2009年春(かどーか微妙) 毎年恒例のこの時期の独りツアーに、しーなさんを初めて同行した。 名古屋をソロで1本演り、東京でしーなさんと合流して3本。 移動日、オフを含めてちょうど1週間。 例年の春ツアーに比ぶればみぢかい行程だった。 思ひ起こしてみやう |
名古屋の朋友鎌田麻実が迎えに来てくれ、早々に会場りとるびれっじ入り。けふはいつものソロだけでなく、こちらのミュージシャン達とのコラボ企画「きしめんコネクションズ」として演奏する為のリハ。鍵盤に鎌田麻実、サイドヴォーカルに清本りつこ。ホンマはギターにてらしましんご君を迎えたかったが、仕事の都合で叶わず。
そして定刻ライヴスタート。まづはソロで壱時間ほど。新曲旧曲取り混ぜながらユルく演る。演奏は割と良い調子なのだが、何故かけふは歌詞を良く「噛んで」しまった。歌詞を間違える、とかぢゃなくて、なんかロレツが廻らんやうなかんぢに・・・。『ぼくも・・・』て歌詞んところを『ボキも』と云ったり、なんか意味不明の言葉になったり。
後半はきしめんコネクションズで。マミは長年一緒に演ってきた相棒だが、りっちゃんこと清本りつこは初顔合わせ。名古屋の女性ロックヴォーカリストとして、かなりのキャリアを持つといふ彼女。確かに素晴らしい。クロっぽくなくて上手い、といふワシが一番好きなタイプの唄うたい。彼女にワシの曲に入ってもらったり、彼女の曲を演ったりして、ソロよりも広がりのある世界を。変わりどころでは『ヨイトマケの唄』を演ったりもした。
完璧に『唄を聴かせ切った』ライヴとなって大成功。客席にはミュージシャンが多かったやうだが、みな至極満足してくれてゐた様子。かういふライヴができる限り、ワシは例えば16分音符を弾く技術さえ失ってしまったとしても音楽家であれる、と思ふ。さうありたい。
名古屋の定宿、カプセルホテルAに泊まる。ちょいと肌寒く、風呂に入っても、あんまり身体があったまらぬ。
ほとんど露天のやうなテラス席で喰ふ。ローストなので、油分も適度に抜け、しかも柔らかくパリリと焼き上がってゐて、ぢつに美味。マミ、ヒロミちゃん、ワシの3人で鶏壱羽を丸々喰らひ切った。もう壱羽喰へるんぢゃないか?とか話してたが、まぁそこはガマンす。その後りっちゃんも合流して、女性3人にワシ、といふ、またまた他所の土地に来てまでも不用意に男子の反感をかってしまひさうなパーティーでチャイを呑む。
その後、バスで名古屋を発。昼行便のバスで東京に行くのは初めてだな。途中までは夕暮れの風景が楽しめるが、日が落ちてからは、暗闇ばっかりであんまりオモロない。移動に飽きかけた22:50頃、ようやく東京は新宿駅に着。JRで武蔵野は吉祥寺に向かひ、これも定宿、久保田涼子宅に身を寄せる。
思ってゐたより寒い東京。
さうかうしてるとBARAKAのドラマー平石正樹さんから電話があり、下町の呑み屋でモツを喰わぬか、といふお誘ひ。電車に乗って浅草橋まで行き、正樹さん御用達のオヤヂ系呑み屋で、どぶろくをしこたま呑みながら語り合う。ベースの依知川伸一さんとはよくかういふシチュエーションで語るが、正樹さんとは初めて。お互いが考えてゐる「自分の在り方」などにつひて、かなり熱く(暑苦しく)語り合った。
結構酔っ払って、しかしまだやや早い時間帯で正樹さんと別れたので、シーシャを吸いに行かう、と思ふ。ぢつは吉祥寺に壱軒、本格的なシーシャを吸わせてくれる店があるのを調べておいたのだ。ビルの地下壱階にあるかなり怪しい門構えを、酔いも手伝って大胆に潜ると、客はワシ独り。シリア人のマスターにココナツのフレーヴァーを注文し、床に座り込み、シ−シャをふかす。美味しい。
マンツーマンだったので、閉店後もシーシャが消えるまで、マスターと色々と話し込んだ。
なんか、独りで吉祥寺を満喫した壱日だったな。
どぶろくが効いたのか、シーシャが効いたのか、結構な二日酔い。けふからいよいよしーシュの初東京ツアーだといふのに。会場入り寸前まで寝て、体調の復活を計る。コンビニでソルマック、野菜ジュース、ヨーグルト、ミネラルヲータ−を買ふ。「私は二日酔いです」と云ってるやうなものだな。
さて、けふから上京して来てゐるしーなさんと、会場の日野市はSoul-Kで落ち合う。「ちゃんと来れましたね」といふかんぢ(笑)。
けふの対バンは「国吉亜耶子and西川真吾duo」といふ二人組。なんか「しーなとシュウ」といふネーミングと同じセンスを持った人達みたいで、嬉しい。これがまた素晴らしいデュオなんだな。節回し、歌声ともにちょいと不思議な雰囲気を持つ国吉さんのピアノ&唄に、西川さんのドラムがまるでもうひとつのリード楽器のやうに絡む。ピアノが伴奏楽器で、ドラムと唄が同位のニッチでハモってる、てかんぢ。凄い。素晴らしい。ワシもしーなさんも、ファンのやうに聞き入ってしまってゐた。こんな人達と対バン出来て幸せだ。
その素晴らしいライヴの余波を引き継いで、後続のワシらもリラックスした良い演奏。此所数回のリハや本番で、やや気遅れ気味だったしーなさんが、なんかえらく伸び伸びと演ってゐる姿に、こちらも対応してすいすいとイメェヂが流れて行く。リラックスした中にも良い緊張感が流れ、結構これまでのベストに近い出来のライヴだった。
以前、ソロで演らせてもらった時に、ワシの唄をたいへん気に入ってくれたママさん(すげぇ可愛いひとです)にも大好評。国吉亜耶子and西川真吾Duoのふたりにも好評。自分等が凄い、と思ふ音楽家に、同じく気に入ってもらへる、といふは最高だね。お互いのCDを交換して、またの共演を約束した。
ひとまづ、東京初日、成功。この調子であと2日、行きたいね。しーなさんは新宿へ、ワシは吉祥寺へ帰る。
けふのハコは荻窪ベルベットサン。広島出身のシンガーソングライターOhkoちゃんの企画によるイベント。ohkoちゃんはしーなさんの生徒でもあり、ワシの友達でもある。会うのは5年ぶりくらいなのかね?。ワシらが演る事を聞いて、やはり広島出身のシンガーKohくんが前座も引き受けてくれた。
ちょいと店の場所が分かりにくくて焦ったが、なんとか会場入りしてリハ。グランドピアノが置いてあるのは良いんだが、しーなさんが(ワシに)まるっきり背中を向けて演らねばならず、これは初体験だが、まぁ新しいチャレンヂとして頑張らう。その点を除けば、ものすごく演り易いハコである。
ライヴはKohくんのエネルギッシュなソロから。そして大阪出身の井沢彩萌。電気ベース+ピアノ弾き語り、といふウチと同じスタイル。ベースの榎本高さんのプレベが、かなり色っぽくオイシイ処にゐて、同じ編成ながらウチとはえらい違いやな、と思ふ。この榎本さんとワシら参人で、本番前に中華を喰ったのだ(笑)。
そに続いてワシら。しーなさんのピアノも、ワシのベースも、また二人の声も非常に調子良く。また音がものすごくエェので、これが増長され、昨日とほぼ同じラインナップで演ったが、またまたベスト更新!といふかんぢの出来。しーなさんの、目合図が出来ぬ状況で演る、といふ不安も、これで払拭できたのではないかな?。
ラストは主催のohkoちゃん。ベースとドラムスを従えてのトリオ演奏。ポップでキャッチーな良いユニットである。女性Voユニットが3つ(Kohくんは除く)、といふ企画だったが、それぞれの持ち味が出て、たいへん良いイベントだったんではないかな?。ohkoちゃん、お疲れ様&ありがとう。
お店の人にもしーシュたいへん気に入って頂き、次回の出演も「今決めませう!」と云はれる程(笑)。嬉しいですね。ワシも初めての場所だったが、良いライヴは「繋がる」ね。
さて、店を出て駅まで歩くのだが、雨降ってさらに気温が下がり、吐く息が真っ白。しかもビル風かなんか知らんがびゅーびゅー吹きくさって、冬並みの寒さっ!。はぁぁ!なんぢゃこりゃあぁ!とか云ひながら電車で帰った(写真参照)。
そんな街で、伸さんにイタリアンのランチを御馳走になる。さすがに美味。この後、ライヴが無いならワインでも行きたい所だな。御馳走様でした、伸さん。
さて、けふの会場「晴れたら空に豆まいて」といふ奇妙な名前のハコは、ワシの宿主である久保田涼子の働きでブッキングしてもらった。いわゆる通常ブッキングで、全部で5組の出演者中、ワシらがトリ。年齢的にもワシらが一番上っぽかったな。お店のスタッフもみんな学生かと見まごふ程若い。客筋も若いのかな?と思ひきや、さうでもなかった(笑)。
ラスト出番のワシらの頃には、ほぼ満員。
BARAKAの正樹さんに高見一生さん、去年一緒にメキシコへ行ったくどうげんたさん、広島で共演した西尾賢さん、数年前一緒に演った角辻順子ちゃん、元生徒のハジメ、そしてあの偉大なる女性ヨーデラ−、トミ藤山さん・・・・・(書ききれない人ごめんなさい)。色んな人がしーシュを見に来てくれた。昨日荻窪で御一緒した榎本さんも駆け付けてくれてゐる。さういやワシが独りでツアーを始めた頃も、こんなかった。昨日初対面で一緒にステージに立った人が、翌日はお客さんとして来てくれる。これほどの幸せがあらうか?。いや、ない。
応えるべく、千秋楽精一杯のパフォーマンス。リキんだ訳ではないが、相当粗い演奏になった。ハードロック・しーシュ(笑)。しかし大ウケ。アンコールまで来て、確実な手応えあり。どーやらしーシュの音楽は、東京に受け入れられたやうだ。はぁぁ、良かった。
初めて見た、といふお客さんが『「マリモ〜」でヤラれて「ダンス」で泣きました』と。
しーシュでワシが目指してゐるものは、それぞれがソロで演ってる者同士による、『力の拡大』だ。人生には、独りでしか出来ない事と、独りでは出来ない事、がある。それを演りながら確認して行く、いわばそのプロセスこそが「しーなとシュウ」なのだ、と考へてゐる。ツアー前、全ての音楽に対してややナーヴァスになってゐたしーなさんが、この3日間ですこん、と突き抜けた気がす。まぁ、本当の真価は、ツアーから帰った後の音楽に問われる事にならう。演らう、演り続けやう、しーなさん。
打ち上げではしーなさんとワシ、それぞれが別々の仲間達と談笑。考えてみれば、明日の広島までの帰途で初めて、しーなさんとライヴ以外の行動を共にするのだな。この独立性も、しーシュの、ぢつは「強い繋がり」であると信じてゐる。
ので、まづは6月、広島で行われるダンスイベントの出し物を検討。この時期を境に、幾つかのイベントやライヴを打つつもりで。マスミちゃん、こっちに出て来て3年になるさうだが、ほとんど変わってなくてイイ。そのフィジカルな美しさは健在。お互いの映像イメージや方向性などを、結構真面目に話し込む。
下北沢でマスミちゃんと別れ、吉祥寺で改めてしーなさんと合流。東京駅へ向かい、広島への帰路に着く。
今回、東京入りの行程も、宿も(当然か)、日中の行動も、全く別行動だって、当初は帰りも、ワシは独りバスかなんかで帰るつもりだった。が、さすがにそこまで別行動では、あまりにココロが寂しい、ので、帰りくらいは一緒に帰る事になった。新幹線に乗り込むなりビールを開けて、初江戸の成功を祝う。
しーなさん、沢山の良いヴァイブレ−ションを得たやうで、今後が楽しみ。昨日も考えたが、本当の真価を問われるのは、これから、ですね。
たった4時間で広島に着く。
さあ、ワシらの「場所」での戦いは、既に始まってゐる。再びあの地平に立ツその日まで、共に闘いませうぞ、しーなさんよ。
お世話になった全ての人。
関わった全ての人たち。
送り出してくれた全ての人たちに。
しーなとシュウから、ありがとう。
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