9月


1週目


9月1日(木)-------------------------------------------------

発想を変えてみる、といふ話し(内田樹、春日武彦対談集「健全な肉体に狂気は宿る」に思ふ)。

自分を「純粋な音楽家」であると考えた場合、学校だのレッスンだの拘束の多い今の生活にイライラしたり、思い通りにならぬ現状にムカついたりもする。が、自分を「呑気な勤め人」と考えた場合、日に4〜5時間しか働かず、まぁギリギリだが喰ふに困らんだけの収入を得、なをかつ膨大な空き時間を自分の音楽の為に使え、なをかつそれで小使い銭も稼げる、といふコトになり、そは素晴らしき人生!!と

2日(金)--------------------------------------------------

アメリカで猛威を振るったハリケーン「カトリーナ」の被害が甚大である、といふニュウス。TVでは、ライフラインがストップした街で、早くも略奪に走る市民の姿を映してゐる。かういふ事件があるたんびに感じるのだが、アメリカ人てのはホンマに辛抱の効かぬ民族やな、と思ふよ。それともラムズフェルドが云ふてたやうに、あれこそが「自由の姿」だとでも、本気で思うてゐるのかね?。

専門学校に行く。生徒も来た。授業をやった。しかし、けふは本来休みで、来んでも良かった日らしひ。

大阪を拠点に全国を行脚するギタリスト五十一(いそいち)さんのライヴを見に行く。全部で4本のギターをとっかえひっかえしながらのライヴ。もう何度も広島に来られてゐるが、ワシはけふが初めて。もっとインストなかんぢかと思ってゐたが、意外にも全編唄モノだった。ブルース系のギタリスト、と紹介されてゐるが、ワシはむしろブルージィといふより、「和」の色を強く感じたのだが。


2週目


9月3日(土)-------------------------------------------------

アクターズスクール、発表会前の追い込みによるカン詰め。例によって、冷房の効き過ぎたスタヂオに半日篭りきりで、子供達の唄を聴く。

その後ねこのづくのリハ。またまた新曲あり。凄いね、椎名さん。1週間に1曲づつやんか。リハ後は、例によって中華「老四川」へ。ワシは明日が早いのと、ちょーとここ数日、胃の調子がよろしくないので、酒は呑まず、辛い料理もやや控える。自分がシラフのままで、目の前で友人がだんだん酔っ払って行くのを見るのは、仲々にオモロイものだな。

ここ「老四川」の店員さんは、ほとんど100%ネイティヴの中国人で、日本語が上手く伝わらない、といふ、ある意味の楽しみがある。けふ「冷たい烏龍茶を」と注文しところ、しばらくして満面の笑みを湛えた店員が、『はい、つメタいウ−ロン茶でス』と持って来たコップには、なみなみと、持てんぐらいに熱い

悠久の時は今も流るる、中国4000年の歴史!!。

4日(日)-----------------------------------------------------

某楽器メーカーインストラクター研修のゲストでジャズを弾く仕事。楽な仕事だが、朝が早いのがナンだな。送られて来ておった音源を聴くヒマが無いままだったが、別に問題は無かった。ゲスト演奏とは別に、フリュートの体験レッスンを受けてみた。これがナンと、教えるセンセイによって簡単に音が出たり、さっきまで出てゐた音が出なんだりするのだよ!。いやぁ、これは自分もインストラクターとして考えさせられたね。生徒が弾けんのは、やっぱり半分はセンセイの力の無さでもある訳だ。

アンソニー・ジャクソンが動く姿が見たくなって、矢野顕子のライヴDVDを買ったのだが、ヌ〜ム、演奏はさて置き、ワシには良く分からん音楽である。ライヴの映像だといふのに、生きてゐる人間の姿が全然見えて来んな。

5日(月)-------------------------------------------------------

巨大台風接近の兆し。アメリカで甚大な被害をもたらした「カトリーナ」の倍の勢力を持つ、といふ。天気図を見てみると、このまま行けば中国地方を直撃しさうだ。一応、防災対策。飲用水と生活用水を確保し、非常灯、電池、サバイバル用品の確認。しかしホンマに地震や台風にマトモに被災してしまったら、食糧や水の備蓄なぞ、気休めぐらいにしかならんだらうな。まぁ、それでも無いよりはづっとマシだけど。

雨の中、買い物に行くと、ラム肉が売られてゐた。ので、ヂンギスカンをやる。たっぷりの野菜とバターで炒める。とても美味い。たいへんあっさりしており、肉を食ったとは思えぬ程の満足感。さういや、ウチの女房との初デート(16年前!)が、ヂンギスカン喰ひ放題のビアガーデンだった。

6日(火)---------------------------------------------------------

台風接近。昨日の夕方の時点で、けふの仕事は全部休みになった。ので、休み。備えはしてあるし、外に出ることも出来ぬし、で一日中読書してゐる。1時間置きぐらいに川の水位をチェックする。夕方から夜にかけてぐんぐん水嵩が増して来た。まぁウチは5Fだから、万が一土手が決壊しても直接被害は無からうが・・・。河岸警備隊の人達は一晩中、なんやかやしてゐたやうだ。

7日(水)---------------------------------------------------------

結局、ウチそのものは停電も断水も雨漏りも無く、台風一過の朝を無事迎えた。しかし他所ではやはり、道路が崩れたり屋根が飛んだり、結構な被害が出てゐるやうだ。

レッスンに行くと、台風のせいか何なのか知らんが、エアコンが壊れ、それに何故か5階建の2階にあるワシのレッスン室が水浸し。どーいうこった?。エアコンの故障は2F全部に及んでゐるやうで、フロア全体がぼわっと蒸し暑い。ほとんどの講師がレッスンをキャンセるか、他所に移るかしてゐる。ワシは機材と日程の関係で、移動もキャンセルも出来ず、仕方なく蒸し風呂のやうな部屋でレッスンした。

けふ女房が「BLAST!!」といふのを見に行ってゐた。以前TVで、その集団唯一の日本人だといふパーカッショニストを見て、その演奏のあまりのオモロなさに驚いたのだが、女房によると、オモロないのは彼だけで、あとは皆素晴らしいパフォーマ−で、ぢつに素晴らしいエンターテイメントショウだったさうだ。

8日(木)---------------------------------------------------------

ザヴィヌル・シンジケートの最新のライヴ盤がアマゾンから届いた。これが素晴らしい!!。ザヴィヌル爺の不思議なエスニック感覚満載ってところもストライクだが、何と云うても演奏の躍動感がハンパではない。この「身体感覚」はどうだ!。この音楽を、ほぼ1年ごとに入れ替わるメンバー編成で演ってのける。これがプロフェッショナルだ。素晴らしい!。CDを聴いて鳥肌が立ったのは、ホンマに久しぶりだ。

同じやうな「身体感覚」溢れるアルバムにKENSOの「Live 92」や、ブランドXの「Live stock」、アレアの「1978」、ビル・エバンスの「Portrait In Jazz」などがある。変拍子だらうが、音が暗からうが、変態だらうが、ヤク中だらうが、フィジカルな演奏、といふは可能なのだ。

かういふ「身体感覚」のある演奏に、「近付く事」さえ出来れば、ワシは道成らずして死んでも良い、と思ふのである。

9日(金)----------------------------------------------------------

久しぶりに「日用品」以外の買い物に、女房と行く。女房にキャラバンシューズをプレゼントする。つひでにバイキング形式のレストランで昼飯。さらにつひでに石田依良の「池袋ウェストゲートパーク4」を買う。

結局、なんやかんやで日程が組めず、密かにプランニングしてゐた「40歳直前富士山登頂計画」もポシャってしまった。まぁ、練習のつもりでちょくちょくその辺の山に登ったりしてゐて、それが結構オモロイので、これを続けるのもいいか、なんて思うたりしてゐる。

東京のゲンタさんより電話。キキオン&リズマ・クノムバスのDVDにつひて、また少々の問題が・・・。10月下旬には発売記念ライヴやのに、こんなんで間に合うンやろか?。


3週目


9月10日(土)-------------------------------------------------

先週に引き続き、アクターズスクール発表会前の追い込みによるカン詰め。浜崎やTRFみたいなのが唄う(仕掛人は小室だが)中途半端な社会派のやうなメッセージソングには、心底吐き気を憶えてしまうわい。なにが『自分の居場所が欲しかった』だ。なにが『立ち上がれ』だ。このバカどもが。

ねこのづくリハの後の飯の後、こないだマー坊が京都で聴いてきたといふ、北欧か東欧かのポリフォニーのCDなどを聴かせてもらふ。改めて、人間の声と云ふは凄いものだ。これに優る楽器はないのではないか?といふ気がする。なのに上記のものたちのやうに、それをつまらぬ使い方をするしかテのないモノたちを、ワシは悼む。

ところで『メロディ』と云ふモノは何処から来たのだらう?。世界最初のメロディって何だったのだらう?。『リズム』は判る。あれはニンゲンそのものだし、森羅万象リズムを持たぬものは存在せぬ。しかし、メロディは・・・?。

11日(日)---------------------------------------------------

アクターズスクール、本番。けふはまぁ「監督」やから、ぢっと黙って見ておれば良いので・・・。しかしまぁ朝の9:30から夜の10:00までカン詰めなのはおんなじで、それはそれで結構しんどい。ワシが担当してゐる生徒達は、本番は全然駄目だった。どうやらゲネプロで集中力を使い果たした様子。かういふ所がまだコドモなのだ。

打ち上げは焼肉。プライヴェートでも仲良しで、共演も多いコンテンポラリーダンスの関本麻須美ちゃんが、今回限りでここのインストラクターを引退。新たな境地を目指して上京する事になってゐる。ので、けふは最後の宴会。アー、またひとり美人が周りから居なくなるなぁ。最後にもう一回デートする約束を取りつけた。

12日(月)-------------------------------------------------

総選挙終了。自民党圧勝ぢゃげな。

まぁこれは、前回のコレで国民の最後の期待を託されて議席を大幅に増やしたハズの民主党が、結局この何年かの間に、具体的な事をなんにも出来なかった、と云ふ国民の判断でせうなぁ。結局、みんな、政治家は誰がなってもおんなじだ、と云ふ事に気付いたんぢゃないの?。

まぁ自民がここまで議席を増やしたら、おかし気な法案も素通りでせうね。これから世の中が、(庶民にとって)悪くなる事はあっても(庶民にとって)良くなる事は絶対にないでせう。お手並み拝見、てとこかね?。

13日(火)-----------------------------------------------------

キューンとスワロウ、二人のスティーヴによるライヴのCDが届いた。こないだのザヴィヌルのライヴ盤が「躍動的」なら、こちらは「会話的」。ぼそぼそと二人のオッサンが四方山話をしてゐるやうな演奏。ザヴィヌルがほぼ全編ヴォイスをフィーチャーしてゐたにも関わらず、こちらの、全編寡黙なピアノとベ−スのデュオの方が「唄的」なのはオモロイ。

最近、珍しい事にビル・エバンスを聴いたり、スタンダードを採譜したり、と、これまでに無くジャズに興味が向いてゐるやうだ。まぁ今さらウッドベースを弾いて、ちゃんとジャズを演ろう、なんて思わんが。

以前、パーティーかなんかの仕事でジャズを演ると云ふのがあって、エレキベースを持ってったらえらく怒られた事があった。『ジャズなんだからウッドぢゃなきゃ駄目だ!』と云ふのである。上記のスティーヴ・スワロウは70年代からエレベでジャズ演ってますけどね。そんな事云ってるからジャズがオモロなくなるんだ、と云ふことに気付かんのかね?。

その仕事、どうしたかって?。勿論エレベで演りました。二度とそこから声はかからんけどね。

14日(水)------------------------------------------------------

ワシは自分ではたいへんオサレだと思ってゐる。まづスキンヘッドなぞオサレでないと出来ない。お出かけ前に鏡覗いてピッピっと整えりゃ良い髪型とは訳が違うのだ。キレーなハゲ頭を維持する為には毎日、本格的にやろうとするなら日に何度か、丁寧に剃り込まなくてはならぬのだ。オサレでないとやってられぬ。

さらにいつもTシャーツにGパンでゐるのは、別に金が無いからではない(まぁ確かにカネはないが)。流行り廃りに流される事こそダサいのだ。ホンマのオサレとは、自分に似合う格好をいち早く見つけ、それを一生続ける事なのだ。ワシは自分に似合わぬ格好など、絶対にせぬ。おかしげな短パンや、ぶかぶかのズボンや、二枚重ねのシャーツなぞ、死んでも着ぬ。オサレだからだ。

しかし、世の判らん人達は云ふ。「楽でいいねぇ」「涼しさうだねぇ(暑いのだ!)」「もちっとカネかけんさい」「ちったぁお洒落せぇよ」。彼らは判ってないのだ。ワシはオサレなのだ。

しかし、最近他人様のブログにワシが登場してゐて、そこには『シュウさんはいつもさり気ないお洒落をされてゐます云々』と書いてあった!。どーだ!?、判る人には判るのだ。はははははははは

けふはちょっと色んな事があって、たいへん疲れた。

15日(木)----------------------------------------------------------

知ってゐる人は知ってゐるだらうが、昔懐かしの『ブラックナイロン弦』と云ふのを、サブのベースに張ってみた。まぁ、名前の通り、黒い、ナイロン製の弦である。ワシがベースを始めた頃(70年代)には結構使われてゐた、と思ふのだが、いつの間にか見なくなってゐた。一般的なスティールの弦に比べると張力が弱く、柔らかい、ナンとも云へぬ音が出る(ハズだ)。

F楽器店の可愛い店員H嬢に調べてもらったら、2社ほど現行で発売をしてゐた。なにせ需要がない為、在庫が非常に少ない、と云ふ。幸い、1社に3セットだけ在庫があったので、注文してみる。1セットで¥8000もしやがるのには驚いた。今、ワシがメインで使ってゐるのがダダリオのフラットワウンドで、これもあまり出回ってないので一般にくらべればかなり割高な方なのだが、更にその倍しやがる。

さて、そのブラックナイロン。普通のスティール弦だと5弦LOW-Bに使うやうな太いゲージを締め上げて4弦(E)にセットアップする。思った程、張力は弱くない。太いフラットワウンドを張ったやうなかんぢである。音はフラットワウンドよりすこ〜〜しだけブライトな程度。弾いたかんぢは、さすがに軽い。悪くないな。しかし、ナイロン製と云ふ事は弦自体がア−スの役割を果たさぬ、といふ事なので、ノイズが結構出てしまふのだな。昔はこの程度のノイズなんて、誰も気にせんかったのだらうか・・・?。

16日(金)----------------------------------------------------------

専門学校の後期の授業が始まった。が、生徒が誰も来なかった。90分みっちり練習した。メトロノームを使った新しい練習メニューを考えた。

その後、プールに行き、30分かけて1キロ泳ぐ。急に豚の生姜焼きが喰ひたくなり、その材料を買って帰る。タレは自分で作ってみた。あと、こないだ読んだ西村寿行の小説に、精神に異常をきたした主人公がコンニャクの胡桃和えを喰ひまくる、といふ場面があり、そのコンニャクの胡桃和え、とやらも自分で作ってみた。多分こんなかんぢだらう、といふかんぢで2品出来上がり、どっちもまぁまぁ美味かった。

ウチの前に川沿いに、この夏くらいから、まだ若いホームレスの兄ちゃんが住み着いてゐる。これから寒くなってきたら大変やろうな、と思ふ。使わん寝袋があるので、あげてもいいが、とか思ったりしてゐる・・・・。


4週目


9月17日(土)-------------------------------------------------

朝から生徒のためのカラオケを作る。少しのメロディとラップを含んだ1分少々の曲。曲を作るところから始めて、場所を変えて唄入れを終えるまでで、約3時間半。我ながら追い詰められた時の仕事の早さは、自慢しても良かろう。

そのカラオケを使って、アクターズスクール生のテスト。夜は久しぶりにねこのづくのリハがない土曜日。さぁ明日から満月祭だ。

18日(日)--------------------------------------------------

満月祭05に参加すべく、出発。イベント自体は昨日から始まってゐて、ワシは2日目から参加。出演は3日目の昼過ぎ、といふことになってゐる。決めてゐたやうにバイクで行く。テント、シュラフ、着替え、機材、楽器をバックシートにてんこ盛りに積み上げる。バイクにこんなに荷物を積むのはツーリングに明け暮れてゐた学生時代以来だ。荷物の軽量化を図る為、食糧を極限まで削り、持って行くのは水2Pとカロリーメイト2箱のみ。超サバイバル形態だが、まぁ、会場でなんか売ってるだらうし、知り合いも誰かゐるだらうよ。

果たして、バイクで行ったのは正解だったやうで、既に会場には車を停めるスペースはなくなってゐて、あっちこっちで車が砂地にハマって立ち往生してゐる。ここ入浜海岸の砂地はとても柔らかく、一度スタックすると絶対に自力では脱出できぬ。4〜5人で押しても仲々ハードな運動になるのだが、そこはそれ、さすがにラヴ&ピースのイベント満月祭。あっと云ふ間に10人ぐらいは人が集まってきて、よいしょよいしょと車を押してゐる。脱出できたらみんなが自然と拍手&握手&ハグ。

ワシは、会場入りしてすぐに水木ツン一行を発見。ツンちゃんは今回、お好み焼き屋を開業するつもりで来てゐる。結局ワシは3日間、彼らの店の敷地の片隅に間借りして過ごした。

良く云へばユルく自由、悪く云へば適当で無計画、なこのイベント。初日は、全演目が終了したのが朝の8:30だったさうだ。ワシも去年はam4:00に演りましたよ、相変わらずでんな。けふは特にすることもないので、適当にライヴを見たり、その辺を散歩したり、ユルく海岸で本を読んだり、した。2〜3「おぉゥ」と思ふやうなバンドがゐた。なんか不自然に時間が余ってしまひ、まぁエエか、とかなり早い時間からテントに入って、ただぼーっとしてゐる。ライヴはやっぱり朝まで続いてゐた。

19日(月)------------------------------------------------------

熟睡は出来なんだが、永い間に渡ってウトウトし続けた、といふかんぢで、寝覚めは悪くない。昨日は日射ガンガンで超暑かったが、けふは少々雨模様。涼しいのは良いが、ライヴ大丈夫かいな。例によってユルくライヴがスタートしはじめる。けふは顔見知りが色々出るので、早いうちからそれらと会ってハナシとかしてゐる。

なんか時間割りを見てみると、午後の4:00から6:00の間に、ワシを筆頭に5ユニットの名前がまとめて書いてあって、これはどーいふことかいな?と思ってゐると、主催のマ−君曰く『一気にステージに上がってジャムをしてみてはどうか?』と云ふ。はぁ、さういふ事かよ。ソロを演るつもりで来てゐたのだが、まぁエエわ。既に昨日今日と全然ベースに触ってないしな。

と云ふ訳で、ワシ、SoL、SPIN's、マ−君、その他2ユニット、ベース×2、ギター、ドラムス、サックス、キーボード、カリンバ、DJ、サンプラー×2、ハーモニカ、唄、総勢12人がステージに上がる。全然知らん人もゐるのだが。まぁエエわい、とワシが先導して演りはじめ、そこから2時間に渡る即興演奏!!。はっはっは、音の洪水やで。何を演ってんのか全然分からん人もゐたけど、まぁワシとしては、アキ君、サダやん、ボム君、マ−君、前から一緒に演りたかったこの4人といっぺんに共演できたんで、良しとしやう。他にもDJのシモッチや、名前知らんけどサンプラーと声を使ってた人も良かったな。かういふ時に出方を探ってショボくなるよりは、目立ち過ぎぐらい目立っても、ガンガン行った方がエエのだ、と思ふ。

『実力の差を見せつける時は、見せつけた方が良い』とイチローも云ふてゐる。

何かよう分からんかったライヴだが、仲々オモロかった。その後はツンちゃんらと温泉に行ったり、酒飲んだりして過ごす。3日連続の最終日だけあって、流石に半分以上の人が帰ってゐるやうで、海岸が静か。けふも早めにテントに引き上げ、ライヴの音を聴きながらいつの間にか寝てゐた。

20日(火)------------------------------------------------------

目が覚めたら朝5:30。けふは昼から仕事なのだ。朝靄の中テントを片付け、まだ寝てゐるツンちゃんらに手紙を残し、帰路につく。7:00発のフェリーに乗って本土へ。一旦帰宅して昼まで少し仮眠。身支度を整え、専門学校へ。そのまま夕方のレッスンまで。

21日(水)-----------------------------------------------------

満月祭のホームページのbbsに『適当過ぎ』とか『段取りが悪い』とか、けっこう辛辣なことが書き込まれてゐる。主催者の肩を持つ気はないけど、さういふイベントなのだから、そこに目くじらを立てないであげてほしい、と思ふよ。確かにまァなにもかも上手く進行してゐる、とはお世辞にも云えぬし、どっちかってぇと無いものの方が多いやうなかんぢだけどね。

けふはサンサーラの楽座定例ライヴ。このたびもやっぱり前回のライヴ以来ぶりに岩本さんに会う事となった。岩本さん、調子が悪さう。カヴァーするけぇ楽に行きませうや。と云ふ事で、1ステージ目は完全な即興で行くことにした。

フタを開けてみると、なんとお客さんはひとり!。たった二人のユニットなのに、それでも客の方が少ない!!。かうなると逆にお客さんの方が緊張するやろな。

しかし、演奏の出来は良かった。けふの即興、聴けんかった人は惜しいことをしたかもよ。1時間半ノンストップで展開に次ぐ展開。満月祭のステージでちょいと消化不良だったワシの音魂が、エエかんぢにアンチェインドされたね。ワシにはやっぱり、かういふ静めの展開の方が合うのかねえ。

22日(木)------------------------------------------------------

事情があって松崎しげるの曲をコピ−してゐる。恋人との別れを唄った、しかも女唄であるにも関わらず、其処此所に『アォ!』とか『イエアオゥ!』とか云ふシャウトが入ってゐる。意味が分からん。ワシの生徒がこんな事をしたら『もちっと唄の意味を考えんかい!』と怒るところだ。この人が圧倒的な歌唱力を持った歌手である割に、なんかいつもイロモノ的な扱いをされるのは、さういふ処に原因があるんと違うか?。

夜、KOBAにてダンスの麻須美ちゃんの送別会。彼女は10月はじめから東京の住人になるのである。最後にもう一回ぐらい、デュオでライヴやりたかったよなぁ。

帰り道、本通りで、原付きに二人乗りしたバカップルを、チャリに乗った3人のポリが追っかけてゐるのを見る。『待てェ!』『コラ!停まれ!』。待つ訳ないし停まる訳ないやろが。

23日(金)-------------------------------------------------------

朝から専門学校の体験教室がある。これまで人任せにしてゐて、あんまりこのテのものに参加して来なかったが、少しは真面目に働かんとな、といふ気になってきたので・・・。ギタ−科のシバちゃん、ヴォ−カル科のマツノブと3人でデモ演奏をやった。その効果もあってか、予想に反して可愛らしい女子高生がふたりも受講してくれた。

夕方からねこのづくのリハ。永らく間を空けてゐたやうな気がする。レパートリィも忘れてゐるモノが多い。ライヴまで後1週間。チーと気を入れてやっておかんとね。

夜、K-1見る。ボブ・サップはもうえぇかげん勘弁してあげたらどうか?。彼は絶対に格闘技には向いてない。こんな茶番試合をメインに持ってきて、唯一オモロかったガオグライとセフォーの試合をダイヂェストにするTVの、なんと無能で不毛なことよ。


5週目


9月24日(土)-------------------------------------------------

誰もがさうなのだらうが、祝日があると曜日の感覚が麻痺してしまふ。けふは土曜日だ。いちをう、今期最後のアクターズスクールの授業。

夜はねこのづくのリハ。ライヴ前、最後のリハ。アンコール、といふものの捉え方について、ワシと二人の意見が対立する。ショウとしてパッケージングされたコンサートの面白さは分からんでもないが、ワシはやはり、アンコールの為にあらかじめそれ用の曲を準備しておく、といふのは、なにか違う気がするのだよな。

25日(日)----------------------------------------------------

夜までは何もない日曜日。買い物行ったり、昼からワイン呑んだりする。

夜はエル・バルコにて、ハリケーン「カトリーナ」被災者救済チャリティライヴ。に、ソロで出演。先日、スマトラ津波被害のチャリティイベントはものすごい人手だったので、今日も凄いンかな?とか思ってゐたが、予想に反して今回のはお客も出演者も少ない。主催者のジェイミーに訊ねてみると、『アメリカはお金持ち。自分の国の事は自分でやれるハズだし、ブッシュこそやるべき!』。だから、あんまり主旨に賛同したがらぬヒトも多いとか。へ〜〜〜〜、合理主義といふかなんと云ふか・・・。外国人ってハッキリしてるね。

このテの外人さんの客が多いイベントでは、大概えせニック系の長尺ものを演るのだが、けふは趣を変えて、敢えて日本語の唄モノをふたつ、「こきりこ節」「此岸の朱」を演ってみた。まぁまぁウケた。それでもやっぱり合間に演った、カリンバとスキャットの「Tes de tazz;」の方がウケた。アンコールが来たので、更にもうひとつ「らのえてぃあ」を演った。歌詞が分からんでも、まぁまぁ聴いてくれるものなんだね。

ジェイミーに、『シュウさん、いつもノーギャラで出てくれて、ごめんなサイ、アリガトね』と云はれる。

26日(月)--------------------------------------------------

結核の検査にゆく。昨年の今頃、知人が結核にかかり、同じ職場で働いてゐたワシも検査を受けた。で、結核と云ふのは数年ごとに再検査をせねばならぬらしく、けふがその2回目。昨年の検査で、遥か昔に『結核菌に感染し、自然治癒したらしい形跡』がある、と云ふ事が分かったのだが、今年のレントゲンにも、ちゃんとそれが写ってゐる。ウーム。

時間が余ったのでONE LOVEに行く。昼に行くのは初めて。雑穀米の日替りプレートを喰ふ。美味い。その後、アクターズスクール企画会議。なんか知らんがものすごい長引いて、日が暮れる頃になってやっと終わった。

27日(火)-----------------------------------------------------

なにかフトコロが寂しい。と思うて、よく考えてみたら、満月祭、チャリティ、と具体的なギャラが発生せぬライヴが続いたから、忙しかった割にカネが無いのだ。さう、ワシにとってのライヴは仕事=収入源でもある。面白さだけでライヴを演ってると、結構ツライ事になったりする。まぁ、全てのライヴを実入りに結びつけて行く事は、仲々難しいねぇ。

せめて駐車場とかの出費を避けるとか、ギャラの分は飲み食いするとか、アシが出てしまわぬやうにするやうにはしたい。

28日(水)------------------------------------------------------

今年の春、長期のツアーで心身共にへとへとになったワシは、「もうしばらくツアーはええ」と思ふたのだが、また旅への欲求がむらむらと湧いてきてゐる。そんなもんなんやろな。で、来春の長期ツアーを、また計画中。

レッスンに行くと教室がえらいことカビくさい。消臭剤が置いてあるが、効いてゐる風には思えぬ。『なんやこれ?効いてへんのと違うか?』と持ち上げた途端、フタが外れ、中身の液体を床にブチまけてしまった。強烈なバラのにほひが立ち篭める中、吐き気をこらえながらレッスンするハメとなる。

レッスンを終え、明日のライヴの為に車の中を整理してゐたら、積んであったエンヂンオイルの缶をひっくり返し、自分の脚にオイルをブチまけてしまった。靴の中までぬるぬるになった自分の脚に悪態をつきながら家まで車を走らせた。

29日(木)--------------------------------------------------------

けふはし〜なとシュウのライヴ。府中町のLala musicといふ初めてのハコ。美容室の2階、ガラス張りのたいへんオサレな店である。店つってもライヴハウスとかライヴカフェってんぢゃなくて、ホンマに音楽を演るのを聴く為だけの、まぁ云ふなれば、小さなコンサートホールとして機能してゐるらしい。この町には4〜5年前まで住んでゐたのだが、ワシらがゐた頃はこんなライヴが演れる場所なぞなかったな。

ピアノは常設なのだが、PAシステムは無いので、その辺は全て持ち込み。かなり音が回る会場で、音作りが大変難しい。実は今、かういふライヴの為用に、小口径のベースアンプを注文してゐる。それが届けば、恐らくどんなところででも演れるやうになるハズなのだ。へへへ。

さて、ライヴは1部椎名さんのソロ。2部でワシが登場し、デュオを演る構成。普段はクラシックやジャズを中心に聴かせてゐる、といふこの会場で、ワシが演る!!。最初、ウルワーズでなんか喋って、『あぁこのヒト、日本人ぢゃないんだ?』と思わせてから演ろう、と思うてゐたが、司会の女性が「梶山シュウさんは広島を拠点に全国で活躍されて云々・・・」みたいな事を云ってしまったので、まぁええか、と日本人として演る。

演目:ワシのソロ〜マセヤ/ノルウェイの森/駱駝/だれかとGood luck/島唄/枯葉。

「マセヤ」でダ−ルを叩く予定だったのを忘れてゐて、曲が終わってから思い出した。ので、「ノルウェイの森」でダ−ルのソロパートを作った。この辺、予定には全くなかったので、椎名さん、慌てたやろな。ベーシスト、と紹介されたが、いきなりカリンバ弾いて、ダールを叩いて、ウォ〜アぇ〜と唸り唄うワシに、客席は完全に「引いて」ゐる。まぁねぇ・・・・。

まぁ面白かったよ。来月、また演ることになってゐるんで、けっこう楽しみ。

30日(金)----------------------------------------------------------

けふはねこのづくオータムンバザールと題したライヴ。その前に専門学校。さらにその後、発表会用の追い込みが必要な生徒の為に、特別レッスンをやる。男の生徒なら「てめぇでやれ」と云ふところだが、女の子の生徒なのでちゃんと面倒を見る。ワシは差別が好きだ。へへへ。

JIVE。この場所でのライヴもだいぶ馴れてきたねこのづくである。音響スタッフももうバッチリ。イントロだけ浚う形のリハでオッケー。

ところが、これがどう作用したのか分からぬが、けふの本番は全員ミスに次ぐミスの連続。今回あまり綿密なリハが出来なかった、といふのもあるが、なんかあたふたした演奏だったな。特に、あんなにテンパった椎名さんは初めて見たよ。まぁかういふ演奏の出来具合いも、ライヴを重ねて行くしかないでせうな。ワシ自身の出来は悪くなかったのだが。

それよりも気になるのは、例えば後期のオルカ団のライヴなどで感じた、場内一緒になっての盛り上がり、曲が終わった途端にウォーってなるあのかんぢ、客席からぶつかってくるあのパワ−感、が、ねこのづくのライヴには、ない。辛口を云わせてもらへば、それはやっぱり我々に、そこまで聴き手を引き込む力が、まだ無い、といふことなのだらう。ただ音楽を聴きに来たお客さんを、いかに能動的に楽しませるやうになれるかが、今後、ねこのづくがライヴユニットとして飛躍出来るポイントになるだらう。

打ち上げは3:00まで。けふも良く語り、良く呑んだ。


翌月