週変わりのシュウ

よぅこそマシーンへ

3月6日(土)ーーーーーーーーーー

休みの土曜日。

久しぶりにカミさんとトルコ料理でランチ。おぃしぃケバブやフムスを頂きながら、昼間っから「ラク(トルコの蒸留酒/とてもつよい)」なんぞも飲み、えぇ気分。

このラク。水で割ると白濁し、芳醇な薬草のやうな香りが立つ。味はズブロッカやパイジュに似て、やはり薬草系の・・・。料理との相性があまりによろしく、ツイ結構飲んでしまった。相当強い酒(ストレートなら70%くらい)なのでこらぁ昼から爆睡だな、と思ったが、さにあらず。まぁけふは他に用事もないので・・・。

夜はもと弟子のパイグが演ってるVery roll の配信ライヴを観る。よぅハモる実力派トリオの絶妙なライヴ。演奏は良いがMCがグダグダ(笑)。
学生の頃から知ってゐる3人なので、あんまりそんな気もせんのだが、こやつらも、ぢつはもぅえぇ年なのだな、と思ひ、ぢっと手を観る。

3月7日(日)ーーーーーーーーーー

名店「肉のますゐ」にて、昼食会を兼ねて、ソルティ・ベアーズのバンド会議。
昨日に引き続き、昼酒を飲みながら、バンドの活動指針やその内容などについて喧々囂々。配信番組の制作に踏み切ったり、このバンドも、コロナ騒ぎなんぞなければ、そろそろツアーとか実現できるところだった、と思ふが・・・。

ワシはその後そのまましーシュの「チョイ出し」撮影に入る。今回はベース弾かず、ギターでパフォーム。

二日続けて昼酒を飲んでゐる。
よろしぅない、とは思ふが、まぁ、ロックがロックたり得た時代ならば こげなことは当たり前で、ワシがこの世界に入りたての頃にはまだ、「酔ってない時はない」みたいな先輩音楽人もたくさん居た。

少なくともワシみたいに『12時に寝て7時には起きる』みたいなのは居らんかったんぢゃないかな?。

3月8日(月)ーーーーーーーーーー

先週あんだけ激務だったバイトだが、今週は一本も入らず、収入はないが気は楽である。今週はレコーディングもあるし、まぁ、音楽家の1週間とならう。
まづはレッスンが3コマ。歌が2人にベースが1人。

この頃よくCDを買ってゐるが、けふさらに、ジョニ・ミッチェルの「ミンガス」が届く。もちろん、あの、ジャズのベース巨人チャールズ・ミンガスのことだ。

ジョニ・ミッチェル、といふひとはづいぶん恋多き女性のやうで、しかもその相手と臆面もなくコラボを行い、それがまた素晴らしい、といふ、まぁ女性音楽家としては理想的なスタンスの人だ。この「ミンガス」の中でも、ミンガス本人に懸想を寄せながら、恋人であったらしいジャコ・パストリアスと絶妙の呼吸を見せてゐたりする。

ぬーむ、ロックがロックたり得た時代。

3月9日(火)ーーーーーーーーーー

けふはスザンヌ・ヴェガのライヴ盤が届いた。

この人は、幼児虐待の実情を世に問うた「ルカ」といふ曲で世界に出た。
その時代、ビリー・ジョエルの「We didn’t start the fire 」や、ドン・ヘンリーの「The End of Innocence」、トレイシー・チャンプマンの「ファスト・カー」などもグラミーの候補に上がり、さういふ社会派の楽曲もヒット曲として受け入れられる世界市場の懐の深さと、反して 相変わらずおかしげなアイドルやビヂュアル系しか流行らぬ日本の音楽業界との違い、に当時は虚しくなってゐたものだった。

で、このライヴ盤。スザンヌ本人と、ベーシストのマイク・ヴィセクリアの2人だけでパフォームされてゐて、これがなかなか良い。タッグを組んで長い2人らしく、ホンマに過不足ない息のあったアンサンブルで、まぁこの編成だからこそ興味を惹かれて買ったわけで、その意味でも素晴らしい。

しーシュもこの境地に行きたいねぇ。

3月10日(水)ーーーーーーーーーー

そのしーシュ。今年のレコーディングが始まる。

去年はコロナの影響やその他云々あり、それぞれのソロ作品の制作に没入した、といふ1年だったが、2021年はもぅさういふ訳にも行くまい、と早々に2人での音源制作を開始。
マキシ・シリーズの「小鉢」の最新版の完成を目指す。

けふは楽曲の「骨子」を作る作業。譜面に書いたところまで、をひとまづ演奏し、それを聴きながら次の案を煮詰め、加えて行く、といふ作業。午前11時にスタヂヲ入りし、あっといふ間に19時。

やはりレコーディングは楽しい。

3月11日(木)ーーーーーーーーーー

自宅で、昨日録ったところまでのテイクを聴きながら、確定申告に取り掛かる。
コロナに翻弄された2020年だったが、給付金やバイトのおかげで、思ったよりは逼迫せずに済んだ様子。だが、本当に大変なのは、むしろ今年2021年だと思ふ。本当は今年こそ給付金や支援金があれば良いのだがねぇ・・・。

それが済んだ後は「チョイ出し」の動画編集。気づけば夕方。
バイトが入らなんだ週となったが、入らんで良かった、といふかんぢの忙しさ。壱日の半分以上をパソコンの前で過ごした日となった。

3月12日(金)ーーーーーーーーーー

しーシュレコーディング二日目。

こないだ骨子を作った楽曲に彩りを加えて行く作業。と、歌入れ。
いつもはなんやかんやパーカッションを入れるのだが、今回の録音はそっちへの欲求が極力抑えられ、結局「打楽器なしのアンサンブル」として敢行することになった。

そは決してユルい曲ばかり、といふ訳ではなく、むしろ当然ドラムスが入りさうな曲を、あえて打楽器に頼らぬ編曲で進める、といふ意味で、ぢつは前から一度やってみたかったアプローチなのだった。

んで、それを進めて行くうちに、なんか既視感を感じてゐたのだが、終わる頃になって憶ひ出した、こはマーク=アーモンドの1stのアプローチと同じなのだ。
20代の頃、リハ帰りに夜の国道を行く車の中で聴いてゐた、あのかんぢなのだった。これは素晴らしい。

おぉいに手応えを感じながらコンプリートし、2週間後の最終日で、もぅ壱曲と、残りの思惑を録音す。これは「新しいしーシュ」の名刺になるのではないか?、といふ気がする。