1月


1週目

1日(火)------------------------------------------------------------------------------------

大晦日に旅から帰る、といふ事をやってのけたので、流石に今年の明けは家族とオゴソカに。あけましておめでとうあります。

実家に帰省。ワシが25歳のときに生まれた姪っ娘も、この春から社会人。このまま東京に就職するのださうだ。なんかイイ企業みたいだぜ。就職先への『保証人』のやうなものへ誓約調印する大役を仰せつかる。ワシのやうな「叔父」が「保証人」で大丈夫か?とも思ふが・・・。

ぢつは昨年末から親父が大病を患ってゐて、色々と難しい。それをオフクロと、同居してゐる姉貴に任せてしまってゐる事を心苦しく思ふ。本来ならば『長男であるお前が』と云はれても致し方ないところ、姉貴が「任せときんさい」と云ふてくれる事には、本当に感謝してゐる。姪への誓約など、お安い御用だ。

しかし、東京で就職か・・・。もぅ帰っては来ぬだらうなぁ・・・。姪っ娘の未来に幸多かれ。

2日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは女房方の実家に帰省す。

昨年も書いた気がするが、駅から家に行くまで30分近く山道を歩く。そこに数年前から打ち捨てられてゐる軽トラがある。順調に「土に還って」ゐる模様。鉄の固まりがこれほどまでに植物に侵食されるものなんだねぇ、と興味深く思ふ。過疎が進むここらでは、古い家々も同じやうなかんぢ。此所に来ると『万物は土に還る』といふのが実感出来る。いや、まぁ深刻な問題だけどね。

女房方では例年通り喰っては飲み。割と偏食の傾向がある家族に比べ、なんでもばくばく食べる娘婿(ワシ)は、御義母さんにも料理の作り甲斐があるらしひ。意地汚くハラ一杯に御馳走を頂く。例年、喰ひ過ぎる傾向があったが、今年は飲み喰ひの量をちゃんとセーヴできました。

3日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

ゆんべの山道歩きのせいか、夜中久々にキアイの入ったこむら返りに襲われた。嗚呼、運動不足。情けなや・・・。

けふは何処に行く用事も無く、3日ぶりにベースの練習を再会。これが驚くほどヘタになってゐて・・・。慌てて、も仕方ないのだが練習す。その後、DVDで映画「ふたたび」と云ふのを観る。凄まじくダサい映画。テーマは崇高なんだが、監督&脚本が悪い、といふ事が素人にも分かるやうな・・・。言葉は悪いが『三文芝居』ってこんなかんぢか?。しかし酷いなコレ。

夜、FMでビリー・ジョエルの特集をやってゐる。ん〜〜落ち着くねぇこのバリトン。3時間に渡って流されるナンバーのほとんどが、「聴いた事がある」か「演った事がある」曲で、改めてこの人のポピュラリティを実感す。売れるってかういふ事なんだねぇ・・・。

4日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

昼過ぎ、しーシュの2013年リハ始め。その前に楽器屋に寄り、ブッ壊れたフットスウィッチを新調し、ツイデに文具屋にも寄って今年の日記帳(プライヴェートの)を買う。ワシはこれにはづっとA4サイズの無地のノートを使ってゐる。そりゃ罫がある方が書き易いが、無地の紙面にちーさい字がびっちし書き込まれたかんぢが、精神異常者ぽくて好きなので。しかし、無地のノート自体置いてる店が少なくなったので、なかなか苦労する。

さてリハ。しーなさんと会うのは大晦日ぶり。明日は今年初ライヴだし、来週からはまたツアーなので、しっかり演っておく。2時間、ほぼぶっ続けのリハ。友人とかには、タマにこの集中力を驚かれる。我らはかう見えて、其処ん処マジメなのだ。それにやはり、音出してしっかり唄ってる時間が好きなんよねぇ。

その後、「着物団」のメンバーが参加して、明日の合同曲などのリハ。前田順三さんとのツインベースが楽しい。明日はなかなか楽しいイベントになりさうですよ。

リハの後は、各人が持ち寄った「軽食」をつまんで、軽く新年会。メンバーに女子が複数人ゐると、かういふささやかな催しなどが楽しい。「軽食」とは云っても、4人の女子は手作りチヂミや焼豚など結構本格的な料理を持ち寄ってくれてゐて、ありがたく遠慮なく頂いてたら、かなりハラ一杯になっちったぃ。ぐぇっふ。


2週目

5日(土)------------------------------------------------------------------------------------

「着物団+しーシュ」年始ライヴ。
ぢつは今年に入ってから隣の非常識一家の騒音がことのほか酷く、夜中じゅうナニカをガットンゴットン(家具を動かすやうな音)やってやがり、うるさくて眠れない。流石に昨日不動産屋を通して苦情を申し立てたが、昨日も変わらず。

ドッカンドッカン音させて窓やドア閉めるわ、喋る声やTVの音も桁外れにデカイわ、ベランダの汚水を平気でこっちに流して来るわ・・・・、かういふ事をかういふ処に書くのは得策ではないが、どーにか早く出て行ってほしい隣人である。

さて、そんな寝不足の中、ライヴ。
対バン、といふよりは「合同ライヴ」の様相で、メンバーの組み替えや合体などもあり、演ってる方もたいへん楽しいライヴ。しーシュ+サトシ(Dr)をバックにミミと順三さん(Ba)がデュエットするナンバーなど見所もいっぱい。
お客さんも満員で、大いに盛り上がり、年始早々素晴らしいイベントになったやうだ。両バンドメンバー、それぞれ仲良しなので、また是非演らう、といふ話にもなる。

JUKEのライヴ始めとしても、和装のバンドが演る、と云ふ事が店的にエンギが良いやうで、早くも来年もこの2バンドで年始を飾ってほしい、と云はれる(笑)。

えぇ喜んで。

打ち上げで発覚したが、着物団はメンバー5人全員未婚者!。
ははぁ〜〜ぁそれでなんとなくメンバー間が華やいでゐるのだね、としーなさんと強く納得(笑)。

いやしかし、良いバンドだね着物団。頑張ってほしいですね。

6日(日)------------------------------------------------------------------------------------

良いライヴの後の日曜日。よーしそろそろキチっと早起きしてタイトな生活を、と思ひ、まづ顔を洗わんと腰をかがめた途端『グキ』と来た。

ぐあッ!やられたっ!恐らくこれまでで壱番ヒドいギックリ腰!。

救急呼ぶにもまづ動けぬし、どーすれば良いのか?。色んな人の体験談がアタマを過る。取りあへずなめくぢのやうに這って寝床まではたどり着き、なんとか横になる。けふ明日と休みだからまだ良いが・・・どーすっべ?これ・・・。。

フと、ボビーズの仲間、進藤先生(フリュート/本業は整形外科医)の事を思ひ出し、取りあへずどーすれば良いかを訊いてみることにした。したらなんと休日のところウチまで迎えに来てくれ、救急扱いで自らブロック注射を施して下さった。
『いやァ 日曜日の朝にシュウから電話、ってだけで腰かな?と思ったよ(笑)』と。

ブロック注射はそれなりにかなり痛かったが、本気で『どーなるんだらう!?』と思ひ、アドヴァイスだけでも訊ければ・・・ぐらいの気持ちだったのに、処置まで・・・。ホンマに助かりました。
まぁこれで完治!といふ訳ではないさうなのだが、先生いわく、この治療の有る無しで痛みの収束が全然違うさうだ。『明日には歩けるぐらいにはなるよ』と。

進藤先生、お休みの所、ホンマにありがとうざいました。

あとはもぅ壱日寝てるしかないので・・・・。

7日(月)------------------------------------------------------------------------------------

なんと、歩ける。


ヌ〜やはり現代医学は侮れぬなぁ。術後の経過を見る為にも、けふもう一度おいで、と云はれてゐたので、そろりそろりと歩いて行く。

改めてレントゲンを撮り、ギックリ腰には違いないが、まぁ老化による椎間板ヘルニアの兆候は隠せないね(ちなみにヘルニアとギックリ腰は医学的には全然関係ないのださう)、と。はぁ〜やれやれ・・・。ワシも立派なヘルニアン、ですなぁ。

まぁ色々対処の方法なども聞く。付き合って歳とって行くしかないからね。またプールにでも通いますかねぇ・・・。

8日(火)------------------------------------------------------------------------------------

「グキ」と来た時に壱番激痛だった腰左側の痛みは収束。むしろ右側の筋肉痛のやうな痛みが残る。鎮痛剤は手放せぬが、社会復帰はなんとか出来そうだ。てゆーか、しなければ・・・。

て事で、今年初めての専門学校授業。さっそく無断欠席がふたり、遅刻が一人。
この冬休みの間、アメリカの音楽大学の授業風景、みたいなヴィデヲを見る機会があり、あんな授業ぢゃお前ら最初の3日で落第やな、と話す。

生徒の個人つぃったーをタマタマ目にしたとき『学生なんだからのんびり暮らしたい』みたいな事が書いてあり、まぁこんなんだからダメだよなぁ、と思った。

ワシ?、ワシの学生時代ですか?。

ワシは結構まじめだったよ。授業は全部出てノートもしっかり取ってた。テスト前には友達がワシのノートを借りに来たりしたし、同じ講義を取ってる者同士集まって『徹夜勉強』みたいな事もしてたなぁ。夜食持ち寄ってね。

ワシを含むあの仲間は、あの時代には珍しくバンカラ連中で、よくケンカやもめ事起こしたりしてたけど、大学の授業に関してはみんな真面目だったな。全員、ちゃんと4年で卒業して、それぞれ地元に帰って行った。

まぁ『経済学部:経営学科』だから、今それはなんの役にも立ってないけどね。

9日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

昨日しーシュのリハで、既存曲の新アレンジを試してゐた処、ベースをピックでバチのやうに叩き弾きすると、かなり広範囲にリズムとコードのサポートが出来ることが判明。
これはちょいと前に見た、メキシコのマリアッチにおける『バホ・セスト』といふ楽器のニッチ。いかにも弾きにくさうなデカくて無骨なギターだが、音域的にはベースとギターの中間くらいの役割で、なんか不器用にベチベチとリズムを刻むのだ。

その時はただ「変な楽器やな」と思って眺めてゐたのが、こんな形でアイディアの助けになる。色々見ておくもんだねぇ。

10日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

こないだ急患だった時のレントゲン料金が未払いだったやうで連絡があり、T病院まで行く。バスに揺られて行ったが、椅子は狭いわ縦横揺れるわで、これがやはり壱番シンドいなぁ。歩いて行くべきであった。

ツイデに久しぶりに楽器屋めぐり。中古で、ブラスターといふ80年代に流行ったヘッドレスのベースがあったので、弾く。あの時代、ベーシストは皆ヘッドレス使ってたやうな気がする。ワシはあの時代にはあんまり好きぢゃなかったんだけど、今すごく興味ある。
でも、今は誰も持ってない。

上手くいきませんねぇ。

11日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

レス・ポール&メリィ・フォードのCDを入手。
レスはご存知あの「レスポール」の発明者。他にも、ディレイやエコー、ダビングマシンなどを発明して、現在の電気音楽の文字通り『基盤』を作った人でもある。

彼が嫁さんのメリィとのデュオで出したヒット曲のコンピレーション。カントリーやジャズの影響を随所に感じながらも、どこまでもポップスである、といふ処がたいへん良い。しかもこれがアクースティック楽器ではなく、電化されたギターで演奏されてゐる、といふ痛快。ヴォーカルの多重録音なども、かなり凝った事をやってゐるが、なんと爽やかにポピュラーであることよ!。マニアックなものが大衆性を獲得した、見事な一例。しーシュもここを目指したいのだ。

このレス氏、ついこないだまで存命で、94歳で亡くなる直前まで、週壱のライヴの現場に立ち続けてゐた、といふ『生涯現役』の人でもあった。

さて明日から今年最初の旅である。すでに4月までにかけて、数本の旅も決まりつつある。今年もより 流れ流れて、あ漂って 行きたい ねぇ〜〜ぇ。


3週目(ツアー週間)

12日(土)------------------------------------------------------------------------------------

しーシュ新春ツアーに出発。本来は昨日の夜に夜行バスで出発する予定だったが、腰の事を考慮して、行きだけでも新幹線に。名古屋〜豊橋〜新所原〜都筑と乗り継ぎ、浜名湖畔の名店WATSへ。

HAGE富安さんの新作「音もダチ2nd」のレコ発キャラバンツアー。主軸メンバーは昨日までにすでに3本演ってゐて、ワシらはその4日目からの参加。レコーディング以来の懐かしい面々と再会を楽しみつつ。

けふは参加人数が壱番多い日、なのださう。アルバムに参加した総勢21名がステージに上がり、アルバム「音もダチ」を再現する。その他にも各組15分づづのミニライヴも。たいへん盛りだくさんな日。

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こっから先、書いてくとキリがないし書ききれぬので、その日の演目と印象的な出来事のみを書いて行く事にしませう。

けふの演目:
(しーシュで)爪研ぎうた/シャミーラム(新曲)/Dance。
(歌声一座として)フルムーン・ダンス/ウォーク・ザ・ロード。
(ベース弾きとして)イソジン/ラスト・サマーソング。

シャミーラムは本邦初公開。『跪いて脚にキスして』といふ歌詞がヤバいエロティック歌謡(笑)。ちょいと気負い過ぎてスベっちゃったかなぁ。けふは鍵盤が用意してなかったので、全編ベースのみでのしーシュでした。

当初の予定ではWATSに宿泊するつもりだったが、明日の名古屋ボトムラインへの入りがえらいこと早いのと、パーカッションの本多taco-bowさんが家に泊まっても良いよ、と云ってくれたので、甘える事に。夜はtaco-bowさんの車で名古屋へ。

13日(日)------------------------------------------------------------------------------------

けふは『音もダチ』から離れ、ワシらは名古屋ボトムライン。りとるびれっじ谷口幸至朗さんのバースディライヴへの参加。りとるびれっじ20周年祝いも兼ねた一大パーティーです。

けふの演目:
(しーシュで)亀の庭/Dance/シャミーラム/苔の記憶
(Wet Backで)夏ですね/頑張れ日本人/唄うたい/ホっとでグっと/山/カントリーボーイ

けふのシャミーラムは大成功。楽屋に帰ると何人かが跪いて待ってゐた、といふ(笑)。
Wet backのメンバーとしては、レコーディングを経ただけにバンドとしての一体感が格段にアップ。もぅ完全なロックバンドだったね〜。いや〜暴れた暴れた。

まぁ、けふの出演者の中では格段に地味な出し物であるしーシュ。それに関してはいつも『良いのかな〜』と思ってしまふが、打ち上げで『確かに地味だけど、あぁいふハッピーなロックイベントの中にあんたらが出るのが意味があるんだ』と云ってもらへ、まぁ安心する。

けふもTaco-bowさん宅におぢゃま。新婚家庭に二日続けてお世話になっちゃって良いのかなぁ〜とか云ひながらも甘える我ら。

14日(月)------------------------------------------------------------------------------------

けふは松阪MAXA。『音もダチ』レコ発キャラバンの最終日。ほぼフルメンバーに近い人数のミュージシャンが集まり、広いMAXAのステージを充分に生かしたライヴショウ。

面白いのが、同じMAXAで年末に開かれるイベント『正しいロックンロールの調べ』と比べた出演者の真面目さ(笑)。楽屋が居酒屋と化す『正ロク』と比べ、けふのメンバーはたいへんストイック。整理整頓やタイムスケヂュールも完璧。
スタッフから「MAXAの楽屋で(ケータリングの)ビールが余ってるなんて!」といふ声も。

けふの演目
(しーシュで)らくだ/みんな月を見てゐる
(歌声一座として)フルムーン・ダンス/ウォーク・ザ・ロード。
(ベース弾きとして)イソジン/ラスト・サマーソング/バーバーショップ。

数日間一緒に過ごしてゐるスタッフから『けふもDanceが聴きたかった』といふ意見あり。
作った当初は、こんなに人気のある曲になるたぁ思ってもみなんだが・・・。

久々に演った「らくだ」もたいへん好評。
けふはシャミーラムは演らなんだが、構成上しーなさんのお色気コーナーがあり、これまた大好評。ヴィヲロンの末松さんから『アンタの相棒、最高やね』とお褒めを頂く。
しーなさんはフクザツな心境のやうで・・・。

いや〜しかし、これほどまでに優れた個人芸の持ち主が、ひとつのコンセプトのもとに集結して、作品を生み出し、数日に渡る旅を成し遂げた、といふのは、ホンマにすごい事だと思ふ。本当はワシらも全行程参加したかったが・・・。

素晴らしき「音もダチ」に乾杯!。
これからもフォースとともに歩こう。

けふはMAXAオーナーツヨっさんこと中山剛さん宅に、友達バンド「りぶさん」と共に投宿。わぃわぃ騒ぎながら夜中まで宴会。ホンマに楽しい連中である。

15日(火)------------------------------------------------------------------------------------

けふからワシらの、所謂『中部人脈』からは離れ、「関西圏」に入る。
「乗り鉄」として、近鉄伊勢ライナーを楽しみながら大阪へ。大阪と云へば「アニキ」泉尚也さん。

けふ泉さんがブッキングしてくださった大阪のS.O.R.aは、奇しくもMAXAツヨっさんも繋がりのある会場。世間は狭い、と云ふよりか、旅をしてゐると本当に色んな物事が繋がって行くのだねぇ。

けふの対バンはお江戸の歌姫「高満洋子」と、テルミン&アコルディヲンのデュオ「沼娘」。それぞれに泉さんがフレットレスベースで絡む。勿論ワシらにも。ツインフレットレスベース!。

演目:
毬藻あります/亀の庭/Dance/みみずく時計/苔の記憶
(泉さんフィーチャーで)バードランドの子守唄/マイ・ファニー・ヴァレンタイン

先行の「沼娘」がコントを取り入れたりして割とたっぷり演ってたので、サクサク演ったらホンマにあっと云ふ間に終わっちった(笑)。でも、演奏は相当に熱が入ってゐたし、出来もほぼ完璧だった。

ここで持って来たCDが完売。明日の岡山で売るものがなくなってしまった。
嬉しい悲鳴だが、まぁしょーがないね。
こればっかりはねぇ・・・・。30枚持ち歩いて全部売れる旅もあれば、5枚しか持ってへんのに壱枚も売れぬ旅もある。

打ち上げでの泉さんとの会話が楽しい。『久々にシュウ君ががっつり弾いてるのが聴きたい』と云はれ、う〜む、と思ふ。いま現在ワシは、ベースのソロパフォーマンスに対してモチベーションを感じてないのが正直な所なのだが、今年ソロ活動20年目を迎え、その辺を考えてない事もないのだ。

それを大阪で、しかも敬愛するアニキに云ってもらへた事は、やはり真剣に考えるべき事なのかもしれぬな、と。

16日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

ツアー、旅としては千秋楽。けふは岡山へ。
意外にも今までほとんど繋がりのなかったお隣の都市。会場は、数人の友人コネクションをたどり、オファーしたORiON。

今回のツアーではいちばん小さな会場。だが、ママのNORiさんがシンガー、といふだけあって、ちゃんと店置きのアップライトピアノがあり、ライヴを演る環境は整ってゐる。『初めまして〜』とか云ひながらセッティング&リハ。

初めての街で動員の予想は全く掴めず。ので、対バンをもと生徒の浅井裕二(現岡山在住)のやってゐる「だいふく」といふトリオに依頼したところ、快く引き受けてくれ、けふは「だいふく」と「しーシュ」の二枚看板。

だいふくのなかなか見事な演奏に影響され、ウチらもハッスル。持ち時間もしっかりあった上に、大ウケにつきアンコールも二回。楽しくたっぷり演奏した岡山の夜、であった。

演目:
月の路/毬藻あります/ペンギンカフェ/夢見るアンコウ/しゃばだバ/Dance/苔の記憶/ぎやまん/歳取った鰐/ムーンボゥ/くちなわは語った。シメて11曲!。

いや〜楽しかった。

だいふくのメンバーにも、NORiさんにもたいそう気に入ってもらへ、なによりお客さんが大盛り上がりだったのも嬉しい。NORiさんに至っては『もう次を決めませう』、と7月の岡山再来が決定(笑)。

千秋楽、良いライヴでシメれて感謝。

17日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

帰広の日。けふはもぅ広島での通常仕事(レッスン)が入ってゐて、朝のうちの電車に乗って広島へ。しーシュ、働くデュオ、であります。

昼過ぎには広島に着。しーなさんはそのままレッスンに直行。ワシは一旦帰宅して洗濯。夕方からレッスンに。

夜は壱週間ぶりに会う女房と、家庭の正しい晩飯を。
ただいま。

18日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

本来はけふの地元広島ライヴで、我らのツアー千秋楽となる。HAGEさんを迎えての『音もダチ』レコ発in広島。会場は勿論、我らがホーム、フライングキッズ。

倉敷からやって来たHAGEさんと、飛行機で東京から飛んで来た北川涼さん(gt)を迎えて、壱年ぶりの『歌声一座』ライヴ。
ワシ日中は仕事。専門学校で2コマレッスンしてから会場入り。

けふこそ真価が問われる。総勢23名が参加したHAGEさんの新作を、たった4人で全曲再現する、といふ、音楽家として最高にモチベーションの上がる現場。ワシらかういふの大好きであります。

演目

月の路/みみずく時計/ハイギョ/シャミーラム/月の裏の約束/ムーンボウ/It's So 人生/幸せ商人/六連星/パフ/ブックストア・ブルーズ/Today's Song/フルムーン・ダンス/ガイディング・ライト/Waik the Load /ラスト・サマーソング/It's so 居候。

結果として、しーシュとしての5曲、プラス『歌声一座』として11曲、にアンコール1曲。シメて17曲。
楽曲を的確にサポートしつつ、演奏や唄でそこそこの個性は主張し、なをかつメインを引き立てる、といふ、もぅしーシュのよろず演奏家としてのポテンシャルを全て出し切った、といふ感無量のライヴだった。たいへん満足。

HAGEさん、涼さんからも『アンタら本当に大したモンだねぇ』と絶賛をいただく。
ワシら的にも、本当に楽しく、大満足のライヴで、しーなさんとも『流石ワシら』と何度も笑う。けふの「仕事」が出来るデュオであることを誇りに思ひながら、全てのツアーの終了と、次の旅への繋がりを、強く感じる新春ツアーの千秋楽であった。

HAGEさん、涼さん、お疲れさまでした&ありがとうざいました。

しかし、流石に疲労はデカい。
明日はもぅ壱本、Far east lounge久々のワンマン・ライヴだ。
生き急ぐよ〜〜〜。


4週目

19日(土)------------------------------------------------------------------------------------

昨夜の唄声一座IN 広島の興奮覚めやらず、けふはとりあへず初春ライヴ群のシメとなる、Far east loungeワンマン@PICO。

今年のカシラはなにやらヤル気で、今年に入って演ったライヴの数が、すでに去年の総本数を越えた、とか(笑)。Far east 〜としては勿論、ワシとのデュオも、今年はバリバリ演りたい、と。ふぅむ、お付き合いしませう。35年の腐れ縁としては。

そのライヴだが、久しぶりのワンマンにしては、かなり寂しい集客状況だった。なにせしーシュの二人が直前まで旅や自分の企画ライヴの追い込みで宣伝に協力出来ず、ちょいと申し訳なかったな。しかしまぁ、割とかういふ事でメゲるタイプのカシラが、『気にせずに次も演るぞ』と云ってたから、それは素晴らしい。Far east〜の次のライヴも早速決めたやうだし、ワシとのデュオも決まった。よぅし。

ワシとしては、昨年末から続いたライヴとツアーのサーキットが、これでまぁ一段落。ちょいとヒトイキついて、来週は松山へのソロ旅だ。

20日(日)------------------------------------------------------------------------------------

入院してゐる親父を女房と見舞いに行く。絶飲食5日目ださうで、枯れた猿のやうだ。腹がぺったんこ。此所数日は点滴のみで生命維持してゐるらしひ。血色はそれほど悪くはなく、ちゃんと自分で歩いてトイレにも行く。TVで駅伝を観ながらワシらにアレコレ喋る元気もあるみたい。しかし、誇張なしに殺しても死なんやうなオトコだったのになぁ・・・。

担当医師がなにやらとても横柄なやつで、これから先、そんな医者に任せても良いものかどーか、が家族間で問題になってゐる。ワシも一度会ったが、確かに全然好印象は持てない人間だった。そもそも他人の命を預かる医師といふ職種に、なぜ横柄な人間が存在するのか、理解に苦しむ。

21日(月)------------------------------------------------------------------------------------

何故か北島三郎のコンサートを見に行く。まぁ、演歌の最高峰の現在のナマ姿を、壱度は見ておく必要もあらうか、と。昼の部を14:30から。

サブちゃん、御年76歳。15人編成の生バンドを従えて吠え唄う2時間。さすがに高音の伸びは衰えが感じられたが、ほとんどみぞおちの辺にあるマイクが、それでも時折オーヴァーロードするくらいの声量。すごい。まぁMCも長めで、弟子の若手に唄わせる部分もあったが、2時間唄い喋り続け、しかもこの3時間後には「夜の部」もスタートする。そのかんぢで、今も年間150日はコンサートで過ごすのださう。

いや〜〜〜〜やっぱスゴいわ。

すぐ後ろに座ってたおっさんが、づ〜〜〜〜〜っと一緒に唄ってゐた。最初は『ウザいな』と思ってゐたが、これがなかなか上手いのに気付き、そっちに耳を傾けてしまふ時もしばしば(笑)。しかもこの人、新曲もほぼ完璧に憶えてゐた。なにやつぢゃ!?。

夜は今年最初のオリエンタル・ホテル「吟」。ガット壱本で弾き語るのは初めてか。やはり弾き易いなぁ。お馴染みとなったHさん御家族がまた来られてゐて、『新しいギターの音エェぢゃないか』と云ってもらへた。お客さんは少なめだったが、割としっかり聴いてもらへた。

けふは3曲の増設に成功。スタンダードを『一番:英語、二番:日本語』で唄うスタイルが定着しつつある。

22日(火)------------------------------------------------------------------------------------

ツアーなどで休んだぶんの補講を朝ひとコマめ(9時)から。始業に間に合わせる為には8:30には登校せねば。こんなに早い時間から専門学校に行くのは久しぶりだな。これが毎週、となるとライヴの多い身にはキツいなぁ。まぁけふの処は新鮮な気持ちでレッスンが出来たが、生徒の方が完全に寝惚けてやがった。

ツアー先で交換したり戴いたりした、友人ミュージシャンのCDなどを聴く。それぞれ個性的でオモロい。みんな頑張ってゐるなぁ。ワシも次のソロの作品を考える時かねぇ。いつかプログレ風の大作も作ってみたい、と前々から思っちゃあゐたのだよな。でも、売れんだろーなぁ・・・(苦笑)。

昨年は、奇しくもレコーディングに多く携わった年だった。自分の音が作品になる、といふのは本当に悪くない感覚で、ライヴとはまた違った楽しさ。

23日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

ぬ"ぁ〜!DVDプレーヤーが崩御した。折角「津多屋」から『遊星からの物体X〜ファーストコンタクト〜』が送られて来た処だったといふのに!。直して直るものなのかな?。もぅどーせ「再生専用」で良い訳だし、買った方が安いのかね?。ナンにしてもまた金がかかるわぃ。

この機械って、買った時からちょいとおかしくて、これで録画&ファイナライズしたメディアが、他の機械で再生出来なんだりしたんだよな。・・あッ!、てぇ事はワシが録りためて編集した希志真理子(ワシが唯一好きなAV女優。90年代初頭に2年間だけ活躍。『下町AV女優』と呼ばれて、素朴な人柄と美貌、素晴らしいおっぱいで人気を泊した)の特別DVDはもう見れない、って事か!?。あぎゃぁ〜!ショーック!。壊れた事よりそっちの方がショックだ。

24日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

こないだ乗った電車に、専門学校の生徒が偶然居合わせた。5駅ぐらいの間こちらに気付かず、づっと文庫本を読み耽ってゐた。昨今、若者が電車の中で読書す、といふのも珍しい気がした。ので、訊ねてみると、音楽以外で唯一の趣味だといふ。さういやコイツは授業中もよくメモを書いてゐる。やはり、読むやつは書くのだと思ふ。

さういふワシは、新刊を買い求むる時期をちょいと過ぎ、今は古いのを読み返す時期にある。ワシは基本的に「物語」しか読まない。「コラム」や「エッセイ」、書評や実用書なども、昔は読んだが此所数年はさっぱり。なんでかってぇと、実在の人物のイズムなどを読むと、いともあっさりと影響を受けちまうから、だ。それは結構イタいと思ってゐる。まだ想像上の人物に影響される方が、づっと良い。

で、ワシの好きなタイプの登場人物、てのは『独りの時間を過ごす術を持ってゐる』人間、のやうだ。これは実在の人間でもさうだな。

25日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

今期最後の専門学校。いやはやまた壱年が過ぎやうとしてゐる。生徒ひとりひとりに、伸ばすべき部分や克服すべき課題、などをもごもご話し、本年度の授業これにて終了!。

腰がだいぶ良くなって来て、昨日は仕事場まで歩いて行き帰り、けふはいよいよチャリに乗ってみた。学校までの行き帰りと、中心街への買い物。うむ、まづまづ。完全復帰までもぅちょいかな?。起き抜けや寝る前のストレッチも習慣化して、今後も気を付けやう。

夜は今年最初の椎名まさ子と執事フライデー@オリエンタルホテル。昨年末「フライデーはアコベで演る」と決めたが、けふは気が変わり、ヴァネッサで演る。これはもぅ身体の一部。鼻歌を唄うやうに演奏。営業、とは云へ、ワシら結構自由に好き勝手に演ってゐる。しーシュで必要な「息の合わせ方」などを、これで練習してゐる、といふかんぢ。かなり奔放な即興が展開したりもす。

数人の友人知人が見に来てくれてゐた。この後、なんかパっと飲みにでも行けりゃ良いんだがねェ。機材の関係で必ず車なのが残念っちゃ残念。


5週目

26日(土)------------------------------------------------------------------------------------

女房の誕生祝いを兼ねた湯治に出かける。毎年秋口に行なってゐた夫婦の慰安旅行だが、昨年は色々と忙しく果たせなんだのを。割とリッチめの旅館を弐泊予約。

場所は近場で、島根県は美又温泉郷。こんな冬のど真ん中に行くのは初めてで、寒いんだらうな〜といふ覚悟はして行く。高速バスと送迎バスで目的地へ。チェックイン後は早速湯治。ここは単純アルカリ泉ださう。ワシは腰のアレコレも治すつもりで。食事は海の幸山の幸。上げ膳据え膳のゼータクを味わう。

夜半から雪が降り出した。

27日(日)------------------------------------------------------------------------------------

湯治二日目。午前中には晴れ間も覗いてゐたが、昼過ぎ頃からは本格的な雪模様となる。昼飯を喰ひにちょいと外出しただけで、あとはひたすら降り続く雪に降り込められてゐる。まぁ、さういふ為に来たのだ。壱日じゅう、身体が冷えると湯に入り、暖まれば出て本を読み、といふのをくり返した。壱日かけて玄侑宗久の「阿修羅」を読了す。ここまで読書に集中出来るのも湯治ならでは。

夜はフトコロに忍ばせて来たワインの小瓶を開けて女房の誕生日を祝う。

28日(月)------------------------------------------------------------------------------------

結局壱日じゅう降り積もった雪で美又温泉郷はすごい事に(写真参照)。脇道は勿論、幹線道路も真っ白。一瞬『こんな路、送迎車で走れるんかいな?』とも思ったが、そこはやはりかういふ処で暮らす人々の車。何の問題もなくバス停まで送ってもらひ、また高速バスで家まで。

良い湯治だった。腰の調子も悪くない。年に壱度くらいはかういふ贅沢もよからう。ワシがのほほんと旅が出来るのも、いつも女房が笑って送り出してくれるから、に他ならぬ。音楽家によっては奥方に『そんな銭にならぬやうな旅に出るなぞ、あーたはナニを考えてゐるのか?』と云はれる向きも少なくはない、と聞く。タマにしか女房孝行も出来ぬが、せめてもの・・・。

さぁ、明日からは日常ですぞ。春までのツアー概要が、徐々に形になりつつある。まづは来週、久々のソロで松山へ。

29日(火)------------------------------------------------------------------------------------

日常・・・とは云へ、専門学校の授業が終了した身にとっては週休三日。単なるヒマ人に身を落とさぬやうに、しかと練習す。

ワシの日常の練習方法。

(1)左手指のための基礎エクササイズが全部で10種類。これはまぁスポーツで云ふとストレッチ。

(2)スケール練習(チャーチ・モード)を全キィで。

(3)右手指のためのリズムトレーニングが2種類。テンポは最初らへんBPM=90、終わり頃には100くらいで。ここまで演るとだいたい壱時間。

それで終わりにする日もあれば、その後

(4)ループを走らせながらの曲練習やアドリヴのトレーニングに行く事も。

タマ〜〜〜〜に(1)〜(3)を省いて、イキナリ(4)をしたりもするが、さういふ時は、やはりちょいと指が痛んだりす。

これを昼1時頃までに終わらせておくと、大体その日は良しとす。んで、だいたい火曜水曜は『弾き語り練習』もするので、それはスタヂヲに入って。

こんなにして書くとよぅ練習してるやうに見えるが、どーなのかね?。例えば朋友サックスの藤井政美などは、恐らくこんなモンぢゃないプラクティスを日頃からこなしてゐるだらうし・・・。ワシは『出来ない事を出来るやうにする』といふ練習は、基本的にやらないし・・・。だいたい上記の練習法だって、毎日演ってる訳でもないし・・・。

本当に練習する人々から比ぶれば、ワシなど『遊んでるだけ』のやうな気もする。

30日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュのリハを昼間に。こなれてきた新曲を、また違った形にアレンジす。より「作った時」の形に近付ける。

さういや今年に入ってまだ曲を作ってないな。と思ひ、ケータイの録音機能に録り溜めてゐるいくつかのモティーフを聴いてみる。既に完成した曲(ハイギョ、みんな月を見てゐる、月の裏の約束、など)の断片もいくつか発見。録った事を憶えてもおらず、聴き直してもないのに、それらはちゃんと曲として「完成」してゐる。やはり「形になる曲」ってのは、覚書や録音などなくても思ひ出せる生命力を持ってゐる。それからすれば此処に埋もれたままになってゐる断片は、もぅすでに『死に体』って事なのかね?。

まぁ一概には云へぬので、救い出してやりたい、ね。

31日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

今年最初の「居酒屋椎修」。でも1月の最後の日になっちまったなぁ。

朝から料理を仕込む。早起きして練習する音楽家は、多少は存在するだらうが、早起きして料理を仕込む音楽家は、そんなに居るまい(笑)。10〜15人前の「アジ・な・えせニック」を準備。あと、パスタの具材用に春キャベツを刻んでジプロックに。ここまでやっておいてから、週末にある専門学校のコンサートのゲネプロを見学に行く。松山行きのため本番を見れぬので。

生徒に適当にハッパをかけ、ワシはフライングキッズへ。料理の下拵えをしながらリハを進めるのにも、もぅ慣れた。定刻、いつものやうに開店。いぃかんぢにカウンターが埋まる。本日のパスタは「春キャベツとしめぢとコンビーフのスパゲティ」。割と注文が相次ぎ、づっと鍋を振ってゐたな。ライヴのテーマは「新」。テーマに即した曲もだが、しーシュとしての「新曲」や「新境地」も披露。

平日、といふ事もあって、けふはそれほど大入り満員、ではなかったが、料理もライヴも良いものが出来た。気が付けば居酒屋椎修、けふで丸壱年。2月からは弐年目に突入するのだ。まぁよくもこんな素人企画がこれほど支持された事よ。フラキズのまみこさんからも『続けて下さい』と云はれたので、続けます居酒屋椎修。

ちょいとそんな気分だったので、閉店後の店でスタッフ&お客さんと少し寛いでから帰る。


2月