3月


1週目


3月1日(水)-----------------------------------------------

既に休むだけ休んでゐるので、調子悪くても休めぬ。新ユニット(名前つけな)の練習に行く。先週、新メンバーのミッチーが全く手も足もでなかった7/8拍子だが、今週はまづまづかな?。サックスのマサミも苦労してゐる点では同じ。彼も奇数拍子は苦手なのだ。それでも練習の最後には、ガイドになるクリックを流しながら、なんとか止まらずに最後まで譜面を浚えるくらいにはなった。2回めのリハでこれなら、まぁまぁ、かな。

ミッチーが『いやぁ独りで練習してる時のやうには上手くいきませんねぇ』と云ふ。ん、まぁね。それまでの自分の方法論が通用しない世界ってのは、自分が思ってゐる以上に沢山ある。要は、知って行けばいいのさ。1箇所を見れば複雑な事態も、全体を眺めてみると理解できる、と云ふ事もあるのだよ。

このやうにリハで結構あれこれ他の二人と会話し、さらにレッスンに行って生徒と話し、空いた時間にソロの練習をやってゐたら、あらら、声が出なくなってきた!。これはヤバい。

2日(木)--------------------------------------------------

咽の痛みと咳でほとんど眠れず。おまけに朝になった時には、声が『全然』出せない。嗄れてゐる、といふレベルではない。ホンマに声にならないのだ。しゅーしゅーと大トカゲが出す声のやうなものしか出ない。ヤバい。明後日はライヴだ。医者に行く。『#$#”#$@&」+:@%##?』と医者に告げ、薬を出してもらふ。それにしても此所って去年から3回診てもらってるんだけど、毎回おんなじ事しか云いやがらんな。「暖かくして寝てませう」ってそれが出来りゃ風邪なんかひかんわい。

レッスンは全て「筆談」で行った。どうしても必要な時だけ、ノイズみたいな声を出す。これがこんな日に限って、色んなところから電話が入りやがり、そのたんびに『どうしたのその声?』と訊かれ、説明してるうちにまた声が出なくなるんぢゃああぁぁ!。

3日(金)----------------------------------------------------

レッスンもリハもないので休んでゐる事にする。だが、性分なのかなんなのか、やはりぢっとしてないワシ。オフクロにそっくりである。松下かをりにジェンベを借りる為に彼女の店まで行き、晩飯の買い物に行ったり、ベースの練習したりしてゐるうちに、また熱が出て来る。けふ一日で5回くらいスティームの吸引を施行したが、まだ声は出ず。こらいよいよヤバいな。声、出なんだらライヴ、どーしやう。全部インストで演るっていふ手はあるが・・・・・・。


2週目


4日(土)------------------------------------------------------------

ヤバい。とてもヤバい。全然治ってゐないではないか、風邪が。そもそもこれは風邪なのか?。けふはいよいよ大阪からFaithがやって来てくれる、といふのに。しかも本番前までアクターズスクールでもリハだ。ヤバい。体温計を目視してしまふと熱がある事を「自覚」してしまふので、敢えてそれをせずにスタヂオへ出発。しかしどうにもフラフラするし、咽の痛みも酷い。これはさすがに適わぬ、と先方に電話してリハを休ませてもらふ。けふの処は1回めだし、基本的には監督だけなので、ワシ独りが居らぬぐらいでは、それほど害もあるまひ。

けふの名目は、いちをう『地下室の会番外編広島大会』。地下室の会西日本在住メンバーでのライヴイベント。をワシが仕切らせてもらふ形。昨年、大阪で一緒に演ってくれた泉尚也さん率いるFaithを広島に呼ぼう、と思い立った事から、折角だからもうひとりの広島メンバーである中野チカラさんにも参加してもらおう!と云ふ事になった。ホテルを調べたり会場を確保したり、とオーガナイザーの雑務は想像以上に大変で、いやぁ裏方の人々の苦労を実感する。良くやってくれるよホンマ。

リハ。ここで焦った!。いやね、ワシはもう20年以上ステージをやって来て、体調を崩して直前まで声が出なかったりとか、結局ガラガラの声でライヴをやってしまったりとか、いふ事は、何度かあった。それはそれで良い結果になったりしたし、まぁ、今回声が出ぬのも、そんなかんぢだらう、とタカを括ってゐたのだが・・・・・!!。

いや、ホンマ、全っ然出ないのよ、声が!。

高いEの音(ギターの1弦解放)が出ぬ!。ワシは本来この辺から上にかけてが一番得意な音域で、調子が良い時は上のB(ギターの1弦7フレット)まで出るのだが!!。さすがにこれはマズい。マンガでよくある表現だが、顔に縦の線が入ってしまった。いや、マジで、これはホンマにヤバい。一瞬、今から電話して椎名さんに来てもらって、急遽し〜なとシュウで演らうか?とか、全曲インストと即興で演らうか、とか、けふは辞退すべきか、とか色々考えた。

しかし、逃げては始まらぬ。これはワシのイベントなのだ。出来ても出来なくても演るしかない。

その本番。トップはワシだ。ヤケクソ、といふ訳ではないのだが、あえて「勝負曲」である『キャメル』を最初に持って来た。途中で倒れてはイカンので座って演る。心を透明に保ち、音が、場が求めるままにゆっくりと即興で声を練り上げて行く。声が及ばぬところはベースでカヴァーだ。頼むぞ、ヴァネッサ。冒頭のアーラープから後半二段階のターラまで、約20分。体内麻薬アドレナリンの効用で、なんとあれほど出なかった声が上のGまで出たのだ。すごいね、人間って。

ぢつは、昨日寝る直前に読んだ本の中で、『武の心』といふものが書いてあって、それは

『すなはち先を制して機を制し 先の先を制して間合いを制し さらにその先を制して戦を制す その呼吸さえ身に付ければ憶うる技はたったひとつで良し その一撃以外は全て余技に過ぎず   しかしそれ故に外さば懐に入られ 当方は死せり その必中必殺の覚悟こそが 死中に活を得たり』

と云ふものであった。

関係ないやんって?。あぁさうですか。

「勝負曲」が終わった時点で、ワシの中では既に役目は果たせた気持ちになってゐて、後はユルく『こきりこ節』と、新曲『夜の駱駝』『君が亡くなって1年が過ぎた』を演った。これもまぁ仲々好評だったやうで。

後発のFaithは相変わらずVoの田中千夏嬢の自称「おっちゃんキャラ」満載で、ぢつに力の抜けた良い演奏。ベース、ボーカル、ドラムス、といふ編成で聞き手を飽きさせないのは流石である。泉さんのフレットレスも、相変わらず美しい。すりこぎでブっ叩いてるみてぇなワシの音と同じ楽器とは思えぬな。

トリのコーサク&チカラもリラックスした良い演奏で、きっちり最後をシメてくれた。コーサクさんは直前に右手の中指を負傷し、デカい包帯を巻いての演奏。相当に痛いハズなのだが、いざ始まれば問題無し。ここにも『必中必殺の気合い』あり。音楽家って素晴らしいね。

酒飲みの泉さんとの打ち上げを、ワシも楽しみにしてゐたのだが、どうにも身体が限界で(明らかに発熱してゐる)、お先に帰らせてもらふ。ひとまづは初日、良いライヴが出来たやうで、一安心。導眠剤飲んで寝る。

5日(日)----------------------------------------------------

Faith広島ツアー2日目。ワシは昨日休んだのも含めてアクターズのリハに監督に行く。まだ熱っぽい。生徒達に伝染してはイカンので、離れたところでマスクをしてぢっと見てゐる怪しいおやぢとなってしまった。来週の仕上げが勝負だな、こいつら。必中必殺の気合いを持たんかい!!。4:00まで付き合い、けふの会場へ急ぐ。

さてけふのライヴは、JIMO cafe で。昨日のスマトラを決めた時点で泉さんが『折角だからもう一日』と云はれて、急遽ここを予約した。ワシもここで演るのは初めて。70年代のRock&Pops,を売りにしてる店だから、Faithの音楽観はここには合うだらう。そのFaithの皆さん、けふは広島観光をして来られたやうで、『お好み焼きがスゴい量だった』と云ふ。へ〜〜〜〜ワシら普通にアレ喰ってるけど、やっぱり他所の人からすればデカいのかな?。

会場の雰囲気などから「けふはユルく行きませう」と泉さんがベースのソロからスタート。純正(無改造)のベースが3本とも、これ全て「泉尚也のサウンド」となる不思議。けふはドラムではなく、パーカスでのトリオ編成だったが、遜色無し。

お客さんは悲しいほど少なかったが、非常に前のめりに見てくれるやうな人ばかりで、大いに盛り上がり。昨日に引き続き、熱に浮かされたままのワシのソロ(昨日よりは声が出た)もアンコールがかかり、Faithと一緒にスティーヴィー・ワンダーの「迷信」を演った。大阪の再演!(去年の大阪では最後にJ・Bを一緒に演った)。さうして楽しかった2日間のライヴイベントも幕。しばし歓談の後、みなさんはけふのうちに大阪へ出発(帰路)。

遠路はるばる御苦労さまでした。今回、オーガナイザーとしては至らぬところばかりだったやうな気がする。難しい仕事だな、ホンマに。

6日(月)-----------------------------------------------------

重責から解かれ、休み。色々な処からいろいろな用件の電話やメールが入って来てゐるが、全て無視して、飯も喰はず、寝込む。それでも、夕方になるとまた熱が出て来る。

7日(火)-----------------------------------------------------

復活。まだ熱は下がってないやうだが、もうええ。薬を飲むのも止める。しかし、レッスンに行くと生徒のほとんどが休みだった。ちっ。

8日(水)-----------------------------------------------------

昼間は良いのだが、夜になると咳が出て止まらなくなり、そのせいで変な夢ばかり見る。けふはなんか造船所のドックみたいなところで女房と泳いでゐて、水から上がってシャワーを浴びたいのだが、そのシャワー室を相撲部の泥だらけの若者が占拠してゐる、といふ夢。

3/22のナカハラさんのイベントに出演するオールスターバンド(?)のリハに行く。当初参加してくれる予定だったドラマーが結局ダメとなり、代わりに若いコが叩く事になったやうだが、ハネものの16ビートで苦戦してゐる。大丈夫なのかいな?。

9日(木)--------------------------------------------------------

久しぶりに8:30起床。けふは、あおぞら銀行のキャラクター『アオゾーラ』がいっぱい転がってゐる道をゾンビが全力疾走で駆けて来る、といふホラー映画を見てゐる、といふ夢。なんや?これは。

専門学校の卒業式に出る。ホンマはこの後に行われる謝恩会に出席せぬと生徒と会って話など出来ぬのだが、けふは仕事の関係で無理。授与式だけに出席する。昨年は二次会まで付き合って飲みまくったが・・・・・。今年は楽器コースの非常勤講師は、ワシ以外誰も参加してなかったやうだ。その後9:00までレッスン。久しぶりに早起きしたのでとてもねむい。

10日(金)------------------------------------------------------

午前中でちびちびやってきてゐた確定申告を仕上げる。自分の『稼いでない』ぶりに、今さら驚く。よくこれで生活してゐることよ。

昼からナカハラバンドの2回めのリハ。先日ヤバかったドラムの若い衆がホンマにヤバいので、色々云ふ。ワシもゲストだが、いちをう看板かかげて演る訳だからね。同じリズムセクションとして妥協は出来ない。しかし、本番まであと2週間もないのだ。大丈夫かよ?。

その後レッスンをひとコマだけやり、C-na&シュウのリハ。椎名さんの新曲が2ツ。そんなに長くない曲に4ツも展開があって、それぞれが相殺し合ってゐて勿体無い。もっと単純に局面局面を十分なスペースをもって生かしてやれば、とアドヴァイスす。「お前が云うな」といふ声も聞こえさうだが。


3週目


11日(土)------------------------------------------------------------

先週風邪で休んでしまったアクターズスクールの発表会最終リハ。今日明日と一日缶詰めとなる。この年に2回のイベントも、初めて経験した時は『なんちゅう長いイベントや』と思ったものだが、最近は慣れてしまった感あり。それでも、約3時間のショウを1日に2回も続けて見てゐると、さすがに疲れまくる。明日は本番で、また場当たり、ランスルー含めて何度か見る事になる。

12日(日)-----------------------------------------------------------

その本番。会場のアステールプラザ広島は駐車場が狭いので、早めに行って確保しておこう、空いた時間の為のCDと本も用意して、と予定入り時間より1時間早く行ったが、既に『満車』と表示が出てゐる。やられた。

このスクールでのワシは、ダンスのMくんと云ふ先生とふたりで、11人の子供を担当してゐる。が、けふはそのMくんが所用で休み。ひとりでこの騒々しい子供らを監督せねばならぬ。しかも本番のダンスの事なぞワシには分かりまへんで。でも、まぁなんとかなった。放っとけば子供は勝手に自立するのである。

まる一日かかってイベントが終了。打ち上げは焼肉。久しぶりに「肉だけ」で満腹となった。夜、帰宅して2日分のメールを見る。対応したりしてるうちに3:00になってしまった。また夜型人間になりつつあるワシ。

13日(月)-----------------------------------------------------------

確定申告、完了。

ところでついこのあいだから、ウチのオーディヲがついに何の反応も示さなくなった。もう15年以上使って来たやつだから、さすがに寿命か。まぁ去年の秋に購入したDVDプレーヤーでCDも聴けるからいいか。で、フと思ひつき、ずいぶん長い間使ってないレーザーディスクの電源をオンにしてみる。『ウ・・・ウィ〜〜〜・・・・イ・・・イ』と怪し気な音。いちをう動く様子。試しに『もののけ姫』のディスクを入れてみる。ちゃんと動く。おぉ、別に壊れてはないみたいだな。で、久々にもののけ姫を見る。

あらためて見ると、この主人公「アシタカ」ほど、終止ドラマの『外』に居続けた主人公も珍しいやうな気がする。誰もが認める人格と技の持ち主でありながら、生まれ育った村を追い出され、放浪の果てに、ケモノと人間の争いに巻き込まれ、その双方に『部外者』として相手にされず、最後の最後まで第三者として、しかもその事に自分で気付いてもがいてゐるのだ。同じ部外者でも、『風の谷のナウシカ』での「ユパ」の存在は、さり気なくドラマの中心に影響を与え続けた。このキャラの違いは大きい。

多分、宮崎カントクが描きたかったのは、そこなのぢゃないか?。なんて事を考えながら見てゐると、なにか機械の底の方で異音が発しはじめ、嫌な予感がしてディスクをストップさせたが最後、それっきり動かなくなった。壊れたのである。Oh God!。

14日(火)----------------------------------------------------------

ゲンタさんから今回の東京でらしねの音資料が届く。さういや今週末からツアーが始まる。ソロの準備とか全然してねぇや。スタヂオに入ってちょいと音を出す。練習を積み重ねて表現するものと、即興で表現できるもの、この二つを完全に同じ次元で演れるやうにはなれぬだらうか?。今、ワシに目標があるとすれば、さういふライヴの実現である。まぁとても難しい事だとは思ふけど。

15日(水)------------------------------------------------------------

寒い。2:00から新バンドのリハ。バラード「水の駅」の方は形になって来たが、「箱庭」は未だ苦戦。しかしそれでも骨格は固まりつつあり、次のリハからはワシがえへくたーで空間を作る事が出来さう。5:00から1時間ソロのリハを演り、その後9:00までレッスン。けふはもう一本リハが入ってゐて、待ち時間に久々にラーメンを喰ひに行く。B店。が、頻繁に来てゐたつい2ヶ月前より味が落ちてゐる。駄目ぢゃないですか。11:00からナカハラバンドのリハ。ドラムスの青年、未だ大いに問題あり。大丈夫なのかね?。このライヴの為に九州や福山から来てくれるメンバーも居るのだぞ。

久しぶりにリハばっかりやってゐた一日だった。

16日(木)------------------------------------------------------------

明日からの九州遠征に備へて準備。と云っても大したモノはない。年に何度もかうした旅をしてゐると『まぁいいや』みたいな気分になる。これを『旅慣れ』と云ふのだらうか?。でも今回は車を転がしての旅なので、愛車(新車)のチェックは念入りに。それよりも体調がいまいち優れぬので、そっちの方が心配。

夜は女房と「ちゃぶ家」で居酒屋デート。美味いし感じも良い。かういふ店が近所にあるのはとても良い。

17日(金)------------------------------------------------------------

九州へ出発。ツアーの詳しい内容については、いづれ関東〜中京編とまとめて「06春ツアー日記」をアップする。

けふの会場は、小倉北区Big band。『ZEKU featuring 梶山シュウ』といふ名目でソロの40分と、ZEKUのベーシストとしての60分。ソロでの演目は、こきりこ節/月の路/春/夜の駱駝/Tes de taz;/らのえてぃあ/君が亡くなって1年が過ぎた、の7曲。二つの新曲を中堅と大将に持って来るラインナップ。

18日(土)-------------------------------------------------------------

ツアー2日目。けふはもうお馴染みとなった、長門市は油谷。文化会館「ラポール油谷」のロビーを使ったサロンコンサート。この町の人たちには毎回とても善くして頂いてゐる。けふもこのライヴの為にこのやうな立派なポスターまで用意してくれてゐた。

身にあまる光栄だが、このイラストでワシが弾いてゐるのは、明らかにベースではないやうな・・・・(笑)。

けふも昨日同様ZEKUとソロの2本立て。ソロの演目、キャメル06/君が亡くなって1年が過ぎた/夜の駱駝/らのえてぃあ、の4曲。

この日のPAや会場スタッフを引受けてくれたのは、既に何度か共演してゐる地元バンドの「馬耳東風」。ほんたうに、どうやってお礼をすればこの町の人たちに恩義が返せるのであらうか、といふかんぢである。

19日(日)------------------------------------------------------------

ひとり、長門市駅前にある恐ろしく古いホテルに一泊し、湯本温泉郷で公衆浴場に漬かって旅の疲れをとる。他はみんな地元の御老人ばかり。あとはのんびりと車を走らせ、夕刻前には広島の我が家へ到着。


4週目


20日(月)------------------------------------------------------------

休み。ほんたうに久しぶりにプールに行く。ほぼ1ヶ月ぶり。づいぶん会費を無駄にしてゐるなぁ。もうちっとびしっと体調が良くなんないと、イマイチ気を入れてトレーニングしやうといふ気にまでなれぬ。

21日(火)--------------------------------------------------------------

体調優れず。11回めの結婚記念日。11年かぁ。宮島水族館に行って色々見て回る。ここと、安佐動物園は、われら夫婦が結婚前から良く来てゐるスポット。11年経ってもこの低燃費なカップルはあの頃と同じく、来て、見て、歩いて、その他には目もくれずに、帰る。お土産も記念品も買わぬ。ただ、やっぱりあの頃に比べると、歩き疲れるのが早い。

夜はアジア料理屋へ。辛いつまみを食べながらビールをたくさん飲む。

22日(水)-------------------------------------------------------------

体調優れず。1日の中で何度か震えるくらい寒くなり、その後ばーっと身体が熱くなる。計ってはおらぬが、多分、熱が出てゐるのだらうね。なんか、結核とか肺炎とかさういふ病気なんぢゃないの?。

けふはナカハラさんの企画ライヴ。リハを重ねて来た成果が出るのかだうか?て処だが、ドラムの青年、早速遅刻。やれやれである。岡山からサックスの赤田さん、福岡からギターのTAKEくん、が加わっての6人バンド。ワシは先日入手したヴァイオリンベースを本番で初めて使ってみる。色んな人に『シュウさんがフレット付いてるベース弾くの初めて見た』と云はれる。しかしこれが弾きにくいのなんの!。単にフレットがあるから、とか云ふのぢゃなくて、ボディが軽いから左手で楽器を支えてやりながら弾かぬといかんのが、致命的。練習の時からさう思ってはゐたけど、肌の露出が多いステージ衣装に着替えたら、そればっかりが気になってもう駄目。全然良いプレイが出来なんだ。ビートルマニアの人とか、よくこんなの使ってるね。

加えてドラム青年は、まぁ想像通り。モタるは走るはキメは忘れるは、こんなにベースを弾く事に集中させてもらえぬライヴも初めてかもしれぬ。ことリズムに関して云へば、生徒の発表会で弾いてるみたいな気がした。

音楽もライフスタイルもロッケンローな人達ばかりが出演したけふの企画、明らかにワシひとり『浮いて』ゐて、まぁ別にそれはいつもの事なのだが、やはりけふは調子も悪く、気分も優れない。加えてものすごいタバコの煙り(30人くらいほぼ全員スモーカー)に咽と目が痛くなってきたので、早めにひとり退散。

23日(木)----------------------------------------------------------------

最近、ミステリィ小説をよく読んでゐる。垢我話痔老が好きぢゃなかったせいで、『自分はミステリィ小説は駄目だ』と思い込んでゐたのだが、本屋で何気なく手にした東野圭吾から、そのテのものを読むやうになった。なるほど、小説の中では一番人気のあるジャンルだけあって、ぐいぐい惹き込まれて読んでしまふね。あと、先日タワーレコードで、これも何気なく入手したストーン・アライエンスの79年のライヴ盤。Sax,Ba,Drのトリオ。無茶苦茶に音が悪いのだが、躍動感があって良い。特にすりこぎでブっ叩いてゐるやうなベースソロ。こんなアホな音、今はないねぇ。写真を見るとアンペグの透明なボディのベース。うわぁジャズでこれ使うかね?。アホだ。いやぁ、いいなぁ。

かういふ「何気なく手にとって」といふのが良い。ネットショッピングではかうは行かぬ。

24日(金)-----------------------------------------------------------------

6月に行われる結構でかいイベントへの出演を依頼される。電気楽器はワシだけ。あとはほとんどクラシックの人。オモロさうなので受けたが、PA機材、どうするつもりなんやろ?。なんやかんやしてるうちに飯を喰ふ時間がなくなった。空腹の予感を感じつつ、午後からSoe's(新ユニット、仮名)のリハに行く。前回の練習とあんまり変わってないな。『もうちょっと待って下さい』と云ふが、既に3週間、待ってゐる。

結局飯を喰ふ暇がなかったので、空腹のまま一人だけレッスンしてから、C-na&シュウのリハへ。新曲と旧レパートリィのおさらひ練習。最近、沢山リハをやってゐるやうな気もするが、つい2〜3年前はこれの比ぢゃないほどのリハを連日こなしてゐたな。さうしてゐるとMIからメールで、来月のぱかぱか号でのライヴのリハのお誘ひ。またリハかよ。


5週目


25日(土)------------------------------------------------------------

またまたぐっと調子悪くなった。咳&微熱。微熱、と云ふとなにかハカナゲで良い。しかし、どうしたのだらうな?この身体は。熱やら不眠やらを考えるに、自律神経がやられてゐるっぽいのだが、まぁ精密検査を受けるべきなのだらうねぇ。また医者かよ。まぁそれはそれとして練習せねば。東京と名古屋のぶんのソロのセットを組み立てる。名古屋ではもとオルカ団のマミが手伝ってくれる事になった。しかし、かういふのって往々にして『ソロで演った方が良かった』みたいな事になったりするので、要注意。ソロに慣れてしまふ、と云ふのも考えものだ。

26日(日)--------------------------------------------------------------

調子悪い。づっと37.0〜37.5℃をうろうろ。決して高熱ではないのだが、身体を内側からねちねちと責められてゐるやうで、とても気持ちが悪い。ドリンク剤を飲んで半日寝てゐる。夜はぱかぱか号のリハへ。この人達との縁で、最近岩国に繋がりが出来た。それはとても良いのだが、いわゆる見解の相違で、こちらに『軽く出演してくれる』といふ印象が持たれてしまふ、のも良くない。こたびもライヴのオファーがあったは良いが、その中に「出演料を(こちらが)払う」云々の話があり、あらら・・・と思ふ。

他人がどう判断するかはさて置き、ワシはアマチュアではない。演奏する事でお金を頂き、それで暮らしてゐるのだ。依頼されたら可能な限り何処にでも出かけて行って演奏はするし、極端なギャラを要求するつもりはない。チャリティなど、自分が納得出来る状況ならノーギャラで出演する事も厭わぬ。それに、動員や諸々の原因で、ギャラ(収入)よりも諸経費(出費)が上回り、結果として『金を払って』演奏する事になってしまふ事もある。

だが、「出演料を払って」演奏する、と云ふ事はしない。それは『プロである』事を、自分から降りてしまふ事だ。

まぁ、お店側にも悪意がある訳ではない。こちらの真意を説明すれば、大抵は分かって頂ける。セルフマネージメントのプロに対してのシステムを把握できないからなのだらう。そこを責めるつもりもないし、『バカにすんな!』などと声を荒げる事もない。事務所に属さず、メジャーに出る事もなく、それでもこれで「喰ってゐる」人もゐるのだ、と云ふ事を知ってもらえれば良いのだ。

27日(月)--------------------------------------------------------------

体調悪化。ヌ〜〜〜、おかしい。ので、いつも行く所ぢゃない病院に行く。採血&吸入、胸部レントゲンなど。以前、胸部レントゲンに写った『妙な影』がまだ、ある。まぁ何万分の一かの可能性だが、初期肺がんで無いとも限らぬので、この際、輪切り写真(CT)でも撮りませう、といふ事になった。

夜はサンサ〜ラのライヴ。土曜日の夜、突然「月曜日はよろしく」と連絡が入るまで、ワシはけふがライヴである事を知らなかった。過去のメールを開いてみても、それらしい記述はなし。明らかに連絡ミスにも関わらず全く悪びれぬ相棒に呆れつつ、準備。調子悪いのも手伝って、全然集中できない。即興系のセッションで共演者を信頼できぬほど辛い事は無い。この日はワシが信頼を拒否した訳だから、岩本さんはさぞや演り辛かった事だらう。そうでもないかな?。

28日(火)--------------------------------------------------------------

熱は下がった(やうな気がする)が、咳がひどい。3種類ぐらいの薬を飲む。なにかの中毒のやうに手足が震える。たまたまスタヂオに来てゐたMIやんにその話をする。気管支拡張剤、とやらを服用すると、中枢神経に作用が及ぶらしく、やはり気管支炎を煩った彼女の息子も『気が変になったんぢゃないか?』みたいになったといふ。なるほど。しかしまぁ肺がんでも結核でも気管支炎でも高熱でも良いが、パフォーマーとしては、咳が出るのだけは困るねぇ。

29日(水)-------------------------------------------------------------

病院へ。血液検査の結果。全て正常。感染症の反応が全然ない、といふ。と、云ふ事はウィルス性のもの、つまり「風邪」ではない、のだ。しかし微熱と咳が続いてゐるのは事実だし・・・・、てぇことは?。「つまりですね、これはおそらくアレルギー反応かと」。Oh God !!。抗アレルギー剤を服用して様子を見る事に。しかしこのF医院、すごくキチンと調べて丁寧に教えてくれるな。どんな症状で行っても『暖かくして水分を採って寝てなさい』といふ「アソコ」とはえらい違いだ。看護士さんもべっぴんが多いし、今度からこっちにする。

30日(木)--------------------------------------------------------------

遠征出発前日。CT写真を撮りに市内の総合病院へ行く。なんかカードとタッチパネルで会計まで出来る、といふ超近代的な「白い巨塔」であった。待ち時間は長かったが、撮影は呆気無く終わった。ヌ〜〜〜〜〜、高い。

抗アレルギー剤を服用してからは、ピタリ、とまでは行かぬが咳が出なくなった。やはり原因はアレルギーて事か・・・・?。なぜ今になって・・・。夜は女房と居酒屋デート。明日からツアー後半戦。東への旅に出発す。


31日(金)------------------------------------------------------------

晴れ。東京に出発。けふは国立谷保の「かけこみ亭」といふハコ、でゲンタさんとデュオ。お客さんは少ないがウケは良い。分倍河原のホテルに泊。


翌月