週変わりのシュウ

吹き荒ぶ大嵐を

6月11日(土)高宮ログハウス「さすらひのコルキスト」ーーーーーーーーーー

恒例、安芸高田市高宮のログハウスでのライヴも、どーやら10年目になるんださうな。
初めて来た時に、終演後「亀の庭」がえらい人気だった事に驚いたものだ。えらいマニい曲が受けるんだな、と思ったものの、神楽といふ芸能が根付く土地柄、といふのを知って、まぁなるほどね、と・・・。

「居酒屋」ではなかったので、セッティングからリハ〜本番に至るまで、音楽以外のことに気を取らるる事なく、ライヴに集中できたのはよかった。初っ端、機材のトラブルでスタートが大幅に遅れてしまったが、その後は新曲のお披露目やカヴァー曲なども、おおぃなる手応えで受け入れられ、近年ベストなワンマンとなった。

長いことここに呼んでくれるスタッフの顔ぶれも徐々に変わり、今回は特に音響の総指揮も変わり、「世代交代」を強く感じさせるイベントであった。これからは若い彼らがこの「場」を継いで行くのだな、との思ひ。願わくはそこにしーシュが変わらず含まれますやうに。

6月12日(日)ーーーーーーーーーー

いつもは高宮に来たら、帰りの足でスーパー銭湯や山菜バイキングに寄ったりするのだが、明日からすぐ旅なので、わりとキビキビと広島に帰る。

明日からの九州ツアーは、しーなさんの車での旅となる。良い機会なので、調子の悪い愛車を、この旅の間で修理すべく工場に持って行った。これで旅帰りには修理が完了してる、って寸法よ。

6月13日(月) 小呂島プロジェクト・リハーーーーーーーーーー

九州へ向けて出発。
しーな号はオートマの普通車。マニュアルの軽ワゴンである「ぐっち」に比ぶれば、そのパワーやユトリ感の差は云ふまでもなく、しかも しーなさんも運転できるので、行程がだいぶ楽であることは否めない。まぁ高速料金は高いけど・・・。

15時くらいには福岡は福間海岸、ACRO POLISスタヂヲに着。朋友サウンドスケッチと合流。明日の主役であるところのダンサー&シンガーSionとのリハも兼ねて、夜までリハ。このスタヂヲは宿泊もできるので、台所を借りてみんなの夜食を作る。士気も高まり、えぇかんぢ。問題は明日、離島への船が出るかどーか、てところだな・・・(予報では『時化』といふことらしい)。

6月14日(火)福岡市 小呂島「よぅこそ先輩」ーーーーーーーーーー

朝の福岡はどんより曇り、時折ザっと雨が降るあいにくの天気。海も荒れてゐるらしく、定期便は欠航してゐる。知床での事故もまだ話題喧しいところで、たいへんビミョ〜なかんぢではあったが、チャーター船二隻で出港!。船室から絶対に出ないやうに、と指示を受け、神棚前のちぃさな船室にメンバーで固まって・・。

けふの会場となる小呂島はいちをう「福岡市西区」に入ってはゐるが、玄界灘沖40Kmの離島。荒天に渦巻くのは瀬戸内なんぞため池に思へるほどの外海だ。当然、船は激しくローリングし、まぁ云ふまでもなく私は重度の船酔いに苦しむ羽目となった。

まぁ、なんとか小呂島に到着。けふはその足でもぅライヴなのだ。土色をした顔のままで機材を運び、セッティングし、リハし、とやってるうちにすぐにライヴの時間。

けふのライヴは、この島出身で、今や世界に羽ばたこうとしてゐるダンサー&シンガーSionの凱旋ライヴ、といふ形となる。教育委員会を巻き込み、学校授業の一環として行われるライヴなのだ。まぁ色々縁あって私らがそのサポートと、メイン・アクトを務める事になる。

まづシオンちゃんが後輩たちと対談し、歌を披露。その後を私らが引き継ぎ、島の一般市民の方々も楽しめる演目でライヴを。全部で1時間のなかなか良いショウとなった。シオンは拙曲「Dance」に即興で参加。演る前にこの歌ができた経緯などを伝え、自由に踊ってもらった。

良きコンサート。この島の歴史で2回目の音楽コンサートだったらしく(ちなみに1回目も私ら)、島民あげての歓迎の宴となる。島の多くの人が『今日はないな』と思ったらしく、あの荒波の中をここに来てくれた事に、ことのほか感謝を述べられた。我らを運んでくれた船長に話を聞くと、まぁけふは十分に「時化」だったやうで、フツーは船は出さない、のださう。

獲れたての魚が居並ぶ宴は気持ちよく続き、ハと気づくとなんや訳分からんやうになってゐて、大広間に全員で雑魚寝。

6月15日(水)福岡市 Tupero「あじさい歌紀行」ーーーーーーーーーー

目覚めると朝6時。

この島の漁は「夜型」らしく、我らが想像する「夜明け前に一斉に船が出てゆく」といふかんぢではなく、町が静か。ひとりフラと外を散策。猫がいっぱい。島民の方とすれ違うたびに、昨日のライヴへの感謝を告げられ、あぁ良い仕事ができたんだな、と。

皆で朝飯を喰ひ、思ひ思ひに過ごしたのち、若い漁師たちが船を操って島一周クルーズをしてくれた。

最後は島の皆さんに見送られながら、福岡へ向かう。我ら、けふもライヴなのです。桟橋で島民みんなが並んで手を振ってくれる姿には感動。シオンはかうしてここから送り出され、今、さらに上のステップに行こうとしてゐるのだな、と感慨深い。
シオンには急遽けふのライヴにも参加してもらふ事になった。

福岡市内にとって帰り、赤坂のTuperoへ。ここは今年の1月に、半ばお忍びのやうな形で来ており、わりと楽に演れる。しーシュにサウスケ、そしてゲストメンバーも入って、結構な大人数のステージだったが、ブレたりダラけたりする事なく、それぞれの良さを十分に発揮できる良いライヴだったと思ふ。
シオンのダンスもよく受けて、けふの投げ銭を彼女の海外渡航費用に充てる、といふ事に。皆に愛されて(愛されるやうな素直で純粋な女の子だ)、良き旅をし、良き人生を歩むが良い。頑張れ。

けふと昨日のイベントは、云ふまでもなくサウスケの亀岡みゆきさんの手腕によって実現したもの。福岡の芸能界に広く貢献する彼女の働きかけなしには実現しなかったライヴだ。あらためて彼女としーなさんの深い友情と、取り巻く心ある有志たちに感謝である。

*昨日とけふのメンバー
しーなとシュウ(椎名まさ子、梶山シュウ)、サウンドスケッチ(久米弘之、亀山みゆき)、黒澤篤志(パーカッション)、黒澤絵奈(コーラス)、Sion(ダンス、歌)

6月16日(木)福岡市 春吉Drexelーーーーーーーーーー

さて、けふから我らはサウスケとも離れ、独自の二日間をライヴで駆け抜ける。
思へば5日間4ライヴ、といふなかなかハードな旅だが、ツイ3年前はこんな日程はよくある事だった。戻ってきた、のかね?

けふのライヴは、こないだの北海道ツアーで知り合った歌うたい 京田つよしが店長を務める春吉のバァにて。ちぃさな店だが、生ピヤノが置いてあり、しーなさんには嬉しかろう。我らには初めての店なので、つよし君が自身のトリオで対バンを引き受けてくれ、こないだ北海道で見た彼のソロとはまた違う、ただ野太いだけでない一面も見れた。

けふはなんだか「カラス」が不機嫌で、どーした?といふ音が出る。自分のアンプ使ってるのに、なんでだ?。結局最後まで思ふやうな音が作れず、ベース弾きとしてはやや不満の残るライヴとなってしまった。ただまぁ、かういう事もままある。その中で良いパフォームをすることが「実力」なのだ。

後になって思ったのは、けふのやうにしーなさんが完全にお客に背を向けるやうな立ち位置なら、私がほぼメインを取るやうなライヴにしても良いのかもな、と・・。

6月17日(金) 北九州市 八幡 デルソル・カフェ」ーーーーーーーーーー

さて九州ツアーも千秋楽。
私の九州の全てはここから(移転はしたけど)始まった、といふ八幡デルソル。コロナ下でも割と来てゐた感はあったが、調べてみると2年ぶりだった。改めて過ぎゆく日々の速さに驚愕。我らにはホンマに残り時間はあんまりない、のだ。

色々悩んだが、けふは潔くしーシュのワンマンで。新曲カヴァー取り混ぜぇの2時間たっぷり、お届けした。しーなさんの旧縁を中心にほどよく満員となり、私は個人的に、この店で数々の名演に参加させてもらったなぁ、としみぢみ。初めてしーシュで来た時の事も思ひ出し、チカラが抜けた本当に良いパフォームができたと思ふ。

デルソルのマスター大庭さんとは、ご家族込みの付き合いで、けふは久々に息子のYくんも顔を見せてくれた。これからもよろしくお願いします、と決意新たに、良き千秋楽を終えるしーシュ。

6月18日(土)ーーーーーーーーーー

さぁ、帰ろう。

なんかカレーが食べたくなり、Google先生に尋ねると、近隣にひとつなにやら本格的スパイスカレーの店があるらしいので、行ってみる。これが、なかなかお目にかかれないほどのしっかりしたスパイスカレーで、インド風以外のカレーで久しぶりに感動するほど美味しかった。
店主はまだ全然若い人のやうで、広島から来てゐる旨伝え、次回もぜひ来たい、と。

あとはひたすら、広島へ向けて。頑張れば3時間ぐらいで帰れるらしいが、頑張らない。途中で寝たりしながら、のんびり帰る。

帰って週末を過ごしたら、来週は山口は宇部だ。