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1日(金)-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
本格的な衣替えのシーズンだ。しかし、朝夜は肌寒い。昨今、女子高生の制服の着こなしがだらしなくてイカン。全然、可愛くもセクシーでもない。なんやあれは?。
以前、このサイトで紹介した、シタールを弾き語る妙な女性アーティストギャビィ・ララが、なんか畑か庭か牧場か、みたいなところで唄ってる映像を見た。話し声とかいっぱい入ってゐて、お世辞にも『ちゃんと聴かれてゐる』ふうではない。でも、頑張って唄い、にこやかに挨拶までしてゐる。健気である。これ、営業かなんかなんだらうか?。
この秋のツアーは広く各地を廻るのではなく、東京に5〜6コ集中してライヴを入れる事にして、そのやうに動いてみる。その代わり、夏場に日帰りもしくは1泊ぐらいで、九州、四国あたりを単発で行けるやうにしてみやう、と思ふ。この点と点が、いつ「線」となって繋がるのだらうか?。楽しみでもあり、怖くもあり・・・。
2日(土)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
リハもなく、仕事もない。女房と買い物に行き、少し練習したらあとはづっと読書。藤原伊織氏の最後から2番目の長篇となった「シリウスの道」。乱歩賞を獲った名作「テロリストのパラソル」と少しストーリィが被ってゐて、テロリスト〜の話が好きだったワシには嬉しい。中でも、テロリスト〜から引き継がれてゐる『カレー味のホットドッグ』のくだりは、猛烈に食欲を刺激する。
株と広告、といふ、ワシには全く縁のない世界を描いた長篇だが、無理なく読める。自分の得意分野を書き並べて悦に入ってるやうな「文学」が多い中で、これはやはり作家の力、であるといふ他はない。音楽もかくあらねばならぬ。
3日(日)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
御贔屓のライヴバァ「スマトラタイガー」12周年記念パーティーライヴ、に出演す。例によって小林のカシラからは何の連絡もなく、ワシが自分で調べたライヴ時間から逆算して会場入り。店の前でばったりカシラと会う。開口一番『おぉ、お前に連絡するの忘れとった』ぢゃげな(笑)。
ライヴはパーティー、と云ふ事もあり、出演者のタイプはバラバラ。初っ端は今どき珍しいジャパメタのコピーバンドだった。キツい(笑)。しかしヘビメタといふジャンルは、見事なまでに様式美であるな。あれ程の技術を、その様式美の中だけで使うしかない、てのも、ワシから云わせりゃ勿体無いと思ふのだが。
ウチらFar east lounge は3人揃ってのライヴは久しぶり。まぁ例によって、ステージに上がって音を出してゐても、何の曲を演るのか知らない、といふ。けふの1曲目なんざカシラもなんも云わずに始めるもんだから、ツンちゃんもワシも入るタイミングを逸し、結局ベースとパーカスは入らぬまま終わった。でも流石にこの3人。カシラもしばらく本業で相当キツい日々を送ってゐたらしく、今まさに解き放たれて、猛り狂うやうに唄ってゐる。良いライヴとなりました。
その後、友人バッキー盛岡や、ちょいとキツいレゲェのバンドとか、ダンスユニットなんかも出た。ワシは残ってKOBAのBomくん率いるSPINSに飛び入りする事にした。前々から演ってみたかったのよ、このバンド。打ち合わせも全くナシの本番だったが、ハッキリ云って凄いライヴだったね。シモッチのスクラッチとキヨのマシンガンビートが暴れ回る中を、さらにワシのベースがまぜっ返しながら地面を揺する。K介のギターとBomくんのシンセが宇宙空間まで切り裂く。観客置いてけぼり(笑)。いやぁやっぱりオモロいわこのバンド。正式メンバーになりたいなぁ。
SPINSもリハはほとんどせず、打ち合わせもナシ。Far east〜 もさう。う〜む、ワシはこの方向ならホンマ敵なし、に演れるのだなぁ。
4日(月)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ライヴ翌朝の専門学校はキツい。授業中、女房からウチの実家の家族が交通事故に遭った、といふ知らせを受け、授業を終えた足で実家へ急ぐ。家族4人が乗った軽自動車に、20トントラックが、いわゆる『カマ掘り』をしてしまった、らしひ。幸い大事には至らなかったやうだが、オフクロがムチ打ち。しかし親父はピンピンしてゐて、「ワシぁどーもないで」。追突された後、外に飛び出して文句まで云った、とか。80歳の老人が20トントラックにカマ掘られてピンピンしてんなよ、と思ふ。聞けば1ヶ月前にも、主婦の運転する車に自転車ごと轢かれ、チャリは大破したが本人は「膝を擦りむいただけ」ださうで。これは絶対に100歳まで生きる。
5日(火)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
授業&レッスン。合間に久しぶりの独弾練習す。ここ数カ月独弾に行き詰まってゐて、練習しててもあんまりオモロい気分にならない。新曲、作らなアカンなぁ。それに、タマになんかものすごい自分が下手な気がして、さういふ時はフと死にたくなったりす。
6日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
今月のIn Duet'sのリハにmichiko(トダミチ)と入る。この企画シリーズ、ワシは単なるデュオライヴにする気は全然なくて、むしろどっちもが『何をして良いか分からん』処から始めねばオモロない、と思ってゐる。トダミチとは何度も共演してゐて、実力も知ってゐるが、あえてほとんど準備せずにスタヂオに入った。
二人で音を出しながら、なにが演りたいか、なにが演れるか、を考えて行く。考えてみると、一番最初に女性Voとベースのデュオを演ったのは、このトダミチ相手だった。今はしーなとシュウで普通に演ってゐる事だが、やはりトダミチ相手だと格段に「今ふう」のものになる。しかしこの娘、初めて出会った頃って確か中学生とかぢゃなかったか?。
7日(木)------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
電脳ドラマー上ちゃんこと上野友敬から仕事について相談を受ける。日頃忘れてしまいがちだが、ワシらの仕事はホンマに「水物」だ。けふあった仕事が明日ある、といふ保証は、ぢつは何処にもない。タマに同じ境遇の友人とかういふ話をすると、それを思ひ出す。それでなくとも売れてない音楽家が、ある日を境に全く仕事が来なくなる瞬間。それを思ふと、少し怖い。
ある種の陰謀の噂を、意外な処から耳にしてしまふ。好むと好まざるとに関わらず、ワシはそれと戦わねばならぬ。超然とありたい。誰からも遠い所で。
8日(金)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
金曜日はキツい。専門学校3コマ。珍しく昼飯をケンタッキーにす。その後、買い物をしておいて、Soe'sのリハに行く。けふは新しいマリンバー荻原リカさんと初音だし。リカさんは広島を代表する打楽器奏者。以前、TVの仕事で御一緒した事があり、マサミとも旧知の中、と云ふ事で今回、お試し的に参加して頂く事になった。しかし、都合でマサミは休み。ワシとパイグ、ベース2本とマリンバ、といふ形でのリハとなった。
『私は即興は全然ダメですよ』と仰るが、7/8、2/4、10/8、6/8、が並ぶ変拍子を初見で叩いてしまふのには脱帽。前任の瞳ちゃんも譜面には強かったが(クラシックの人だから当たり前か)、リカさんはもっと凄いやうだ。ワシら自分が書いた譜面も間違うでよ。まぁ取りあへずレパートリィを全部一緒に音だしして、雰囲気を掴んでもらふ。よいかんぢに演れたらいいな。
帰り、ものすごい雷雨。追加の買い物して、明後日の営業で使うアンプを現場に運び込んでおく。なんかたいへん疲れた壱日。
9日(土)-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
魂の芸術家AKIRAさんとFar east loungeのライヴがある日。日中は自宅でごそごそと曲を作る。久々の「えせニック」フレーヴァー満載の新曲は「あやかし」と云ふタイトルにするか「ラフレシア」といふのにするか、迷い中。
さて夕刻、会場のPICOに入る。セッティングをしてゐる内にツンちゃんと、AKIRAさんがやって来た。AKIRAさんほぼ1年ぶりぐらい。去年は自身のバンド「オンセンス」を伴ってのライヴだったが、けふはソロらしひ。ワシらは先週に引き続きトリオ。例によって打ち合わせはナシ。それでも新曲があったりす(笑)。
開演時間には立ち見も出るほど沢山のお客さんがPICOに詰め掛けた。さすがAKIRAさんの力。今回、ワシもカシラもほとんど動員できなかったので、これにはほっとす。
まづ、先攻でワシら。先週のスマトラとほぼ同じラインナップだが、South side avenue band時代(しかしこの男は長いバンド名が好きだな)の「Telephone」をやった。小林一彦のイマジネーションと都会的センスが集約されてゐる、と云っても過言ではないこの曲、ワシは昔から大好きだった。久々に演れて楽しい。けふはヴァネッサでなくドゥナを初めて全面的に使ったのだが、問題なし。今後Far east〜はこっちで演ることにしやう。
恒例のソロコーナーでは作ったばかりの新曲「あやかし」をやった。曲中、たまたまアンプに立て掛けてあったAKIRAさんのギターが共鳴して、タンブーラのやうなイキなドローンを発してくれてゐた。別に珍しい現象ではないが、曲調と相まってえらく効果的だったらしく、後で色んな人に『あれは仕込んだのか?』と訊かれた。フォースだな。
好評のワシらに続き、AKIRAさんのアコギ弾き語り。うぅむ・・・。ワシは元来このテの、沢山の(多すぎる)言葉をメロディに乗せて切々と唄う、といふタイプの音楽は苦手なのだが、この人の唄には感涙を禁じ得ない。この人が感じてゐる事、思ってゐる事、伝えたい事・・・それらが、共感出来る出来ないは別として、まっすぐ心に届いてくるのだ。さう、リアルなのである。限りなくリアルなのだ。唄や演奏が達者な訳ではない。しかし、強い。ワシはけふ、久々に『演奏が達者である事がどうしたといふのだ?』といふ事を、考え込まずにはおれなかった。プロとして技術があるのは当然、と思ひつつも、かういふ「強さ」を持った唄には絶対にかなわない自分の技術を思ふ。青臭いね。
素晴らしいライヴだった。お客さんが帰らんのだよ!、終演後1時間ぐらい経っても・・・・。打ち上げも楽しく、呑んで喰って語って3:00過ぎまで。最後はAKIRAさんと固く握手を交わし、明日の仕事の為、一足先に失礼す。
10日(日)--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
けふは譜面仕事。「ひよこ音楽舎」のコンサートのバックを務める。
なんやかんやで昨日帰って来たのが4:00ぐらい。朝のうちに会場入りせないかんので、無理矢理起きて電車で行く。15曲をほぼ初見で演奏するのだが、流石にリハでは頭がまだ回っておらず、阿呆のやうなミスを多発してしまふ。利歩美端Dを呑んで気合いを入れ直す。けふはGu,Pf,とワシ、なので、リズムはワシの役目なのだ。
本番はまぁ集中して出来た。うむ、この集中力を忘れぬ為にも、このテの仕事がもっと増えてくれたらいいのにな、と思ふ。
ギャラをもらひ、タクシー代も頂くが、電車で帰って節約す。
11日(月)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
専門学校の後、しーなとシュウのリハ。セロも使う。なんか最近、ワシ個人の興味が即興とかの方に向いてゐるので、あんまりガチガチに構成を決めたりするのがつまらんやうに思へる。ので、このデュオでも細かい事を決めたりせずに演りたい。そもそも特定の曲のために特定の楽器を用意したり、えへくたーを使いたいが為にある曲を用意するなんざ、やっぱりちょっとオカシイ、と思ふ。
さういふ事を椎名さんに話し、けふのリハは、かなり自由に演奏してみた。この自由度を相手と一緒に楽しめるやうになれば、ホンマにリハなんか要らんバンドができるんだらうな。その地平に行きたい気もする。バランス、であるなぁ〜。
12日(火)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
数年前に某テレヴィ局に寄贈したワシの曲が、今も思ひ出したやうに流れる事があるらしひ(ワシはTVを見んので知らん)。確かにあの時、覚書にサインはしたけど、使うなら使うで、なんかヒトコトぐらい云えよ、と思ふ。どうせ『使ってやってるんだから』みたいな気で居るに違いない。
別に新規にギャラ払えって云ふつもりもないし(ホンマは払ってほしいが)、確かに使ってくれりゃ嬉しいけど、はがきの一枚ぐらい送って来てもバチは当たらんと思ふがねぇ。
13日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
なんとな〜〜〜〜く梅雨らしい天気になってきた。夕方の生徒の休みの連絡が入ったので、割と大幅な時間が余った。この時間をクリエイティヴに使えば良いのだらうが、なんか割と持て余して無駄に過ごしたりす。
ヴィッキィ・クレイトン、といふ女性シンガーソングライターのCDが届く。全編ベーシストと二人だけで作ってあり、このベースがまた上手い。曲によってはベースと唄のみ、てのもあって、しーなとシュウやトダミチやミっちゃんとのコラボの参考にせんとするが、上手すぎて真似できまへんな。
14日(木)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
朝、楽器店の企画会議。白熱した会議となるも、ワシは時間切れで途中退席。一旦ウチに帰るも、飯を喰ふヒマもなくレッスンへ行く。アー、なんか金にならんのにやたら忙しいぞ。てゆーか、移動が多すぎやがな。
夜、なにを思ったかフイにGressiveのシヴァと酒を呑みたくなって、誘う。「筋カレー」の美味な居酒屋で、久しぶりにあれやこれや話しながら、呑む。『シヴァギターのスタイル完成まで10年かかった』といふ。ようやく完成したので、これからが勝負なのださうだ。ここにも燃え尽きてない男ありき。
音楽の事だけでなく、映画、読書、感覚・・・・、この男とはリンクする部分がかなり多いので、話はいくらでも続く。カンバンまで居座って、もう1軒行く。ここで宮崎の地鶏のなんかを土産に貰ったやつを喰ひ、これがやたらと美味だったのを憶えてゐる、が、その他は記憶なし。
15日(金)-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ゆんべ、何時に帰って来たのだらうか?。吐いたりはせぬがかなりの二日酔い。記憶もほとんど残ってない。朝PCを立ち上げてみると、昨日のうちに受信したメールにちゃんと返事を返してゐる。しかも、割とマトモな事を書いてゐる。ん〜〜〜〜。ツラいが専門学校に行く。が、生徒の方が休みやがった。
夕方、別教室でレッスンした後、ミっちゃんとリハ。今度のライヴでベースと唄だけで演る曲があるので。簡単なループとベースラインだけで、イメェジしてゐた通りの事が演れる。ようはイメェジなのだ。ミっちゃんからも賞賛。さすがワシ!。
我がCD「きねつき」が、こたび大阪の通販専門サイトMusic Termから発売される事になった。今まで自分が購入に利用してゐたサイトで、自分のCDが売られるやうになる、てのは、感慨深いねぇ。
16日(土)-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
色々と忙しい中、土曜日が来るとほっとす。しかし、つい朝早く起き出してヲーキングなぞするワシ。かういふ風に、人から云われた訳でもない無理を自ら進んでやってしまふ状況を、『軽躁状態』と云ひ、これは典型的な鬱病の兆候らしいのだが・・・・。
しーなとシュウ、レコーディングの追い込み。昨今のデヂタルレコーディングは、なにやらややこしくて、録音したものがそれぞれ少しづつズレてしまったりするさうな。その対処の仕方がマズかったらしく、オペレーターの間でごやごやしてゐる。なんとも面倒だねぇ・・・。シムプルにやりませうや。
恒例の「会食」はインド料理。ここで、ちょいと人に云へない事を目撃してしまった。嗚呼っ云いたい!。
17日(日)--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
豊田勇造in広島。毎年勇造さんが来ると『もう梅雨入りか』といふ気がす。16:00に会場であるOTISに入り、1年ぶりの勇造さんと再会。ライヴはいつものやうに小林のカシラとワシとで、オープニングアクトを務めさせてもらふ。けふはワシらの前にもう一人、飛び入りっぽい前座の唄が入ったが、これはキツかった。思いを唄にするのはいい事だ。しかし、誰でもが、それを人前で演って良い訳ではない。ハッキリ云おう、ヘタはステージに立つな。
ワシらは、まぁいつものやうに。ワシのソロも含めて、けふは大人しめのラインナップだったかな?。最近カシラはこの規模のライヴとなるとウクレレしか持って来ぬ事が多い。けふもさう。一応、今までギターで演ってた曲も、全部ウクレレで代用出来るやうになったらしいのだが・・・。
さてその後の勇造さん。名曲『花の都ぺシャワール』で幕を開けてから、MC無しで一気に30分突っ走る。けふは新作のキャンペーンツアー(?)らしく、新しいアルバム「夢で会いたい」に収録されたナンバーを中心に。毎年違ったライヴを見せてくれる勇造さんだが、ますます進化してゐる。凄い。後ろの方でカシラと唸ってゐる。
それから恒例のサポートタイム。今年は新曲のほとんどを一緒に演らせてもらった。
素晴らしいライヴだった。勇造さん個人的にはシムプルなベース弾きの方が好きらしい。それでもワシに弾かせてくれるのは、『訳分からんでも唄いやすい』からださうで、こんな素晴らしい唄うたいの人と一緒に演れて、なをかつ評価される、といふのは、やはり自分が信じたやうに演るしかない、と云ふ事なのだらう。ありがとう勇造さん。
新作に入ってゐる『はだしの唄うたい』といふインドを舞台にした曲をカヴァーする事を了承してもらった。「シュウちゃんなりに唄ってみて。楽しみにしてるよ」と云ってくれた。また来年お会いしませう、勇造さん!。
18日(月)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
うー、眠い。専門学校で1コマ授業をして、ケンタッキーで昼飯を喰ひ、michikoことトダミチとのリハに行く。一応、けふを最後に、もう本番の日の音合わせまでリハはせぬことにした。
このふたり、『世界で一番気の合わないデュオ』と云はれる所以は、なんと云っても「唄のリズム」が徹底的に違うこと。ワシからすれば『なんでそこで!?』といふやうな場所で韻が踏まれ、メロディが動き、ブレスが入る。なんとかハモったり、合わせたりしやうと試みたが、途中から諦める。世代の違いかねぇ・・・。敢えてバラバラに演るのもオモロイかもしれぬ。
その後、トダミチをレッスン会場まで送り、しーなとシュウのレコーディング最終段階に参加す。ジェムベに何度かトライしたが、良いテイクが出せなんだので、結局ボツる事にした。こまごました唄や合いの手を入れ、椎名さんの唄を録り、一応、録音の全課程は終了。あとはミックスダウンだ。やれやれ、まだまだ先は長いでよ。
明らかに疲れてゐるやうで、椎名さんにも指摘をされた。「毎週末ごとにライヴ」ていふ事態は、想像以上に疲れるな。まだ毎日やってる方が楽かもしれん。
19日(火)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
お疲れモードである。目が覚めた時、すでに疲れてゐる。寝苦しい訳でもないのに・・・。
夜、渋谷のスパ施設爆発のニュゥス。温泉に含まれる天然ガスが、なんらかの形で引火したらしひ。凄まじい爆発だったやうで、建物がほとんど骨組みだけになってゐる。TVのニュゥスでは、テロップに『爆破現場』と出て、さらにアナウンサーも「爆破したのは・・・」などと云ふ。この御時世にそのやうなミスは洒落にならんぜよ。
東京、といふところは、深く掘ればどこからでも温泉が出てくるさうだ。そんな所にさんざ地下鉄だの何だのを通してゐるのだねぇ。さらに云へば日本なんざ火山帯の上に島が立ってるやうな国。こんな地震だらけの国に、ポジティヴな核兵器とも云へる原子力発電所。なをかつ、放射性廃棄物を天然ガスや地震の巣がうようよしてる処に埋めて次世代に押し付ける「地層処分」。ウーム、子供を作る気にはなれぬ。
20日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
朝、いつもの場所でヨガだのしてゐたらイタチと遭遇す。金色の体毛が朝日に光ってとても美しい。飛び跳ねるやうに駆ける姿は、神々しい、とも思へる。さう云へば以前にもこの近くでヌートリアが泳いでゐるのを見かけたな。ここは野生の王国かっ?!。
仕事でしょっ中海外に出張させられる生徒がゐて、ここ数週間休んでゐるので、またか,と思ってゐたが、その通りで、なんと昨日までサウジアラビアに居たらしひ。なんか『明日、行ってくれ』みたいに云われるらしく、そは仲々たいへんな仕事なり、と思ふ。反面、ちょっっとばかり羨ましい気もす。
21日(木)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ヌ〜、テンションが上がらぬくせにイライラしてゐる。けふなど公園でヨガ中に小奇麗な座敷犬が吠えついて来やがって、これに本気でケリを入れさうになった。まぁ本気で蹴ったところで、ワシのなまくらキックが命中するほど、座敷犬と云へども落ちぶれてはおらぬか・・・。
胃の調子が悪く、ここ数日酒を控えてゐたのだが、好転する気配がないので、呑む。夜半、近所で夏莫迦どもが花火を打ち上げて騒いでやがり、またイヤな季節が近付いたな、と思ってゐたら、突然土砂降りの雨となる。天罰ぢゃ。ざまみろ。
22日(金)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
まぁ、このくらい降らねば、ね、と思はしむる梅雨らしい天気。専門学校3コマの後、スタヂオ入りしてソロの練習。そいから昔の生徒に頼まれてギターを教える事になってゐたので、待ちあはせの場所に行くも時間になっても来ず。20分待った頃に電話がかかり、呆れた事に「今、家にゐる」と云ふ。事情はあるのだらうが、少なくともナニカ教えを乞おうとしてゐる人間(年上)に対する仕打ちか?これが。
レッスンをキャンセルして、貸してもらふ事になってゐたスタヂヲに謝罪に行く。椎名さんと中野チカラさんがリハをやってゐた。ついでなのでこの二人とお喋りして帰る。あのまま帰ってゐたら、流石に精神にどす黒いものが溜まってしまふ処だったが、二人と話が出来たお陰でだいぶ救われた。練習中を邪魔して申し訳なかったが、ホンマに助かった。ありがとう。
23日(土)-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
しーなとシュウ&Far east lounge のカップリング、といふライヴ。なんか完全に心と身体のバランスが崩れてゐて、ヤバいかんぢ。大丈夫なんかなー?ワシ。
このライヴ、前々から楽しみにしてゐた組み合わせなのだが、いざ実現してみると、それを楽しめない自分がゐることに、軽いショックを受ける。カシラやしーなさんが何気なく口にする言葉に、過剰に反応してしまふ。「なんでここでそんな事を云われなアカンのだ?!」とまで思ふ。リハ中、気が散ってしかたない。本番前、独りになって気を鎮めて行く。
本番が始まりさえすれば、大丈夫。ライヴ中のワシに怖いものはない。怖いモノがあるとすればループの踏み間違え、だ。ホラやっちまった。
結果、どちらのチームの演奏も、良いながらもどこか離れた処から演ってる感じが付きまとい、自分としては「・・・・・。」てなかんぢ。他の4人が盛り上がってゐるだけに、その温度差をよけい感じる。
あんまり気にせぬやうにしやう。
24日(日)-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
寝る。ひたすらに寝る。
夜、NHK「新シルクロード 激動の大地をゆく」を見る。昔のシルクロード(喜多朗がテーマ曲やったやつ)は、ただ単に歴史探究ロマンものだったやうだが、現在は、その後の世界情勢などから、それほど祝福されるばかりではない番組となってゐるやうだ。
番組の中で、ダンサー(ベリーダンス)を目指してゐる、といふアラブ系の14歳の少女がフィーチャーされた。こ・れ・が・。このダンスが、エロいのなんの!!。エビちゃん、も、もえちゃん、も、ナガサワ、も、フカキョン、も、皆ズが高いわ。あの少女の前にひかえおろう!!。
25日(月)--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
仕事の後、映画「300」見に行く。凄いCG。これぞ映画!、といふかんぢ。良く出来てゐる。しかし、ペルシャとギリシャの戦いの話し、なのだが、何故どちらも英語を使って話してるのかっ?といふ疑惑。
脳内メーカー、といふのをやって遊んでみた。頭の中をなにが占めてゐるか、を絵柄で示す、まぁ信憑性があるとも思えぬネット遊びだ。なんとワシの頭は全部「悩み」であった。能力、といふ項目では、「雑食性」と「打たれ強さ」が飛び抜けて優れ、「創造性」や「羞恥心」は平均以下。「セレブ度」に関してはゼロ、ぢゃげな。なんやこれ?。
26日(火)--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
けふはPICOにて、二人の宇宙人とライヴをした。そは謎の楽器「ハン」を操るおーちゃん、と、あのNHKの子供向け番組『あいのて』に出演してゐた、青のあいのてさんビッキーこと尾引浩志さん、である。この二人が『倍音mu Alien』を名のって不思議なトランス音楽を奏でる。その対バン。
色々な人から色々な噂を聞き、どのやうに対バンするべきか悩んでゐたが、直前にNosfellのCDを聴き、「自分自身が演るやうに演るしかない」と思ひ至る。
久々にスタンディングで月の路/こきりこ節/Sax庄子さんとの即興/水の駅/丘にのぼる時、を演った。割と古めのラインナップとなったが、何にも決めずに演ったらかうなった。あとで「あやかし」とか「微熱」とか演れば良かった、なぞと思ふ。
その後宇宙人達(笑)のトランシーな音楽を楽しむ。人力テクノ、といふか、見事なまでにテクノロジィを排除した、しかし、明らかにクラブ系の音楽。いや〜オモロい。二人ともホーミィは本場仕込み。自由自在に倍音が飛び交う。けふはホーミーやんなくて良かった。問題の楽器「ハン」は、噂通り不思議な楽器だった。UFOのやうな形をしてゐて、膝に抱えて両手で叩く。ポイントによって鍵盤のやうに音程が変わり、そのサウンドは、ガムランとスティールパンを混ぜたやうな浮遊感を持つ。これと口琴、ホーミーに馬頭琴、各種小型パーカッションで、何とも気持ちの良いグルーヴを出してくれる。
途中、呼ばれてステージに上がり、セッション。かうなりゃ「えせ」などと云ってられん。ワシもホーミーで応戦。お客さんおおウケ。ツンちゃんもジェムベで加わり、ぢつに楽しいライヴとなって、宇宙人セッションは幕を下ろした。
おーちゃんもビッキーさんも大変良い人(宇宙人)で、無理せず話も出来る。これを機に是非御縁を、と云ふ事でCDや電話番号を交換し、再会を誓いあった。楽しかった。それを思ひながら、孤高を噛む。
27日(水)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Soe'sのメンバーでもある藤井政美が、即興をして遊ばぬか?と話を持って来てくれた。ので、行く。マサミと、作曲家の寺内大輔氏の3人で、2時間、即興をやってみる。寺内氏は口琴や各種小道具を使って、主に声を使ったパフォーマンス。ワシは昨日のけふなので、ホーミーやえへくたーで対応。6種類ぐらいに分けて色々な事をやってみた。
その後、ディスカッション。マサミからけふの話があった時、ワシはどーせならライヴをやっちゃどうか?と打診した。それにつひての意見色々。即興と云ふものの捉え方の違いや、自分のスタンスなどを語り合う。青臭い学生のやうだが、仲々オモロい。寺内氏に『いきなりライヴを演る、といふ事に不安はないのか?』と問はれ、『ワシが演るからには、ない』と答える。それがワシの「責任」だ。
28日(木)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
蒸し暑いことこのうへなく、早速寝苦しい。今年こそクーラーを買うつもりであったが、愛車「にっち」の車検なので、却下。暑い日中、営業用の曲を4つとレッスン用の曲1つをコピーす。我ながら仕事が早い。
夜は久々に仕事帰りに女房と待ちあはせ、飯を喰ひに行く。『わたしの食卓』といふ定食屋。ハンバーグ定食とビール。ここ10:00が閉店らしい。もう1時間遅くまでやってくれたらいいのにねぇ。隣の席にアベックが座って酢の物の定食を喰ってゐたが、その女の子がエスニックな格好に、スペース系の眼鏡をかけてゐて、仲々カワイイ。女の子はエスニックなファッションが気軽にできるから良いね。男がやると、よほどでない限り、変、か「そっち系」の人に思はれてしまふ。
気持ちの良い晩飯だったが、家に帰るとやはり暑い。おまけに光市母子殺害事件の、胸糞が悪くなるやうなイデオロギーの発露に、不快指数120%!。
29日(金)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
色々とやる事ばかりが多い日々、てのは、案外特筆すべき事なき日常、であって。けふなど、専門学校3コマ、場所変えてベースのレッスン1コマ、さらに訪問レッスンでひとコマ、個人練習、買い物、とたいへん忙しい1日でしたが、日誌に書くべきやうな事は、何一つ起こらなんだ。
1日に二人以上の人から、「音楽以外のお仕事はされてるんですか?」と問はれた。幸運なことに28歳以降、音楽だけで生活できてゐる。まぁ儲かってはおらぬが、粥を啜らねばならぬ程に逼迫した事はない。今後は分からんけど・・・・。さふ思ひ、フと求人情報誌なぞを手にす。ほとんどの職種が、『募集年齢20〜35歳まで』。もはやワシの人生に退路なし!。後戻り出来るポイントはとっくに過ぎてゐる、と云ふ事だ。わはは。
いづれ、セロを片手に(ベースでもいいけど)全国の障害者や孤児の施設を巡って歩いてゐる老人がゐる・・・・・、そんなおぢぃさんに、わたしはなりたい。
30日(土)-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
2ヶ月ほど中断した「梶山シュウ in Duet's」のVol 4。Moon elephantの唄姫michikoとのデュオ。ゆんべ、家で女房と酒をのみ、これが飲み過ぎたらしく、夜半過ぎからげぇげぇ吐き続け、あんまり寝れてゐない。まぁ最近は体調が悪い=ダメ、ではない、と云ふ事も知ってゐるので、別に焦らない。
けふはピアノヴォーカルと、ワシ、といふ、まぁしーなとシュウと同じスタイルだが、演ることはエライ違う。「世界で一番気が合わない」と(自分らが)云ふ二人によるコラボは、やはりなんか「合わない」。そこを楽しもう、と決めて演ると、意外にオモロかったりす。で、実際リハはたいへんオモロかった。
しかし本番ではそのオモロさが出なんだ。強い不達成感の中でライヴ終了。アンコールは来んで当然だった。が、まぁしかし気の良いお客さんがアンコールをかけてくれ、ソロで演った。本当は「けふはつまらん事を演ってすいませんでした」と云ふべきライヴだった、と思ふ。
最終の電車に乗り、ラーメンで独り打ち上げをして家に帰ると、女房が金髪の坊主(てゆーかモヒカン?)になってゐる。