June
6月1日(火)-------------------------------------------
昨日に引き続き、専門学校。他の講師達と、週に1日だけフル稼業と、少しづつ週に3日くらいやるのはどちらが楽か?。といふ話し。他の講師の話を聞くと、自分のレッスン数がいかに少ないかが分かる。さらに減らさうとしてゐると云ふのに。
夜のレッスンまでの間、ウチに帰ってリラックスしてゐると、電話が鳴る。なんとしばらく会ってないワシの従姉妹からだった。彼女も音楽家で、家のコンピューターをいぢってゐたらワシのサイトを見つけた、といふ。ライヴを見たい、と思ってウチの母親からワシの番号を聞いてかけてくれたらしい。「オサム兄ちゃん(ワシの本名)」と呼ばれたのは、ホンマに久しぶりだ。
ワシがこの世界に入った頃、彼女はまだ高校生で、しかし、その才能は早くから認められてゐた。バンド活動も精力的に行ってゐて、当時同世代だったワシの生徒達からは、同じ高校生ながら『次元の違う人』と一目置かれてゐたやうだ。高校を卒業し、作曲家を目指して東京の音大に入学し(その頃一度だけワシの東京ツアーを見に来てくれた事があった)、その後スイスへ留学した、といふハナシだった。そこでヨーロッパの即興系のミュージシャン達と出会い、一緒にツアーなどして活動してゐたが、かなりひどい腱鞘炎に罹ってしまひ、帰国して治療に専念してゐたらしい。
ライヴに来てくれるらしいが、顔、分かるんかいな?。
2日(水)------------------------------------------------
朝イチでジムへ。最近の腱鞘炎ぎみの手は、おそらく筋トレに端を発してゐると踏み、プールで泳ぐのみ。かなり早い時間帯だったおかげで、初めて1レーンをフルに独りで使えた。30分かけて1キロ泳ぐ。
日中、電話が鳴る。相手は中年の男性。ワシが矢沢ベース(あのビワ型のやつね)を持ってゐる事を知り、しかも使ってない事を知り、さらに改造してゐることを知って、いくらかで譲ってもらえんやろか?といふおハナシ。まぁ実際使ってないし、ベースにとっても使われた方が幸せだらうといふ観点から、とりあへず了承する。
レッスンを終え、金曜日のライヴに備えて、会場にアンプを運び込んでおく。ライヴ当日、広島市内は『とうかさん』といふお祭りなのだ。故に、おそらく車では市内に近付く事も難しくなるだらう、と思ったので。
3日(木)------------------------------------------------
昨日のヤザワベースの男性に会って話す。モノを見せるととても嬉しさうだが、話を聞いてみると『これは初期型のモデルだから』とか『このインレイが入ってないヤツは』とかいふ事ばかり。ははぁ、こりゃコレクターやな、と思い、あらためてお断りした。ワシは、かういふ観点から楽器を見る人を、はっきり言って好まない。
とゆーことでワシの楽器のハナシだが、今度の久々のソロでは、アクースティック5弦を全面的に使おうと思ってゐたのだが、やはり心もとない。生で弾けばそれは素晴らしいサウンドなのだが、プラグドした途端に、なんや中途半端なウッドベースみたいな音で鳴りやがる。やはりワシにはいつもの4弦『ヴァネッサ』でないとダメか?。
レッスンを終えた後、そのヴァネッサで2時間ほど練習する。これでええんぢゃないかぁ?といふ結論に達する。hi-Cの弦にしても、1時間に1回くらいしか必要性を感じぬし、演りたいことは4弦で充分出来る。それよりも、遂に2個もボードを用意する羽目となったえへくたーの方が大変。そんなに沢山あるわけでもないのだが、なにせワシが使ってゐるえへくたーは、一個一個がデカいのだ。
4日(金)-----------------------------------------------
さてそのライヴの日。最近の統計で、夕方までの時間を、ただ漫然と待ってゐた日のライヴは、なんやあまりエエ事がない、と云ふことに気付いた。けふは授業もレッスンも普通にあるので、普通の日常をこなしてから会場入り。
ちょっとしたイベントや、誰かのライヴの中でのワンコーナーとしてのソロは定着して来た感があるが、完全ソロによるワンマンライヴは昨年の4/21に演って以来。しかも2ステージ!。さらに会場のjazz bar SOHOは初めてのハコ。さすがに何度かスタヂオ入りして練習。しかし結局は『だいたいこんなかんぢ』といふ程度のシナリオで、演目も決めずにステージに上がったのだが・・・・。
この日の演目、
1st
キャメル04 月の道 蟻塚(新曲) マコンドに降る雨を見たイサベルの独白2nd
バホ・アラビア−タ完全版〜メッセラ CT25``13 レインフォール Oh Yah 家路計10曲(多分、よう憶えてないの)。ポップものとえせニックものが半々のステージ。結果としては、初めて『演らうとした事が全て上手く行った』ライヴだった。声もよく出た。お客さんは決して多くはなかった(でも前宣伝ほとんど無しだったにしては上々だったと思ふ)けど、みんな真剣に聴いてくれたし、流れのお客さんも最後までゐてくれた。店側の評判も良く『是非、定期的な出演を』とおふぁーも受けた。ありがとう、みなさん。この日、ワシにチカラを貸してくれた全てに感謝。
終演後、ハウスバンドの演奏を少し聴き、12:30頃引き上げたが、奇しくも外はお祭りの後。店じまい寸前の露店でアメリカンドッグを買い、かじりながら夜道を歩く。かなりデカいドッグだった。しかもケチャップが少しピリ辛でGood!。昼からなんも喰ってなかったが、これ一本で満腹。
結論。ワシには4弦で充分ってことのやうですよ。
ライヴ翌日。女房と総菜屋で朝飯。
ライヴの疲れが残ってゐるかんぢではなかったのだが、レッスンに行き、生徒の前で喋って初めて、声が相当枯れてゐる事に気付いた。やはりゆんベはかなりレッドゾーンで唄ってゐたやうだ。電池切れで録音できなんだのが残念。よいライヴが演れた時に限って、録音が残らぬ。
しかし、ベースはまぁどうでもいいのだが、唄に関しては、自分で云ふのもナンだが、仲々大した事をやってゐると思ふ。がしかし、それに対するなにがしかの感想なり賛辞の声なりがあんまり無い、とはだう云ふ事か?と女房と話す。「楽に唄いよるやうに見えるからだらう」と女房。ヌーム・・・・。
6日(日)-------------------------------------------
壊れてゐたプリンターを修理に出しに行く。その帰り、普段はめったに立ち寄らぬ(ウチら夫婦は人混みが何より苦手)超大型ショッピングモォルに寄る。まぁ冷やかして回るだけでもオモロイ。惣菜コーナーにアメリカンドッグがあったので多めに買う。
先週借りておいたビデヲを観賞。「クリムゾンリバー」と「復讐の街」どっちも大してオモロない。期待させておいてシラけさせる映画。追加で借りて来たやつが、さらにオモロない。なんぢゃ?このハリボテの怪獣は?。主人公の女優が素晴らしいチチをしてゐる事(しかし、ヌードはナシ)以外、全く見るところナシ。
7日(月)---------------------------------------------
朝イチで1キロ泳ぎ、授業ひとコマ。その後、いらなくなったCDを売りに行く。本来はあまり好きではないが、まぁこれ以上ウチの床に荷重をかけるのもなぁ・・・。先日も読まぬ本をまとめて売りに出した。その時は200册以上出して¥3000くらいだった。「マニぃのばっかりですねぇ。かういふのは売れんから買い値も安いんですよ」と店員。まぁね、『メキシコの新鋭プログレバンド!』とか、『シアトル出身の若手トリオ即興40分!』とか、『北欧の変態超絶ジャズロック』とか云ってもねぇ・・・。
やっぱりクリムゾンとかイエスなんてのは、高値で取り引きされるらしいよ。我ながらマイノリティの憂き目を味わふ事態と成ってしまったやうだ。まぁ売り値はどーでもいいや。64枚売って¥9000チョイ。
8日(火)-----------------------------------------------
授業ふたコマ。その後、個人でリハを演り、夕方からはレッスン。
先週のソロライヴ以来、店に置かせてもらってゐたアンプと機材を、SOHOへ引き取りに行く。先週金曜日のライヴが既にだいぶ前の事のやうに思へるこの日常。いやはや歳も取るはずである。
9日(水)-----------------------------------------------
朝、いつもの儀式(ヨガ、ベース練習、水泳1キロ)を済ませてから、MTRを回して新曲を録音する。夏のツアー用に作ったパーカスとのデュオ曲。取りかかるまではめんどくさいが、演るとハマる宅録。しかしこの「演った気」がヤバい。録音は所詮録音である。
夜のレッスン後、この夏に結婚する生徒を囲って婚前最後の呑みに行く。この娘ははじめは小学生だったのだ。いつの間にか高校生になり、短大に合格し、気付いたら社会人になってゐて、挙げ句に結婚ぢゃげな。ハー、歳も取るはずである。一昨年、心臓発作で倒れた時、この娘らに世話になった。その節はありがとう。まぁ幸せになんなさいよ。
10日(木)--------------------------------------------
昨日の宅録が思いのほかカッコ良いのに欲が出て、ヴァージョンアップして録り直さうとする。が、失敗。何度やっても最初のクオリティを超せぬ。さういふものだらう。やはりインスピレーションに優る芸術はないのである。
夜はオルカリハ。最近なにやら無軌道に騒々しいかをりのドラムにクレームをつける。と云ふのも、ソロやアクースティック編成の時には、完全にコントロールできる自分の声が、バンドでは何故か出来ないのだ。ぢつはここ数回、オルカのリハでまともに唄えたためしがない。以前の日誌に『ヘタになってゐるやうな気がする』と書いたが、ソロなどでそんな風に思ったことはない。
考えた末、それはただ単にバンドの音がデカ過ぎるからだ、といふ結論に達したのである。たぁ云え、いまのオルカはアクースティック編成。ピアノにアコギにベースである。デカい音と云えばドラムしかないではないかっ。と云ふ事で、かをりに注文。さすがに不服さうなかをりであった。が、「チカラを抜いて演れ」と云ふ訳でも「抑えて叩け」と云ふ訳でもない。ただ「デカい音を減らす」と云ふ事だ。
その後、新生オルカにしては初めて、みんなで呑みに行く。カオサンといふエスニック屋台風居酒屋。スパイシーな唐揚げや、野菜たっぷりの生春巻きなどに舌鼓を打つ。オルカ団も結成当初は酒豪の揃ったバンドだったが、今や酒飲みはワシだけ。
11日(金)----------------------------------------------
よく考えてみればふた晩続けて呑みに出てゐるのである。さすがに目醒めがすこ〜し辛い。ヨガやって身体ほぐす。
授業ふたコマの後、この日曜日にライヴを演るBobby's の最終リハ。ここのドラムス藤井マナブとは、けっこう前に彼の発案によるキーボードトリオで共演してゐた。今でもことあるごとにワシをプログレのコピーバンドに誘ってくれよる。誘ってくれるのは嬉しいが、いわゆるプログレはねぇ。実はあんまり知らぬのだよな。
明日は昼から、来週末に演る久々のソウル系セッションのリハであるが、まだ資料のほとんどが手付かず。
6月12日(土)-------------------------------------------
来週末にヘルプで参加する「アイブロウブラザースバンド」のリハに参加する。元祖オルカ団のギタリストだった河野せいじと、その細君りこがゐるバンド。この二人以外は初顔合わせの人達である。女性ヴォーカルで、演目は古き良きブラコン&ソウル系。ゴルゴ2を辞めてから久しくこのテの音楽はやってない(昨年暮れに2曲だけゲスト参加したが)。ヴォーカルの娘が、過剰にクロっぽくなくて、仲々良い。リハの限りでは、メンバー全員アマチュアながら仲々の技術レベルである。
かういふのを演るといつも云われるのが『シュウさん、こんなのも演るんですね』といふやつ。結構好きなんですがネ、かういふのも。訳の分からぬ改造の注文(ワシにしてみれば非常に理に叶ってゐるのだが)をするので、楽器店からはイロモノ扱いされてゐるワシだが、同じミュージシャンにもさういふ風に思われてゐる向きがあるらしい。まぁ実際イロモノっちゃイロモノなんだけどね・・・。
夜、去年の4月以来のトダミチから仕事の依頼。その直後、ツンちゃんからもオファー。これが同じ日取りだったので、面白さうな仕事だったのだが、断らねばならぬハメとなってしまった。
13日(日)-----------------------------------------------
先週の日誌に書いた『とてもカッコイイ新曲の録音』が何故か消えてゐる。「消去」のスウィッチを押した憶えもなく、なにかの指事を機械に与えたわけでもないのに、キレーさっぱり消えてゐる。デヂタルはこれが怖い。ハー、また録りなおしやな。
うどんの脇田にてBobby's band のライヴ。何故かやうな場所でライヴかと云ふと、Bobbyさんがうどん屋の店主だからだ。Bobby'sの3人にギタリストのKid 浜野さんを迎えてのクァルテット。既に何度か演ってゐるとは聞いてゐたが、この店でだうやってライヴを・・・?と思ってゐた。まづお客さんは料金を払い、席に着く。と、大盛りのざるうどんとおでんが出て来る。ビール、焼酎はお代わり自由。おおかた喰い終わると、客も手伝ってテーブルを店外に移動。奥の方に仕舞ってあったアンプやピアノが出て来て、はいライヴスタート。といふかんぢなのだ。まぁうどんのディナーショーか・・・・。
お世辞にもきちっとジャズを楽しむ、といふ風にはいかぬが、ホゥムコンサートみたいで仲々良い。お客さんは日頃からのうどんの脇田の常連なので、そら盛り上がるわな。貴重な体験、オモロイライヴだった。ただ、久々に1時間半も立ちっぱなし(最近、ステージでは座って演る事が多い)だったので、肩が痛い。ちゃんと鍛えておかねばね。
14日(月)-----------------------------------------------
朝、ヨガ。けふはベースの練習はお休みにして、ジムへ行く。付属のプールで200メートルを6セット泳ぐ。ちょいとやり過ぎ。
昼から専門学校の授業をひとコマだけ。その後、復活したさんさ〜らのリハにゆく。今回はギターの岩本さんとのデュオといふ形となる。リハで色々決めても、いつも本番では演りたい放題、といふユニットなので、なんも決めぬ方が良いのではないか?。アクースティックベースで演りたい所だが、こいつがますます調子悪い。やれやれ。
その後、うどんの脇田へ預けてあるアンプを取りにゆき、晩飯の買い物して帰り、先週借りた全然オモロなかったビデヲを返却に行き、新しいのを借りて帰った。なんか異常に疲れてゐる。やはりライヴ明けの朝イチから、しかも普段通り仕事のある日に、あんなに性根入れて泳いだりするものではないな。
15日(火)----------------------------------------------
この頃、送られて来るコンピュータウィルス(や、その類い)を消去するのが日課になってしまった。ほぼ毎日送られてくる。朝、消去しても夕方にはまた来てゐる。まぁメ−ルアドレスを公開してゐる訳だから、ある程度は仕方のない事とはいえ、10件入ってゐるメールの全てがウィルスや未承諾広告だったりする日にゃ、げんなりする。
けふは専門学校以降のレッスンを休みにしてゐたので、夕方から夜にかけてはウチにゐてぢっとしてゐる。ウチの前には川が流れてゐて、そこの橋のたもとで浪曲のやうなものを唸ってゐるじぃさんがゐた。ここにはよく餓鬼が来てギターを弾きながら、喩酢や汁苦をさらに腐らせたやうな唄を唄ってゐるが、アレよりはよっぽど良い。
16日(水)-----------------------------------------------
朝イチでプールへ。月曜日の事もあるので、とても慎重にゆっくり泳ぐ。浮かび、漂い、時折ストローク、といふかんぢ。身体が水に溶けて行くやうなイメエジを持ちながら。それでも昔本格的にやってゐた人間の泳ぎは、おっさんおばはんをぐいぐい追い抜いて行く。水泳はワシが唯一まともにできるスポーツなのである。
さて、ワシの唄の生徒から、バンドからベースが脱退した、といふ話し。このバンド、ドラムス以外は全員ワシの生徒で、オルカ団の前座をやってくれた事もある。元々ヴォーカルとベースが核になってメンバーを集めたバンドで、その内の一人が辞める、といふのは確かにイタい。が、他のメンバーの関係は、仲々いい感じで、このまま解散させるのもなんか・・・・、と云ふ。
そこで一言。『ぢゃあ、お前がベース弾きゃええぢゃんか』。
今をときめくインディーズレディスバンド『仏陀』の唄とベースくりも、ぢつはワシのその一言でベースを始めたのだ。彼女らも最初は5人組のバンドで、くりは唄に専念してゐた。ベースがバンドを抜ける事になり、どーしやうか、と相談されたワシが『お前が弾けば?』と云ったのである。誤解を恐れず云えば、ベースなんか誰にだって弾けるのだ。くりはその唄い姿が非常に愛らしくセクシーでカッコいい娘であったが、ベースを抱えるくらいでは問題なからう。スージークアトロだってベースヴォーカルであんだけセクシーだったのだ。
結局、それが直接のきっかけではなかったにせよ、くりはベースを始め、一時ワシに習いに来てゐた。今や立派なベースヴォーカルである。案外、さうやってやむなくベースを始めたやつの方が上手くなったりもするのだ。キャロル時代の矢沢のエーちゃんもさうだし、ビートルズのポールだってさうだ。もっと極端な事を云えば、ベース抜きでやったっていいんである。音楽はほんたうに自由なのだよ。
そんな話を食事しながら喋ってゐると、女房が「あーたの周りはベースヴォーカルの比率が高いね」と云ふ。さういえば・・・。
さう。答えは案外分かりやすいところに転がってゐるのだ。
17日(木)-------------------------------------------
呑み屋で適当に取って帰ったチラシの中に、ワシの名前があった。7/3のチャリティライヴのチラシのやうだ。出演者であるワシはまだ時間も知らんのに、チラシを作るなっつーの!。
夜はオルカリハ。気がつけばいつも時間が足りぬ。まー最近のオルカはジャムバンド的になって来てゐるので、これはこれでヨイか。トラブルが起きればそれを解決する動きの中で良いものが生まれるだらう。
けふもリハの後、みんなで飲みに行く。ワシは、プロである以上必ずしもバンドが「仲良しチーム」である必要はないと思ってゐる。が、かうやって練習後にこぞって飲みに行ったりできる仲間と云ふのは、やはり良い。帰りの足をMIに頼んで、バイクを置いて帰ることにする。結構性根入れて飲んだ。
18日(金)-----------------------------------------
昨日の酒が少々コタえる専門学校。けふは生徒達がライヴをやるらしく、学校が浮き足立ってゐる。でも、こいつらいつも同じメンツでライヴやってる。それぢゃアカンよ。盛り上がりはするだらうけど発展せぬよ。
思えばワシはいつも、かなり限られた人間関係の中で音楽をやって来た。同じやうなところを目標とする「クラブ的感覚」で音楽をやった経験がないので、生徒達を見てゐると、時に羨ましく思える。まぁそれがそのまま通用するほど世の中甘くないのだが、それはまだ先でイイか。その後、スタヂオでレッスン&個人練習。
夜は伝説のフリージャズドラマー羽野昌二氏率いる「六本木天然くらぶ」といふユニットのライヴに行く。9:00から、と聞いてゐたので8:45頃行ったが、まだリハをやってゐた。それからうどん屋でぶっかけうどん喰って、本屋でヒマつぶして、再び会場入りして、さらに20分ぐらいしてようやく前座が始まる。野村君とこのAKIトリオ。結構良いな。それからさらに1時間後ぐらいにようやく六本木〜の演奏が始まる。この辺で既に眠くてかなわぬ。確かにまだ11:00代とは云え、さすがに少々待ちくたびれた。ので、12:00前には退散。
明日(もうけふか)はアイブロウブラザースバンドのライヴ。その前にアクターズスクールでテストせんといかんのだった!。
19日(土)-------------------------------------------
ヘルプで「アイブロウブラザースバンド」のライヴに出演する日。けふもリハをやると云ふので、行く。日頃自分では当日のリハはできる限り避けてゐるのに、通しで2回も演る。でも1回めはかなりノリが固かったから、演って良かったかも。
それから独り会場を離れ、通常業務としてのレッスンを。夕刻に再び会場入りする。けふは九州は博多から「JUSTINe & BARROW GANG」といふR&Bバンドを迎えてのイベントらしい。このバンド、初めて聴いたけどかなりイイ。特に難しいことも演ってないし、オリジナリティがあるって訳でもないが、各人が好きな音楽に真摯に立ち合ってゐる、といふ印象を受けた。パーソナルも極めて好人物ばかり。
ワシは「別に無くてもエエよ」と云ったのだが、ゲストとして冒頭に1曲だけソロを演らせてもらった。まぁいつものやつ。異常にウケた。なんか何処で何を演ったらウケるのかよう分からんね。そのままアイブロウ〜の演奏。リハで固かったノリもエエかんぢにほぐれて良い演奏。楽しく演れました。そしてJUSTINe〜の演奏。大いに盛り上がった。良いライヴ。
BARROW〜のギターTAKEさんが、えらくワシのベースを気に入ってくれて、打ち上げでもづっと話に花が咲く。見るからに「ロンウッド大好き!」みたいで、自分もさう云われることに何の抵抗も無いと云ふTAKEさんだが、話してみるとウィリー・ウィークスやスタンリー・クラーク、ミック・カーンなどの名前も出て来て、オヌシ出来ルナ、といふかんぢ。『ジャンルなんて関係ないっスよね』といふ話で盛り上がる。今夜中に明日のライヴ地である京都に向けて出発するといふ話し。気を付けて、良い旅を。
ライヴ前〜中でビールジョッキ2杯、マイヤーズのロックを1杯、白ワインをグラス1杯、打ち上げでビールジョッキ2杯、焼酎ロック1杯と、トータルにしてみれば結構飲んだが、気分が良い時の酒は酔わぬ。
20日(日)--------------------------------------------
休みなのでゆっくりするベ、と思ってゐたが、買い物に行ったり、ゆんべ置いて帰ったバイクを取りに行ったりと、結構忙しい。それでも夕方からはリラックスして、ベランダにゴザを敷き、川風に吹かれながらビール&焼酎。これがやりたくて今の家に引っ越した、と云っても過言では無い。至福のとき。結構飲んで、さらに晩飯と一緒に飲んだもんで、夜半には明らかに「酔っ払い」になってしまった。台風の影響で蒸し暑かったこともあり、まったくの素っ裸で寝てしまった。
21日(月)---------------------------------------------
台風はまたも広島を逸れていったやうだ。他の地域では結構被害が出てゐるらしい。
専門学校、その後サンサーラのリハ。やっぱりパーカッションが欲しいな、といふ話し。結局このユニットでもアクースティックベースを使うのはヤメタ。4弦のエレベ一本で演る。もうええ、ワシはエレベ奏者に徹底する。5弦もいらん!。フレットもいらん。
御贔屓の女優モニカ・ベルッチ主演の「アレックス」といふ映画を見る。ひどい映画。これはさすがにワシも嫌だ。
この映画で描かれるのは、徹底した「暴力」である。
猛り狂って無差別に怒りをぶつける主人公。それを諌めてゐるはずが最終的には犯人を殺す友人。同性愛者達の無軌道なマゾヒズム。レイプされた挙げ句、瀕死の状態になるまで暴行を受けるヒロイン。
おまけに気分が悪くなるやうな映像効果。暗い画面。人物の顔もハッキリ見えぬ位。撮影点が一時も止まらないカメラ。冒頭から終わりまで手持ちムービーのやうにぐらぐら揺れ続ける。時間軸を逆行するストーリー。映画はクライマックスから始まる。冒頭で重傷を負った主人公が救急車で運ばれ、ストーリーは延々「何故そうなったか」を遡って展開して行く。そして映画全体のテーマは『時は全てを破壊する』。
つまり全く救いのない物語なのだ。
見終わった後、さすがに精神にささくれが生じてしまうのを感じた。
22日(火)-------------------------------------------
韓国の民間人がイラク国内でテロリスト集団に拉致され、韓国軍撤退の人質にされてゐる、といふニュース。先だって、同じやうにアメリカ人が拉致され、残念ながら処刑された。インターネットで流出したその映像を、面白半分にダウンロードして人に見せてゐるヤツが仲間内にゐた、といふハナシ。何を見やうが個人の自由だ。そして目を背けてはいけないモノといふ事も、確かにある。問題はそれを見て「何を感じ」て「何をするか」だ。「何をしないか」でもいい。
はっきりしてゐるのは、興味本位、面白半分でやっていい事ではない、といふ事だ。
だうもこの、インターネットが連れて来た新しい世界には、とてもきな臭いナニカが見え隠れしてゐる。それに敏感であるはずのミュージシャン、アーティストが、この波をただ単に便利なものとしか捉えてないことにまた無力感を感じる。
23日(水)-------------------------------------------
ぢつはこれ(文章)、土曜日の朝に書いてゐて、水曜日に何があったか、よく憶えてない・・・・。いつものやうに泳いでゐて、何故か左の耳栓だけいつの間にかなくなってゐた。休みだったので宅録をした。晩飯に鶏モツ煮込みを作った。ビデヲ見た。本読んだ。などなど。
24日(木)--------------------------------------------
木曜日のレッスンがえらい事になって来た。けふなど午後3:00から9:30までぶっ続けである。労働の種類によって色々だらうけど、こんなに長く働いてちゃあ、ねぇ・・・。
ライヴ前最後のオルカ団リハだったが、なんとMIやんが病欠。状況によっては本番も怪しいかも・・・。バンドと音楽に関しては妥協を許さぬワシだが、妊婦に無理を強いるほどの冷血漢ではない。急遽、残る3人でMIが欠場した場合を想定し、アレやコレやアレンヂをいぢくり直す。まぁなんとかなるか・・・。もう一回、リハの日取りを確保するテもあるが、潔くこのまま本番に向かう事にする。不安要素とダンスできるやうになって初めて一流と呼ばれるのだ。
MIやんの無理のない回復と、和子の健やかな生育を望む。
25日(金)--------------------------------------------
専門学校の授業ふたコマ。その足でけふの会場により、機材を先に預けておく。けふはサンサーラの2年ぶり復活ライヴなのである。
サンサーラはワシが足の骨折で長期入院してゐる時に、発足したユニットで、退院後何度かライヴを行ったが、不確定なメンバーが多かった為、なかなか納得いくライヴが出来ず、この1年ぐらいでなんとなく立ち消えてゐた。核となるワシと岩本さん(Gu)で、とりあへずなんとかはじめてみやう、と今回新しいハコで再出発となったのだ。
リハはいちをう演ったが、曲は3ツぐらいしかない。岩本さんはガットギターとウード、ワシは自分のソロが出来るだけの機材を一式。会場入りしてサウンドチェックしてる間も、店側からは『何曲やりますか?』『どの曲で何を使いますか?』と詳細への質問が来るが、二人して『え〜よく分からんのです』としか答えられぬ。それぐらいナンも決めてない。でもこれは横着をした訳ではなくて、さういふユニットにしやう、と思ったからである。
本番が始まって30分ぐらいで、リハでやったネタが全部尽きた。
その後はお互いのソロや、完全な即興、リクエストによる初見演奏などで、1時間を2ステージ。出来るもんである。この店は日頃アクースティック&フォーク系の出演者が多く、このやうにマニアックな演目は初めてだったらしい。店側にはどうか分からんが、お客さんには好評だった。アンコールが来て、ソロを一曲づつ演る。すっかりソロ慣れしてきたワシである。
最近ソロの機材一式はえへくたーボックス2個を要し、とてつもなく重いので、旅行用のカートに載せてひこずって歩いてゐる。当然、タクシーに乗る時はトランクに入れてもらふのだが、運ちゃんが『ナニが入ってるンですか、この重いの』と云ふ。
26日(土)---------------------------------------
生徒がライヴの写真をメールで送ってくれた。まぁ仮にも「センセイ」と呼ばれてゐる人間としては当然の事なのだが、我ながら左手のフォームがとても美しい。ぢみちな基礎訓練の賜物であらう。昔、かのジャコ・パストリアスの動く姿を初めて見た時、その技巧と音楽性の高さは云うまでもないが、そのフォームの美しさに感動した憶えがある。「あぁ、この人も単純な『天才』ではなく、相応の努力をして来た人なのだ」と思ったものだ。
ワシは意外に思われるかも知れぬが、基本をとても重視する人間である。基本なんかどーでもいい、とは思えぬ。基本を知らぬ事が『個性』ではない。基本を知り、そこから脱却できるチカラこそが『個性』であると思ふ。
27日(日)------------------------------------------
生徒のオリジナルの為のカラオケを作る作業に半日費やす。これ、1年がかりの作業となる。もう随分前に就職と誕生日が一緒になった生徒がおり、軽い気持ちで祝いに曲をプレゼントした。『詞はお前が書けよ』と云ってそれきりだったので、もう忘れたものと思ってゐたら、半年ぐらい後になって『ようやっと出来た』と詞を書いて来よった。手直ししたり、色々やったりして、まぁ折角だからCDにでもすっべ、といふハナシになって、今、さうしてゐるところ。
まぁワシもアレンヂや作曲が出来ぬ訳でもなく、PCによるかういふ作業を、も少しきちんと勉強すればそれなりに仕事も増えるんだらうが、これは趣味程度で停めておきたい。ワシは生涯いちパフォーマ−でいい。
28日(月)------------------------------------------
オルカ団ライヴ。オルカ団としては久々のLive cafe JIVE。とゆーより新生オルカになってから2ステージを丸々こなすのは初めてだ。直前のリハにMIやんが病欠したりして、不安材料がないでもない。が、特に気負いもなく、ここのところオルカに対して自然体で取り組める強さといふか、そんなかんぢ。
久々のハコと云ふ事もあり、とても沢山のお客さんが集まってくれた。
今回のオルカ団、テーマは「ジャムバンド」。何年かに一度ワシにやって来る即興への憧れと云ふか回帰と云ふか、まぁそれを基軸に、メンバーがより自由に遊べる空間を目指した。ゲストにパーカッションのツンちゃんを迎え、全編に参加してもらい、よりスピリチュアルな効果を狙った。結果としては大成功。より土着的なイメェジで演ることができたやうだ。
何度か書いてゐるやうに、ワシはこれまでオルカ団を「引っ張って」行く事だけを考えてゐた。時に暴力的なまでにメンバーとオルカ団を支配しやうとしてゐた。それはそれで間違いだったとは思わぬが、今、自分が少しチカラを抜いてオルカに接してみて、今はとてもいいバンドになったと思ってゐる。ほんたうはロックとかプログレとかジャムバンドとかジャズとかどうでもいい。このメンバーが自由に自分を発現できるポイントであればよいと思ふ。
ステージの方を向きもせずに、声高に喋ってるおっさんの軍団がゐた。その声はステージにまで届いてゐて、やりにくいこと甚だしかった。聴く気がないのならこんな店来なきゃええのにや。お客のひとりが注意してくれたらしい。ありがとうございました。
29日(火)--------------------------------------------
ライヴ翌日でも仕事はある。専門学校2コマ。その後個人レッスンで5人。無性に風呂に浸かりたくなり、仕事帰りのスーパー銭湯に寄る。露天風呂に浮かび、漂う。は〜〜〜〜〜〜〜。
さういや、ヨーロッパでづっと活動してゐたワシの従姉妹が、向こうに長く居ると『風呂に浸かれない』といふ事が思いのほか大きなストレスとなる、と語ってゐた。ナルホド。古今東西、変人は風呂を嫌う傾向にあるが、ワシは幸いにも風呂好きである。
30日(水)--------------------------------------------
朝、ヨガとベースの練習を済ませ、フと思い立ち、ジムまでチャリで行ってみる。30分ぐらい。ちょうど良い準備運動だな。プールで30分トレーニング。さらに30分かけて帰る。ナイスな午前中の使い方であるな。
昼からは、今夜生徒の唄の録音をする為に奔走。まづスタヂオへ行ってマイクを借りる。それからいい機会だから新しいヘッドフォンと、二股のプラグを購入。オッケーテイクが出なんだ時の為にMDも用意。カラオケは日曜日に完成してゐるので、そのトラックデータとMTRを鞄に入れ、イザ出発。スタヂオに入り、生徒が来て、さぁ録るべ、と云ふ時になって、MTRの電源用のケーブルを忘れて来てゐる事に気付く。けふ一日の奔走がすべて無駄となってしまった。全銀河系規模の阿呆である。