週変わりのシュウ

ファンファーレは時代と共にアレンジを

2月19日(日)ーーーーーーーーーーーーー

何度目かいな、のかんぢで『地獄の黙示録:完全版』を見る。

見るにつけ、この映画ができた時代(1979年)に、これを作ったコッポラの精神性を思はずにはおれない。公開当時(梶山シュウ14歳)は、正直ほとんど訳のわからん映画であったが、57歳の今となっては、これほどまでに『ベトナム戦争の内情』を示唆した映画もなかっただらう、と思ふ。

この戦争そのものに、もぅ完全な疑問しか持てなくなってゐる主人公が、それでも軍の機密を背負い、ミッションを全うする背景も、今みれば、泣ける。改めて、すごい映画だった。

2月20日(月)ーーーーーーーーーーーーー

バイト。

けふはバイトからそのままレッスン、といふ典型の日で、しかも合間があんまりない、といふ日であったが、案外かういふ方が勢いで行けてしまうので、良いんぢゃないか、といふ気さえする。まぁ、くたびれることには変わりはないが・・・。

こないだから『電気じかけのクジラは歌う』といふのを、電子書籍で読んでゐる。その特性上、短編を読むことにしか使ってなかった電子書籍の、初の長編。ハと思ひ当たった時、前のページに戻りにくい、とか、あとどのくらいで物語が終わるんか、を目視で確認できない、といふデメリットが色々あって、電子書籍との付き合いは、まだこれからである。

かつて『これから紙の書籍はなくなる』と宣った御仁もゐたが、まぁ多分それはない。本当の本好きは、どんだけ電子書籍が発達しても、紙媒体を好んで購入すると思ふ。

2月21日(火)ーーーーーーーーーーーーー

私 梶山シュウの毎週火曜日は、五日市の楽器店まで行ってレッスン、といふのが、27歳以降30年わたるデフォルトであったが、ついにこの5月でこの契約が切れ、私はまた違う形態でレッスンすることになる。

レッスンに来る高校生とも、今よりづっと年齢が近かったあの時代。ケータイも、インターネットもない時代。ニンゲン同士が、今よりもぅ少しリアルに付き合えてゐた時代。だいたいの事が、説明書なしでも理解できてゐたあの時代。

そんなことを考えても仕方ないのだが、まーぁ、時は過ぎ去ってしまったのだな、との思ひは、果てしなく強い。

2月22日(水)ギター弾き語りソロ@bar DICEーーーーーーーーーーーー

ベースの生徒の縁から、「ここでライヴを演ってみてはどうか?」の流れが、あれよあれよと云ふ間に決まって行った企画が、けふ結実した。

けふの舞台、bar DICEは、きわめてフツーのショットバァ。ここでバーテンをやってるサックス吹きのミッチー氏が「新しい縁を」といふ事で、私と巡り会っての・・といふ流れ。私としても、流れの酔客相手に弾き語りをやるのは、オリエンタルホテルのラウンヂ演奏以来。

どーなることやら、とお試しに近い形でけふがあったが、結果的にとても良い結果を示せたやうだ。

お店は『いい音楽が生で聴けるよ』といふ事でお客さんをいっぱい集めてくれ、私は私で、そのお客さん相手にギター片手に気に入られるやうに音楽を奏でる、といふウィンウィンな現場。客層を見ながら色々趣向を変えながら30分ステージを3回。オリエンタルホテルの頃と比べても、ちゃんと音楽を聴いてくれるお客さんであったこともあり、ぢつに良い形で自分のニッチを全うできた現場であった。

お客さんからも、お店側からも、ぢつに好評をいただく結果となり、まぁ、よかったな、と。

友人、知人も幾人か駆けつけてくれ、また、日頃はベース弾く私しか知らん人も来てくれ、久しぶりに「ギターも上手いんだな」と云ふ賛辞も聞け、楽しい仕事であった。

21時から30分おきに3ステージ、といふ構成だったが、けふも最終回終演まで酒は一滴も飲まずに遂行した。日頃私がよく飲むことを知ってる人も、流石にこれは驚いてゐたが、自分で決めた自戒を、ここで自分が破ってはタダのタダ者ではないか、との思ひが勝ち、完徹できた。

その分、終わった時にガバッと飲ませていただいたが、その頃には極限までハラも減っており、この空きっ腹にこれ以上飲んでは・・・との思ひから、盛り上がる会場を一足先に失礼して、チャリで帰った。

良き現場であった。

2月23日(木/祝)ーーーーーーーーーーーーー

昨日の良き余韻を胸に、けふは休み。

しばらくはギターでの現場がないので、ギターは封印し、ベースを練習。その後は上述の「電気じかけのクジラは歌う」を読み更ける1日。

2月24日(金)ーーーーーーーーーーーーー

なんかの流れで「モーセス・サムニー」といふミュージシャンを知る。

これが、なんといふか素晴らしい、としか云ひようのないストライクであり、この謎に迫りたい、と久しく思へるアーティストであるな、と。いつぞやぐらいからかねぇ?・・・、ある頃から明らかに「私がルーツを辿りようがない」ミュージシャンが出てきたが、彼もその典型。一体、ナニを聴いてナニを素養にしてこの音楽を作るに至ったか、を真剣に研究したいミュージシャンである。

インタヴーを読むにつけ、結構カラっとした性格のやうで(笑)、あんまり深く考えてもなささうなのが良い。
なをさらスゴいな・・。

これに近いものでも、もしも自分が作れたら・・・、そしてそれを然るべき形で発表できる場が設けられたとしたら・・・、その時 私は、自分の人生に満足しきって、にっこり笑って自殺してしまうかもしれない。それぐらいの音楽である。

2月25日(土)ーーーーーーーーーーーーー

しーシュのリハ。
ベースも歌も調子良い。

電子書籍で読んでゐる「電気じかけの〜」と、昨日聴き始めたモーセフ・サムニーと、あとやはりここ数ヶ月ハマってゐる、グレン・ヒューズの影響ではないか、と・・。

まぁ、よぅはミーハーなのだよ。

私のバァイ、さういふのが顕著で、他人からすると「ハ?」と思ふやうなことで、音楽性や技巧があからさまに変化するやうだ。今の私は、聞き馴染みの良い音楽の中に、どんだけ即興的な意外性を組み込めるか、を実践してゐるやうな気がする。ごりごりのブルーズに、プログレッシヴな要素を取り込んだり、逆にギラギラのプログレにブルーズを取り入れたりしたい、と思ってゐる。

ミーハー上等!。