週変わりのシュウ

あの頃の僕らはもぅどこにもいない

8月8日(月)ーーーーーーーーーー

zabadakのフロントマン(ウーマン)小峰公子さんのデヴーユニットKarakの音源をゲット。

当時、音楽雑誌かなんかで見かけたことがあり、その人がのちのザバダックに結びついてはおらなんだのだが、最近になって「なるほど」と思ひ・・。気になってゐたKarakの音だが、まぁ大体想像した通りの音楽。ザバダックより耽美派といふか、有り体に云へばよりアニソンぽい、といふか・・。

小峰さんの歌声は「気持ち良い声」といふのがぴったりなもの。変な癖がない、といふ意味では他にあんまりおらんタイプの歌手だと思ふが、カラクがデヴーした当時の私がこれを聴いて、気に入ったかどうかは微妙。当時の私はどっちかてぇと癖のある声で歌い上げるタイプのを好んでゐたので・・。

しかし小峰さんって、才能は早く認められながら 運命に翻弄されてきた、といふ感が拭えない人ではある。
カラクでデヴーし、楽曲提供でザバダックに関わり、ザバダックのサポートメンバーになり、リーダーの吉良さんと結婚し、上野洋子といふ強大なフロントマンの後釜となり、吉良さんが急逝し、今はザバダックを率い、と・・。

東京の、比較的メヂャーに近いところ、の人たちとよく絡んでゐた20年前の東京コネクションを私が維持してゐたら、もしかしたらお会いできてゐたかもしれない人でもあり、それを思ふと 少しフクザツな気はしないでもない。

8月9日(火)ーーーーーーーーーー

バイトからレッスンへゆく、といふ忙しい1日。

盆休みへの兆候か、けふのバイトはさほど忙しくはなかった。レッスンも他の講師陣はすでに休みに入ってゐるものも多いやうで、スタヂヲが静か。店員も『シュウさん最後なんで鍵閉めて帰ってください』と居なくなり、がら〜んとしたビルに1人、てのは悪くない。

思へばオフクロの初盆、なのであった。

8月10日(水)ーーーーーーーーーー

カジャ・グーグーのベーシストで、最近ではすっかりプログレの世界にゐるニック・ベッグスが最近(2021年)やってゐるらしきキーボード・トリオ、Trifectaを聴く。

ほー、えぇですな・・。
プログレッシヴ・ジャズロック、といふかんぢだが、例えばナイアシンEL&Pやうにあんまりギラギラしたかんぢはなく、まぁ歌がないんでUKほどポップでもなく、なによりほとんどの楽曲が3分台でまとめられてゐて、冗長さを感じぬのがよい。15曲ぐらい入ってるアルバムだが、サクサク聴いて行ける。これはこのテのバンドではなかなか珍しい。

アイドル的な扱いを受けたカジャの時代から歳を経て、最近では「変なおっさん」とまで云はれるやうになったニックさん。ベースやスティックの腕は確かで、いろんな局面で駆り出されてゐるのを見かける。局面局面ではさすがにかつての人気のほどを窺わせ、たいていが大盛り上がりで迎えられてゐるやうだ。
今はハワード・ジョーンズ率いるアコースティックトリオ(と云ひながら全員電気楽器だが)で活動してゐるやうで、これもなかなか良い。

まぁ彼らが過去に身に受けた栄華は、私なんぞが想像もつかんほど盛大なものであった事だらう。若くして受けたそれを、悪く引こずるでもなく、現在の「呑気な成功」に結びつけてゐる彼らを、とても羨ましいと思ふ。

8月11日(木/祝)岐阜県 各務原 6-21ーーーーーーーーーー

久しぶりに岐阜への遠征。
そしてとてもとても久しぶりに、朋友バンド ボスコ・エマーレとの対バンで、これもお久しぶりに各務原の6-21へ。

ボスコのメンバーとその仲間たちは今年3月の美濃遠征でお会いしてゐるが、共演はホンマに久しぶり。コロナで活動は縮小してゐるが、変わらずリハは重ねてゐるやうで、前回共演時(2016年!)と遜色ないバンドサウンド。
けふはコラボも用意してくれており、我らも予習怠りなく挑んだ。

コロナ動静微妙で危ぶまれた集客も、限定人数ジャストの満員で、ボスコの人気と、我らへの「推し」を窺わせ、感謝の気持ちを胸に、向かわせていただいた。

1時間ぐらいのステージを壱本、ラインナップ上、私がメインを張る歌が多くなり、最後はかなしくもやや疲れてしまったが、良いライヴをお届けできたのではないか?とは思ふ。体調を崩してゐたので、このところ筋トレもヲーキングもしておらず、体力の低下を感ずる自分が情けない。いかんいかん。

ボスコのみなさん、ありがとう。
けふを境にまた、人数制限を強化する、と仰ってゐた6-21の佐伯さん、お世話になりました。

なかなかうまく流れない世の中ですが、頑張って乗り越えて行きませう。
そして、生きてまた、お会いしませう。

8月12日(金)三重県 松阪 MAXAーーーーーーーーーー

そして今年二度目の、三重県は松阪MAXA「夏祭り」へ。

MAXA頭首 中山剛アニキは、本来しーシュを先週末の出演枠(どっちかてぇとアコースティック系)に予定してゐたらしい。が、一足先に予定の決まってゐた我らの意向を汲み、けふの、本来我らが混じるにはあまりに「ロックな日」に組み込んでくれたやうだ。

トリは超お祭りバンドのウシャコダ、と聞き、まぁ我らがどのやうに浮こうが沈もうが、最後はウシャコダって終わり、と分かってゐるので(笑)、気にせずいつもの我らを演る。マクサではそこそこ名も知られるしーシュなので、その「浮き」具合もお客さんは承知済み、てのも良い。

けふは旅アニキ 高田エージさんの演出もあり、浮きは浮きで楽しくやれた。我らとて「確かなことをやってゐる」といふ気概はあるので、もぅこんなことでは悩まなくなってゐる。役目は果たせた、と思ふ。

ウシャコダを見るのも、なん年ぶりか。メンバーの大病もあり、元気一杯のパフォーマンスを旨とするバンドだけに、やや心配であったがまぁそんなことは杞憂。さすがの貫禄ステージでシメてくれ、結成40年の重みはしかと受け取らせていただきました。

時勢が時勢だけに、恒例の店での打ち上げはナシ。各自てんでに解散していったが、我らも大人しく退散。コンビニつまみを少々つついての部屋打ち上げで、まぁ、これもなじみの光景になったな、と・・・。

8月13日(土)ーーーーーーーーーー

昨日の夜から台風が松阪および三重県に最接近してをり、朝から風雨強し。
まぁしかし昼には軌道を外れさうなので、それから帰り始めりゃいいわ、と呑気に構えてゐたが、いざ駅に行ってみるとダイヤが乱れまくりの事態!。

ここんところ鉄道旅をしてなかったので、自然災害への対処を忘れてゐたのだ。うひゃぁ〜。

しかしまぁこれも仕方ない。幸いけふはライヴは入っておらず、広島に帰れりゃ良いだけなので、焦るこたぁないさ、と電車が来るのを待つ。結局、特急やらを使って巻き返し、予定通りの行程で広島に帰ってくることはできた。

が、台風は直接関係なかったハズの広島で、なぜか電車が遅れており、ホンマにJR西日本の脆弱さを嘆かずにはおれない。鉄道の充実した近畿〜中部〜関西を経て、だと なをさらその不備を感ずる。そもそも「政令指定都市」と云はれながら、東西へ一本しか鉄道が通っておらぬこの体たらく。結構な住宅街へ向かう電車が、20分おきにしか来ない、といふ情けなさ。

私は「乗り鉄」としてJRに多く金を落としてゐる身から、云はせてもらふ。脆弱すぎる。

8月14日(日)ーーーーーーーーーー

オフクロの初盆。

我ら広島の浄土真宗、いわゆる「安芸門徒」は、お盆の墓を灯籠で飾るのが慣わしであり、この時期の墓所は色とりどりに華やぎ、悪くない光景ではある。墓所の職員さんは後片付けが大変だらうが、まぁ、仕事とはさういふものなので・・・。

んで、この盆灯籠、通常はカラフルな彩色のものを使うが、初盆の時だけは白い無地の灯籠を立てる。かういふ風習になんの意味があるのか?を問う向きもあるが、まぁそれは無粋といふもの。「慣わし」とはさういふことよ。
今のところ、親父とオフクロの2人が入ってゐるこの墓所に、いづれ私と、私の女房が入り、まぁたぶんそれで終わりになるんだらうな、との思ひはある。

盆のお勤め。
この秋に57歳となる私の、墓守としても初の、盆のお勤めであった。
晴天。