7月

7月1日(金)-----------------------------------------------------------------

7月になり、ついに壱年を折り返した。

ウチのすぐ側の架線でづいぶん長きに渡り終夜工事をしており、ちょいと前までは「摺ったり」「切ったり」する音だったのでどぅもなかったが、此所数日「打つ」音が入って来ており、これが蒸し暑く肌寒い妙な天候と相まって寝不足を誘ってゐる。調子悪い。メンタル的にもちょいと色々あり、けふは楽器を触る気にもなれなんだ。

2日(土)-----------------------------------------------------------------

しーシュとしては初の三原市への遠征。

しーなさんもワシも「教職者」として関わりながら、今までライヴでは一度も縁のなかった近くて遠い街。その縁を取り持ってくれたのは、ここん処おつき合いのある「流川タンポポ団」の皆さん。彼らタンポポ団の練習は、噂によると「酒池肉林」だといふ。けふはその真実を確かめるべく、彼らのリハーサルへの突撃レポート!も兼ねて(?)の三原遠征なのでもあった。朝飯抜いて空腹で三原を目指す!。

果たしてその噂は事実であった。メンバーの持ち寄りによる、プロ顔負けの絶品料理が居並ぶテーブル!。昼間ッからプシプシビールが開き、なんかあっと云ふ間に撃沈してしまったワシである。イカンイカン、ライヴをしに来たのだ。

ワシらのライヴ会場は「はるのんカフェ」。所縁浅からぬ三原、といふ事で共通の知人なども居り、タンポポ団の皆さんの尽力で、お店は開店前から満員状態。初めての場所で、しかもワンマンやので、思へばなかなかシビアな「場」ではある。しーシュのライヴ自体がだいぶ久しぶりだし。

お得意ナンバーを中心に、前半はほとんどMCを挿まずダダっと演り、お客さんもナゴんだ後半はお喋りも多めに、てなかんぢで、8曲づつ2ステージ。満場のお客様に喜んで頂き、嬉しや。久しぶりで、なかなかカンが掴めなかったが、まづまづ良いライヴが出来たやうだ。

終演後も、ほぼ全部のお客さんが残り、わぃわぃと喋り呑み、はるのんマスターの飛び入り唄にワシらがバック演奏したり、と広島行きの最終新幹線が出るまで、宴は続いた。いや〜〜楽しかった。隣の街とは云へ、丸一日ここで過ごした、といふ意味で、たいへん珍しい壱日、でもあった。

皆さん、ありがとうざいました。

3日(日)-----------------------------------------------------------------

昨日ライヴ演っても、けふはリハする真面目な中年デュオしーシュ。

けふのリハは、取りあへず今月は生ギターで演るしかない居酒屋椎修への対応の為のリハ。まぁ東北への遠征とか、これまでにも演った事がある編成、とは云へ、どこまで演れてどっからが出来ないのか、を確認する作業でもある。演りながら「これはイケる」とか「あぁこれは無理やな」とか云ひながら、まぁなんとか1時間ステージくらいは出来るのではないか?と。

我らは今年の春までは、隔週で広島FM Garage songsの収録に入っており、その仕事を終えた足で、いつもミーティング(会社で云ふ企画会議)を行なってゐた。だが番組が終了し、収録がなくなった今、定期的な会議をしておらぬ。コレが意外にも活動のスムースさを妨げており、やはり我らのやうに頻繁にツアーやイベントをこなすユニットを運営するにあたり、あぁいふ定期的な会議は必要なのだ、と。

まぁ、さういふ会議もした。

このスタヂヲへ向かう途中、絵に描いたやうな「狐の嫁入り」現象が起こり、暑いほどの日射しの中、激しい雨が降り注ぐ光景に、やや感動した。見事な『降晴』であった。憶えてゐる限りでは、ワシが高校3年の初夏以来。この時の心象が、拙曲「びしゃもん台」や「此岸之朱」のモデルにもなってゐる。

4日(月)-----------------------------------------------------------------

ゆんべからナニカ身体が熱い、と思ってゐた。冗談で熱を計ってみた処、なんと発熱してやがった。夏風邪である。古来、「莫迦がひく」といふ夏風邪である。やれやれ。

けふはリハとレッスンが入っておる。木曜からは旅で唄わねばならぬ故、申し訳ないがリハはキャンセルさせてもらひ、大事を取る。病院に行って点滴まで打ったが、夜になっても熱は下がらず。

5日(火)-----------------------------------------------------------------

体温計が壊れてゐるのでは?と思ふくらい、ピッタシ昨日と同じだけ熱がある。高熱ではないので食欲などはある。だが、何をしてゐてもどよ〜んと身体がダルいので、しんどい。しんどいが頑張って出張レッスンにも行く。通常レッスンにも行く。

夜、寝しなに計った時に、よぅやく高めの平熱、くらいに下がってゐるのを確認。

6日(水)-----------------------------------------------------------------

幽霊と闘ったりする夢を見て、目が醒めたら、まぁ取りあへず熱は下がってゐた。今夜のバスで旅立つので、準備せねば。

期日前投票にも行き、まぁあと半日は旅の準備に追われる。暑い時期の旅だが、アレでも夜は冷えたりするかも、なのでなかなか悩む。まづ今夜、名古屋へ向かうバスが寒くありはせんか?とか、飛騨古川なぞまだ夜は冷えるのではないか?とか、松阪ではやはり焼肉を喰ふべきか?、とか・・・。

と云ふ事で、病をつれて旅に出る。治って帰って来る事を祈ろう。


2週目

7日(木)しーシュ中部ツアー:名古屋りとるびれっじ-----------------------------------------------------------------

夜行バスで名古屋へ。風邪薬&此所数日の寝不足、と導眠剤といふ無茶苦茶な処方により、わりと寝れた。

けふはお馴染み、名古屋は今池りとるびれっじ。七夕ライヴと云ふ事で「天の川で夕涼み」といふサブタイトルを付け、浴衣でお越しのお客様にはサーヴィスを、と銘打って。マスター谷口幸至朗との弐枚看板で、当然ワシらは初っ端から伴奏も兼任。ステージには出ずっぱり、と云ふ嬉しいライヴだった。

びれっじはツイこないだ5月に来たばかりで、正直お客さんどんなかな?と思ってゐたが、結構いっぱいの会場。もぅすっかりウチらの常連となってくれた方々も多く、名古屋に来れば会える、といふ人も増えた。ホンマに嬉しい。いつも良きものを演らねばね。

けふも良いライヴだった。けふは完売してゐる2ndアルバムからの曲を多めにフィーチャーし、ゲストもナシで粛々とお送りした。ワシらも久々の浴衣で演奏し、楽しんだ夜だった。

風邪を連れたままの旅、と書いてゐるが、唄にはさほど影響はなし。ただ、夜にすごい咳の発作に見舞われ、しんどかった。宿には数匹の猫がゐたが、このうちの弐匹が、代わる代わるやってきてワシに添い寝をしてくれてゐた。メルシー。

8日(金)しーシュ中部ツアー:飛騨古川リトルビレッジJr.-----------------------------------------------------------------

さて、所縁は深けれども、しーシュ単体としては初!の飛騨古川だ。

名古屋から電車を乗り次乗り継ぎ往く。「ワイドビュー飛騨」てぇ特急列車があって、これはもぅ展望も広く、座席もゆったりしたまァ豪華列車なのだが、如何せん値段が高く、それに『まァ同じ路線を走るンだから、これもワイドビューだ』とナメて普通の在来線に乗ったのだが、飛騨古川まで5時間かかるンだねぇ!。あとでそれを云ふと『阿呆やなお前ら』と云はれた(笑)。

飛騨古川の駅には、けふの会場リトビJrのマスター、カツカツさんこと川端克彦さんが迎えに来てくれてゐて、歓待を受ける。このカツカツさん、世界でただ独りワシを「ブンブン」と呼ぶ。ベースがブンブンうるさいから、ださうな(笑)。ガラっぱちで思いきり言葉の悪いヒトだが、人情家で面倒見の良い人格者。この人の還暦パーティーに来た時に、町を上げてのお祭りのやうなその様を見て、しみぢみ実感したのだった。

その飛騨古川で、しーシュ初の単独ライヴ。

思ひの他、お客さんが楽しんでくれたライヴとなった。変拍子への手拍子が全く狂わない!といふ驚きの音楽対応力。『エグいわお前ら!』と云はれながらも、最後までおもねる事なくしーシュの音楽を演奏し、お客さんはホンマに楽しんでくれた。カツカツさんも、「え〜ぢゃんかしーシュ」と云ってくれた。いや〜、来れて良かった。嬉しいな。

打ち上げもその流れで、ガッツリと。カツカツさん「お前が酔うまで呑むぞ」と宣言し、よぅしとばかりに受けて立ち、日本酒をガンガン行く。飛騨古川といふと内陸部に思へるが、日本海は近いので、ぢつは魚も美味いのだ。刺身&ポン酒、酩酊覚悟で呑んだが、最後まで気持ち良く呑み喰ひし、午前1時頃おヒラき。カツカツさんの息子(この彼が実質マスター)が『ふたりともどぇえれ強いッスね』と云ふ。

素晴らしい飛騨古川の夜。

9日(土)しーシュ中部ツアー:移動日-----------------------------------------------------------------

けふは松阪まで移動。

昨日の行程が、ものすごいロスであった事を受け、地元の人々に一番効率の良い移動手段を聞く。それによると電車で飛騨高山まで往き、そこからバスで名古屋へ往き、名古屋から近鉄で松阪を目指す、といふのが最も良い、とのこと。それでも6時間ちかくかかり、最後頃はさすがに移動に厭きてゐた。まぁけふは移動のみなので。

風邪の調子は一進一退で、やはり「元気!」といふ訳ではない。チカラをつける為に焼肉へ行き、地元のバァで軽く呑む。が、この辺からちょいと咽に違和感が始まる。移動の疲れと、明日に備えて、早めに就寝。

10日(日)しーシュ中部ツアー:松阪MAXA-----------------------------------------------------------------

朝、起きて吃驚。声が出なくなってゐる。

何年かに起こる「声帯の炎症」で、しゃーしゃー云ふ音しか出せなくなり、あちゃぁ!てかんぢ。なんでここで来るかね!?。まぁ連日、唄って喋って呑んで唄って、だから咽に良くないのは明白なんだが、あと壱日もってほしかった。悔しいが仕方ない。

そこはデュオの強み、けふはしーなさんの唄を全面的にフィーチャーし、ワシはベースと掠れ声に終始することに。しかし以前同じやうな状況でライヴをやり、ステージに上がればそこそこは出たので、けふもさうあってほしい、と願いながら、だった。結果として、まぁ「全然出なかった」といふ訳ではないが全然ダメで、あ"〜悔しや。

だが、見方を代えれば、しーなさんの唄をフィーチャーした形でも、ワンステージ余裕で行ける、といふ事が分かり、いつもウチを見てくれてゐるお客さんも、『けふはけふでかういふ形もあるんやな、と思って見れて良かったデ』と云ってくれた。双方が歌えるデュオ、と云ふのは心強いね。

けふの対バンは、日本ジャグスタイルの「父」ムーニーさん。

今までイベントやらで、何度も御一緒させて貰ってゐるが2マンは初めて。完全にエレクトリックなワシらが、初めてムーニーさんのセッションに参加できた。お客さんもよぅ盛り上がり、楽しいライヴだった。

ムーニーさんがMCで、『今日の対バンのしーシュが昨日一昨日で廻って来たやうな処を、これから俺らが廻る』と云はれた時、嗚呼ワシらはさういふ人達の括りに加われてゐるのだな、と実感しみぢみ。旅で音楽を演って行く、と心に決めて10年。よぅやくここまで来れたのだな。

11日(月)-----------------------------------------------------------------

帰る。

声はもゥ全然あきまへん。昨日はまだ少しは出た「ニンゲンの声」はもう影もなく、ホンマにただしゅーしゅー云ふ音が出るだけ。やれやれ。これぁ明日明後日にどーにかなる状態でもなささうだな。

まぁ、帰る。

けふは近鉄で大阪まで行き、そっからバスで広島へ。もぅこの移動中も、ただチカラなく寝こけるのみ。眠り、咳で目覚め、また眠る、といふ体たらくで、22時すぎによぅやく広島へ帰還セリ。明日は居酒屋椎修なんだが、この声ではどーにもならんねぇ。

12日(火)-----------------------------------------------------------------

居酒屋椎修。咽は好転なし。

けふはPAも使えぬ(諸事情は6/20の日誌に詳しく)生音ライヴにて、これもまたどーなるか分からんギターのみのしーシュ、と云ふ事で様々な問題が複合的に存在してゐる。まづ、ワシはこの状態で料理なんぞ出来るのか?といふ事だが、それはまぁクリヤ。ライヴ時間に用意してゐた曲を、すべてしーなさんのナンバーに置き換え、けふのワシはギタリストに徹する、といふ事にしてクリヤ。その他の問題は、店の管理者と経営者に任せて、ワシらは居酒屋を。

もしかしたら、けふで「最後」になってしまふかもしれない居酒屋椎修。ゆったりしたお客さんの入りで、リラックスした時間が流れる。料理の出も上々。問題のライヴも、お客さんの間近まで出て行き、向かい合って唄う、みたいな形は、おそらく世界の何処かにある、本当に生声とギター、あるいはピヤノのみで唄を聴かせる隠れ家のやうなバァ、を思はせ、良いかんぢだった。

しーなさんが、潔くピヤノをほとんど弾かず、ワシのギターに伴奏を任せてくれたのも好結果だった。ふたりで「これはイケる」と確信。例えばピヤノもなく、音響設備もないやうなこぢんまりした空間でのライヴなど、今後おおいに視野に入れて行ける事になる。さういふ意味では、たいへん意義深いけふの居酒屋椎修ではあった。まぁホンマはこの編成でガッツリふたりが唄いあえたら一番良かったのだが・・・。

来月、8月13日(土)をいちをう『(フライングキッズ)最後の居酒屋椎修』として制定してゐる。

けふも思ったが、今回の事件に関わったみんながみんな、上手く「立ち回れて」ない。これまで積み上げられて来た人間関係までも、ここで歪みが生じて来てゐる。残念。とても残念。

13日(水)-----------------------------------------------------------------

咳があまりに酷く、あまりに長く続くので、流石に専門医を訪ねる。

2時間くらいかけて息を吐いたり吸ったり、点滴したり色々検査して、まぁ「喘息」といふ診断が出され、ものすごい数の薬を貰って来た。昨日のギャラがフッ飛んだ。喘息かァ・・・。さう云へば昔から、風邪のあとに酷い咳が残ることが多かったんよな。やれやれやれ・・。

声は相変わらず、しゃーしゃーしか出ないので、レッスンは筆談で行なった。物わかりの良い生徒たちで、助かる。

ところでゆんべは、女房の隣で一晩中ゲンゲン咳き込んでゐる事が偲びなく(女房は「気にするな」と云ふてくれるが)、台所に座布団とクッションを並べて寝床を作って寝た。これがキャンプのやうで仲々楽しかった(笑)。

14日(木)-----------------------------------------------------------------

まだ声戻らズ。

けふはしーシュの月例営業オリエンタルホテルだが、今年から「サマータイム」とかで、演奏時間が変更となり、1回目のステージが20:30から、と早い。しかもその間、会場はビュッフェスタイルのビアホールとなり、なんかますます焦点の絞りにくい会場となった。

レッスン会場からギリで駆け込み、セッティングしながら音を出してくかんぢで、もぅいっそのこと、と1stステージは全曲インストで演った。したらこれが評判良く、ワシらもやや「演り過ぎ」気味くらいにノって演奏し、思ひのほか楽しかった。いちをうワシら「唄うデュオ」として登録されてゐるのだが、最近なんかもぅさういふのもどーでも良いくらい、企画がアバウトなので、ワシらも好きに演らせてもらふ事にす。

ので、明後日 同会場でのワシのソロ「吟」も、声も出ぬことだし「吟」を辞め、ギター・インストで演る事にした。初めての試み。唄わずにギターだけ弾く、なんざちょっと前にやってた「ザキ&シュウ」以来だ。流石に3ステージをひとりギターだけでやるのは、まだ不安なので、パイグに連絡を取り、手伝ってもらふ事にした。

よぅし、この土曜日は「ソロ・ギタリスト」デヴーだ(笑)。

15日(金)-----------------------------------------------------------------

究極の一夜漬けだが、壱日ギターを弾きまくる。

所謂「ギター・ミュージック」を演るのは初めてだが、テクを聴かせる必要はない、と割り切れば、もともとタラし弾きは苦手ではないし、メロディを丁寧に「唄う」やうに演奏するのは、演ってる方も楽しくて、今回のが終わっても、これはこれでワシのひとつのスタイルとして、継続して磨いておこう、と思った。したら、よぅやく「ベースVI(ギターと同じ調弦で1オクターブ低い6弦楽器)」を持つ事に踏み切れるかもしれない。

まぁ挑戦、っちゃ挑戦だ。あのガヤの中で、それを始めてみる、と云ふ暴挙も、ワシらしいっちゃワシらしからう?。

さう云へばこないだ、通常弦の3倍の値段がするフラット・ワウンド弦の、さらに特殊でさらに2倍高価な「ダブル・ボールエンド弦」を買って張った話しを書いたが、それが松阪でのライヴのあとに、あっさり切れよった!。なんぢゃそりゃぁ!?といふ話しで、弦自体がよかっただけにショックも大きく、ちょいと「カラス」を弾く気にならんくなってゐた。

ので、昨日のオリエンタルでは久々に「ヴァネッサ」を使った。もぅ魔法のやうに操れる、ワシにとっては唯一無比の楽器やね。新しいベース買おう、とか思ってた気が一気に無くなった。ワシはやはりこれを弾き続けるのだらう。この夏のツアーは、久しぶりにヴァネッサで往く!。


3週目

16日(土)-----------------------------------------------------------------

昼からしーシュのリハが入っており、まだ声は出ぬが、低いコーラスなら取れるやうなので、そんなリハをす。明日にはどーやっても唄わなアナンので・・。

しーなさんはそのまま仕事に向かふさうなので、その後ひとりスタヂヲに残り、ギターの練習。夕方近くまでギコギコやり、もぅあとはグッドラック!みたいなかんぢで。

さて、その本番。パイグとは会場で待ち合わせ、お客さんがわらわら居る中でセッティング。けふはいゃに客層が若く、目の前のテーブルには中学生のやうな(多分高校生)女子どもが犇めいてゐる。演り難さうだな。さぁ、ギタリスト・シュウのデヴー戦だ。

結果、1stステージは流石に緊張もしてゐて、パイグも初めての現場の雰囲気を掴み切れず、やゃチグハグな。お客もガヤばかりであまり聴いてもないかんぢ。だが、2nd以降は緊張も取れ、まづまづの事が演れたのではないか?。パイグとのリズムの仕掛けあいもオモロい事になったし、ギターも弾きこなせた。2ndはガットを使ったのだが、これが良かったやうで、やはりワシはまだ「エレキギター(フルアコと云へど)」には馴れ切れてないのだな、と。

2ndが上手くいった事で、やや気を良くしたワシは、3rdでは唄を解禁。ガラガラにしゃがれた声だが、ジャズのバラードなど唄えば、なかなかサマになる。当初インストで演る予定だった曲も唄入りで演ったりして、終わってみると、結構評価も高く、良きデヴーが飾れたやうだ。1stではどーなるかと思ったが、後半2ステージで巻き返せた、てかんぢ。よかったよかった。パイグにありがとう。だいぶ助けられたな。

て事で、これもワシ梶山シュウといふモノの、ひとつの表現法として定着させて行きたい。今後もぢみちな訓練を重ね、良きものを作って行かむ。

17日(日)----------------------------------------------------------------

さて衝撃のギタリストデヴーの翌日は、しーシュ県北デヴー。

芸北町は「正直村」での野外デイ・ライヴだ。雨がどーか、て処だったが、しーなさんの「晴れ女パワー」が炸裂し、会場に着いた頃からえぇかんぢに晴れはじめ、夏らしいカラリとした晴空となった。聖湖をバックにステージが組まれ、お客さんから見たら、ワシらの背後に湖と山稜と青空がグァーと拡がるのだ。このロケーション最高の場所で、けふのライヴを企画してくれた、この辺りに集う仲間達、への感謝も込めて唄う。流れのお客さんもゐるので、あまりマニアックに走らず、カヴァーも取り入れ、リクエストにも応えたりしながら、ワシらも楽しく演奏。

後半、何やらミスティな風が吹いて来たな、と思ってそっちを見てみて吃驚。すごい霧のカーテンが迫って来ており、この時期壱日に数度ある「通り雨」の前兆、と云ふ事。降って来たら中止も視野に入れてゐたが、結局雨は降る事なく、最後までライヴを完遂できた。いや〜楽しかった。気持ち良かった。声はまだ枯れ枯れだが、もぅそげな事も云ふておれぬので、頑張って唄った。

通りすがりのお客さんにも好評。スタッフにも喜んでもらへ、良きライヴだった。ただ、やはりまだ病み明けの疲労は色濃いやうで、1stと2ndの間の空き時間、我知らずソファで爆睡してしまった。

夜は宴会。スタッフはコレも込みで楽しみにしてくれており、ホンマに7月か?といふくらい冷え込む芸北の夜に、宴が展開。アフターセッションも始まり、ワシらは「追加公演」といふ事で、数曲ギターのみで唄ったりもした。ここ「正直村(カフェです)」の成り立ち、現在に至るまでの流れ、そこに関わる人達の営み、などを聞き、また素晴らしい場所と人々と関わり合えたな、といふ思ひひとしを。

最後には「手作り」だといふ露天風呂に皆で一緒に(女子は別ね)入り、湯舟にぎゅーぎゅーになって夜の空を眺むるもいとをかし。素晴らしい芸北・正直村での一夜である。

18日(月)-----------------------------------------------------------------

森の目醒め。

昨日から、短パンではおれぬくらい涼しいのは、流石に県北。ゆんべはけっこー呑んだが、二日酔いは残っておらず、良いかんぢ。やっぱり露天風呂がよかったのかな?。最後に朝飯を御馳走になり、皆とハグを交わし、我らは下界へ戻る。

けふは「ウクレレ抱いた渡り鳥」藤井康一さんを招いてのしーシュプリゼンツ・PICO夏祭り。藤井さんがウクレレと云ふ事で、ではこちらもウクレレで迎撃、とばかりFar east loungeで対バンを。それ以外にも、けふのワシらは「夏祭りの会場総括」としての役割もあり、アレコレ忙しい。有志による焼き鳥、かき氷、お好み焼きの屋台(!)も出て、例によって流川の一角が異空間に!。

藤井さん、『いや〜色々見て来たけど、ここが一番面白いわ』と。ありがとうざいます。

先攻はワシらFar east Lounge。4人揃ってのライヴは・・・てゆーかライヴ自体が今年の1月以来!。息の長いバンド・・・といふより息止めが長いバンド、といふべきか(笑)。そこは鉄壁の4人。カシラもかういふ時には無駄なMCをほとんど入れず、バンドらしくタッタカ進む。けふはしーシュプリゼンツ、といふ事でしーシュのお客さんが多かったが、さういふ人にもアッピールできた事だらう。

続いての藤井康一ショウ。もぅね、はっきり云って何度も見てるし、ほとんど同じネタなんだけど、それでも腹を抱えて笑ってしまふし、聴かせるし、唸らせられる。これはもぅ完璧な「芸」である。逆に云へば、この境地に立てない「芸」などたかが知れてゐる、といふ事。ワシらの「芸事」なんぞ、まだまだヒヨっこもえぇところだな。お客さんも抱腹絶倒。特にカシラが笑いまくってゐたのが印象的。

ラストの2曲とアンコールでワシらも参加。藤井さんのむせび泣くテナーとFar east のグルーヴが一体となり、まさに流川が異空間に!。けふは焼き鳥の煙とにほひが外に流れ、立ち止まって見て行く人の数も多し。まさに『ストリート・パフォーマンスとライヴハウス、その混じりさうな処』といふかんぢ。これが出来るのは、広島ではPICOだけだらう。良い企画だった。

ワシら、企画モノでだいぶ『このやうな形になったら良いな』と思ふ事を実現できるやうになった。ビジョンと現実を結び付けれるやうになった、てかんぢかな。あとはこれにしっかりした利益が着いて来るやうにできれば、て処だが、まぁ、ね。

打ち上げでは、初めて藤井さんと長々お話をした。オフではとてもクールな人(特に男に対しては)なので、これまであまり話し込んだ事もなかったのだが、けふはそこもクリヤできて嬉しい。藤井さん、ありがとうざいました。良き旅を。

そして、けふの企画にチカラを貸してくれた同志たちに、深い感謝と愛を!。ありがとう。

19日(火)-----------------------------------------------------------------

何故、けふコレを入れてしまったか!!?といふバイト。

なんでバイトをしてるか、つーとね、今年の春にレギュラーの仕事が2〜3まとめて無くなり、あららこはヤバい、と思って、まぁ軽い気持ちで派遣アルバイトに登録をした。各種仕事を覚えて行く予定だったが、思ひのほか日々がヒマにはならず、バイトする時間がなくなり、あららこはまた、てな日々が今、なのだ。しかし時折「いかがスか?」と単発仕事の話しが来る事もあり、その時にカラダが空いておれば受ける、といふ、云はば「趣味のアルバイト」になってゐる。それがけふなのだ。

きのうのけふで失敗したなぁ、と思ひつつも、真面目にやる。けふのはデパートの展示会場をセッティングする仕事で、重いものを持つ訳ではないが、あっち行ったりこっち行ったりが激しく、11時から15時までづーっと動きっぱなしの、けっこうキツい労働だった。なんっってもまだ「病み上がり」なのだった。途中、激しいこむら返りに襲われたりもしたが、まぁ「趣味のアルバイター」にふさはしい雑多な働きで社会のお役に立てたやうである。

その後、レッスン。バイト中に起きたこむら返りの後遺症と、おそらくは動かし続けた肩口の筋肉痛で、身体がネジでからうじて止まってゐる木偶のやうに思へたりした。

20日(水)-----------------------------------------------------------------

ぱんぱかトリオのリハ。新曲が二つ。このユニットはヴァイオリンベースの「う"ぃを子」を使ふ、と決めた。だがツアー先ではさうも行かぬ。このトリオはわりと旅が多いのでね。まぁホンマ云ふと、楽器なんてなんでも良いんだけどね。

続いてしーシュのリハ。声は八割快復。コントロールはしにくいが、出る事は出る。裏声はまだ出ないので、コーラスが取り難い。週末のツアーに間に合うのでせうか?。

その後レッスン。エモコアパンクどりゅどりゅ、みたいな生徒がおり、これに課題曲として「炎のたからもの(映画:ルパン三世・カリオストロの城 メインテーマ)」を提示したら、「これえぇですね」と好反応。この曲は特に、作者 大野雄二の世界観炸裂の傑作で、ベースラインだけ取り上げても秀逸なのだ。

21日(木)-----------------------------------------------------------------

昨日しーシュのリハ時に検案になったいくつかの雑務を、午前中からこなす。フライヤの印刷→18切符の購入→振り込み→郵便物発送。

昼、ついにこの月末で閉店する「うどんのわきた」へ最後の昼餉に。明日からワシが旅で、店の営業は23日まで。まさにけふが「ラストチャンス」だったのだ。最近のワシの昼飯には多い量なのだが、ここで食べる最後の「カツ丼セット」を食べ、別れを惜しんだ。うどんや店主としての脇田翁と、ジャズの先輩としてのボビー脇田。思へば15年に渡る付き合いだった。一時はここをワシが継ぐ、といふ話しも浮上しかけたが、これでホンマに「閉店」だ。ボビーさん、お疲れ様でした。

明日から旅に出るぶんのシワよせ。久しぶりに22時過ぎまでレッスンが詰まる、といふ事態に。けふはしーなさんのソロ企画「月刊椎名」の日であったが、やむなく欠席。ヌー、これまで皆勤だったのだが・・・。

盛況な頃は、毎日この時間までレッスンしてたんよなぁ、と思ひ、昼間の「わきた」とも相まって、まさに『変わらないものなど何もない』といふ実感ひとしを。すべての物事は変わり続け、そしていつか必ず「終わる」のだ。


3週目

22日(金)MiyoGonと往く東海ツアー:初日・岡崎Ego Rock-----------------------------------------------------------------

大阪は関目「我らの家」の大将&女将であるゴンスケさんとミヨさんに、前々から『お前らを紹介したい場所がある』と聞いてゐた処に連れてってもらふツアー。

初日は岡崎。初めて聞く地名である。そこに至るまでの新幹線が、体調が悪化するほど異常に冷房を効かせくさっており、岡崎駅に着く頃には身体が冷えきってゐた。ちったぁ考へろやキミら、と云ひたくなる。日々暑くなって来たとは云へ、けふなんぞ気温も低いし、曇り空で陽も射さず、こげな日になんであそこまで車内を冷やす必要があるのか?。しかもその車輌が「エヴァンゲリヲン仕様」であった事にも、軽くムカつく。

さて、冷えきった身体で岡崎。ミヨゴンと合流し、まづはあったかいメシを喰ひ、会場へ。豊橋とか、あの辺の東海地方特有の、あのかんぢ溢るる街角に会場がある。エヤコンの作動音がPAの音よりデカかったり、ベースアンプが無かったり、マイクの本数が足りなんだりしたが、満場のお客さんはよぅ喜んでくれ、よぅ盛り上がった。

けふはライヴ終了後、焼津まで車を走らせ、明日の会場である「むずりや」に前乗りす。ここも初めて訪れる地ではあるが、ふぇーすブックなどのお陰で、我らのかんぢも知れ渡っており、実物のしーなさんを初めて見た人が『ホントに短パンだ!』と云ふのがオモロい。

さっそく海の幸などで歓待を受け、そのまま店で寝る。

23日(土)MiyoGonと往く東海ツアー:二日目・焼津むずりや-----------------------------------------------------------------

むずりやで目覚める。

日中は自由行動。物産店なんぞ行く。焼津、と云へば鈴木亜紀の出身地。今回、焼津に往くにあたり亜紀ちゃんに連絡を取り、名物は何か?とか聞いておった。やはり知名に「津」が付くだけあって、ここも海の幸の宝庫。広島ではお目にかかれぬやうなマグロやカツヲなどの赤身の魚がいっぱい。さっそく土産を買い漁るワシ。

さてライヴ。むずりやは普通の居酒屋さんだが、ライヴとなれば有志が集まり、音響設備も整い、見事な「ライヴハウス」化す。そしてそこに集まって来る人々も、アツい。特に防音の設備も無く、すぐ隣が普通の民家なのだが、日頃の付き合いで、音出しも全然オッケーなんださうである。けふもワシらが店の前で寛いでると、近所の人が挨拶してくれたりした。付き合いも大事なのだな、と思ふと同時に、やはりここのママさんや常連さんが、日頃から『良い関係』を築いてゐるからこそ、の事だと思ひ、そこに恥じぬやう良きライヴをせねばならんね、と決意を新たにす。

そしてライヴ。

よぅ盛り上がった。初めての土地ではあったが、近隣各地からワシらの応援団も駆け付けてくれ、なをかつ初めてのお客さんもたいそう喜んでくれ、ダブル・アンコールまで来る大盛り上がりであった。ワシらのやうな捻くれた音楽にも、純粋に反応してくれるお客さん。ぢつを云へば、まだ本調子にはほど遠いワシの咽であったが、そげなコトは云ふておれぬ。頑張ってハラワタを絞り出して唄った。いや〜良いライヴだった。

打ち上げも、もちろん海の幸の大爆発。西日本ではまづ喰へない「かつをの刺身」やら・・・。もぅ何を喋ったかあんまり憶えて無いンだけど、楽しく呑み喰ひしたな、といふ記憶はある。それに皆ダラダラと呑み続けないのも良い。気持ち良く呑み、ピっと切り上げる。そこも素晴らしい、焼津の夜。

24日(日)MiyoGonと往く東海ツアー:三日目・豊川 フォーク酒場「街」----------------------------------------------------------------

またむずりやで目覚める。

店の一角に座布団敷いて寝るだけなのだが、不思議とよぅ寝れる(笑)。けふは昨日ライヴを手伝ってくれたスタッフや一部お客さんと共に『焼津観光』。皆で土産物売り場をうろついたり、食堂で安くて美味い定食喰ったり、浜辺で寝転んだり、『オトナの遠足』といふかんぢですごい楽しかった。皆さん、ありがとう。

名残惜しいが、焼津の皆さんと別れ、最終地豊川へ。コーディネーターMさんの案内で、豊川稲荷に行ったりして、会場入りまでの時間を過ごす。街のあっちこっちに狐のオブジェがあって、さすが「お稲荷さん」の本場、と思はしむる。

けふの会場は「フォーク酒場」と名が付くだけあり、ワシらが知ってるその系統のお店と、雰囲気が良く似てゐる。この三日間ではいちばん「ライヴハウス」っぽいお店で、マスターの気さくなかんぢも素晴らしく、演りやすい。

この三日、づっとMiyoGonと対バンして来たが、彼らもけふが一番調子良ささう。食い入るやうに聞き入るお客さんとも相まって、ベストなパフォーマンスをしてくれてゐた。またけふはOAに地元のバンドが出演してくれ、これがまた良いバンドだった。昨日もさうだったが、年齢的にもワシより少し上、くらいの人達ばかりで、落ち着いたかんぢがとても居心地が良い。

しーシュ、けふはフォークや昭和歌謡のカヴァーも交え、またえぇかんぢのパフォーマンスでツアーをシメれた。終わってみると、トラブルの有無はさておき、三日とも及第点のライヴは演れたやうに思ふ。

この旅に連れて来てくれたMiyoGonのふたり・・・、関目「我らの家」でつながる人達に、改めて深い感謝を捧げたい。「関目のスター」と云はれるワシらであるが、その評価を真摯に受け止め、感謝と敬意をもって、さらに良きものをお返しできるやう、これからも進んで行かねば、と強く思った。

皆さん、本当にありがとうざいました。

25日(月)-----------------------------------------------------------------

帰る。

例によって、仕事が立て込むしーなさんは、先に新幹線でひとッ飛び。ワシは18切符でのんびり帰る。最後まで18切符で帰っても21時前には家に着けたやうなのだが、焼津の土産がク〜ル宅急便で届く時間帯までに帰らんければ、と途中で新幹線に乗り換える。時間の節約にはなるが、やはり「損した」感は否めなんだ。

そして夜にはウチにゐて、ク〜ル宅急便を受け取り、その土産をつまみに晩酌をす。さっきまで東海地方にゐたのだな、と思ふ。

26日(火)-----------------------------------------------------------------

かうも旅やライヴが日々立て込むと、日常的な練習をツイ サボりがちになる。

けふもレッスンの時間まで、全然楽器に触らんかったが、考へてみれば昨日も壱日電車の中にゐたので練習なんぞしておらず、あまりよろしくないな、と思ひつつもやはりまぁ、かうも旅が続くと・・と思ひ、まぁ二日ぐらい良いや、とか思ふ。実際、かういふ局面で無理に練習時間を割いても、あまり意味は無いやうに思ふ。そらまぁかういふ時でも練習を欠かしてはイカン、やうなタイプの音楽があることは否定せぬが、ワシが演ってるのはさういふ音楽ではないし。

さういや、ジョナス・エルボーグが長い間新作を出してないな、と気付く。

27日(水)-----------------------------------------------------------------

今月に入ったあたりから、また朝のヲーキングを復活させてゐる。目覚めてすぐに日に当たり風を浴び汗をかくせいか、日中暑くてもあまり疲れを感じぬ。良きことである。

レッスンで向原へ。咽の調子はまだ完全には戻らず、えぇかんぢの嗄れ具合と云へないでもないが、コントロールもし辛く、早く完全復調せぬものか、と。この後の人生このままの声なら、それぁそれでさういふ唄い方にすれば良いのでアレなんだが、治るのか治らぬのか、そこが問題で。

一旦帰宅後、こんどは楽器店のレッスンに赴き、その後しーシュのリハ。しーなさんお疲れの様子で、ワシも咽がアレで、あまり実になる練習でもないやうな・・。

28日(木)-----------------------------------------------------------------

WADAバンドの朝リハ。

上記のやうな事で、またこのリハの事を失念しており、正直ギターに全然触ってなかったのだが、けふのリハでは過去一番ギターが操れた。やはりこないだ「ギタリスト」としてステージをこなした事は、色々な意味でプラスになってゐるやうだ。驕らず進むべし。仮にも「ギタリスト」と自称するならば、やはりアコギの最高峰、と呼ばれるビートルズの「ブラックバード」くらいは弾けるやうにしておこうかな、と思ふ。

よぅし、50歳からのチャレンヂ。

ギタリスト、を云ふならば、ワシはフリートウッド・マックのリンジー・バッキンガムのギターが好きである。ロックのギタリストには珍しく、全部指で弾く(ピックを使わぬ)彼のスタイルは独特で、バラエティに富んでおり、楽しい。ギターを弾いてゐた頃は、フラットピックでアルペッジョから3フィンガーまで、なんでも弾く少年、と珍しがられたが、今はワシも指で弾く方がしっくり来る。

思わぬ処から、昔の生徒の情報を聞き、立派な「変態道」を邁進してゐるやうで、大いに嬉しい。ワシの処にゐた頃から、多量のえへくたーを駆使する男だったが、いまやギタリストの領域を脅かすあまり、一緒に演るギタリストが居らず、もぅひとりのベーシストを入れた編成(つまり本人はギタリストのニッチ)でバンドを演ってゐる、といふ。

最高だ。


3週目

29日(金)長州路ツアー:湯田温泉Jazz spot ポルシェ-----------------------------------------------------------------

ツアーに車を出すのは久しぶり。ウチは西は福岡、東は岡山あたりまではツアー車を使ふが、それ以上の距離には公共交通機関を使ふ。近年、遠方への旅が多かった、といふことか・・・。

さてツアー車「ぐっち」で向かふは山口市は湯田温泉。創業50年を誇る老舗ジャズ喫茶「ポルシェ」である。敷居の高いお店、と認識してゐたが、今年3月に富安秀行さんの復帰ステージに同行した事でご縁を頂き、しーシュでの出演に繋がった。もぅ、ソファ、テーブル、床、窓、壁のシミひとつひとつ、にまで「歴史」が沁み入ってゐるやうな、味のあるお店。しーなさんは久しぶりの生ピヤノが嬉しさう。

折角ジャズの老舗に出るのだから、とジャズナンバーも用意して来た。掠れ声(なんとまだ治らない!)がちょうど良いアジを出す「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」。それらカバーもさる事ながらオリジナルもたいそうウケ、ほぼ満員のお客さんが、老舗に馴染むしーシュを楽しんでくれた。

対バンのDr 原トリオ(Vo,Gu,Per)もカッコ良かった。本業を持ちながら日々ライヴに勤しむ人々が此所にも!。あとでネイティヴのヴォーカルレオノラさんに「ジャズナンバー良かったわよ」と云ってもらへて嬉しい。だが『ハスキーで良い声』と云はれた事には、ちゃんと日頃はハチミツのやうな甘い声で、と訂正しておいた(笑)。

ラストはロッケンロールナンバーをコラボした(担当楽器がひとつもカブらない!)のだが、次回はもっと色んなジャンル演ってガッツリ絡もう!と、打ち上げで盛り上がる。実際、お三方が演ってる最中、乱入したくてしたくて・・・(笑)。次回は是非!。

けふのライヴをオーガナイズしてくれたのは、りぶさんつながりのユカちゃん。奇しくもけふりぶさんが活動休止宣言を出した。その日に、ユカちゃんの地元山口でワシらと一緒、といふのも、なにかカルマを感じさせるなぁ。

30日(土)長州路ツアー:山陽小野田リカーショップWakayama-----------------------------------------------------------------

けふは山陽小野田市。しーなさんの故郷 宇部市のお隣だ。湯田からは30分ちょい。その前に、阿知須町はペイザン。イタリアンリストランテのペイザンに立ち寄る事に。

昨年、クリスマス・コンサートでお世話になったお礼もかねて、相変わらず美味絶品のイタ飯を頂く。社長自らが挨拶に来て下さり、なんとその場で今年のクリスマス・コンサートも決定。ひゃっほう、またここで歌えるぞ。今年は衣装忘れずにしやう。

さて小野田へ。全国でも珍しい「ライヴのできる酒屋」wakayama。一時期、小野田市の音楽祭やコミュニティ・ラヂヲへの出演など、ご縁が深かったが、此所数年遠ざかってゐて、けふは2年ぶりの来訪。いつの間にかグランドピヤノまで入ってゐて、そらぁこれを弾かぬテはあるまい、と。しーなさんにとって、旅で二日続けてグランドが弾ける、なんて機会めったにないのだ。

ピヤノに合わせた音量で全体を構成。地元からOAでさくぞう、と華麗衆のよぅねん、がそれぞれピンで唄ってくれた。ものすごく酒癖の悪さうな御老人が二人居り、これらを黙らせれるか、がポイントだったが、結局このじぃさんらが拍手喝采で『勝った』ね、と(笑)。イマイチ音作りの難しいハコなのだが、お客さんも楽しんでくれ、良いライヴだった。

どんな場所で、どんなお客を前にしても、しーシュいちをう「良いモノ」は出せるユニットになったなぁ、と感慨ひとしを。

ライヴはある意味「情報戦」であり、どの辺にどの辺りがウケるか、を常に見極めながら、がポイントだ。自信作を演ってればウケる、といふモノでもない。ワシらのやうに、自分達が「えせ」である事を知ってゐるならば なをさら。

あぁ偽物だとも。だけど徹底的な偽物だ。

31日(日)----------------------------------------------------------------

帰る。

ツアー車「ぐっち」がイマイチ調子悪く、特にエヤコンを入れて走ると、「停まるのか?」と云ふくらいパワーが出ぬ。老齢の車だから、ある程度は仕方ないとは思ってゐるが、変な音とかするし、ホンマにこの車、ローンを払い終わるまでのあと2年、持つンだらうか?。

昼過ぎには帰った。機材を下ろしながら、しーなさんと「次は何処だっけ?」と話す。あぁ木曜日から北海道か、と気付き、まーぁしかしよぅ動くデュオだと自分らで感心する。そのやうにしたい、と願い、それを叶えてゐる。

8月へ