7月


1週目

1日(火)-----------------------------------------------------------------------------

ガソリン高騰とエコロジィの観点から、いよいよ『どうしても』といふ時以外は車を使わぬことにす。けふはその初日。2会場のレッスンを、電車を使って連絡してみる。

まづウチから歩いて10分。10:06発の電車。駅から5分歩いて専門学校。

10:40から授業が始まり、14:30に終了。14:55の電車で次会場に移動。10分少々電車に揺られ、駅から約15分歩いて2会場目。

20:00にレッスン終了。20:18といふたいへん微妙な時間に電車があるが、焦りたくないのでそれはパス。のんびり片付け、ゆっくり歩いて20:33の電車。

トランジット駅に20:46着。2コ離れたホームから20:47に乗り換え電車が出る(泣)が、走りたくないので、それもパス。

5分待って次の便に乗ると、ひと駅ごとに連絡電車の待ち合わせ(単線ゆえに)。

21:05に地元駅に着。10分歩いて我が家へ。

結局、まぁいつも車で40分前後で移動してゐたのが、1時間少々になる、といふ事ぐらいか。駅から会場まで歩く事は全然構わぬが、待ち時間が長いのには、やはり馴れを要するんだらうな。けふの処は、旅をしてるみたいで、意外と楽しかった。

2日(水)-----------------------------------------------------------------------------

再び、ZO-3ベースを使ったパフォーマンスの考へが沸き上がりつつある。もう少し長めのネックに挿げ替え、電磁式Puも追加したらどうか?とか。今年に入ってからはループ以外のアタッチメントもほとんど使ってなくて、さうなると更なる簡略化への欲求が高まり、ついでに云ゃあZo-3だけでお座敷ライヴ、とかまで妄想が膨らむ。ルーツ・ミュージックやね(?)。

生命保険の解約手続きをす。外交員が来るので台所を掃除。オバちゃんが来るものと思ってゐたら、若い娘さんが来たので「へ〜」と思ふ。♪煮っ政のオバちゃん自転車で〜〜♪とかいふCMがあったなぁ。お姉ちゃん、ではないか。20年に渡って保険料を支払い続けて来たが、解約金はミミズのしっこ、くらいである。

3日(木)-----------------------------------------------------------------------------

夏の西日本ツアー、全行程の交通チケットと宿泊先を確保。バスと電車と船(笑)。大分から今治まで5時間の船旅てのがある。こんなに長時間船に乗るのは初めてだ。沖縄での、あのひどい船酔いの記憶が蘇る。どーかシケませんやうに。

昼間、ひっさびさに「独弾」の練習をす。よぅく考えてみたら、ちゃんとスタヂヲに入ってソロの練習をしたのは、今年入って初めてだった。イカンですね。新曲は割と良いペェスで増えてゐる。近々、かる〜いかんぢでソロのワンマンでもやってみるかねぇ・・・。

夜はしーシュ、ではなくて、椎名まさ子との営業のリハ。どうも思ふに一部の人は「しーなとシュウ」と云ふのを「椎名まさ子&梶山シュウ」といふデュオ、だと思ってゐるフシがあって、それは大いに違う、と云っておきたひ。

「しーなとシュウ」てのは我々のユニット名であり、それは「クリーム」がエリック・クラプトン、ジャック・ブルース&ジンジャー・ベーカー、とは決定的に違うのと同じ事で、決して椎名まさ子&梶山シュウ、の事ではないのだ。分かるかなぁ・・・?。

4日(金)-----------------------------------------------------------------------------

すンごい眠いんだが、起きて、走る。無理に走ってたら足首が痛くなって来た。くっそ〜〜〜。

専門学校3コマの後は、椎名まさ子の営業サポート。会場はプローヴァといふ総合娯楽施設で、割とウチの近くに12年も前から建ってるんだって。へ〜〜〜!!。全然知らんかった。いかにワシがかういふ遊びの場に興味がないか分かるな。さういや近くを通った時、このデカい建てもんはなんや?と思ったやうな記憶は、少しある。

の、アニバーサリィかなんかの演奏。対バン、といふか他の出演者には、マキネといふ若手男女ポップスデュオ。アクターズスクールの生徒だった娘がゐるユニットだ。

元気一杯のポップなマキネに対し、ウチは「昭和のかほりの〜」ださうだ。ので、選曲もそんなかんぢ。まぁけふは椎名さんが主役。ワシはけふは完全にサポートに徹するつもりだったが、色々あって唄うハメとなった。まぁ『心もよう(井上陽水)』や『青春の影(チューリップ)』なんてこげな事でもなきゃ唄わんからねぇ。それなりにウケたし、まぁオモロかった。

団塊、よりちょいと前くらいのおぢさんが『いや〜やっぱよぅ知っとる古い曲を演ってくれるとえぇね!』と云ふてくれた。そんなもんなんかな。


2週目

5日(土)--------------------------------------------------------------------

「生命潮流」の著者ライアル・ワトソン氏の訃報。「科学」と「超常現象」の間で、ぢつに独創的な持論を展開した学者だ。まだそれほど歳でもないだらうに。モノと生き物の間に生じる、不思議な相互関係などに言及した辺や、著書「アースワークス」で触れられる『ホモ・アクエリアス』説などが好きだった。興味ある人は読んでみ。

そげな事を考へながら、しーシュのリハに向かってゐると本屋があり、フラリと立ち寄った店頭に、「シートン動物記」の文庫版が平積みしてあった。少年時代、これの「灰色グマの一生」が大好きだった。つい先日女房に、幼かったワシが如何にその物語に感動したかを、暑苦しく語ったばかりだった。こは「呼ばれた」に違ひない、と思ひ、購入。今読んでみると、「狼王ロボ」なんて結構残酷な物語りやな。

で、フと思ふ。新聞や説明書などは、もはや老眼鏡なしに読む事いと難しき、の情けない状況なのだが、何故か、同じくらいの大きさの文字でも、書物は裸眼で普通にちゃんと読める。これは何故だ?。

6日(日)--------------------------------------------------------------------

友人のバティック画家出岡由行の展示会を見に、廿日市まで行く。3人の染色アーティストの共同で開かれてゐるさうだ。なんか初日にはテープカットまであって、ワシの知ってるイズオカのかんぢと違うぢゃねーか(笑)てかんぢ。入場料を払うと受付の女性が『けふは出岡先生の作品解説がありますよ』のやうな事を云ふ。出岡センセイ!、ですか!!。

まぁ、既に海外でも何度か個展を開いてる訳だから、アーティストとしては立派な著名人なのだ。

ワシは、割と長きに渡って彼の作品を見てゐるが、歳を重ねるごとに作風も変わり、今また変わらうとしてゐるやうだ。それにやはり、写真やデータで見るのより、かうして原寸のものを間近で見て、初めて思ふ感想もある。サンフランシスコで書いた、と云ふ最新の数枚は、なんてーかとても色鮮やかで、あぁ良い歳を取ってゐるなオヌシ、と思はしむる作品。うん、良い展示会だった。トークショーもオモロかったしね。

ぢつは彼の作品を、製作中の新譜「ゆほびか」のジャケに使わせてもらふことにしてゐる。5〜6年前から預かってゐたのだが、絵に相応しい(と思へる)音楽が録れるのに、今までかかっちまった。今度は大丈夫だらう。

7日(月)-----------------------------------------------------------------------------

我らがパーカッションハウスPICOがめでたく弐周年を迎へた。そのお祝のライヴパーティーに行く。オープン記念、壱周年、と今年で、客層が変わり続けてゐる、てのがオモロい。古い人間が居座って閉塞してしまふかんぢではなく、若い血がどんどん循環して、なをかつ古い血も共存出来てゐる、といふかんぢの店だ。ぢつはあんまりないよ、かういふ店。

ライヴの出演は、アイスクリーム、しーなとシュウ、Far east lounge 、ギターレンジャー、チームアフリカ、ザイオン、その他飛び入りなどなど、収集つかなくなるまでのダンゴ状態(笑)。途中で路駐チャリンコの抜き打ち撤去などがあったりして、お客さんも出たり入ったりをくりかへし、結局、入れなくて帰った人もゐるさうな。

けふのワシは、宮崎から唄姫Houちゃんが来る、といふので楽しみにしてゐた。CDでしか聴いた事はないのだが、そのなんとも云へぬ素朴で霊的な歌声は、女性版Art Tuncboyaciyan(知らんか)といふかんぢ。まさにワシの超ストライク。

縁が合えば一緒に演ってみてぇな、と思ってゐたが、実現。ツンちゃんのパーカスとベースでバックを務め、Houちゃんは唄だけ、といふトリオで。これが演れただけでけふはOK。いや〜やっぱ良いねHouちゃん。なんとなく宮里藍に似てゐる(笑)。

しかし、けふのやうなイベントに出ると、少し烏滸がましいが、自分の対応力の高さを再認識し、自分に実力がある、といふ事を自分で確認しはする。しかし、アカデミックな処とアニミズミックな処の、とても中途半端な処に居るやうで、まだまだ全然アカンな、とも思ふのだ。

小器用に音楽を操れるだけ、の事に、全然意味はない。言い方は違うかも知れんが、正調と霊感、この双方の懐に、もっともっと深く入り込んで奏でられない以上、ワシはただの器用なベーシストに過ぎない。そんな生き方には、興味はない。

8日(火)-----------------------------------------------------------------------------

昼間、ちょいとだけ「ゆほびか」のミックスダウン。「夜の駱駝」のテイクをくりかへし聴いてゐたら、オペレーターのあやこもワシも完全に爆睡してしまってゐた(笑)。「きねつき」の上を行く、睡眠作用アルバムが完成するにちがいない。

昨日一緒に演った、宮崎のHouちゃんが、けふは呉のrazzでライヴをする。ゆんべ帰りがけにHouちゃんが『シュウさんもし良かったら明日ベース持って来て』と云ってくれたので、さうする。久々に『ベースだけ(正確にはアンプも)』を担いで行く。軽くリハをやるが、そんなもんは必要ないくらい、音が欲しい所に停まってくれよる。小林のカシラ、勇造さん、あの辺と一緒にやる時に匹敵する、霊感の音楽だ。

本番。一部の後半から参加す。Houちゃんのライヴは、MCがそのままメロディになって、唄に発展して行く、といふやうなかんぢ。どこで入ってもそのまま流れて行くやうな・・・。始めにちょこッと進行だけを聞いて、そのまま唄に入るのだが、何の問題もなく曲が走る。それどころか、打ち合わせにないキメがビシと決まるので、Houちゃん、唄いながら驚いてゐる(笑)。それはキミの唄が為せる業なのだよ。驚くこたぁないから、唄いなさい。

二部は最初から最後まで一緒に演った。Houちゃんの詩の朗読にバックを付けたり、カリンバとベースで即興やったり。結局終演が0時過ぎ、といふ長丁場だった。

素晴らしい経験だった。が、やはり昨日も感じた『自分の境界』と云ふモノも思った。もっともっと深く。存在そのものが音楽であるやうに。

9日(水)-----------------------------------------------------------------------------

ハードな2日を過ごした後の夜が、此所数日で一番涼しかったお陰で、久しぶりにぐっすり眠った。

一昨日昨日と感じてゐる「境界」と云ふものを、簡単に飛び越えてゐる音楽家達が居る。フレッド・フリス、ビル・ラズウェル、クリス・カトラー、マーク.ナウセーフ・・・・。彼等のやうなフットワークと、ある意味頑固な方法論を身に付けたい、と強く思ふ。が、問題なのは、彼等の音楽を聴いた時、ワシはあまりオモロく思へない、といふこと(笑)。

ぬ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

10日(木)-----------------------------------------------------------------------------

日中、Soe'sのリハ。ぢつはこの初冬にSoe's初ツアーが決定した。おそらく広島、大阪、京都、東京、の4個所を巡ることになる。基本はコアの3人で、車を運転しながら、の旅となるだらう。男ばかりの車の旅は、何十年ぶりだらうか。この音が、広島の外でどんな風に捉えられるのか、楽しみでもあり・・・。

マサミは完全に「自分はジャズ屋で、シュウとパイグはロック屋」と分けて考えてゐる。ワシは別に分けて考えてはおらぬが、まぁ確かにジャズ屋ではないな。この辺も、一昨日から感じてゐる『境界』と云ふものなのか。小器用でなく、しかも知らない音楽に対して、オープンであるには?を常に考へてゐたい。そこに目指すニッチがあるのだらう。

夜、「祈り部」のナベちゃんが、ベースのレクチャーを受けに来てくれた。ワシがいつも演ってるリズムトレーニングなどを伝授する。ワシもかうして先輩のミュージシャンに、色々な事を教えてもらひながら此所まで来たのだ。現コスリーズのシローさんのプレイに惚れ込み、実家まで『教えて下さい!』と押しかけて行った頃が懐かしい。

11日(金)-----------------------------------------------------------------------------

味をシメてまたマッサーヂを受けに行く。けふはアロマ・マッサーヂなるものを受けてみた。こ・れ・が・・・!。こないだのタイ式も良かったが、けふのはそれの5倍増しくらいの、めちゃくちゃに気持ちの良いシロモノで。

左の上腕から掌にかけて、かなり筋肉が疲労してゐるらしひ。これはまぁベース弾きだから仕方あるまい。此所数日弾きまくってゐるし。だが、足ツボに行った時、激痛が走ったのは、なんと「胃」のツボだった。ぬ〜〜、ワシは暑い季節になると大概胃腸を壊すのだが、早くも来たか。

終わった後は、温泉でも入ったやうに身体ポカポカ。汗がダラダラ流れる。こは冬にやってもらふが良い、ね。


3週目

12日(土)--------------------------------------------------------------------

リハはしご。まづはしーシュ。夏の色々なイベントに向かって、オリジナルをしっかり確認。しっかり確認、とは云へ、最近は即興の部分がづいぶんと増えてゐて、まぁ演ってみるまでは分からんわ、てなかんぢ。新曲「きんぎょ」の歌詞が、自分で書いておきながら笑えず、困ってゐる。ん〜、ボツかなぁ、これも。

ぢつはしーシュには、リハではさんざん演ってゐるのだが、いまだお披露目に至らぬ曲、てのが結構あって、これらをどうしたものか、と悩む。本来2〜3回のリハで形にならんモノは容赦なくボツるべきなのだが・・・。

その後、廿日市に移動して安芸楽団のリハ。このバンドも夏のイベントが沢山。なにせ8人もメンバーがゐると、仲々全員揃って、の計画、てのは成立しにくいだらう。幾つかのイベントは、歯抜けのやうにメンバーが欠け、トラが入ったりす。かく云ふワシも1ツ2ツ参加できぬライヴあり。さういや、このバンドで松山〜山口を廻ったのは、ちょうど1年前の今頃だな。

13日(日)--------------------------------------------------------------------

日々忙しい間を縫って、オフクロがヘルニア手術の為、入院する事になった、とか。此所数週間、歩けぬ位足が痺れてゐて、づっと医者にかかってゐたらしひのだが、別の病院で集中検査をしてみると、今すぐにでも手術をせねばこの先歩けぬやうになる、て所まで来てゐたらしひ。ふ〜む、どっちの医者が正しいのかねぇ?。

ワシは、急遽8月に、あの大好きなバンド、Suara sana のヴォーカル(てゆーかホーメィ)、倍音クレイジーこと岡山守治氏とのライヴが決定。このところ、さういふプリミティヴ系の人との共演が続いてゐる。彼もシュウちゃん、と呼ばれてゐるらしく、こりゃあダブル・シュウやな、と思ふ。良いライヴになれば良いが。

14日(月)-----------------------------------------------------------------------------

暑くて目が覚める。6:30くらいからヲーキングする。専門学校でひとコマ授業の後、前後輪のねぢれたチャリを直しに、近所の自転車屋へ。ここはなんかTVでも紹介された事もある、中古と修理の専門店。腰の曲がったおバァちゃんが、せっせと直してくれた。よ〜し、これでワシも『ツーキニスト』になるぞ、暑いけど。

一昨日から入院したオフクロの見舞いに行く。他に空き部屋がない、とのことで、なんかものすげぇヴィップルームのやうな個室に住んでゐる。ウチより広い。キッチン、風呂、トイレ付き、だが、家賃(?)を聞いてブったまげた。他の部屋が空き次第、移る、といふ。さうしなさい。

かういふ部屋が「用意」してある、て事は、ここにはさういふ「需要」があり、つまりこの病院はさういふ「格差」を受け入れてゐる、て事で、それはワシが入院してゐた、古くてボロくてダサくて、最低限の設備しかないけど必要なものは取り合へず全部在って、社長も学生も同じベッドで同じ食事、病気や怪我の重い人を最優先に部屋を確保する、といふ、あのかんぢとは、全然違う。良い悪いを云々するつもりもないけど・・・。

帰りに「うどんの脇田」へ寄り、Bobby'sのコーラス練習。今回リハの時間が全然取れンで、とりあへずコーラスのパート確認だけはしておくつもりで。新しいメンバーを加えた練習に30分だけ付き合ひ、次の打ち合はせに。秋のデカくておいしぃ仕事が、ツアーと重なるやうで、辞退。

近年、珍しく忙しい月曜日だった。

15日(火)-----------------------------------------------------------------------------

直ったチャリで初通勤。ごく一般的なルートを、特に急がず走って、専門学校まで35分。ちょうど良い運動やな。しかし、けふは移動の多い日。授業の後は駅にチャリを置き、電車で五日市へ。駅から歩いてレッスン会場へ。これが、けふに限って体験レッスンやらレッスン見学やら多くて、帰りの電車が遅くなる。そっからまたチャリに乗りかへて自宅まで35分。暑い。しかし、まぁ色んなものが見えて、悪くないチャリ。

日曜日から、レッスン以外でベースに触ってもおらぬ。空き時間にタマタマ開いた音楽雑誌に、ビリー・シーンのインタヴーがあって、『気が乗った時にしか練習しない、ていふヤツもゐるけど、僕から云はせるとそれはレイジーな姿勢だ』と語ってゐる。

はい。その通り。

一方、御大ジャック・ブルースは『練習ばかりしてゐるとインスピレーションなしに指を動かすやうになってしまふ。私はさういふのは音楽的ではない、と思ふ』と語る。

うむ。その通り。

そして、ジーン・シモンズは『ベースの練習なんかしてちゃ駄目だ。曲を書け。ベーシストなんてスーパーのBGMだ。そんなのはセックスぢゃなくてマスターベーションだ』と語る。

う〜む・・・・・。

16日(水)-----------------------------------------------------------------------------

オフクロの手術。に付き添い。本人を含めた家族が揃って、術前説明、といふのを受ける。執刀医らしひが、なんかづいぶん横柄で失礼な医師、といふ印象を持ってしまった。格差を許容してゐる病室のシステムと云ひ、なんかこの病院、ワシには思いっきり印象悪いんですけど・・・。

手術室に入るのを見届けてから、ワシは仕事へ。生徒の為の大コンサートに向けて動き始めてゐて、これがやる事多くて仲々ウザい(笑)。

夏の『さうだ、西へ行かうツアー』で、最後まで未定だった宮崎のライヴ会場が、ようやく決まったやうだ。スティック奏者のデレク・ダレンジャー氏の尽力に感謝。これで博多〜熊本〜宮崎〜今治、といふルートが完成。夏の盛りの南国巡り!!。暑さうだなぁ〜〜〜〜(苦笑)。

17日(木)-----------------------------------------------------------------------------

書き譜仕事。この時期のデスクワークは、汗で紙が手にくっつくから、嫌。エアコンのないウチは、夏の日中は室温35度くらいになる。まぁ「かういふもんだ」と認識してしまへば、なんとかなる。問題は夜で、5階建ての5階にあるウチは、昼の間に熱せられた屋上からの熱が逃げず、夜中でも33度くらいから下がらぬ。通常の人間が安眠出来る温度ではない。

ウチら夫婦とて、これが「平気」な訳ではなく、やはりツラい。だが、やっぱり今年もエアコンは買わずに終わるんやろな。ウチの夏場の電気代は¥4000/月くらいなのだ。すごいだらう。

2時間ほどソロの練習をした。夏のツアーでは、遂にえへくたーボードを持って行かない、ところまで踏み込む。カバンに2種類のループだけ。この長さのツアーで周辺機器を此所まで減らすのは、初めてのチャレンヂ。まぁ多分大丈夫だらう。

18日(金)-----------------------------------------------------------------------------

チャリ通勤2回め。けふは結構がしがし漕いでみた。すると25分で学校に着いた。便所で着替え、昼を跨いで3コマ授業。金髪だったはずの生徒が、けふは真っ黒な髪をしてしてゐるので、如何に?と思ひきや、就職活動中なのださうだ。そんな時期か。

放課後、もう20分足を伸ばし、オフクロの見舞いに行く。術後2日目。上体を起こして飯が喰ったりできるやうだ。なんか、同じ病院に知人がふたり入院してる、とか云ふ話し。女性なので、軽々しく見舞いに行って良いものかどーか・・・・。

40分かけて家までチャリを漕ぐ。夕方の川沿い路を、風切って走るは、たいへん爽快。うん。これは良い。良いぢゃないのチャリ通。

ところで、チャリを漕ぐのにGパンでは暑くてかなわぬ。しかし、所謂サイクル系のファッショナボーなヱアなぞ持っておらぬ。んで、Gパンの裾をぶった切った短パンを履いて行った。これが若い頃に作った超々短パンで、そはまるでレイザーラモンHGのやうな・・・・。


4週目

19日(土)--------------------------------------------------------------------

しーシュ+ソボブキ、スプリット(最近は2マンの事をかういふらしひ)ライヴ。けふは広島じゅうのミュージシャンが何がしかのライヴに従事してゐて、会場入りまでの間に色んな所で色んな友人知人に出会った。皆に音の神が共に在りますやうに。

さて、ひょんな御縁でファンから知人になった「素朴でブキッチョな東京人の音楽」西尾賢さん率いるソボブキ(長い)。これまたひょんな御縁で、彼等の広島初上陸をサポートする事になった。西尾さんとワシは、既に何度かお江戸で顔を合わせてゐるが、他のメンバーとはけふが初対面。それぞれ個性的な面子が、よくも此所まで揃ったものよ、と思はしむる面子(笑)。

そのソボブキは、ピアノ、ウッドベース、パーカスのトリオで3人とも唄う、といふユニット。CDは何度も聴いてその内容を知ってはゐたが、実際に目の前で見て、改めてその次元の高さを再認識させられてしまった。想像以上にそれぞれが百戦錬磨のつはもので、その3人が自由に、柔軟に音を紡ぎ、しかもそれが難解なものではなく、見事「ジャズ的なポップス」に成り得てゐる。これは、凄い。

途中「どじょういんげん」といふ5拍子の曲でセッションに参加させて頂く。ウチの女房は、恐らく広島で唯一のコアなソボブキファンで、づーっと一緒に唄ってゐた。

後続のしーシュ。モニターが鳴らない。唄が聴こえない。キーボードも聴こえない。電子楽器とツインボーカル、といふワシらには、これはまぁ集中するのが難しい事だらう。演奏中、なんどかPAに指示を送ったのだが、改善されず。結果、納得行く事はほとんど出来なかった。お客さんからも同意見多数。

しかし、まぁ、ワシらも「弱い」のだ。

もちろん、こちらからのPAオペレーター派遣を拒否した上で、マトモなオペが出来なかった店側の責任は大きい。バラードの最中に氷を砕く行為も、音楽を聞かせる店の姿勢としてどうかと思ふ。だが、全国廻れば、同じやうな事例はいっぱいある。昨年の沖縄だってさうだったのだ。あの時の経験が生かせてないワシらも、弱い。演ってる時はあの状況下で自分らを立て直さうと必死だったが、後で考えれば、他に方法はいくらでも在ったのだ。それが出来なかったワシらは、まだまだ「弱い」チームだ。

あのつはもの達と、肩を並べたい、と強く思ふ。

打ち上げはしーなさん帰って、ソボブキとワシら夫婦。元々この縁は、お互いのホームページを通じて女房と西尾さんがメル友になった、といふ処から始まったのだ。不思議な、不思議すぎる縁である。わいわい語って、控えめに呑んで、1:00過ぎに解散。皆さん、お疲れ様でした。

ところでこの日、しーシュの「歳をとった鰐」で西尾さんに参加して頂いた。この曲に西尾さんがどんな対応をするか、すげぇ興味があったが・・・ヤラれました。途中即興部分でのワシの口タブラ、『テレダケテケデケナゲデケテ・・・・』に、西尾さん『いや出来ねぇ出来ねぇとても出来ね出来ねぇ・・・・』。これが端で聴くと「デキネデキネ」「デキテルデキテル」の掛け合いとなる。

すげぇ!。脱帽っス、西尾さん。

20日(日)--------------------------------------------------------------------

朝イチの光が既に激暑を予想せしめる。けふは朝から野外イベント「千田わっしょい」だ。安芸楽団だ。けふは出演バンド多数。ハワイアン・ダンスのチームと、世にも珍しいリコーダーアンサンブル・チーム、岩国からシブいオヤジバンド、とウチら安芸楽団。どのチームも人数多く、PAのMくん、大変さう。

ワシらは午前中に2曲15分程度、午後から本格的に1時間1ステージ。午前の部はまだ良かったが、午後からの部は、もう日射しばんばんで、「暑い」んぢゃなくて「熱い」。しかも浴衣を羽織って演ったから、熱さ倍増!。「コキリコ節」や「なんでも鳴子」など、唄ってて気が遠くなりさうだった。まぁそれでも、暑い中いっぱいの人が見てってくれて、これには主催者も感心。お祭りの役目は果たせたのかね?。

ワシは解散後、オフクロの見舞いに行く。ここに同じく入院してゐるワシの二人の知人、も見舞う。そのうちの一人、バレーボール選手のYちゃんは、なんか自分で探し出したらしく、オフクロと友達になってゐる(笑)。病院内で、明るくて気が利く若い娘と友達になりゃ、オフクロもさぞかし気が紛れるだらう。ありがとね、Yちゃん。

女房が旅行に行ってるので、夜は家に独り。宅配ピザを頼んで独りピザするか、それともどっか喰ひに行くか悩んだが、ツアー前の不要な出費は出来るだけ避けたいので、結局、独りお好み焼きをす。これはこれで、楽しい。

21日(月)-----------------------------------------------------------------------------

半年ぶりに、うどんの脇田にて『うどんとジャズ』。けふはオリジナルBobby'sに朋友藤井政美が入ってのクィンテット。オープンと共に、店は満杯状態。いつもはワシら出演者も給仕のヘルプをしたりするのだが、けふは厨房スタッフが4人来てくれてゐたので、ワシらは演奏だけに専念する事が出来た。この厨房スタッフのうち、二人の女性がなかなか魅力的で

演奏本番直前に、ヴィブラフォンが壊れ、ボビーさんのテンションガタ落ち。それが逆に良かったのか、割と冷静にライヴが進む。いつもは結構がしゃがしゃになってしまふのだが、今回はマトモにエンディングまで流れた。ワシも久しぶりにちゃんとした「ジャズ」が弾けた、といふかんぢ。マサミがメンバーに居る、といふ事だけで安心してベースが弾ける。

暑い壱日で、終演後のビールが美味い。皆でカツ丼やおでんやらをつつきながら、打ち上げ。ちゃんとしたライヴハウスで演りたがるボビーさんに、ワシとマサミが『ここで演れば良いぢゃん』みたいなかんぢで。うん、ホンマに御近所のおぢさんおばさん、らが、心底楽しみに来てくれるライヴなんて、此所で演るからこそ、だと思ふ。ヘタなライヴハウスで演る事より、その意味はかなり大きいと思ふけどな・・・。

22日(火)-----------------------------------------------------------------------------

先日、ソボブキの西尾賢さんに、お土産として頂いた「くさや」を女房と食す。ワシはだいぶ前に経験済みだが、女房は初めて。

知らん人の為に書けば、「くさや」といふのは、ムロアジといふ魚を保存加工した発酵食品で、伊豆七島の名物。関東の人は割と食すらしひが、西の人間は見た事もない、といふ人も多からう。干物の一種、っちゃそれまでだが、名物の発酵食品が大抵さうであるやうに、この「くさや」も、たいへん「クサい」。まぁ、有り体に云へば「うんこ」のにほひに近い、かな?。

これが噛み締めると、たいへん美味しいのだ。にほひが強烈なので、ごはんのおかづではなく、やっぱ酒の肴、かね?。初体験の女房も、普通に喰ってゐる。クリア。

これで我々夫婦は、リバロ、ふな鮨、くさや、と「クサいもの」をクリアして来た。この先は「キビヤク」「エピキュア」「ホンオ・フェ」、そして皇帝「シュール・ストレミング」だっ!。たれか一緒にチャレンヂしないかっ?!。

23日(水)----------------------------------------------------------------------------

「ゆほびか」ミックスダウン。ラフミックスを聴いてゐて、ハと気付けば寝てゐる。オペのあやこと、唄を聴いてゐて此所まで眠くなるのは『明らかにおかしい』といふ一致。こないだもあやこ独りで音をいぢってゐて、やはり寝てしまったのださうだ。もしかして、凄いモノを作ってゐるのかもしれぬな(笑)。

ちなみにあやこの分析によると、ワシの声はある特定の音域と発音の時、波形が丸い「ぞうり」のやうな形になるのださう。で、其処の部分に強烈な催眠作用があるのだ、とのこと。へ〜。

年末の、大きな舞台イベントに、Soe'sでの出演依頼。ワシは台詞もあるんださうな。へ〜。

24日(木)-----------------------------------------------------------------------------

呉市のホテルでの演奏仕事。このごろ呉に縁があるな。

けふは3管+Pf、Dr、Baといふゴ〜ヂャスな編成。ホテルのビアホールでの演奏、と云へば営業ぽいが、仕掛人はアキ君こと野村彰広。彼なりの企みがあってワシを呼んだ訳で、演目はスタンダードながら足元にはえへくたーが並ぶ。なんとこの状況下で即興を。流石にヴォイスまでは使わんかったが、それなりに日頃演ってる事をそのままやった、といふかんぢ。

けふのメンバーではワシは長老。他はみなジャズ畑の若手ホープばかり。どっかで一度ならず名前を聞いた事が在るヤツらばかりで、共演できて嬉しいね。ドラムのサトシ君はトダミチの「月と象」で叩いてゐて、けふの最年少。最年長と最年少のリズム隊で、結構好き勝手に暴れさせてもらへた。かういふ演奏やって「ギャラ」が発生する、てのは、一番の理想。楽しい仕事だった。ペットのカワムラ君は『けふのはライヴでしたねぇ』と。

呉で演奏した後の楽しみのひとつ、夜の海岸線を車で走る気持ち良さ。高速を使ふなぞ、勿体ない。買い物なんぞしながらのんびり帰る。けふから8月3日の今治まで、ほぼ毎日ライヴが続く。

25日(金)-----------------------------------------------------------------------------

安芸楽団、遠征。折田さんの旧友つながりで、岩国市の石川島播磨重工夏祭りにゲスト出演す。知らずに行ったら野外ステージだった。ものすげぇ暑い。リハが始まる前に既に脱水症状を起こしさうだ。なんでもえぇから水分を摂るべし。

けふのイベントは関連会社の社員とその家族向けのもので、一般のお客はナシ。まぁビアガーデンの演奏のやうなものだが、どーなることか。フと気付けば、安芸楽団、随分ハードな現場が多いバンドになってゐるな。

ビンゴやら、若手社員による出し物、こないだの千田わっしょいでも御一緒した、シブいおじさまバンドのライヴに続いて、安芸楽団。けふはどーしたのか、のっけからメンバー全員凄いテンションで、イケイケどんどん。完全なライヴバンドの様相を呈す。やっぱり、前回のライヴから間が空いてないせいだらう。客席も大盛り上がりで、へ〜このバンドってこんなに「化ける」んだな、といふかんぢ。ワシのじょんがらベースも、ますますえせクサさを増して大好評。いや〜、安芸楽団でこんなにライヴっぽい事がやれるたぁ思ってもみんかったな。

すんげぇ楽しかった。久々に、ライヴ後に放心状態になるほど。

対バンをやってくれたおじさまバンドの皆さんが、むちゃくちゃ良い人ばかりで、あぁまた人の縁に救われたな、といふ気がす。打ち上げにも誘って頂き、まぁ遠征組なので酒は飲めぬが、音楽や信念につひて、楽しく語り合ったのだ。良いライヴ、良い遠征だった。

明日のPICOでのライヴを皮切りに、ツアーがスタートす。ほとんど準備が出来ておらぬ。忙しいのも考えものだな。ははーッ、大丈夫か?ワシ!。

26日(土)-----------------------------------------------------------------------------

久保田涼子&田中美帆凱旋ライヴ「Path」の日。ゲンタさんも合流するので、けふをツアーの初日と考へても良いか。PICOへ行くとちょうど東京組が会場入りを始めたところだった。涼子と美帆ちゃんのバックを務むるは藤澤由二(pf)と大竹弘行(wb)に、くどうげんた。ジャズのコンボのやうな編成で、当然、音楽もややジャズィ。涼子の唄にはかういふ編成の方が合うな。

久しぶりの凱旋ライヴと云ふ事もあって、会場は涼子美帆ちゃんの知り合い親戚関係者一同で満員。和気あいあいとした雰囲気でライヴがスタート。演出性の強い彼女らのステージは、正直ワシにはちょいと辛かったな(笑)。

続いてワシら。2〜3曲デュオで演って、その後ゲンタさんに入ってもらふ。ゲンタさん、流石にこのテの複雑系なパーカスはお手のもの。初めて「キメを合わせに来てくれる打楽器との共演」となった。『即興で演るのはイヤ』だと云ってたゲンタさんに、無理矢理入らせた新曲も成功。ん〜こないだのカミンの悲惨な演奏が嘘のやうな出来。

最後は全員でのしーシュの「マセヤ」をセッション。ワシはベースは弾かずにキーボードとパーカスで遊ぶ。涼子も美帆ちゃんも果敢に即興スキャットにチャレンヂしてくる。その意気や良し!。

大盛り上がりの同窓会を手伝った、といふかんぢの気持ちの良いライヴ。さぁ!明日からは火の国だぞ。


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