週変わりのシュウ

夜と霧の中で

9月1日(金)えばこフェス2023前夜祭@パーラー株湯ーーーーーーーーーーーーーーーーー

コロナ禍にあり、3年間中断させられてゐた秋の始め・・夏の終わりの一大イベント「えばこフェス」が、今年はついに再開される事に!。しーシュとしては、この週末に鳥取に出向くことはかなりの無理があったのだが(後述)、3年間の隔たりは何を差し置いても埋めねばなるまい、と参加を決意。

3年前の前回に倣い、明日の「本祭」を控えた「前夜祭」といふ事で、本日は吉岡温泉郷パーラー株湯に全国から旅楽師仲間が集結。久々のフェス開催と再会に、みな静かに興奮してゐる

大阪から「団長」吉崎ひろしを擁するタフィ水谷松井正樹のトリオ N.B.プロジェクト。岐阜県は犬山から「座長」富安秀行。大阪から初参戦の歌姫 清水明日香。広島は福山からマンドリンの前田宏樹。に やはり広島からわれらしーシュ。の布陣。ここに本来、姫路からチョイスちゃんが参加の予定であったが、急病により無念の欠場。

通常の喫茶店であるパーラー株湯を、あれこれいじってライヴ会場に仕立て、PAもみな自分らでやる、といふイベントだが、店の前にはデカデカと看板が出て、近所の話題にはなってゐる模様。リハ中に近所の女子高校生らしき娘らが店を覗いてゐたので期待したのだが・・・・。

ライヴはこの面子ならでは、の組んず解れつセッション編成多し。基本的にみんなが「演奏の上手い歌手」か「歌の上手い演奏者」なので(笑)、メインに立ってもサイドに回っても良い働きをする。けふは前夜祭といふ事で、全員20分の持ち時間に自分らのセールスポイントを詰め込んだ、といふライヴが繰り広げられた。

お客様にも好評。「前と同じやうに」とはなかなか行かぬとは思ふが、かういふイベントやライヴが日常に戻って来たことを、本当に喜んでくれてゐるのだ。

けふの宿泊は、明日の本祭主催の「えばこゴハン」さんにて雑魚寝。
我らしーシュは諸事情で明日の本祭打ち上げに参加できぬので(後述)、けふしっかり打ち上がっておく。前回同様『オタク甲子園(自分のマニアック趣味を2分間でプレゼンす、といふもの)』もあり、私は前回同様二位に甘んじる。ちなみに一位はやはり前回同様ぶっちぎりでN.B.プロジェクトの松井正樹師匠。

雑魚寝部屋にスペースがなかったので、私一人が食堂のソファで就寝。

9月2日(土)えばこフェス2023@小山池ベース特設会場ーーーーーーーーーーーーーーーーー

さてフェス本番。
前回のこれは、もぅ掛け値なしの「炎天下」で、日差し遮るものなき会場に降り注ぐ紫外線は、情け容赦なく人々を駆り立てたが、けふは薄曇りの天候。時折吹く風も涼しく、野外フェス日和と云って良いだらう。

昨日は「オタク甲子園」の後も飲み続け、特に私は 明日香の注いでくれる日本酒を、わりとカパカパ呑ってをり、ビミョ〜な二日酔い。水分と塩分をジョ〜ズに摂りながら過ごすぞ。

けふのフェスは、前半=地元のアマチュア楽師、後半=旅の職業楽師、といふ流れで進行。前半の出演者の選別はえばこゴハン女将 今家美恵子さんによるものださうだが、これがなかなか皆イケてる。ジャンルも編成もバラエティに富んでゐて、全部飽きずに見れた。

後半の我ら職業楽師は、昨日に輪をかけて組んず解れつのセッション大会。それぞれの良さをそれぞれが引き立てつつ、それぞれにアッピール。私は明日香とのデュオや、冨安さんにコーラスで加わったり、N.B.プロジェクトにベースで切り込んだり・・。

しーシュ単体としては、このフェスにおいてもやっぱり「ビミョ〜に浮いてる」存在感で会場をケムに巻く。割と激し目のナンバーを立て続けに演り、10分巻きぐらいで終了(笑)。あまりに「巻いた」おかげで、予定になかった「休憩時間」まで取れたらしい。

全部で7時間にも及ぶ長尺のイベントにも関わらず、天候にも恵まれ、事故もトラブルもなく、見事にフィナーレ。感極まって泣いてる人もゐた。それほどまでに、やっぱりこの3年間は長かったのだねぇ。

我らも「また来年」と誰もが等しく思ふが、実際それは云ふほど容易くはない事もみな分かってゐる。3年の間に我らは3歳年老い、世界が簡単にひっくり返ってしまうことも、実感として知ってしまった。それでもなを、やっぱり私は、また来年もここで!と云ひたい。

さて、終演後の良き余韻を味わうのもそこそこに、我らは「夜走り」を始めねば・・・。
ぢつは明日、広島は呉市川尻で行われるイベントに朝入りせねばならんため、けふのうちに出来るだけ現場に近づいておかん、と・・・。本戦の打ち上げに参加できぬのは残念だが、仕方ない。

鳥取→広島は、中国山脈を斜めに山越えする以外ルートはなく、これがフツーに行っても5時間。正直 東京へ行く方が早かったりする。えばこフェスへの参加者に関西の楽師が多いが、鳥取へは大阪からの方が遥かにアクセスは良いのだ。

初めて通る山陰の山道はそれなりに面白いが、なにせツアーの二日目のライヴ直後、といふ事で、疲労はすでに蓄積済み。さらに街灯もなにもない暗〜〜〜い山道をぐねぐね走る緊張感。どこまで行っても続くカーブの連続と、時折現れる寒村。午前2時ごろ限界が来て、タマタマあったコンビニのパーキングに飛び込み、シートを倒したら2秒で昏倒。

9月3日(日)タヒチアン・ダンス・イベント@川尻町ベイノアホールーーーーーーー

午前5時半に目が覚めたら、すごい霧の中だった。
自分らがどこに居るのか調べたら、川尻まであと1時間半ぐらい。いちをう会場入りは8時半、となってゐるので、今から出発してちょーど良いかんぢだらう。

走ってゐるうちに夜が明け、霧も晴れて来た。

けふの会場は、いわゆる「市民会館」みたいな大ホール。カワちゃんが取って来てくれた仕事なんだが、当初「ぱんぱかトリオ」でといふ事だったが、フタを開けてみれば我らは知らん間に『ウパウパ』といふバンドになってゐて、しかも初めて会うメンバーまでゐる。まぁさういふ事ならば ウパウパとして仕事をこなすのみ。伊達にこの世界で30年も生きてないぜ、といふところをシカと見せつけれた。

と、まぁ、このスケヂュールを聞いた仲間から『しーシュ 元気いいねぇ〜』と半ば呆れて云はれたやうな、割と無茶な行程を無事やり遂げた。楽師らしい良き週末だった。

だが、ウチに帰ったら、もぅイカン。21時にはもぅ起きて居れぬほどになり、昏倒。

9月4日(月)ーーーーーーーーーーーーーーーー

9月に入った、と云ふのになんぢゃこれは?と思ふやうな日差しと外気温。
旅の間の洗濯物がぜんぶ 午前中には完全に乾いてしまう、といふメリットはなかなか捨て難いが・・・。

けふもしーシュでリハ。真面目なデュオ。
けふはしかし、バイトもレッスンも入れておらず、リハが終われば終了。

明日からまたバイト&レッスンの怒涛が続くので、けふはのんびりと。

9月5日(火)ーーーーーーーーーーーーーーーー

バイトとレッスン掛け持ちの日。
天気が悪かったせいもあって、あんまり忙しくない日となったので、まぁまぁ助かった。

レッスンでは、この会場(楽器店)で、長らく私と生徒の仲介役をやってくれてゐた、元生徒の女子社員が独立する旨を本人から聞く。まぁ辞めてしまう訳ではないのだが、会う頻度は激減するだらう、とのことで挨拶に来てくれた。二十歳の頃、私の教室に入ってきて、やがて調律師になるために旅立ち、奇遇にもまた私の属する楽器店に調律師として就職した、といふ奇縁の続く娘だった。

旅立ちを祝したい。

9月6日(水)ーーーーーーーーーーーーーーーー

ツアーやイベントのツケが周り、近年珍しく16時から22時まで、7コマレッスンが続く、といふ壱日となった。

9月7日(木)ーーーーーーーーーーーーーーーー

バイトへ。
私が入った瞬間から忙しく、最後まで忙しい日だった。ぬ〜疲れた。

夜はしーシュのリハ。一旦帰宅してシャワーを浴びて、音楽聴きながらリラックスしてたらいつの間にか寝てゐる、といふほど日々の疲れが溜まってきてゐる様子。

しかし調子良いリハを2時間やれば気分もアガり、疲れも霧散。楽師はこれによって生きてゐるのだ。

9月8日(金)薬研堀夜市 第39回:ゲスト・福武世史記ーーーーーーーーーーーーーーー

夜市。

岡山からギターの福武世史記を迎える。岡山の老舗ライヴハウスMOGLAが移転となり、その引越しの最中といふ忙しい時に呼んでしもうてありゃりゃ、の世界だったが、オーナーのサンちゃんこと福武三二、奥さんの惠利子さんも一緒に来てくれており、嬉しい。しかし仲の良い家族だな(笑)。

ヨシキのギターは、色んな所で目にして来て、その実力は確認済みなのだが、しーシュの曲を一緒に演るのはほぼ初めてで、そもそも電気ギターにあまり余地のないしーシュの音楽性に、どう絡んでくれるかが楽しみであった。しかし まーぁ期待以上の事をやってくれて大満足。

会場や配信のお客さんからも絶賛の嵐。私にはぢつは、ドラムやパーカスはもちろん、ストリングスやホーンまで揃ったフル編成でのしーシュのコンサートをいつか演りたい、といふ野望がある。そのギタリストはヨシキで決定、て事で・・・。

素晴らしいライヴだった。久々の爆音ギターにロック魂が蘇り、終演後は久々に喉がカレてゐた。

サンちゃんやエリさんも交えての打ち上げも楽しく。もぅすでに新店舗での営業も間近であり、いつでも来いよ、と言ってもらえ、ここにまた繋がる縁を心から嬉しく思ふしーシュであった。