雪待月の壱、といふか

土曜日に仕事仲間であるFLEXといふダンススタヂオの発表会がありまして、仕事帰りに見に行きました。広島アステールプラザ大ホール。

かういうデカいステージで、音楽が脇役の演目てのぁ初めて見ました。アキるかな?とか思ってたんだけど、全然。すげぇ面白かった。ショウ自体をニュゥスに見立てた演出や、場面展開のインターバルにスクリーンで映像流したりとかいふ構成もすごくしっかりしててね。脇役のハズの音楽も結構手が込んでゐたりして、下手な音楽のコンサートよりはるかに楽しめたッす。ヤバいね、音楽。もっと頑張らんと。

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来週やる営業のリハをやりました。メンバーは柴作伊佐雄、五十嵐進、金子勇作、金屋美香にワシといふ、気心も知れた百戦錬磨のメンバー。これに最近知り合った若手のギタリストIを入れての編成。

ところがこのI。技術的に劣るのはまぁ仕方ないにせよ、予習といふモノをまったくやっておらず、かういう営業といふものをナメてゐる姿勢が如実でした。ワシが駆け出しの頃は(今でもですが)、先輩に誘われたら、どんな内容だらうが死にものぐるいで予習したけどね。演奏ボロボロのクセに悪びれもせずに『来週には完璧ッス』みたいなことを平気で云う。仕事として音楽を演ってゐる(演らせてもらってゐる)誇りも光栄も危機感もまったく感じられない。これが若者といふものだらうか?。

たとえその言葉通りに来週の内容が完璧だったとしても、Iくん、君を誘うことはもう二度とないよ。ナマステー。

かういうのに対して『まだ分かってないんだからしょうがない』みたいな言い方をするのも困るネ。分かってもらわんと困るし、分からにゃいかん。てゆーか、分かれよ、そのくらい。

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友人の主催するイベント「World Music Fes#3」に出演。外国人と日本人が半々ぐらい入ったクラブで、津軽三味線、トラッド、ボサ、ブリティッシュフォ−ク等が入れ替り出演しました。

なんでかやうなイベントにワシが出ることになったかと申しますとな・・・・。

最近知り合ったラムジーといふアメリカ人のスティック奏者が居るのですが、彼と『一度、なにか一緒に演ってみたいね』といふ話をしてゐた訳です。と、知人から『この日にラムジーが出演するよ〜』といふ話を聞き、『ア、そんなら見に行くわ』と云ったら、主催者のジェイミーも知り合いだったことから、『ついでぢゃけ、お前も出りゃええじゃんか』といふ運びになったのですな。

ところがこの日、当のラムジーは高熱を出して寝込んでしまっておりました。急遽、ワシがスペシァルゲスト扱いになっておりましてびっくりですわ。

で、いつものやうにソロステージを演りましてん。

アンプがばひばひに歪んでゐたので、アー演りにくいなぁ、と思いながら、それでもなんとか演奏に集中してたら、なんか目の前に影がゆらゆら映る。「?」と目をあげると、ナント店にゐた外人の大半が立ち上がって踊ってゐた。踊るやうな曲かァ?これが、とか思ったのですが、まぁ演り終わりまして、喝采をいただきました。で「One more dance?」て訊いたら「Yeh!」て云うもんだから、もう少しノリやすい曲演ったら、今度は踊らんのでやんの!。

外人はよう分からん!。でも面白かったッス。ジェイミ−、また誘ってね。

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お客さんの中にインド人がゐて、「お前の歌は何語なのか?」と訊かれました。以後の会話。

「キミのうタは何語ナノ?」
「ウルワーズっていうんだよ」
「What?」
「ハナモゲラ語だよ」
「ハナ・・・?」
「デタラメ」
「エタアメ・・?」
「無茶苦茶唄ってンだよ・・・・」
「ア、そぉ・・・・」

すんまへん。

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抜歯の痕がようやく痛くなくなってきました。しかし米粒2つが余裕で入っちまうやうな大穴が空いたまんまだし、何か喰うと絶対そこに詰まるし、それを取らうと綿棒使えば必ず出血しやがるし、歯とかより顎そのものにダメージが残ってゐるらしく、大口あけると顎関節が痛むし、なによりえらい滑舌が悪くなったらしくて、会話しててしょっちゅう「え?」とか聞き返されるし、ひとつもエエ事が無いがな!。


雪待月の弐なのかなのか・・・

土曜日に「ウルトラファイターズ」といふ名前の企画ものバンド(主催者が決めた名前でっせ)で、某小学校のPTAが主催するイベントに出演してきました。観客は当然子供とその父兄。目の前にゴザが敷かれて、そこにコドモが座ってゐる、といふ・・・。ワシはかういうシチュエーションって意外にも結構ノるんですな。ヘンなところで芸人根性がある、といふかナンといふか。

で、まぁ今風の曲を、苦綿とか砂惨とか、聴きたくもないやうな曲も演ったりしたわけですが、楽しかったッスよ。

でもねぇ。これは是非書いておきたいんだけどね。先方からの希望でね、センセイがたが唄うってのをやったんですよ。で、若手なのかなんなのか、3人ほどのセンセイがワシらの演奏で唄ったわけなんですがね、このヒト達ってのがね、態度がね、いわゆるセンセイそのものでね。

誤解して欲しくないのはネ、別にいいんですよ、敬意なんか払ってもらわなくたって。ワシらたかが音楽家だし、仕事に雇われてるわけだからね、そちらはそちらでセンセイとしての立場ってのがあるでせうからね。

でもね、一言もないんですよ、挨拶が。

フランクに「よろしく」もない。それどころかね、ステージに上がってくるなり、ワシの使ってゐる譜面台に、なんの断りもナシに自分が唄う歌詞を拡げてね、「それはちょいと困るンですが」って言うと、さも心外さうに「どこに置きゃええの?」とのたまふ。リハの後も、本番が終わっても、ワシらには一言もなし。フランクに「ありがとう」もない。それどころかね、自分らが唄い終わったらさっさと会場を出て行かれましたネ。

かういう人間が、子供になんのモラルを教えてるんでせうかね?。

思い出しましたよ。ワシは小、中学校と通じて、学校のセンセイといふものが、この世で一番嫌いだった。この世で信用してはいけない人間がゐるとすれば、この人達だと思ってゐた。そのことが間違いではなかった、といふことと、何の進歩もしてないんだな、といふことに憤りよりも無情を感じましたネ。

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11/16日に沼田町の祭りで、スティック奏者のラムジーと共演する事になりました。

で、パーカッションのツンちゃんこと水木恒夫氏を交えて練習といふか、打ち合わせをしたんですが、いやぁオモロイ楽器です。ナマで見るのも初めてなんですが。

ちょいと触らせてもらったんですが、弦の並びが独特な上に、構え方も馴れんもんでさっぱりワケ分からん。ラムジーが一応教えてくれるんですがネ、ここがCでこう押さえたらメジャーセブンスで(ラムジーは日本語ペラペラなのです)・・・・。アー!!分からん!。まぁ当然なんですが、まったく違う楽器ですね。弦楽器には違いないけど、感覚的にはピアノに近いしネ。

ツンちゃんとの共通の友人でもある、山口の田川ヒロユキ(盲目のギタリスト。彼も面白い弾き方、押さえ方をする)に弾かせたらオモロイやろな、と思いました。ラムジー自身も、まだ弾きはじめて間がないのでそれほど大した事は出来ん、と云ふが、流れるやうなアルペジオとか、美しいぢゃねーか。彼のオリジナルを一曲と、イスラエルの民謡をモティーフにしたセッションを一曲、それに即興をひとつ、やります。

なかなか面白いセッションになりさうですよ。興味のあるヒトは沼田会館特設会場へお越し下さい。昼1:00ぐらいからの出演となります。

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友人のドラマー上チャンこと上野友敬氏がインドの一人旅から帰ってきました。

旅立つ前に色々とアドヴァイスをしてほしい、といふ事で一緒に呑みに行ったんですが、ワシもまぁだいぶ前に一度、しかもほんの少しの間行ってただけですから、大したアドヴァイスなぞ出来やしません。海外旅行は上チャンの方が慣れてんだから、案外ワシの助言など何の役にも立たンかったかもしれませんね。

でも帰って来た時の感想てのが、まさに同じだったのでオモロかった。家に帰り着いてすぐウチに電話をくれたらしいんだけど、「どーやった?」て訊いたら「いや〜〜マイったよ!」といふ答えが帰って来て、笑いましたわ。

よく云われる事だけど、インドはこの後にどーいう心境の変化を見せるかが、まっぷたつに別れる国のやうですね。『もう二度と行きたくない』か『なんか分からんけどもう一回行きたい』てのにね。上チャンはどーやら後者の方に属する人だったやうですね。へへへ。

ワシは純粋に音楽的な視点からインドに興味を持ち、実際行くに至った訳ですが、向こうにゐる間は緊張でそれどころぢゃなかった。だから次に行く時は、さういう事に目を向けられる余裕を持って旅したい、と思ってゐる。


雪待月の参なのかなのか・・・。とにかく最終更新週。

おぉウ・・・。すごい週だったねぇ。今週だけでライヴが4本。そのぶん長いけど頑張って読んでね。

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土曜日の夜、インド帰りの上チャンこと上野友敬氏と『無事帰国記念&報告会』として呑みに行きましてん。写真見せてもらったり、行ったことのある者のみぞ知るあの国のおかしさ、などで盛り上がって呑んでるうちに、自分の呂律が回ってないことに気付きはじめた。「ア、これは酔ってるな」と思ったが時既に遅し。その辺から記憶寸断、着の身着のまま、腕時計も首輪もしたまんまで翌朝、目を覚ましました。

かういう時に隣に見知らぬ女性(できれば優香か真鍋かをり似が望ましひ)がハダカで寝てゐれば、くむぅ・・・といふトコロだが、そこはそれ、ちゃんと自宅に帰り着いて、隣にはちゃんと女房が寝ておりました。しかしどーやって帰ったんだらう?。

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ところが翌日は午前中に会場入りせんといかんイヴェント(沼田まつり)が入ってゐて、もう大変でしたわ。二日酔いぢゃなくて全然酔ってるの、まだ。女房が出がけにゲロ袋を持たせてくれました。使わんですんだけどネ。で、結構この日のイヴェントは出ずっぱりでね。4ツの出し物中、ひと組を除けばづーっとステージに出てたわけです。かなりしんどかった。出番以外はほとんど楽屋で死んでました。まぁ自己管理ですからしゃぁないっすよね。

こんなていたらくでマズいステージなんかやった日にゃ目も当てられやせん。そこは腐っても梶山シュウ。ライヴ自体はすごくエエ感じにできました。ファー・イースト・ラウンジ(この長ったらしい名前、どーにかならんのかいな)も、この日の為に組んだラムジー、ツンちゃんとのユニットも、打ち合わせ不足&二日酔いにしてはそこそこのものが出来ましたネ。もうワシもウルワーズ連発でね。こんなハッタリようやるわ、と自分で思いながら。

イヴェントの雰囲気がすごくよかったのと、演ってるうちに元気になってきたんで、祭りが終わるまで会場にゐました。これはワシにしては珍しい。毎年呼んでもらってゐる五日市のさくら祭りもさうだけど、都心では見かけなくなった、地域の自治会が自分達を活気づける為に行なわれる、正しいお祭り。素晴しい!沼田町!。ありがとうございました!。

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そして月曜日は小林一彦Far east loungeのワンマンライヴ。

当日の朝、御大小林のブログを確認したところ『今日のイヴェント(上記沼田祭り)にインスパイアされ、新曲が完成。早速明日のワンマンで演ってみやうと思ふ』などと書いてありますねぇ。へぇ〜〜〜〜〜。

ホムペに書く前にメンバーに相談せんかいぃぃぃッ!

しかし、会場入りして初めて耳にするその新曲は、たった2つのコードの繰り返しながら、切々と『縁(えん)と和』を歌い上げた秀作。ヌー、この男がある種の天才なのは、もはや疑うべくもない真実のやうですな。

さて、その初ワンマン。沢山のお客さんに御来場いただき、アットホームでよいライヴでした。カシラとワシ、パーカスのツンちゃんの3人で、ふる〜〜い、それこそまだカシラとワシの二人で演ってた頃の曲から、最新曲までシメて20曲!。

途中『梶山コーナー』なるモノもあり、例によってウルワーズの乱れ打ち。カシラも先日入手した、といふ口琴(口に装着した金具を指ではじく事によって口腔の響きを倍増し、オモロイ音を出す楽器。ほぼ世界中に分布してゐる楽器)で参加。このバンドにしては非常に珍しい大即興大会となった。本番が二日続いてゐるせいか、ワシの喉も指も調子良い。ワシはつくづく、現場で腕を磨くタイプのミュージシャンであるやうですな。

終演は11:20!。昨日の今日、といふこともあり、くったくた。

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火よう日はオルカのリハ。

この曜日は午前9:30からづ〜〜〜とレッスンをしてゐる日でもあり、リハの頃には疲れてゐる事が多い。しかしワンマン前最後のリハなので、熱が入る。史上最も凶悪なオルカ団。ライヴが楽しみでござる。

けふは寝るぞ!と宣言し、睡眠薬服んで寝た。

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水よう日。今週唯一レッスン以外のコトがない日。睡眠薬のお陰でam10:30までぐっすり。

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木よう日。am10:30から椎名まさ子女史と、12月に演るデナーショーのリハ。彼女に会ふのは夏のイヴェント以来。椎名さん、相変わらずお美しい。考えてみたら、東京から帰ってあんまり日がないんですねぇ、本番まで。でもまぁ曲数少ないし、このメンバーならどーにでもなるやろ、と呑気なワシなのであります。

夜、レッスンしてたらマミが来ました。もう発表しても良いでせうね。マミさん御結婚なさいます。幸せになりなさいよ。

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そのオルカ団の久々のライヴが金、土、と2デイズでありました。最初期オルカ団のギタリストだった河野星児くんを擁する東京優駿とのカップリングです。このバンドいいんですよ。もともとは一番最初に造ったオルカ団でギターを弾いてゐた河野君の提案で今回のカップリングが実現した訳です。

以前から云ってゐたやうに、今回のオルカ団は、必要に応じてメンバーを加えたり減らしたりする「オープンユニット」としての初ライヴ。MIとまちゃあきのぱかぱか号がゆく、といふギターとピアノのデュオを加えてのオルカ団=オルパカですか。

対バンの東京優駿がエンターテイメント満載のステージを演るので、ウチは逆に観客との距離を置いてみました。メンバーが向かい合う形でステージに陣取り、お客さんの方には顔を向けないまま。へへへ、ビル・フリーゼルのインターコンティネンタルユニットみたい。それがステージ上に磁場のやうなモノを造り、逆にお客さんを惹き付けたやうです。強いて云えば、土曜日より金曜日の方がイイ感じに演れたかな?。

その2日間のライヴが終わって、今ウチにゐて、これを書いてゐる。打上げでもいろんな人に声をかけてもろぅて嬉しかったッス。今後のオルカがどのやうになってゆくのか分かりませんが、やはり基本は『出会い』を大切にする、これに尽きるでせう。今回のMIとまちゃあきにしてもさう。

人生は「こうしたい」という希望だけで成り立っているわけではない。
家庭、仕事、自分を支えてくれた多くの人間関係・・・・。
今の生活の充実感と安定と責任とを、 青春の夢や情熱と比べてどうなるというのだろう。
篠田節子
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いちをう、これで、来週から始まる「デラシネ東京ツアー冬の陣」を終えれば、今年のワシ名義でのライヴは全て終了です。あとは仕事としてステージに上がる程度。毎年恒例の『今年ハマった音源特集』でもやりますか?。誰も期待してないって?あ、そう。


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