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1日(日)-----------------------------------------------------------------------------
如月、になった。今年から、今月から、明日から、自宅でもレッスンを開講する事にした。今後、個人的にワシにレクチュアを受けたひ、と云ってくれる人は、可能な限り自宅で教える事にす。たぁ云へ、アパァトでデカい音を出すわけには行かぬので、ミキサーに突っ込んだベースを、ヘッドフォンで聴きながら、になる。ので、デヲデヲに行って二股フォンジャックとヘッドフォン2コを買って来た。初期投資。
来週の北九州、今月後半の岡山守治くんとのツアー、3月末の名古屋ソロ、4月アタマの江戸しーシュ、と良いかんぢで旅が決まって来てゐるが、けふまた新たに。三重県でのアートイベントに参加オファーがあり、温泉食事宿付き、てぇ事で即受諾。今年も良い旅がいっぱい出来たら良いな。
夜、久々に辺見庸氏がTVに出てゐる。ワシはこの人の書く「小説」が、なんとも云へず生臭くて好きだったのだが、ある時から『物語を創作してゐられる時代ではない』と云って、筆を折ってしまった。ファンとしては、また書いてもらいたいのだがねぇ。
2日(月)-----------------------------------------------------------------------------
自宅レッスン、開講。記念すべき生徒第一号は、広島Diva会のみゆきサン。古いバンド仲間だ。レッスン用の音響設備にまだ慣れてないんで、なんか色々と手間取ったが、気がつけば1時間ぐらいレッスンしてた。家でやるとこのやうに余裕を持ってレクチュアできるのが良い。
このやうに壱時間にひとりづつくらいのユトリを持ったレッスンして、週に何人くらいか教えて、月一人幾らくらいもらって、とか考へると、大教室のレッスンをせずとも実入りを確保できる、といふ皮算用。しかしその為にはまぁ、『シュウさんに習いたひ』と思ってもらへるやうな活動をせねばならん。変態技ばっかりやってちゃ駄目か。
しかしまぁ、此所だけの話、最近『教則DVDを作らぬか?』のやうな話がない事もない。ん〜〜〜〜〜、どーなんでせうね?。売れますかね?。
3日(火)-----------------------------------------------------------------------------
シェルター69の大将、ナカハラヒサロヲさんがベストアルバムを作る、といふ企画のベーシストに選ばれた。ので、そのレコーディングに行く。仮ギターと仮唄に合わせてドラムスと「せーの」で録る。ドラマーはジーザス代田氏。細かい事はせずに、シムプルにズンズン弾く。仲々分かってくれてゐる人が少ないのだが、ワシはかういふののバッキングって、相当上手いんだぜ。
が、ここでもやっぱり、ワシが「曲を」憶えてゐる訳ではない、感が如実に出る。日頃、このバンドのライヴをヘルプする時など、憶えられなくて困った事はないのだが、かうやってドラムとベースだけになってみると、構成が全然思い浮かばぬ。『シュウちゃん憶えてるんぢゃなかったっけ?』と云はれ、ウ〜ム、と答える。
リハをやってるやうなかんぢで、1時間半で8曲録りきった。ホンマはあと2曲あるのだが、ケツカッチンだったのでここで退散。また日を改める事になった。
4日(水)----------------------------------------------------------------------------
ソロのリハ。完全にベースだけで演れるオリヂナルが、45曲になった。その中でも特に「えせニック」を感じさせるラインナップを集めて演ってみる。ほとんどのキィがEmだった(笑)。ハーモニクスを使ふからまぁ、解放弦の使用が多くなるのは仕方ないとして、ウーム、リズムのバリエーションがもう少しほしいなぁ。
ワシはあんまりお客さんに深くライヴの感想などを訊ねたりするのは好きではない。だから、お客さんがワシのライヴをどのやうに捉へてゐるのか、よく分からん。率直な意見を聞いてみたい気はするが、聞くのが怖い気もす(笑)。
かのブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックの重鎮、ソフトマシーンのライヴは、ほぼ全曲、曲間なしで繋がってゐる。それは、彼らがライヴを始めた当初、曲と曲の間がシ〜〜ン、となるのが(観客の無反応が)怖かったから、だとの話し。好き勝手に演ってるやうなヒトも、ぢつは案外オーディエンスの反応を気にしてゐるのです。わたしもです。
5日(木)-----------------------------------------------------------------------------
新居の近所に、仲々エェかんぢの「食堂」がある。つつ井食堂、と云ふ。そこに昼飯を喰ひに行ってみた。ガラスケースにおかづが並んでゐて、客はそれを選んで席に着き、ご飯を注文する、といふタイプの、昔ながらの佇まひの食堂だ。ワシがガキの頃には、このテの店が各横丁に必ず壱軒はあった。けふはカツ丼を注文す。
カウンターと、テーブルが4ツ。客は大方が一人客。TVが灯いてゐて、それぞれが何となくそれを見ながら、飯を喰ってゐる。なごむねぇ。出て来たカツ丼も美味。うん、これは常連にならねば。夜、閉まるのが早いのがちょいとアレだな。
レッスンは生徒の休みが多く、空きだらけだったが、入れ替わり立ち替わり友人が訪ねて来たので、退屈はせなんだ。
6日(金)-----------------------------------------------------------------------------
明日の九州への旅の準備。時刻表と暇つぶし用の文庫本、買い足すのはそれくらい。壱泊二日なので、着替えもえへくたーも全部ディパックに納め、カバン壱個とベースだけ、で出かける事にす。宇宙人おーちゃんとか、平魚泳くんとか、あのテのヤツらはホンマに着の身着のままで旅をしてゐる。まぁワシも、割と近いところまで行っとるやうな気もするが・・・。なんせメキシコにも鞄壱個で行ったからね。
いま、すごくベトナムに行きたい。音楽的な旅でなくても良いから・・・いや、やっぱり出来れば某か音楽的な旅であれば云ふ事ない。てーことで探してみたら、ベトナムの民族楽器を、旅行者に少しばかりレクチュアしてくれる教室、のやうなものがあるのを発見。ん〜〜〜〜〜。
夜は、自宅レッスンの二人目の生徒。若いのにモ−タウン好き、といふ変わった青年だ。
7日(土)-----------------------------------------------------------------------------
北九州は折尾への遠征。いつものやうに在来線で行く。みどりの窓口にゐたおねぃさんに『スペースワールド駅まで片道』と云ふと、『自由席か指定席か』と訊くので『在来線ですよ』と答へると、『えぇっ!!?』と派手に驚いてくれよった。そげに驚かんでも、他にも居るでせうが、鉄っちゃんは・・・。
昼前にまぁとにかく来た電車に乗り、ひたすら西へ向かふ5時間の旅。一応、文庫本は用意してゐるが、車窓を眺めてゐるだけで全然退屈はせぬ。えぇ按配に乗客も少なく、小倉に着くまでづーっとひとり席に座ってられた。
16時半頃、スペースワールド駅でテーさんと合流。好ましい町折尾の、好ましいハコ「デル・ソル」へ。前回此所で演らしてもらったのは、去年の5月。その時に聞いた話では、近々この場所を立ち退かねばならぬ、といふ事だった。が、幸いにもその期日が伸びてゐるらしひ。良い事だ。どうせクソ役人の利権がらみの宅地造成計画だ。もっともっと伸びて、立ち退き計画自体が流れてしまや良いのに。
けふのライヴはテーさんが企画してくれたのだが、いつもの「スウィングリヴァー/梶山シュウ」の弐枚看板ではなく、ワシのワンマン。途中壱曲だけテーさんと二人で演った以外は、全部ソロ。2時間以上の長丁場なので、流石にプランを立てて来た。前半はそのプランを踏襲しつつも、軽いリクエストに応えたりして、良いかんぢに進行した。
が、ちょっと「旅」を「演出」しやうとした後半。は、それが見事に裏目に出た。お客さんに直接云はれた訳ではないが、多分たいへん押し付けがましいかんぢになってたんぢゃなかろか?。ホレ見た事か。タマに色気を出すとこげな事になるのだ。そもそもライヴを「演出」しやうなど、傲慢な考えなのだ。演り手がしっかり心の旅をしてゐれば、そげな事せずともお客さんを旅に連れ出せるのだ。アー、大いに反省。
演目:ストロマトライト/春/カプチーノ/忘れないで/ロストボーイ(withテーさん)/トゥアタラ/金魚/ダンス。後半:バホ・アラビアータ/異邦人/月のチャクラ/かがり火/タ・ルガシュの空の下で/こきりこ節/夜の駱駝/らのえてぃあ/丘にのぼる時/坂に続く路の途中で、シメて18曲!。
ちょいとほろ苦いライヴを終え、テーさんちにお世話になる。長旅&ワンマンの疲れは流石にデカいやうで、風呂の中で寝てしまった。
8日(日)-----------------------------------------------------------------------------
朝、テーさんの双児の息子達の声で目が覚める。ヴァイオリンを演ってるこのコらは、けふは福岡でレッスンなんだって。玄関先まで見送り、母親と子供達の居らんくなった家で、テーさんとギターを弾きっこしたりしながら、昼過ぎまでのんびり。居心地の良い家なのだ。
またまた在来線で5時間の広島への旅。これも幸運な事にづっと一人席を確保できる。
広島に帰るとSoe'sの、随分遅い新年会。マサミんちで奥さんの手料理を頂きながら。我々を取り巻く厳しい環境の中で、いかに自分と聴き手を満足させられるか、のやうな事を真面目に話し合ふ。悲観的になってゐる訳ではないが、まぁあまり楽観も出来ぬ我らの活動。自分が正しい、と思ふ事を演って行くしかないのだ。世の中には、自分一人では出来ない事も多かれど、自分一人でしか出来ないものも、ある。
ワインをばかばか呑んだ。気が付けば夜中の3時前。オー明日は朝からレッスンぢゃのに、大丈夫かいな。家に帰ると女房は当然寝てゐて、通販で注文してゐた「電気ブラン」や、例の教則DVDのサンプル版、などが届いてゐる。
9日(月)-----------------------------------------------------------------------------
昨日、帰りの小倉駅で、かなり本気で「テー&シュウ」デュオに取り組んでみるか、のやうな事を話した。嗚呼、今年もかうやって色々な処に行って、色々な人と絡みたいな。
既に永らくファンだったSUARA SANAのシュウジ君とのデュオツアーは決定してるでショ?。あと、演ってみたいデュオリストはね-----四国は今治のさんちゃんこと三宅富貴+ワシ。そいからまた宮崎のホゥちゃん+ワシ、も演ってみたい。あと名古屋のてらしましんご君とのデュオもまた演りたいし、熊本のなゆたサンともまた。そしてどうやら6月には三重県で、あのトミ藤山さんとも御一緒できるやうだ。わーい。
「留まるな俺達の旅心 生きてる間は楽しんでやれ」と、豊田勇造さんの「海の始まり」を唄いながら、つつ井食堂で昼飯を喰ってたら、勇造さんから国際電話。タイにゐるらしひ。「5月に広島に行くのでまた共演よろしくぅ」とのお誘ひ。わーい、嬉しいなぁ。どんどん繋がって行くね。
10日(火)-----------------------------------------------------------------------------
自分が無視したい人間でも、そやつに無視されると肚が立つ。自分の矮小さを知る。まだ修行が足らぬ。
夜、ナカハラさんのレコーディングの続き。けふまでの間にギタリストが4人録音に参加してゐるが、ナカハラさんイマイチ納得できてなささう。へへへ、録音ってハマるよねぇ。ドラムスのジ−ザス代田氏が他所の仕事を終えてから、だったので、それを待つ間、思ひ付きでコーラスなんぞにも参加してみる。オールテイク1オッケー!。みよ、プロの仕事を!。
代田氏が来てからは2テイク。まぁまぁのモノが録れたんで、これにてワシの作業は終了。良いアルバムが出来たら良いねナカハラさん。ビールとハンバーガーだけもらひ(録音はナカハラさんの店シェルター69で演ってゐる。休憩にビールが飲めるのがGood !)、チャリで帰る。すごい満月が出てゐる。あんまり寒くもなく、良い夜徘徊だ。「ファイブスポット・アフターダーク」を口笛で吹きたい処だが、知らん。
11日(水/祝)----------------------------------------------------------------------------
インテリ系芸人爆笑問題が各界の著名人と対話す、といふ主旨の「ニッポンの教養」といふ番組があり、昨夜のゲストが音文化学者の藤枝守氏であった。ヴィデヲに録ってゐたのを見る。平均律の不粋さや絶対音感の否定など、思はず「その通り!」と快哉を叫ぶやうな内容だった。が、藤枝氏の語る「音」と「文化」の関係における研究内容、てのは、まぁ日頃ワシがなんとなく考えてゐる事とほぼ同じで、ちょいと肩すかし。その先を研究した人の話が聞きたいのだが。
それと、知識人に独自の理論で喰らい付いて行く太田光を、日頃は仲々「意気に感ず」といふ気でゐたが、ことこのテーマに関してはウザく思へた。ワシですらさう思ふのだから、自分の理論に注釈を付けられる専門家は、さぞやウザく感じてゐるだらうなぁ。
12日(木)-----------------------------------------------------------------------------
少し先の話だが、完全なアンプラグドのライヴに参加するかも、といふ話があり、アクースティック・ベースの生音で練習してみる。30分くらいのライヴなら出来るだらう。しっかり生音が鳴るベースギター、ってありさうで無いんな。ワシが持ってるのも、図体がデカい割には生音はちーさい。
興味あるンはこれ。ドイツのストールてメーカの箱ベース。ワシが持ったら完全に身体が隠れてしまふんだらうな。
13日(金)-----------------------------------------------------------------------------
「13日の金曜日」がリメイクされる、といふ話し。昨今「ジェイソンvsフレディ」なんぞといふ映画まで出て来る始末だが、ハリウッドってもうネタないんと違うか?。
けふは女房は仕事が休みで家にゐて、ワシも専門学校はもう春休み。ふたりで「つつい食堂」で昼飯を喰ひ、曇天のリビングでTVを見る。理由は無いが、フとブルース・スプリングスティーンの「The River」を思ひ出した。
俺とメアリーが初めて会ったのは高校時代のこと 彼女はまだ17だった 二人で谷をぬけ出し、緑の野原へ、よくドライブに行った 川のところまで行くと、二人飛び込み泳いだりしたな 大切だと思われた全てのものが、みんな空しく消えてしまったみたいな今 俺は何も覚えていないという振りをし、メアリーは少しも気にしてないという振りをする 今思い出が甦り、呪いのやうに俺を苦しめる 叶えられない夢は偽りなのか? あるいはもっと悪いものなのか? もう川は干上がってしまっているんだけれど 俺とメアリ−は川のところまで行ったんだ 川のところまでBruce Springsteen/The River 大意
なんとまぁ絶望的で、哀しく、美しい慈愛に満ちた曲なのだらう、と改めて思ふ。これは英語でなければ唄えない唄で、アメリカからしか生まれない曲で、そしてこれを唄えぬ自分は、もう唄モノを作っても仕方ない、とさえ思った20歳の頃。叶えられない夢は偽りなのか?といふ問いかけは、その後ワシの人生のあちこちでアタマをもたげて来る。それこそ「呪い」のやうに。ネタ不足のハリウッド映画より、この唄の方がはるかに「映画的」だ。
この唄の唯一の救いは、「俺」と「メアリ−」は、まだ一緒に川に行ける、といふ事だらう。夢は叶えられずとも、愛は残るのだ。さう思ひたひ。
14日(土)-----------------------------------------------------------------------------
アクターズスクール時代の教え子が、またギターを教えてくれ、と云ふので出向く。こないだ教えた事を全然憶えとらん。爪も長いし・・・。まぁなんかのネタに、てギター弾いて上手くなる訳ぁねぇわな。好きになりさえすりゃ、何もせんでも上手くなるのに・・・。
その後しーシュのリハに。去年はしーなさんを初めてツアーに連れ出し、それなりに良いツアーが出来たが、今年もやります。お江戸3デイズのツアーが決定しました。ワシはその前にひとり名古屋でのソロをやり、そのまま上京してしーなさんと合流。3日間で3会場。ハードなツアーになる予定。他所の家庭の母親でもあるしーなさんを、長いツアーに連れ出す是非は、今もよく分からんが、まぁ仕方ない。相棒がたまたま他所の家庭の母親だった、て事だ。
その辺もあり、久々にリハ後の呑みに出かける。半年ぶりくらいぢゃないか?。よく笑い、よく語り、その日のうちに家に帰る。
15日(日)-----------------------------------------------------------------------------
天気良く、風強し。で、春先、と云へば・・・・・キタ−ーーーーー!花粉症!。昨日置いて帰った車を取りに家を出た瞬間から、目の痒みとくしゃみが始まり、夕方にかけてどんどん酷くなった。夜、「ござしきなげせんライヴの会」の為、ピコに入る頃には、もう立派な花粉症患者。やれやれ。
さて、けふの「ござしき〜」参加者は、いつにも増しての曲者揃い。バンド、ギター弾き語りは当然、カリンバの独演、笛とタブラマシン、アフリカ音楽、紙漉き、ジャグリング、サッカーパフォーマンス・・・・、まぁよくもこげな曲者ばかりが集うものよ、と感心。
ワシらFar east loungeはメンバー全員が揃ってゐるのにも関わらずバラ売り(笑)。しーなさんはトイピアノでツンちゃんのジェムベとセッションと云ふ暴挙に出る。これはオモロかった。
ワシはカシラと「朗読パフォーマンス」に挑戦。ワシがベースでうぢゃうぢゃ演るのをバックに、カシラが芥川龍之介の「蜘蛛の糸」をしずしずと朗読す、といふ。カシラからは「基本的にレゲエで」といふ指示だけ。ワシはステージに並んでゐるシンセやジェムベなども少しづついぢりながら、ベースで即興。冒頭カシラの口上から一気にモードに入ったふたりが、個々の想像力の限りに熱演。これが予想以上にウケて大成功。
Far east 〜が出るもの、と思って遠方から見に来てくれた人も、完全に満足して帰ってもらへた。やうだ。あまりに好評なので、また演らう、とカシラと話す。次は「走れメロス」とかえぇんぢゃないか?(笑)。
その後もライヴはえぇかんぢに進み、ラストはやっぱり、笛吹きヤスヲによる爆笑パフォーマンスで大団円。素晴らしいライヴ・イベントだった。毎回これを企画する、ふじたよーこちゃんを中心としたメンバーに感謝。このライヴに参加する事を、心から誇りに思ふ。
16日(月)-----------------------------------------------------------------------------
花粉症の耳鼻科へ。待ち合い室に入り切れんくらいの人が待ってゐる。ウーム。
ナット部分が割れた為、永らく使ってなかったヘッドレスのベース「黒棒」を修理に出した。家弾き用にせんとしたが、ボデーが無いので座っては弾きにくい。ヌーム。
昨日のピコを思ふ。まさにあれは、広島のカウンターカルチャーの核心、に他ならぬ。去年、名古屋からてらしましんご君を呼んでライヴをやった後、ちょうど行われてゐた第壱回目のござしき〜に彼を連れて行った。そこで演ったセッションは、てらしま君の相当深いところに強い印象を残したやうで、その後彼のブログに再三書かれる事になった。
まぁ昨日のアレをいきなり他所から来た人間が体験したら、そらぁ印象にも残るだらう。ワシ自身も、あの、壱見全然やる気の無ささうな店で、あのやうな波が自然に生まれつつある事に、心底感心してゐる。ホンマにすごい事だよ。なんで誰も取材に来ぬのだらう?。
17日(火)-----------------------------------------------------------------------------
今度また箏のトモちゃんとデュオを一緒に演る事になった。ので、その為の新曲をMTRに録らんとした。いごいごと演って、まぁなんとかガイドになるくらいのモノが録れたが、フと変なボタンを押してしまひ、全部消えた。なんやこれ?。糞莫迦が。
なんかすげぇ寒くて雪が降ってたりするが、これが平年並みなんだらうね。花粉症は酷いのに寒い、てのは、なんかとても不公平を感ずるが。
使い道に困ってゐるアクースティック・ベースギターをなんとかせんとす。これもまづナットを治さぬといかんな。使ってない楽器とか、もう全部売っちまおーかな、とか思ってたりす。ギターとか、もう弾かんやうな気もするしなぁ・・・。全部電気ベースで演る、ての方が潔いかもね。
18日(水)----------------------------------------------------------------------------
ソロのリハに行かんと準備してゐた処に、訃報が入った。古くはハラシャ、近年はサンサ〜ラで共に即興を追求した朋友ギタリスト、岩本貢さんが亡くなった、といふ。友人として、たいへん驚いたが、心の何処かでは『とうとう』といふ気がせぬでもない。此所数年は体調も崩し、精神的にも壁にぶち当り、酒に溺れ、正直、全盛期の技巧派ギタリストの面影は皆無に近かった。
事故ださうだ。だが、漫然と、それを待ってゐた、やうにも思へる近年だった。歳はかなり上だったが、結構キツい事を云った憶えがある。何度か「甘ったれるな」のやうな事も云った。その事を後悔したりはせぬ。その資格は、ワシには、ない。ただ、お疲れ様でした、と。
悪いけど、ワシらは進ませてもらひますよ、岩本さん。
19日(木)-----------------------------------------------------------------------------
仕事場に向かうバスが、なんと20分も遅れて来やがった。乗ってみると納得。対向車があるごとにストップし、交差点は2分ぐらいかけて曲がり、全ての右折車に路を譲り・・・。これでは遅れるのも無理はない。結局、普段(普通の運ちゃん)なら15分程度の場所まで30分かかり、ワシは本来降りる1コ前の停留所でバスを降りて走った。
確かに細い道路だし、運転が慎重なのは結構な事だ。だが、バスは公共の交通機関だ。プロだ。そこには「乗客を迅速に運搬する」といふ「仕事としての条件」が存在する。あげなトロトロ運転なら、プロでなくても出来る。名前を調べてバス会社にクレーム付けたろか、と思ったが、急ぐ事になってしまったので、それも叶わず。おまけに傘をバスん中に忘れる始末。
ひとつもエェ事はないバスドライバーだ。糞莫迦が。
20日(金)-----------------------------------------------------------------------------
津多屋のDVD宅配レンタル、なるものをやってみる。ネットで注文すると、自宅のポストに届く、といふシステム。の無料お試しセット。ホンマに来た(当たり前か)。便利な世の中だ。
メキシコからの帰りの飛行機の中で字幕なしで見た「ノーカントリー」。あん時は唯一聞き取れた英語が『bone appears』だった。なにが「No country」なのかよく分からんかったが、ちゃんと見てもよう分からん。ただ原題の「No country for old men」といふのが、ははぁ、と思はしむる。
ホンマは話題の「サラ・コナー・クロニクルズ」を借りたかったのだが、これは無料〜の対象にはならず、ちっ。まぁせいぜいお試し期間中に、好きなのを借りて見やう。
21日(土)-----------------------------------------------------------------------------
寒くなったり暑くなったりするこの季節、精神や身体がその変化について行けず、不調を訴える人が多い、といふ。交感神経と副交感神経のバランスが云々、といふ事らしひ。ワシも花粉症が始まり、その薬を服用する事で粘膜が荒れ、喉が嗄れたり、目が腫れたりす。そんなこんなで、気分的にもなかなかアゲて行くのが難しい。ハー、ホンマにイヤな時期だ。
昨年末に、広島じゅうの演奏家、ダンサー、パフォーマ−をひとまとめにして行われた巨大コラボ・イベントThe Tip hotel。ワシも一応の「役者」として出演させてもろたこれの本番の模様が、DVDとして発売される事になったらしひ。の、試写会がPICOで行われ、見に行く。
まぁ細かい事はツッコみ所満載なのだが、演技とパフォーマンスに関して云へば、仲々の出し物だったのでは、と思ふ。特にダンスのチームによるアクロバティックなパフォーマンスは圧巻!の一言。現役高校生もゐる役者の演技も見事。それに比ぶれば、ワシも含めたミュージシャンの演奏の出来は、完全に引けを取ってゐる、と云へるだらう。
全員によるエンディングの演奏も、演ってる時に自分らが思った程には、全然よくなかった。これはちょいとショック。ヌー、頑張らなイカンですね。
22日(日)-----------------------------------------------------------------------------
永らくいちファンに過ぎなかった、New東京トライバルユニットSUARA SANA。呉のリュウくんによる企画で、彼らとしーシュの広島ライヴが実現した。会場は昨日に引き続き、我らがPICO。
ぢつは何度も挑戦したのだが、この日のしーシュと、そいから火曜日にソロで、彼らSUARA SANAと対バンした時の思ひを、正確に文章にする事が出来ぬ。SUARA SANAのメンバーそれぞれは、人間的にも素晴らしいヤツらだった。その音楽も心から楽しんだ。そして、端から見た以上のショックを、ワシは受けた。そのショックはまだワシを捉えて離さない。いや、正直に云へば、「立ち直れるのかな?」といふ思ひさえ、今は抱いてゐる。
ただ、彼らの「ファンである」ことは、全く間違いではなかった事、かういふ形で彼らと一緒の時を過ごせた事の誇りを、強く思ってゐる。
そして、珍しくワシは、彼らに強烈に「嫉妬」してゐる。
23日(月)-----------------------------------------------------------------------------
SUARA SANAのメンバーがやってゐる、各楽器と音楽のワークショップ、に出てみた。どれも興味があって悩んだのだが、結局はヴォイスの徳久ウィリアム君の「世界の声」といふのに参加した。モンゴルのオルティンドーやホーメィ、喉唄やカルグラ、など。自分が演ってる事が再認識できたし、たいへん為になった。
一番感じたのは、彼らがやはり、意図的かどーかはさておき、相当に「勉強してゐる」といふ事。
ワシは、彼らのやうに、多様な声を使い分けて、といふ事はやっておらず、それに比ぶれば「ただ唄う」といふ事だけで音楽を演ってゐる。そしてその事に、ある種の「慢心」を覚えてはおらぬか?と思った。それはある時期、ワシが唄そのものを否定した根拠でもある。それに自分が今、陥ってゐるのでは?と云ふ事に気付かされてしまった、といふ気が、しないでもない。
24日(火)-----------------------------------------------------------------------------
けふは呉。お馴染みHobby space JINNでSUARA SANA とワシのソロのカップリング。明日から始まる守治くんとの「ダブルシュウ・ツアー」のリハも兼ねて、二人で即興も演ってみた。おおウケ。
上記のやうな理由で筆を折る。すいませんね。
25日(水)----------------------------------------------------------------------------
今週唯一の通常営業。ツアーの準備をして、レッスンに行く。
ホーメィの岡山守治くんとの二人旅だが、途中で壱日別行動を取ったりす。多分、滋賀には別々に入る事になる。旅慣れたもの同志のユルさが、なかなか良い。シュウジくんとは10ほど歳が離れてゐるが、お互いにそれを感じさせない、て処に居れるのは嬉しい。
昨日演った即興も『打ち合わせした?』とか訊かれる程、見事だった。各地の対バンもオモロさうだ。43歳。良い旅を続けられてゐる。もう少しの間、元気でゐたいね。
春のダブルシュウツアー