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4月5日(火)--------------------------------
このツアーが始まる前、椎名さんが新幹線のチケットをプレゼントしてくれた。そのチケットを使って指定席を予約した。が、3人席の通路側で、しかも残りの二席に、いかにも四六時中喋ってゐるやうな、いかにも連れションにでも行きさうな、いかにも汚連時連痔あたりの着メロを躍起になってダウンロードしてるやうな、若い娘二人組が座ってゐたので、辞退して次の便の自由席に乗って帰る事にした。
久しぶりの故郷広島。3/17に博多に出発した時はまるで冬装備だったが、今や春陽気。桜も咲いてゐる。相も変わらぬ広島の街。半月ぶりの我が家。女房の顔を見るもそこそこにレッスンへ出発。半月ぶりに車を運転する。新入会2人を含めたレッスンを9:00までやり、近場の居酒屋で夫婦のツアー打ち上げ。
6日(水)------------------------------------
休み。ツアー中はいつも8:00位に起きてゐたが、けふは11:00まで寝てゐた。溜まってゐた郵便物に目を通し、提出せねばならぬ書類にサインし、郵便局、楽器店、実家、スーパーと、割に忙しく動いた。プールに行って一汗かこうかな?とも思うたが、やめておく。
7日(木)----------------------------------
旅に出てゐる間に、注文してゐたCDが何枚か届いてゐた。その中に「アリナミン」のCMで流れてゐる、吉田美奈子が唄うシューマンの「トロイメライ」がある。買ってみて驚いたことに、これ、なんとエイベックスからリリースされてゐるのだ。エイベックスといやぁ、かう云うてはナンだが、子供向けのアイドルを売り出す事ばかりに腐心してゐるレーベル、といふイメェヂしか無かったのだがね。
まぁ何処まで本気でやるつもりなのか、真偽のほどは分からぬが、大手の会社がかういふ方向性も持つ、てのはとても良いことだと思ふ。にしても吉田美奈子のヴォーカルの、なんと素晴らしいことよ。これが「唄」といふものよ。
8日(金)----------------------------------
ヲーキング&プール。講師会議&レッスン。これらが午後6:00までに終わる素晴らしさよ。
夕方、宛ても無く巨大本屋をたもとほってゐると、CDコーナーから、ア〜〜〜ァァァエエエェェイィ〜〜アァァァァと、なにやらエキゾティックな凄い声が聴こえて来た。出所は何ぞ?と思ひ、駆け付けると店内据え置きのCFなどを流すTVモニター。そこにはチェリストのヨーヨー・マが、インタヴーに答えてゐる姿。其はシルクロードアンサンブルのメイキングビデヲだった。
けふは何も買うつもりは無かったのだが、これは「呼ばれた」に違い無い、と思ひ、ヨーヨー・マの「シルクロード」を即購入。
4月9日(土)-----------------------------------
ヌ〜、朝が眠い。これは単に「春眠」といふやつか。それとも慢性疲労か?。
久しぶりのネコノヅクのリハに行く。ツアー直前に小学校で演ったライヴ以来。けふは椎名さんのオリジナルを色々いぢる。このユニット、毛並みはだいぶ違ふのだが、音楽的にはキキオンに近付いてゐるやうな気がする。
その後、アクターズスクールのレッスン。また小学校2年生のチビが入って来てゐる。こんなチビを教える、と云ふ条件は最初の契約の時に入ってなかったのだがネ。やれやれ。仕事復帰を祝って(?)晩酌でビール、ワイン、日本酒、呑みまくって、寝てしまった。
10日(日)-------------------------------------
休み。ヲーキングだけして、あとはひたすら家にゐて、ビデヲ見たり、本読んだり、CD聴いたり。映画「半落ち」を見る。これは原作を半分ぐらいまで読んでゐて、結末は知らぬのだ。「読んでから見るか、見てから読むか」と悩んだのだが、まぁ、見た。不覚にもばーばー泣いてしまった。映画を見て(しかもビデヲで)こんなに泣いたのは久しぶりである。寝室で独りで見てゐて良かった。こげに泣いてしまったのを女房に見られるのも、ナンである。
続いては「あずみ」。幼い頃から刺客として育てられ、また、その何人かの仲間の中でも一番強いと云ふあずみ、といふ娘(上戸彩)が、なんとまぁ華奢な肩と、白いフトモモと、傷ひとつないつるつるの顔と、腋の下をキレ〜に剃毛した腕をしてゐることよ。上戸彩って、最近のそのテの娘の中では唯一、性格悪さうとか、頭悪さうとか、さういふのが気にならぬ位、ホンマもんの美少女だと思ふが、演技はヘタだね。
11日(月)------------------------------------
ツアーから帰ってからパンを喰ふて居らぬな、と思ひ、お気に入りのパン屋『麦屋』に行くも定休日。仕方なく、近所のスーパーで食パンと、見るからにチープなハンバーガーを買った。午前一杯かけて、椎名さんのオリヂナル曲をアレンジする。結構カッコよいのが出来たぞ。
午後から少し泳いだ後、個人練習にスタヂオに入る。ノってきたので長く演りたくなるが、ビっと1時間で切り上げ、CDーRだの雑多なものを買って廻る。
エー、此所数日でCD8枚。「楽園主義/MYNTA」「New Aeon/Yae」「Sty/吉田美奈子」「Bass&voices/天野SHO」「シルクロードアンサンブル/ヨーヨー・マ」「Fillingtime with 〜/Killingtime」「Ethnografie/Paolo fresu」「Speace island/ロブ・ワッサーマン」。ちっと買い過ぎやな。
12日(火)-------------------------------------
少し雨模様。デスクワークを少しやる。ツアー後の、なんかばたばたせかせかした感じが、ようやく落ち着いて来た感あり。回数をこなすごとにツアーに疲労を感じる事が多くなって来てゐる。かういふ活動を始めたのは、たった3年前の話なのだがねぇ。
しばらくは長期にわたる滞在型のツアーはやめて、2〜3日の日程で近隣の街を巡るツアーをやらうかな、とか思ってゐる。
夜はオルカのリハ。全員が集れるのがけふだけ、といふシワさ。それなのに結構不安材料のみが残るリハとなった。皆、何やら忙しいやうで・・・。やはりまだしばらくはオルカでのライヴを休んだ方が良いのかもしれぬなぁ・・・・。
13日(水)-----------------------------------------
プールで、なにやらワシが泳いでゐるのを、水の中からぢっと見てゐる男がゐる。なんだ、キミは?。
京都の豊田勇造師匠から電話があり、6月に広島に行くので、またベース弾いてくれへん?といふ話し。しかし!調べてみたら勇造さんの云ふ日は、ワシ自身がソロで大阪に遠征に行く日であった。がーん!!。ワシも年に1回、勇造さんの後ろでベース弾くのを楽しみにしてゐるのだ。しかし、お互い決定事項なので、もうどうにもならぬ。
その翌日、勇造さんは笠岡で演るらしい。大阪からの帰りの足で笠岡に寄って、無理矢理乱入したろかな?。
14日(木)-----------------------------------------
カシラが新曲のMDと歌詞カードを持って来た。「この日曜日に演りたいので」とのこと。まぁ急を要するのは毎度の事。まかせんかい。最近このヒトの曲、(彼にしては)コードが沢山ある。しかも今回のは、メジャーナインスや、ディミニッシュなんかも使ってある。歌詞カードには『すまん、ここのコード分からん』と書いてある。何のコードか知らずにここまでの曲が作れるのだから大したもんだ。
今月25日のオルカライヴは、リハが取れずに、結局1stをワシのソロ、2ndをオルカで、と演ることにした。で、1st。まぁ完全に独りで演っても良いのだが、折角そこに居る訳だから、出来るもんなら手伝ってみる?てなかんぢで、かをりとMIやんがワシのソロ練習に顔を出しに来た。色々とやってみたが、結局MIは玉砕、かをりも3曲のみに参加となった。
ソロはPie-ZOで演ってみることにする。
15日(金)----------------------------------------
いよいよ専門学校の新学期がスタートする。しかし、ベース科の新入生は結局ゼロ。現2年生の授業のみ、と云ふ事になる。ワシら非常勤は授業数が少ない=ギャラも少ない、と云ふ事なので・・・・Oh God !。しかしまぁ足掻いたって仕方ないのだ。
授業後、うどんを食し、ソロ練習にスタヂオ入り。Pie-ZOで演ると決めたので、しっかり楽器に馴染んでおく必要がある。ヌー、ピッチが取り難いな。
最近、かうやって個人練習に入るたびに、新曲のアイディアが湧く。しかし、歌詞が書けぬ。今は書きたいテーマが無いのだ。全編スキャット(ウルワーズ)にする、と云ふ手も、ないことはないのだが・・・。ウルワーズはウルワーズで、割と体系付けせねばならぬので、結構難しいのだ。どっちみち、書きたいテーマがない、てのはウルワーズにもしやうがない、のだぁね。アー、エーィア。
4月16日(土)-----------------------------------
朝、新聞広告に、台屋悶怒シティ粗霊油のスポーツ用品店にて「コールマン・フェア」なるものをやってゐる、と見ゆ。コールマン!世界に名だたるアウトドアギアのメーカーである。見ると1〜2人用のテント、寝袋、マット、ランプがセットになったやつが¥18,000とある。ワシが今使ってゐるそれらは、35歳で急逝したバイク乗りだった義兄が遺してくれたもので、どれももうかなり傷んでゐる。ので、この際、思いきって買い替える事にした。
女房を伴って台屋悶怒シティとやらに行く。何度来てもデカ過ぎて入り口が分からぬ。とりあへずお目当ての商品を見つけ、他の商品と比較して、いちをう悩む。が、結局広告の品にした。台屋悶怒シティ内にある高級食材店を見て廻り、ついでにベーカリーリストランテで昼飯を喰ふ。焼き立てのパンが美味い。
夕刻前、MIがオルカのCD10枚を買取に来た。早く元手分を売り切ってキミらに還元しないとね。
17日(日)---------------------------------------
けふは、市内はアリスガーデンといふ処で、戦争反対集会にFar east lounge で出演。3人で演奏するのは、考えてみれば去年の大晦日以来だな。けふのカシラはウクレレのみをプレイ。ワシもイナタい音のジャズベースで対応。弾き難かった。
以前、東京の平和活動家の人物に、『何故、広島の人はもっと平和を発信せぬのか?』のやうな事を云はれ、『あんたに何が分かる?』とやり返した事があった。確かにワシらは被爆地に生まれ育った。しかし、だからと云うて義務まで生じるのか?。云うなれば、被爆地に生まれ育った事は単なる縁であり、業である。あんたが広島以外の地に生まれ育った縁や業と、何ら変わりはないのだ、と云いたかったのだ。
ワシは由縁のあるミュージシャンが広島を訪れたら、時間が許す限り、原爆資料館に行かれる事を薦めてゐる。とりあへず、見て、もらいたい。それで何を感じるかは、その人の自由だ。
さて、出演が終わり、まだ昼。メンバーはそれぞれケツカッチン。スタッフのイノマルもこれからライヴだと云ふ。ワシひとり、暇なのだ。日曜日で、昼下がりで、良く晴れてゐて、風は涼しく、気持ち良い。絶好の散歩日和である。フと、思い立ち、ウチまで歩いて帰ってみる事にする。ほぼ10キロ。チャリで50分くらいやから、まぁ2時間もかからんやろ。と、ぼーちぼーち歩く。途中、昼飯を喰ふ。更に歩く。
この時間は、一日で一番空気が弛緩する時間帯だね。飯喰った時間入れても2時間ちょっとで、我が家に帰って来た。良い散歩だ。
18日(月)------------------------------------------
今期から専門学校の月曜日の授業が、午前中から始まるのである。ア〜、マンデーモーニングはしんどいな。しかし、昼までやれば一日の仕事は終了。所謂半ドンの生活をエンヂョーイできるのである。これはオイシイ。
てなわけで、けふは半ドンの後、プールでひと泳ぎ。夕刻からねこのづくの練習に行く。新曲がある。椎名さん、オリジナルを作りはじめた途端に、物凄いペースで書きまくってゐるな。これまでの音楽生活で蓄積された知識とモチベーションが、今、彼女の中で「創作」といふベクトルに向けて、まさしく『堰を切った』やうに溢れ出してゐるのだ。早い所、全曲オリジナルで2時間ぐらいのライヴが出来るやうになれば、これまた楽しからう。
練習の後、佐伯&椎名ファミリーの食卓におぢゃまして、家族+1で夕飯を頂く。当然、呑む。此所の二人の子供が、これまたワシになつく。これはしかし、犬や馬に子供がなつくのと、多分同じ事なのだらうな。さう思って写真を見ると、うむ、確かに大型のレトリバーかコリィ犬に子供が身を預けてゐるやうな風情が感じられる。
19日(火)------------------------------------------
かをり、まちゃあき両名と、パット・メセニー・グループのコンサートを見に行った。
凄いものを見せられた、と云ふかんぢである。神性、と云ふのだらうか。あれは、間違いなく、楽器を弾く「神」であるに違いない。溢れ出すやうな美しい旋律。繊細の極みのやうな楽曲。1曲の中の恐ろしい程の情報量。鼻歌でも唄ってるかのやうな即興。それをぶっ続けで演奏出来る集中力(前半は1時間15分ノンストップだった)。ワシがあと253年かけても、あの地平には辿り着けまいな。参った!。参りました。
帰り道、20分位歩いて駅に向かうが、途中、ギター少年達が夜の公園で、耳障りな唄をがなってゐる。「♪だから〜ぼ〜くは唄うのさぁ〜」せっかく素晴らしいものを聴いて来た耳が腐っちまうから、やめてくれんかの。君らが「唄う理由」とする路上の露のやうな価値観など、到底及ばぬ地平が、この世にはまだまだあるのだよ。
20日(水)------------------------------------
メセニ−ショック醒めやらず。思わず部屋に機材をセットアップして練習してしまう。毎日やんなきゃ意味ねーっての。
最近気付いた事。フラットワウンド弦って、ぢつは滑り難いのだね。ラウンドのデコボコがないから、スライドやらが演り易からう、と思うてゐたが、手に汗をかけばかく程、滑り難くなるのだね。これは知らなんだ。対策が必要。
21日(木)-----------------------------------------
けふは五日市のコミュニティFM「ななみ」の番組に生出演すべく、行く。まだ開局1年目の若い放送局。ちょいとした縁で出演させて頂く事になった。CDとツアー、近々のライヴの事を中心に、フリートークを20分ちょい。放送中『どんな音楽なんですか?』と問われて、『ん〜〜まぁ何と云いますか・・・えせニックな音楽ですかね?』と答えた所、一瞬パーソナリティの表情が固まった。まずい!『似非(えせ)』といふのは放送禁止用語だったか?。が、後で業界の人に訊いてみた所『そうだったっけな?』といふ返事。真相は闇の中。詳しい人がゐたら、ご一報下さい。
帰宅して茶を啜るヒマもなく、レッスンへ。ジモミュージックの佐藤さんに、メセニ−がどんだけ素晴らしかったかを力説する。
9:00まで仕事した後、Cafe JIVEでFar east lounge のライヴ。びっくりするぐらいお客さんが少なかった。カシラが独りで演った1stステージでは、結構なポカをやってしまったらしく、なんかテンションが低い。2ndはワシとツンちゃんが入って、少し盛り返せた(カシラ談)さうだ。新曲も3つ。1曲ソロコーナーをもらって「月の路」も演った。このユニットも少々転機に入ってゐるやうな気がする。良い方向に変わって行きたいものだ。
22日(金)-------------------------------------------
バッテリィがイカれて、永らく修理中だったバイクが直った、との事で、バイク屋さんに引き取りに行く。久しぶりに跨がるスカイウェイヴ250。季節もちょうど良い頃合いだし、またバイク生活、始めるかねぇ。
この春に発売になった、と云ふ某メーカーの、見るからに巨大な新型バイクの広告を見ゆ。規制緩和で高速道路での二人乗りがオッケーになるのを汲んでの、タンデム走行を前提にした大排気量スクーターだとか。ワシがバイクに乗りはじめた20年前には、まさかこのテのバイクが此所までの需要を得るとは思ってもみなんだけどねぇ。
遂に「自動二輪オートマティック免許」、とやらも登場するやうだし、このテの大型スクーターは、完全に市場のニッチを形成するに至ったやうである。ワシなどはオートマの普及=事故多発、と云ふ図式しか思えぬのだが、まぁ皆さん、せいぜい事故のないやうに乗りませうぜ。
4月23日(土)-----------------------------------
毎年恒例で出演させてもらってゐる、五日市のさくら祭に、今年も出演。去年はアクースティックベースでソロを演ったのだが、今年はどーしやうかな?、ギターで演るべかな?とか思ってゐたが、出来上がったパンフレットには『梶山シュウ:ベース&ヴォイスソロパフォーマンス』と書いてあったので、ぢゃそれで、と「独弾」を演る。
ワシはフラメンコのダンスの後に出演。昼の1:30。暖かいが日射しは弱く、過ごし易い。いつものやうにユルくスタートして、いつもの演目を演る。月の道/丘にのぼる時/Rain fall/春/此岸の朱。昼下がり、といふ事もあるのか、半分以上の人が寝てたやうな気がする。真正面に子供を抱いた中年の女性がいらっさって、目を閉じて足でリズムを取りながら、うつらうつらして居られた。
演奏の最中に寝られる事については、ひとそれぞれに考えが違って、人によっては腹を立てたりするのだらうが、ワシはむしろちょっと嬉しかったりする。静かな声で「おやすみなさぁ〜〜〜〜いぃ」と耳もとに囁くやうな気持ちで演奏するのは、悪くない。結構色んな人に云はれるンだよな、眠くなる、て。
一旦帰宅してアクターズスクールのレッスンへ。その後、佐伯家にてネコノヅクのリハ。練習後、飯を喰ひに行くが、明日が早いのと、車で来てゐるのとで、酒、呑まず。
24日(日)------------------------------------
広島市は西区、観音に新しく出来た巨大アウトレットモォル(なんぢゃ?それは)のイベントに、Far east lounge で出演。アウトレット商品を売る店がいっぱい入ってゐて、中は長大なテーマパークのやうになってゐて、リストランテあり〜の、観覧車ありぃの・・・・・。まぁ正直云ふて、焦点が全く絞り切れてない、といふか・・・・。少なくともワシは、こんな事でもないと絶対に来ないだらうな、と思ふ場所。地平線が見えさうな広い駐車場を見て、ちょっと前まで呉市にあった、呉ポ−トピア、と云ふやはり焦点が絞り切れてゐない巨大遊園地を思い起こす。あれ、何年でツブレたんだっけ・・・?。
中庭の船のやうな、と云ふか船を象ったメルヘンなスペースで演奏。目の前が店舗。前回バンドが出た時は音量への苦情が殺到したと云ふ。そらさうだらうな。それを危惧したのかカシラは殆どをウクレレで演奏。それはナイスな選択で、ユルめのテンポの曲はTPOにマッチして、結構通行人が足を停める。逆にワシのソロ(Rain fall/Tes de taz;)なんぞは、誰も聴かぬ、停まらぬ、拍手も起きぬ。
ステージは全部で5回。うち3つをFar eastで、残りをツンちゃん率いるパ−カッション部隊で演る。ワシはパ−カス部隊にも参加。久々にジェムベを叩きまくった。まぁ好きで全ステージ参加したのだが、とても疲れた。
夜は、楽座に茶木みやこさんを見に行く。名古屋ライヴで世話になったNさんが軽く関わってゐる。茶木さんは、むか〜し昔の土曜日の夜、横溝正史のドラマシリーズのエンディングテーマを唄ってゐた人。まぁ所謂フォーク歌手といふスタイルだ。内容もその通りで、さすがにこの時代のこのテの人達は、歌詞がよく練られてゐる。ラヴソングひとつ取り上げても、昨今のJ-Popとやらのとは全然違って、深い。
が、しかし、やはりギター1本弾き語りのスタイルで2時間、といふのは、相当の事をやらぬ限り、ダレてくるのは否めないなぁ。ライヴの難しさよ。茶木さんのギターが「唄の伴奏」の域を出ていないのも、結構大きな要因かとも思ふ。
長渕剛はとにかくギターが上手かった。あの技術があってこそ、彼はギター1本であれだけの事がやれたし、あれほどまでに成れたのだらう。
25日(月)---------------------------------------
午前中の授業をひとつやり、オルカのライヴに備える。
けふは充分なリハの時間が取れなんだ事から、オルカは後半だけで、前半はソロ。前々から計画してゐたPie-ZOの弾き語りによるライヴにチャレンヂしてみた。良い機会なので、新曲も用意。色々と実験的な事をしてみる。
最近オルカは、ワシと残りの3人が完全に別部隊となってゐて、彼らは良く一緒に行動してゐるやうだが、ワシは独りで会場入りする事が多い。ますますソロで活動してゐるやうな気になってくる。椎名さんに『孤高の男』と云はれ、『そんなことはない』と否定してゐるが、やはりさうなのかね?。まぁええけどよ。
さておもむろにソロから始める。Zo-3はとても小さいので、抱えて弾くのにコツを要する。クラシックギターを弾く時のやうな足台があればよいが、さすればえへくたーを踏めぬ。まぁこれも習練かね。いつもの「月の路」「丘にのぼる時」に引き続き、初の試み。小林一彦の「星の波間に」をベースラインだけで唄う。続いて完成してまだ1回しか演った事のない「タ・ルガシュの空の下で」。さらに、今朝完成したばかりの新曲「ラノエティア」。ここからはかをりにジェムベで手伝ってもらった。これも初挑戦、かをりとデュオで「Tes de taz;」。シメはソロで「此岸の朱」。約40分。Zo-3はやはり使いにくい。
結構お客さん入ってたけど、えっらい反応が薄くてリハをやってゐるやうな気がしたものだ。そんなにオモロないスかね?。
後半はオルカで元気よく。「Returning」「エトランゼ」「不知火」「月の舞い」「ペンギンカフェで逢いませう」「美唄」「帰れアジアへ」「坂に続く道の途中で」。アンコールで「もとのもくあみ」。1時間ちょっと。まぁ良いライヴが出来ました。
3日唄い切って声枯れナシ。けふも汗ひとつかいてない。まだ100曲ぐらい唄えさうだ。打ち続くツアー、瞑想やヨガによってニルヴァーナを果たしたかっ?。
26日(火)--------------------------------------------
専門学校。昨日のライヴに来てくれた生徒が『新曲が良かった』と云うたので、歌詞カードをプレゼントしてやった。
午後、ちょいと実家に顔を出すも、誰も居ない。背油ラーメン喰ってレッスンへ。少し前に此所の楽器店を退職したバイトの娘が遊びに来た。2時間ぐらい話しする。ちょいとばかりふさぎ込んでゐたり、精神的にしんどいな、といふ人達が、ワシと一緒に居たら少し元気になる、といふやうな事を、よく云はれる。気の利いた事を云ふてあげる訳でもないのだがね。
まぁ、こんなんで良ければ、いらっさい。
27日(水)-----------------------------------------
朝、プールへ。最近、ここの職員にワシの商売がバれ、しばらく顔を出さないと『今回はどこをツアーされてたんですか?』とか訊かれて、別にサボってただけなンやけど、と思いながら『ちょいと近場を』とか答えてしまふ見栄っ張りなわたくし。
仕事に行きついでに実家へ顔を出し、しばらく前に仙台に行ってきたと云ふオフクロに、笹かまぼこの土産をもらった。既に賞味期限ギリギリだったので、レッスン先で店員やら生徒やらに配る。数個、家に持ち帰り、山葵醤油で喰ふと、うむ。
28日(木)------------------------------------------
某人に「何故梶ヤンはライヴを演るのか?」と訊かれる。そんな事は考えた事もないけどね。最近は「さぁ!ライヴやるぞ!」と云ふ程のものですらなくなってゐるやうな気がする。普通に呼吸してて、時には深呼吸してみる、ぐらいの事だな。
ただ、最近自分の中で味気ないな、と思ふこともある。特に最近のワシは『ライヴの為だけの日』てのが、ほとんど無いのだ。大概は午前中はレッスンとか、ライヴの後は次のリハとか、感動や反省をしてゐるヒマがないのが現状。乱暴に云ふと、ライヴが『一日の中でやる行事のひとつ』になってしまってゐる。趣味で演ってる人達みたいに、計画立てて、打ち合わせして、わーとライヴやって、お疲れでした!と全員で打ち上げや反省会やって、とそれはそれでウザかったりするが(笑)、さういふ『ささやかな達成感』が、縁遠くなってしまってゐるのは、ちょっと寂しい。
まぁプロで演る、といふのはさういふ事なんだらうけど。それが嫌ならアマチュアやってろ、って話か。
29日(金)----------------------------------------
巨大な自然の中に入り込みたくなったので、軽い登山に行くことにした。手軽な処で安芸の宮島は弥山山頂(標高540メートル)。単独行のつもりだったが女房が同行を申し出たので、一緒に行く。女房も山育ちなので、まぁ大丈夫だらう、と思ひ、登山ルートの中でも一番険しいのを選んで登る。ほぼ垂直に近い急勾配をえっちらおっちら登る。おそらく100年以上はこの場所にあるのだらうな、と思わせる巨石や、樹齢なん百年と思われる巨樹と出会ふ。険しいルートなので他の登山客も全然居ない。まぁ弥山は、どんだけ山深くともクマが出る事はないので、気は楽である。
1時間半くらい登った頃、いきなり視界が開け、カーンと空と海が眼下に広がった。これだ、と思った。さすがにバテた女房を休ませておいて、最高峰までは独りで登る。ぢみな運動を続けてゐるお陰で、足腰は全く問題なし。ゆうべ寝違えたらしい首の方が痛む。下山は無理をさせずにロープウェイで降り、ふもとの食堂でおおもりカレーを喰ふ。
ぢつは山を始めやう、と思ってゐて、今回のはそれの準備運動のやうなもの。なにせ脚がアレなので、どこまでやれるものかは分からぬのだが、最終的には単独行でビヴァークができるやうになりたい、と考えてゐるのだよ。
印象的だったのは、やはり音だ。山頂近くまで来た頃、せせらぎのやうな音が聴こえた。『近くに川があるンかな?』と思ったが、いつまで経ってもそれらしいものは見えぬ。それは風の音だったのだ。風は、岩と木の間を通り抜ける時、水の音としか思えぬやうな音を立てるのである。
思わず岩の上に立ってウルワーズをひと節、アー、エーイァ、オーエァア〜。
別記---------------------------------------
ゆんべ、登山帰りのべたべたに疲れた頭で書いたこのコーナーを、見直して、アホの文章のやうだったので、書き直した。
30日(土)-----------------------------------
譜面書き、歌詞作り、生徒の為のラップの作成、アクターズスクールでのレッスン。
随分長い間探してゐた、北欧のグループのCDの通販サイトをようやく発見。しかし、デンマーク語か?これは。CD代金の通貨すらなんなのか分からぬ。DKKってドラクマだったっけ?。レートは?。更に探すうちに同じサイトの英語のページを発見!。苦労するには違いないが、光明は見える。女房と辞書片手にあーでもないこーでもない、とやること幾数分。なんとか「契約成立」まで漕ぎ着けた。さぁホンマにデンマークからこのCDが送られて来るのでせうかー?。