週変わりのシュウ

よろこびことほげ

梶山シュウ

1月1日(火)

去年ぐらいからラヂヲでの「ゆく年くる年」をやらなくなったやうだ。
それまでの紅白の乱痴気騒ぎから一転する、あの静謐さが良かったのに・・・。
仕方ないので、youtubeに上がってゐた去年の「ゆく年くる年」を見てナゴみながら年を越した。

しかしま〜、聴くともなしに聴いてゐたが、紅白で流れる歌たちの悲惨だったことよ!。
視覚要素のないラヂヲだと下手な歌手はホンマにヘタクソなままで、いつぞやの酢魔布なんぞマジで酷くて、もぅナカイ君など可哀想なほどだった。
さらに唄われる歌どもの「ここではないどこか」感、「君だけに愛を」的な薄っぺらさ、「あたしだけを見て」的な欺瞞のオンパレードに、もぅ途中からギブだった。

その中に「お」と思ったのはサチモスとかいふバンド。今時の青春くされロックとは一線を画す楽曲と歌声は興味を惹かれはした。あとはまぁ、椎名林檎+1の圧倒的な存在感。

1月2日(水)

里帰りした女房の実家にて、箱根駅伝の往路を見るのも年始の恒例。
高低差850mとかいふ箱根の山を、学生に走って越えさせるといふ狂気の祭典も、もぅ95回目なんださう。

通過ポイントのひとつに「小涌園前」といふのがある。
この小涌園がホテルとして営業してゐた時代、ワシが通ってゐた中学の修学旅行の投宿先がこの小涌園だった。
温泉を要する巨大な複合アミューズメントホテルとかで、他の複数校の修学旅行生もここに放り込まれてをり、なんかもぅロビィとか廊下とかぐぢゃぐぢゃだった記憶がある。

わずかな自由時間に、当時のガールフレンドと旅館内のどこかで落ち合う約束をしてゐたのだが、そのぐぢゃぐぢゃに巻き込まれ、結局会えずじまいだった、といふニガ酸っぱい想ひ出の場所、小涌園。

しばしば旅をする身になってみると、もぅ一度箱根のえぇ宿にヒトの金で泊まってみたい、とは思ふ。

1月3日(木)

今現在メイン楽器となってゐるスタインバーガーの「カラス」。

これに太いゲージのブラックナイロンを張ってゐるのだが、これがぢつに3年間張りっぱなし、といふ事になってゐる。そもそも急場凌ぎのつもりで張ってみたら思ひのほか良かったので、まぁ切れるまで張っとくか、みたいな気でゐたら3年も経ってゐた。で、切れる気配もない。

さすがにどーか?と思ひ、3年ぶりに張り替える事にした。
いちをう同じナイロン弦の少し細いやつも、フラットワウンドのレギュラーゲージも手元にあるのだが、なんかそんな気になって、これも手元にあったスタインバーガー用の「ダブル・ボールエンド弦」を張ってみた。
多分たれかから貰ったもので、これが「ラウンド弦」。ここ数十年フラット弦しか使ってなかったワシには、ホンマに久しぶりの「指のザラザラ感である」。
貰いもんなので相当古い弦のやうだが、もともと古い弦の音が好きだし、えぇ感じにくたびれた感があって悪くない。

よーし、年始のしーシュライヴはこれで演ってみやう。

1月4日(金)

しーシュの初リハ。

明日の「薬研堀夜市」や来週からのツアーに向けてのリハが中心となる。
なかでも明日の夜市では、目玉商品(?)として、クゥイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」のフルヴァージョンを生演奏で演る、といふのがあり、中間のオペラ部分に特に時間を割いてリハする。

過去、様々なミュージシャンが挑戦してゐるらしひが、たった二人で、しかも楽器弾きながらこれをカヴァーする、といふ暴挙はほかにたれも演ってないのでは?と思ふ。へへへ・・。

その後、カワちゃんがやって来て、「旅のしゃべラジ」の新年ぶんを収録。
新しいジングルも録り、まぁささやかな「新年会」として3人で飲みに行く。最近カワちゃんが積極的に酒を飲むやうになったさうだ。
ぱんぱかトリオ、としての活動が始まって3年目。まぁえぇかんぢに波に乗ってゐるのではないか、と思ふ。

1月5日(土)薬研堀夜市第11回@JIVE

今年一発目のライヴ。
今年一発目のしーシュ。
今年一発目の夜市である。

今回、先述したやうに「ボヘミアン・ラプソディ」に燃えてをり、けふもライヴ前にリハ。本来、直前にリハを入れるのはあまり好きではないのだが、今回はさすがに・・・。
けふは和装で演ることにしてゐたので、どーせなら、と着替えた状態でリハしてみる。したら演奏に邪魔になる部分やらが発覚し、リハ入れといて良かったね、と・。

会場入りしてからも「ボヘミアン」。
こんなに一曲を何回も何回も何回も練習す、といふのはウチには大変珍しく、こはやはり我らの「クゥイーン愛」・・もさることながら「ややこしいことを無理して二人で演ってるデュオ」としては、絶対に「落とせない」局面である、といふ意地のなせる・・・・。

で、練習しまくった結果、本番前につかれてしまった。

梶山シュウ

内容も、ながら、集客も心配だった。
新年早々(仕事始まりの人も多い)どれだけお客さん来てくれるものか、と懸念してゐたが、嬉しきことに開始時間には満場。常連さんは云はずもがな、久しぶりに顔を見る人もゐて、年始のご挨拶としても良いタイミングとなったやうだ。
本当にありがとうございました。

梶山シュウで、ボヘミアン〜だが、練習しただけの甲斐はあった。と思ふ。
けふだけの演目にするんは勿体無いので、今年、まぁ世間のクゥイーン熱が冷めるまではレパートリィに加えて演り続けてみやうか、と合議す。

他のラインナップも上々の出来で、ライヴ初めとしてもハナマルな夜市であった。
ラウンド弦のカラスもなかなかで、やはり4弦をハジいた時のサスティーン(伸び)が違う。カッティングが思ったよりヌケないのは誤算っちゃ誤算だったが、ここゾといふ時のアタックはさすがに音が立つなぁ。

だがまぁ、フレットレスである以上、このギザギザの弦が指板を痛めてしまふのは避けられぬ訳で、それを考へると継続的に使うのはやはり・・・と思ってしまふ。みんなどーしてンだらうか?。