春ツアー2016

3/25〜4/5

(ケータイにて著述したものに加筆&訂正したものです)

25日(金)ソロ行脚初日:岡山ORiON-----------------------------------------------------------------

旅はじまる。

18切符にて岡山へ。ソロ旅自体久しぶりだが、岡山へ在来線で向かう事も久しぶり。なんかけふに限ってえらい寒く、ホンマにこの季節の旅は気候の予測が立てにくい。

岡山の名店ORiON。今回ブッキングをお願いした後に、ぢつは今月いっぱいで閉店、て云ふ話を聞き、あららそはなんと云ふ・・・。
よきライヴを演って有終の美を飾らん。

この気合いが、けふはわりと裏目に出た。お客さんが全員ベーシスト(笑)で、それなりに緊張したのかも知れん。 ここ数日、何度もシミュレーションしてゐた事がほとんど活かせぬステージを演ってしまった。 嗚呼・・・・。ワシってやはりなにかを『狙う』とダメなんだな、としか云ひようがない。ここまでうまく操れなんだソロも近年珍しい。 やれやれ

ライヴ後は、まぁ全員ベーシストと云ふ事で、ベースや機材の話しに花が咲く、と云ふかんぢで悪くはなかった。

その後、元弟子「だいふく」の朝井ゆうじと飲みに行き、あれこれ語り、零時過ぎてカプセルホテルへ。 したらこれがまた近年稀な無呼吸系激イビキ人が下のカプセルに入りやがり、まったく眠れず。

わりと『目』が悪い方にでたツアー初日であった。

26日(土)ソロ行脚二日目:大阪 関目我らの家-----------------------------------------------------------------

大阪へ。

わざと各駅の電車に乗り、途中下車して飯喰ったり、散歩したりしながらのんびり向かう。まだツアー2日めなのに、無呼吸オヤジのせいで、既に1週間くらい旅が続いたかのやうに疲れてゐる。

関目 我らの家。しーシュ大阪ホームと云へるこの店だが、ソロでの来訪は初めて。華やかなしーなさんを欠いた状態で、耳の肥えたここのお客さんに満足してもらへるか、わりとチャレンジネスな1本なのであります。 幸い早くからソールドアウトだと聞いており、ますます落とせない勝負。

お馴染みの顔ぶれが店いっぱいに揃ったところでイザ本番。

昨日とはうって変わり、演りたい事が全部演れた本番だった。 旅立ち前のシミュレーションが全部成功した、てかんぢ。逆に云ふと「昨日はなんだったのだ?」てかんぢ・・・。

全部で18曲。アンコールではギターも弾き、たっぷり聴いて頂けた。お客さんも満足してくれた様子でひと安心。

良いライヴが出来ました。関目のみなさん ありがとう。

27日(日)ソロ行脚三日目:京都四条 バリバリインドネシア-----------------------------------------------------------------

けふは京都へ。

大阪〜京都はスグなので、どーしたもんかな、と。お好み焼きでも喰ってから行くか、とも考へたが、日曜日にて何処も人でごった返しており、まぁいいや、と早々京都に向かう。 したら京都はもっと人だらけだった。まぁこの季節の晴れた日曜日ですのでね・・・。

会場入りまでの時間つぶし。巣他罵で読書。此処数日の生野菜不足解消にサブウェイで野菜サンド。鴨川で人間ヲッチ。 してると、けふの企画者にして共演者、山田さとしから連絡。共にチャしに行く。

さとしはこの春に結婚。そのお相手であるユリさんを同伴。たいへん可愛らしい人で、けふは彼女が友人をたくさん連れて来てくれ、過去のさとし企画にはあり得ない「黄色い歓声が上がる」華やいだライヴとなった。

会場のバリバリインドネシアは、まぁ名が示す通りインドネシア料理店。スパイシーな香り立ち込める中、先行の山田さとし&木佐貫洋平Duoがスタート。

この木佐貫くん、以前に一度共演してゐるが、過去会ったベーシストの中で唯一にして最もワシとグルーヴが似ており、しーなさんも「シュウがもぅ一人ゐるやうだ」と云ったほど。 けふは最近ハマってるらしいクロマティック・カリンバも使って、怪しい世界観を構築。

彼らがだいぶ前衛なかんぢだったので、けふのワシはチャラくポップに。対比がとても良かったのではないか、と。

セッションでは、この店で演る事が決まった時から決めてゐた一曲「ブンガワンソロ」を。
インドネシアの歌謡曲と云はれるクロンチョンの代表曲で、古くからのワシのレパートリィでもある。
マスター&ママさんたいへん喜んでくれ、嗚呼演って良かった、と。

ソロの演目としては最終日。けふもなかなかの良いライヴだった。
かえすがえすも初日の岡山のテンパりが悔しい。
その後、けふの宿主である中村コーちゃん&あらいなおこ夫妻とハシゴして、さらに家に着いてから2〜3杯引っかけて・・・。

28日(月)オフ:なぜか姫路へ-----------------------------------------------------------------

オフ日 。ソロツアーで、しかも定住型でないオフ日は、ホンマに久しぶり。

コーちゃん なおこちゃん夫妻は「もぅ1日泊まってけば?」と云ってくれる。だが今回もぅ姫路に宿を予約してゐて、名残惜しいが♪そしたら〜また〜旅立ちが〜延びる〜だらう〜♪。友に別れを告げ、姫路に向かう。

ところで今回もまた時刻表を買い損ねており、この3日間づっと行き当たりばっ旅。
電車に乗って路線図を見て初めて、京都〜姫路間がけっこう遠い事を知る。
明日のライヴ地である神戸を「姫路の近く」くらいに認識してゐたのだが、神戸はむしろ大阪に近い………姫路と京都のちょうど真ん中くらい、だった。
旅慣れてゐるやうに知られてゐるが、ぢつはワシの地理勘なぞ、この程度なのだ。

まぁ 日が暮れて姫路に着。
予約してゐたゲストハウスにチェックイン。古民家を改装した、今流行り風のドミトリーだが、ワシと外人さん以外はみな若い宿泊者のやう。

不思議と落ち着く空間で、ロビーカウンターに座って焼酎カップをちびちび呑ってると、若い者から「マスターですか?」と訊かれる(笑) 。近場の居酒屋で独り飯を食ひ、またロビーで他の宿泊者や管理人と話す。みなワシの子供くらいの年頃のコらである。

途中かなり可愛いアジア系の女の子バックパッカーが飛び込みで入って来て、少し楽しい事を期待したが、残念ながら満室にて彼女は別館へ…。

そんな姫路の夜。なんか良いかんぢである。

29日(火)しーシュ春行脚初日:神戸プラネットEerth---------------------------------------------------------------

けふからしーなさんと合流し、しーシュのシュウとなる。

自らの無知ゆえに、ではあるが、エライ遠回りするかんぢで姫路から神戸を目指す。

けふの会場プラネットearthは神戸は元町にあり、ツイデなのでもぅ現地集合とし、元町駅でしーなさんとランデブー。 今わりと二人が個人的に忙しくしていて、広島でもあんまり顔合わせてないので、つくづく久しぶりにしーシュ復活!といふかんぢだ。

けふあすとご一緒させて頂くのは、なにわの唄うカーネルサンダースこと、徳田建さん。
ぢつに3年ぶりに実現したしーシュ&徳田建 春の旅である。

建さん、12年ぶりの新作を発表した所(だが商品がまだ、て所も建さんらしい)で、それのキャンペーンのスタートでもあるさうな。

ライヴの流れを トリオ→建さんソロ→しーシュ→トリオ、といふパッケージにして、わりとのんびりまったりと進める。

しーシュは意外にも神戸は初めての地。お目見え、みたいなかんぢで日頃のラインアップ。
そして神戸=港町、とくればコレだらう「しゃばだバ」。なんせこの曲は若き日の椎名まさ子(クルーズ船でのピヤノ弾き語りを生業としてゐた)をイメージして作った曲。
イメージの地でイメージ通りに歌ってくれる相方に感動。

ライヴ後は大阪は豊中の建さん宅に移動。けふあす明後日と建さんのお家に宿泊させて頂く。

その移動中から「帰ったらすき焼きしやう」と云ってた建さん。その言葉通りに美味なるすき焼きを拵えて頂き、深夜の食事会。

建さんは調理師免許を持つセミプロ。ワシらの料理好きを知ってくれており、ぢつはけふの会場プラネットearthを使って、居酒屋椎修建、をやる試みを告げられ、すぐさま話しに乗った我らであった(笑)。

30日(水)しーシュ春行脚二日目:京都修学院 アコシャン----------------------------------------------------------------

建さんとの旅二日め

けふの会場、京都は修学院アコシャンこそ、我らと建さんが出会った場所でもある。
名古屋のてらしましんごに導かれた2010年の夏の短パンツアーで、この老舗バァを訪れたワシらは、その夜やはりけふのやうに建さんのお宅にお世話になったのだった。

その懐かしの場所で、感慨深いライヴ。

だいぶ年寄りのピヤノに、建さんの持ち込みPAセットに唄もベースも突っ込んで…といふ簡易スタイルなれど、けふのしーシュは建さんをして、『すごい良かった。ホールで聴いても見劣りしないだらう』と云はしめる出色の出来。
チカラ抜け、息もピッタリで、演っててとても楽しかった。

お客さんは残念ながら少なかったんだが、エライ盛り上がり、100人くらい入ってるかのやうな満足感。 いいライヴだったな…。

お世話になったせめてものお礼に、けふは帰りの京都〜大阪間のdriverを志願。
まったく土地勘のない夜の道路を往くのはスリリングであり、それもまた楽しかった。

31日(木)しーシュ春行脚三日目:大阪南森町 雲州堂-----------------------------------------------------------------

建さんに近隣の地理を聞き、コインランドリーまで行く。
旅があと何日続き、何が要って何が要らんか、をシミュレーションして洗濯す。
最近のコインランドリーは、洗濯〜乾燥までを1台でこなし、なをかつ電話に出来上がりを知らせてくれる、といふハイテク。ので、近くの公園でしばし花見。

さて二日間お世話になった建さん宅を辞し、南森町は雲州堂へ。
魂の兄弟バンド、ノレンニゥー・デ・オッシと半年ぶりの邂逅。関西地区限定メンバー、マンドリンのとしやんも元気さう。
何よりけふは彼らの本番を見て、その進化ぶりにたまげた。なんてーのか、バンドとしての推進力が飛躍的にアップしておった。そは「進化」と云ふより「深化」か?。がっつりとグルーヴに食い込んで行くかんぢが、初めて彼らを見た時と同じやうな衝撃だった。
すごいな、ノレン…。

ウチらも良かったが、けふはコラボがまた素晴らしかった。こちらもさらに「深化」し、もはや完璧な5人のバンドとして、そこにあったのだ。

いや〜素晴らしかった。一生演ってゐたかった。

この感動を肴にノレン達と酒を酌み交わしたい所だったが、ワシら明日は滋賀は湖北で午前中のイベントに出演する事になっており、その為には今夜中に可能な限り東に進んでおく必要がある。
名残惜しいが日が変わる前に雲州堂を辞す。

名古屋からはるばる見に来てくれてゐたTさんがマイカーで足をかって出て下さり、これがホンマにホンマたいへんに助かった。

おかげさまで、日付が変わる頃、彦根までたどり着いておく事が出来た。

4月1日(金)しーシュ春行脚四日目:滋賀湖北ニューホームタウン-----------------------------------------------------------------

夜中に彦根へ移動した理由はこのイベント。
介護老人ホーム湖北ホームタウン創設&新入職記念式典のゲストでしーシュ。

彦根と湖北、がどれだけ離れてゐるのかも知らず、けふはもぅ主催者側にすべてお任せ、のつもりで送迎を受ける。

彦根〜湖北間はかなり距離があったが、それでもやはりゆんべのうちに彦根まで来ておいて良かった、といふ印象。

会場でけふのサポートメンバー、笛吹き怪人山田さとしと合流。
ちょいちょい、と音合わせと打ち合わせしたらスグ本番スタート。

いちをうレパートリィは厳選してゐたが、お客さん(入所者&職員さん)の様子を見ながら、ぽんぽん入れ替えて行く。
しーシュふたりではよくあるシチュエーションだが、これに即座に対応するさとしは、やはりスゴい。
彼を紹介する意味でも、ケーナについて説明するコーナー等も設け、スタンダードや昭和歌謡、童謡からオリジナルまで、幅広い選曲で攻め、終わってみればたいそう喜んで頂けたライヴとなった。

イベントは午前中に終了。けふはダブルヘッダーもなく、ワシらの仕事は昼で終了。あとは半日フリーだ。

小雨降る中、奈良まで移動。友人でライターのK氏宅に身を寄せ、そのまま宴会(笑)。

酒に料理に、と心尽しのもてなしをしてくれたK氏夫妻に感謝。

2日(土)しーシュ春行脚五日目:奈良大和高田 Jam stock-----------------------------------------------------------------

奈良のK夫妻宅で夜半まで宴会。心地よく気だるい朝に、一宿一飯のお礼、としてはあまりにもお粗末だが、朝めしを作らせて頂く。
K夫妻、居酒屋椎修に来たがっておられるので、まぁそれの模擬店のやうな・・・。

この二人と花見がてら散歩がてら、けふの会場大和高田はジャムストックまでぶらぶら行く。天気良く、桜満開。

さて、けふから2日、ライヴのホスト(女性だからホステスか?、したらちょいと意味合いが変わってしまふが・・・)を務めてくれる浪速の歌姫 清水明日香に導かれ、たどり着いたジャムストック。 伝え聞く噂では『鬼のやうに盛り上がる店』とかで、楽しみな半面「しーシュで大丈夫か?」といふ思ひも・・・。

はたして開演時間には満パンのお客さん。先攻の明日香が出た時点で既にヤンヤの喝采。
コラボ相手として参加するワシやしーなさんにも、早くもシュプレヒコールがかかる程、ノリの良いお客さん達。

よ〜しそれなら・・・と、ウチとしては珍しく、全曲アップテンポのナンバーでラインアップを構成。まぁだからって踊れるやうなかんぢにはならんのがしーシュなのだが・・・。

だがまぁホンマに「鬼のやうに」盛り上がった。手拍子は勿論だが、変拍子への反応も早く、2コーラス目にはキメも合わせて来る程、みんな「音楽なれ」してゐる。 ことほぎの唄なんざ、こちらがなんも云はぬうちから大合唱で、ま〜ぁ噂は本当だったな、と。

大和高田最高!と自然に叫んでしまふ、素晴らしいライヴだった。

明日香&しーシュのコラボもだいぶこなれ、ついに無伴奏のアカペラまで演れるコーラスワークに至った。

いや〜素晴らしかった。
打ち上げも、そのまま店を宴会場にして、ほぼ全員のお客さんが残り、料理に会話に興ずる和やかな光景が繰り広げられる。

大和高田ジャムストック、素晴らしいお店である。

3日(日)しーシュ春行脚千秋楽:大阪南森町 ギャラリー閑花-----------------------------------------------------------------

ジャムストック二階、倉庫の一角を借りて泊。

此処には風呂がない、と云ふ事で、けふはマスターに温泉に案内して頂く手筈になってゐる。車で送迎して頂き、それだけで充分なお気遣いなのに、さらに「花見でもいかがですか」と弁当まで用意して頂き、マスターの家族と共に、満開の奈良の桜を愛でつの席を・・・。

このお人柄が、あの店のあのハートフルで熱い雰囲気に繋がってゐるのだな、と。
ゆんべもワシらが二階に引き上げたあと、階下からはマスターの旧友、といふ人達が、片付けをしながら談笑してゐる気配がいつまでも聞こえてゐた。

音楽と人との繋がりを大切にし、そこをとことん楽しみ、慈しむ心が伝わる、素晴らしい人たち。

大和高田、素晴らし過ぎる。 マスター、本当にありがとうざいました。

で、そんな素晴らしい場に我らを導いてくれた清水明日香との2日め。
ワシにとっても、長い春旅の最終日。再び大阪は南森町へ。けふの会場は明日香御贔屓のギャラリー「閑花」。

名の示す通り日頃は画廊として経営しておられる店のやうで、古いピヤノがあり、あとは明日香が持ち込んでくれた機材を使ってのライヴ。

昨日と同じ流れで進めるが、雰囲気は昨日とは真逆で(笑)、けふは染み入るやうにぢっくり聴き入るお客さん。

ワシらもけふはぐっとムーディーに攻める。ただやはりかういふ場でも「亀の庭」の印象は強力なやうで、けふもこれで掴んだかんぢ。
一時はボツにまでなりかけたが、力強い曲に育ったもんだ。

3人のコラボもさらに深みを増し、冴え渡るコーラスワークは我ながらお見事!の完成度。
好評のうちに終える事が出来、春旅 有終の美を見事に飾れた千秋楽だった。

明日香にありがとう
思へば富安さんのもとに初めて出会って幾星霜、斯様なコラボが出来るやうになるたぁねぇ・・・、といふかんぢ。 男前な美女、といふ言葉がぴったりな頼もしい妹分をしみぢみ眺めながら、最終日の打ち上げは進んだのであった。

良いライヴだった
良いツアーだった


その後4月の日常