9月


1週目

1日(月)-----------------------------------------------------------------------------

フと、あるベースラインが頭に浮かんだ。これだ!!。

ぢつは最近、なんか頭に引っ掛かってて、ナニカをPCで検索したいのだが、そのナニカが分からんかったのだ。これだ!このベースライン!!。あの、懐かしのTV番組『野生の王国』のオープニングテーマだっ。

動物好きの少年だったワシには、毎週欠かせない番組だった。それにこのテーマ曲。当時既にベースを弾いてゐて、この躍動感のあるベースラインをよく口ずさんでゐたものだ。改めて聴くと、良く出来てゐる音楽だな。やっぱこの時代は皆真面目に仕事してる。

さしずめ今なら、この番組自体がもっと子供向けに作られ、テーマ曲ももっと茶目っ気のあるものを求められるンだらうな。今のTVはホンマにつまらん。

あと、印象に残ってゐるベースラインと云へば、これ。このテーマ曲も良いね。調べるうちに、大好きだった「十六人谷」や「しゃれこうべの歌」などのエピソードが丸々アップされてゐて、思はず見入るYou Tube。

2日(火)-----------------------------------------------------------------------------

ブルーズ・シンガー&ギタリストとして知られるタジ・マハールと、インドのミュージシャンが共演したアルバムを入手。これがイマイチ(苦笑)。

全般的にプリミティヴなのは良いんだが、なんか泥臭いブルースに合わせて、インドの楽器がピニャピニャ演ってるだけ、みたいな。

ワシは、ブルースと云ふ音楽の民族音楽的側面にたいへん興味があって、さらにブルース特有の柔軟性みたいなもんが、インド音楽とどーいふ絡み方をしてるんだらうか?と、かなり楽しみにしてたんだが、さういふかんぢのは1曲だけ。インドのミュージシャンが、ブルースに無理に合わせてる、ってかんぢ。これは上手く行くハズがないよ。か〜なり残念。

タジおぢさんの方が、もっとインド側に接近して音楽を作って欲しかった、って気がす。

3日(水)----------------------------------------------------------------------------

半日、楽器の改造に費やしたが、失敗したので内容は書きまへん。

ポカリスウェットの新しいCMがまたク〜ルな音楽を使ってゐるな。前回のやつはタブラとアクースティック・ギター(多分)が高速で渡り合う、といふU-zhaanの曲が使われてゐたが、今回はタブラとスライドギター。これがまたカッコえぇ!。

CM音楽って云へば、最近知人の絡んだ奇妙な事件があり、結局あぁいふのはクライアントの希望が通らねば、どんな良いものも意味がない。誰が聴いてもオカシイ、と思ふやうな音楽でも、クライアントが良いと云へばそれが採用される。そして広告業界(特に地方の)は必ずしも、センスが良い、とは云へない。難しいね。

最近、TVの仕事に関わってない。てゆーか、世間と関わってすらないやうな気がして来た。

4日(木)-----------------------------------------------------------------------------

空ケースや印刷物や、「ゆほびか」に関する荷物が、続々と配達されて来る。が、まだ本体は届かず。ツアーまであと1週間。間に合うンでせうか?。

ケータイの調子が悪く、使ってる最中、フイに電源が切れたりす。もう壊れたのか?。なんかよぉ、前のプリペイドの方が頑丈だったぢゃね〜か。11月には買い替えんとイカンらしいし・・・・。なんかねぇ〜、カネ使わせやがるなぁ〜。

最近またカリンバをよく弾いてゐる。『親指ピアノ』と呼ばれるだけに、両手の親指を使ふのだが、ワシらベース弾きはたいてい爪を短く切ってゐるので、どーも調子がよくない。色々試してみて、友人に貰ったアロマオイルを、ほんの少し指に付けて弾くと、ぢつに滑らかに弾ける事が判明。得たり。

5日(金)-----------------------------------------------------------------------------

ジャケットが完成したのを文華堂(株)に引き取りに行く。ワシが働いてゐた当時の営業主任にも会えた。皆さん、変わらずお元気さうで何より。あれから20年になるのか。

夕方から、今年でクローズとなる広島市民球場に、カープの試合を見に行く。特に野球に興味のない少年だったワシは、カープが初優勝した年に、ダフ屋のおっさんがくれた券で、デイゲームを見て以来、の市民球場。ダフ屋、てのを知らんかった歳なので、『なんでこのおぢさんは券をくれるんだらう?』と思ったのを憶えてゐる。

首位を走る阪神タイガースとの試合は、6-3でカープの勝ち。地元球団が勝ったのは嬉しいが、これで阪神のマジックが消滅。巨人の自力優勝の可能性が復活した、とか。30数年ぶりの野球場は、たいへん面白かった。なるほど、これは球場に来んと分からん楽しさ、やな。

奇しくも、メキシコに一緒に行ったジャンラの中来田さんが、大阪からわざわざ阪神の応援に来てゐて、試合終了後に合流。近所の居酒屋で一献傾けながら、色々と語り合った。


2週目

6日(土)-----------------------------------------------------------------------------

ジ・インプレッションズでの久々の営業仕事。女房の母方の里、大崎上島。にて『日本の唱歌百選』たるイベントがあって、その伴奏。事前に譜面を貰ってゐたが、なんか忙しくてチェックするヒマなし。初見で演る事になった。新加入ドラムの石田サトシを車で拾い、事務所で他メンバーと合流。一路大崎上島へ。

女房のおかーさんの母親、つまりワシには義理の祖母に当たる人の葬式で、一度だけ来た事がある大崎上島。あん時は大慌てだったから、道とかも全然憶えてないな。

けふのところは会場入りして、機材セッティング。簡単なサウンドチェックだけやったら、もう宿に引き揚げる。小さい旅館だが一人部屋をもらへた。ラッキー!。

なにせ田舎の島なので、遅くまで開いてゐて、酒を出してる店がほとんど無いさうな。んで、数少ないさういふ店を予約して、スタッフも交えた宴会。考へてみたら、付き合い長いけど、インプレッションのメンバーと宴会したのは初めてだな。

25歳の駆け出しの頃、このバンドに入って、色んな仕事をさせてもらったものだ。連日が緊張と重圧の嵐だった。そのメンバーとこんな風に宴会ができる、たぁね。

7日(日)----------------------------------------------------------------------------

ゆんべはだいぶ呑んだが、9時入りに合わせて皆ピシっと起きて朝食。この辺が、シビアに仕事で音楽を演ってる人達と、ただのバンドマンの違いやな。

会場入りして、全体のリハーサル。出演者は子供から老人まで、全部で16組20曲。リハでキーが変わった曲が3ツ。まぁ少ない方か。初参加のサトシ、あまりの世界の違いに、大いに戸惑ってゐる。嗚呼、ワシもさうだった。頑張れ〜。

まぁ、本番も無事終了。この『唱歌百選』、大崎上島を文化的に盛り上げて行かう、といふイベントのやうで、たいへん良い企画だと思ふが、文部省からの助成あって、のものらしひ。企画そのものには、既にある種の行き詰まりを感じさせなくもない。しかし、出演者は皆、これを楽しみにしてゐるやうだ。今後もこのイベントが続いて行くことを、部外者ながら祈ってゐたい。

帰りは、フェリーを降りた時点で流れ解散。ワシらは高速道路を使わずに、下道をのんびり走って帰る。サトシ、緊張から解放されて寝てゐる。お疲れさん。

8日(月)-----------------------------------------------------------------------------

専門学校は試験休み。ツアーに向けてソロの練習をす。

今回、大阪と名古屋で3本のライヴを演る。それ以外に名古屋では、最終日の朝、幼稚園でのライヴが1本入ってゐて、これが難題。170人の幼稚園児相手のライヴ!。興味深いチャレンヂには違いないのだが、なにを演って良いものやら・・・。色々とそのテの活動をしてる音楽家のビデヲ見たり、本を読んだりしてみてゐるのだが。

一緒に演るテーさんとマミは、元々子供好き、てぇのもあって、何やらやたらと気合い入ってゐる。ワシは『子供』と云ふモノには、全くのシロウト。今のガキどもとその親が、何を聴いて何を求めてるか、なんて、世界で一番未知の領域。う〜む・・・。

そして色々と考えた末、結局、いつものワシのままで演る事にす。ワシは音楽家であって保父ではない。出来んものは出来ん。演れる事を演る。それがワシの音楽だ。幼稚園児相手にえせニック即興かましてやる。170人のうち一人でも、なんか興味を示させればそれでもうEvery thing OKよ。

9日(火)-----------------------------------------------------------------------------

「中身」がまだ届かんのだが、まぁいつ来ても良いやうに、「ゆほびか」のジャケットを折り、歌詞カードを挿んで行く作業をす。

改めてジャケを見ると、イズオカの絵がたいへん良いかんぢ。バティックの難しい色合いをキレイに出してくれてゐるし、レイアウトも完璧。文華堂(株)のH主任、良い仕事をしてくれてゐる。イズオカも気に入ってくれたら良いが。

折角キレイなジャケを傷つけぬやうに、丁寧に作業。まぁ20年以上前の事になるが、ワシも文華堂(株)の元社員。紙を折るのは上手いのだ。けふのところは40枚の「ガワ」を作っておく。

10日(水)----------------------------------------------------------------------------

「ゆほびか」の中身(CD)がようやく届いた。はぁ〜、これでツアーに持っていける。ガワはもう完成してゐるので、あとはせっせとCDを入れて行くだけ。

徹底して軽量化にこだわった、前作の「きねつき」(10枚重ねても厚さ3センチ!)に比べると、やはり今回は普通のプラケースを使った分だけ、かなりかさばる。ツアーに出ると、この差は結構大きいのだ。考えた末、何枚かのブツを先に会場に郵送させてもらふ。まぁ正直な話、壱会場で10枚以上売れる事は、ほとんど無いンだがね・・・。

ところでウチの近所の郵便局に、ちょっとエェかんぢの御婦人の職員がゐる。まぁおばさんっちゃおばさんなのだが、色っぽい、てゆーか、なんかエェかんぢなのだ。美人って訳でもないし、特に愛想が良いって訳でもないんだが、なんかえぇかんぢなのだ。見かけの割にミョ〜に声が澄んでゐたりして、エェかんぢなのだ。髪も染めてたりして、エェかんぢなのだ。

11日(木)-----------------------------------------------------------------------------

久々にSoe'sのリハ。箏のトモちゃん入り。このユニットでは初となる冬のツアーや、年末の舞台へのアプローチなど、そろそろ具体化しつつある。けふは『既に在る楽曲へと出来上がって行く過程』といふテーマで即興をやってみた。が、このメンバーでの合奏自体が久しぶりだったので、なんか皆ミョ〜に手探りの感ある演奏だったな。

手探りの即興演奏ほど見苦しいものはない。かと云って、あんまり自信満々に演られるのも辟易する(割と多い)。帰りがけにマサミと、そのテの事につひて研究するワークショップのやうなものが催せぬものかな?と話し合ふ。たいへん興味深い。

帰りの電車で、久々に「巨乳の女子高生」といふものを見た。その、歩くだけでゆさゆさと揺れさうな双丘のまん中に襷がけにした鞄のヒモが食い込んでゐてこれが

12日(金)-----------------------------------------------------------------------------

明日からツアー。ちょっとだけソロの練習をして、全然してなかった旅の準備をばたばたと。えへくたー類を入れる鞄に困ってゐたが、ノートパソコン用のヤツが薄いし、軽いし、ある程度は頑丈だし、良いんぢゃないか、と思ひ、¥1500のを購入。おぉ!!、ばっちし。またひとつ身軽になったぞ。

スタヂヲの出口でマックさんと出会い、ちょいと一緒に珈琲を。マックさんと云へばボブ・ディランだが、最近は飽きたらしく、『ピンクフロイドのカヴァーを唄おうかと思うんぢゃが』とのこと。それは暗にワシにベースを弾け、と?。

さて、明日の昼前のバスで大阪に出発だが、まだ宿が決まってないんだな。どーしやうかな?誰か泊めてくんねーかな?。


3週目

13日(土)-----------------------------------------------------------------------------

昼前のバスで大阪に移動。週末、しかも連休のはぢ    続きはこちらへ

14日(日)----------------------------------------------------------------------------

ゆんベはダイスケの家に世話になった。ダイスケは古   続きはこちらへ

15日(月)-----------------------------------------------------------------------------

朝5時に、どっかのカプセルからケータイの音楽が流   続きはこちらへ

16日(火)-----------------------------------------------------------------------------

午前6時に起床。眠い目を擦りながらけふの会場、ひ   続きはこちらへ

17日(水)----------------------------------------------------------------------------

バスで早朝に帰広。やはり熟睡には程遠い深夜バスの旅。でもまぁ『こんなもんだ』と割り切れば、悪いモンではない。

家に帰り、風呂に入り、ざっとメールのチェックだけしてから昼まで寝る。ごそごそ起きだし、昼飯を喰ってから、本格的にメールの対処。旅の間に3通のCD注文メールあり。あとは旅でお世話になった人へお礼のメールなど。

夕方から買い物。名古屋で赤味噌をゲットして来たので、これでチャンチャン焼きを作る事にして、鮭のえぇのを買ふ。酒屋でキリン『秋味』を捜すも見つからず。

18日(木)-----------------------------------------------------------------------------

ツアーの間に届いてゐた、野村誠、片岡裕介共著『即興演奏ってどうやるの?』を読む。

これは、所謂「音楽療法」的な解釈から即興演奏を捉えた手引書、といふかCD付きの実用書で、ワシが名古屋で得たヒントを更に明確にさせてくれよる。やはり同じやうに考える音楽家は居るのだな。これはかなりワシの中ではマイルストーンになりさうな書物。

それはえぇのだが、この書の冒頭。即興演奏の取っ掛かりとして『なんちゃって演奏』といふのが書かれてゐる。まぁ要するに、『こんなかんぢにやればこんなかんぢに聴こえるよ』てぇ手法集なのだが、その「なんちゃってインド」とか「なんちゃって沖縄」とか「なんちゃってラテン」とか「なんちゃってジャズ」てのが、まさにワシが日頃演ってるのそのまんま(笑)。

ははぁ、ワシはやはりこれだったのか?(笑)。

でもまぁ嬉しいね。この人達が演ってる「なんちゃって」感がワシの音楽、てのはね。これで「えせニック」も御墨付き、やね(笑)。

19日(金)-----------------------------------------------------------------------------

専門学校秋休み最後の日。雑務いろいろ。

来週からまた後期の授業が始まる。年末までのライヴスケヂュールも埋まりつつあり、既に土日の休みはほぼ無い状態。10月は何故か安芸楽団の遠征が多く、学校の芸術鑑賞もふたつ。11月のSoe's東京ツアーは、その後ワシひとり江戸に残って2〜3本演る事にした。12月には、舞台系の演奏もふたつ入った。

しかし、人に請われるままに演奏するばかりでは、音楽家としてダメなので、やはり自分の企画も立てねばならん。ナ訳で11月には、久々に地元広島でのソロ・ワンマンを演る事にした。多分その頃には完成する、新しいジモカフェで。

そして来月、またひとつ歳をとる。Many rivers to cross.


4週目

20日(土)-----------------------------------------------------------------------------

ギャル曽根、がTVで「韓国のグルメを喰ひ尽くす!!」のやうな番組をやってゐた。焼肉にビビンバ、丼にラーメン、と喰ふわ喰ふわ。前からすごいと思ってゐたが、ホンマにすごいね、この娘。フードファイター、と云はれる人達が、食い物をただ詰め込んでるだけ、でその割になんか悲愴感まで漂ってる、てかんぢが拭えないのに対して、このギャル曽根は、なんとも美味さうに喰ふ。

『喰ふたんびにトイレに行って吐いてるんだ』といふ風評もあるやうだが、吐いてたらあんなにつやつやした顔はしとらんだらう。単純に、すごい。

久しぶりのしーシュ週末リハ。永らく完成しなかった「くちなわは語った」を、ワシが唄う事にしてキーを変え、リリ・ボニッシュ風(知らんか)にアレンジし直す。あっと云ふ間にえせニックになる。うーむ・・・・。

飯を喰ひに行き、ツアーの土産話など色々したいのだが、今回は『良いツアーだった』以外に、ホンマに語る言葉がない、といふかんぢ。

21日(日)----------------------------------------------------------------------------

けふは野外イベントの日なのだが、夜明け前からドガドガ雷が鳴りはじめ、夜が明けたのが分からんぐらい真っ暗の大雨。中止だらうな、と思ひながら朝風呂に入ってたらカシラから電話。やはり中止。が、午後を過ぎた辺りから、急に晴れはじめ、しまいには夕焼けまで出てやがる。もーちょっと早くピークが来てりゃ、えぇ野外イベントになったのにや。

アクターズスクールの秋の発表会、を見に行く。予約も約束もなく、入り口辺でボケッとしてたら、中から「センセイ!」と呼ばれ、前の方の来賓席を用意してくれた。

ここの仕事を辞めて1年半。『少女、三日会わずば刮目して見よ』と云ふが、確かに。「へ〜こんな娘入ったんか」と思ってパンフを見ると知ってる娘だったり、ワシが直接教えてゐたガキんちょにヒゲが生えてたり、はぁ〜〜〜・・・。

相変わらず、よく練られ、よく練習を重ねられた立派なショウだ。生徒達もよく頑張ってゐた。学校側各位にも会った。冗談まじりだが「復帰しませんか?」と云はれた。いやァ、もう戻れまいよ。ワシはワシ自身に興味があり過ぎる。

『生徒達に会って行きませんか?』と云はれたが、恥ずかしいし、冷たくあしらわれでもしたら立ち直れんので、辞退した。

22日(月)-----------------------------------------------------------------------------

通販で注文のあったCDを発送す。まだあるかも知れんので、クッション封筒を大量に買う。しかし、まだ大量に在庫が残ってゐる「きねつき」も、どーにかせないけん。両方を上手いこと売り分けてゆくテは無いものかね?。

専門学校、後期授業スタート。けふのところは2年生をひとコマ。その後、映画「ウォンテッド」見に行く。内容はイマイチ。アンヂェリーナ・ジョリィが良い。だいぶ老けて来たけどね。

23日(火)-----------------------------------------------------------------------------

祝日。雨で流れた日曜日のイベントの振り替え、にFar east lounge で出演。ワシはケツカッチン、てゆーかかなり無理があるダブルヘッダーの為、ステージの途中で抜けねばならぬ、といふ・・・。

まづ4人フルメンバーで4曲演奏。引き継いでワシがソロを2曲。しーシュデュオで3曲。ツンちゃん入ったトリオで1曲。ワシはここで退散。しーなさんとツンちゃんのデュオが演ってる横で、がさがさと機材を片付ける姿は、かなり間抜けである。

その後はしーなさんのソロとなり、2ndはカシラとツンちゃんのデュオだったんださうな。誰が、どんな形でステージに居ろうが居るまいが形になる!。恐るべきフレキシブル・ユニットである(笑)。

さてワシは急ぎ車を飛ばし(西風トンネルを初めて使った)、新興住宅地「こころ」イベント会場にて、安芸楽団のステージを務める。決められた集合時間には遅れた入りだったが、機材の多い安芸楽団はまだセッティング中。ワシはこのバンドではベーアンにピっと繋げばおしまひなので・・・。

けふの安芸楽団は、サポートヴォーカルにぱかぱか号のMIやんをフィーチャーしてのステージ。MIやん、急なオファーにも関わらず、見事なサポートを成し遂げてくれた。しかし、人数多いだけに仲々フルメンバーが揃わぬバンドだね。こないだワシが行けなかった現場では、ベースと唄二人を集めねばならなんだらしひ。かつて御大ロバート・フリップも、『ベースが唄うと経費と人員の削減にもなる』と云った、とか・・・。

にしても、だ。全くリハをせず編成まで変わる超フレキシブルなバンドと、緻密なアレンジとメンバー構成を要するバンド、このふたつを掛け持ちしながら、演ってる事はほとんど同じ、のワシってどうよ?。ちったぁ自慢出来るんかな?。

ワシはさらにその後、Soe'sのリハに。けふはまぁまぁ良い即興が走った。

24日(水)----------------------------------------------------------------------------

王貞治ダイエー監督の辞任。野球を知らぬ人でも知ってゐる、恐らく世界で一番有名な日本人。野球技術だけでなく、その紳士的で温厚な人柄でも、多くのファンを持つ男。ファンからせがまれるサインを、一度も断った事のない大スター。世界野球で優勝した時も、イチローと握手しながら『ありがとう、キミのおかげだ』と云ふ監督。伴侶を亡くした時、葬儀に参列した全員に電話をかけ、感謝の言葉を送った夫。

こんなひとになれたらなぁ、と、強く思ふ。王さん、お疲れ様でした。

25日(木)-----------------------------------------------------------------------------

先日、Far east で出たイベントの対バン、てゆーか同じステージに、大正琴の御婦人のグループが出演してゐた。大正琴4台によるアンサンブルで、ポップスや叙情歌などのレパートリィを演奏しておられた。割と上手い。

途中、なんかトラブルがあったらしく、フと1台の音が鳴らなくなった。その途端、えらく音が薄っぺらになってしまった。よく見ると、鳴らんくなったのはなんとベース大正琴!。こんな楽器があったのか?と思ふと同時に、あ、ベースってやっぱり、あると無いとでこげぇに違うんだ、と思った。

ワシは自分が弾いておりながら、ベースってホンマに要るパートなんかな?と思ふ事も多い。この大正琴は、新たな発見であった。ベースはやはり、アンサンブルの中では要るパート、のやうだ。

26日(金)-----------------------------------------------------------------------------

こないだMDの整理をしてゐて、適当にダビングしてあったもの(旅用に、ロングプレイモードにしてCDを3〜4枚分録音してゐる)の中に、「Dance」のサビを唄うワシの声が入ってゐた。さうよ!。メキシコからサンディエゴへ向かう真っ暗なバスの中で、ワシは録音機に口を付けるやうにしてこれを吹き込んだのだ。背後に流れてゐるノイズは、国境を越えるバスの音だ。その時はかう唄ってゐる。

Dance Dance 君の足元から Dance 香しい生命のにほひ そして僕はまた 国境を越える

ワシにとって唄と云ふモノは、記憶の断片を語る手段に他ならない。そしてことさらそれを、他人に分かりやすく伝える必要も無い、と思ふ。この「Dance」を聴いたある人が、嗚呼シュウさんはホンマにメキシコに行って来たんだな、と思った、と云ふてくれた事がある。

それで充分だ。


5週目

27日(土)-----------------------------------------------------------------------------

夕方から、ジモ・ミュージックの創立30周年記念パーティーに出る。Y社、K社といふ大手を向こうに回し、個人経営の音楽教室が30年も続くとは立派。ワシが初めてここに遊びに来た(習った事はない)のは16歳のとき。その時には、よもや自分がここの関係者なんぞにならうとは、思ってもみんかった。

ただ呑むつもりで行ったのだが、『歌え』と云はれたので、久しぶりにギターの弾き語りを演った。ケツカッチンにて、1時間半で退出。歩いてピコに向かふ。

ピコでは、若者達主催の『ござしきなげせんライヴの会』といふパーティーが行われてゐて、ワシはこれに箏のトモちゃんを連れて参加す。他の出演はゴンゴマンとバラ子さん(アフリカ楽器と唄)、薬師仏掌堂(ディジュとジェムベ)、佐久間泰三(シタール)、Yass(創作笛)、ら。バラフォン、ゴンゴマ、ボロン、ディジュリドゥ、シタール、笛、箏、電気ベース。ちょっとしたワールドミュージック・フェスやな(笑)。

第壱回目のこれは、店に出演者しか居らん、といふかんぢだったが、けふは仲々の客入り。子供や犬までゐる(笑)。ワシは参番手で演る。レコ発を兼ねるつもりなので、ゆほびかに入ってゐる曲を中心に。ツアーが終わって以降、練習らしい練習はしてなかったが、まぁまぁ良いパフォーマンスが出来たかな。

トモちゃん入りの「十六夜」では、いきなり『即興やろう』と云ってトモちゃんを慌てさせる。『え〜〜!!うそうそ!?ホンマに?』とか云ひながら、これがまぁ演っちゃう娘なんだなぁ。

なかなか見事な即興。トモちゃんは終演後、他の出演者やお客さんに引っ張りだこになってゐた。そらぁ、腕も立つ+度胸もある+ルックスもイケる、と来た日にゃ、もう・・・ね。思ひ返してみたら、しーなさんをこの界隈の人等に紹介した時も、こんなかんぢだったな。

レコ発としてのアレもあったが、ワシ個人としては、泰三くんや仏掌堂のみんなとセッションするのも楽しみにしてゐた。が、喋ってゐるうちに3:00になってしまひ、明日も早いので先に失礼した。

28日(日)----------------------------------------------------------------------------

けふは呉のリュウくん主催、ライヴスペースRazz&Jinn壱周年記念イベントに出演。昼(野外)夜(店)のダブルライヴ、といふ仲々ハードなイベントだ。昼は呉市中央公園。あいにくの曇り空だが、広い芝生の上でユルく演る最高のシチュエーション。聞けば、呉で個人の主催でかういふ野外音楽イベントをやるのは、これが初めてだとか。いつもながらリュウくんのバイタリティには頭が下がる。

Razz&JINNの常連は勿論、家族連れがピクニックがてら聴いてゐたり、通りがかりの人が最後まで居たり、初回としては良いかんぢのイベントだったんではないかな?。出演者のそれぞれの熱演も。誰かが強力に仕切る訳でもないのに、きっちりと進行してゐる。まさに「フリー」フェスだ。素晴らしい。

出演者は、ビッキーこと尾引浩志、ヤマザキヤマト、宇宙人おーちゃん、風太郎、ジック、薬師仏掌堂、にワシ、といふ、まぁちょっとしたアレな・・・。13時から始まり、17時までは公園で。その後ちょいと休憩して20時からRazzとJINNを交互に解放してライヴ(両店は厨房で繋がってゐる)。勿論出演者は全員ダブルヘッダー。

ワシは昼の部では明るめ、夜の部ではおとなしめ、の演目で演った(?さうでもなかったかな?あんま憶えてねーや)。ソロのあとはビッキー&ヤマトにも参加。ハング+口琴+ベースといふたまらんセッション。リハを聴いて気に入ってくれた風太郎さんにも壱曲参加。ジックさんにも頼まれてゐたのだが、会場の関係で共演が実現出来ず。

最後のおーちゃんは2:00になっても終わらず、昨日から蓄積した疲労で、流石に限界。明日も朝から専門学校なんで、一足先に失礼させてもらった。ハードな二日間だった。

29日(月)-----------------------------------------------------------------------------

眠いが専門学校。頑張ってチャリで行く。

サロンシネマに純喫茶磯辺を見に行く。最近一番のお気に入り女優仲 里依紗を目当てに選んだ映画だったが、これが大当たり。相当に面白かった。機会あったらもう壱回見たい。てゆーか、DVD出たら絶対買う。

でもアレだ。途中父親役の宮迫博之が、演技たぁ云へ仲 里依紗のおっぱいをわしづかみにするシーンがあって・・・・。くむぅ。

この娘、ワシはTVのドラマを一切見んので知らんかったのだが、ハチワンダイバーとか云ふドラマで、割と話題になってたらしひ。アーカイブ見てみると、超努級ストライクの眼鏡ッ娘(しかも巨乳)だったりして、嗚呼ぁぁしくぢった、といふかんぢ。でもまぁ知ってても見んだらうがね、ドラマ。

30日(火)-----------------------------------------------------------------------------

2007年に逝去した藤原伊織の遺作、「名残り火」を購入。我が家にはもう、本を置くスペースはほとんど無くて、文庫化を待ってゐたのだが、待ち切れずに・・・。レッスンの合間に夢中で読む。1999年に発表された「てのひらの闇」の続編にあたり、前作で微妙な関係にあった美人の部下とのその後など、ぬぅむ面白い。

で、フと思ふ。ワシはこの手の噺の、孤高の主人公の言動や思想に影響を受けやすい。しかし、こはあくまでフィクションの世界の噺。御都合主義でないフィクションなどあり得ない訳で、それを現代の現実に置き換えても「浮く」だけの噺だ。ワシはお伽の国を生きてゐる42歳(もうすぐ43)なのだ。きもちわるいね。


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