10月


1週目

1日(木)--------------------------------------------------------------------------------------

リハはしごの日。まづは10/17誕生日ライヴの企画の為、ゲストのHOBOみゆきサンとデュオのリハ。アメリカン・ルーツミュージックが得意なみゆきサン。リハしてるうちに最初選んだ曲が「違う」気がして来て、思ひ切って変更。上手く行くんやろか?。

続いて安芸楽団のリハ。10/10西条の酒祭りのゲスト演奏。ゲストヴォーカルで、久しぶりに会う森川博司がゐる。最終的にはえらい大所帯のメンバーになるんださうな。ハー大変なバンドだな。アレンジの意向が合わずに、少し声を荒げてしまふ場面もあった。ヒトにも音楽にも、寛容になる事って難しいね。

最後はブレーメンの音楽隊としーシュ、今週末(明後日だ!)のライヴに向けての合同リハ。お互いの曲を全員でアレンジして演る。一緒に演奏すると良く分かるが、本当に上手なヤツらである。全員に、音楽を表現する為の技術、がしっかりあって、しかも突出してゐない。仲々できる事ではない。良い道で売れてほしいバンドである。

リハばっかり、てのも疲れるね。本番だと「魂の落とし所」てのがあるが、リハはない。魂が疲れるのだ。

2日(金)--------------------------------------------------------------------------------------

こないだの月曜にリハをやった、りこズの営業仕事に、授業を切り上げて行く。「広島みかん恋唄」といふ広島みかんのキャンペーンソングのお披露目会だ。まぁりこのメロディメイカーとしての面目躍如たるキャッチ−でポップなCMソング。聴かせる相手は日本中の青果業者のおエライさん達。見事に女性が居ない。この業界ってぢつは男の世界なのだな、と思ふ。

このシチュエーションでどう演奏すべきか、をフツーは考えるのだらうが、ワシは考えぬ。いつも演るやうに演る。云ってみれば参加者は皆さんお百姓さん達な訳で、日頃は土と水と太陽を相手に生きてゐる人達。背広を着こなしてゐても、所謂ホワイトカラーの人達が集まった会合とは、全然雰囲気が違う。なかなか好ましい。このテの会合の中の出し物にしては、まぁまぁ聴いてもらへたのではないかな?。ホーンやストリングスも入ってゐて、結構オモロかった。

隅っこにワシらの席も用意してもらひ、来賓と同じ飯と酒が出る。昼間ッからガンガン呑み、喰らふ。

楽しい仕事だった。だが、やっぱり、かういふ宴会場って、宴の後に多量に残される残飯を見る事になり、ちょいとげんなりする。これが喰へない人が世界中にどれだけゐる事やら!。残るの分かっててこんなに出さなきゃ良いのに。

ワシら貧乏なミュージシャンは片付けが始まっても席から離れず、出来るだけ喰ひ切る為に奮闘。みんな鞄に詰め込んでまで持って帰ろうとしてゐる(笑)。栓を開けただけで手を着けられてない酒の瓶を注して『持って帰るから栓をくれ』と云ったのに、何故か新品を持たせやがる。さういふ意味ぢゃないのにや!。


2週目

3日(土)----------------------------------------------------------------------------------

しーシュと、ブレーメンの音楽隊、によるカップリングライヴ in PICO。軽くリハを演ってから会場入りすると、PICOがリボンやら短冊やらで飾り付けられてゐる。ちょいとお祭りぽくしてあるのかね?。ブレーメンの皆は昼くらいから集まって掃除したり、色々仕込みやったりしてたんださうな。今回ワシら長老組はホンマに乗っからせてもらふだけの立場やね。ありがとね。

開場前から人が待ってるやうな人気ぶり。まぁ若手実力派としては当然だが、ブレーメンの人気はこの頃とみに昇り調子だな。定刻通りに始まったライヴは・・・あららブレーメン、流石にちょいと固い演奏。緊張してんのかね?。それでも後半は持ち前の明るさで会場も盛り上がり、アンコールも来る。出音がデカすぎて、彼らの演奏の丁寧なところが出てなかったのが残念。

後続のしーシュは、まぁ年相応に貫禄と余裕を持って(笑)。終始落ち着いた演奏を心掛け、なかなか良い出来。特に「最高だ」て訳ではないが。

40分の本割の後、ブレーメンを呼んで「合体」。彼らのレパートリィ「やさしいヒト」とワシらの「Dance」を一緒に演る。付け焼き刃的な感はないでもなかったが、良いセッションとなり、アットホームなライヴは幕を閉じた。終演後もお客さんがなかなか帰らず、出演者と話し込んだりして、良いね。ブレーメンのとウチのファンでは、なかなか噛み合わぬやうな気もするが、双方のファンに交流のきっかけになれたら良いな、と思ふ。

ワシは明日も早いので控えめに呑みながら、最近お気に入りの女性打楽器奏者ミカりんと話し込んでゐた。2:00まで。

4日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

けふはまづ9:30から五日市でふちだ楽器の発表会リハ。

これを13:30までこなした後、先にひとり退席。車でしーなさんを拾い、呉に向けて出発。御贔屓Razz&Jinnの2周年記念イベントに出演。1周年の時も凄かったが、けふも全国各地から個性派ミュージシャン達が、リュウくんのお祝に駆け付けてゐる。ツンちゃんら広島パ−カス軍団をはじめ、福岡のさとぽん、宇宙人おーちゃん、山口のジックさん、京都のKETAちゅん、東京から徳久ウィリアム・・・・。ワシには既に顔馴染みの人達が多く、再会を喜びあう。ちょいとしたフェスのやうだ。

かういふ催しに初参加のしーなさんも、楽しさうにしてゐるのでまづは一安心。けふは車なのでノンアルコールで、他の出演者見たりしながら出番を待つ。

しーシュは結局、18時頃に出演。モニタ−し辛く(モニターがない)ちょいと集中力は削がれたが、昨日に引き続き仲々の演奏。他の出演者に気に入ってもらへるのが嬉しいね。ワシはその後も、ジックさん、ウィリアム、と即興で共演。ウィリアムとのデュオは、まるでディメトリオ・ストラトスとルチオ・ファビリのデュオ(知らんだらうな)のベース版のやうだった。ぞ。

さらにワシは、東京からの無国籍ユニットTAYUTAにも依頼を受けて1曲参加。楽しくベースを弾いた壱日であった。しかし流石に連日のライヴと遠征続きにお疲れモードは隠せぬ。申し訳ないが23時を回った頃には退散させてもらった。

ひとつひとつの点が、繋がって線になり、それはナニカの形にならうとしてゐる。その形が完成した時、ワシは幸せになれるのだらうか?。そしてそれは誰かを不幸にしはせぬだらうか。

5日(月)------------------------------------------------------------------------------------

このところ、ツアーだのライヴだので週末ほぼ家に居れぬので、けふは専門学校ひとコマの後は女房と過ごす。30分歩いて巨大モールに行き、ヴィレッヂ・ヴァンガードなどで何も買わずに2時間ぐらい歩き、また歩いて帰って、晩飯はつつ井食堂で生ビール付き。

ワシは順調に旅の範囲を拡げつつあるが、女房には孤独な思ひをさせてしまってゐるなぁ、と思ふ。

6日(火)------------------------------------------------------------------------------------

最近知り合いになった、なかなかイカした女性サックス吹きが、ぢつはワシの大学の時の後輩-----ジャズコンボを一緒に演ってゐたドラマー----の嫁さんであった事が発覚!。ひぇ〜〜!!なんて世間は狭いのだ。大学を卒業後1年ぐらいは一緒に演ってゐたが、その後は消息を知らず、なんと20年ぶりの再会。縁といふはオモロいものだ。

何故か朝起きた時から眠く、授業中も眠く、帰宅してからも眠く、またレッスンに行ってからもづっと眠い。ので、23時に寝た。

7日(水)---------------------------------------------------------------------------

今を去る事15年前、ワシのベース教室での生徒第壱号だった白井ハジメが、東京から一時帰省してゐる。仕事を終え、一旦帰宅してから、雨の中を飲みに行く。ヲルガン座が開いてたので何の気なしに入ると、けふは友人が企画するライヴの日だったやうだ。ありゃぁ〜、終わってから来てしまった。すまんね。

ハジメは、こないだ東京で会った時に「ゆほびか」を買い、ワシの作曲家としての部分に強い興味を持った、といふ。あのコード感覚は何処から生まれるのか?と訊かれるが、う〜〜〜む、別になんにも考えてないよぅ。さういやワシって、どーやって曲作ってるんだっけ?(笑)。

自分を「作曲家」として認識した事はないが、旧友のカズイやマ−坊のやうな、職業作曲家にコンポージングを誉められる事は多く、それはやっぱり嬉しいですね。さういやハジメも今や職業作曲家なんだな。さうね、「良い曲」を作りたいだけよ、ワシは。

そげな事を喋りながらワインをかぱかぱ呑んでゐたら酔っ

8日(木)--------------------------------------------------------------------------------------

ぐぬー、頭が痛い。二日酔いだ。結構呑んだからなぁ。頭痛いがけふもリハはしご。はしご、つーかけふはまぁワシが待機してゐるスタヂヲに、皆に来てもらふ、てかんぢなので少しは・・・・。10/17のライヴ用の。

まづは15:00からHOBOみゆきサン。決して流暢ではない彼女のギターを、どのやうにカヴァーして、デュオの意味を持たせるか。20代中盤をほとんど一緒に演ってただけあって、ハモは流石にばっちり決まるね。

20:00からは、今回唯一アマチュアからの参加者カンスケ夫妻。もともとの夫婦デュオに、ワシの毒ベースとコーラスを合わせるかんぢで。ワシがアレンジして録音した音源を丁寧に練習してゐてくれるが、肝心のワシがそのアレンジを憶えてない、と云ふ(苦笑)。すんません。

22:00からぱかぱか号+ワシ。これはオルカ団最後のメンバーだし、もう何度も共演してるから・・・、と思ふがコイツら忘れっぽいからなぁ(笑)。油断出来ぬ。案の定、みんな手元が怪しい。なんか違う音が聞こえるぞ。大丈夫かよ。てゆーか大丈夫かよ、ワシ。

9日(金)--------------------------------------------------------------------------------------

諸事情で専門学校が休み。個人レッスンもない。ので、休み!。といふ訳には行かぬ。けふはどーでも「実験」をやってみる気になった。10/17の4時間耐久ライヴを唄い切るだけのナニが、果たしてホンマに自分にあるのか?。を考えたのである。

ゲストに参加してもらふ曲はまぁ置いといて、その他ソロでの演目をプログラムに書き出し、実際のライヴの要領で演ってみる。予定では全部で三幕に分け、壱幕と参幕は13曲、弐幕が18曲と考えてゐる。合計で44曲。これの壱幕と参幕を続けて演る。13:00からスタート。

壱幕の13曲が終わった時点でちょーど1時間10分。弐幕のソロ曲を7つ演って2時間。この辺で飽きて来た(笑)が、まぁさうも云ふておれぬ。水を呑むぐらいの休憩しか入れずに参幕まで演り切った所で3時間20分ぐらい。余ったレパートリィを3曲ぐらい演って3時間40分。ん〜〜〜〜〜〜ビミョーやな、全部演って4時間で終わるだろか?。

途中で2回ほど咳込みさうになった。疲れたし、喋る声は流石に掠れるが、唄声はまだ全然大丈夫だな。

まぁ、誕生日ライヴなんてのは名目に過ぎず、究極の自己満足、無意味な挑戦、にお客さんとゲストを付き合わせる事になる。先に謝っておこう。ごめんなさいね。


3週目

10日(土)----------------------------------------------------------------------------------

安芸楽団で西条酒祭りへの出演。オープニングセレモニから出番があるので、8:30には西条に居らねばならぬ。7:00頃の乗客もまばらなJRで向かふ。

オープニングセレモニは10:00から。盛大に地元よさこいチームを交えての演奏。ダンスと共に演るといふは、演奏者にも確実に何かの力が働くもので、とても良い演奏。けふの問題はここからのハナシで、この後我々は、20:00のメインステージ本番まで、膨大な時間を潰さねばならないのだ。酒祭りの会場で、である。これを呑まずに待たずして、なにが祭りか?。

てな訳で、夜まではてんでに散会。ワシは「酒広場」にて全国各地の銘柄を呑みまくる。つまみを喰ひ、呑む。日本酒をベースにしたカクテルなどもあり、味に飽きたらこれを呑む。去年女房と来たのよりも凄い人の多さ。日曜日の原宿みたいだ。去年もさう感じたが、たいへんピースフルな祭りで、もめ事なんかはほとんど無いンぢゃないか?。知らないおぢさんに話しかけられ、つまみを分け合ったり。

流石に20時まで呑んでばかりも居られず、散歩したり本屋で立ち読みしたりす。夕方頃、メイン会場へ戻る。唄の森川と篠笛の梶川さんが車座になって呑んでゐるのに合流。本番直前までまた呑む。秋口の山間部、といふことで、暗くなると立派に寒い。安芸楽団の衣装は露出が多いので風邪ひきさう。

本番は、まぁあんなもんかな?。なんか会場の大きさとお客さんの多さほどには、演ってる方が盛り上がらなかった、てかんぢかな?。まぁでも好評だったやうで。ワシは結構いっぱいミスった。酔いはそれほど関係ない。単なる練習不足。

帰りは森川、梶川さんと3人でJRで。あーよぅ呑んだ壱日でした。

11日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

二日酔いは特にナシ。酒が良いんだらうね、やっぱり。

けふはふちだ楽器店秋の大発表会の仕込み、に夕方から出かける。機材の搬入を少し手伝い、音響の準備を待ってサウンドチェック。思ひのほか時間がかかり、その後にアカギさん(ギタリスト。10/17ライヴのゲスト)とリハする予定だったが、断念。

12日(月/祝)------------------------------------------------------------------------------------

けふはその本番。ふちだ楽器店秋の大発表会。毎年恒例、生徒と一緒に楽しむお祭りだ。33周年と云ふ事で33曲演る、といふなんかどっかで聞いた話のやうな。ぢつはこれもワシが提案したもの。数字に弱い癖に、語呂合わせが好きなんである。

不馴れな生徒達の33曲、といふ事で裏方の方が大忙し。間に講師演奏を挟みながら、壱日生徒のケアと段取りに帆走した。入場者数500人越え、といふ快挙。これがアッピールとなって生徒が増えてくれりゃ良いが。

打ち上げは出演者お客さん入り交じっての45人!。五日市はコイン通りの御贔屓居酒屋「わがまま」に、ぎゅーぎゅーに詰めて座ってお疲れさん!とやるのは仲々に楽しい。

二次会は中華料理の「平和園」で、レモン酒にラーメン、と云ふいつものパタン。20時から打ち上げが始まったが、二次会終わって引き上げたのは、結局いつもと同じ3時くらい。ワシは明日も朝から専門学校。女子を二人送り届け、歯ブラシを買って歯を磨き、教室の床で寝袋で寝る。

13日(火)------------------------------------------------------------------------------------

床で目覚める。直接専門学校に向かふつもりでゐたが、結構早く目が覚めたので、一旦ウチに帰る事にす。シャワーを浴び、アブラ臭い服を着替えて、登校。まぁ授業中はなんどか寝てしまったが。

けふはその後「整体」を受けに行く。生まれて初めて、なのだ。別に特に悪い所はない(と思ふ)のだが、悪い所を見つけてもらひたい、と云ふのと、日頃のトレーニングが間違ってないか、などを訊きたいので。

若い整体師がごりごりと身体をいぢってくれる。筋肉量と質は誉めてもらえる。良い筋肉をしてゐるのでこれを維持するやうに、と。ただやはり骨はだいぶ歪んでゐて、首が特に酷く、腎機能なども低下してゐる、といふ。だいぶ手加減はしてくれたのだらうが、それでも結構痛かった。イチローを例に上げ、充分すぎるほどのストレッチを、とのこと。

ただその後、手に全く力が入らんのには参った。まっすぐ歩けぬし、立つだけで膝裏に激痛が残る。晩飯を作ってゐて、皿を落として割ってしまふ、といふ失態。それに、まぁこれは整体とは関係ないだらうが、熱まで出て来た。昨日もあまり寝てないのだった。ので、風呂に入って早々に寝る。

14日(水)---------------------------------------------------------------------------

朝起きると、全身が凄まじい筋肉痛。これホンマに良いのか?。手の力はまぁ戻ってるかんぢ。17日までに完全に戻ってくれにゃ困るで。

レッスンは休みなので、終日のんびりと休む。Youtubeで田中美保の色々を見る。山本太郎とデートしてるのとかあって、いいなぁ、と思ふ。しかし太郎、良いタレントになったなぁ。

15日(木)--------------------------------------------------------------------------------------

折角整体師にあぁ云はれたのだから、筋肉痛を押してトレーニングを再開。云はれたやうにストレッチを入念に。食事制限の効果も出て来て、体重、脂肪率共に減少中。野菜をまりまりと喰らふ。昔から葉モノ野菜が好きなのだが、葉モノ野菜は身体を冷やすから気を付けるやうに、とも云はれたな。

チャリでレッスンへ。珍しく二人の新入会あり。個人レッスンの仕事も少しは潤ってくれぬとねぇ。3:30〜22:30まで飛び飛びでレッスン。その合間にまた、17日の誕生日ライヴ用のリハもす。けふはギターのアカギさん。Line 6のMIDIギターを使ってもらふやうにリクエスト。今度このアカギさんとバンドをやる、といふ話にもなってゐるのだ。今回はワシの唄ものをサポートしてもらふ。

夜はカンスケ夫妻との最終リハ。ふたりとも良く頑張ってくれてゐる。おかしげな企画に一般社会人を巻き込んでナニをやってゐるのか?といふ気がする。ごめんなさいね、ホンマに。

昨日あたりから少々体調が下り坂気味なのだが、頼むからあと3日、もってくれ。それが終わればどーなっても良い。

16日(金)--------------------------------------------------------------------------------------

ちょいとある事でPCで調査をしてゐたら、貴重なフェンダー・ベース5の映像が出て来た。これって地球上で200本しか作られてない楽器なのださう。現存して、なをかつ使用に耐えうるものがどれだけ残ってるか、となると・・・。これはその超レアな実際の演奏ヴィデヲ。これって確か15フレットまでしか無くて、その分、高い方に弦が加えられてゐる、とか。

歴史の狭間に忘れられやうとしてゐたベース5だが、ベース6の方は結構根強い人気があって、エトロン・フーのフェルディナン・リシャールみたいに、今も現役で使ってる人もゐる。それでさらに調べてたらこんなのが。ジェット・ハリスていふ、エレキギターポップス黎明期のベーシスト、なんだって。ビートルズより前に、ステージのセンターに立ってたベーシストが存在してたなんて!。この人、現在も活動中だとか。69歳!すげぇ〜〜カッコいい〜〜〜!!。


4週目

17日(土)----------------------------------------------------------------------------------

誕生日だ。44歳だ。

けふは久々の自分企画「やれるとこまでやってみやう」ライヴ。唄旅師匠、豊田勇造さんの企画を真似した訳では無いが、結局真似た形になった『誕生日に歳の数だけ唄う』といふ、無謀なイベントだ。

元はと云へば、いつぞやのナニかの折りにフと自分のレパートリィの数を数え、ホー今年の歳の数と同じになったな(すぐ追いこしたが)、と思ったのがきっかけ。最近演ってないのもあって、一度全部演ってみんといかんな、と思ひ、んで調べてみたらちょうど誕生日が土曜日で、なをかつPICOのスケヂュールも空いてた、と。ぢゃあ折角だから演りますか、と思ひ至った、と云ふ訳。

流石に全部ソロ、てのはお客さんにキツいかも、なのでゲストにも参加してもらひ、長丁場になるからチャーヂは取らず投げ銭システムにして・・・・、と。

結果。4時間と40分、といふこれまた奇しくも4並び、と云ふ時間をかけ、無事「完奏」しました。

多数御来場下さったお客さん(のべ50人)、参加してくれた9人のゲスト、スタッフとして自ら裏方をやってくれた友人達、あの場にワシを導いた全ての事象、に心から感謝を。ほんとうにありがとう。プレゼントも沢山戴いた。素晴らしい誕生日だった。開演前はテンパり、終演後は虚脱して、「乾杯」のひとつも唱和出来なんだことが悔やまれてならない。みんな、ごめんよぅ。

この日の演奏曲リストを作りました。見てみてね。

懸念した喉の調子は、全く問題ナッティング。むしろ終盤に向かふにつれて、伸びと張りが増して来るやうだった。アンコールが自発的に収まったのだが、ワシとしてはもう2〜3曲唄っても大丈夫だった。ただ、やはり相当な虚脱感。今だから云ふけど、終演後ビールを呑み、ご飯を喰ったのだが、直後に吐いちまった。

なんにせよ、自分の人生的なものに、大きな自身と誇りを得る事が出来たのは確かだ。皆さん、ありがとう。まだまだやります。やれるとこまで!。

余韻に浸っていたかったのだが、明日は安芸楽団のコンサートで、しかも無闇に早い集合。ので、後ろ髪(ないが)引かれながら、1:30頃退散。

18日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

その、安芸楽団コンサート。廿日市さくらぴあの大ホールなんぢゃげな。なんでまたこげな大ホールで、とも思ふが、なんか地元のダンスチームや、大正琴のチームとのコラボもあったりして、それなりのイベントのやうだ。大正琴チームは全員講師さんらしく、流石に上手だった。ダンスチームはこのテの人達にしてはマナーが悪かったぞ。

演奏はいつものかんぢ。楽しんで弾けたが、うーむ、なんかもっとみんなハジけないとねぇ、と思ふ。みょ〜にクラシックっぽいんだよなぁ。このバンドが今後華々しくなる為には、まづ衣装などよりステージングを考えんといかんのぢゃないかと思ふ。

折田さんは地元、と云ふ事もあって、このさくらぴあでライヴをするんが夢だったのださう。聞けばけふのコンサートは、廿日市音楽祭といふイベントの一環なんだって。ちょうどこの日、最終日を飾るはずだった大物が急逝したニュゥスが入り、大変さうなスタッフさん達であった。

19日(月)------------------------------------------------------------------------------------

10月の怒濤のライヴラッシュも収束。半ドン授業を終え、久々にのんびりチャリで遠くまで買い物に行く。

づっとフェイバリットだったフランスの歌手NosfellのDVD+CDを入手。尼存フランスから届いたブツを開けて、やられた!と叫ぶ。なんとDVDはリージョン違い(フランスはリージョン1だった)!。しかも付属CDは既にワシが持ってるののジャケ違い(インディーズ版の再発版)!!。嗚呼ぁやられた!。読めぬフランス語で買い物などするからこんな目に遭ふのだ。

まぁリージョン違いDVDでも、PCでなら見れるので良しとするか。CDは誰かにあげよう。

そのDVDの内容はしかし、期待を裏切らないもの。チェリストとのデュオで1時間半、しっかり聴かせるステージは圧巻。ヴォイスに使われるループマシンが斬新だ。ギターも上手い。随所に舞踊を思はせる踊りも取り入れ、やはりパフォーマンスの色合いが強いライヴだ。オモロいねぇ。

ただ、合間に入るMCが、演出なのか地なのか、えらくおカマっぽいのは・・・・・・。

20日(火)------------------------------------------------------------------------------------

諸事情(学校側の)により専門学校休み。鈴木亜紀さんの旅エッセイ「お尻に火をつけて」をづっと読んでゐる。文体が独特でとても面白い。でも、それはこの人の唄を知ってるからで、亜紀さんの唄を知らない人が読んだら、なんちゅーぶっきらぼうで抑揚のない文体か、と思ふかもしれん。それを思へば、エッセイや日記なんざ、その人個人の魅力を投影したもんなのだな、とも思ふ。そこが「物語」との違いだ。

どうなんスかね?、このワシの日記なんかは・・・。

21日(水)---------------------------------------------------------------------------

久しぶりにしーシュの昼リハをす。こないだの耐久ライヴの感想なども訊く。づっと一緒に演って来てゐる相方ならではの感想が嬉しい。まぁなんにせよ、まだまだこれから、です。しーシュも来年頭、二枚目のCDの製作に取りかかる予定。

ベースセロの弦を新調しやうとして、値段を問い合わせて吃驚!。セットだと、ショボい楽器が壱本買えるくらいの値がしやがる。しかも御丁寧に「バラ売りはなし」ぢゃげな。なんぢゃそらぁ!。こんなん買えるものか。なんか他に手は無いかなぁ。今結構この楽器買った事、後悔してゐるワシ。

22日(木)--------------------------------------------------------------------------------------

こないだ友人の唄うたいと話して。友人は今、新しい構想でユニットを組もうとしてゐて、とにかくコントラバスと一緒に演りたかったさうなのである。で、ようやく相方が見つかったのだが、他のメンバーが揃わずに足踏みしてゐる、といふ。

で、ワシが「二人で演れば良いではないか」と云ふと彼は、4〜5秒惚けた後に、「なるほどお前はそのやうに考えるのか」と。彼曰くワシに云はれるまで、そんなアイディアなど思ひ付きもせなんだ、といふ。ふぅむ、ウッドベースとヴォイスのデュオ、格好良いと思ふが・・。

こないだ見た映画『扉をたたく人(名作!)』で、主人公(ジェンベ&唄)がベースとサックス+自分、といふトリオで唄うシーンがあった。これが最高にクールでカッコよかったね。分厚いアンサンブルも結構だが、「足りない」部分を聴き手に任せる、ていふ方がぢつはフェアな気がする。

23日(金)--------------------------------------------------------------------------------------

諸事情(学校側の)により、けふも専門学校休み。休みになる、と云ふ話を聞いた時、「そは困る」と抗議する手もないではなかったが、まぁ。でも実際困るんだよな。これって2月くらいに「補講」て形になってシワヨセが来るのだ。2月はツアーがあるといふのに。

朝のロードワークの最中、甲羅に穴が開いて死んでゐる亀を見つけた。車に轢かれた訳でもなささうで、しかし亀の甲羅にこのやうなダメージを与えるものは一体何か?。気が滅入るやうな想像をせざるを得ないが、「悪意」とはさういふものなのだらう。このままコンクリの上ではさぞや無念だらう、と思ひ、せめて土のある所まで運んでおいてやる。早く土に還って輪廻を巡るが良い。

強くなりたい。強く優しく。


5週目

24日(土)----------------------------------------------------------------------------------

専門学校の作品展(まぁ文化祭のやうなもの)に行く。生徒に深く関わって、このイベントにもスタッフとして参加してゐる講師もゐるが、ワシは単に客として。暗がりに紛れて隅の方で黙って見てゐる。大学祭のやうに模擬店でも出てりゃも少し楽しめるのかもしれぬが・・・。生徒の出来はまぁあんなもんか。

すると女房から連絡が入り、なんでもウチの近所(すぐ裏)で、ナニカが爆発した、とのこと。オィオィ、と思ひ、慌てて帰ってみると、近所のおっさんらと女房が井戸端会議をしてゐる。どーやらペットボトル爆弾が見つかった様子。女房は爆発の瞬間を目撃したとかで、ケーサツに色々訊かれたらしひ。おーかたそこら辺のガキの悪戯だらうが、冗談ぢゃないでよ。アレは作り方によっては、充分に殺傷能力を持つ爆弾なのだ。

んで、おっさん達と話してみると、この辺り、泥棒とか放火とか、結構あるんだって。『ケーサツは怠慢だ』と云ふ事で御近所と意見が一致。自警団でも作りますか。

25日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

うすぐもり。広大跡地千田わっしょい祭りにFar east loungeで出演。このイベント、なんかしょっちゅう出てるやうな気がするけど、まだ今年弐回目。けふはしーなさん居らず。ゲストのジェンベに「ゴンゴマンとバラ子さん」のよーこチャンを迎えての4人編成。1時間枠でまぁいつもの通りなんでもありぃの・・。

けふのFar eastはなんか少し上滑りだったやうな気がす。お互いの音が「遠い」気がした。寒いのもあって、会場も妙にしれーっとした雰囲気が流れてゐたな。フリマを含む全体の雰囲気も、あと少し盛り上がりに欠けてゐたやうな気がす。

けふはワシを除く全員が家族連れで来ており、各々散会。途中でひとり蕎麦を喰ったりしながら、チャリでちんたら1時間くらいかけて帰った。まるで、ライヴなど演らなかったかのやうな。

26日(月)------------------------------------------------------------------------------------

けふはしーシュ+ミカりんのリハ。

このミカりん、その音楽センスと技術、そいから圧倒的に不思議な存在感で、最近ワシらの仲間内で人気急上昇中のドラマー&パーカッショニストだ。もともとは彼女の事を気に入ったワシとしーなさんが、『私が一緒に演る』『いや、ワシの方が先に演る』『いや私が』『ワシが』みたいな、まぁデュオ相手の奪い合い(笑)のやうな事を云ってた。だが、あるライヴへのオファーがあり、良い機会だからぢゃあしーシュに入ってもらおう、と云ふ事になったのだ。

して、その狙いは見事に適中。想像以上の素晴らしい対応力で我らを唸らせるミカりん。タイプは全然違うが、長門のNAOEに匹敵するセンスの良さ。なんの問題もなくリハ終了。これはオモロいライヴになりさうである。11/12、久々のJIVEです。

27日(火)------------------------------------------------------------------------------------

どーもこないだの誕生日にやった44曲耐久ライヴで、所謂「燃え尽き症候群」になってしまった模様。どーも気分がアガらない。まぁ他にも色々原因はあるのだが・・・。怒濤のライヴ連チャンも一区切り付き、10月はあと1本。11月は3本しか入ってない。

まァ気分がアガらない時こそ、日々を粛々と生くるべし。走り、腕立て伏せと腹筋をし、飯を喰ひ、仕事に行き、夜は少しだけ酒を呑む。

28日(水)---------------------------------------------------------------------------

来年初頭、しーシュの弐作目を作る予定がある。「さぼん玉ホリデイ」のやうに、ライヴで得意なレパートリィで構成する、といふのも良いが、やはり「書き下ろし」と云ふのも欲しい。最近しーシュ用の曲も作ってないし。ので、燃え尽き症候群などとも云ってはおれぬ。久しぶりに作曲に身を入れる。

『君が思うより私は身が軽い』といふ言葉から一気にイメェヂが流れ、10分で完成。手直しを加えながら、まぁ清書はまた今度。

29日(木)--------------------------------------------------------------------------------------

しーシュでのプチツアー。山口県は柳井市への遠征だ。宇部出身のしーなさんも、周南に住んでゐたワシも、ぢつは来た事がない柳井。「白壁の街」として知られてゐるらしひ。日帰り遠征だからその辺ゆっくり見物、といふ時間もなく会場入り。柳井グランドホテル。おぉ!?グランドピアノが赤いぞ!。白は見た事あるが、赤いピアノは初めてだ。

ひょんな筋から「仕事」として頂いた演奏ではあるが、いわゆる「営業」でなく、しーシュの音楽を演ってほしい、といふ事。あるパーティの余興、としてのステージだが、初めての土地、会場で、一見のお客さんばかりを相手に、しーシュがどう受け入れられるか、楽しみでもあり。

結果、もっとザワけたかんぢを予想してゐたが、みなさん意外なほどしっかりと音楽に聴き入ってくれた。30分の演奏の末、アンコールが来た。CDも全部売れた。あまり数を持ってってなかって、主催の方に『まァなんと商売っけのない』と云はれてしもた。

次のライヴもオファーがある。良い仕事が出来たやうだ。まァけふは、ワシひとりでは成し得なかった仕事だ。しーなさんが居てこその成功だった、と思ふ。ツアーなどに鍛えられ、しーシュも良いバンドになりつつあるね。

行きも帰りも下道を使ひ、広島に帰ったのが23時。打ち上げはまァ無くても良からう、と、そのまま解散。

30日(金)--------------------------------------------------------------------------------------

昨日の行き帰りの運転とライヴが、思ひのほか疲れを呼んだやうで、朝の起き抜けがダルい。けふはロードワークなし、とす。世間的には「元気な中年」と思はれてゐるが、やはり年相応に疲れはするのだよ。

こないだの誕生日に、「ゴンゴマンとバラ子さん」のよーこちゃんが南京豆の御徳用袋をくれた。いちいち殻を割って、といふめんどくささを差し引いても、これがとてもおいしぃ。ちょいと食べる気になって殻を剥きはじめたら最後、ハと気付いたらテーブルの上が殻のかすだらけになってゐる。うぅむ南京豆、恐るべし。

仕事の帰りに葉もの野菜が安いスーパーに寄る。キャベツ、春菊、カイワレ、三つ葉、韮、レタス、大根菜・・・。葉もの野菜だけで籠がいっぱいになる。ベジタリアンの看板を掲げやうとは思はぬが、まぁ最近、肉はほとんど喰わぬやうになったな。

31日(土)----------------------------------------------------------------------------------

我らがPICOで、東京の久保田涼子が主催する「音遊びの会」といふのに行く。

彼女が東京から連れて来てゐる二人の音楽家、二胡の芳晴さん、ピアノのKyouさん、とのセッション。最近活動的なりょーこ周辺の音楽家で、「シュウさんと演ったら絶対オモロいはず」のふたりださうで、楽しみにしてゐた。お客さんは入っても良いが、ライヴ、ではなく、あくまでセッション、てかんぢ。ならばとワシは飲みながら演るつもりでバスで行く。

初対面の挨拶も兼ねてお互いのソロなどを披露しっこする。その後、ぢゃあ何か演ってみますか、みたいなかんぢで3人が楽器を構え・・・・・。ホンマに自然発生的に即興が生まれ、これがぢつに美しい音楽となってゆく。楽器の音、ヴォイス、お客さんのノイズ(子供がゐたのだ笑)などが渾然一体となって、まるで既成曲を演ってるかのやうな演奏。りょーこの読みは見事にハマった、てかんぢだな。素晴らしいセッションだった。

芳晴さんはナレーターの肩書きも持ち、二胡を演奏しながらの物語も専門分野。「スーホの白い馬」の全語りなども。Kyouさんのピアノは水のやうな。音楽を演ってる、といふより、なにか指が鼻歌を唄ってるかのやうなかんぢ。りょーこも果敢に即興ヴォイスにチャレンヂ。ワシもこの二人と「月のチャクラ」を。客席から『なんでライヴにせんかったん?』との声も上がる。確かに。

休憩時間にしーなさんが到着。遅ればせながら、と、Kyouさんとしーなさんによる打ち合せナシのピアノ連弾。すげ〜〜〜!。それぞれ正規音楽教育を身に付けたもの同士ならではのパフォーマンスに、ワシも感動。

いやーオモロかった。即興演奏冥利に尽きる夜だった。近々の再会を誓いあって、夜は更けて行ったのであった。

*この日のセッションの何曲かをワシのMy spaceにアップしております。素晴らしいです。聴いてみテ


11月へ