週変わりのシュウ

花びら風に流れるばかり

8月15日(火)ーーーーーーーーーーー

昨日夕方広島に帰って来た。

まぁ一晩寝たぐらいで疲れが取れるハズはないが、日常が回り始める以上は私も動かねばなるまい。フツーに仕事(レッスン)す。旅の間づっと自分のではない車を運転してゐたので、街乗りはやや慎重に。

廿日市まで走る時、えらい車が少ないな、と思ったら今はまだ「盆」なのだな。
けふのレッスンは楽器店付属。他の講師陣はみーんな盆休みにしてるやうで、フツーにやって来た私に 店員が驚いたやうな顔をする。いやいや、本来ミュージシャンに盆も正月もないやろ?と思ふ私が変わってるのか・・?。

そもそも、甚大な災害の直後ですら愚直に会社に行こうとするやうな国民が、『盆』といふだけで公然と仕事を休む、といふのは何か変な気がする。ご先祖を大事に思ふなら、常日頃から尊べば良いのだ。

8月16日(水)ーーーーーーーーーーー

夏の自分への「ボーナス」として津山ひとり旅。
私にも馴染みの津山の名店 Talumache arrowにライヴを見に行くんだよ。

当初の予定では、青春18きっぷを使って「鉄分補給」もしながらのんびり旅を考てゐたのだが、『金券ショップが盆休み』といふ想定外。あんたらの仕事こそ盆に開けとけよ、と思はぬでもないが、颱風の影響でダイヤも乱れてゐるやうだし、まぁここは車を転がしての旅にしやう、と・・。

広島〜津山間は、決して「車で行きやすい場所」ではなく、その行程の半分以上がいわゆる「山越え」であり、だいぶ複雑なルートを通らねばならん。Google先生と地図を照らし合わせた綿密な旅程を弾き出し、もちろん高速道路不使用で出発。

前にも一人で来たことはあるので、この行程は割とスムースに・・。とは云へ10時半にウチを出て、休み休みではあるが津山に着いたのが16時だから、やっぱり近くはないねぇ。予約してゐたホテル(ドミトリー)にチェックインして、近所の居酒屋でいっぱいやったら、いざライヴへ。

さうまでして何を見に来たか、と云ふと、私が最近の若手ベース弾きで一番注目してゐる宮田岳氏が、パーカッションの重鎮ヤヒロトモヒロ氏と演ってゐるデュオ「公開車庫」が、これまた注目してゐるアルゼンチンの歌姫フロレンシア・ルイスを擁してのトリオでタルマッシュに来たからだ。

ところがけふになって、やはり颱風の影響で、東京にゐた岳さんが来れないことになり、急遽ヤヒロさんとルイス女史のデュオとなった。ちょっと残念だが、ルイスの生歌が聞けるだけでも価値がある、と思って乗り込んだタルマッシュ。

まーぁ、過酷な道を孤独に走って来た甲斐は、十二分にある素晴らしいライヴだった。歌力、といふのを軽々しく語るのも憚られるほどの歌声。もちろん歌詞がわかる訳でもないその歌の、なんと惹き込まれることよ!。そしてヤヒロさんのパーカッションの見事なことよ!!。
まぁこれに岳さんのベースが入ってたら・・・と思ふとホンマに残念だが、これはこれで貴重なものが見れた事で大満足な津山行であった。

終演後ヤヒロさんと少し話し(ぢつは数年前に共演経験あり)、次こそ岳くん入りの3人で広島にも!と握手す。津山の友達にも会え、なによりタルマッシュのマスター&ママ、美土路さんご夫妻に会えたのも嬉しかった。

8月17日(木)ーーーーーーーーーーー

津山に新しく新設されたばかり、と云ふドミトリーは、設備も良く清潔で素晴らしい宿だったが、残念ながら同室者のマナーがなっておらず、早朝まだ暗いうちからガサゴソとパッキングをし、なをかつ大声で話を(日本語ではなかったなぁ)しくさり、さらにバタンガタンと扉を開け閉めしやがり、まぁかういふ宿だから仕方ないけど、熟睡には程遠く・・・。

一夜明けて雨の津山。けふもあの道を帰らねば・・。
行きのルートは、かなり綿密に下調べをしたが、帰りは「逆を行きゃイイや」ぐらいに考へてゐた。・・が、盆が明けて交通量(大型トラック)が多いのと、雨のせいで、標識が確認できず、何度か迷ってしまった。

明らかに昨日走った道とは違う寂しい暗〜い山道に入ってしまった時はさすがに心細く、やはりちゃんとしたナビを入手すべきか、とか思ってしまった。

それでも地図を睨み、あれこれ探して、なんとか知ってる道に出て、やはり6時間かけて広島に帰還。良いライヴのためとは云へ、まぁ我ながら酔狂な旅をするものよ、と。

夜はレッスンの後、後輩SSW 山田シゲタローの「流しライヴ」を見に、薬研堀のBar DICEへ。
Diceは私のソロを皮切りに、常連さんがライヴをするやうになったらしく、けふのシゲもその一環。完全生声生音でギターとハモニカと歌の演奏を聞かせてくれた。

付き合いは長いがシゲのソロの歌を聴いたのは初めてかもしれん。見かけによらぬ 艶のあるバリトンは私の好みの声だ。ギターもハモニカも上手い。若いのに古くてシブいのをよぅ知ってるやつだけに、楽曲も悪くない。
・・がMCが長い(苦笑)。シゲに限らず、ライヴで喋ろうとしなくてもいいのになぁ、と若手のライヴを見てよく思ふ。

ライヴの開始が22時から、とだいぶレイトな時間帯。2ステージ終わるともぅ午前0時だ。旅帰りと云ふのもあり、何より明日は朝からバイトなので、ライヴが終わったらすぐ失礼した。

8月18日(金)ーーーーーーーーーーー

そのバイト。

盆の間はなかなか激忙だったやうで、けふも私が厨房に入った11時から、オーダーが途絶えない。そのまま16時まで激忙は続き、はーやれやれ、といふ忙しさだった。私がアガる5分前に高校生らしき集団がぞろぞろ来店して来たので、付き合いで15分ほど残業。

その後はレッスン。
二人来るもの、と思ってゐたら一人だけで、待ってる時間の方が長かった、と云ふね。この日は10日ぶりかに家で晩飯を喰った。

8月19日(土)ーーーーーーーーーーー

盆に帰れなかったぶんの、女房方の里帰りをバ。

いわゆる「ディープ瀬戸内気候」として、夏は涼しく冬は暖かい女房方の実家も、ここ数年はさにあらず。ここも耐えがたい猛暑であり、高齢のお義母さんの畑仕事やらが心配である。くれぐれも無理をせぬやうに、と伝える。

年末にかけてのしーシュ久々のロングツアーが決まって来てゐる。いづれも良き仲間たちの協力を得て、のこと。関東では久しぶりに「しんごとひでこ」とも演れさうだ。動き続けねば。