週変わりのシュウ

2022年のピンボール

12月11日(日)ー名古屋詣/出発ーーーーーーーーーー

今年最後の名古屋詣に出発。今年最後の車旅である。

今年のしーシュ車旅のトピックと云へば、やはりしーなさんがオートマ車を購入した事だらう。
今までの旅は私のミッション軽バン「ぐっち号」しか手段がなく、こは私しか運転できず、おのずと私が疲れたら停まって休むしかなかったのだが、しーな号ならば交代に運転して助手席は寝てゐる、といふ事ができる。これはデカい。

事実けふも、以前ならば広島→名古屋間は7時間以上は要したものが6時間チョイに短縮でき、夕方には名古屋に着き、お気に入りの大須名物『鶏の丸焼き』を食すこともできた。

12月12日(月)ー名古屋詣/池下リトルビレッジーーーーーーーーーーー

今年最後の「ビレッジ参り」となる。
本来この時期のしーシュは、三重県松阪のMAXAにおける忘年会『証し』に出演するのが常で、それに合わせた名古屋行がデフォルトだったのだが、今年は『証し』の選に漏れ、名古屋のみとなった。

そして名古屋と云へば、まづは「リトルビレッジ」。頭首 谷口幸至朗さんとの付き合いも20年近くならうとしてゐる。今回はピヤノ持ち込みにて、セッティングも力仕事。ピヤノ担いで駐車場から店まで歩く名古屋の歩道。

ライヴの方は新旧の名古屋近隣コネクションがほとんど集まってくれた、といふかんぢで、満席。我らも椅子に座ってリラックスし、カヴァーも多く取り混ぜたラインナップでユルやかに構成。とても良いかんぢのライヴをお届けできた。ループの使用も最低限に抑え、テンポも落とし、「正しい老人楽師」の雛形のやうなステージをお送りした。いいかんぢ。

終演後もお客さんと残り、飲み語り。名古屋ってホンマにいいな。旅を始めて20年経ち、いろんな街に行っていろんな街を気に入ったけど、名古屋の良さはなんか特別なんだよね〜〜。

12月13日(火)名古屋詣/本郷アルマジローーーーーーーーーー

名古屋に滞在して、日中何をしてゐるのか、と云へばこれがまたまた動画の編集で、二人ともひたすらパソコンの画面と向き合って「チョイ出し」の編集をバ。それぞれ編集したものをまたひとまとめに編集して・・・といふのをやってゐるのだ。真面目なデュオ。

けふは本郷の名店「アルマジロ」のオープンマイクイベントに出演す。
「プロがオープンマイクに?」と云はれる事はあるが、ウチは出先でタマにやる。空き日を作るよりは演奏していたい、といふまぁ「演りたがり」な発想なのだが、他に「まだ知らない刺激ある出演者と出会えるかも?」といふ思ひは強い。

そしてけふは、まさにそんな日となった。

皆さんアマチュアながら、着想や技術がなかなか突出してゐて、見てゐるだけで充分楽しめるイベントだった。そもそもアルマジロは「しーシュとして」名古屋で初めてライヴを演ったハコにて、名前を見知ってゐる人は多く、他の出演者の皆さんらは驚愕&恐縮されてゐたが、どーしてどーして皆さんもなかなか面白かった。

アルマジロ当主の岩尾昇子さんも申し訳ながってくれたが、我らとしては演奏も楽しめたし、刺激にもなったし、出演した価値は十二分にあるオープンマイクだった。けふのイベントを紹介してくれた、かつての相棒 鍵盤弾きの鎌田まみとも久々に再会でき、息災を確認しあえたのも良い。ありがとうね。

やっぱり名古屋、面白い!!。

12月14日(水)帰広ーーーーーーーーーー

帰ろう、広島へ。

先述のやうに、交代して運転できるので道中の効率は良い。だが、運転を交代してしばらくすると助手席側はスグ寝入ってしまうところを見ると、双方ともかなり疲れは溜まってゐるやうだ。まぁ11月からこっち、二人とも休みなしで突っ走ってたからなぁ・・。

それでもやはり、一人運転よりは大幅に時間短縮で帰って来れ、晩飯はそれぞれの家で取れる時間帯には広島に。さぁ明日明後日もライヴは続くよ。

12月15日(木)竹内藍ツアー広島/NANAーーーーーーーーーー

もと爆風スランプのベーシスト 和佐田達彦さんと、彼がプロデュースする女性SSW 竹内藍ちゃんが広島に来るのを迎える。そもそもプロモータのI氏よりインフォを受けた時に「見に行くわ」と言ったところ、「来るんなら出んか?」と云はれ、出演と相なったもの。I氏に感謝。

会場のNANAは、生徒や音仲間からたびたび名前を聞いてゐた店で、今回接点ができたのは嬉しい。音も悪くないし、演者に対するホスピタリティも良い。

藍ちゃんと和佐田さんのデュオは、藍ちゃんの鋭いギターカッティングに和佐田さんのスラップが絡む、といふ私が想像してゐたよりづっと「ロック寄り」の音楽で、なかなかカッコいい。東京ではバンドを従えることの方が多いんださうな。写真見るとたしかに、テレキャスター持って歌ってる姿もある。シブい。

けふの我らはいわゆる「定番」で。コネクションのほとんどを私が担ってゐたこともあり、私の歌を中心にしたラインナップだったが、藍&和佐田両名から『どーやったらあんな音楽作れるの?』との問いかけが(笑)。和佐田さんのやうに早くからメヂャーに属し、その中心にゐる人たちから『他で聞いたことがない音楽』と言ってもらえるのは、たしかにたいへんな誉である。これからも精進せねばね。

客席には、たいへん懐かしい再会となる人たちもおり、それも含めて楽しい1日だった。みんな、ありがとう。

12月16日(金)広島はくしま病院クリスマス・コンサートーーーーーーーーーー

コロナによる騒動で3年ほど中止になってゐた、元広島逓信病院でのクリスマス・コンサートが今年再開。
その3年の間に逓信病院は民営化され「広島はくしま病院」と名前を変えてゐたが、職員さんやお医者さんたちは3年前とほぼ同じ顔ぶれで、「お久しぶりです〜」といふ会話も嬉しい。

車で乗り付け、機材をちゃっちゃとセッティングし、すぐ本番。設定上、しーシュのオリジナルはあんまり演らず、クリスマスの名曲をカヴァーしてお届けするのだが、けふはやはり久々だったせいか、あまりカンが掴めず、散漫なかんぢを与えてしまったのではないか?と反省。

年によって、音楽を好きな患者さんが多いか少ないか、の違いがあり、今回は大部分が「なんとなく見に来てゐる」といふかんぢだったが、一人だけえらい熱心に見てくれてゐる青年がおり、後で話を聞いてみたらやっぱり自分もギターを弾くのだとか・・。足の骨折入院ださうで、早く退院してギター弾けたらいいね、のやうなことを話す。

けふの仕掛け人は当然、はくしま病院整形外科部長であり、フリュート奏者の進藤明先生。最近、先生の率いるマンドリン・アンサンブルに私の生徒が加入したとか云ふ縁もあり、けふもその娘を混じえて、終演後の打ち上げ=ご相伴に預かる。先生、いつもありがとうざいます。

これで、しーシュ地元広島での今年の演奏活動は全て終了。あとは29、30日の京都での演奏を残すのみとなった。個人的にはこの日曜日に、生徒をサポートするライヴが壱本。しはすはすすむ。

12月17日(土)ーーーーーーーーーーー

土曜日の朝はたいてい、ラヂヲでゴンチチの「世界の快適音楽セレクション」を聴くのだが、けふ「Rist」の曲がかかった。

このRistといふバンド(・・かユニットか)。
いわゆる「音響派」といふジャンルに属する音楽だが、ミョ〜に耳に残るシムプルな旋律とリズムが心地よい。以前やはりこの番組でプレイされたのを聴き、アンテナを張ってゐた。しかし情報がほぼ皆無に近く、2008年にリリースしたらしいCDも既に廃盤。けふの放送における解説で初めて、このユニットがドイツと日本の女性ふたりからなるデュオだと知った。

どこまでも貫く匿名性・・・、と云へぬこともないが、もぅ少し情報をくれても良いのに、とも思ふ。そもそも「Rist」なんて世界中に100以上あるユニット名だと思ふし、「Week end」といふアルバムタイトルも世界中に1000ぐらいはありさうな・・・。

かういふ音楽を聴くと、昨今の『私が!』『私を!』『私と!』『私に!』といふ歌のウザさを痛感する。ここには何の「主張」も「主体」もなく、ただ紡がれる「音」と、それが描く「情景」だけがある。
私はさういふ「歌」を作りたいのだ。