週変わりのシュウ

驟雨 関東ツアー2019

2月1日(金)@横浜 元町アースリーパラダイス--------

関東レコ発ツアーに出発。だいぶ朝早い便の飛行機なのは、それが安いから。

関東、と云へどこたびは東京都内は迂回し、神奈川と千葉をめぐる変則的な旅となる。ひとえに下北沢のブルームーンが閉店してしまひ、いつでも気軽にブッキングできる店がなくなった、てところが・・・。

まづは、今度こそ本当に現店舗最後の・・・何度もさう云っては移転が伸び、何度も「ラスト」を銘打ってしまった(笑)「アースリーパラダイス」の、次店舗への移転も新店名も決まり、本当に今度こそラストのライヴ。

思へば、りぶさん高田エージさんとの縁で横浜に繋がり、ここを訪れ、やがて定宿となり、この店では初めてにして唯一「同じ演者での2デイズ」を、二回もやらせてもらへ、常連のお客さんたちとも、友達となり・・・・。
そのお店の、次へのステップをお祝いするやうな気持ちで、けふは挑んだ。

ゲストに旧縁の二胡奏者 山平けんじ氏を迎え、2ステージたっぷり2時間。じっくりまったりお届けした。

みなさん、次店舗「弁天」でまたお会いしませう。

2月2日(土)@千葉県勝田台 ひみつきち-------

先述したやうに、今回の旅は都内を「迂回する」やうな動き。
旧正月に湧く中華街をあとに、千葉県は勝田台を目指す。2時間ぐらい電車に乗ってるながい長い道のり。まぁ、これから考へても、こっからさらに先にある成田空港てのが、ロクな場所にない、事がよくわかる←(去年の成田ツアーが懲りてゐる)。

勝田台ブッキングスタッフの佐藤さつきさんは、この春で関東を離れ、故郷の北海道へ転居する。「本土での最後の仕事です」と張り切ってくれ、けふも早くからソールドアウトださうな・・・。

会場の「ひみつきち」は前回の勝田台ライヴの打ち上げでお邪魔した居酒屋。自家製のパクチーを根っこから貪り喰らうワシに、マスターの木村金太さん『今回もパクチー用意したぜ』と(笑)。

お店の常連、ビルのオーナー、さつきさんの仕事仲間、を中心に、まぁ狭い店とは云へ、ホンマにぎちぎちの満員。常連さんの一部は店の外に椅子出して陣取り、お湯割りなんぞ飲みながら聴いてくれてゐた。

本来、ピンの弾き語りスト仕様のステージに、電子とは云へピヤノをどう置いて演るか、が問題だったが、けふのしーなさんは「立ち」で。これ、しーシュの歴史で3回くらい演った事があるかな?。二人が同じ目線の高さにゐる、てのは悪くないのだが・・・。

けふは短めのステージを3回、といふ構成。しーなさんはピヤニカ持って客席に降り、外のお客さんにもサービスを振りまく。ほぼマイクなしでイケるので、二人で生声で歌ったりした。

金太さんも弾き語りストであり、まぁ当然 さういふマスターの店の常連さんはみなホンマに音楽が好きで造詣が深い、といふ典型で、ここも打ち上げではマニアックな話がばんばん出てくる。しーなさん曰く さうなればもぅワシの独壇場で、食い付くお客さんにいかにコアな話を提供できるか、の勝負。
良き打ち上げであった。

機材の問題や店の大きさなど、なかなか難しくはあるのだが、また演りたいお店が増えた、といふかんぢ。皆さん、ありがとう。

2月3日(日)@柏市 アジアンダイニング ルンビニ柏店--------

さて、ワシらが一度訪れて以来、たいへん気に入り、「関東で住むならこの街」と思ふに至った、大好きな街、柏。
さらに今回はその柏の中でも特に好きな店、24時間営業のエスニック・リストランテ「ルンビニ」を使ってのディナーショウ。テンション上がるワシら。演りたかった場所で演れる!と喜ぶワシらを、仕掛け人ナリさんこと成沢ヒデトモ氏は、「もっとデカい夢にしろよ」といふ。

ルンビニの社長、佐々木麻子さんは、ワシらの「くちなわは語った」の歌詞『赤のソーマを飲み干したら〜』の部分に世界で唯一反応してくれたお人。
それ以降、この曲は麻子さんのテーマ曲、とさせて頂いてゐる(笑)。

フランチャイズの軽食ならまだしも、本格的なインドやタイの料理を24時間提供する店、といふ事自体がスゴいのに、これを二軒も回してゐる敏腕経営者。なのに飾ったところも高ぶったところもない素敵な女性だ。けふは麻子さんにも、ライヴを捧げる!。

前座を務めてくれたナリさんのトリオ「ザ・リオス(近所のラブホの名前らしい・・・)」は正直ぐしゃどしゃだったが(笑)、構わず盛り上がるお客さんにワシらも引っ張られ、わりとアゲアゲに行けたしーシュであった。

スペインでカミーノを巡って来た本格派のアコーディヲン奏者、岩城里江子さんに無茶振りで入ってもらひ、これも珠玉の壱曲に。里江子さんありがとう。リハも前フリもなく参加してくれてさすがの演奏。素晴らしい。

打ち上げはもちろん、ルンビニの料理を。辛いもん好きのさつきさんもギブしたといふ名物メニュウ「ルンビニ・マサラ」をばくばく喰ふしーシュに、一同引いてゐる。

けふ壱日柏で過ごし、ルンビニでライヴし、飯を喰ひ、ここの人々に触れ、またまたさらに柏が好きになった。

帰ってくるよ〜、また。

 

2月4日(月)@大和市南林間チャンドラ・スーリヤ--------

 

またまた都内を迂回して神奈川へ。このツアー、5日間5ライヴ、といふ結構な過密スケヂュール。しかも移動距離もそれなりに長く、ざっくり関東、とは云へど、町々を巡るツアーとそれほど変わらんかんぢ。

喉も指もまぁ問題なく。

初めて降り立つ南林間。天気の良さ(&暖かさ)も相まって、ここもこぢんまりのんびり良い街の印象強し。

けふの会場「チャンドラ・スーリヤ」はネパール料理屋さん。さう、今回のツアーは全会場、飲食店でのライヴとなるのだ。

店に赴くとすでにけふの企画&共演 しんごとひでこ夫妻が来てゐる。やぁやぁ久しぶり、とか云ひながら機材を組み、サウンドチェック&リハ。

リハを聴いたオーナーの松坂リエさんから「モード歌謡」といふ称号をいただき、時間には店内満場。香ばしいスパイスの薫り漂う中、ライヴがスタート。しんひで、しーシュそれぞれのステージから、コラボまで一気に駆け抜けた2時間。おぉいに盛り上がったライヴであった。

しんひでとは古くから親交深く、共通の友人知人多数。さらに彼らからいつも噂を聞いてゐた音楽仲間も駆けつけてくれ、良いお披露目となったのなら嬉しい。4年ぶりに会ったダイアトニック・アコルディヲン奏者のメロディオン鈴木くんなんぞ、話もできないくらい感涙に噎いでをり、いや〜嬉しいな。

柏と並んでこの近隣の音楽家たちも、たいへん興味深く面白い活動をしてゐるやうで、次はしーシュも混じって下さい、と云はれ是非とも!と応える。

動きは次の動きを呼び込んでくれる。動き続ければ動きは広がる。そしていつか全ての心ある音楽家が、自分たちの思ひのままに動き、出会い、交流し、また動き、といふ世界が来ることを、心から願う。

2月5日(火)@湘南台 中華料理三番--------

ゆんべは久しぶりにしんひでのお宅に世話になった。我々のために部屋を空け、寝床を拵えてくれ、朝飯昼飯も準備してくれるふたり。此処ん処 地場の開拓を主眼に置き、それを成功させてゐた感のある彼らだが、また旅に出ることだらう。その時にはしっかりと迎えてやりたい。

しんご、ひでこ、ありがとう。

さて、飲食店ツアーも千秋楽。けふの店はなんと中華だ!(笑)。

旅の音楽仲間からたびたび噂を聞いてゐた名店「中華三番」。ここでマンスリーを演ってゐる、元りぶさんのけんぢまんにお招き頂いてしーシュでの出演が実現した。

いつもライヴが無茶苦茶に盛り上がるらしい、と聞くこの店。しかしながら他の出演者はみなブルーズ〜R&B系の人らばかり。ワシらのやうな音楽が果たして受け入れてもらへるだらうか?。けんぢまんの顔を潰すことにはならんだらうか?。

がリハの段階から、ママさんのひーちゃんがたいへん気に入ってくれ、だいぶホっとして本番に挑む事ができる。けんぢまんとのコラボも久しぶりで楽しみだ。

広くない店とは云へ、本番時間にはぎちぎち。けんぢまんのファン及び常連客だけでなく、ワシらの藤沢コネクションのファンも駆けつけてくれ、立ち見も出るすし詰め満員。けんぢまんも『ゲストでこれだけ呼んでくれる人は初めて』と感激。

そんなライヴが盛り上がらぬハズはなく、しーシュの不条理系音楽もスンナリ受け入れてもらへ、もぅ乱痴気騒ぎに近い盛り上がりのままに終了。よかった。素晴らしいライヴだった。

ひーちゃんが気に入ってくれた事もあり、全行程が無事終了した事もあって、ワシもけふは遠慮なく飲む。次回の出演だけでなく、この近隣のイベントへの出演もオファーしてもらへ、本当に嬉しい。

けんぢまんにありがとう。

りぶさんが本格的に活動を休止し、ソロでの活動を模索し始めたけんぢまん。共に新しいソロの道を踏み出したエグっちゃんも含め、弟を見るやうな気持ちでゐる。このやうな明るい場を提供できるのも、けんぢまんぐらいだ。地道ながら末長い活動を願ってやまない。

良いツアーだった。

2月6日(水)帰広--------

昨日、飲んでる最中から「ヤバい」と思ったが、朝 目が覚めたら予想通り天井がぐるぐる回ってゐた。芋焼酎のロックを何杯飲んだだらうか?。

けふは帰るだけ、とは云へ、これはたまらん。雨模様でもあり、朝飯も喰ふ気になれず、昼まで寝て復活を図るも、復活せぬ。

ぐぬ〜〜、とか云ひながら、予定の飛行機は夕方の便なので、とりあへず旅の間の汚れもんを洗濯しにランドリーへ。したら我らの藤沢コネクションのひとり、渡シューヘイが仕事を終えて車でランドリィまで来てくれ、うどん屋とか連れてってくれる。さらには横浜駅まで乗せてってくれて、この雨ではたいへん助かった。シューヘイありがとう!。

先述したやうに過密スケヂュールのツアーだったが、最後までトラブルもなく駆け抜けることができた。各所で暖かく迎えてもらへ、何処も良いライヴでお返しができたと思ふ。

色んなバンドがあり、色んな演り方があり、色んな売り方があり、ワシらはとりあへず今のやり方を選んでゐる。そのことは間違っておらぬ、と思へる、良い旅だった。みんなに感謝。また会える日を楽しみにしてゐる。

素晴らしき相棒、しーなさんにも感謝。旅を続けやう。