|
1日(土)-----------------------------------------------------------------------------
安芸楽団の遠征がポシャった為、丸壱日の空きとなった土曜日。掃除して買い物して、聴けてなかった音源など聴く。「万貴音」の小田くんがダビングしてくれた「Bach to Africa」といふのがオモロい。、アフリカのランバレナ族がバッハ音楽をやってる 、らしいのだが、ワシはバッハを知らんので、純粋にポリフォニィとして楽しめる。
久々に餃子を作ってみたくなった。大蒜と韮を多めにした野菜中心のタネを作る。皮が余らんやうに、と考えながら包んでゐたら、最初のほうは身がギチギチ、最後のほうはスカスカ、の30コの餃子が出来た。見かけは歪だが、まぁ美味い。
2日(日)-----------------------------------------------------------------------------
Tip hotelの「音楽部」のリハ。が、音楽監督の山下透さんがメロを取らせやうとした楽器があらかた欠席。当初は、『Soe'sで適宜音楽を』とかいふつもりだったワシも、なにやらいつの間にか、演技したり、唄ったり、太鼓叩いたりする事になってゐて、まぁそれなりに楽しめるのだが、割と大変。メンバーは気心知れた連中ばかりなので、けらけら笑いながら出来るのが救い、やな。
主演のミミとワシのデュオの場面、ベース壱本でブルースを演るのだが、これが山下さんにえらく評判よかった。この山下さん、ハードコアバンドのヴォーカルもやってたりすんださうだ。何者?(笑)。
3日(月/祝)-----------------------------------------------------------------------------
ひろしま国際平和マラソンに出場す。
6年前、練習中にトラブって右膝の複雑骨折を起こし、3ヶ月の入院生活を送った。もう走る事は出来んかもしれん、といふ大怪我だった。その後こんにちまで地道にリハビリを続け、そして、再び走れるやうになった事を自分に証明するのは、これへの再出場だと自分で決めてゐたのだ。しかし、ちゃんと走ること自体が6年ぶりだ。しかもその6年は、37歳から43歳への6年。5Kmたぁ云へ、完走できるんぢゃろか?。
途中、何度か心臓がヤバげな響きをした。だが、ペースに気を配り、しかし歩かんやうにして、なんとか20分少々で完走。膝は大丈夫だった。Tシャーツも短パンも汗でびしゃびしゃ。あ〜これでホンマに「完治」したのだな、と思へた。ホンマに走ったんだな。長かったなぁ。しみぢみ・・・。
けふは終始一人で行動したので、会場まで1時間チャリを漕いで行き、また1時間かけて帰って来た。これの方がしんどかったかな?(笑)。
昼過ぎからはTip hotelの全体通しリハに参加。「音楽部」以外の出演-----ダンス、バレエ、バトン、役者、の皆さんの演る事を初めて見る。やっぱかういふ身体表現ってすげぇなぁ。この表現法に比べたら、音楽なんてショボく感じてしまふねぇ。
ざっとだったが、通してリハをやったおかげで、ようやく全体像のかんぢが掴めて来た。いや、しかしこれは大変なイベントだ。成功させんといかんね。
4日(火)-----------------------------------------------------------------------------
軽い筋肉痛の症状が出てゐる。けふ何もせんと余計に痛くなるだらうから、けふも走る。「完治」したのだから、また空手でもやってみやうかなぁ・・・。
今夜は、先輩ベーシスト瀬川さんの「パオ」に行く用事があるので、そのやうにプランを立てて行動。授業の後、JR広島駅まで行き、ここにチャリを停めて五日市にレッスンに行く。五日市駅からは歩き。帰りもその逆を辿り広島駅まで帰って来る。そんでここからチャリで流川のパオへ。計画は完璧だったが、行ってみるとパオが開いてない、といふ
瀬川さんに電話して、ひとまづ用件はクリア。用事は済んだのだが、飲むつもりで来てゐたので、このまま帰るのも勿体ない。ので、古い友人Mがこの春からやり始めた中華居酒屋あきんどへ顔出してみる。旧友Mは、20代はじめ頃------もっとも莫迦をやって遊んでゐた頃の親友。友人の中ではいちばん、料理とかに興味のない男だった。それが居酒屋の店長、とは、まこと人の生といふは不思議であるな。
ここ数日、ラーメンとかラーメンとかラーメンとか、ちょいと濃ゆいものが続いてゐたので、豆腐とかもずくとか、さういふヘルティーなものを肴に飲んで色々語る。
5日(水)----------------------------------------------------------------------------
小室哲哉逮捕。ふ〜ん。しまいには物凄い借金まみれだったやうだね。この人もホリエモンと同じで、なんか時代を作って時代を動かして、のつもりで、結局はただ時代に翻弄されてゐただけの人なんだらうねぇ。最終的には、音楽なんて必要ぢゃない人間なんだらうよ。別にいまさらなんとも思わんけど。
マスコミの掌の返し方たるやもはやお見事としか云ひやうがない。この叩き方を見ても、いかに世間が彼のやうな「成功者」を、ぢつは苦々しく思ってゐたかが分かる。それの方が怖い。レクター博士も云ってゐる。『人は思ひを口にしない。ただ黙って、あなたの出世を阻む』。
でも一番聞き捨てならンのは『小室哲哉の転落人生!近年はホカ弁に宅配ピザ!』といふ記事。食品に貴賤はないだらうが莫迦たれが。
6日(木)-----------------------------------------------------------------------------
アロンソ・アッレオラ来日&来広に伴うライヴ&ツアー前、最後のSoe'sリハ。今回初めてこのマニアックなバンドを連れてツアーに出る。どんな世界が開けるんだらうか?。箏のトモちゃんは残念ながらお留守番。マサミ、パイグ、ワシ、坊主頭の男3人、ムサいだけの旅となる。S.Y.U.K.といふジャズロックのトリオで、28歳、初めて東京ツアーに行った時の事を思ひ出す。
その後、ひとりスタヂヲに残ってソロの練習。ぅん〜、ソロベース弾き語りスト、として活動しはじめて4年。オリジナルは40曲を越えた。カヴァーを入れると50曲近くある。壱回、全部演るライヴとかやってみたいね。お客さんほったらかし、みたいな(笑)。
7日(金)-----------------------------------------------------------------------------
最近、サントリィのTVCMで『ヰスキィ〜〜〜がおすきでしょ?』といふのが流れてゐて、「夜はハイボールではぢまる」てぇ台詞が昭和ぽくて良い。ぅん〜〜〜〜イナたい、ってかんぢ。唄は「SAYURI」と出てるけど、これ石川さゆりなんだって。へ〜〜〜。Soe'sのマサミはこのCM大ッ嫌いなんださうだ。ワシはこのCM見ると、友達のとある人を思ひ出す。さぁ誰でせう?。
あと、『そして大観衆にピース!!』てぇ部分が印象的な馬場俊英の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」が、全部聴いてみると意外な唄だった、と云ふ。この馬場俊英といふ唄うたい、わりと説明臭い唄が多いし、元ネタは佐野元春、いやその元ネタのスプリングスティーンぢゃねぇか、とか思ふけど、このボーイズ・オン・ザ・ランは良い。仕事に行く途中とか、づっと唄ってゐる。
ぅん〜〜、You tubeって凄い現象だね。
8日(土)-----------------------------------------------------------------------------
雨の土曜日。久しぶり、で年末にかけて恐らく最後の、しーシュリハ。最近のライヴであんまり演ってない曲をセレクトして練習す。今年はしーシュでいっぱい色んなライヴをやって来た。良かったり悪かったりしたが、ユニットとして、総じて「強く」なれたんぢゃないか?と思ふ。「またツアーに連れてってくれ」としーなさんが云ふ。それに関しては悩むところではあるが、さうね、来年あたり本気でしーシュで動いてみるかね?。
晩飯を喰ひ、PICOに流れる。笛吹きのヤスヲなどと話ながら飲んでゐると、カシラが来る。Far east loungeのメンバーが、ライヴ以外で顔を合わせるのって、久しぶりなんぢゃないか?。みんなぐでぐでになるまで酔っ払って、雨の中を帰った。ヤスヲに次の「ござしき投げ銭ライヴの会」にしーシュで出てくれ、といふやうな事を云はれたやうな気もするが、はっきり憶えてないねぇ。
9日(日)-----------------------------------------------------------------------------
ソロのライヴだってぇのに二日酔い。起きたら天井がぐるぐる廻ってゐる。二日酔い、て云ふより、まだ酔ってる、かんぢ。ヤバい。まぁ最近のワシは、身体に力が入らん、くらいの方が良いライヴが出来る、と分かったので、あんまり慌てない。昼まで寝て快復を待つ。
けふは完全なソロ・ワンマンなので、昼過ぎにひとりジモへ入る。新しいジモカフェで演るのは初めてだ。ごそごそと準備して、一通りサウンドチェックしたら、あとはテレテレ弾いて唄って、といふのを客入りまでやってる。最近、これがわりと気に入ってゐる。えぇかんぢにチカラが抜けるのだ。
して、本番。まぁはっきり云ってかなり寂しい客入りだったが、出来は仲々良かったんでは?。声も良く出た。新曲3ツにカヴァーも2曲取り入れ、前後半合わせて20曲ぐらい演りましたよ。
けふのかわりダネはベース壱本による、久保田早紀の「異邦人」。レッスンの空き時間に遊んでたら出来たので演った。あと新曲「月のチャクラ」ではライヴで初めてブッダマシーンを使った。変な光景だっただらうな。カリンバを用意してゐたのに、「かがり火」を演るのを忘れっちまった。
前のジモカフェは木造りなので、かなりデッドな音。ワシのやうな音楽にはちょいと難があったが、新ジモカフェはコンクリむき出しで、えぇかんぢの天然リバーヴがかかり、ワシ向き。ただステージの真正面が鏡張り、てのぁどぅよ?。ワシらライヴの自分の姿を直視できる程、おナルではないと思ふが・・・。
ジャケの絵を描いてくれたイズオカが来てくれてゐた。打ち上げはイズオカのヴァヌアツの体験談をつまみに、大笑いしながら梅酒を控えめに。
10日(月)-----------------------------------------------------------------------------
専門学校の帰りに、昨日置いて帰ったベースを取りに行く。いつものやうに川沿いをチャリで走るが、背負ったベースが逆風を受ける「帆」になり、進みやせん。トレーニングをしたやうな気になって家に帰り着いた。
家に帰ると久々にデスクワーク。生徒の為の譜例と、新曲のコピー。やや煮詰まったので、気分を変えて仕事机周りの整頓。晩飯にはマーボ春雨を作った。
11日(火)-----------------------------------------------------------------------------
最近、専門学校2年生の授業が、ほとんど脱線まみれの「人生相談」のやうになってゐる。なんやかんや云って、彼等はあとふた月そこらで卒業準備に入るのだ。教える事はもうない、といふ訳ではないが、まぁ本人がワシの話を聞きたがってゐるやうだから、良いのだらう。
Tip hotelでジェムベを叩くハメになってしまった。ので、次のレッスンまでの間を使って、真面目にジェムベの練習をする。パーカス部隊に参加したりしてライヴをやったりはするが、ジェムベを「練習」するのは初めてかな?。6/8拍子の♪=140、といふたいへん叩きにくいパタン。まづは手を馴れさせる為に、30分だけ集中して叩く。
JRの中で、通路にベタ座りしてゐるデカい黒人の4〜5人がゐる。クラブとかでも見かける、このテの格好(チーマー風)をしてゐる黒人は、公共マナーがなってないヤツが多い。投げ出した脚を軽く蹴って「Excuse me sir !」と云ってやった。内心、こんなのに逆ギレされたら勝てんだらうな、と思ひつつ・・・・。
12日(水)----------------------------------------------------------------------------
F楽器店の大発表会の反省会議をす、といふので、早い時間から会場に行くが、半分も出席者が居らぬ、といふ体たらく。みんな忙しいンだらうけどよ。
予定が狂ひ、時間が空いたので、スタヂヲに入り、東京のゲンタさんに送る為の新曲を録音。Soe'sツアーに続く東京セッションで、「ストロマトライト」「月のチャクラ」「きんぎょ」の3ツを演ってみやうと思ふ。これらはいづれも、他者と一緒に演る、といふことも前提に作ったのだ。
「独りで演る」のにこだわった06年。コラボを主軸とした07年。今年08年は、その両方のえぇ距離の処を漂えた壱年、であったやうに思ふ。そんな事を思ってゐると、8月に共演したホーメィ歌手の岡山シュウジ君から電話。来年のダブル・シュウツアーがホンマに実現しさうだ。面白い人生になって来た。
13日(木)-----------------------------------------------------------------------------
サンドウィッチ用のキャベツを刻んでゐて、左手の人さし指の先っぽをちょいと切ってしまった。料理好きのワシに『音楽家が包丁なんか持って大丈夫か?』といふ人もゐたが、今まで料理中に怪我をした事はなかった。これから歳とってかういふ事も増えるかもしれん。ん〜気をつけないかんね。
指の側面なので、演奏に支障はなからう、と思ってゐたが、レッスンとかで弾いてみると、やはり微妙に痛い。刃物で切った傷なので、やはり結構深くイってゐる。こらぁライヴが入ってない週末でよかった、な。
レッスンの後、アロンソ広島ライヴの最後の営業&打ち合わせにシェルター69へ。が、ナカハラさん居らず。電話するとMACで飲んでるからおいで、と。行く。聞けばけふ、PAを依頼してゐる某人が下見に来てくれた、とのこと。なんとか上手く事が運びさうだ。あとは集客やなぁ。それが一番心配だな。
14日(金)-----------------------------------------------------------------------------
恒例となった「湯治」に女房と行く。今回は浜田の美又温泉郷をセレクト。近場だし、安いし、てぇのもあったが、此所は毎週末に公民館のやうなところで、無料の夜神楽を演ってゐる、といふので。神楽好きのワシらとしては、これは行かねばなるまい。取材も兼ねた家族旅行やな。
夕方に広島を出る高速バスで出発。1時間半くらいかけて中国山脈を越え、旭インターのバス停に降りたら、旅館のお迎えバンが来てくれてゐた。真っ暗な山道をしばし進み、美又温泉郷かめや旅館に着。まづは山の幸に舌鼓。部屋まで生ビールを持って来てくれるサービスもある。食後は早速湯治。ここは天然アルカリ温泉。美人の湯、として知られてゐるらしい。なるほど湯上がりは肌がつるつる。
けふの処はすいすい通り過ぎただけだから良く分からんが、なんかすげぇ小っさい温泉郷のやうだ。窓からは真っ暗でなんにも見えない。
15日(土)-----------------------------------------------------------------------------
鴨の鳴き声で目が覚める。旅館の隣は川になってゐて、そこに人馴れした鴨が数羽ゐるのだ。ここの温泉郷の名物らしひ。窓を開けると寄って来る。カワイイ。
ケータイは見事に「圏外」となってゐて、ついでなのでTVも灯けず、完全に世情から切り離されてみやう。
朝風呂、朝飯、また風呂、の後に散策に出かける。町の端から端まで歩いて5分少々。商店は壱軒だけ、しかも開いてない(笑)。宿と温泉以外なんにもない。これまでワシら夫婦が気に入って逗留した温泉郷の中でも、間違いなく一番鄙びてゐる。温泉津ですら壱軒あった喫茶店のやうなものも、ない。素晴らしい。
ので、別にする事もなく、身体が冷えたら風呂に入り、温まったら出る、を繰り返す。7回ぐらい入ったかな?。夕方にはちょいと湯あたりまで起こしてしまった。
夕飯の後はいよいよお楽しみの神楽を見に。
ここらへんのは「石見神楽」といふ。素面に化粧を施して演じる広島県北(芸北)神楽に対して、石見神楽では演者は面を付けた状態がデフォルト。内容も神話を題材にしたものがほとんどらしひ。太鼓のリズムも、アクセントの入る位置が独特だったり、ハネるビートがほとんどない、など違いが色々合ってオモロい。驚いたのは、満場の観客からも歌声が沸いてゐた事。神楽唄なんぞフツー唄えんぞ。流石に、暮らしに神楽が根付いてゐる町は違う。素晴らしい。
しかし、お世辞にも上手いとは云へぬ神楽だった-----てゆーか、かなりヘタな部類に入る社中だったのでは?。台詞はつまるわ、衣装の早替えでしくじるわ、小物は取りだせんわ、大蛇は舞台袖に引っかかるわ(笑)、およそ考え付く限りのトラブルを起こしてゐたな。それでもまぁ充分楽しめるのが、大衆芸能の豊かさ。満員の会場は拍手に包まれ、ワシらも大いに満たされ、大満足で宿に引き上げた。
16日(日)-----------------------------------------------------------------------------
けふは雨が降ってゐる。ア〜、かういふ日にこそ逗留したいのだが、残念ながら旅立ちの朝。最後の風呂に入り、朝飯。
鴨達に見送られ、また旅館のバンでバス停まで送って頂き、浜田駅まで出る。けふは島根海洋館アクアスへ行く。広島から1時間程度で来れるらしひが、ワシらはこれが初めて。お目当ては白イルカ。あの祖父戸番句のCMで有名になった「島根のおぢさま」だ。
海岸沿いに建ったでっけぇ建物。切符も自動券売機だ。各所にコンパニオンがゐて、案内なぞしてくれよる。施設も綺麗だし、たっぷり金がかけてある。だが、学術的な興味、といふ点から冷静に見ると、「水族館」としてはかなり物足りなく思ってしまった。例えば、ワシが懇意の宮島水族館では、各種水槽の魚類の名前は勿論、特徴、生態、分布、食えるかどうかまで、すぐ目に着くところに詳細に提示してある。アクアスには、これがないのだ。子供が、『これなんて魚ぁ?』と親に訊き、親が『分からん』と云ってる姿をいくつも見た。
それに、建物(水槽)がデカくて気付きにくいが、魚の種類が圧倒的に少ない。「アマゾンの淡水魚」といふコーナーにナマズしか居らん、といふはちょいとしんどいよ。
どうやら此所はアミューズメントパーク、として割り切ってゐる水族館のやうだ。
それでも、お目当ての白イルカのパフォーマンスには、滂沱たる涙が溢るるのを禁じ得なかった。3頭の巨大な海性哺乳類が並んでこちらに向かひ、空気のリングを吹いて見せてくれる姿に、夫婦二人して結構恥ずいくらいに号泣してしまった(笑)。いやぁ島根のおぢさま、素晴らしいですよ、あなた達は。
あと個人的には、本物の「ハイギョ」が見れたのは嬉しかった。
浜田駅前から出る高速バスで広島へ。晩飯はツイデの贅沢で、出前ピザにビール。良い湯治だった。良い宿だった。良い旅行だった。
17日(月)-----------------------------------------------------------------------------
通常業務再開。まづはヂョギング。
昨日、美又温泉郷を出た途端、貯まってゐたケータイメールがぢゃんぢゃん入って来て、電話と手帳片手に対応に追われた。ワシはこの旅行で、今年の休暇は終わり。後は年末までほぼフル営業。来年のツアーも決まりはじめてゐる。
専門学校で生徒をシゴき、ばっどらんずの事務所に寄って「中野木元そして梶山」のチケットを預かりついで、久々にオーナーM氏と話をす。
18日(火)-----------------------------------------------------------------------------
ぬぉ〜寒い。毎朝のヂョギング中にすれ違う、わりと可愛い女子中学生が、最近挨拶をしてくれるやうになって嬉しい梶山シュウ43歳。
生徒がベースで「コブロチカ」を弾いてゐる。なんでそんなん知ってンのか?と思ひ、訊ねると「テトリス」で使われてゐるのださうだ。あぁ、なるほどあれはロシヤのゲームだな。生徒にしてみれば、「なんでセンセイがテトリスのテーマを知ってるのか?」と不思議に思ふらしひ。ヌー、音楽の「出所」を考えさせられた43歳。
友達の三輪くんがベーシストを務めるイカしたロックバンド、Nowhereがシェルター69に来てゐるので、見に行く。長いツアーの真ん中辺なのださう。三輪くんはワシと同い年。頑張ってるねぇ。うらやましいな、このライヴの本数。ワシもまだまだ旅をせねばね。
シムプルでストレートなライヴパフォーマンスは、相変わらず素晴らしい。前に見た時も思ったが、彼等はホンマに曲が良い。ロック系のバンドでは久々に、ライヴ後にCDを買ふ。
19日(水)----------------------------------------------------------------------------
昨日突然、知人の訃報が入り、午前中の葬儀に出席。享年48ださう。まだ成人してない子供が二人。さぞや心残りだらうに・・・。この人の娘が、ワシにベースを習った事がきっかけで不登校から立ち直り、その事をとても感謝してもらってゐた。どうか安らかに・・。
時間は押してしまふが出棺まで見送り、喪服のまま「劇魂」の通しリハに参加す。けふは音響、照明、舞台監督、スタッフ総見のリハだったが、皆さすがに、喪服姿のワシには、軽々しくかける言葉がない、と云ふかんぢ。気を使わせちゃってごめんね。
全体の流れがはっきり分かり、たいへん意義深いリハ。しかし、ワシは全体の流れを把握した上での「即興」なので、本番でポカをやらんやうにせねば。
その後レッスンして、さらにその後「中野木元そして梶山」の初リハ。ベーシストが参人集まると云ふ事で誰もが想像する『バトル的な事』をやらないベーストリオとして進める。それぞれの楽曲に、それぞれが自由に解釈を加える、といふスタイルで4〜5曲。ほ〜仲々オモロいぞ。ワシの思惑通りのかんぢ。へへへ。
人の死から新しい音楽の誕生まで。濃密な内容の壱日だった。
20日(木)-----------------------------------------------------------------------------
第弐次世代ケータイ終焉の機に際し、仕方なく機種変をしにゆく。ワシは安ければ何でも良いので、色だけで決めた。気の抜けたサイダーのやうな青いやつ。取説を読まんと分からんやうな、要らん機能ばかり付いてゐてウザい。その割に自動ON/OFF機能などの要るものがない。これでワシはますますケータイ離れして行くだらう。
広島三大祭りのひとつ「ゑびす講」に安芸楽団で出演。アリスガーデンに組まれた山車で公開リハをやり、セットアップした機材ごと中央通に移動する、といふ大掛かりなプロジェクト。機材の転倒を防ぐ為、ワシはステージの上に待機。数十名のスタッフが手ずから押す山車。周りには警備員。先導する警官。当然、祭りに来た人々は『何事かいな』と注目す。ものすごいVIPになったやうな、そのくせ仲々恥ずいやうな、得難い経験だった。
ライヴの方は、またけふに限ってものすごく寒く、いくら熱演しても身体が温もらぬ。風なんぞ吹いた日にや・・・。まぁそれでも意外なほど沢山の観客が盛り上がって見てくれてゐた。しかし、やはり喉も温もらず、「なんでも鳴子」のHi-Cも曲の終い頃には出んやうになった。
安芸楽団の課題としては、かういふ場でいかにノリを途切れさせずに突っ走れるか、だな。ドラマティックな展開や、長い曲間は、あのシチュエーションには不要だ。仲々出て来ないイントロに、思わずステージ上で『早く!!』と怒鳴ってしまった。
21日(金)-----------------------------------------------------------------------------
ぬあ〜〜!!ツアーの準備をするヒマがない。早起きしてCDを梱包す。ツアーの為に靴下やら下着やらを買い足したかったのだが、多分その時間は取れんなぁ。
けふはPICOにて、エピゾ・バングーラといふギニアのミュージシャン、の対バンをFar east loungeで務める。エピゾはギニアの吟遊詩人「グリオ」の家系。バラフォン、トーキングドラム、コラ、ジェムベ、をたった独りで操りながら、唄い、客を煽り、引き込んで行く。特に、なんの楽器のエキスパート、て訳でもないらしひのだが、どの楽器を弾かせても超絶。
哀愁あるコラの弾き語りも美しかったが、弐台のジェムベを同時に叩くパフォーマンスは圧巻。片っぽ(片手)で両手を使ってるやうなリズムを刻みながら、もう片っぽでがんがんポリリズムを入れて来る。更には、ジェムベを膝ではさみ、それを(膝で)振ってリズムを出しながら、両手は残像が見えるほど速いフレーズ。嘘だらう?。今まで、色んなアフリカ系のミュージシャンを見て来たが、間違いなく、一番凄い。こらぁすげぇ。こんなん間近で見れただけで、けふの対バンは儲けもんだ。
これがまた仲々えぇヤツで、終演後はワシら一人一人とキチンと挨拶をして、健闘を讃えあう。今は大阪に住んでるらしく、日本語も上手い。Far east の音楽を気に入ってくれたやうで、「次回は是非セッションね」と云ふ。けふ、ワシはソロコーナーで「月のチャクラ」を演ったのだが、『あんたのアレ、あのインドみたいな、えェ〜〜〜〜あァァぁ〜〜〜〜、てやつ、面白かったぞ』と云ふてくれた。
こないだのイペルクッソーニチと云ひ、この頃PICOには凄い連中がやって来るなぁ。
いや〜しかし良いものを見た。これを持って、明日はいよいよアロンソ。そしてSoe's初のツアー。ワシは更に江戸でのでらしねセッション、へと向かふ。良い。