旅する電気ベース弾き語りスト 梶山 シュウ

雨。

ワシらの旅帰りに合わせて、世間は黄金週間に入った。
戦後ニポンにとって未知なる10連休なのださうな。

たれもがこの長期休暇に戸惑ってゐるフシはあり、全てのことに疑心暗鬼になってゐる様はなかなかにオモロい。休むべきなのか、遊びに出るべきなのか、人は多いのか、少ないのか、カネは足りるのか、物流は上手く行くのか、商店は休みなのか、開いてるのか、混んでるのか、空いてるのか・・・。

「世界に対しては常に不安を持ってゐるくらいが正しい」が持論のワシからすれば、それでよし、と思ふ。

ワシはフツーにレッスンを。
スタヂヲに生徒とワシ以外はだ〜れも居ないので、空き時間には様々な雑務がこなせて良い。そもそもこの教室を改正開業したおり、半分はワシの「事務所」として活用する予定だった。
ので、いづれワイハイを取り入れてパソコンも使えるやうにして、デスクもこさえて録音システムも組んで・・・とか考へてゐたが、オーナーの事情でオーナーが常駐する事になり、計画は頓挫。

で、このオーナーが滞在してゐる間じゅうづーーと結構な音量でギターを弾いてをり、はっきり云ってうるさい（苦笑）。「自由に使って良いから」といふ事で契約してゐるのに、自由に使えぬのはなにか不条理だな、とぢつは思ひながら日々を過ごしてゐるのだ。

まぁ、大人なので。

日中はまづ向原へ行ってレッスン。
平日だが連休の最中だからであらう、道路がえらいこと空いてゐて、走りやすい。んが、そのぶん「休日ドライバー」も多いやうで、『ナニをしとるんか？』といふくらいノロい車もある。
イライラせぬやうにするのがなかなか難しいわぃ。

必要以上に飛ばすドライバーも気に触るが、必要以上にノロい運転もカンに触る。フツーにやれフツーに。

 

夜はしーシュでオリエンタルホテルのラウンヂ演奏。
けふは我らのファンである 奈良のK夫妻が、ご両親と共にこれを聴くために広島まで来てくれてをり、やぁやぁよぅこそ、などと挨拶。ご両親にも紹介してもらひ、気に入ってくれさうな曲をセレクトして１ステージ。

飲み放題のワインや、ヴュフェの料理も堪能してくれたやうで、良かった良かった。けふ明日の広島観光も兼ねた旅行ださうで、明日はどこそこに・・といふ話。どうぞ良き広島時間を。

さう云へば「平成最後の夜」なのであった。
結婚した平成。インドに、メキシコに、中国に行った平成。音楽で食えるやうになった平成。自分のバンドを作り、歌い始め、曲を作り、歌の旅が始まり、そして しーシュを結成した平成。
その最後の夜をしーシュの仕事で飾れたのは感慨深い。

まァ 日々の流れは なにも変わらない。これからも、歩むのみ。

さらば平成。