April


四月一週目


4月1日(木)-------------------------------------------------

一応、けふから通常のレッスン体勢に入る。が、まだ専門学校は春休みなので、いきなり忙しくなる事もない。

朝、チャリで30分くらいの景色の良い河原まで行き、ホーミーの練習。出来ればベースもこんなところで練習したいのだがね。川面に向かって「ンモォリィイイイ〜〜〜」とやってゐると魚がぴょんぴょん跳ねる。『ホーミーは動物を呼ぶ』とよく云われるのだ。

午後はレッスンの前に、1時間ぐらいジムで汗をかく。朝:ヨガ〜個人練習。昼:トレーニング。夕方:レッスン。夜:バンドのリハ。かう云ふ生活パターンが定着して、それで喰えればよろしいのだがね。

2日(金)----------------------------------------------------

朝、昨日思ったやうに、外でベースの練習してみる。暑くて10分で断念。部屋に戻ってフツーに演る。

午後ジムへ。プールで40分泳ぐ。隣のコースではお年寄りのための水泳教室が開かれてゐて・・・・。明石家さんまが、通ってたジムでやっぱり老人の水泳教室を見て『三途の川を渡る練習でっか?』と公式に発言してクビになったらしい。余力があればウェイトもやらうと思ってゐたが、さすがに久しぶりの水泳はハード。この歳になってからのトレーニングで気を付けねばならんのは『絶対に無理をしない事』なのである。

夜、久しぶりに集中して音楽を聴く。ジョナス・エルボーグ『Zen house』、エバーハルト・ウェーバー『Penduram』、クイーン『オペラ座の夜』。オペラ座〜はさすが。聞き込めば聞き込むほど発見がある。70年代にこれだけの事を(キーボード無しで)演ってゐた、と云ふ事に畏怖すら感じる。アレンジのすべてがここにある、と云っても過言ではない。最近鼻につくキムタク主演のドラマで使われたかなんかで、クイーンが売れてるらしい。それは悪い事ではないのだが、単なるブームで片付けられたんでは、ちょっと嫌だな。


二週目


4月3日(土)-----------------------------------------

アクターズスクール新学期最初のレッスン。前期までは中高生を中心にしたメンバー構成だったが、今期から一気に年齢層が低下する。一番ちっこいのが小2だってさ。やれやれ、親は多分ワシより若いんだらうな。「センセイ、泣かさないでくださいね」と念を押されるが、そんなことは保証できまへん。

一旦ウチに帰り、メシを喰ってから、ゴールデンウィークにクアトロ広島で行われるポークミーツライヴのミーティングに出かける。プロデューサー的存在であるI氏宅に、各バンドのリーダーが集まった。チケットを受け取ったり、持ち時間入り時間を確認したり、議長のバリホの闘志を聞かされたり、さういうの。ワシは二言ぐらいしか喋らなかったやうな気がする。出演はポークスカッシュ、レイジーボーンズ、ピストル少年、オルカ団の4つ。

4日(日)----------------------------------------------

古い友達と遊ぶといふことで、女房が朝イチで出かけて行った。別にいつも女房とナニカする訳でもないのだが、かういう日は、独りで出来るナニカがしたくなる。といふワケで久しぶりにソロツーリングに出かけることにした。地図とカメラだけ持って出発!。

・・・・・ぶーん。

さっむ〜〜〜〜〜!!、なんぢゃあ!この寒さはぁ!?。ウチを出て2時間。なんとなく『日本海を見に行く』事だけ決めてひたすら北上してゐたのだが、広島と島根の県境くらいからシャレにならんくらい冷え込んできよった!。念のため防寒具は用意して来たがアカン。これは冬の装備が必要な寒さだ。道端の温度計を見ると『気温3℃』。風が強い上にバイクに乗った身では、体感温度は零下だらう。芸北を過ぎたぐらいで、もう帰ろう、と思ふ。

さう云えば大学生の頃の夏は、よくこの辺の河に泳ぎに来てゐた。いつだったか、どう見ても小学生ぐらいなのだが、異常にチチの発達したビキニ姿の娘がゐて、それに見とれてゐて崖から落ちたことを思い出した。

5日(月)--------------------------------------------------

朝、専門学校の非常勤講師会議があった。もっとテキトーなものかと思ってゐたら、学長まで来てゐて驚く。まぁ非常勤講師なんてものは「傭兵」みたいなもので、責任がないぶん権利もない。よって学校の方針とか云われても実感はない。ちゃんと仕事がやれればそれで良い。

ジムに寄って帰る。水泳30分、サーキットトレーニング30分。

夜は両親の50回めの結婚記念パーテー。ウチの実家は祝い事の好きな家族で、こないだも親父の77歳の誕生日をイタリア料理で祝ったばかり。けふはフランス料理ださうな。姪っ子が見るたんびに「娘」に成長してゆく。思えばこの娘が生まれた日に、ワシは正式に親元を離れ、独立したのだ。あれから14年。いまだに、そして多分、今後も親孝行は出来さうもない。せめて元気なままで、長生きしてもらいたい。

店には生演奏が入ってゐて、終始やる気の無ささうなピアノの音が流れてゐた。吹奏楽をやってゐると云ふ姪は、ヒット曲らしき演目に反応してゐたが、ワシには全部同じに聴こえる。例えば耳に触れるだけでもおぞましい愚例の曲をコピーするのと、かういふ所でBGM演奏をするのと、どっちが苦痛だらうか?。

6日(火)--------------------------------------------------

午前中一杯かけて、新曲「不知火」のプリプロを作る。先日、さんましら広島ライヴで一度お披露目したが、その時にキーが低いことに気付いた。で、全音上げて作りなおす。25年音楽をやって来て、いまだに自分の唄のキーが把握出来てないのだね。

夜、オルカ団の対クアトロ用リハ。久しぶりのオルカである。MIやんアレンジを忘れてゐる。全てさうだとは云わんが、やはりまちゃあきのやうに譜面を読まないタイプのミュージシャンの方が、音楽に対する記憶力は優れてゐる。オルカ初代ドラマーだった末広氏も、譜面には弱かったが、一度叩いたリズムはほとんど忘れることはなかった。自らも肝に命じておきたい。終始、アレンジと再構成に取り組んだリハ。問題山積み。

夜、スティックのラムジーから、一緒にライヴを演りませんか?といふお誘いのメール。

7日(水)----------------------------------------------------

朝イチでプールに。この時間のプールはおばはんの天下。このモノたちはコースのど真ん中で平気で立ち止まって話し込んだりする。自分以外の事が全く見えてゐない。ムカつくので無視して泳いでゐたら、ホンマにぶつかるまで気付かない。大したものだ。

フと、最近練習以外で使ってゐないアコベ(アクースティックベースギター、5弦)を使う気になる。とりあへずレッスンに持って行って使ってみた。今後のソロはできる限りこれで演ってみやうかな。ただこの楽器、色んな点でバランスが悪く、特にソロで使おうとするなら、細部の徹底したオーバーホールが必要。しかし何処が悪いかは2〜3回現場で使ってみんことには確認出来ない。難しいところである。

8日(木)-----------------------------------------------------

朝、ヨガをやった後、アコベを持って近所の河原に行き、かねてより考えてゐた「野外練習」をやる。これが想像以上に良い。気がついたら1時間半もやってゐたやうだ。ちょいと今、ストリートとかでも演ってみたいな、といふ気にもなってゐる。ライヴハウスに疑問を感じる以上、ナニカの媒体を自分で見つけて行くしかない。それがストリートだとは思わんが、まぁやってみるのも悪くないだらう。

レッスンの前に新幹線のチケットを購入する為に広島駅へ。この週末、キンモ・ポーヨネンといふフィンランドのアコーディオン奏者のライヴを見る為だけに、東京に行ってくるのだ。久しぶりの、全く行楽の旅である。

夜はまたオルカのリハ。新曲、リアレンジ、再構成。依然、問題山積み。最近、オルカのこの迷走感が良い。以前のワシなら罵詈雑言の嵐をメンバーに浴びせた事だらうが、最近はこの「なんとかなるさ」感を楽しんでゐる自分がゐる。度重なるツアーで鍛えられた、といふのもあるが、まぁ云ってみればそれだけオルカに対する力みが消えたってことだらう。

その帰り、初めて『豚丼』を食す。可もなく不可もなし。

9日(金)-----------------------------------------------------

けふも「野外練習」。近所の幼稚園の入学式かなんからしく、正装した両親と、小奇麗な格好したガキがいっぱい歩いてゐる。頼むからさういふのをビデオに録るな!。そんなヒマがあるなら、ちゃんと手をつないで目を見て話をしてやれ!。記録より記憶だらうが、くそバカ親どもが!。

午後、ジムへ。エアロバイクを漕いでゐると、普段は10分ぐらいでようやく100を越える心拍数が、始めて2分もせぬうちに130まで跳ね上がる。あれれ?日光に当たり過ぎたかな?。その後各種マシンを使った筋トレ。結構ハードにやる。

その後少しだけレッスン。東京行きのため冷蔵庫をカラにしてあるので、晩飯は外食。


三週目


4月10日(土)-----------------------------------------

相模原に住むイグアナ飼育の師匠山内昭&多佳子夫妻を訪ねる小旅行がてら、フィンランドの前衛アコーディオン奏者キンモ・ポーヨネンの来日公演を見る為、東京に行く。このキンモなる人物に予備知識は全く無く、ただ「オモロさうだから」行くのだ。CDのジャケ買いに匹敵する、まぁある種の賭け。

仕事を終えた後、一旦帰宅してかるくメシを喰い、バスターミナルへ。20:30広島発東京行き夜行バスに乗る。夜行バスは「でらしねツアー」初期の頃よく利用してゐた。今回は独りではなく、女房と一緒。女房と前後に並んで座った席はトイレの隣だった。良いのやら悪いのやら・・・。

その後、22時には消灯となり、後は闇の中を運ばれて行くのみ。シートは狭く、車内が異様に暑い。途中でズボンを脱ぎ、ビキニパンツ一枚で寝る。

11日(日)--------------------------------------------

午前7:00には東京駅に到着。土曜の夜の喧噪の名残りがまだ生々しい日曜の早朝の東京。駅には終電を乗り過ごした若者や、浮浪者達がそこかしこで寝てゐる。新聞配達員かなにかが何かトラブルを起こし、早速警察が出動してゐる。ウーム、東京だ。

まだ何処の店も開いておらぬので、ライヴが行われる渋谷まで、とりあへず行く。ここもまだ静かな渋谷の街。会場の渋谷エッグマンを見つけ、その近所のスターバックスで休憩。ソファ席を確保し、女房と交代で1時間づつ仮眠を取る。昼には代々木公園の屋台で、プラスチックのやうな味のする焼そばを喰う。朝のうち、あれだけ閑散としてゐた代々木公園に、何時何処から来たのか、すごい人。

ライヴは「昼の部」を見る。全席立ち見と聞いてゐたので、早めに行って並んでゐたが、ちゃんと椅子が用意してあり、しかも待ってゐた順番で入場できたので、前からニ番目のど真ん中の席が確保できた。ラッキー。

まづは前座。日比谷カタンと云ふ、一見女性に見えるやうな華奢な男性が、しかし超絶的な技巧でアクースティックギターをかき鳴らし、なんとも奇怪な歌を唄う。仲々オモロイ。

そしてキンモ氏登場。ブルース・ウィルス似の筋骨隆々たる男。サンプラ−を操る相棒はサッカーのベッカムにそっくり。この二人にクリムゾンのリズム隊、パット・マステロットとトレイ・ガンが加わる。

いやぁ、面白い!。

ステージ上で何が行われてゐるのか?。全員が担当楽器の他にマッキントッシュをたずさえ、音を出してはいぢってゐる。サンプリングされた音はどんどん形を変えて行き、いつの間にかそれがリズムを形成してゆく。半ば即興なのだらうが、掛け声や腕の振りひとつでどんどん展開して行く。キンモ氏、踊り狂いながらアコーディオンを叩き、吠える。

冷静に見れば、割とどれも似通ったやうな展開で、決してバリエーションに富んだ内容ではなかった。しかし想像以上にリズムの強い音楽で、少なくともワシから見える範囲の観客は全員自然に身体を揺らしてゐた。なんといってもパットおぢさん!。クリムゾンでは「上手いのだが影の薄いやつだなぁ」と思ってゐたが、ここではまるで別人。水を得た魚のやうに活き活きと叩きまくる。ほとんどの曲がこの人にコントロールされてゐたやうだ。

2時間の熱演、アンコール。面白かった!。ごく自然にスタンディングオべ−ションが起こる。強引に女房を誘って、東京まで来て損はないライヴだった。でもこのヒト達、この後「夜の部」があるんでしょ?。凄いスタミナ。

開場を出ると、日曜日夕方の渋谷は蜂に襲われた蟻塚状態。スクランブル交差点では、自分の足元も見えぬ程の人ゴミ。ワシらは予約してゐた特急列車で、さっさと渋谷を後にして神奈川県相模原へ。相模大野駅で山内夫妻と合流する。居酒屋で軽く食事の後、けふの所は早めにホテルに引き上げて休養。

12日(月)--------------------------------------------

けふは山内さん夫妻にコーディネートしてもらって、富士山近辺観光。国際花園で数百羽のフクロウを見て、白糸の滝でマイナスイヲンを浴び、田貫湖で裏富士山を眺め、と結構ディープな観光スポットを堪能する。仕上げは山内さん御贔屓の小料理屋「栄」にて宴会。ほんたうに朝から晩まで遊んだ一日だった。山内夫妻に感謝。

13日(火)--------------------------------------------

新横浜を午前11:09発の新幹線で広島へ。周りはビヂネスマンばっかり。これ見よがしにビールでも飲みたい所だが、ワシも帰ったらすぐ仕事なのである。チョイとハードだが、まぁ仕方あるまい。のぞみは確かに速い。午後3:30には自宅に着く。

そのまま仕事へ。短時間ではあるがレッスンに従事。身体は疲れてゐるが、心のテンションは高く、懸念したほど辛くはない。帰り道、かをりの家に寄り、土産を渡す。かをりは留守の間、ウチのイグアナの世話をしてくれてゐたのであった。感謝。さすがにその夜はバタンキュー。

14日(水)----------------------------------------------

朝、「野外練習」。なんか雨のやうなモノが降ってるやうな気がしたので屋根付きのベンチで演るが、気がつくとベースも身体もしっとりと濡れてゐる。かういうのを霧雨といふのか。

留守の間、ジョナス・エルボーグのDVDが届いてゐた。これを買う為に、初めて直接海外レーベルに注文した。意外に早く届いたので驚く。いつも依頼してゐる取扱い業者より早い。ひと昔前は海外郵便なんぞ1〜2ヶ月は待たされるのが当たり前、ぐらいに思ってゐたものだが。

動くジョナスを見るのは3ツ目のメディア。マクラフリンと演ってた頃のビデオを二つ持ってゐる。今回のは『ICON(インドのミュージシャンとのコラボ。大傑作!)』のラインナップで、モロにワシのストライクゾーン。2003年に他界した相棒のギタリスト、シヨーン・レンの最後のステージだとか。ジョナスはやっぱり4弦のアコベで、もはや仙人の域に達したかのやうな存在感。だいたいステージに出て来て、いきなり床に座るなってーの(笑)。やっぱりエエわ、この人。

15日(木)------------------------------------------------

ジョナスに感化されて、野外練習にも熱が入る。この辺の河原は、よく高校生とかのヘタクソな「路上シンガー」がやって来て、ぎゃーぎゃーガナってゐるのだが、そんな中でメトロノームに合わせながらひたすらスケールを弾いてゐるスキンヘッドの男は異彩を放つ。

レッスンを3:00から8:00まで。その後オルカのリハ。MIが調子悪さう。大丈夫かいな。前回のリハで、結構な難題を注文されたまちゃあきであるが、頑張ってくれてゐる。次のライヴ、黄金週間真只中にてチケットが売れぬ、といふ誤算あり。オルカの出来自体にもいまだ問題点多し。ワシ個人もその前後に結構気合いの要るセッションが入ってゐて、前途多難、アー。

16日(金)--------------------------------------------------

専門学校新学期スタート。またウィークディが忙しくなるな。ワシが受け持つベース科の新入生は二人。2年生は5人だから、全部で7人。全生徒数からすればベース科の割合が高めとも云へる。その新入生の親ってのが、なんとワシと二つぐらいしか歳が違わぬ!。やれやれ。

レッスン後、ジムでサーキットトレーニング。筋肉に無理な負担をかけぬやう注意しながらやる。運動に目覚めたミュージシャンが、結構な割合で腱鞘炎になったりするのは、やり過ぎるからである。特に「筋肉を太くする」運動は楽器演奏に支障をきたす事が多いので、注意が必要。細胞に適度に酸素を送りながら、柔らかい持久力のある筋肉を作って行かねばならぬ。

夜、TVを流しながらMACをいぢってゐると、何やら気持ちの良い声が・・・。モンゴルの歌唱オルティン・ドーの歌い手が、草原のまん中で唄ってゐる映像。まるで楽器のやうなコブシ回し。いや、もともとこのコブシを真似る事で楽器の演奏法が発展して来たのだ。ほんの5分もないつなぎの映像だった。射部李場歩ッ符邪無などといふ下らん番組(昔からNHKは若者に媚びを売って来た)などやらんでいいから、かういふ映像を半日流し続ける、とかすりゃあNHKも見てやっても良いのだ。


四週目


4月17日(土)-----------------------------------------

暑かったせいか、なにやら寝苦しかった。ちょいとボーっとしてゐる。が、気にせず「野外練習」。天気も良く、明日が本番と云ふ事もあり、興に乗り2時間近く弾く。「基礎練習しかやらない」といふのがワシの練習のモットーだが、この野外練習をすると、何やらやたらと「メロディ」が弾きたくなる。鳥の声や、川のせせらぎとセッションしたくなるのだな。

午後はアクターズスクールのレッスン。生徒の半数以上がイベントに駆り出されており、4人しか居らぬ(全員揃えば15人)。これでもマトモにレッスンをせよ、と云ふのかっ?。晩飯は、おそらく今シーズン最後の「鍋」。暑い。

18日(日)-------------------------------------------

毎年恒例、五日市さくら祭り。今回で4度目の出場。前回までは場を考えて、アクースティックギターで演ってゐたが、今年は初めてのベースソロにチャレンジ。この日に向けて調整して来た5弦アクースティックベースギターで演る。

常々思うのは、ベースだのなんだの、低音がど−した、アクティヴがどーだ、ロゥレンジがなんのと云っても、そんな事を気にしてゐるのは、所詮演り手だけなのだ。特に一般の人は、「ベースとギターって何が違うんですか?」てなもんで、聴かせるのは「音楽」だ。要はその音楽が気に入るか気に入らないかだけなのだ。ベースで演らうが、ギターで演らうが、良いモノを演ればエエのだ。

結果としては、まぁ良い反応だった。それほど完璧に準備したわけではなかったが、即興も上手く繋がり、スムーズに進行する事が出来た。対バンのGressiveが、T.P.O.など気にもせずに(天晴!)、いつものコアな事を演ったので、案外ワシのソロなどポップな方だったのではないかな?。見知らぬおばちゃん(おばぁちゃん)に、「もう一度聞きたい」と云ってもらへたりもした。まぁひとつ「得た」もののあるイベントだった。やっぱりお祭りはイイ。

お祭りについての雑文

19日(月)---------------------------------------------

今年から専門学校の授業が一日増え、月曜日にもレッスンをする事になった。イベント明けの(イベントは日曜日が多い)疲れや酒が残ってゐる事が多いので、ここ数年はづっと月曜日のレッスンを入れずにゐたのだが、まぁ午後からひとコマだけなのでエエかと、今年からやる事にしたのだ。ちなみにワシは、専門学校の夏、冬、春の休み期間中は、イベントが入らなければ週休三日となる。役場の職員並みに仕事をしてないな、とタマに思う。

イレギュラーで個別のヴォイストレーニングをしてほしい、といふ生徒の為にアクターズスクールへ。1時間、マンツーマンでレッスン。夜は金目鯛の煮付を作った。

20日(火)---------------------------------------------

けふはラヂヲ出演の日。まづ専門学校で2時間授業をして、ジムで軽く汗を流してから・・・と思ってゐたが、メシ喰ってたりしたら時間が無くなり、そのままスタヂオ入りする。広島コミュニティFMそるそるチューズデイにて念願のディスクジョッキーやる。世界のヘンで良質の音楽を2時間かけまくった。放送中はリスナーからの反応ナシ。

その後オルカ団のリハを2時間。新曲のアレンジが、ちゃんとできるやうになってみると、大して面白くない事が判明。ワシはかういふ時の決断は早い。即座に撤回。その場で作りなおす。メンバーに手伝ってもらいながら、新アレンジ完成。これもオモロなかったらどないしょ?。

その後、来週ライヴを演るKOBAへ行って打ち合わせ。なんかパーティーがあったらしく、店内は外人で溢れてゐる。あっちこっちでぶちゅぶちゅとキスを交わしてやがる。アンプの設置やリハ時間について詳しく知りたかったが、「テキトーでいいんぢゃないスか?」と云ふ答えが返って来る。ワシは割と事前の打ち合わせを綿密にやって、本番はいいかげんに演る、と云ふタイプなので、ちょいと拍子抜けする。

とまぁ、終わってみるとかなり忙しく、疲れた一日だった。ジムに行かんでよかった。

21日(水)---------------------------------------------

最近、YahooのTVCMに広末涼子と一緒に、ワシの好きな今井陽子ちゃんが出てゐる。とても地味である。この頃「世界ふしぎ発見!」でもあまり見かけないので、久々に見れて嬉しい。広末なんかと並ぶと地味さが更に際立って、このCMを見て一体何人のヒトが今井ちゃんに気付くのだらう、といふかんぢだ。でも可愛い。

ジムに行き、20分エアロバイクを漕ぎ、30分泳ぐ。ぐたぐたに疲れた。

レッスンは欠席があいつぎ、結局二人を見たのみ。早々に家路を急ぎながら、ワシは何をやってゐるのだらう?といふ気になる。

22日(木)-----------------------------------------------

アク−スティックベースギターに、イレギュラーのピックアップを貼っつけ、ボディを叩いたりする音も拾えるやうに改造。ツイデにさらにべたべたと要らんシールなども貼り、ベースはあっと云ふ間に勉強の出来ない子供の勉強机状態に・・・。かういふのって、楽器を大事に扱うヒトからは想像も出来ん行為だらうなぁ。

その夜、オルカのリハ。この頃、唄がヘタになってゐるやうな気がする。ライヴの録音などを聴いても、なんか唄い出しの音程が取れてない事が多いのだ。ホーミーとか、コブシとかに頼り過ぎてゐるからだらうか?。しかし、あんまり気にし過ぎぬやうにせねば・・・。かういふ気持ちってマイナスに結びつく事が多いからね。

新アレンジがやはりしっくり来ない曲を、潔く却下することにした。別の曲で補充。まぁしょーがあんめぇよ。

23日(金)-------------------------------------------------

寝る前にヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのビデヲを見やうと思ってゐるのだが、なにやら異様に眠く、既に何日かを、ビデヲ垂れ流しのまま寝てしまってゐる。まぁ去年の今頃、不眠症に苦しみ、精神科まで行った事を考えれば、眠いのはまだいいか。

ゴールデンウィークは、久々にのんびりとビデヲを見まくろうと思ってゐたのだが、あれよあれよと仕事が入り、休みは4/29と5/2だけになってしまった。見たいビデヲがいっぱいあるのだ。キル・ビルも見たいし、ゴシックもまだ見てないし、ア、さういやモニカ・ベルッチ主演のなんか戦場ものみたいなのもあったな・・・。


五週目


4月24日(土)-----------------------------------------

アクターズスクール。ヴォイストレーニングで、7歳の男の子と21歳の青年を、同時に効率良くレッスンできる方法があるなら、誰か教えてくれッ!。

その後、友人のバンドが主宰するライヴに立ち寄る。開演が押しに押したやうで、見たかった二つのバンドは、結局見れず。そのバンド以外の出演者は、まぁ控えめに云って全く見る価値はなかった。考え違いをしてもらっては困るのだが、「パンク」と云ふのは「ヘタクソ」の代用句ではない。ライヴのステージは、誰が上がっても良いところでは決してないのだ。

会場を抜け、新企画の打ち合わせに。が、その人が云いたい事は、結局「カネになる事をしませう」と云ふ一点のみ。彼は『良いものは売れる!』と力説するが、ワシはそれを否定も肯定もしない。そんな事には興味がないのだよ。カネにならん事って全部ムダなんですかね?。

その後、女房と落ち合い、酒呑んだ。

25日(日)------------------------------------------

Far east loungeプチツアー。おのみち音楽祭へのゲスト出演。例によってケチケチ行軍で、一般道を使ってテレテレ行く。昼には会場に到着。かなり盛大な祭りである。尾道水道(って云うんかいね?)に向かってステージが組まれ、朝から晩まで、地元アマチュアからプロまで、出っぱなし。広島市からの参加組も多く、知り合いにもいっぱい出会った。

ワシらはメンバーの誰も尾道には縁も所縁もないが、何故か声をかけて頂いて、音楽祭実行委員会推薦のゲストの部に出演。昼下がりのちょうど良い時間帯、爽やかな海風の中で数曲演奏。ケーブルテレビのカメラが入ってゐた。ワシは常日頃から『絶対にカメラ目線はせぬ!』といふ妙なこだわりを持ってゐるのだが、がんがんかぶりついてくるカメラを無視するのは、仲々に難しい。自分が唄うんなら前を睨んでゐれば良いのだが・・・。他のバンドが結構ルーズだった持ち時間を律儀に遵守し、20分であっさりと終演。「短かったですね」といふコメントを頂いてしまった。しかし時間を守るのもプロの仕事ですからね。

夜は、地元尾道で不登校児の為の塾を開いておられる、Iさん宅にお招き頂く。窓から町を見遥かす。宮崎駿の『天空の城ラピュタ』を思わせる坂の町、尾道。情緒溢れる町並みには違いないが、やはりここにも不況、高齢化の影は忍び寄ってゐる。駅に近い繁華街にもネオンの光は弱く、海岸沿いの家には灯りも見えぬ。Iさんが世話してゐる子供達にも『町に仕事がない』事は深刻な影響を及ぼしてゐる、と云ふ。Iさん御夫婦には、心づくしの料理と酒、宿まで提供して頂き、感謝の言葉もない。

26日(月)-----------------------------------------

いつの間にかみんないなくなってゐて、ワシとカシラの二人で呑んでゐた。3:00頃寝たが、7:00には起床。ツアー車を一晩停めさせて頂いた喫茶店でモーニングを喰い、広島へ出発。Iさんへの一宿一飯のお礼をかねて、出版物を広島へ輸送するお手伝いをさせて戴いた。

夜はBobby'sのリハーサル。このバンドでも松山へのツアーが決定した。「後で呑もうよ」と云われるのを断ってすぐ帰宅。

27日(火)-----------------------------------------

多忙な一日。朝、専門学校。夕方前、明日のソロ用のアイディアを仕込む為、1時間だけスタヂオ入り。その後レッスン。5人をレッスンした後、オルカ団のリハ。決めたラインナップを通して演ってみると、大幅に時間があまる事が判明。急遽一曲プラス。思い出せよ、みんな。

28日(水)-----------------------------------------

けふは琴奏者の榊さんとのライヴ。全く展望が見えぬ企画なのだが、けふに至るまで榊さんからは、会場入りの時間と、「パンフが出来ましたよ」といふ連絡のみ。さて、どーなることやら。

会場となったKobaは立ち見でも30人入れば辛いかな?といった小さなハコ。それを考慮して、ベースアンプではなく、ひとまわり小さいPAアンプを持って行く事にした。ベースはアク−スティックの5弦。この組み合わせでは、ちょいと音色設定が難しいのだが、これを演り切れれば、どこででも、どんなんでも出来さうな気がするので、キアイで演る。

さてライヴはまづ榊さんのソロ演奏から。『アンデスの山を鶴が越える云々・・・』といふテーマで演奏。ホホー、さう来ましたか。ワシはかういふ時の定番「キャメル」を。アーラープからじっくり練り上げ、ターラ〜即興へと30分位かけて演る。よい出来。楽器の特性も生かせて近年ではベストな即興。久々に自分で納得できる演奏だった。その後、榊さんとデュオ。17弦といふ低音の琴で演奏される規制の曲に、ワシがベースとヴォイスを絡ませる、といふ手法。その次は、フルートの石丸さん、パーカッションにKobaのマスターBombくんを迎えての大インプロ大会。すげ〜、これってTabla beat scienceの日本版ぢゃねーか?。面白かった。

終演後、お客さんに『随分長いギターですね』と云われて爆笑。お客さんは決して多くはなかったけど、画家、写真家、美術商、舞台監督、デザイナーと云った芸術関係の人ばっかり。打ち上げも『芸術性と大衆性の妥協点』とか、さういふ壮大なテーマで盛り上がった。

ワシはねぇ・・。「売れる」も「売れない」も「芸術性」も「大衆性」も「地方」も「中央」も「孤高」も「仲間」も「成功」も「失敗」も大して気にはしてないんですけどね。なんか今週、このテの話が周りに多いな。

29日(木)---------------------------------------

祝日にて休養。トマス・ハリスの「ハンニバル(いまさら?)」を読む。これを読んでゐると、無性に腹が減ってきて、それも「エエもの」を喰いたくなる。人肉とか・・・・?。あとビデヲで「バックドラフト(なぜ今?)」。夜はしめ鯖を作った。

30日(金)----------------------------------------

ゆんべ女房とワインを結構がぶがぶ呑んだので、ちょっちハラの具合が・・・。ワシはワインとチーズの組み合わせを摂取すると、ほぼ100%の確率でゲリをしてしまふ。しかし好きなものはやめられん、とハンニバル・レクタ−博士も云ってるではないか。

専門学校で2コマ授業。昼休憩にはケンタッキーでランチ。授業の後、ジムに行って1時間トレーニング。昨日一日ゆっくり休んだお陰か、体調はすこぶる良い。けふのメニゥはポークステュウ。いい牛肉がなかったので、作り方はそのままビーフステュウのビーフをポークに置き換えて作る。料理は楽しい。


翌月