初霜月の壱

先週から歯の治療をしてゐて、「固いもの食ったらアカン」といわれてゐます。ので、ここんところ麺類しか食ってないな。

「麺類を啜って喰う」文化はアジア独特のものです。これを見て欧米人は「品がない」とか云うさうですが、それは味わい方のバリエーションを知らんだけなのですな。中央アジアでは手、指でメシを喰いますが、これなども馴れてみると「手で味を感じるやうになる」と云います。そこまでは行かんとしても、手で喰うカレーは仲々イケるもんでっせ。これを「汚い」なんて云う日本人はダメですな。

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音楽的には、レッスン以外ほとんどナンもない一週間でござった。かういう時も必要。久しぶりに日常的な練習に時間を割けたしね。

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手違いで先月のギャラが振込まれんので、今月は少々懐がうすら寒いですな。

だから、といふ訳ではないのですが、アンプヘッドを売りに出しました。ライヴハウスなんかで演るときに使ってゐた、アンペグのなんとかって云うクソ重いヤツ。

これ、元々は東京にゐる弟子の川島のものだった。で、アイツが東京に出るってときに身辺整理ってんで、ワシの使ってゐたヲルターウッヅのアンプと交換してやったんですわ。ヲルター〜は鞄に入るくらい小さいっすからね。で、ワシが代わりにアンペグのデカ&重いのを使うやうになったわけであります。

すげぇいい音がするんですが、いかんせん重いっ!。ヘッドだけで30キロ以上あるんですよ。で、怪我しちまったでしょ?。もうこんな重いもん持って動けんな、と。ワシはボーヤ(付き人)もゐませんからね。自分の手にあまるものは、潔く手放さうと思った訳です。

そもそもワシはアンプなんかには、全然こだわらんタチでしてね。ちゃんと音が出りゃええわい、といふかんぢで、だいたいその会場にあるものを使います。でも、タマに「なんか実は音響の事とか全然分かってないやろアンタ」的なお店に行ったりすると、とんでもないのが置いてあったりするんで、参ることはありまんな。

何処だったかは云いませんが、某所にライヴに行った時。店に入ってステージを見た途端、こりゃいかん、と思った。ONOFFスウィッチの付いてるマイク。シンバルが割れてゐるドラムセット。ステージ後方は鏡張り。何故かステージの片隅に置いてあるカラオケセット。

「あの〜〜〜〜すいません、ベースアンプは・・・・」

「ア、あれ使ってくれる?。」

店長さんの指差す先には、確かにベーアン。それは30センチ四方の、いちをうフェンダーと書いてあって


初霜月の弐

やーまん。

この週末で「あの」事故からちゃうど1年が経つことになります。早いもんですね。歩く姿はほとんど普通の人と変わらんやうになりました。ぼちぼち走ってみようかね。

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日曜日に車に乗ってたら、急に『ぐにゃっ』とハンドルが効かなくなった。アクセル踏み込んでもスピード出ん。これはもしや・・・と思って見たら、前輪運転席側のタイヤがバーストしてやんの。運悪く高架の上だったンで停まるに停まれず、ががががががががががが!!とすごい音させながら安全地帯まで避難。もうぐしゃぐしゃでね、タイヤが。

でも、高速運転中ぢゃなかった事で、おおけな事故に繋がる事もなかったし、その場にJAFの会員の友人がゐて、ものの20分ぐらいでタダで修理してもらえたし、さう考えてみれば弐対壱で、良い事の方が勝ち。何事もくよくよしてはいかん。

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で、翌日から風邪。朝から夕方にかけて倦怠感、寒気、ノドの痛み、咳、鼻水、発熱が一気にキた。幸いデスクワークはもう峠を越えてゐたし、今週はリハもないのでウィークディはづっと、レッスンに出かける直前まで寝てゐる。


初霜月の参

久しぶりに教会の礼拝に出席しました。今年ようやく2回めの出席!。ホンマに不真面目な信者である。それでも『あぁお久しぶり!お元気に活動してますね』と温かい声をかけて下さる諸兄方。洗礼を受けて23年目。果たして自分がクリスチャンとして正しい生き方をしとるのかどーか?。

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教室を開いてゐる楽器店の発表会があった。今回はワシの生徒が3人しか出場せず、ほとんどの曲を変装してワシが弾く羽目となった。打上げをam3:00頃までやり、予定通りスタジオに泊まって翌朝帰宅。熱が出てゐる。風邪がぶり返した様子。

その夜、11/21、22の2デイズライヴを目標にニューコンセプトオルカの初リハ。かをりとワシのリズムセクションに、『MIとまちゃあきのぱかぱか号』といふギターとピアノのデュオを加える、といふスタイル。ど〜なるやら分からんが、まぁ演ってみる。あちゃあきはあのアークティクブレイズのギタリスト。メタル系のミュージシャンと演るのは初めてかもしれん。しかしまぁアコギを弾いてもらうわけだし、演るのはオルカの曲だし、ホンマにど〜なるやら・・・といふかんぢである。

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ウー、この飽きっぽいワシがマックの前に座ると2〜3時間へーきで時間が過ぎてしまふ。気がつくと腰は痛うなっとるし、目は疲れとるし、肩は凝っとるし、このくらいベース練習すりゃ、さぞや上手になるろうに。

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いま、ぢつはギターが欲しくなってゐる。アコギはづっと高校生の時に買ったオヴェィションを使ってゐるのだが、ベースを弾き慣れたこの手には、オヴェィションの細いネックは弾きにくぅてのゥ。で、欲しくなってゐるのがリゾネーターギター。このボディに付いてゐるフライパンみたいのは何ぞや?と思われるだらうが、なんとこれ、音の増幅装置。このギター、アコギをアコギのままで、いかに音をデカくするか、といふ事で開発されたシロモノなのだ。

かういうアナログ感覚は非常にワシの感性とマッチするんですな。これ、ベース版もあってね。何度か買おうと思って、ぢつは今も迷ってるンだが、どーせならやっぱギターかなぁ・・・。

最近はもうベースはアトランシアがありゃぁいいや、って気になってゐる。

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38歳の誕生日を迎えたので、女房と久しぶりに街に(この言い方が抜けんのは田舎者の性か?)呑みに出る。まづは本格的インド料理のコースを喰う。結構、といふかかなり腹一杯になって後悔したが、その後オサレなバァへ。タンカレーのスペシァルとかいふのと、ドイツのナントカといふスペシァルなジンをいただく。とてもおいしい。

まだ時間が早かったせいか、しばらく客はワシらふたりだけだったが、えらい知ったかぶりでバーテンさんにあれこれ注文をつける標準語を喋るオッサンが入って来たので、退散した。

去年の誕生日は、病院のベッドの上だった。その時、妻はこっそりとワインを持って来てくれたが、『さすがにやめておこう』と泣く泣く断って、ヂュースで乾杯したのを思ひ出す。

さうしてわたしは37になり、かうして今年38歳になった。


初霜月の四

中国新聞社のイベント『ちゅーぴー祭り』にファーイーストラウンジで出演してきました。カシラがウクレレ弾いた「その男ヨシオ」が、ケーブルTVとFMで生放送だったらしいんけど、まぁオモロかったすよ。

会場にTVモニターがあってネ。自分らが写ってンのが見えるんですよ。で、ケーブルTVの生中継って少しタイムラグがあんのかね?。なんか実際の動きよりほんの一瞬TVの画像が遅れてんですよ。ワシは演奏しながらづーっとそれを見てたんだけど、日頃のライヴでは「アレ、ここはコーラスあったッけ?」てところはだいたいカシラの動きを読むんですね。

で、まだカシラがマイクに近付いてないから大丈夫だ、って思ってたら、それは画像の上でのハナシで、実際の動作より一瞬遅れる画像を見てゐたワシはその読みが遅れてしまった!。ヤヴァい!。さういう時はど−するかって?。ワシはもう唄いませんね。ここはカシラのソロですよ、みたいな涼しい顔して黙ることにしてる。途中で入るよりその方がいい。さういう開き直りは昔から早くてネ。

ミスったときなんか、同じ所でわざともう一回間違えたりもしますよ。『間違ってないよ。これぁこーいうフレーズなんぢゃ、文句あるか?』ってね。

全然自慢にならンですがネ。

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新生オルカ団が仲々エエかんぢです。

今回は全員アク−スティック楽器を使おう!といふことで(ア、ネタばらし)ワシもアコベ、ノンえへくたーでイきますわ。加入組の二人が結構頑張ってくれてゐるので嬉しい。ここのところ全然展望が見えなんだオルカ団でしたが、久しぶりにリハのあと、落ち込まずに帰れましてん。

ただ、時間がないねぇ。もっとしっかりリハをせんといかんのだが・・・。

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親知らずを抜きましてネ。

抜歯てのは、まぁ麻酔注射したりしますけど、結局はどーするかってぇと、でかいペンチのやうなモノで引っこ抜く訳ですな。ぢつにスピリチュアルな『処理』なんですわ。結局、一日血が止まらなンだし、麻酔が切れてくりゃヅクヅク痛むし、いまだにおぉきな穴が空いてるし、これでまだあと2本抜く予定なのよ。ハー、歯は早いうちに診てもらっておく方がいいッスよ、みなさん。

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友人バンドグレッシヴのライヴがあり、その打上げに行きましてん(笑)。

シバちゃん(G)は毎週仕事場で会うが、シヴァ(Vo&G)はかういうトコロでもないと会うこともないので。グレッシヴにはいつも若いファンが沢山来てゐる。そのうちのひとりから、だうすれば自分たちをアピール出来るのか、といふことを訊かれる。『将来的に自分達がやれることに自信はあるが、今はまだその段階ではない」などと訳の分からんことをいふので、今の自分に自信がないのに、将来の自分に自信が持てるなんざオカシな噺よのゥ、といふ。

ここのところ、ヒトは「将来」に期待し過ぎてゐる、と思ふ。

明日があるさ、といふけど、今日がなければ明日も来んのだよ。人によっては『今に見ておれ』みたいなことしか云わんヒトもゐて、ワシに云わせりゃ、それは現実から目をそらしてゐるだけぢゃないか、と思へて仕方ない。

ポジティヴに明日への希望を持つことは大変結構なことだが、『将来』なんて『現在』の積み重ねでしかないのだ、といふことには気付いておくべきだ。買わない宝くじは絶対に当たらないのだ。

さういうふうなことをシヴァとも話す。思へば彼とは、昨年初頭の東京ツアーで、お互い個人の力で地元以外に活動の場を拡げて行くべきだな、と気付き、語り合ったものだった。

それからワシは何とかそれを続けてゐる。良き人達に恵まれたのはワシの幸運だった。シヴァも自分の活動の指針を捜してゐるやうだ。

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ウ−ロン茶だけで最後までイくつもりだったが、途中から酒を飲みはじめ、代行タクシーを初めて活用する。ふ〜ん、かういうシステムなのかァ。まぁ堂々と飲めるんやからいいシステムだね。


初霜月の伍

土曜日、友人のピアノ調律師と飲みに行きまして。この娘は今から10年くらい前にワシのベース教室に来てゐたのですが、『調律師になる』と云って旅立ち、その2年後に偶然ワシの教えてゐる楽器店の調律師として入社してきた、といふ不思議な縁があります。今もベースを教えてるんですが、タマに飲みに行く仲でもあります。

この娘と話をすると、やっぱり職業柄楽器だの、音質だのって話が中心になるんだけど、その中で「100年経ったらベースの音は良くなるか?」といふ質問をされて、そんなものはまだ存在しないことに気付きまして。電器ベースってまだたかだか50年そこらなんですよね。生物で云ふと派生した種が環境に合わせて変わったり、異種間交配が行なわれてゐる真っ最中なんでせうね。

100年経ってちゃんと音が出るエレベがあるんだろか?と考えた時、電器楽器といふものの刹那性を思い知った気がしましたネ。

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沼田町商工会ふれあいなんちゃらといふイベントに参加してきました。

去年、骨折のせいでオルカ団による出演がポシャってしまったイベントですね。今オルカ団はダメなんで独りで出演です。ツンちゃんこと水木恒夫率いるパーカッション軍団とのセッションも含めて30分強のステージでした。ちょいとPAに問題がありありで、出音はお世辞にも良いものとは云えンかったらしい。

ワシらの後、夜もだいぶ更けてから、神楽団が出たんですが、やっぱり神楽ってオモロイね。人気があるのも分かりまんな。歌舞伎よりも台詞が分かりやすいし、音楽としても聴けるし、いわゆる『泣き』の部分では、酒に酔って見てゐたせいもあるけど、不覚にもすこしホロっときてしまった。

民間の素人神楽でこんだけ見応えあるんだから、プロの神楽団なんてもっとすごいんだらうネ。

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面白かったのは、そのイベントに、以前住んでゐたアパートのお隣さんだった老夫婦(とても仲の良い御夫婦である)がタマタマ遊びに来ておられて、しばし再会と息災を喜びあったこと。「是非、アンタの音楽を聴いて帰りたい」とおっしゃり、寒い中を遅くまで残って見て下さってゐたやうだが、ワシの音楽を聴いて何と思われたであらうか?。

きっと「ぬぅ・・・?。」といふかんぢだっただらうな。すこし前に、高校時代の友人が、やはりワシのソロを久々に見に来てくれた時も、終演後に「えらい不思議な音楽を演るやうになったんぢゃね」と云って帰っていったことがあった。多分、アレに近い感想を持たれたんではないか?。ありがとうございました、Sさん夫妻。幾久しく仲睦まじくお健やかに。

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月曜日にまた、親知らず、抜きました。今回は最悪で、なんや知らん40分ぐらいかかりやがってね。しまいにゃノミでバコバコ叩きくさって、やうやう抜けたってかんぢ。勿論激痛に次ぐ激痛で一日ナンも出来なんだし、木曜日の時点で鎮痛剤呑まなきゃ仕事もできんぐらい痛い。こんなにまでして抜く必要あったんやろか?。

もう一本あるらしいんだけど、さすがに『もうええ』って云いました。虫歯にならうが、歯周病にならうが知ったことか!。

ンなわけで、イベントや東京ツアーの準備もせないかんのだけど、痛みと鎮痛剤によるラリりで、頭がボーとしてなんも手につきません。

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てなわけで、月曜日からこれを書いてゐる金曜日の夜まで、食事らしい食事を摂ってないのです。どーしてるかってぇとね、青汁と牛乳、それにエネルギー補給のゼリーがあるでしょ?。あれだけ。しかも壱日に一本ぐらい。痛くて喰えねーんだよ。当然腹は減るんだけど、これが思った程ダルいとか、苦しいとかってかんぢではないんよね。

まぁ痛みが酷いからメシどころぢゃない、ってのもあるんだらうけど、とりあへず気は楽ですね。

よく「入れ歯にすると味覚が半減して食事が楽しくなくなる」っていいますよね。あれってもしかして、すごく楽になるってことぢゃなからうか?って気がしてきた。だってね、美味いものを喰おうとするからヒトはめんどくさいわけでしょ?。食事を「単なる栄養の補給」とわり切れれば、こんなに便利なことってないんぢゃなからうか?。

しかし、CMで桃井かおりが鍋かなんか喰ってるのを見ると、『喰えるやうになったらまづ鍋だ!』と思ふのであった。

嗚呼ニンゲン!。


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