徒から、ベースの音があんまり聴こえんかった、といふ事を聞く。あらら、そーなの?。まぁあの日は「パフォーマー」だったから・・・。リコはあの後すぐにサイパンだったかグァムだったかに静養の旅に出てゐて、さういやまだお疲れさんの挨拶もしてないな、と。
けふはレッスン夜の部は休みにして、「うつせみ商会」最終リハ。チケットはまづまづ売れてゐるやうだが、この不条理音楽劇弐回目公演、果たしてどーいふ評価を受けるでせうかー?。
リハの後、「決起集会」といふ名目の飲み。主演のミミがやや体調を崩してゐるやうで辛そう。
23日(水/祝)-----------------------------------------------------------------------------------
雨の祝日。昨日のミミの体調不良が伝染ったか、やや体調不良。まぁ休みなのでのんびり。
アヴィシャイ・コーエンといふ、イスラエルのベーシストの資料を見聞す。『もぅウッドベースは辞めやう』と決意し、電気ベース壱本に絞って10年近く経つが、かういふプレイを聴くとウッドも悪くないな、と思ふ。此所数日『ボロいウッドベースを(タダで)貰はぬか?』の問い合わせがあり、生徒に推薦した所だった。
まぁしかし、ワシみたいな暮らしぶりのニンゲンにとっては、ウッドは如何に云ふてもデカ過ぎるよ。今のウチぢゃあ置くところもないわぃ。
24日(木)-----------------------------------------------------------------------------------
音楽映像サーフィン。1979年のクゥイーン来日公演のVを発見。「ライヴ・キラーズ」が出た年のツアーだ。おぉ〜!。このツアーとあのアルバムで、初めてクゥイーンがライヴでどんな風に演るのか、を知り、色んな意味で衝撃だったのだ。懐かしいねぇ。みんな若い!。
今改めて思ふのはやはりフレディの声の弱さ。当時から指摘されてゐた事だが、フレディと云ふ人はたいへん喉の弱いヴォーカリストだったのださうだ。ライヴでは大半の曲がアルバムよりキィを下げて演奏されてゐるし、高音(特に裏声)部分を思いっきり省略したり、1オクターヴ下げたりしてゐる。まぁそれをカヴァーするやうに観客が大合唱する訳で、そこがクゥイーンのライヴの醍醐味でもあった。
逆に、ドラムスのロジャー・テイラーのヴォーカリゼィションのスゴいことよ。クゥイーンの重厚なコーラスのほとんどは彼の力に負うモノだが、ライヴでソロを唄うその声の迫力たるや!。地声で上のEの音(ギターの1弦12Fの音と同じ。一般に男声の「ハイトーン」と定義されるのはCである。ロジャーのはその3ツ上)まで出してやがるし。はっきり云ってヴォーカリストとしての実力は、フレディよりロジャーの方が上だった、と云へるだらう。
そんな事を差し置いても、やはりクゥイーンのバンドとしての力、魅力は揺るぎないものだったし、この4人だからこそ生まれたロックだったのだ。奇しくも(今気付いた!)これを書いてゐる11/24は、フレディの20年めの命日。改めて合掌。バンドをやりたい、と思はせてくれた事に、心より感謝。
25日(金)-----------------------------------------------------------------------------------
もと生徒が居酒屋をやってゐる、といふので行く。
まぁチェーンの雇われ店長、のやうだが、知人や後輩を店員として雇い、友人コミューンの中で利益を回してゐる様はなかなかだな、と思った。店員の愛想も良く、サービスも行き届いてゐる。上手く軌道に乗せられたら良いな。応援してやらう。
けふはちょいと色々あって、良いヴァイヴと悪いヴァイヴが、甚だしく鬩ぎあう壱日だった。あまりハラは立てないやうにしたいが、ある種のルーズさにはちゃんと怒りを表明すべきだと思ふ。
早朝、女房が相撲観戦の為、福岡に出発。見送った後、弐度寝するつもりだったが、天気が良いのでそのまま起き出す事にす。ヂョギング→シャワー→洗濯→掃除→朝食。
昼過ぎフと思ひ立ち、ステージ衣装・・・てゆーか服を買いに行く。勿論、湯煮苦路。Tシャーツだけ買うつもりだったが、帽子とコーデュロイのシャーツまで買ってしまった。意外な出費。ツイデに外食。たいへんゼータクをしてゐる気分。天気も良く、チャリで走るも気持ち良い。良い気分転換だった。
夜は椎名まさ子&執事フライデーによるマンスリー営業@オリエンタルホテル。会場側の事情で、普段3ステージの所を2ステージのみ。その分演奏に集中力が増し、ラウンヂ演奏とは云へ、なかなかオモロい演奏ができた。あとでしーなさんとも『オモロかったね』と話す。
けふはその後、ラウンヂの営業終了を待って、明日のうつせみ商会公演のリハをす。会場がここなので・・・。あれやこれや意外に時間がかかり、終わったのは2:30頃。眠い。メシを喰ふ余力もなく帰宅後すぐ就寝。
27日(日)-----------------------------------------------------------------------------------
うつせみ商会第弐回目公演@オリエンタルホテル。
昨日のうちにリハも済ませ、機材も会場に置いて帰ってゐるので、単身バスで会場入り。ラウンヂの営業時間を上手く避けながらリハやセッティング。リハ後3時間の空白ができる、と云ふ近年稀な・・・。メンバーてんでバラバラに行動。ワシは単身昼飯(カレー)→本屋→百円ショップ→楽屋、でのんびり。リラックスしたまま、本番へ。
JUKEで演った第壱回目公演の時は、カタい昼の部にリラックスした夜の部、といふかんぢだったが、けふは昼の部の方が色んな意味で良かった。差し込む陽光のせいで役者の表情がハッキリするので、お客さんの反応も良い。夜の部はちょいとバラけた印象になってしまった。ちょいと残念。それでも、自分らが「落とし所」と考えてゐた部分はちゃんとお客にも伝わり、ウケてほしい所ではウける。そこはまづまづだったかな、と。
結局、酷評も多かった前回を上回る入場者数で、うつせみ商会弐回目公演も、ひとまづ成功、といふことで。うつせみ商会は次回でいちをう最終公演となる。次作はなんと「サスペンス」ぢゃげな・・・。
ぢつは主演のミミ、けふは朝から絶不調だったやうで、打ち上げでは最初から最後まで寝てゐる、といふ状態。悪いな、可哀想だな、と思ひつつも、役者:吉本武史の煮え煮えトークに巻き込まれ、盛り上がる打ち上げ。なんか蜂蜜やらアイスやら載った、午前0時以降に喰ふにはあまりに危険な甘味モノなども食し、1:30頃、ようやく帰宅す。
女房の居ない週末だったが、ワシも忙しく、ほとんど家に居れぬ状態だったので、『独り身の気侭な週末』といふかんぢでもなかったな。
28日(月)-----------------------------------------------------------------------------------
珍しく9時まで寝てゐた。→専門学校。
気が付けばひと月後に迫った『梶山シュウ:Sings』のリハに、独りスタヂヲ入り。ラインナップを決め、壱時間歌いまくる。今回はギターもだが、鍵盤も結構弾く予定。考へてみたら、ギターで演ってサマになるオリジナル、ってぢつはあんまり持ってないんだなワシ。もっとマメにスタヂヲに入って練習しとかなきゃ、ね。
夜になって女房帰還。お土産は液体ゆずこせう『ユズスコ』。
ワシがツアーに出てゐる時も、彼女はかういふ『独り感』を味わってゐるのだらうな、と。
29日(火)-----------------------------------------------------------------------------------
昨日けふと、えらいこと暖かい。ウチはまだ灯油ストーヴを出すに至ってないのだが、いちをういつ寒くなっても良いやうに、ディロンギとホッカーペットは準備した。
ホッ・カーペットと云へば嫌でも思ひ出す。去年の今頃、尻尾を骨折したうさぎ(イグアナ)が温室に入れなくなり、通常の暮らしの中で暖を取る為に、結婚以来ほとんど使ってなかったホッカーペットを引っ張り出して来たのだ。日に日に弱って行くうさぎをなんとか看病しつつ、ホッカーペットと加湿器でケアし続けた初冬の日々であった。
ヤツが死んで、もうすぐ壱年が経つ。
30日(水)-----------------------------------------------------------------------------------
珍しく午前中にバスで外出する用事がある。日頃見慣れてゐる店の、まだ開店前の活気とか見てちょいとした発見気分。かういふ「健全な日常」をタマには垣間見るのがよろしい。昼には用事が終わり、同じルートを辿って帰る。これもまたをかし。良い外出だった。
前々から考えてゐた事なのだが、ツアーに持ってくのに便利な、コンパクトで「使える」ベースを入手するかどーか・・・。ヴァネッサで演ってゐる事が全部踏襲できねば意味がないし、それに耐えうる操作性と音質を兼ね備えたモノ、となるとどーしても値は張る。ぢっくり試奏してから買えれば良いのだが、この辺の楽器屋にワシの欲しいモノはなく、取り寄せで買うほかに手はなし。だが、かういふ事で後悔した事多数・・・。
が、まぁここらでひとつ新しい風を、と云ふ事で買っちまいました。スタインバーガー・シナプス・フレットレス。男の12ヶ月払い!。