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1月1日(日)-----------------------------------------
プライドを見たあと、ゆく年くる年を見て(嗚呼、この静けさこそが・・・!)、そのままTV灯けてたら、さだまさしが生放送をやってゐた。なんか全然NHKらしくないユルい番組で、結構面白く最後まで見た。雪こそ降ってはおらぬが、外は寒い。近場の寺がやってないのか、除夜の鐘の音が聴こえんな。以前なら「ちょっくら外に出て歩いてみやうか」などと云ふてゐたが、今年はやめる。
少し寝て、廿日市までウチの一族集会に行く。飲み&喰ひ。あまりかういふ事はしたくないのだが、親戚にDVDを売りつける。いつもの事だが、けっこう酔っ払ってしまったので、早めに退散。夜は筋カレー。
とゆー訳で明けましておめでとうございます。今年も梶山シュウをよろしく。
2日(月)--------------------------------------------
けふは女房の方へ里帰り。海の幸づくしで酒が進む。義弟と日本酒の飲み比べなどやり、義弟が撃沈。
ここの家族は基本的に全員下戸で、長女(ウチの女房)だけがワシとあんまり変わらんぐらいイける。此所数年、弟が呑むやうになり、いつもは独りで呑んでゐるらしい。タマにかうやって飲めるワシらが帰ってくると、彼も嬉しいのか、進み過ぎて撃沈してしまうやうだ。それでも3〜4時間昏睡したらフっと起きてきて見送ってくれるのだから、本質的にはかなりイケるクチなのでは?と思ってゐる。
3日(火)--------------------------------------------
ゆんべから女房が調子を崩しはじめた。けふは何処かに出かけやうか、と思ってゐたが、まぁぢっとしてなさい、と云ふ事で家から一歩も出ずにゐる。映画マトリックスを1〜3まで全部見た。良く分からん話なのだが、結局の所シムプルな話のやうな気もする。まぁこの映画のエポックは「電脳」「仮想現実」「超未来」といふ設定の中で、主人公達がづいぶんレイドバックしたカンフーアクションをする、といふ一見ミスマッチな所にあるだらう。
『何の為にお前は闘うのだ?』の問いに、『それを選択したからだ』と答えるのがイイ。
4日(水)-------------------------------------------
ぐっすり眠って復調した女房と動物園に行く事にする。安佐動物園。ここは歴史もある中々良い動物園で、動物の種類も多いが、ワシが此所に来て見たいのは「ハイラックス」「キョン」「シフゾウ」の3ツ。
ハイラックスは体長20〜30センチで、一見ネズミかウサギの種類に見えるが独立した種で、ぢつは象や犀に近い、といふのがいい。ちょっとずんぐりした身体と微笑んでゐるやうな口がストライクゾーンなのだ。
キョンは山上たつひこの漫画でちょっと有名になったが、60センチぐらいの鹿の仲間。人懐っこいのかぢっと見てゐると寄ってくる。鹿の一種なのに鋭い牙があり、お世辞にも可愛い動物ではない。が好きなのだ。
シフゾウ、のことを知る人は少なからう。これもまぁ鹿の仲間なのだが、なかなか凄まじい過去を持つ。中国の皇帝かなんかのペットとして飼われてゐたのが、ヨーロッパに紹介された時には、すでに野生のものは絶滅してゐたらしい。その後飼育下のものが繁殖され、世界に分布し完全な絶滅を免れた、といふ。これがまぁなんともぢみな生き物で、どうひいき眼に見ても薄汚れたトナカイにしか見えぬ。これが広い安佐動物園の、いちばん隅っこの、標高の高い、周りになんもない、人気動物が近くに居らん、ナニカの途中でたまたま眼にする、といふことなど、まづ無さそうな、ほんまに目立たぬところに1頭だけゐる。本人もあまりやる気がなくて、大抵は奥の方で座り込んでゐる。ファンサービスもしない。ワシは安佐動物園に来ると必ず此所に来るが、ワシら以外のギャラリーが居た事は、今のところ、ない。
この侘びしさ。好きである。
他にも、テンジクネズミの鳴き声がぢつは電子音のやうだ、とか、発見はあった。
帰り道、バスを待ってゐたら、見知らぬおっちゃんが『乗ってけ』と云ふので乗せてもらった。づーっと訳の分からん事を喋り続けてゐたのでちょいとアレだったが、まぁバス代は節約になった。ところでアレは誰なんだらう。
もーのすげぇ寒い中での動物園行楽だったせいか、身体がすっかり冷えきってしまってゐた。風呂に入ろうとしたらすごい悪寒がやってくる。ヰスキィのお湯割を呑んで寝たが、夜中、ものすごい汗をかいて目が覚める。パヂャマも布団も、水をかぶったやうにびしゃびしゃ。
5日(木)-----------------------------------------
たっぷり汗をかいたお陰か、熱が出たやうではない。まぁあんだけ汗をかけば熱が出てゐても下がるだらうし、老廃物も出るだらう。けふはまづまづの体調。
今年最初のし〜なとシュウのリハ。来週頭に東広島市で演るイベントのリハである。今回、同機ものを演らぬといかん。ワシは何度か経験があるが椎名さんは初めてらしい。しかも打ち込みのリズムが変なポリリズムになってゐて、しかもバックビートを全く考えてないパターン。合わせにくい事甚だしい。まぁ今回はゲストだから仕方ないね。
今年最初の食事会は四川料理。紹興酒を飲みながら今後のこのデュオの方向性をあれこれ語る。椎名さんに『シュウの人間のスケールと比べると、オルカやソロの音楽的スケールが幾分小さい気がする』と云はれる。それはワシ本人が一番思い悩んでゐるところで、ぢつはそれはワシの表現者としての限界なのだ、と応える。
6日(金)-------------------------------------------
指揮者、岩城宏之氏が、ベートーヴェンの交響曲全部を、10時間かけて独りが指揮する、といふN饗年越しコンサートの模様をTVで見る。なんかあっちこっちを患い、満足に動けぬ身体。楽屋に医者が待機しながらのマラソン・コンサートだといふ。『ベートーヴェンを指揮しながら死ぬなら仕方ない』とあっさり言い切る。素晴らしい指揮者魂。
99年まで、S.Y.U.K.といふトリオをやってゐた。結成当初は「ちょいと重めのフュージョン」といふ路線で、そこそこ人気もあったが、3年目ぐらいから完全に観客を置いてけぼりにしてゐたバンドだった。そのバンドをワシが辞める時、それまでに作ったレパートリィをほとんど全部演る、といふライヴをやった。全部で3時間半。客も演者もへろへろになった。ラストはワシのペンによる30分の超大作『砂の位相』。この曲は後半10分全部がベースソロで、まぁ最後だからと云ふ事もあって暴れまくって倒れるやうに終わったら、客もみな終わってゐた(笑)。
かういふ、ある意味、意味のないアホなチャレンヂを、またしてみんとイカンな、と思ふ。
1月7日(土)-----------------------------------------
小さなコドモを相手に仕事をする場合、小さなコドモは犬猫と同じか、または犬猫猿以下だと思ふてゐるから、少々の事は、まぁ、我慢出来る。たまに本気でムカついてブン殴りたくなる事もあるが、今のところ本気で殴った事はない。犬猫猿鶏だと思へば『まぁしょうがない』と云ふ気にはなる。しかし、その親にまで懐柔せねばならぬ謂れはない。けふ、本気でそこに、気が狂いさうなぐらい腹が立ち、同時に、何故ワシがこのやうな思ひまでして、この仕事を続けねばならぬのか、にさらに気が狂った。
8日(日)-------------------------------------------
パーカスのツンちゃん宅で仲間内の新年会。常時10人以上が出たり入ったり、の盛況。半分以上が女性。まぁ生徒に女性が多いとは云へ、何故ツンちゃんはこんなに女性に人気があるのだらう?。鉄板焼の料理がじゃんじゃん出てくる。コンゴ出身のヘクトルと2人でヰスキィを飲みながら、喋りながら、喰ひながら、pm3:00〜10:00まで。今になってみると、細かいところは憶えてないな。
女性パーカッショニストのN女史に、バンドへの参加を求められる。『リハは多くて1回』といふ条件で0Kする。あと、K高校出身のAちゃんにセーラー服の歴史、とか云ふ事で熱弁を振るってゐたやうな気も・・・・・。
9日(月)-------------------------------------------
エレクトォナー倉田香織女史の仕事で、し〜なとシュウプチ遠征。妙に身体がダルいのは昨日の酒のせいか、それとも出発がam7:30と早かったからか。それとも本格的に病気なのか。会場は東広島市は西条、広島大学学士会館レセプションホール。ステージの後方窓からはぢゃがーんと森が見え、日射しの降り注ぐ明るいホールは暖かくて気持ちが良い。
けふは午前1回、午後1回の2ステージ。演目は同じ。見る人は違う訳だから、全く同じ事を演っても構わぬのだが、折角なので色々と即興を入れてみる。はじめの頃はワシがこれをやると、椎名さんがあからさまに戸惑ってゐたが、最近は馴れたもの。唄ものも即興系も良いフォースに導かれ、素晴らしい出来。良い遠征だった。
しかし、流石に待ち時間の長いのと、40分2回ステージ、てのに疲れた。ライヴを演ってる間と、終わった直後はいいのだが、ちょっと時間が経つと泥のやうな疲労がやってくるのが分かる。このデュオにしてはとても珍しく、打ち上げなし、呑みなし、で広島に帰った。
10日(火)------------------------------------------
専門学校仕事はぢめ。中野チカラさんに会ったので、春のワシの企画ライヴに出演してもらふやう依頼。快くオッケーしてくれた。
昼飯は久しぶりにラーメンにする。サービス券があったのでラーメン+豚飯を注文。ハラが裂けさうになってしまった。ついひと昔前はラーメン+飯ものなぞ当たり前のメニュゥだった。すごい時にはラーメン+チャーハン+餃子+ビール、なんて事もやってたのに、もうそんなに喰へぬ。歳と共に小食になるのは、医学的には良いことだ。が、なんかさみしい。
レッスン前にF楽器店に寄ると、お客さんからベース弦の張り替ゑを依頼されてゐる、といふ。店頭でそんなサービスすんのか?と思ひつつ、ヒマだったので張り替ゑてやる。ケースから出して驚く。ヘッドが逆向き、つまり4弦のペグが演奏者から一番遠いところに下向きに付いてゐる、ヘンなベース。一瞬左利き用のベースかと思った。ボディは普通の右利き用のもの。
リバースタイプ、といふのが、ほんの一瞬、流行った。どっかのベーシストがやってゐて、左利き用のベースをわざわざ右で使う、といふ、なんとも全く意味のない、無駄なだけの、左利きの人をバカにしてゐるかのやうな、ナンセンスなファッションでしかなかったが、あれでもその当時は、リバースタイプ!!とか云ふて左利き用のベースに右利き用に弦が張られて売られてゐたりした。しかも、結構なお値段で!!。
思ふに、この変なベースは、その一瞬のブームの時に作ってあまった左利き用(リバースタイプ)のネックを、捨てる訳にも行かず、仕方ないので普通のベース用に付けたものなのぢゃないか?と。
11日(水)---------------------------------------------
年末からだうも首の調子が悪いので、遂に医者に行く事にした。多分、椎間板ヘルニアだと云はれるだらう、と思ってゐたら、椎間板ヘルニアだと云はれた。15年ぶりの再発である。これは特に治療法がなくてね・・・。まぁそれでも自分がなんで苦しんでゐるのか、が分ったら気は楽になる。マッサーヂしてもらったらとても気持ちが良かった。
レッスンに行くと水曜日唯一の男の生徒が休み。けふは野郎と口を利かぬ一日となった。他も休みが多かったので、空き時間を利用して新曲がひとつ出来た。なかなか良い気分で帰りながら、しかし、医者は男だったし、生徒の欠席を知らせに来てくれた店員の男性とは1〜2言会話を交わしてゐる。ので、別に女性とだけ接した一日でもなんでもない、と云ふことに気付いた。ちぇっ。
12日(木)----------------------------------------------
けふ、ワシがインストラクターとして働いてゐるジモ・ミュージックスクールの付随喫茶店『ジモ・カフェ』がオープンした。ここはかつてライヴスペースとしてオープンし、何時の間にか教室になり、何時の間にか染色の工房になり、また、ライヴもできる喫茶室としてリニュゥアルした、といふ事だ。昨年末からごーごーと木を切る音や壁を剥ぐ音がしてゐたが、完成した店内の内装は、木造りのなかなかエエかんぢである。
レッスンを終え、早速客として店に入る。仕事場からワンフロア降りたら、店、といふのはなかなか良い。マスターは経営者藤本氏の長男リク。まだ少々ぎこちなく、店内もなんとなく殺風景なかんぢがするが、けふ一日そこそこお客さんも入ったみたいだし、まぁまぁなんぢゃないの?。ワシとしては是非メニュウに大盛りフライドポテトを加ゑて頂きたい。
ただし此所、エレベーターなしの4階なのだ。『ちょっと』茶をシバきに、といふには少々根性が要る。かういふ立地の厳しい店が生き残るには、相当に突出した個性が必要だらう。頑張ってもらいたい。てゆーか協力せにゃね。
13日(金)-----------------------------------------------
けふはMACの新年会ライヴ。ワシはFar east loungeで出演する予定だったが、昨日岩本さんから電話があり、サンサ〜ラでも出ることになった。ライヴとは云え、まぁ新年会だから呑むつもりで電車で行く。外は冷たい雨。
MACに着くとスティックのラムジィが丁度演奏してゐた。店内はみちみちに満員で入り口から先に進めぬ状況。インドの列車のやうに人をかき分けて中に入り、カウンターの中で待機する。ビール、ラムのロック、ワイン。
そのうちサンサ〜ラの出番がやってきてステージに。もうだいぶ酔っ払ってゐる。岩本さん、いきなり「ちょっとソロで演るわ」と独りで弾きだした。仕方ないので終わるのを待つ。「ぢゃ次はワシがソロで」とワシが独りでこきりこ節を演る。あとはいつものやうに大即興大会。パーティーとかお客さんとか、一切お構いなしに自分らの世界に没頭(笑)。1時間も演ってしまってゐて、カシラもツンちゃんも寝てゐる。
ラストにFar east〜。カシラはウクレレだけ、ツンちゃんもジェンベだけ、といふお気楽編成。それでも会場は大盛り上がりの盛り上がり。このバンドはかういふ所での演奏の方がウケるんぢゃないか?。しかし、サンサ〜ラといひFar east〜といひ、リハを一切やらぬバンドをこんなにやってて良いのだらうか?といふ気がせぬでもない。まぁ良いのだらう。
その後、打ち上げ。いろんな出演者とわいわい楽しく呑んだ。久しぶりのミュージシャン同士の宴会。ワシは常々プロフェッショナルとして、単純に「楽しい」とか「良い」と云ふ事だけで音楽を語ってはイケナイ、と思ってゐるが、けふはやっぱり素直に「音楽っていいね」と思ってしまった。
結構べろべろに酔っ払って4:00頃帰宅。
1月14日(土)-----------------------------------------
だいぶガタの来はじめた愛車ぐすたふを買い替える手続きをしはじめる。値段と車種の希望を出し、業者に依託してオークションから引っ張ってきてもらふ仕組み。まぁ、良いのがあればいいネ。
ねこリハ、ではなく、もうデュオリハ、になる訳だが、椎名さんとリハをやる。これで演っていこう、と決めたモノはどうあれ定期的に音を出すべき、であるからね。新曲のアイディアをあれこれ出し合う。さうしてゐるとスタックス音響のマサオさんとあやこがやってきたので、メシになる。けふはピザ。昨日飲み過ぎたし、明日も早いし、でけふはビール一杯しか呑まず。
15日(日)----------------------------------------
朝、パンを買いに寄ったコンビニで、BGMにパット・メセニーが流れてゐた。へ〜〜。
昼からコドモの唄の審査員。全部で50組のコドモらの唄を聴く。げんなり。このコらが好んで聴いてゐるやうな音楽は、ワシら音楽家であれば1回聴けばだいたい大まかなコード進行は理解出来る。細部までコピーするにしても、多分20分あれば充分だらう。それらを50曲も連続して聴けば、だいたい今の日本で何が起こってゐるか、が分かるやうな気がする。「大人は信用できない」と共感しあってゐるコドモを大人が統括の為に利用して「コドモは理解できない」と云おうとしてゐる図式。嗚呼不愉快千万!!。
夜、来月頭のぱかぱか号のライヴイベント、のリハ。まちゃ、MI、かをり、と元オルカの4人が顔を揃えて久々に音を出す。
オルカ解体から半年余、あれからワシは独りでしゃにむに走り続けてきた。が、もしかしたら自分はとんでもない見当違いの方向へ向かってるんぢゃないか?と思ふ時がある。『風雲!たけし城』で最後の最後で破れないドアにブチ当たって失格になる挑戦者のやうに、終わりの方になって『ハズレ』といふ札が出るんぢゃないか?とか。
夜のしじまにオンザロックの音を響かせながら、TVも電灯も消した部屋でそんな事を熟考してゐたら1時間が経ってゐた。
16日(月)--------------------------------------------
首をいわせて以来、しばらく休んでゐたトレーニングを、恐る恐る再開してみた。ストレッチと準備運動にたっぷり時間をかけ、ゆ〜〜〜っくり泳ぐ。追い抜かれても気にしない気にしない。
ブランドン・ロスのソロアルバムを入手。これが全編に渡ってえらくアンビエントな音世界で、それなりにオモロイっちゃオモロイんだが、ヌ〜〜〜〜。こないだ買ったクン・ヴーのやつも同じやうなかんぢだった。なにかハタと思ひつき、クレジットを見てみると同じベーシストが弾いてゐる。日本人、へ〜〜。確かに美しい即興ではあるが、CDでこれを聴くのはちょっと・・・ねぇ。
こんな音響派の音楽ばっかり聴いてゐたら、日曜日に感じた疑問が再び頭をもたげてきて、溜め息をつく。
17日(火)-------------------------------------------
忙しい訳でもないが、忙しい。映画を見に行くヒマもない。
18日(水)-------------------------------------------
打開策も見つからず、ひたすらベースの練習、といふか、つま弾いた一日。
19日(木)-------------------------------------------
従順なだけの人間を良いとは全く思わぬが、こちらの云ふ事を、まづ否定する事でしか会話が出来ぬ人間には、げんなりする。
「〜だよね?」「いぃえ私はこうなんです」「だからこうなんでしょ?」「いや、そうぢゃないんです」「でも〜って云ったぢゃない」「でも違うんです」
あぁ、あなたはなんて自己完結してるんだ。
20日(金)---------------------------------------------
3月に大阪から招聘する泉尚也さんのユニットのライヴがほぼ決定。ようやく自分の力で他所からバンドを呼ぶことができる。オーガナイザーって本当に大変な仕事だ。
奇しくも昨日から立て続けに、福岡、小倉、大阪、京都の友人ミュージシャン達から連絡がある。シンクロニシティといふのだらうか?。
あまりに気分が荒んでゐるので無理に時間を作って映画を見に行く。「キングコング」。予告編など見て『これはスゴさうだ』と思ってゐたが、ホンマにスゴかった。ヒロインのナオミ・ワッツがちょいとイメーヂ違うんぢゃないか?と思ってゐたが、時代設定が禁酒法時代、といふので納得。かうなればちょいとクラシカルな顔だちのワッツ女史はハマる。オモロかった。
それにしてもCGってやっぱり凄いな。
1月21日(土)-----------------------------------------
インプレッションズの営業。廿日市市の医療介護センターにて、ふれあいコンサートなる催しのバック演奏。唄うのは素人の御老人や身障者の方々。TV画面のカラオケに馴れてゐる人達は、恐ろしいほどバックの演奏を無視して唄う事もあり、合わせるか無視するかで心揺らぐところだが、バンマスから『唄優先でお願いします』とのお達し。実際、本番になってみるとまぁ飛ぶわ飛ぶわ!。間(ま)も何もあったもんではない。前衛音楽のコラージュ演奏してるやうな演奏になった。これはこれでオモロいな。
しかし、また本番中にアンプが音が出なくなりやがって参った。2回めである。こんなにトラブルの多いベースアンプも初めてだ。
昼過ぎに終わり、ギャラもらってからアクターズスクールへ。レッスンの後、しーなとシュウのリハ。リハ後、椎名さんが此所数日ロウ気味のワシを気遣って、市内に呑みに連れ出してくれる。エスニック料理屋とKOBAをハシゴして、だいぶ気分が軽くなった。ありがとね、椎名さん。
22日(日)-------------------------------------------
天気が好いので、久しぶりに女房を誘って散歩に出る。3時間ぐらい歩いた。途中、キャンピング・カーの専門店がある。詳しい事は分からんのだが、2トンのロングぐらいのサイズ(3〜4人用?)で、だいたい¥2,500,000ぐらいぢゃげな。さうだ!、宝くじで3億円当たったら、まづこれを買おう。住居は引き払って、家財道具は貸し倉庫に納める。その上で東京の新宿か渋谷あたりにマンションを買い、賃貸にして家賃収入を確保する。で、あとはキャンピング・カーを転がして、行く先々で演奏しながら、日々気侭に生きて行く。
この計画、どうよ?、と女房に云ふたら『まづ宝くじ買わな〜ね』と一言。ごもっとも。
23日(月)------------------------------------------
炒飯が喰ひたくなった。
よく通る道筋に10年前ぐらいからあって、しかし、一度も入った事のない中華料理屋に行った。厨房の中にひとり、店内にひとり、レヂ係にねーちゃんがひとりゐて、3人が3人ともおそろしく愛想のない、といふより不機嫌な、といふよりは感じの悪い店だった。出てきた炒飯も、ご飯がほぐれてなかったり、付け合わせの福神漬の方が味がハッキリしてたり、で、評価低し。多分、ニ度と行かんね。
夕方、女房の誕生日プレゼントを買いに、近場の巨大デパァトへ行く。最近、寝つきが悪いと云ふ女房の為に、低反発の抱き枕なぞ買ってみた。巨大な枝豆のやうなやつ。レヂに持って行くと店員が「お印だけでよろしいですか?」と訊く。お印ってなんや?、と云ふと、買い上げの証拠の札の事だと云ふ。「あ、頼めば包んでもらえるんですか?」と訊くと、「それは出来ません」と云ふ。訳の分からん謙譲句使う余裕あるなら、最初ッから『包装は出来ませんので』て云えや、おばはん。
24日(火)-------------------------------------------
スティーヴ・スワローのトリオのライヴ盤がアメリカから届いた。ライナーに収録曲の楽譜が(しかも全曲)載せてある。コードが書いてあるが、実際の演奏はコード楽器のない編成(Sax,Ba,Dr)なので、どう云ふ解釈で弾かれてゐるのかはさっぱり分からん。以前、チャールズ・ミンガスのピアノレスクァルテットの曲をコピーしやうとして、やはり途中で投げ出してしまった事がある。コード楽器がないとコードの解釈が出来ぬワシは、まだ未熟やね。
愛器ヴァネッサを今度こそちゃんとしたリペアに出したので、レッスンはPie-ぞうで演る。弾けば弾くほど、悪くないなぁ、これ。フェルナンデスさん、シュウモデルZo-3作ってよ。
25日(水)--------------------------------------------
いきなりカミングアウトすると、ワシは、全く自分だけの、楽しみだけ、の為に、『エッチな絵』を描く、といふ趣味を持ってゐる。これまで誰にも見せた事もないし、これからも誰にも見せるつもりはないが、♪かっぱっぱ〜、ルンぱっぱ〜♪でお馴染みの黄桜の河童の絵みたいなかんぢの、女性の身体の線をやたらと艶かしく描く事に関しては、自信がある。しばらく描いてなかったのだが、けふ、久々に筆をとってみて、線を描くのが下手になってゐた。やはりかういふのも続けなイカンね。
そしてレッスン。会場のエレベーターの中に「不審者情報」の貼紙がある。『40歳ぐらい/身長170センチぐらい/坊主頭/グレー系の上着にジーパン/顎にヒゲ/カメラケースのやうな鞄』
これワシぢゃないの?。
26日(木)--------------------------------------------
「平成ライヴドアの変」。社長のホリエモンはじめ幹部連中の逮捕後も、連日TVなどでライヴドア株価だのやってますが、どー考えても、これがそこまでの事件だとは思えぬのですがね?。ホンマに怖いのは株価の変動や損失ではなくて、あの程度の人物の言動に一喜一憂して、簡単に善悪の尺度を変えてしまふ、主体性のない民衆のほうですな。
27日(金)--------------------------------------------
女房の誕生日にて、ちょっとハイソな呑み屋へ行く。女房は年女。この歳の頃、あなたはどう感じてゐたか?と訊かれる。思い起こすに年男の年は東京に行き来を始めた頃で、仕事は朝から晩まで、毎日何がしかのユニットのリハが入ってゐたりして、とにかく忙しくてこ難しい事を考えてゐるヒマはなかった。それに比べると今はなんと自由気侭にのらりくらりと日々を暮らしてゐることか。
結局、3軒の店をハシゴして、なにか色々と喰ったらしひが、ほとんど憶えてない。
1月28日(土)-----------------------------------------
ゆんべ、女房の誕生祝いで飲み過ぎ、二日酔いまではいかぬが、少々胃がけだるひ。が、クルマ屋さんから電話があり、良いのが入荷したらしひので、見に行く。2000年製作の、まぁ今の「ぐすたふ」とおなじやうな白いバンである。即決。パワステとエアコンが付いてゐる。カーオーディオも付けてもらふ。こんなに色んなものが付いてる車に乗るのは初めてだな。
以前、業界の先輩から「も少し良い車に乗らんと威厳がなくなるよ」みたいなことを云われた事がある。「君に憧れてゐる若いコらがボロい車に乗ってる君を見てどう思ふかね」といふことだった。良い車に乗る事がどうしてミュージシャンの威厳に繋がるのか分からんのだが、後ろにどがーんと「あの」似顔絵イラストをでっかく描いたりすると、ちったぁ威厳が保てるのかねぇ。
29日(日)------------------------------------------
友人が参加してゐるマリンバ・アンサンブルのコンサートに行ってきた。ワシはマリンバと云ふ楽器に底知れぬ魅力を感じてゐて、いつか凄腕のマリンバ奏者を自分のバンドに迎えたい、と思うてゐる。ので、マリンバだけのコンサートは非常に楽しみだった。
いちをう音程はあるものの、打楽器、と云ふ究極の減衰音を、トレモロ、といふ技術でサスティーンさせてしまふ、といふ非常に特異な楽器。鮮やかなトレモロによって紡ぎ出される充分な音価。そしてひとたび16分音符を叩けば他のどの楽器にも出せないアタック感。ヌ〜〜〜〜〜〜、欲しい。ワシのバンドに欲しい。これに比べればエレクトリックベースなど、演奏法すらまだ未完成なのだな、と思ふ。
トレモロ奏法は見事だったが、やはりグルーヴが前面に出て来る曲では、クラシックの演奏家特有のリズムの悪さ、が気になった。この辺、彼らがもっと我々のやうなミュージシャンと交流してくれれば、よいアドヴァイスがしてやれると思ふねんけどな。
30日(月)--------------------------------------------
噂によると「北の獣カレー」と云ふのがあって、トド、熊、蝦夷鹿、クジラ、アザラシ、などの肉がカレーになってゐるさうな。ナニカの文献で読んだのだが、まぁシャレなのだらう、と思ってゐた。すると実際に東急ハンヅにこれが置いてある、と女房から連絡。話のネタにトドのを買って来るやうに云ふ。
晩飯に喰ふてみたトドカレーは、ほのかな獣臭漂ふ、しかしぢつにこってりとした旨味があって、なかなかに妙なる味!。なるほどこれがトドか、と妙に納得した次第であった。よーし次はクジラとアザラシだな。ついでにイルカとかありゃ是非喰ってみたいね。どーよ?、グリーンピース。へへへ。
31日(火)-------------------------------------------
けふで専門学校の授業がおしまひ。明日から週休3日、といふさらにふざけた人生を送る事になる。こないだぱかぱか号のまちゃあきに「シュウさんそんな時期はどうするん?」と訊かれたが、うむ、どうもしない。確かに決まった収入が無くなる訳だから、経済的には少ししんどい事になるが、別に気にしない事にしてゐる。「かういふものだ」と思って、それを受け入れる。
夜はサンサ〜ラの定例会ライヴ。前回お客さんが独り、といふ深刻な事態を招いてしまったが、けふは5人いらしてひとまづホッとする。これでホッとするあたりが駄目なのだらうな。
けふはいつにもまして即興ばっかりだった。定番の「ノルウェイの森」や「アリス」あたりを演らなんだ代わりに、ブルースやスタンダードなんかをやったりした。いづれもサンサ〜ラとしては初めての試み。中々オモロかった。
愛機ヴァネッサがないので、Pieぞうで演った。音的には問題ないのだが、この楽器のピエゾの特性なのか、それとも単なる不良なのか、強く弾き過ぎると音が出なくなる、といふ問題が生じる。これでは今月あと3本入ってゐるライヴを乗り切れぬぞ。ぬ〜〜、ヴァネッサはあと1ヵ月くらいせんと帰って来ぬし、しかし他に使えるベース(ワシの云ふ『使える』とは4弦でフレットレスで24フレットまである楽器の事を云ふ)持ってないし、困った。