1月


1週目

1日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

夜中に帰って来て、まだ起きてゐた女房と新年の挨拶を交わしてから、昨年までのサイトを更新。4:00頃寝て8:00に起きる。

軽くおせちカレーを喰ってから、ワシの方の実家に帰る。今年は姪っ娘(東京在住)が帰省しておらず、大人だけの落ち着いた食事&飲み。今年84になる親父はますます元気。けふの面子の中で一番の食欲を見せる。お袋のマシンガン・トークも相変わらず。話題はこないだのTip hotelの感想が中心。少しは誇りに思ってもらへる仕事を見せる事が出来たやうである。

夜には家に帰ったが、そんなに飲んだ訳でもないのに、疲労感大。食欲もあまり無く、21:00には寝る。まぁゆんべがあの調子だったのだから。

2日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは女房の実家へ。JR呉線で約2時間の旅。風早駅から家まで歩く田舎道(20分ぐらい?)が、とてもイイ。お義父さんは車での送迎を申し出てくれるが、この路を歩くのは、毎度結構楽しみなのだ。

この辺り、ワシは勝手にディープ瀬戸内と呼んでゐるが、所謂「瀬戸内海気候」の典型を思はしむる暖かさ。同じ広島でも全然違うな。その暖かい日射しの中(野外)で焼肉を馳走になる。毎年恒例、学生駅伝往路を見て、その後の新春お笑い見る。

夕刻には辞去。ワインだの日本酒だの、けっこう飲んだが、ゆんべぐっすり眠ったので、けふは割と快調。

3日(月)----------------------------------------------------------------------------------

年が明けてから色々夢は見てはゐるが、けふ初めて内容を憶えてゐる。のでこれが初夢か?。してその内容は、車の助手席で赤ん坊(誰のだらう?)のオムツを換えてやる、といふモノ(笑)。

女房がややダウン。天気良く散歩日和だが、けふは「家篭り」する事に決める。ベースも「弾き初め」。1時間ちょっと練習。大晦日の力任せの弾きまくりが祟って、指が全然動かぬ。リハビリ、だなぁ。あとはDVD(プレデター)見たり、本(カノン:篠田節子)読んだり。いつの間にか外は夜。

NHKで坂本龍一のスコラをやってゐる。知人友人の音楽家はみんな見てゐて、結構絶賛してゐるが、正直ワシにはこの番組の面白さが分からぬ。それより、その前にやってた「道場六三郎80歳の挑戦」における、道場氏の料理にかける探究心の方が、強く「音楽」を感じるんだなぁ。ひねくれてるって?、あぁさうですよ。

4日(火)----------------------------------------------------------------------------------

よぅ考えてみたらこの週末からツアーぢゃに、なんの下調べもしとらぬ事に気付く。今回、HAGE富安さんとの合同ツアーで、HAGEさんの所縁のハコを押さえてもらった。ので、名古屋ボトムライン以外は、お初の場所ばかり。静岡は浜松に行くのも初めてだが「天竜浜名湖線」とかいふ、なにやらえぇかんぢの鉄道があるな・・・。ふふふ。

今年はしーシュにも力を入れたいが、ソロ活動においてはむしろもっと多くのパーソンと絡んでみたい、と考へる。Duet'sシリーズもユルく続けて行きたいし・・・。ソロのパフォーマンスにつひては、正直な所アイデアが枯渇した感あり。まぁ演ってるうちにまたなんか浮かんで来るだらう。締め切りのある話でもなし、今年ものんびり演りませう。

5日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

仕事(レッスン)始め。まぁけふの処は夜の個人レッスンが少しだけ。これもなぁ・・・もちっと「ワシならでは!」の事が教えられたら、と思ふのだがなぁ・・。

ミック・カーンの訃報。特に「ものすげぇファン」といふ訳でも無いが、フレットレスベースの専門奏者として、やはりあれほど独特なニッチを、ポップスの中で示した個性と功績は大きい。ソロになってからのえせニック感覚は特に好きだった。本人が、ライヴ活動にそれほど積極的なタイプではなかったらしひので、晩年は一緒に演るメンバーにあまり恵まれなかった、といふ印象が強いな。

ミックがケイト・ブッシュと演ってた頃の映像で、何故か知らんが唄ってる最中にケイトのキャミソルの肩ヒモが切れて、チチを押さえながら最後まで唄い切る、てのがあった。セクシー・アクシデントといふ奴だな。これは見る方にはなかなかウレシィ(笑)。

6日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

今年初、しーシュのリハ。ツアー用のラインナップを繰り返し演る。初めての場所が多いので、演り馴れた「得意パタン」で行かう。しーなさん、なんかボーとしてる。おぃおぃ明日は出発やぞ。大丈夫ですか?。

今年は、しーシュの為に「電気ベースとピアノの為のプログレッシヴ協奏曲」のやうなモノを書き上げる・・・、つもりでゐる。今月末にマサミと演る、サイレント映画に音楽を絡めるヤツとかも含めて、割と「しっかり作曲する」といふ処に還ってみやう、と考へてゐる。まぁこれも締め切りのある話でもなし・・・・。

立派な大和芋を貰ったので、お好み焼き(関西風)にす。う、ぅぅぅぅぅぅまいぃぃっ!。他の材料はいつもと同じなのに・・・。ビバ山芋!。まぁ小麦粉と違って、それそのものがちゃんとした「食品」なのだから、味が上がって当然っちゃ当然か。美味い。

7日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校始め。年始初回レッスンが90分3コマ続き、ていふのはなかなか・・・。

帰宅してツアーの準備。こたびは寒い時期なのでどーしても服が多めになる。シルクロードに持ってったバックパックを使わん、と思って準備してゐたが、バックパック自体がデカくて、やはりどーにもかさばる。ので、いつも使ってるデイパックに入れ替えたところ・・・なんだ全然入るぢゃんか。な訳で今回も、いつものデイパック&ベースの身軽スタイル。今夜広島発の夜行バスで、まづ名古屋を目指し、明日の日中に浜松に入る。

2002年にかういふ唄旅を始めて、もう9年目になる。ん〜〜〜〜ワシは立派な旅人になれてゐるのだらうかね?。


2週目(ツアー記)

8日〜12日:新春ツアー--------------------------------------------------------

13日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

ツアー明け、初仕事。生徒達がワシの金髪に驚いてゐる。さうか、個人教室は12月の半ばにはクローズしたから、生徒達は年末のワシを知らないのだ。ワシの中では遥か昔の出来事のやうだが。まぁ所々黒いのが混じって、まだらの金髪なのだが、わりと評判が良いので伸ばしてゐる。坊主以外の髪型は久しぶりだな。

レッスンの帰り、リペアに出してゐるベースを見に、2stepといふ店に寄る。「メイプル指板のフレットレス」にしてくれ、と云ふ難しい注文を出したのだが、途中経過の出来はなかなか。思ひの他「戦力」になるアイテムになるのでは?といふ気が・・・・。

14日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

昨日もさうだったが、ぐっすり。8時まで寝てゐた。ツアー中よぅ喰ふたから、マメに動かにゃまた太るぞ。

専門学校。ツアーが多くて、生徒達には申し訳ないね。でも基本的にはワシの活動を応援してくれてゐるので、まぁ旅の多いセンセイを少しは誇りに思ってくれたら良いな。学校といふ組織としてはちょいとニガいだらうがね。でもまぁ来年の契約の話も来たから、クビになる訳ではない様子。

広島に来たがってゐる友人ミュージシャンが結構ゐて、その受け口になってほしいといふ相談を受けるが、それが4月に集中してゐるので悩み多き。春はワシも旅に出るし、あんまり安請け合いしちゃうと集客に責任が持てんくなる。でも、来たいと思ふ人にはみな来てほしいし・・・。うーむ。


3週目

15日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュのリハをするか、て話をしてたが、しーなさんに仕事が入り、ナシとなる。なんかものすごい寒波がやって来る、みたいな事を云ってるので丁度良い。休みにして徹底的に篭る事にす。その為にはまづ備え。乾かぬ洗濯物をランドリィの乾燥機で回してるうちに、GSに灯油を買いに行き、ついでに3〜4日分の食料も買う。これで雪に閉じ込められてもIt's OK。

このツアー中、京都のあらいなおこさん宅で御馳走になった、春菊満載の鍋が最高に美味くて忘れられん。ので、鍋をする。肉はホンの少しにして水菜と白菜を死ぬほど入れる。んん!ニポンの冬は鍋に限る!。てな事をやってるうちに、雪がチラつきはじめた。It's OK。

16日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

夜の雪で、いちをう銀世界になってはゐるが、朝日がサンサンと照ってゐる。なんやつまらんな、もっとぢゃんぢゃん降れば良いのに・・・。

まぁそれでも日中は降ったり止んだりの天候で、願い通りの引きこもり。備えがあるので外に出る必要もない。ベース弾いて曲作って本読んでDVD見て、とやってると女房が熱を出してしまった。寒かったのかね?とか云ひながら看病してると、なにやらどんどん悪くなって来る。イムフルエンザの可能性あり?。ありゃりゃ、とか云ふてるとさらに悪い事にアパァトの貯水システムが凍ったかなんかで、水道の水が出なくなる。ありゃりゃ!

大家さんと業者の人が、ぼッぼッ降る雪の中で、遅くまで修理してくれてゐたやうだ。

17日(月)----------------------------------------------------------------------------------

道路がばしばしに凍ってゐてヤバかったが、なんとかチャリで専門学校へ。生徒の方が遅れて来よった。女房は医者に。結局イムフルエンザ陽性、といふ結果が出たらしひ。ありゃりゃ!!。仕事帰りにプリンなぞ買っておいてやる。

午後はフリーなのだが、家にゐてもしてやれる事はあまりないので、ソロの練習に行く。近場で知人が最近始めたスタヂヲを使ってみた。1時間、久しぶりに「弾き語り」の練習。歩いて行ってみたのだが20分もかからなんだ。これはいいな。身体も暖まるから喉にも良い。今後、ソロ練習はここで演ることにしやう。

HAGE富安さんのユニット「てるてる家族」のVを見る。いいなぁ。その実力は云ふまでもないが、全員が機動力のあるアクースティック楽器(ギター、ヴィヲロン、ハモニカ、テューバ)、といふ素晴らしさ。このユニットにちゃーっと飛び入って演りたいもんだが、電気ベースなんて不便なもんだなぁ。ウッドぢゃデカいし・・・。ア、待てよ、Pieぞうがあったな。最近使ってないけど。

18日(火)----------------------------------------------------------------------------------

駄作、との呼び声の高い、ジャコ・パストリアス「ホリデイ・フォ−・パンズ」を遅ればせながら入手。ウーム、まぁ確かにジャコの作品、と捉えたら、なんとも評価のしにくひ作品ではあるが、云はれるほど悪いとも思へぬ。むしろ牧歌的なスティールパンのサウンドは、ジャコがいづれ往くはずだったであらう世界を伺わせ、ナゴむ。あらためて、つまらん死に方をしてしまったな、と切なく思ふ。

微里−椎犯や魚籠田−鬱店、様々な無意味な莫迦テクベース弾きがうごめく現代だが、ジャコが今も生きてゐたら、そんな名人芸大会のやうな世界からは身を引いてゐたんぢゃないか?と思ふ。存命なら59歳。見てみたかった気はする。案外、ベースなんか辞めてたかもしれんな。

あらためて、合掌。芸術家は早死にしてはいかん。

19日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校でふたコマ授業の後、しーシュの新曲リハ。しーなさんの作った小曲をワシが大幅に作り替え、結果『作詞:椎名まさ子、作曲:梶山シュウ』といふ、ありそでなかった作品が初めて完成した。ちょいと陰のあるジャズワルツ。「刻(とき)つむぐ舟」と命名。

その後、個人レッスンを3コマ。更にその後、御贔屓酒場(といふほどには最近行ってない)MACの新年会ライヴへ。けふはFar east loungeのみで演奏。ソロの準備もしてないでもなかったが、あんまりかういふ場でシャシャってもなぁ、といふ気が働き、演らなんだ。後になって『ソロが聴きたかった』と云ふお客さんもゐたりしてあらら、といふかんぢ。まぁお祭りやから。

久しぶりにセクシー歌姫ミっちゃんを手伝ったりもした。この人のかういふ場での人気もすごいな、と思ふ。その色っぽい歌声に、場内の男どもメロメロ(笑)。あと春秋楽団サトさんの、消え入りさうな生命力(笑)が唄う歌も印象的だった。圧巻は広島のロックレヂェンド、キ−ス三宅。唯我独尊の爆音ロックパフォーマンスにシビれる。

にしても、酒が入ると必要以上にはしゃぐ人達に、最近疲れる。ハッピーなのは良いんだけど、騒々しい必要はないと思ふのだがねぇ。

20日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

キップ・ハンラハンの「ビューティフル・スカーズ」。オサレで陰鬱な都市型音楽、といふか。底辺にラテン音楽があるのは間違いないが・・・。前に聴いた「エキゾチカ」もさうだったが、相変わらず捕らえ所(聴かせ所)のない音楽。悪くないのだが、この感性の、もっとシムプルな音楽が聴きたい気がす。

でもこのちょっと変わったミクスチャー感覚(現在ミクスチャーと云はれるジャンルの、でなく)は、ジョナス・エルボーグの2nd「Axis」に通ずるな。AxisはたしかNY録音。なるほどこの無機質感がNYアンダーグランドのサウンドなのか、とも。その折にも思ったが、ワシはかういふの聴くとまづ「ライヴどーすんだらう?」と考へてしまふのだな。

弐本のフレットレスベースでブルーズ演ってる曲があって、これなんざワシが日頃演ってるののそのまんま(笑)。なんか嬉しい。

21日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校。そろそろ学期納めが近付いてゐる。また週休4日といふふざけた日常が始まるのだ。

授業の後、サックスの藤井政美のウチまで行き、来週演る仕事----サイレント映画に音楽をつける、と云ふやつ、のリハーサルをす。朗読との共演や劇判演奏は数こなしてる自信あれど、サイレント映画の音楽、は初めての経験。お互いの曲を持ち寄った訳だが、漠然とイメェヂを先行させて作ったワシに対し、マサミはシーンごとにモティーフを作ってゐる。上手く絡められたら良いが。

パソコンで実寸の映画(小津安二郎:浮草物語)を流しながら、のリハ。オモロいが、長い(笑)。曲の打ち合せと、実際の通しリハを終えたら、3時間経ってゐた。


4週目

22日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

椎名まさ子&フライデー(この名前を不思議に思ふ方は名著「ロビンソン・クルーソー」を読むが宜しい)のリハ。久しぶりに演るスタンダードなど。しーシュもはじめの頃は、結構積極的にカヴァーを演ってたな、と思ひだす。「Misty」とか結構エロくて良かったよなぁ。全部で20曲以上演んなきゃイカンので、けふは全部浚うだけで時間切れだった。

その後、「なにわのてつ&カッポレ」のライヴを見にフライングキッズへ。ところがカッポレメンバーの何人かがインフルエンザで戦線離脱。けふはてっちゃんのソロライヴとなったのださうな。ありゃりゃぁ〜!!気の毒な。

が、このてつの字のソロライヴがすごかった。歌も良いがギターが良い。「味」や「雰囲気」に逃げず、またこれがものすごいドライヴ感。時にバンジョーのやうに、時にフィドルのやうに、ギターが歌に寄り添い、引っ張り、絡み付く。ギター壱本でここまで演れる奴が広島にゐたか!といふかんぢ。まぁてっちゃんは広島のヒトではない(単身赴任中)が・・・。歌ものでギターを弾いてるヤツはこれ見るべきだな。会場も和気あいあいで、大いに楽しんだライヴだった。

さぅさぅ、この日は「思ひがけない処で思ひがけない人にばったり会う」って云ふのが立続けにあった。さういふ日だったのだらう。「縁」といふはなにかの繋がりを持ってゐるのだ。

23日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

タップダンスのりょうま少年と、駅前のイベント広場で行なわれるストリートなんぢゃら、といふイベントに出演。主催は、広島でダンスや歌、様々なパフォーマンスを進めてゐる若者の団体のやうだが、ワシひとり全くの部外者で、それを徹底すべくプロフィルにも「正体不明」と書いた(笑)。さういふスタンスで演る。

ワシらの出番はトリ。寒いのでぶんぶんに着込んでゐた(コート、マフラー、マスク、ニット帽)ので丁度良い。待機中はづっと一般客に化けてゐた。本番直前の5分で変身し、ダーッと演ってまた変身、そのまま帰る、といふ事をやった。多分ほとんどの人がホンマに正体が分からんかったことだらう。可愛くない行為だが、赦して頂きたい。特にイベントの主旨を深く理解してゐる訳でもなく、ただ、りょうまへの餞のつもりの出演なので・・・・。

でも、今度からこれでいこうかな・・・プロフィル。「梶山シュウ:正体不明」(笑)。

本番の出来はなかなか見事だった。前回ワシの企画でりょうまに踊ってもらった時は、即興の要素が強すぎて、リハは良かったのだが本番でコケてしまった。今回はりょうま主導でがんがん行ってもらったので、こっちもガンガン演ってOKみたいなかんぢ。「らのえてぃあ」と、この為に作った「Go Lyoma」といふ曲を演る。ノリノリのタップ冴え渡る。自然と起こる手拍子。イベントのトリを務める高校生!。大喝采を浴びるりょうま。ん〜〜〜お前はホンマになかなか大したヤツだ。

〆の挨拶に盛り上がる会場を後目に、こっそりと退散。そのまま電車に乗り、「シルクロード仲間」久保ッち宅の新年会に行く。ひと仕事(ノーギャラだが)終えて、友と集いコタツに入って昼間ッから酒を飲む冬の午後。いぃねぇ。

24日(月)----------------------------------------------------------------------------------

朝起きた時、顔面が痛かったので「ぬぉ!また三叉神経痛か!?」と懸念せしも、すぐに霧散。あの痛みはもうコリゴリだぜよ。

専門学校ひとコマ。生徒の二分の壱がインフルエンザで休み。授業後、しーなとシュウのリハ。その前に改造に出してゐた「メイプル指板フレットレスのプレベ」を引き取りに行く。正確にはメイプルではないらしひのだが、白い指板のフレットレスが眩しい逸品。見事な仕上がりだ。

この「新兵器」を使ってしーシュのリハ。新曲を幾つかと旧曲の思ひ出し。ヴァネッサより更に「じゃじゃ馬」感のある音。いや、じゃじゃ馬ってよりはやはり男っぽいのかな?。プレベ独特の粘りのある低音でGood!。パーシー・ジョーンズのBrand X初期の頃の音だ。ちょいと色々と使ってみやう。

25日(火)----------------------------------------------------------------------------------

確定申告に取りかかる。ツアーやらも多いので早めにやっとかなきゃね。昼過ぎまでかけて、まづは経費の計上。

数字を長時間扱ってゐると気が狂ってしまふので、息抜きにDVD映画「殺人ネット」といふのを見る。学園ホラーと云ふらしひが、登場人物が女子高生で、そのスカートが超ミニ、って所以外、見るべきものなき映画。さうかうしてゐるとレッスンの時間。

しかしまぁワシはもちっと真面目にベースを弾かないかんなぁ。人によっては壱日に10時間ぐらい練習してる、とかいふ話しも聞く。ワシもプロなら、ねぇ。

26日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

エルメート・パスコアールの1977年作品「Slaves mass」聴く。ベースが壱曲だけアルフォンソ・ジョンソンで、あとはロン・カーターのウッドベース。現在はなんか「私がジャズだ」みたいな顔で語る、その割に全然ジャズィではないロン爺さんも、この頃はこんなにアバンギャルドな事を演ってたのだね。まぁベースがアバンギャルドな訳ではないが・・・・。でもこれが悪くないのよ。

あんなにジャズジャズ云はずに、もっと「拓け」りゃ良いのにね。

レッスンの後、神辺ハイダウェイのマスターTOKUさんの来広ライヴを見に、フライングキッズへ。21時に仕事を終えてすぐ100Km/hでブッ飛ばして行ったのだが、会場に着いた時は、もうアンコールの壱曲だった。鍵盤と電気ベースを従えたトリオ編成。アンコールは打ち合せになかった曲らしひが、ベース全然弾けてなかったな(苦笑)。それでもTOKUさんの歌声は見事!の一言。聞けば途中で「ハモニカ吹き語り(ハモニカ一丁で伴奏し唄う離れ業)」があったらしく、これが絶品だった、とか。アー聴きたかった!。

27日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

夜、女房の誕生日を焼肉で祝ふ。焼肉を所望したのは女房なのだが、思ひのほか喰えない事にショックを受けてゐる。まぁそれが歳を取る、といふ事か。出会ってから21年が経った、のだ。21年。静かに驚いてゐる。

昔のワシは、どんなに好きな女の子でも、3日間一緒にゐると、辛いと思った。女の子ってのはさういふもんだと思ってゐた。今となっては、その原因はワシの方にあったのだな、と分かるけどね。つまらぬ若造だった。25の時に出会った女房は、初めて「あぁさうぢゃない人もゐるんだ」と思った人なのである。それから21年。うむ。誕生日おめでとう。幾久しく健やかにあれ。

鹿児島の新燃岳がえらい事になってゐるやうだ。霧島系火山は宮崎は都城も近い。デレクは大丈夫だらうか。メールしてみると、「火山灰がすごくて町中に雪が積もってゐるやうだ」との答え。相変わらず仕事がなくて困ってゐるやうだが。

28日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

けふも専門学校帰りの足で藤井政美宅へ。明後日に迫った例のサイレント映画のリハ。こないだのリハと、その後の個人的な試行錯誤により「演り方」が分かったかんぢ。けふは色々と遊ぶ余裕も出た。これぐらいリラックスして本番演れたら大丈夫だな。ただ音出しのタイミングが憶えれるかな〜。

スティーヴ・ヴァイがオランダ・メトロポール・オーケストラとコラボしてゐる「ヴィジュアル・サウンド・セオリーズ」のDVD見る。いやーすごいなコレ。めちゃくちゃ楽しいぞ。オーケストラとのコラボはイングヴェイもやってたが、ヤツのはヘビメタのバックをただオーケストラがやってるだけ、のシロモノだった。がそこは流石ヴァイ先生。超絶ギターもたっぷりフィーチャーしながら、オーケストラの作品としても完璧なシンフォニィに仕上がってゐる。

なによりすごいのが、オーケストラのメンバーのノリノリぶり。打楽器のヒトなんざ大太鼓の皮をブチ破るほどの暴れっぷり(笑)。日本のオーケストラぢゃあ、かうはいかんだらうなぁ。これは面白い。


5週目

29日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

ジモ・カフェの5周年ライヴパーテーに出演。さうかぁここも5年か・・・。

ギターのザキくんが指を怪我して、3人での出演が叶わなくなったJama-zも手伝う事になった。その為のリハもあってかなり早い会場入り。本番まで3時間以上空き時間。寒いし雪降ってるし、で街をブラつくのもしんどい。となると当然、飲むわな。ライヴまでに白ワインをグラスに2杯ほど。

20時半過ぎてライヴスタート。トップをワシのソロで飾る。結構いっぱいのお客さん。ウケるのに気を良くし、ワインの酔いもあって、久々に結構ハジけたソロだった。その後Jama-zの二人を呼んで、セッションを2曲。途中、パーカスのティモシーのジャグリングなどもある。オモロいなこいつら。ザキくん復帰の暁には、是非またワシも混ぜてもらって、一緒に演りたいな。

その後会場で友人ミュージシャン達と遭遇。珍しく男ばっかりの面子で、うだうだ喋りながら0時まで飲んでしまった。店内は熱気ムンムンだが、外は雪がこんこん。チェーンを履いた深夜バスで帰った。

30日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

ぐぬ〜少し二日酔い・・・。しかしけふも本番だ。しかも会場入りは10時。ムカつく胃にパンを詰め込み、会場の映像文化ライブラリへ。「Sound and Silent」。ここんところ藤井政美と取り組んでゐた、無声映画に音楽をつける、と云ふイベントだ。

映画は小津安二郎の「浮草物語」。今の映画からすれば短い部類に入るが、それでも上演時間は90分ある。この間、ほとんど空白なく音を出し続けるのだ。ワシらミュージシャンは、ライヴなどでは大体1時間以内を目安にインターバルを取ったりする。90分・・・・1時間半、音を出し続けるなんて状況なんて、ぢつはあんまりないのだ。しかも主役たるスクリーンはこちらに合わせてはくれぬ。「出」も「止め」もすべてこちらが「合わせる」。かなりの集中を要する。

90分の集中、てのがこんなにしんどいとは、といふかんぢであった。

しかし内容はなかなか素晴らしく、好評だったやうで一安心。「映画の中から音楽が聴こえて来るやうで、とても生演奏とは思へなかった」といふ意見もあり、嬉しい。政美との連繋が上手く行ったからこそ出来た仕事だった。会場側の応対も丁寧で親切。良い仕事だった。

にしてもこの激寒の雪降る中、せいぜい20人も来れば・・・とか云ってた我々の予想を覆す、なんと100人超のお客さん。には驚いた。まぁワシらの演奏、を聴きに来られた訳ぢゃないのだが、ネ。映画文化ってやっぱりすごい底力なのだな。

31日(月)----------------------------------------------------------------------------------

専門学校、ワシの担当ぶん今期最後の授業。二年生はこれで終了となる。2年なんてホンマにあっと云ふ間だな。次期はどんなコらが入って来るんだらうか。てゆーか生徒入って来るのだらうか?。明日からはまた週休四日、といふふざけた日々が始まる。

椎名まさ子&フライデーのリハ。主に授業で使ってゐる「ドゥナ」を使ふことにす。ピエゾの音が良いかんぢなのだが、ノイズが多いのが難点。あとやはり、あまりにヴァネッサに馴れ過ぎてゐるので、普通のシェイプ(でもないか?)では、いざ、って時に操りにくいな。

スタンダードやヒット曲を23曲通してリハ。オモロいがなかなか疲れた。

翌月へ