8月


1週目

1日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

『今から急にメヂャーに・・それも結構売れてるバンドに参加したら・・・』とか考へる。

まぁそんなん色々とめんどくさいんだらうけど、人生に壱度くらい周りからちやほやされる時期があっても悪くないのでは、とか。

暑いからかショーもない事ばかり考へてゐる。

2日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

旧友のカズイと「ナニか演らう」と云ふ事になり、ヤツが集めたメンバーがスタヂヲに集結。若いメンバーが作った曲をモティーフに、軽いセッション。楽曲を作り上げて行く、と云ふ手順に、音楽家それぞれのセオリーがあり、そこを齟齬なく進めるのはなかなか難しい。さてどーなる事やら・・・。

このスタヂヲからレッスン会場に行くまでの道が、ちょいと危険を感ずるほどの暑さだった。事実、レッスン室に入ってしばらく目眩と動悸に苛まれ、しばらく椅子から立ち上がれなんだ。考えるに、クーラーの効いた部屋→猛暑の戸外→また部屋、といふ流れで、結局はその対比のスピードに身体が順応できんのだな。

しかしこの異常な暑さは、此所数年の「異常気象」なのか、それとももぅこの先、ニッポンの夏はづっとこんなんなのか、どっちなのだ?。

夜は「梶山シュウと家政婦サンディ」としては初めてのオリエンタル・ホテルライヴ。日頃はギターの弾き語りで演ってるレパートリィを、しーなさんのピヤノでバックアップしてもらふ、といふスタイル。ので、けふのワシは「ベースで弾き語る」。やはりギターよりは達者に扱えるので、楽。それにやはりサポートがひとりゐるのとゐないのでは、ステージ上での安心感が全く違うねぇ。とても楽。「フライデー」の時のワシが、かういふニッチなのだらうな、と実感す。

しーなさんと一緒に仕事をしだして壱拾余年。けふ初めて『しーなさんにギャラを払う』といふ事をした、と。

3日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

常日頃からしーなさんとタッグを組んで仕事する事が多いのでなにか錯覚してゐるが、気付いてみればほぼ壱ヶ月ぶりの、しーなとシュウのリハ。←って、以前から何度もかういふ文章書いたやうな気が・・・。

けふは完成した新曲をまとめて形にするリハ、といふ事で進める。「みみずく時計」「みんな月を見てゐる」「月の裏で踊る約束」「タヴー(仮題)」の4曲。このうち「みん月」以外は全部しーなさん唄。ツインヴォーカル・ユニットとしてはちょいとどーよ?、て事で色々唄の絡みを考へる。「タヴー」なぞベースもかなり難しく(って自分が作ったのだが・・・)、なんか『練習してる』てかんぢのリハだった。

新曲がちゃんとしたユニットの形になって行く、といふ時がいちばん楽しいかも・・・。かういふ「楽しみ」って、音楽以外ではあまり無いやうに思ふ。


2週目

4日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

朝、いつものやうにロードワークやり、朝飯喰ってのんびりしてたら急に睡魔に襲われ、たいへん珍しい事に10時から13時まで爆睡してしまった。なんか「身体が歳とってきた」かんぢを実感す。

けふはブルーズデュオ「てつしゅう」ライヴ。ワシが会場入りした頃、相方のてつから電話があり「事故った」とのこと。なんでも会場へ急ぎ来る(原付で)途中、停車中の乗用車に突っ込んでしまったらしひ。まぁ幸い酷い事故ではないし、色々と面倒臭いのが嫌ださうで「物損事故」といふ事にして、なんとか御来場。見るとまぁ足にけっこう派手に傷をこさえており、骨は大丈夫さうだが、こは明日以降が痛いやろな、といふかんぢ。たぁ云へどーやら全面的にてつ本人の過失のやうで、云ふてく処はない、よね、と。

ワシが作ったアイシング付けたままでステージに上がるてつ。

ライヴはこの二人のいつものやうに、「笑えて泣ける」かんぢの。演ってるうちに「だんだん痛とぅなって来た」と云ひつつ、流石のお手前。お客で来てゐたしーなさんをステージに引っ張り挙げたりもした。恒例「ダジャレコーナー」では公約通りワシにもアドリヴが振られたが、かなりテキトーなトークにして茶を濁した(笑)。そんな、曲弾きながら駄洒落思ひつくほど猛者ぢゃないよ、こっちは。

けふは「カラス」を使った。ブルースにスタインバーガー?と思ふが、まぁえぇやろ?。悪くなかったよ。

5日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

ワシがコラムを寄稿してゐる「Bass on TV」のオフ会、のやうなものが大阪である、のに参加しに行く。18切符で!。

所謂「機材自慢」みたいな色合いがあり、ワシもツアーに使える『頑丈で小さい』ベースの、なにかヒントは無きものか、といふ思ひで参加。その為だけに大阪まで行く、といふはまぁ酔狂っちゃ酔狂だが、それもまたワシらしからう、と。今回訪ねしは、7年前、初めてのソロツアーで大阪に来た時にお世話になった、南船場のペーニャ。懐かしい。

その「関西ベースオフ会」、参加者は15人弱。大阪には云ふまでも無く、朋友泉尚也アニキや、Bass on TV主催の竹田憲司氏など親しい人もゐて、今回はその人達とのマニアックなミーティングを楽しみに来た、といふかんぢ。全体的にもやや「オタクのオフ会」ぽい雰囲気で(笑)それもまぁ御愛嬌。みんないっぱい楽器を持って来てゐて、それが皆高いベースなのよ。まぁ趣味につぎ込む度合いの違い、なんだらうけど、ワシにはとても買えまへんで。

折角の来阪だから、と云ふ事でミニライヴも演らして頂き、感謝。ループなしで2曲弾き語った。

やがてはメーカーも巻き込んでの「仕事」にもなりうる会にしたい、とビジョンを持つ竹田さん。初回としてはなかなか楽しい企画だったのではなからうか?。在阪のプロがもっと参加するやうになれば、更に楽しいだらう。毎回大阪に来るのは無理っぽいけど、コラムも含めて、今後も良い付き合いをさせていただければ、と思ふ。

終演後、泉さんとしばらく呑み、心斎橋まで歩いて行く。定宿カプセルホテルに投宿。

6日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

なんや2時3時に集団でデカい音立てて入って来る莫迦どもがおり、寝不足。しかもそのせいで寝違えたらしく、頸も痛む。当のヤツらは5時ぐらいにまたデカい音立てて出て行った。終電逃し&始発狙いの仮眠族だった様子。糞莫迦どもが。

頸が痛いので「ちょいと観光」といふ気分にもなれず、梅田でお好み焼き喰ったら、もうそのまま電車に乗る。時刻表で連絡を計算し、途中、乗り換え時間の調整に「和気」といふ駅で降りてみた(18切符は途中下車可)。なんか相当に鄙びてゐて良いかんぢの町だが、弁当を買う場所は見当たらず。後日、駅の反対側に行けばけっこうお店があったことなど知るのだが・・・。結局、夕方広島に着くまで、食料はナシ。

大阪〜広島、約6時間。もぅ慣れちまった。上手く座れさえすれば、もぅなーんでもないね。夏後半ツアーもこんなかんぢで、ね。

7日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

お隣の呉市は、花ClubやRazzのライヴでワシにはお馴染み。この街に、ワシの曲をレパートリィの中心に据えて活動してゐる「ヤマナカーニャ」といふ夫婦デュオがおられる。ワシが呉に行くたびに毎回欠かさず見に来てくれ、歌詞やコード、ループの使い方など情報を交換し、なんかすごい熱意でワシの曲を解析してくれてゐる。アタマが下がる。

彼らがこのたび初めてワンマン・ライヴを敢行したさうだ。その時の動画がアップされてゐる。ワシの曲ではないのだけど、カヴァーのこの曲加藤登紀子だったっけ?)が、とても良い。う〜〜〜ん、かういふ人達にリスペクトされてゐる、といふ誇りに胡座をかかず、もっと頑張らなアカンなぁ、と思ふ。うむ、ワシももっと頑張ります。

曲の最後らへんに、スキンヘッドのお客さんがカメラの前を横切るのが御愛嬌(笑)。

8日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュ、夏後半ツアーまでまだあと2週間あるが、恐らくそれまでに出来る唯一のリハを。

こないだ演った新曲を中心に2時間ほど。今回の新曲は、どれも割としーシュの「新境地」とも云へる作品群。早くステージで演れるやうになりたいな。

9日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

暑さが少ぅしだけ弛んだやうな気もす。

けふは東京の宿主、久保田涼子が帰省して来てゐるので、メシに連れてってやる。此所1〜2年ほどで彼女は、ウェブクリエイターとして独立し、その業務を軌道に乗せる事に腐心してきた。そしてそれはどーやら上手く行ってるやうで、高校生の頃から彼女を見知り、成長を見て来た年長者として『まぁ立派になったものよ』と強く思ふ。

りょーこは周囲にワシの事を「広島のおぢさん」と説明し、中にはホンマに親戚かなんかだと思ってゐる人も居ようが、実際は単純に「歳の離れた友人」である。まぁ実際のイトコやハトコの方が、付き合いなどほとんどないだらう。もうじき彼女も、生まれ故郷より東京での暮らしの方が長くなる。いづれは嫁に行ったりもするんだらうな、と思ひつつ、共にメシを喰ふのであった。

10日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

なんか飲み過ぎたやうだ。思ひの他ひどい二日酔いに苛まれてゐる。女房の作ってくれたオムレツすら、消化できぬ体たらく。具を抜いた野菜スープを啜って様子を見る。っかしーな、そんなに呑んだ憶えはないのだが・・・。

吐き気を堪えながら、昼からカズイとの新バンド-----名前はまだ無い-----のリハに行く。しばらくゲロゲロだが、音を出してゐると元気になって来た。んん、やはりワシはミュージシャンなのだな。リハが終わる頃ようやくハラも減りはじめ、サンドヰッチを少々。やれやれ、やはり日本酒は要注意だなぁ。

夜は久しぶりにカワちゃんのライヴを、純粋に観客として見に行く。「カワムラ・アフロ祭り」と銘打たれ、しーシュで全面サポートしたライヴから気が付けば壱年余。またひときわ「しなやか」に「力強く」なってゐるカワちゃんの唄を楽しんだ。また一緒になにか演りたいね、と話す。

対バンの博多から来たアクースティックトリオ。良い声だし良い曲だし、アンサンブルもたいへんよくまとまってゐるのだが、唄のいちばん肝心なところで歌詞が聞き取れない、といふ。さういふ言葉の選び方をあえてやってゐるのだとしたらアレだが、聴いててたいへん惜しい気がした。カワちゃんの、シムプルな歌詞の、すこーんと突き抜けたかんぢが秀逸だっただけに、余計に気になったな。

我が身を顧みて、なるほどかういふ処が意外と楽曲のポイントになるのだな、と。


3週目

11日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

「吟」の練習に2時間スタヂヲ入り。

吟ではいつもチューニングを全音下げたオヴェーションのアコギを使ってゐる。これが30年選手で、それでも楽器としての不具合はいまだ無い、と云ふタフな奴だ。しかし、どーにも最近、スティール弦が左手の指に与える妙なリキみ、が気になってゐる。唄の仕事も増えて来た事だし、ここらで『そこそこの程度』のガット弦ギターを買うべきなのかな、と思ってゐる。既にギターにもピックを使わなくなって久しいし、ガットギターの幅広のネックの方が、ベースとの互換性はある。

さういやベーシストからギターの弾き語りに転向した、お江戸の朋友三輪雅也もガットを使ってゐるな。ぬーむ。

豆知識:ガット弦ギター(ガットギター):ナイロンの弦を使用するギターの相称。所謂「クラシック・ギター」を指す。これに対し一般に「フォークギター」と呼ばれるものはスティール弦を使用する。双方とも「アクースティック・ギター」といふカテゴリィに分類されるが、本来は持ち方構え方弾き方全然違う。だが近代においては、ほぼ全ての奏法に互換性があり、ガットをフォークギターのやうにかき鳴らす人もゐれば、スティールをクラシックギターのやうに操る人もゐる。

12日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

女房方の実家に里帰りす。

最寄り駅から実家まで歩く道が、結構ジャングルトレッキングに匹敵するやうなかんぢ(笑)なのだが、このルートに随分前から打ち捨てられてゐる軽トラがある。おそらく農家の方が物資運搬に使ってゐたものなのだらう。これが見るたんびに朽ちていってゐる。初めに見た時は、たしかまだ窓もあったやうに思ふ。いまや運転席にも雑草が生え、車体はサビサビで屋根も崩れかけてゐる。もののあはれを感じさせて良い。こんなコトなら発見した時点で写真撮っておけば良かった。

いつか完全に土に帰るのだらうか。

13日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

オリエンタルホテル・ソロ営業。ど盆だけど、ヒト来るのかね?。

泊まり客は多いみたいだが、ラウンヂは人陰も少なく。まぁいつものやうにMCもほとんどせずに淡々と演って行く。1stステージが終わった時、隅のテーブルにゐた上品な御家族が声をかけてくれた。ドリンクを御馳走していただき『まぁ座りなさい』と御家族に交じって席に。

なんでもワシが娘婿に瓜二つで、へ〜と思って見てゐると選曲がまたジャストミートだったらしく、たいへん気に入って頂けたやうだ。2ndステージが始まるまで楽しくお話をす。結局2ndも全部見ていって下さり、『応援してるよ』と云って頂き、感謝多謝。精神的になかなかキツい処もある仕事だが、かういふ事もある。真摯にきちんと演らないかんな。ありがとうざいました。

写真を見せて頂いた娘婿さんは、確かによぅ似ておられた。

14日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

世間的には盆休みで、女房も家にゐる。ワシは諸処の事情でフツーに仕事。譜面を書き、練習もして、レッスンもやる。

飲物を買いに立ち寄ったコンビニで、偶然ひと昔前の呑み仲間と出会う。どーいふ経路か知らぬがしーシュのライヴを見たらしく、たいへん気に入った、と。嬉しいねぇ。

15日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

世間的にはまだ盆休みのやうだが、けふも通常営業。あ、例年この日程はパーカッションキャンプだったのだ、と気付く。

あれがなくなって弐年目。毎年あれでしか会わない人もゐて、さういふ人とは、当然弐年会ってない、といふ事になる。最初の頃はあの人もゐてあの娘もゐて・・・。100人ぐらい参加者がゐた時もあったのだ。なんか色んな事が変わって行くなぁ、としみぢみ思ふ。しかしまぁ、変わらんものなど此の世にない。「変わる」といふ事をしっかり受け止めて、生くる。

ビーチボーイズ、といふ比較的良く出来てゐたTVドラマの最終回で、二人の主人公がそれぞれ新しい道を目指して爽やかに別れて行くシーンがあった。『どっかに在るだろ?俺の海が・・』。あーいふかんぢ。

16日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

自分祝い誕生日企画スペシァルオールスターズのリハ。

曲数が多いので、最初の曲合わせを2回に分けて演ってゐる。演奏の反射神経は疑うべくもないメンバーを選び、それは思った通りの出来栄え。唄が負けぬやうにしっかり頑張らねばね。

引き続きしーシュのリハも演り、その後、明日の居酒屋椎修の食材買い出し。

17日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

『ギターを買おう』などと思ってゐた矢先、家電がたて続けに壊れた。生活必需品なので買い替えぬ訳にはいかず、まぁギターは後回し、だな。

月イチでやってる割に定期でないので、づいぶん久しぶりの気がする「居酒屋椎修」。まぁ盆明けてすぐだし暑いし、でけふはあんまりお客さん来ぬだらうなぁ、とか思ってゐたら、なんと大入り満員。しかも、中部地方でいつもワシらを応援してくれてゐる、所謂「りとるびれっじ仲間」が、名古屋からわざわざ見に来てくれてゐる。『一度、広島でのしーシュを見とこうと思って・・・』と。いや〜うれしいなぁ。

けふは他にも静岡から来とられるお客さんもゐた。来週はワシらも旅が始まるし、合流するてらしまは既に旅立ってゐるし、なんかすげぇみんな旅人、てかんぢですごくイイね。このままフットワーク軽く、Danceだ、みんな。

その流れもありて、けふのライヴはまた良かった。けふのライヴテーマはベタに「夏」。サーカスの唄で有名な『ミスタ・サマータイム』の出来が良かったかな?。4人コーラスを二人で賄う、といふ(笑)。飛び入りなにわのてつのネタ満載ショーも最高だったし、居酒屋椎修、我らながら良い仕事してますねぇ。疲れたけど。

18日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

新しい家電を買いに行く。今回崩御したのは、炊飯器、電子オヴンレンヂ。炊飯器は米好きの女房が、ナニヤラ凄いのを買うらしひのでお任せ。家族会議により、高価で多機能なオブンレンヂを買うより、単機能に徹したレンヂとオヴントースターを別々に買った方が良いのでは、と決定。なんともシムプルな電子レンヂと、ピザも入る大型のオヴントースタを購入。今どき、ダイヤルしか付いてない電子レンヂなど、逆に新鮮なり。

歳とともに、電化製品がどんどんシムプルになってゐるのが良い。DVDプレーヤも、次に買い替える時は「再生専用」で充分だしね。

夜は椎名まさ子&執事フライデー@オリエンタルホテル。まづしーなさんとの合流時間を1時間早く間違え、車で待つハメに。さらにライヴの始まりがいつもより1時間遅い事を忘れてゐて、居酒屋で待つハメに。けふはさういふ『待機の日』であったのだな、と。まぁ遅い方に間違えて信用を失うよりはづっと良いのだが・・・。

この月イチ仕事、機材の関係でどーしても車で行くしかなく、『帰りに一杯』といふのが出来ぬのが辛いっちゃツラい。

19日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

なんかあまり眠れずに疲れが残った日曜日。けふは用事は何もないので、ツイデに「休弾日」として、一切楽器に触らぬやうにする。ぢつはこれって結構「怖い」んだけどね。

DVD「キラー・インサイド・ミー」。ジェシカ・アルバって、あんなにコケティッシュでカラミのシーンも多い女優なのに、宗教上かなんかの理由で絶対におぱいとか出さないんだって。別に「脱がなきゃダメ」とも思はんし、脱がずとも良い女優だとは思ふのだけど、さういふ仕事の選び方って、役者としてどーよ?とか思ってしまふ。

だいぶ前に、日本の俳優勝村 政信が、どっかの国で行きがかり上「男性ストリッパー」として舞台に立たねばならぬ事になって、リハや打ち合わせまでものすごい嫌がってゐたのに、イザ舞台に上がると目つきが変わり、熟練ストリッパーより熱演した、といふドキュメンタリィを見た。天晴な役者根性。まぁ男と女じゃ違ひますけどね。

20日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

今度、津軽三味線の「のすけ」こと河野一志くんと『3×4』といふライヴを演る。そのリハを。

ぢつは河野君とはえらい御近所で、チャリで3分もかからんとこに住んでゐる。防音もなにもない普通のアパートだが、近隣の理解を得て、生音での練習は勿論、自宅で三味線教室もやってゐる。近所のお年寄りが『いつも良い音聞かしてくれよるねェ』と云ってくれるのださうだ。羨ましいなぁ。

三味線と電気ベースで、まづ何が出来るか?を探りながら。三味線のアタックを生かせる曲を色々セレクトしては演ってみる。技術は全く問題ないのだから、選曲が全て、とも云へるだらうな。よく『失敗』してる選曲のを見かけるので、そこはちゃんとプロデュースせねばね。

ぢつはこの日のリハも、何故か時間を間違えてゐて、2時間も早く行ってしまった。なんか最近「時間の勘違い」が異常に多い。今のところ全部早い方に勘違いしてるのでまだアレだが、いつかとんでもないミスをしてしまひさうで怖い。気を付けねば、ね。

21日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

古い音楽雑誌をたはむれに読んでゐたら、なにかの紙がふはりと落ちて来た。見てみると、なんとワシの初ソロライヴのタイムテーブル表!。1993年2月21日に「しろ」といふワインバァを会場にした、ライヴイベントの進行表だった。初めての「独弾」から19年経つのだな、と。奇しくも同じ21日(笑)。つーことは来年ソロ20周年かぁ・・・。

たしか、ソロ曲→ループ使い→バック演奏テープに合わせて→ソロ曲→弾き語り、て流れで演ったハズ。結構ウケて「あー良かった」と胸をなで下ろした記憶がある。

昨日のすけ君とも話したが、何故ひとりで演る事になったか、と問われれば、ひとりで演らうと思ったから、に他ならない。

ワシの場合、バンドに、と取って来た仕事にメンバーが参加できず、今から断りを入れるくらいなら・・・と思ったのがきっかけ。普通はメンバーが参加出来ない時点で、キャンセルする場合がほとんどだらう。そこで『ひとりでも演らう』と思った事が、すでに異端の出発だったのだ。

独りでステージに立つ、と云ふ行為は、ある種の「深み」を理解する事だ。己の技術と経験以外に頼む処なく、たった独りで聴衆との対話を成立させる事は、たいへん怖く、孤独で、しかし哀しくはない。その深みを理解できない人にはソロの醍醐味は分からないし、ソロが出来ない人にはその深みは理解できない。

『目立ちたがり』とか、タマにそんな事を云ふ人もゐるが、はっきり云ってそんな下らない地平には、誰もゐない。


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