夏のツアーまとめ 

初段(東京〜北海道)記:7月24日〜8月3日

7月24日(金/夜)-----------------------------------------------------------------

車で小壱時間、向原まで行き、ヴォイスレッスン。広島に帰り、旅の仕度。夕方、ベースのレッスンをひとコマ。その後、しーなさんと合流して、夜行バスにてお江戸を目指す。東京までバスで行くのは久しぶりだな。

呉のヤマナカーニャから、ライヴの直前にループマシンがイカれた、といふ話しを聞き、ちょいと弱気になるワシ。ワシも一号機はもぅだいぶ使い込んでゐる。これがいつどのやうにイカれるかは、全く予測がつかない。予備にもぅ壱個持って行くべきかどーか(万が一に備え、同機種のを3ツ確保してある)。結局、ベースのフライトケースに壱個、忍ばせておいた。使う機会がないことを祈ろう。

夜行バスは、簡易ではあるが、座席がカーテンで仕切られてゐて、気分だけでも個室感があり、よろしい。乗る前に大ジョッキのビール、乗ってからは焼酎の壱合瓶、を呑み、割と酔っ払った感のまま、消灯。目覚めたら東京だ。

25日(土)東京:下北沢Blue moon「蒼月の宴 第壱夜」----------------------------------------------------------------

朝の新宿駅で、飯が喰へる処を探すもナシ。仕方なく投宿先の高満洋子ちゃん宅まで行く。会場入りの時間までのんびりさせてもらひ、タクシーで下北沢へ。

東京は予想以上の猛暑。あまりの暑さに炉端でアイスクリィムをねぶってゐると、本日の対バン「じぶこん」が車で通りかかる。ほどなくもぅひと組の対バン「イケマー&ホィホィボーイズ」の皆も集結。それぞれ顔見知りなので、えぇかんぢにナゴみながらリハも進む。けふはウチとじぶこんがデュオ、イケマー〜が5人編成、とステージの入替えが大変。

ツアー先、とは云へ、けふはいちをうウチの主催イベントなので、しーシュセオリーに則り、ウチがオープニングを務める。割とアゲ系のナンバーで6曲ダダっと聴かせ、まづはイケマー1人を呼び込み、「イケマー+しーシュ」で壱曲、名曲「相生橋(イケマーがしーシュとの共演の為に作ってくれた曲)」を。ノリを受け継ぐ形で、次峰イケマー&ホィホィボーイズにバトンタッチ。トリのじぶこんにも当然参加し、結局は割と長い時間ステージにゐる、といふ好ましいライヴだった。

演目:・・・を書こうとしたが、曲順票を紛失。たぶん「月の路」とかから始まったやうな・・・。

お客さんの入りも上々で、3チームの和気ムードも良く、イベントとしても大成功!であった。皆さんありがとう。やはり『主催がトップバッター』といふワシらの持念は間違ってない、と思はしむる出来だった。対バンにもお構いなしに加入して盛り上げてくれるデュオ、として認識されたら良いな、と思ってゐたが、今まさにさうなってゐる(笑)。

ワシらは、明日もここでライヴなので、機材を置いて帰れる。まぁ当然ながら、店長:平石正樹&順子夫妻と、夜更けまで呑んでから、またタクシーで帰る。しかしま〜毎度思ふが、東京のタクシー運ちゃんって、路 知らんすぎ。広い街だから、まぁ仕方ないのかもしれんけど・・・。

26日(日)東京:下北沢Blue moon「蒼月の宴 第弐夜」-----------------------------------------------------------------

ブルームーン二日目、は、お馴染み「小店長」角辻順子ちゃんとの三つ巴企画。

順子ちゃんは赤石香喜さん(ピヤノ)とのデュオで対バン予定だったが、企画の事を聞きつけた音もダチの北川涼さん(ギター)が参加を表明。最終的にはここにしーシュも加わり、結局、昨日にもましてステージ人口密度の高いライヴとなった。

ライヴはまづ順子ソロから。その後デュオ→トリオと繋がり、ウチにバトンタッチ。ウチが8曲演りぃの→涼さん赤石さんワシのトリオ→プラス順子→プラスしーな、でラストまで昭和歌謡大全が繰り広げられる、と云ふ、たいへん趣味的なオモロいライヴだった。順子、しーな共に、女性にしては低いキィの歌い手ではあるが、そこに男声でソロを切り込ませるのはなかなかハードだった。まぁその「必死感」が良かった、さうだ。

終演後、打ち上げの席が日付けを越えるのを確認し、順子ちゃんの誕生日を全員でお祝い。順子ちゃんとの付き合いは、まんまワシが旅を始めた年数と重なる。2002年の出会い以降、東京での共演回数の最も多い相手、として記録更新中だ。気軽に共演相手に選んでくれることに感謝。「屋形船ライヴ」で江戸の美味を貪ったのが、すでに懐かしい気がするなぁ。順子ちゃん、誕生日おめでとう。

けふも洋子ちゃん宅にお世話になったが、夜中に巨大ゴキブリが出現し、大捕り物となる。カッコよく処理できればオトコの株も上がっただらうが、正直ワシもゴキは苦手なり。勇気を奮って立ち向かうも、江戸のゴキは反撃して来るのだ!。顔に向かって飛んで来やがった時は、思はず悲鳴を上げてしまった。結局、3人で協力、大騒ぎの末、捕獲&処理に成功したが、夜中の3時に汗だくとなってしまった(笑)。

27日(月)移動:北海道へ!----------------------------------------------------------------

午前中に洋子ちゃんチを辞し、羽田空港へ。

この空港に赴く時間につひて、昨日ブルームーン正樹さんと面白く語ったのだった。ウチはだいたい2時間くらい前には空港入りする。正樹さんは「なんで?」と不思議がったが、ワシらはさっさと荷物を預けて手ブラになり、搭乗までの空き時間をのんびり過ごすのが好きなのだ。これは他の乗り物では味わへない感覚である。

ハイシーズンの北海道行き航空機は、ぎちぎちの満員。子供連れが多く、そこここから赤ん坊や餓鬼の叫び声が上がり、寝る事も出来ず。

新千歳空港に降り立った瞬間、その涼しさに驚く。さすが北海道!。東京都の気温差は10℃。エヤコンの効いた部屋にゐるやうだ。これでも道人からすると『たいへん暑い』のださうである。この過ごしやすさの対価が、あの冬の厳しさなのだねぇ、としみぢみ思ふ。

札幌でコーディネーターのさつきさんと合流。けふは移動日なので、宿についたらあとはフリー。3人で本場ジンギスカンを喰ひに行き、ビールしこたま呑む。

28日(火)恵庭市モジョハンド---------------------------------------------------------------

電車で恵庭市へ。

昨年春の北海道ツアーでは、電車で釧路まで行ったなぁ、と思ひ出す。長いながい列車の旅、最高だった。恵庭は札幌から30分程度。一気に鄙びたかんぢの町。札幌よりさらに気温が低く、体感では20℃もないやうな気も・・・。短パンが寒い。女性でもしーなさんのやうな超短パンを履いてゐる人など居ない。こらぁミスったかな?とも思ふが、まぁ仕方ない。

会場のモジョハンドは、関市の「ロックンロールカフェ」や、野洲の「森のくまさん」のやうに、店主の趣味が反映されたオモロ空間。昭和の薫り漂うステージには、ついぞ見かけなくなったローランドの旧式ベースアンプが!。火曜日のライヴ自体がわりとイレギュラーで、お客さんは少なかったが、音が良くてたいへん演りやすかった。対バンは夕張の重鎮シンガーソングライター皆川ゆうじさん。終演後は、お店でしばし打ち上げの後、皆川さんの車に乗せてもらひ、一路夕張へ向かう。

漆黒の闇の中を、まっっすぐに続く路を小壱時間走る。シルクロードの旅で、敦厚から柳園までタクシーをチャーターした時の事を思ひ出した。途中、山際がぼぅっと赤く光ってゐる一帯があり、こは如何なる事か?!と思ったが、低い霧の層に長沼町のオレンジ色の街灯が反射してゐるのだった。

すごい幻想的な光景だった。

29日(水)夕張市ファイヴペニーズ----------------------------------------------------------------

夜中に宿泊先の市営住宅に着いたが、ナンボも寝ぬうちに、超フルヴォリゥムのラヂヲ体操に起こされる。この街の8割以上の住人が高齢者で、朝5時以降、寝てる人なぞ居らぬのださうな。このフルヴォリゥム・ラヂヲ体操も、当然高齢者向け。

日中はその夕張市内を案内してもらひ、巨大なメロンも頂き、念願だった「メロン熊(夕張のゆるキャラ。全然ゆるくはなく、メロンにリアルな熊の顔が浮かび上がってゐる、といふグロいもの)」の物産展にも行った。だが、財政が破綻した街の様相は深刻そのもので、かつて12万人が暮らしたこの街の、現在の人口は8千人。数少ない若者の頑張りの甲斐もなく、急加速的に人口の減少が続いてゐるといふ。通りを歩く人の影も見えず、どこの路もひっそりとしてゐる。

経済が破綻する、とはかういふ事なのか、と思ひ知らされ、これはもしかすると日本の未来の姿そのものでは?といふ思ひすらある。

そんな街にもライヴハウスがあり、時間にはけっこう沢山の人が詰め掛け、最終的には狭くない店が満員となった。あらゆる職種の人達が集まったやうで、警察関係者から観光大使、農家の若者や薬剤師さんまで。共演の千葉智寿さん(ハープ/夕張出身)のサポートや、しーなさんのお色気攻勢のお陰で、音楽もMCもよくウケて、たいへん良いライヴだった。

打ち上げでは、夕張メロンのさらなる出血サービスで、けふ壱日でメロン何個喰ったのか?と云ふくらいメロン漬けの日でもあった。お客の中には「メロン熊」の「中身」の青年がゐて、裏話なども聞けて楽しい。夕張警察署長からは、「次回は署にも遊びに来て下さい」などとも云はれた(笑)。

30日(木)札幌市8JO/独弾---------------------------------------------------------------

札幌に帰る日だが、昨日、宿に帰ってから千葉さんと呑み交わしたポン酒が効いて、グロッキーなワシ。ライヴを聴きに来てくれた薬剤師さんの店に、二日酔いの薬を買いに行く、といふぶざまな中年。しかし流石に薬剤師さんオススメの内服薬、あっと云ふ間に楽になった。「こすげ薬局」さん、ありがとうざいました。夕張、また来ます。

けふはワシがソロ活動の日。札幌のソロベーシスト戸谷肇さんの企画におぢゃまする。しーなさんはお客として来て、飛び入りでピヤノ弾いてもらふ。戸谷さんは実際にお会いするのは、まだこれで2回目なのだが、恵庭のライヴに来てくれており、こないだはどーも、とか云ひながら・・。

もぅ1人の出演、雷神コマタさんのアクースティックギターによる凄まじいパフォーマンスと、戸谷さんの幻想的なフレットレス・ソロベースに引き続き、いつものやうなのらくらベース弾き語りを・・・。よくウケはしたのだが、あまり綿密に準備してなかったので、ちょいと散漫なステージになってしまったかな、と反省。予想以上に沢山の人が観に来てくれて、ライヴとしても盛り上がった良いイベントだった。

最後はワシと戸谷さんのセッション。全編2ベースで演る予定だったが、フとそんな気になり、戸谷さんのベースをバックに「スマイル」をピヤノで弾き語ってシメる。

イベント的にはちょいと不本意な部分も露見してしまったが、ライヴとしてはたいへん良い事が出来た。いづれはソロでも北海道を回れるやうになれたら良いなぁ。

31日(金)札幌市ファッジ-----------------------------------------------------------------

北海道最終日。去年の春に来て、素晴らしいライヴが演れたファッジである。

が、その前にさつきさんの提案で、しーなさんがエステを受ける事になり、流れで何故かワシまでもエステを受ける。人生初エステ!。なるほど気持ちの良いもんだねぇ。むき卵のやうにトゥルットゥルの顔になった。しーなさんの美貌にもますます磨きが掛かり、いざファッジへ!。

前回は色々な幸運が重なり、初の北海道にして満員、といふ快挙だったが、今回はそんなに甘くはないぞ、と覚悟してゐた。だが、さにあらず蓋を開けてみれば今回も満員で、これはひとえに千葉さんやママの美也子さん、コーディネーターのさつきさんの宣伝に大きく負うものであり、なんと感謝を申し上げて良いのか・・・。せめて力一杯のパフォーマンスを。

今回も、良いライヴが出来た。ステージが進むごとに盛り上がり、ラストは「ことほぎの唄」で場内大合唱、といふ快挙。アンコールでは、やはりワシのピヤノに千葉さんのハープでしっとりとしーなさんが唄ってシメ。猛暑の会場に満員のお客さん、ホンマにありがとうざいました。

猛暑の会場、と書いたが、北海道には冷房設備がない建物もまだ多くあり、ファッジもそのひとつ。窓を全開にして扇風機を回しまくってのライヴだった。終演後には軽い脱水状態(写真参照:目がイってる)。ソルティドッグをポカリのやうにごくごく呑んで生き返ったしーシュだった。

ところで、ファッジのママ美也子さんは、大変な「美魔女」。年齢を聞いて驚くその若々しい美貌と不思議系のナゴみオーラが、ファッジの魅力のひとつでもある。萩市は「藍場川の家」の室田さんと云ひ、各地に、メディアが作り上げたのではない、ホンマもんの美魔女が存在する。しーなさんも目指す所はこれやな、と・・。

8月1日(土)移動:東京へ!----------------------------------------------------------------

お世話になったさつきさん宅に別れを告げ、例によって早めの空港入り。荷物預け→のんびり、といふ経路。帰りの機内には、何故かやたらと泣きわめく子供らが集結しており、たいへんうるさい。寝やうと思ってゐたが全然寝れないまま、羽田へ。

その足で、明日のライヴ会場・・・「第三世代が考えるヒロシマ:継ぐ展」、東中野ポレポレ座に顔を出す。主催は東京の宿主である久保田涼子。会場の雰囲気やステージ位置などを確認したら、けふのところはミッション終了。先にりょーこ宅に帰らせてもらふ事にす。

今まで木造モルタルの二階建てアパァトに住んでゐたりょーこだが、この春に引っ越しして、今回はその新居におぢゃまする。作りそのものは古さうだが、結構豪華なマンションで、ゲスト数名が泊まっても大丈夫な部屋数もある。こんな立派な部屋に住めるまでになったかりょーこよ・・。すぐ隣に24時間営業のスーパーがあるのもGOODで、さっそく夜食作りに腕を奮うワシ。

けふはオフ、とは云へ、明日の本番は決定的に打ち合せ不足にて、せめてココふたりは揺るぐまい、と酒飲みながらも譜面拡げてアレコレ、を結構深夜まで。真面目なデュオなのである。

2日(日)東中野ポレポレ座-----------------------------------------------------------------

して、その本番はお昼の1時から。

広島出身の第三世代アーティスト達の共演、と云ふ事で、タップダンスのPORI、ギターにぴょん吉こと梅原新、を迎え、しーシュ、りょーこの5人が1時間ちょっとに渡ってステージを作る。まぁワシらは厳密には「第二世代」なのだが・・・。それをMCで云ふとウケてゐた。

「第三世代が考えるヒロシマ:継ぐ展」、と大仰なタイトルは付いてゐるが、そこにこだわる必要はない、と了解を取り付けてゐたワシらは、ごくごくフツーに演った。まぁ、さすがに「シャミーラム」や「ジェラシィ」とかまでは演らなんだが・・・。

ウチは、しーシュのみで6曲、りょーこのナンバーをサポートして3曲、PORIぴょん吉&ワシのトリオで1曲、アンコールで全員の即興、と大活躍。おぉぃにウケ、会場もたいへん盛り上がり、素晴らしい出し物となった。りょーこも、この面子の中では唯一の素人ながら、これまでの線の細さを撃ち破る熱演。後の評価でも大絶賛で、ワシらも年長者として、良い仕事ができたと思ふ。

良いイベントに参加させてもらった。

仕事の為に明日早めに帰る、と云ふしーなさんとは、ここでお別れ。ワシはまだハッキリとは決めてないが、あすは壱日東京でぐーたらしやう、と思ってゐる。

3日(月)東京オフ----------------------------------------------------------------

青春18切符を購入して、けふから明日にかけて小刻みに帰るかどーしやうか迷ってゐたが、めんどくさくなったのでやめ、明日新幹線で帰る事にした。ので、けふはホンマに壱日、怠惰な東京の夏を過ごす。日中はづーっと読書に耽り、夜はりょーこと、そぃから杉並のフリーライターにして旧友オノデラとの3人で飲みに出る。

まーぁけふ壱日、東京は地獄のやうな猛暑で、「外出を控えるやうに」との令も出てゐた。広島もどーなんだらうか?。考へてみたら、今回の旅が始まって一度もTVやネットを観ておらず、隔世の感!。

あ、ちょっと心配してゐたループマシン。幸い今回もトラブルなく、予備は予備のまま広島に帰って行けさう。今後もよろしく、て事で。


夏終わりの短パンツアー記 8月27〜31日

8月27日(木)刈谷サンダンス:with 吉崎ひろし-----------------------------------------------------------------

夏終わりツアーの初日は、イキナリ18切符で刈谷まで9時間の旅。6時半に広島を出て17時に着く列車の旅だ。

まァ、ワシらも慣れたもんで、この行程を別にどーも思はぬやうになってゐる。「乗り換えが4回しか無いからラッキー」とか思ってゐる。上達したもんだ。けふも途中で降りて昼飯喰ったりしながら、夕方刈谷に着。名物店「サンダンス」にて、店長小林さん、共演の吉崎ひろしさんと合流。

今回のツアー、例年だと富安秀行さんを中心とした「音もダチ」キャラバン、のツアーといふ形なのだが、今年は富安さんが新作のレコーディングに取りかかってゐる為、残りのメンバーに任せられた形となった。で、初日のけふ、名乗りを上げたのがワシらと吉崎さん、といふ事。けふはこのふた組で自由にステージを作る事にす。

サンダンスは「投げ銭ライヴ」で、お店は通常営業。流れのお客さんも多い。云はばホテルのラウンヂ演奏とも似た部分があり、初めての時は戸惑ったりもした。が、此所も今年だけでもぅ3回目。流石に演り方にも慣れた。吉崎さんとのコンビネーションも、回を重ね円熟して来ており、流れのお客さんも盛り上がる、良いライヴだった。

ただまぁ、けっこう荒い演奏だったやうで、終演後に気付いたのだが、右手中指の爪の根元がざっくり割れ、相当な出血。以後このツアー中づっと、この痛みに付きまとわれる事となった。ライヴが始まりゃ痛みは忘れるが、その他では何が当たっても痛いのには参った。

良きライヴの後、吉崎さんの車に乗せてもらひ、富安さんがレコーディングの根城にしてゐる、浜名湖の別荘へ向かふ。ワシらが着いた時、ちょうど録音がひと段落した処だったやうで、けふの参加メンバーと挨拶。久々に会う顔もあり、まづは無事合流を祝して、乾杯。で3時まで。

28日(金)浜松ビスケットタイム:with 吉崎ひろし/千葉智寿/小松崎健-----------------------------------------------------------------

レコーディング会場を宿舎にす、といふ事は当然、ワシらも録音に参加す、といふ事で。

けふは朝イチからレコーディングに従事。とは云へ、今回のアルバムは全編生音録音、といふ事で、ペースもピヤノもナシ。ワシらは「唄声一座」として、コーラスをフィーチャーした曲に参加する。事前連絡はほぼナシの状態から、曲を聴き、アレンジし、練習して、録る、といふ作業を3曲分。テンションも含む、複雑なコーラスワークを軽々こなし、しーシュのコーラス・グループとしての面目躍如たる働きではあった(笑)。

吉崎さんも含め、レコーディングを16時までにコンプリートさせ、浜松はビスケットタイムに向かふ。此所も今年すでに3回目。けふは昨日の面子に、北海道から千葉智寿さん(ブルースハープ)小松崎健さん(ハンマー・ダルシマー)が参加。ラインナップを工夫し、それぞれのソロ→コラボ組み替え→全員、といふパッケージショウに仕上げた。結果的にこれがたいへん良いものとなり、演ってるワシらも、お客さんもおおいに楽しめるライヴとなった。

小松崎さんは初対面だったが、いたくワシらの音楽を気に入ってくれたやうで、その酒好きのナゴみキャラと相まって、一気に意気投合。楽しく演れたばかりか、次のリンクへと繋がる、大切な日となったやうにも思ふ。ウチらも、昨日に比べて無駄な力が抜け、伸び伸び唄う。良いライヴだった。

昼録音+夜ライヴ、といふなかなかにタイトなスケヂュール。終演後はまた浜名湖に帰り、新たなレコーディングメンバーと再会。当然また飲みも始まり、3時まで(笑)。

29日(土)三ヶ日WATTS:浜名湖 音もダチ フェスタ・最終章----------------------------------------------------------------

此所数年、夏の終わりに参加してきたこの浜名湖のフェスも、今年でラスト。

思へば初回の参加時に、「会場も控え室も人が多くて着替える場所が無い」といふ理由で、しーなさんが短パン(ホッパン)のままでステージに上がり、その美脚の話題と共に「短パンツアー」といふ名前が定着したのだ。それから5年。5回めのけふの出演で、フェス自体が終止符を打つ。

そのせいもあってか、会場はオープニングアクトの段階から超満員。その後も人が増え続け、結局のべ何人来たのだらうか?と云ふかんぢ。会場周辺は常に人が溢れ、屋台を出展した喰ひ物屋も売り切れ続出。すごい経済効果(笑)。ワシらも(他の出演者を)見たいのだが、場内にはもう人の入る余地はなく、仕方なく外をづッとぶらぶらしてゐる。フェスに来たお客さんが、あちこちでバーベQなどしており、お邪魔して御馳走になったり、そこでセッションが始まったり・・・。ナンとも音楽家冥利に尽きる楽しい時間。

ワシらは「夜の部」のトップバッター。その前の休憩が30分、と長いのと、その間野外でスティールパン・チームの演奏があったり、で、ウチらが始めても誰も戻って来ぬのではないか?と懸念したが、サにあらず。ほぼすべてのお客さんが帰って来て、店内は再びすし詰め状態。しーシュに期待してゐるお客さんも多く、嬉しい気分でライヴスタート。

フェスタの最終章にふさはしいパフォーマンスが出来た、と思ふ。曲数は少なかったが、そのぶんワシらのエッセンスを凝縮した形で発現させる事が出来た。良いライヴだった。この辺りに来るたびに、毎回ワシらを見てくれてゐる友人が『最近のアンタら、すごぃ「凛と」してゐてエェで』と云ってくれた。

フィナーレ。ステージ上に上がり切らんメンバーと一緒に唄いながら、富安さんに繋いでもらった、この夏の縁を、いょいょワシらが受け継ぎ、繋いで行く時が来たのだな、と云ふ思ひを、改めて抱く。さう、繋いで行くのだ。

30日(日)東近江 ランチひなた:with 山田さとし/kijima manaka-----------------------------------------------------------------

けふは音もダチから離れての独自行。まだ半数の音もダチメンバーが寝てゐる頃、浜名湖を発つ。

外はバケツをひっくり返したやうな豪雨で、浜名湖のかういふ姿を見れたのも収穫っちゃ収穫。だが、最速のワイパァも追い付かぬ程の雨の勢いで、危険を感ずる車内はしばらく何の会話も無かったほど。高速に乗り、しばらく走った頃、ようやく雲の切れ間が現れ、ホっとする我ら。

3日間、同部屋で過ごし、会場までの足のすべてを世話になった吉崎さんとは、南草津の駅でお別れ。ありがとうざいました。来月広島でお迎えします。

さて、ワシらは近江八幡まで引き返し、山田さとし(ケーナ)と合流。けふはさとっつぁんの組んでくれたブッキングで、フツーのご飯屋さんでのライヴ。機材のセッティングなども皆さとっつぁんがやってくれて、感謝。その彼はけふはKijima manakaちゃんといふ、若干23歳のダンサーとのデュオ。この頃ダンサーとの共演の多いさとっつぁんである。

このmanakaちゃん、パっと見 高校生くらいにも見える、つるんとした娘さんだが、ステージに立った時、「スパン」とスウィッチが入り、そっから先の表現力がスゴい。まぁさとっつぁんが相方に選ぶくらいなので、そこは落としはせぬだらう、とは云へるが・・・。にしても、これまで彼と絡んだダンサーの中でも、トップクラスの表現力。

とまぁ、けっこうな前衛の次に、しーシュ(笑)。特に気にせず「凛と」演る。後半の全員リーグ戦、ではワシらの即興的側面もフィーチャーでき、しーシュのポップ面しか聴いて来なかった人には、新鮮でもあった事だらう。フツーのお店なので、お座敷をステージに見立てた形だったが、これも悪くないね。ホンマのお座敷ライヴだった(笑)。

楽しく演った。4人で乾杯し、過ぎ行く夏を惜しむ。数年前、さとっつぁんが云った『毎日こないなこと演って暮らせたらエェなぁ』といふ台詞が、自然と出る。

31日(月)帰広---------------------------------------------------------------

旅終わる。

18切符で広島を目指す。途中、大阪で降り、お好み焼きを喰ひ、また乗り、揺られる。

考へてみれば、

壱日目:移動(広島〜刈谷)→ライヴ→移動(刈谷〜浜名湖)。
弐日目:レコーディング→移動(浜名湖〜浜松)→ライヴ→移動(浜松〜浜名湖)。
参日目:終日イベント。
肆日目:移動(浜名湖〜東近江)→ライヴ→移動(東近江〜近江八幡)

といふスケヂュールをこなして来た訳で、疲れてない訳はない。ワシもしーなさんも、帰りの列車はづっと、寝たり、起きたり、をくり返しながら、の旅だった。外はづッと雨。夕方広島に着く。夏の旅とともに、8月が終わる。